JPH0816509B2 - 車両用無段変速機の変速制御方法 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御方法

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JPH0816509B2
JPH0816509B2 JP62103737A JP10373787A JPH0816509B2 JP H0816509 B2 JPH0816509 B2 JP H0816509B2 JP 62103737 A JP62103737 A JP 62103737A JP 10373787 A JP10373787 A JP 10373787A JP H0816509 B2 JPH0816509 B2 JP H0816509B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は車両用無段変速機の変速制御方法、特に負荷
が減少した時の変速制御方法に関するものである。
従来技術とその問題点 従来、一般的な車両用無段変速機の変速制御方法は、
エンジン回転数とスロットル開度とを検出し、予めスロ
ットル開度に対応して設定された目標エンジン回転数に
対して、実際のエンジン回転数が近づくように変速比を
制御する方法が用いられている。
ところが、スロットル開度は運転者の操作によって頻
繁に、しかも大きく変動するため、つぎのような問題が
生じることがある。例えば、スロットル開度を全開にし
て走行している途中で急にスロットル開度を全閉とする
と、その瞬間に目標エンジン回転数が急激に低下するの
に対し、車速は殆ど低下しないので、変速比がハイ(高
速比)側に変速され、恰もニュートラル状態となったよ
うな違和感が生じる。このことは、エンジンブレーキが
全く働かないことを意味する。また、走行中に急ブレー
キをかけた場合もスロットル開度が全閉となるので、一
旦ハイ側へ変速された後でロー側へ変速されることにな
り、もし車両が停止するまでに再発進可能な低速比へ戻
れないと、エンストを起こすおそれがある。
そこで、目標エンジン回転数の単位時間当りの降下量
(降下速度)に制限を設け、スロットル開度が急激に閉
じられても目標エンジン回転数が時間勾配をもって降下
するようにし、上記の不具合を解消することが考えられ
る。
ところで、従来の自動変速機には低エンジン回転領域
から高エンジン回転領域までのほぼ全域をカバーできる
Dレンジのほかに、高エンジン回転数を保持して変速す
るLレンジが設けられており、またレンジとは別に燃費
を重視したエコノミーモードと動力性能を重視したパワ
ーモードとを設けたものも知られている。このようなレ
ンジあるいはモードの切換によって運転状態に適したエ
ンジンブレーキ性能や燃費性能を選択することができる
が、もし上記のように目標エンジン回転数の制限降下速
度がレンジやモードに関係なく一定値に設定されている
と、レンジやモードの切換によってエンジンブレーキ性
能や燃費に殆ど差が生じなくなり、却ってレンジやモー
ドの特性を損うことになる。
発明の目的 本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目
的は、高負荷状態から低負荷状態へ急激に変化した時の
走行の違和感を解消し、エンジンブレーキを効果的に作
動させるとともに、急ブレーキ時のエンストを防止し、
さらにレンジやモードの特性を損うことのない車両用無
段変速機の変速制御方法を提供することにある。
発明の構成 上記目的を達成するために、本発明は、動力性能の異
なる複数のレンジまたはモードを有し、少なくともスロ
ットル開度または吸気管負圧に対応して目標エンジン回
転数が設定され、実際のエンジン回転数が目標エンジン
回転数に近づくように変速制御される車両用無段変速機
において、目標エンジン回転数の降下速度に制限を設
け、動力性能の高いレンジまたはモードにおける制限降
下速度が動力性能の低いレンジまたはモードにおける制
限降下速度より小さくなるように設定したものである。
即ち、スロットル開度を全開から全閉に急激に変化さ
せたとき、目標エンジン回転数が時間勾配をもって降下
するようにしたので、変速比が急にハイ側へ変速され
ず、エンジンブレーキを効かせることができる。また、
急ブレーキ時には従来のように一旦ハイ側へ変速された
後にロー側へ変速されるのと異なり、車速の低下と同時
にロー側へ変速されるので、エンストを未然に防止する
ことができる。さらに、目標エンジン回転数の制限降下
速度をレンジまたはモードによって異なるようにしたの
で、レンジまたはモードの特性を損なわずに上記の効果
を発揮できる。
実施例の説明 第1図は本発明にかかる無段変速機の一例であるVベ
ルト式無段変速機の概略構造を示し、エンジン1のクラ
ンク軸2はダンパ機構3を介して入力軸4に接続されて
いる。入力軸4の端部には外歯ギヤが固定されており、
この外歯ギヤ5は無段変速装置10の駆動軸11に固定され
た内歯ギヤ6と噛み合い、入力軸4の動力を減速して駆
動軸11に伝達している。
無段変速装置10は駆動軸11に設けた駆動側プーリ12
と、従動軸13に設けた従動側プーリ14と、両プーリ間に
巻き掛けたVベルト15とで構成されている。駆動側プー
リ12は固定シーブ12aと可動シーブ12bとを有しており、
可動シーブ12bの背後にはトルクカム装置16と圧縮スプ
リング17とが設けられている。上記トルクカム装置16は
入力トルクに比例した推力を発生し、圧縮スプリング17
はVベルト15が弛まないだけの初期推力を発生し、これ
ら推力によりVベルト15にトルク伝達に必要なベルト張
力を付与している。一方、従動側プーリ14も駆動側プー
リ12と同様に、固定シーブ14aと可動シーブ14bとを有し
ており、可動シーブ14bの背後には変速比制御用の油圧
室18が設けられている。この油圧室18への油圧は後述す
るプーリ制御弁43にて制御される。
従動軸13の外周には中空軸19が回転自在に支持されて
おり、従動軸13と中空軸19とは湿式多板クラッチからな
る自動発進クラッチ20によって断続される。自動発進ク
ラッチ20への油圧は後述する発進制御弁45によって制御
される。中空軸19には前進用ギア21と後進用ギヤ22とが
回転自在に支持されており、前後進切換用ドッグクラッ
チ23によって前進用ギヤ21又は後進用ギヤ22のいずれか
一方を中空軸19と連結するようになっている。後進用ア
イドラ軸24には後進用ギヤ22に噛み合う後進用アイドラ
ギヤ25と、別の後進用アイドラギヤ26とが固定されてい
る。また、カウンタ軸27には上記前進用ギヤ21と後進用
アイドラギヤ26とに同時に噛み合うカウンタギヤ28と、
終減速ギヤ29とが固定されており、終減速ギヤ29はディ
ファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合い、動力
を出力軸32に伝達している。
調圧弁40は油溜41からオイルポンプ42によって吐出さ
れた油圧を調圧し、ライン圧としてプーリ制御弁43及び
発進制御弁45に出力している。プーリ制御弁43及び発進
制御弁45は電子制御装置60から出力される制御信号(例
えばデューテイ制御信号)によりソレノイド44,46を作
動させ、ライン圧を調圧して各々従動側プーリ14の油圧
室18と発進クラッチ20とに制御油圧を出力している。し
たがって、電子制御装置60からソレノイド44,46への制
御信号のみによって、無段変速装置10の変速比および発
進クラッチ20のトルク伝達容量を自在に制御できる。
第2図は電子制御装置60のブロック図を示し、図中、
61はエンジン回転数Nin(入力軸4の回転数)を検出す
るセンサ、62は車速V(出力軸32の回転数)を検出する
センサ、63は従動軸13の回転数Nout(発進クラッチ20の
入力回転数又は従動側プーリ14の回転数)を検出するセ
ンサ、64はP,R,N,D,Lの各シフト位置を検出するセン
サ、65はスロットル開度を検出するセンサであり、上記
センサ61〜64の信号は入力インターフェース66に入力さ
れ、センサ65の信号はA/D変換器67でデジタル信号に変
換される。68は中央演算処理装置(CPU)、69はプーリ
制御用ソレノイド44と発進制御用ソレノイド46を制御す
るためのプログラムやデータが格納されたリードオンリ
メモリ(ROM)、70は各センサから送られた信号やパラ
メータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RA
M)、71は出力インターフェースであり、これらCPU68、
ROM69、RAM70、出力インターフェース71、入力インター
フェース66及びA/D変換器67はバス72によって相互に連
絡されている。出力インターフェース71の出力は、出力
ドライバ73を介して上記プーリ制御用ソレノイド44と発
進制御用ソレノイド46とにデューティ制御用信号として
出力されている。
一般に、無段変速機の変速制御方法としては、スロッ
トル開度(車速の因子を加味する場合もある)に対応し
て目標エンジン回転数を設定しておき、実際のエンジン
回転数がその時のスロットル開度に応じた目標エンジン
回転数へ近づくように変速比を制御する方法が用いられ
ている。したがって、第3図a点、即ちスロットル開度
θを全開(100%)として走行している時(エンジン回
転数NR )に急にスロットル開度を全開(0%)とする
と、その時のスロットル開度に対応した目標エンジン回
転数NRを決定し、この目標エンジン回転数の位置b点に
迅速に到達するように無段変速装置10を変速制御するこ
とになる。これを第4図について説明すると、時刻t1
急にスロットル開度を全開から全閉へと変化させると、
それと同時に目標エンジン回転数もNR からNRへと急激
に降下する。このような目標エンジン回転数が急激に降
下するということは、ハイ側へ急速に変速することであ
り、恰もニュートラル状態となったような違和感を生じ
るとともに、エンジンブレーキが全く効かなくなる。ま
た、第3図a点で走行中に急ブレーキをかけた場合に
は、当然ながらスロットル開度が全閉となるので、第3
図矢印cで示すように一旦ハイ側へ変速された後、ロー
側へ変速されることになり、車両が停止するまでの間に
再発進可能な低速比まで変速することができず、エンス
トを起こすおそれがある。
これに対し、本発明では目標エンジン回転数の降下速
度に制限を設け、上記の不具合を解消している。即ち、
第3図a点で走行中にスロットル開度を全閉とした場合
には、即座にb点(エンジン回転数NR)まで降下させ
ず、時間勾配をもって降下させる。これを第4図につい
て説明すると、時刻t1でスロットル開度を全開から全閉
へ変化させると、破線で示すように目標エンジン回転数
はNR からNRへと時間勾配をもって降下し、ハイ側への
変速が遅くなる。そのため、従来のような走行の違和感
を解消できるとともに、エンジンブレーキを効果的に働
かせることができる。また、第3図a点で走行中に急ブ
レーキをかけた場合にも、第3図矢印dのように即座に
ロー側へ変速されるので、車両が停止するまでに確実に
低速比へ戻すことができ、エンストを防止できる。
ところで、無段変速機の走行レンジには、ほぼ全変速
領域をカバーできるDレンジのほかに、比較的高いエン
ジン回転数を保持しながら変速するLレンジが設定され
ており、またこれらレンジとは別個に燃費を重視したエ
コノミーモードと動力性能を重視したパワーモードとを
設けたものもある。このようなレンジあるいはモードの
切換によって運転状態に適したエンジンブレーキ性能や
燃費性能を選択することができるが、もし上記のように
目標エンジン回転数の制限降下速度がレンジやモードに
関係なく一定値に設定されていると、例えばDレンジに
おいてエンジンブレーキが効き過ぎたり、燃費を損うな
どの問題を生じ、レンジやモード本来の特性を損うこと
になる。
そこで、本発明では目標エンジン回転数の制限降下速
度をレンジまたはモードによって異なる値を設定してい
る。具体的には、第5図のように制限降下速度δ/TをD
レンジのエコノミーモードからLレンジのパワーモード
まで順次小さくなるように4段階に設定している。この
ようにDレンジより動力性能の高いLレンジの制限降下
速度δ/Tを小さくし、さらにエコノミーモードよりパワ
ーモードの制限降下速度δ/Tを小さすれば、Lレンジの
パワーモードでは最も強力なエンジンブレーキを作用さ
せることができ、逆にDレンジのエコノミーモードでは
スロットル開度を閉じるとともにエンジン回転数が最も
速く降下するため、燃費性能に優れ、かつ運転の静粛性
が得られる。
また、第5図では制限降下速度δ/Tをエンジン回転数
Ninの上昇につれて大きくなるように設定してある。こ
のように制限降下速度δ/Tをエンジン回転数Ninに対応
して変化させたのは、高エンジン回転域においてはスロ
ットル開度の変化に対するエンジン回転数の降下速度が
大きくなる傾向にあるので、高エンジン回転領域におい
て不必要にエンジンブレーキが効きすぎる不具合を解消
するためである。
つぎに、本発明にかかる変速制御方法の一例を第6図
に従って説明する。
変速制御がスタートすると、スロットル開度θ,エン
ジン回転数Nin,従動軸回転数Nout,車速V,シフト位置な
どの各信号を入力し(80)、つぎにスロットル開度θに
対応した目標エンジン回転数NRを読み出す(81)ととも
に、レンジまたはモードに対応した目標エンジン回転数
の制限降下量δを読み出す(82)。そして、1回前に読
み出した目標エンジン回転数NR と、今回読み出した目
標エンジン回転数NRとの差を制限降下量δと比較する
(83)。
NR −NR≦δの時には、目標エンジン回転数の降下量
が制限降下量より小さいので、今回読み出した目標エン
ジン回転数NRをNEに置き換え(84)、この目標エンジン
回転数NEに近づくように変速制御を実行する(85)。
NR −NR>δの時には、目標エンジン回転数の降下量
が制限降下量より大きいので、今回読み出した目標エン
ジン回転数NRを無視し、前回読み出した目標エンジン回
転数NR から制限降下量δを減算した値を目標エンジン
回転数NEと新たに設定し(86)、この目標エンジン回転
数NEに近づくように変速制御を行う(85)。
上記変速制御において、1サイクルの所要時間をTと
すると、δ/Tが目標エンジン回転数の制限降下速度であ
る。
なお、本発明の目標エンジン回転数は、スロットル開
度又は吸気管負圧のみによって決定される場合に限ら
ず、車速の因子を加味してもよい。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明によれば目標エ
ンジン回転数の降下速度に制限を設けたので、スロット
ル開度を急に閉じた時にハイ側への変速が遅くなり、走
行の違和感を解消できるとともに、エンジンブレーキを
効かせることができる。また、急ブレーキ時には従来の
ように一旦ハイ側へ変速された後にロー側へ変速される
のと異なり、車速の低下と同時にロー側へ変速されるの
で、エンストを未然に防止することができる。
さらに、目標エンジン回転数の制限降下速度を動力性
能の高いレンジまたはモードの方が動力性能の低いレベ
ルまたはモードより小さくなるようにしたので、例えば
DレンジよりLレンジの制限降下速度を小さくすれば、
Lレンジのエンジンブレーキをより効果的に作用させる
ことができ、逆にDレンジにおける燃費性能や静粛性を
損なわない。したがって、レンジまたはモードの特性を
損なわずに上記の効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例であるVベルト式無段変速機の概
略図、第2図は電子制御装置のブロック図、第3図は変
速線図、第4図はスロットル開度と目標エンジン回転数
の時間変化図、第5図は目標エンジン回転数の制限降下
速度とエンジン回転数との関係を示す設定図、第6図は
本発明の変速制御方法の一例のフローチャート図であ
る。 1……エンジン、10……無段変速装置、20……発進クラ
ッチ、43……プーリ制御弁、44……プーリ制御用ソレノ
イド、60……電子制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力性能の異なる複数のレンジまたはモー
    ドを有し、少なくともスロットル開度または吸気管負圧
    に対応して目標エンジン回転数が設定され、実際のエン
    ジン回転数が目標エンジン回転数に近づくように変速制
    御される車両用無段変速機において、 目標エンジン回転数の降下速度に制限を設け、動力性能
    の高いレンジまたはモードにおける制限降下速度が動力
    性能の低いレンジまたはモードにおける制限降下速度よ
    り小さくなるように設定したことを特徴とする車両用無
    段変速機の変速制御方法。
JP62103737A 1987-04-27 1987-04-27 車両用無段変速機の変速制御方法 Expired - Fee Related JPH0816509B2 (ja)

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