JPH08184786A - 含水性ソフトコンタクトレンズおよびその製法 - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズおよびその製法

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JPH08184786A
JPH08184786A JP32839994A JP32839994A JPH08184786A JP H08184786 A JPH08184786 A JP H08184786A JP 32839994 A JP32839994 A JP 32839994A JP 32839994 A JP32839994 A JP 32839994A JP H08184786 A JPH08184786 A JP H08184786A
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JP
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contact lens
vinyl monomer
soft contact
monomer component
cellulose derivative
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JP32839994A
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English (en)
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Hidekuni O
秀訓 王
Takuo Kato
卓雄 加藤
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Tomey Technology Corp
Original Assignee
Tomey Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高含水性を有し、透明性にすぐれ、含水性の
ソフトコンタクトレンズとして適度な強度を有すること
はもちろんのこと、形状安定性にもすぐれた含水性ソフ
トコンタクトレンズ、ならびに該含水性ソフトコンタク
トレンズを短時間および低コストで連続的に大量生産す
ることができる方法を提供すること。 【構成】 親水性(メタ)アクリルアミドを含有したビ
ニルモノマー成分を架橋重合させてなるポリマーと、1
分子中のヒドロキシプロポキシル基の含有量が3〜75
重量%のセルロース誘導体とからなる含水性ソフトコン
タクトレンズ、および前記ビニルモノマー成分とセルロ
ース誘導体とを相溶させ、該ビニルモノマー成分を架橋
重合させることを特徴とする含水性ソフトコンタクトレ
ンズの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水性ソフトコンタク
トレンズおよびその製法に関する。さらに詳しくは、高
含水性を有し、透明性にすぐれ、含水性のソフトコンタ
クトレンズとして適度な機械的強度を有することはもち
ろんのこと、形状安定性にもすぐれた含水性ソフトコン
タクトレンズ、ならびに該含水性ソフトコンタクトレン
ズを短時間および低コストで連続的に大量生産すること
ができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高含水性を有するソフトコンタク
トレンズ、とくに使い捨てタイプの高含水性ソフトコン
タクトレンズの研究がさかんに行なわれているが、かか
る使い捨てタイプの高含水性ソフトコンタクトレンズを
製造する際には、とくに、安価な材料を用いてコストを
低減させることや、連続的に大量生産することが要求さ
れる。
【0003】ところで、従来、含水ゲルやその製法につ
いて種々の研究、開発がなされており、かかる含水ゲル
をコンタクトレンズに用いることが提案されている。
【0004】たとえば2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、N,N−
ジメチルアクリルアミドなどの親水性単量体を重合して
えられたヒドロゲルがコンタクトレンズに用いられてい
る。しかしながら、このような親水性単量体を用いたば
あいには、えられるヒドロゲルの含水率を高めようとす
ると、その機械的強度が低下する傾向があり、含水率と
機械的強度をともに高めることが困難であるという欠点
があった。
【0005】そこで、このような含水率の向上に伴う機
械的強度の低下を避けるために、高分子量を有する原料
を用いることが提案されている。
【0006】たとえば、特公昭59−1744号公報に
は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを重合さ
せた親水性(メタ)アクリル系重合体と疎水性単量体と
を共重合させてえられた基材に、水を含有させた自己補
強性ヒドロゲルが開示されている。しかしながら、この
ように2段階で重合させるには時間がかかり、コストが
上昇するという問題がある。また、特公平4−1412
4号公報には、ポリエチレングリコールなどの既存の親
水性高分子化合物に重合性基を導入してから、単量体と
混合して重合させ、ヒドロゲルを製造する方法が記載さ
れている。しかしながら、かかる方法も、基本的に2段
階で重合させる方法であるから、ヒドロゲルの製造に時
間がかかり、低コストで大量生産することが困難である
といった問題がある。
【0007】また、生体適合性が良好であり、酸素透過
性も比較的良好であることから、セルロース誘導体をコ
ンタクトレンズ材料に用いる方法が提案されている。
【0008】たとえば、特開昭53−52447号公報
には、セルロースエステルまたはセルロースエーテルに
低分子量の相溶性可塑剤を混合し、たとえば射出成形に
よってコンタクトレンズをうる方法が記載されている。
しかしながら、かかる方法は、基本的に非含水性コンタ
クトレンズをうる際には好適に採用することができる
が、ポリマーに架橋部分が存在していないため、たとえ
親水性のセルロースエステルやセルロースエーテルを用
いても、含水させるとコンタクトレンズとして必要な形
状が維持されないという問題がある。
【0009】また、米国特許第4,231,905号明
細書には、少量のセルロースエーテルまたはセルロース
エステルをメチルメタクリレートに溶解させ、ついで重
合させて成形してコンタクトレンズをうる方法が記載さ
れているが、かかる方法も非含水性コンタクトレンズを
うる際には採用することができるが、含水させると白濁
してしまうため、含水性コンタクトレンズの製造への適
用は困難である。
【0010】一方、含水性コンタクトレンズにセルロー
ス誘導体を用いることも試みられており、たとえばつぎ
のようなものがある。
【0011】特開平2−168958号公報には、有機
溶媒中に溶解させた再生セルロースに、分子中に2個以
上の水酸基を有する多酸、多価アルコールなどを架橋剤
として添加し、再生セルロースと架橋剤とのあいだで生
じる水素結合にて架橋構造を形成させてゲル化させ、つ
いでゲル中の有機溶媒を水で置換することにより含水性
コンタクトレンズをうる方法が記載されている。しかし
ながら、かかる方法においては、ポリマー分子鎖間を水
素結合で架橋させているため、わずかな環境変化によっ
て、かかる水素結合が分解してしまうことから、再現性
や、えられた含水性コンタクトレンズの形状安定性が劣
るといった問題がある。
【0012】また、特開平5−237142号公報に
は、セルロースやセルロース誘導体のアルカリ水溶液に
エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジル
エーテルなどの架橋剤を加えて架橋反応させ、えられた
含水ゲルから含水性コンタクトレンズをうる方法が記載
されている。しかしながら、かかる方法は、水溶液中で
エステル結合やエーテル結合を形成させ、架橋構造をつ
くるため、均一な反応をさせることが困難であることか
ら、再現性が劣るという問題がある。
【0013】さらに、特開平5−86101号公報に
は、ヒドロキシエチルセルロースを、たとえばジメチル
スルホキシド溶液中にてたとえば2−イソシアネートエ
チルメタクリレートと反応させ、えられたメタクリロイ
ル基を側鎖に有するヒドロキシエチルセルロースのジメ
チルスルホキシド溶液に、メチルメタクリレートなどの
モノマーを加えて反応させたのち、さらにゲル中の有機
溶媒を水と置換して目的の含水性コンタクトレンズをう
る方法が記載されている。しかしながら、かかる方法に
は、ヒドロキシエチルセルロースと有機溶媒との相溶性
があまりよくないため、その反応がポリマーの希薄溶液
で行なわれなければならず、その結果、えられたゲルは
機械的強度が小さいものとなり、また製造工程が多く、
コストが高くなるといった問題がある。
【0014】したがって、高含水性であって形状安定性
にすぐれ、適度な機械的強度を有するソフトコンタクト
レンズ、および該ソフトコンタクトレンズを低コストで
連続的に大量生産することができる方法の確立が待ち望
まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、透明性にすぐれること
はもちろんのこと、適度な機械的強度を有し、形状安定
性にもすぐれた含水性ソフトコンタクトレンズ、たとえ
ば使い捨てタイプの含水性ソフトコンタクトレンズ、な
らびに該含水性ソフトコンタクトレンズを短時間および
低コストで連続的に大量生産することができる方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、親水性(メ
タ)アクリルアミドを含有したビニルモノマー成分を架
橋重合させてなるポリマーと、1分子中のヒドロキシプ
ロポキシル基の含有量が3〜75重量%のセルロース誘
導体とからなる含水性ソフトコンタクトレンズ、および
親水性(メタ)アクリルアミドを含有したビニルモノ
マー成分と、1分子中のヒドロキシプロポキシル基の含
有量が3〜75重量%のセルロース誘導体とを相溶さ
せ、前記ビニルモノマー成分を架橋重合させることを特
徴とする含水性ソフトコンタクトレンズの製法に関す
る。
【0017】
【作用および実施例】本発明の含水性ソフトコンタクト
レンズは、前記したように、親水性(メタ)アクリルア
ミドを含有したビニルモノマー成分を架橋重合させてな
るポリマーと、1分子中のヒドロキシプロポキシル基の
含有量が3〜75重量%のセルロース誘導体とからな
り、該含水性ソフトコンタクトレンズの製法は、親水性
(メタ)アクリルアミドを含有したビニルモノマー成分
と、1分子中にヒドロキシプロポキシル基の含有量が3
〜75重量%のセルロース誘導体とを相溶させ、前記ビ
ニルモノマー成分を架橋重合させることを特徴とするも
のである。
【0018】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの
製法においては、ビニルモノマー成分がセルロース誘導
体と実質的に反応しがたいものであるので、該ビニルモ
ノマー成分を、セルロース誘導体とは反応させずに、そ
れのみで架橋重合させてポリマーを形成させることがで
きる。したがって、かかるビニルモノマー成分のみが架
橋重合してえられたポリマーとセルロース誘導体とが互
いにからみ合い、高含水率や、含水性のソフトコンタク
トレンズとして適度な強度を有し、透明性や成形加工性
にすぐれた複合ポリマーがえられる。
【0019】なお、本発明の含水性ソフトコンタクトレ
ンズは、前記したように、通常、かかるビニルモノマー
成分のみが架橋重合してえられたポリマーとセルロース
誘導体とがからみ合った構造を有する複合ポリマーから
なるものであるが、本発明の目的を阻外しない範囲内
で、かかるビニルモノマー成分が架橋重合してえられた
ポリマーとセルロース誘導体とが、たとえば該セルロー
ス誘導体を架橋しうる多官能性化合物を介して架橋され
ていてもよい。
【0020】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの
製法においては、特定の置換基を特定量有するセルロー
ス誘導体が用いられていることに大きな特徴の1つがあ
る。
【0021】前記セルロース誘導体は、親水性(メタ)
アクリルアミドを含有したビニルモノマー成分との相溶
性にすぐれることから、複合ポリマーを容易に形成させ
ることができ、また親水性を有することから、該複合ポ
リマーの含水率が高められるうえに、白濁が生じるよう
なことがなく、さらに硬直な分子鎖構造を有することか
ら、該複合ポリマーの形状安定性が高められる。また、
該セルロース誘導体は、複合ポリマーを含水させたばあ
いであっても、該複合ポリマーから溶出するおそれがな
く、かかる複合ポリマーからえられる含水性ソフトコン
タクトレンズは、安全性にすぐれたものとなる。
【0022】本発明に用いられるビニルモノマー成分
は、親水性(メタ)アクリルアミドを含有したものであ
る。
【0023】前記親水性(メタ)アクリルアミドは、セ
ルロース誘導体と実質的に反応しがたく相溶しうるもの
であり、えられる含水性ソフトコンタクトレンズの透明
性を低下させるおそれがないものであればよい。前記親
水性(メタ)アクリルアミドの代表例としては、たとえ
ば(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドな
どのたとえばアルキル基の炭素数が1〜2のアルキル
(メタ)アクリルアミドやアルキル基の炭素数が1〜2
のジアルキル(メタ)アクリルアミドなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。これらのなかでは、取り扱いやすく、セルロー
ス誘導体との相溶性にすぐれ、えられる含水性ソフトコ
ンタクトレンズの透明性が向上するという点から、アル
キル基の炭素数が1〜2のジアルキル(メタ)アクリル
アミドが好ましい。
【0024】前記ビニルモノマー成分は、その全量が前
記親水性(メタ)アクリルアミドであってもよく、その
一部がかかる親水性(メタ)アクリルアミドであっても
よい。かかる親水性(メタ)アクリルアミドの含有量が
あまりにも少ないばあいには、ビニルモノマー成分とセ
ルロース誘導体とを相溶させた際に、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いにくくなる傾向があるので、該親水性(メ
タ)アクリルアミドの含有量は、ビニルモノマー成分の
40〜100重量%であることが好ましく、50重量%
以上であることがさらに好ましい。なお、セルロース誘
導体によって機械的強度を充分に向上させ、えられる含
水性ソフトコンタクトレンズを含水させたときに脆くな
るおそれが生じないようにするには、前記親水性(メ
タ)アクリルアミドの含有量は、ビニルモノマー成分の
90重量%以下であることがさらに好ましい。
【0025】前記ビニルモノマー成分には、前記親水性
(メタ)アクリルアミドのほかにも、えられる含水性ソ
フトコンタクトレンズの機械的強度をさらに向上せしめ
る目的で、疎水性ビニルモノマーが含有されていてもよ
い。
【0026】前記疎水性ビニルモノマーとしては、セル
ロース誘導体と実質的に反応しがたく相溶しうるもので
あればよいが、その代表例としては、たとえばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのたとえば
アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アク
リレート;フルオロアルキル基の炭素数が3〜12のフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート;シロキサニルア
ルキル基の炭素数が3〜12のシロキサニルアルキル
(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;スチレン、アルキ
ル基の炭素数が1〜6のアルキルスチレンなどのスチレ
ン系モノマー;アルキル基の炭素数が2〜18のアルケ
ン、アルキル基の炭素数が2〜18のハロアルケンなど
のアルケン類;(メタ)アクリロニトリルなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのなかでは、セルロース誘導体との
相溶性が良好であり、含水性ソフトコンタクトレンズの
機械的強度を向上せしめる効果が大きいという点から、
アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アク
リレートが好ましい。
【0027】前記疎水性ビニルモノマーの含有量は、あ
まりにも多いばあいには、えられる含水性ソフトコンタ
クトレンズの含水率が低下する傾向があるので、ビニル
モノマー成分の0〜60重量%であることが好ましく、
50重量%以下であることがさらに好ましい。なお、前
記疎水性ビニルモノマーを用いたことによる含水性ソフ
トコンタクトレンズの機械的強度の向上効果を充分に発
現せしめるためには、該疎水性ビニルモノマーの含有量
は、ビニルモノマー成分の10重量%以上であることが
さらに好ましい。
【0028】本発明に用いられるセルロース誘導体は、
えられる含水性ソフトコンタクトレンズの機械的強度を
向上せしめ、重合収縮を抑制する作用を呈するものであ
る。
【0029】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、高分子量を有するビニルモノマー成分からなるポリ
マーによって、ある程度機械的強度が補強され、さらに
前記セルロース誘導体によって、含水性のソフトコンタ
クトレンズとして充分な機械的強度が付与されたもので
ある。またセルロース誘導体は、単量体ではないので、
かかるセルロース誘導体が添加された系は、ビニルモノ
マー成分のみの系と比べて重合収縮率が低く、所望の形
状を有する含水性ソフトコンタクトレンズがえられる。
【0030】さらに、本発明に用いられるセルロース誘
導体は、親水性を有し、ビニルモノマー成分との相溶性
にすぐれたものであるので、該ビニルモノマー成分と均
一な組成となるように相溶し、非水溶性高分子物質を用
いたばあいのように、初期重合速度をコントロールしな
くても含水性ソフトコンタクトレンズに白濁が生じるこ
とがない。
【0031】前記セルロース誘導体は、式(I):
【0032】
【化1】
【0033】で表わされる繰り返し単位を有するセルロ
ース中の水酸基の一部がヒドロキシプロポキシル基で置
換されたものであり、その1分子中のヒドロキシプロポ
キシル基の含有量が3〜75重量%のものである。
【0034】なお、前記セルロース誘導体は、本発明の
目的を阻害しないかぎり、前記セルロース中の水酸基の
一部が、ヒドロキシプロポキシル基のほかにも、たとえ
ばアルコキシル基、カルボキシル基などのヒドロキシプ
ロポキシル基以外の置換基で置換されたものであっても
よい。
【0035】本発明に用いられるセルロース誘導体の代
表例としては、たとえば一般式(II):
【0036】
【化2】
【0037】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
6はそれぞれ独立してヒドロキシプロポキシル基、炭
素数1〜12のアルコキシル基、カルボキシル基、カル
ボキシベンゾイル基、アセトキシル基、サクシノオキシ
ル基または水酸基であり、R1、R2、R3、R4、R5
よびR6のうち少なくとも1つがヒドロキシプロポキシ
ル基であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のすべ
てが同時に水酸基ではない)で表わされる繰り返し単位
を有する化合物があげられる。
【0038】前記一般式(II)で表わされる化合物の
具体例としては、たとえばヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテー
トサクシネートなどがあげられる。
【0039】本発明に用いられる前記特定量のヒドロキ
シプロポキシル基を含有したセルロース誘導体は、実質
的にビニルモノマー成分との反応性を有さず、相溶性に
すぐれたものであるので、ビニルモノマー成分が架橋重
合してえられたポリマーとからみ合うため、含水性ソフ
トコンタクトレンズとして適度な機械的強度や高含水率
を有し、透明性や成形加工性にすぐれた良好な複合ポリ
マーが容易にえられる。
【0040】なお、前記セルロース誘導体の1分子中の
ヒドロキシプロポキシル基の含有量は、あまりにも少な
いばあいには、セルロース誘導体とビニルモノマー成分
との相溶性が低下し、えられる含水性ソフトコンタクト
レンズが白濁しやすくなるので、3重量%以上、好まし
くは5重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であ
る。またかかるヒドロキシプロポキシル基の含有量は、
あまりにも多いばあいには、セルロース誘導体の親水性
が低下し、えられる含水性ソフトコンタクトレンズの含
水率が低下してしまうので、75重量%以下、好ましく
は70重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下で
ある。
【0041】なお、本発明に用いられるセルロース誘導
体は、その分子量を直接測定することが困難であるた
め、本発明においては、セルロース誘導体の水溶液の粘
度によって、該分子量を間接的に規定した。
【0042】前記セルロース誘導体の分子量があまりに
も小さいばあい、すなわちその水溶液の粘度があまりに
も低いばあいには、低分子量物であることから、えられ
る含水性ソフトコンタクトレンズの機械的強度を向上せ
しめる効果が充分に発現されにくくなる傾向があるの
で、その2%水溶液の粘度(20℃)が0.2cP以
上、好ましくは0.5cP以上、さらに好ましくは1c
P以上であることが望ましい。またかかるセルロース誘
導体の分子量があまりにも大きいばあい、すなわちその
水溶液の粘度があまりにも高いばあいには、高分子量物
であることから、前記ビニルモノマー成分と相溶させた
系の粘度が高くなり、取り扱いが困難となる傾向がある
ので、その2%水溶液の粘度(20℃)が10000c
P以下、好ましくは8000cP以下、さらに好ましく
は6000cP以下であることが望ましい。
【0043】本発明の製法においては、前記ビニルモノ
マー成分と、1分子中のヒドロキシプロポキシル基の含
有量が3〜75重量%のセルロース誘導体とを相溶させ
るが、このときのビニルモノマー成分とセルロース誘導
体との重量比(ビニルモノマー成分/セルロース誘導
体)は、ビニルモノマー成分があまりにも少ないばあ
い、すなわちセルロース誘導体があまりにも多いばあい
には、両者を相溶させた系の粘度が高くなりすぎて、取
り扱いが困難となる傾向があるので、かかる重量比が1
5/85以上、好ましくは30/70以上となるように
調整することが望ましく、またビニルモノマー成分があ
まりにも多いばあい、すなわちセルロース誘導体があま
りにも少ないばあいには、セルロース誘導体による含水
性ソフトコンタクトレンズの機械的強度を向上せしめる
効果や重合収縮を抑制する効果が充分に発現されにくく
なる傾向があるので、95/5以下、好ましくは90/
10以下となるように調整することが望ましい。
【0044】たとえば、前記重量比となるように、ビニ
ルモノマー成分およびセルロース誘導体の配合量を調整
したのち、両者を相溶させ、ビニルモノマー成分を架橋
重合させるが、かかるビニルモノマー成分を、たとえば
架橋性ビニルモノマーで架橋重合させることが、えられ
る含水性ソフトコンタクトレンズの形状安定性をより向
上させる点から好ましい。
【0045】前記架橋性ビニルモノマーとしては、ビニ
ルモノマー成分のみを架橋させることができるものであ
ればよく、その代表例としては、たとえばエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N−メチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス
マレイミド、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレートなどのジ、トリまたはテト
ラビニル化合物、ジアリルサクシネート、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネートなどのアリル化合物、
アリル(メタ)アクリレートなどのアリルビニル化合物
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。これらのなかでは、取り扱い
が容易であり、架橋反応性が良好であるという点から、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0046】前記架橋性ビニルモノマーの配合量は、あ
まりにも少ないばあいには、かかる架橋性ビニルモノマ
ーを用いたことによるビニルモノマー成分の架橋反応性
を向上せしめる効果が充分に発現されにくくなる傾向が
あるので、該ビニルモノマー成分全量の0.01重量%
以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは
0.2重量%以上となるように調整することが望まし
い。また、かかる架橋性ビニルモノマーの配合量は、あ
まりにも多いばあいには、えられる含水性ソフトコンタ
クトレンズの含水率が低下したり、機械的強度が低下す
る傾向があるので、該ビニルモノマー成分全量の10重
量%以下、好ましくは5重量%以下となるように調整す
ることが望ましい。
【0047】本発明の製法の特徴は、前記したように、
ビニルモノマー成分をそれのみで架橋重合させることで
あり、かかるビニルモノマー成分同士を架橋重合させて
えられたポリマーとセルロース誘導体とから複合ポリマ
ーがえられるが、かかる複合ポリマーの機械的強度をさ
らに向上せしめる目的で、ビニルモノマー成分のみなら
ず、セルロース誘導体もそれのみで架橋させることが好
ましい。かかるセルロース誘導体同士を架橋させること
によって、前記ビニルモノマー成分を架橋重合させてえ
られたポリマーと架橋セルロース誘導体とが互いにから
み合った複合ポリマーがえられ、かかる複合ポリマー
は、含水率が低下したり、白濁することがまったくな
く、機械的強度がきわめて向上したものとなる。
【0048】前記セルロース誘導体は、たとえば該セル
ロース誘導体と架橋しうる多官能性化合物によって架橋
させることにより、えられる含水性ソフトコンタクトレ
ンズの機械的強度をより向上せしめることが可能であ
り、さらに含水性ソフトコンタクトレンズを含水させた
際に、セルロース誘導体が溶出するおそれをまったく生
じさせないという点から好ましい。
【0049】前記多官能性化合物としては、セルロース
誘導体中の水酸基と反応し、セルロース誘導体のみを架
橋させることができる、たとえばイソシアネート基、カ
ルボキシル基、アルデヒド基、アミド基、水酸基、クロ
ロスルホン基などの官能基を有する化合物であればよ
い。その代表例としては、たとえばヘキサメチレンジイ
ソシアネートの多量体であるポリイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、パラホルムアルデヒド、
無水フタル酸、メチル化メラミン樹脂、ポリビニルアル
コール、ホウ酸、チタン酸エステル、パナジウムイオン
などがあげられる。なお、前記ヘキサメチレンジイソシ
アネートの多量体であるポリイソシアネートとしては、
たとえばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(三
官能性)を主成分とし、かかる三量体のほかにヘキサメ
チレンジイソシアネートの六量体(四官能性)を含有し
たものなどがある。前記ポリイソシアネートの代表例と
しては、たとえばコロネートHX(日本ポリウレタン工
業(株)製、数平均分子量:700、イソシアネート基
の含有量:21.3重量%、1分子中のイソシアネート
基の数:平均約3.55個)やコロネートHK(日本ポ
リウレタン工業(株)製、数平均分子量:1000、イ
ソシアネート基の含有量:20重量%、1分子中のイソ
シアネート基の数:平均約4.76個)のほかに、ブロ
ック型のポリイソシアネートなどがあげられる。これら
多官能性化合物は単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができるが、これらのなかでは、取り扱いが容易
であり、適度な架橋速度を呈し、架橋の安定性にすぐれ
るという点から、ヘキサメチレンジイソシアネートの多
量体であるポリイソシアネートが好ましい。
【0050】前記セルロース誘導体と架橋しうる多官能
性化合物の配合量は、用いたセルロース誘導体および多
官能性化合物の種類によっても異なり、とくに限定がな
いが、通常、セルロース誘導体中の水酸基と多官能性化
合物中の官能基との割合に依存すると考えられる。かか
るセルロース誘導体中の水酸基の量に対する多官能性化
合物中の官能基の量があまりにも少ないばあいには、多
官能性化合物を用いたことによるセルロース誘導体の架
橋効果が充分に発現されず、えられる含水性ソフトコン
タクトレンズの機械的強度があまり向上しなくなる傾向
があるので、セルロース誘導体中の水酸基と多官能性化
合物中の官能基との当量比(水酸基/官能基)が150
/1以下、なかんづく100/1以下となるように調整
することが好ましく、またかかる水酸基の量に対する官
能基の量があまりにも多いばあいには、えられる含水性
ソフトコンタクトレンズの含水率が低下するようになる
傾向があるので、前記当量比が2/1以上、なかんづく
5/1以上となるように調整することが好ましい。
【0051】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの
製法においては、まずビニルモノマー成分とセルロース
誘導体とを所定の配合割合となるように配合し、両者を
相溶させ、さらにたとえばビニルモノマー成分の架橋剤
である架橋性ビニルモノマーやセルロース誘導体の架橋
剤である多官能性化合物を必要に応じて所定量配合した
のち、これにたとえばラジカル重合開始剤や光重合開始
剤などの重合開始剤を添加し、該ビニルモノマー成分同
士を架橋重合させ、必要に応じてセルロース誘導体同士
を架橋させる。
【0052】かかる方法の具体例としては、たとえばラ
ジカル重合開始剤を前記ビニルモノマー成分とセルロー
ス誘導体とを相溶させた系に配合したのち、たとえば約
30〜150℃にて約0.5〜60分間加熱して架橋重
合させる方法(加熱重合法)、光重合開始剤を配合した
のち、光重合開始剤の活性化の吸収帯に応じた波長の光
線(たとえば、紫外線)を照射して架橋重合させる方法
(光重合法)、加熱重合法と光重合法とを組合わせて架
橋重合させる方法などがあげられる。
【0053】前記加熱重合法を用いるばあいには、恒温
槽または恒温室内で加熱してもよく、またマイクロ波の
ような電磁波を照射してもよく、その加熱は段階的に行
なってもよい。また、前記光重合法を用いるばあいに
は、増感剤をさらに添加してもよい。
【0054】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの
製造に際しては、効率よく該含水性ソフトコンタクトレ
ンズをうることができることから、通常の塊状重合法を
採用することが好ましいが、本発明に用いられるセルロ
ース誘導体が通常の溶媒との相溶性を有することから、
必要に応じて、たとえばジメチルスルホキシド、アセト
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホ
スホルアミドなどの有機溶媒を用いた溶液重合法を採用
することもできる。
【0055】前記ラジカル重合開始剤の代表例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t-
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド
などがあげられる。
【0056】前記光重合開始剤の代表例としては、たと
えばベンゾイン、メチルオルソベンゾイルベンゾエー
ト、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重
合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキ
シイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフ
ェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベン
ゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−
1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチル
チオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;
ジベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾ
フェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなど
があげられる。
【0057】ラジカル重合開始剤または光重合開始剤
は、これらのなかから1種または2種以上を選択して用
いればよく、またかかる重合開始剤の使用量は、ビニル
モノマー成分全量100部(重量部、以下同様)に対し
て約0.001〜5部、なかんづく約0.01〜2部で
あることが好ましい。
【0058】本発明において、含水性ソフトコンタクト
レンズを成形するばあいには、当業者が通常行なってい
る、たとえば切削・研磨による加工法(機械的加工
法)、金型を利用した成形法(モールド法)やモールド
法と機械的加工法とを組合わせた方法などを採用するこ
とができる。
【0059】前記機械的加工法は、ビニルモノマー成分
とセルロース誘導体とを相溶させたのち、ビニルモノマ
ー成分の架橋重合を適当な型または容器のなかで行な
い、棒状、ブロック状、板状の材料をつくり、切削加
工、研磨加工などの機械的加工を施し、所望のソフトコ
ンタクトレンズの形状に加工する方法である。
【0060】また、前記モールド法は、所望のソフトコ
ンタクトレンズの形状に対応した形状を有する金型内で
ビニルモノマー成分とセルロース誘導体とを相溶させた
のち、ビニルモノマー成分の架橋重合を行ない、ソフト
コンタクトレンズをうる方法であり、えられたソフトコ
ンタクトレンズには必要に応じて機械的に仕上げ加工が
施される。
【0061】モールド法と機械的加工法を組合わせた方
法は、まず所望のソフトコンタクトレンズの形状の少な
くとも1つの面に対応した形状を有する金型を用意し、
この金型内でビニルモノマー成分とセルロース誘導体と
を相溶させ、ビニルモノマー成分の架橋重合を行ない、
ついで必要により、機械的加工を施してソフトコンタク
トレンズをうる方法である。
【0062】なお、本発明の製法によれば、含水性ソフ
トコンタクトレンズを短時間および低コストで容易に製
造することができるが、とくに前記モールド法およびモ
ールド法と機械的加工法とを組合わせた方法には、機械
的加工法のみのばあいと比べて、原料となるビニルモノ
マー成分やセルロース誘導体が少量ですみ、低コスト化
が図られ、製造工程が少なくてよく、さらに架橋重合に
要する時間が短く、含水性ソフトコンタクトレンズを連
続的に大量生産することがきわめて容易であるという利
点がある。
【0063】さらに、たとえば前記機械的加工法、モー
ルド法や、両者を組合わせた方法によってえられた成形
品を、たとえば水に浸漬して5〜30分間程度煮沸した
のち、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)中
で5〜120分間程度煮沸処理することにより、生体に
対して安全で膨潤した含水性ソフトコンタクトレンズと
することができる。
【0064】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、通常50〜95重量%程度と高含水率を有するもの
であり、さらに含水性のソフトコンタクトレンズとして
適度な強度を有し、透明性にもすぐれたものである。
【0065】つぎに、本発明の含水性ソフトコンタクト
レンズおよびその製法を実施例に基づいてさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるも
のではない。
【0066】実施例1〜4 表2に示す組成となるように、100ml容の三角フラ
スコに表1に示されるセルロース誘導体(以下、HPC
という)、親水性(メタ)アクリルアミドとしてN,N
−ジメチルアクリルアミド(以下、DMAAという)お
よび架橋性ビニルモノマーとしてエチレングリコールジ
メタクリレート(以下、EDMAという)を入れ、充分
に混合してHPCとDMAAとを相溶させ、さらに重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(以下、BPO
という)を添加し、すばやく撹拌して混合した。
【0067】なお、実施例4においては、DMAAとと
もに疎水性ビニルモノマーとしてメチルメタクリレート
(以下、MMAという)を添加し、HPCとDMAAお
よびMMAとを相溶させた。
【0068】また、HPCとDMAA(およびMMA)
とが相溶しているか否かは、混合溶液を目視にて観察
し、透明であるか否かによって調べた(曇点法)。その
結果、実施例1〜4においては、いずれもHPCとDM
AA(およびMMA)とが相溶していることが確認され
た。
【0069】つぎに、この混合溶液を2枚のポリエステ
ル製のフィルムを0.1mm間隔で設置したプレス器内
に移し、130℃で10分間重合させた。
【0070】えられたフィルム状の重合体を50mlの
水に浸漬させ、含水膨潤させたのち、30分間煮沸して
未反応モノマーを除去した。さらに水を交換してかかる
煮沸処理を2回行なったのち、水を同量の生理食塩水と
交換して30分間煮沸し、含水性のフィルムをえた。
【0071】なお、えられたフィルムを手にとって引張
り、強度的な感触を確かめたところ、いずれの実施例で
えられたフィルムも、含水性のソフトコンタクトレンズ
として適度な強度を有するものであった。
【0072】また、えられたフィルムの物性として、含
水率、可視光線透過率および形状安定性を以下の方法に
したがって調べた。その結果を表2に示す。
【0073】(イ)含水率 含水時の厚さが0.2mmのフィルムを15mm×15
mmの大きさに切断してえられた試験片を、生理食塩水
中にて20℃で120分間以上保存したのち、試験片の
表面の水滴をすばやく拭いて含水時の重量(W(g))
を測定した。つぎにこの試験片を60℃で12時間乾燥
したのち、室温にて放冷して乾燥時の重量(Wo
(g))を測定し、以下の式に基づいて含水率(重量
%)を算出した。
【0074】 含水率(重量%)={(W−Wo)/W}×100 (ロ)可視光線透過率 自記分光光度計((株)島津製作所製、UV−240)
を用い、波長780〜380nmの領域の可視光線透過
率(%)を測定した。なお、用いたフィルムは含水時の
厚さが0.2mmのものであり、測定は水中で行なっ
た。
【0075】(ハ)形状安定性 20℃での含水時の厚さが0.2mmのフィルムを直径
16mmの大きさに切断してえられた試験片を、生理食
塩水中にて100℃で120時間煮沸したのち、試験片
の直径(Z(mm))を測定し、以下の式に基づいて寸
法変化率(%)を算出して形状安定性を評価した。な
お、表中の寸法変化率は、5枚の試験片についての平均
値である。
【0076】 寸法変化率(%)={(Z−16)/16}×100 なお、表2および以下の表3〜4中の略号で示されるH
PCは、以下の表1に示すとおりである。
【0077】また、表2中には、DMAA(およびMM
A)の重量に対するEDMAの重量の割合(重量%)を
あわせて示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】表2に示された結果から、実施例1〜4で
えられたフィルムは、いずれも約80〜90重量%と高
含水率を有し、可視光線透過率が高く、透明性にすぐれ
るとともに、寸法変化率が1%未満であり、形状安定性
にもすぐれたものであることがわかる。
【0081】実施例5〜13 表3に示す組成となるように、100ml容の三角フラ
スコに表1に示されるHPC、DMAAおよびEDMA
を入れ、充分に混合してHPCとDMAAとを相溶さ
せ、さらに重合開始剤としてBPOを添加し、すばやく
撹拌して混合した。ついで、多官能性化合物としてポリ
イソシアネート(コロネートHX、以下、HXという)
を添加して混合した。
【0082】なお、実施例7においては、DMAAとと
もに疎水性ビニルモノマーとしてn−ブチルメタクリレ
ート(以下、BMAという)を、実施例8および9にお
いては、DMAAとともにMMAを添加し、HPCとD
MAAおよび疎水性ビニルモノマーとを相溶させた。
【0083】また、HPCとDMAA(および疎水性ビ
ニルモノマー)とが相溶しているか否かを実施例1と同
様にして調べたところ、実施例5〜13においては、い
ずれもHPCとDMAA(および疎水性ビニルモノマ
ー)とが相溶していることが確認された。
【0084】つぎに、えられた混合溶液を用い、実施例
1と同様にしてフィルム状の重合体をえたのち、含水性
のフィルムを作製した。
【0085】なお、えられたフィルムを手にとって引張
り、強度的な感触を確かめたところ、いずれの実施例で
えられたフィルムも、含水性のソフトコンタクトレンズ
として適度な強度を有するものであった。
【0086】また、えられたフィルムの物性を実施例1
と同様にして調べた。その結果を表3に示す。
【0087】なお、表3中には、DMAA(および疎水
性ビニルモノマー)の重量に対するEDMAの重量の割
合(重量%)、およびHPC中の水酸基とHX中のイソ
シアネート基との当量比(水酸基/イソシアネート基)
をあわせて示す。
【0088】
【表3】
【0089】表3に示された結果から、実施例5〜13
でえられたフィルムは、いずれも約67〜83重量%と
高含水率を有し、可視光線透過率が高く、透明性にすぐ
れるとともに、寸法変化率が1%未満であり、形状安定
性にもすぐれたものであることがわかる。
【0090】実施例14〜17 表4に示す組成となるように、100ml容の三角フラ
スコに表1に示されるHPC、溶媒としてジメチルスル
ホキシド(以下、DMSOという)、DMAAおよびE
DMAを入れ、充分に混合してHPCとDMSOおよび
DMAAとを相溶させ、さらに重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル(以下、AIBNという)を添加
し、すばやく撹拌して混合した。ついで、HXを添加し
て混合した。
【0091】なお、実施例17においては、DMAAと
ともにMMAを添加し、HPCと、DMSO、DMAA
およびMMAとを相溶させた。
【0092】また、HPCとDMSOおよびビニルモノ
マー成分とが相溶しているか否かを実施例1と同様にし
て調べたところ、実施例14〜17においては、いずれ
もHPCとDMSOおよびビニルモノマー成分とが相溶
していることが確認された。
【0093】つぎに、この混合溶液を2枚のポリエステ
ル製のフィルムを0.1mm間隔で設置したプレス器内
に移し、100℃で5分間重合させた。
【0094】えられた溶媒を含有したフィルム状の重合
体を500mlの水に浸漬させ、溶媒を水で置換させた
のち、50mlの水に浸漬して30分間煮沸して未反応
モノマーや残留溶媒を除去した。さらに水を交換してか
かる煮沸処理を2回行なったのち、水を同量の生理食塩
水と交換して30分間煮沸し、含水性のフィルムをえ
た。
【0095】なお、えられたフィルムを手にとって引張
り、強度的な感触を確かめたところ、いずれの実施例で
えられたフィルムも、含水性のソフトコンタクトレンズ
として適度な強度を有するものであった。
【0096】また、えられたフィルムの物性を実施例1
と同様にして調べた。その結果を表4に示す。
【0097】なお、表4中には、DMAA(およびMM
A)の重量に対するEDMAの重量の割合(重量%)、
およびHPC中の水酸基とHX中のイソシアネート基と
の当量比(水酸基/イソシアネート基)をあわせて示
す。
【0098】
【表4】
【0099】表4に示された結果から、実施例14〜1
7においては、溶媒としてDMSOを用いたが、これら
実施例14〜17でえられたフィルムは、いずれも約8
8〜95重量%と高含水率を有し、可視光線透過率が高
く、透明性にすぐれるとともに、寸法変化率が1%未満
であり、形状安定性にもすぐれたものであることがわか
る。
【0100】実施例18 実施例7において、重合開始剤としてBPO 0.6部
のかわりにAIBN0.6部を用い、多官能性化合物と
してHX2部のかわりにポリイソシアネート(コロネー
トHK)4部を用い、架橋性ビニルモノマーとしてED
MA0.6部のかわりに、1,4−ブタンジオールジメ
タクリレート0.8部を用いたほかは実施例7と同様に
して混合溶液をえた。
【0101】なお、HPC中の水酸基とHK中のイソシ
アネート基との当量比(水酸基/イソシアネート基)は
20/1である。
【0102】また、HPCとDMAAおよびBMAとが
相溶しているか否かを実施例1と同様にして調べたこと
ろ、HPCとDMAAおよびBMAとが相溶しているこ
とが確認された。
【0103】つぎに、この混合溶液を、あらかじめ10
0℃に予熱したソフトコンタクトレンズの形状に対応し
た形状を有する2個一組の金型内に注入し、100℃で
5分間重合させた。
【0104】重合が終了したのち、金型を水中に浸漬し
て約15分間煮沸し、金型を開け、水で膨潤した透明な
含水性ソフトコンタクトレンズをえた。
【0105】えられた含水性ソフトコンタクトレンズを
手にとって引張り、強度的な感触を確かめたところ、含
水性のソフトコンタクトレンズとして適度な強度を有す
るものであった。
【0106】比較例1 2%水溶液の20℃での粘度が約6500cP、1分子
中のヒドロキシエトキシル基含有量が41重量%のヒド
ロキシエチルセルロース5gとDMAA10gとを室温
(25℃)で混合し、30分間撹拌したが、ヒドロキシ
エチルセルロースとDMAAとは相溶しなかった。
【0107】つぎに、前記ヒドロキシエチルセルロース
とDMAAとの混合物を90℃で1時間加熱したが、や
はり両者を相溶させることができなかった。
【0108】これら比較例1の結果から、ヒドロキシエ
チルセルロースを用いたばあいには、親水性ビニルモノ
マーを相溶させることができず、本発明の製法によって
えられるような透明性にすぐれ、適度な強度を有し、形
状安定性にもすぐれた高含水性のソフトコンタクトレン
ズをうることが困難であることがわかる。
【0109】
【発明の効果】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、高含水性を有し、透明性にすぐれ、含水性のソフト
コンタクトレンズとして適度な強度を有することはもち
ろんのこと、形状安定性にもすぐれたものである。
【0110】また、本発明の製法によれば、前記含水性
ソフトコンタクトレンズを短時間で容易に生産すること
ができるので、低コスト化が図られ、含水性ソフトコン
タクトレンズ、とくに使い捨てタイプの高含水性ソフト
コンタクトレンズの連続的な大量生産が可能であるとい
う効果が奏される。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性(メタ)アクリルアミドを含有し
    たビニルモノマー成分を架橋重合させてなるポリマー
    と、1分子中のヒドロキシプロポキシル基の含有量が3
    〜75重量%のセルロース誘導体とからなる含水性ソフ
    トコンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマー成分とセルロース誘導体
    とを相溶させ、前記ビニルモノマー成分を架橋重合させ
    てなる請求項1記載の含水性ソフトコンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 親水性(メタ)アクリルアミドを含有し
    たビニルモノマー成分と、1分子中のヒドロキシプロポ
    キシル基の含有量が3〜75重量%のセルロース誘導体
    とを相溶させ、前記ビニルモノマー成分を架橋重合させ
    ることを特徴とする含水性ソフトコンタクトレンズの製
    法。
  4. 【請求項4】 親水性(メタ)アクリルアミドがジアル
    キル(メタ)アクリルアミドである請求項3記載の含水
    性ソフトコンタクトレンズの製法。
  5. 【請求項5】 ビニルモノマー成分が親水性(メタ)ア
    クリルアミドを40重量%以上含有したものである請求
    項3または4記載の含水性ソフトコンタクトレンズの製
    法。
  6. 【請求項6】 ビニルモノマー成分が疎水性ビニルモノ
    マーを含有したものである請求項3、4または5記載の
    含水性ソフトコンタクトレンズの製法。
  7. 【請求項7】 疎水性ビニルモノマーがアルキル(メ
    タ)アクリレートである請求項6記載の含水性ソフトコ
    ンタクトレンズの製法。
  8. 【請求項8】 ビニルモノマー成分が疎水性ビニルモノ
    マーを60重量%以下含有したものである請求項6また
    は7記載の含水性ソフトコンタクトレンズの製法。
  9. 【請求項9】 ビニルモノマー成分とセルロース誘導体
    との重量比(ビニルモノマー成分/セルロース誘導体)
    が15/85〜95/5である請求項3、4、5、6、
    7または8記載の含水性ソフトコンタクトレンズの製
    法。
  10. 【請求項10】 架橋性ビニルモノマーによってビニル
    モノマー成分を架橋重合させる請求項3、4、5、6、
    7、8または9記載の含水性ソフトコンタクトレンズの
    製法。
  11. 【請求項11】 架橋性ビニルモノマーの配合量がビニ
    ルモノマー成分全量の0.01〜10重量%である請求
    項10記載の含水性ソフトコンタクトレンズの製法。
  12. 【請求項12】 ビニルモノマー成分を架橋重合させる
    一方で、セルロース誘導体同士を架橋させる請求項3、
    4、5、6、7、8、9、10または11記載の含水性
    ソフトコンタクトレンズの製法。
  13. 【請求項13】 セルロース誘導体と架橋しうる多官能
    性化合物によってセルロース誘導体を架橋させる請求項
    12記載の含水性ソフトコンタクトレンズの製法。
  14. 【請求項14】 セルロース誘導体と架橋しうる多官能
    性化合物がポリイソシアネートである請求項13記載の
    含水性ソフトコンタクトレンズの製法。
  15. 【請求項15】 ソフトコンタクトレンズの形状に対応
    した形状を有する金型内でビニルモノマー成分を架橋重
    合させる請求項3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13または14記載の含水性ソフトコンタク
    トレンズの製法。
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