JPH0819048B2 - 新規な乳酸誘導体、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子 - Google Patents

新規な乳酸誘導体、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子

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JPH0819048B2
JPH0819048B2 JP63137491A JP13749188A JPH0819048B2 JP H0819048 B2 JPH0819048 B2 JP H0819048B2 JP 63137491 A JP63137491 A JP 63137491A JP 13749188 A JP13749188 A JP 13749188A JP H0819048 B2 JPH0819048 B2 JP H0819048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な液晶材料として
利用できる新規な乳酸誘導体、この化合物を含む液晶組
成物及び光スイッチング素子に関するものである。
(従来の技術) 現在、液晶化合物が表示材料として種々の機器で応用
され、時計、電卓、小型テレビ等に実用化されている。
これらは、ネマチック液晶材料を主成分としたセルを用
い、TN型あるいはSTN型と呼ばれる表示方式のものが採
用されている。この場合のセルは、液晶化合物の誘電異
方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)に基づ
く作動であり、電場に対する応答速度が数m secと遅い
ことが欠点としてあげられている。そのため、テレビに
用いた場合、駆動方式として画素ごとにスイッチング素
子を配置、付加したアクティブマトリクス方式が主とし
て用いられ、大画面化を図る上での障害の一つになって
いる。しかし、1975年R.B.Meyerらによって合成された
4−(4−n−デシルオキシベンジリデンアミノ)ケイ
皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)を代表例
とする強誘電性液晶の出現と、それを用いたN.A.Clark
らの提案した新しい表示方式(AppliedPhys.lett.1980,
36,899)により、μsecオーダーの高速応答性及び電場
を切っても液晶分子の配向が変わらない特性(メモリー
性)を有する液晶セルが可能となった。これらの材料を
用いた表示素子を使えば、スイッチング素子などを用い
ないマルチプレックス駆動による単純マトリクス方式に
よる液晶テレビが可能となり、アクティブマトリクスの
ものに比べ、生産性やコスト、信頼性さらに大画面化な
どの面ではるかに有利なものとなる。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶材料が合成さ
れ、提案されてきた。これらの強誘電性液晶材料が表示
材料として用いられるためには、いくつかの物性が要求
されるが、その中でも基本的なものとしては、室温近傍
の広い温度範囲でスメクチックC相を示し、多きな自発
分極を有し、化学的に安定しているという点である。し
かしながら、初期の強誘電性液晶は、自発分極が、10nC
/cm2以下と小さく、また分子内にシッフ塩基をもつもの
が多かったため、化学的に不安定であった。
ところで、最近、化学的に安定なエステル化合物によ
る大きな自発分極の発現が報告されている。例えば、次
式、 の化合物は、78.7〜103.3℃の温度領域でカイラルスメ
クチックC相の、また103.3〜120.8℃の温度領域でコレ
ステリック相の液晶となるが、この液晶の83℃における
自発分極は、89nC/cm2である(特開昭61-43号公報)。
一方、カイラルスメクチックC相を示す温度を低くす
るために、2環の化合物が合成されている。例えば、次
式、 のビフェニル化合物は、降温時44℃からカイラルスメク
チックC相を示す(特開昭59-118744号公報)。
さらに、室温近傍で安定にカイラルスメクチック相を
示すフェニルピリミジン系化合物が報告されている。例
えば、次式、 の化合物は、40.7〜82.8℃の温度領域でカイラルスメク
チックC相の、82.8〜89.1℃でスメクチックA相の液晶
となる(特開昭61-200973号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記エステル化合物は、カイラルスメク
チックC相の温度範囲が高いという欠点を有している。
また、上記ビフェニル化合物はカイラルスメクチックC
相がモノトロピックであり、不安定である。さらに、上
記フェニルピリミジン系化合物は応答速度が43℃で1500
μsと遅く、自発分極がかなり小さいと推定される。
すなわち、高速応答性を要求される表示装置等の液晶
材料には、大きな自発分極を有すること、低粘性を有す
ること、あるいは室温近傍を含む広い温度範囲でカイラ
ルスメクチックC相を示すこと等の物性が要求される
が、現在までのところこれらの物性を充分に満足する材
料は未だないのが実状である。
これに対し、本発明者らは、既に、α位に不斎炭素を
有し、ベンゼン環に直結したケトン基を分子内に有する
化合物が、光等に対し安定であり、エナンチオトロピッ
クで液晶状態を取る温度範囲が広く、特に不斎炭素に光
学活性が付与されると、その液晶はカイラルスメクチッ
クC相を呈し、自発分極が大きく応答速度の速い強誘電
性液晶となることを見出している(国際出願番号JP88/0
0334)。
本発明者らはかかる化合物の液晶物性をより向上させ
るために鋭意検討を進めた結果、該化合物のうちいくつ
かは、不斎炭素源として乳酸を用いることにより、前記
強誘電性液晶の特徴である大きな自発分極を損なうこと
なく、カイラルスメクチックC相の温度域をより室温に
近づけることができることを見出した。
本発明は、このような知見に基いてなされたもので、
本発明の目的は、液晶組成物として有用な新規な乳酸誘
導体、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子、
並びにこの化合物の中間体を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、次の一般式(I)、 (式中、R及びR1はアルキル基で、同じものでも異なっ
ているものでもよく、Aは単結合、−O−,−COO−,
−OCO−,−OCOO−又は−CO−を示し、l及びmはそれ
ぞれ1あるいは2で、l+m=3である)で表わされる
新規な乳酸誘導体、この化合物を含有する液晶組成物、
この化合物の少なくとも1種を構成要素とする光スイッ
チング素子からなるものである。
上記式(I)中のR,R1で示されるアルキル基は、原材
料の入手のし易さなどの実用的な製造上の見地から、各
々炭素数1〜18のものが好ましい。
尚、特には上記式(I)中OR1が結合している炭素を
不斎中心として化合物に光学活性が付与されると、液晶
はカイラルスメクチックC相を呈し、自発分極が大き
く、応答速度が早くて強誘電性液晶として好ましいもの
となる。
上記式(I)の代表的化合物の例とその理化学的性質
を示すと次のとおりである。
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−ペンチルオキシプロパノイル)フェニル 1H-NMR(CDCl3中,TMS基準,δ値ppm):8.24(d,2H),
8.20(d,2H),7.71(d,2H),7.60(d,2H),7.36(d,2
H),7.02(d,2H),4.62(q,1H),4.04(t,2H),3.48
(m,2H),1.84(m,4H),1.52(d,3H),1.75〜1.2(m,14
H),0.87(m,6H) IR(KBr,cm-1):2910,2840,1730,1690,1600,1265,121
0,1195,1075,820 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−4−(2−
ペンチルオキシプロパノイル)フェニル 1H-NMR(CDCl3,TMS基準,δ値ppm):8.25(d,2H),8.
22(d,2H),7.73(d,2H),7.60(d,2H),7.36(d,2H),
7.31(d,2H),4.62(q,1H),3.46(m,2H),2.68(t,2
H),1.62(m,4H),1.52(d,3H),1.5〜1.2(m,16H),0.
88(m,6H) IR(KBr,cm-1):2910,2840,1730,1690,1595,1267,121
0,1065 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−ペンチルオ
キシプロパノイル)ビフェニル 1H-NMR(CDCl3,TMS基準,δ値ppm):8.20(d,2H),8.
16(d,2H),7.70(d,4H),7.37(d,2H),7.00(d,2H),
4.68(m,1H),4.01(t,2H),3.49(m,2H),1.62(m,4
H),1.54(d,3H),1.32(m,14H),0.88(m,6H) IR(KBr,cm-1):2910,2840,1735,1690,1600,1270,123
0,1165,1060 4−オクチル安息香酸−4′−(2−ペンチルオキシプ
ロパノイル)ビフェニル 1H-NMR(CDCl3中,TMS基準,δ値ppm):8.16(d,2H),
8.12(d,2H),7.66(d,4H),7.34(d,2H),7.32(d,2
H),4.65(q,1H),3.45(m,2H),2.72(t,2H),1.61
(m,4H),1.50(d,3H),1.30(m,1H),0.88(m,6H) IR(KBr,cm-1):2910,2840,1735,1690,1600,1270,123
0,1065 尚、一般式(I)で示した化合物中のR及びR1のアル
キル基の炭素鎖の長さは、その化合物が液晶状態を取り
得る温度域、あるいはその化合物の自発分極等の物性に
影響を持つものであり、目的によって適宜選定され得る
ものである。この化合物は単独で用いることは勿論、他
の液晶材料と混合して用いる事ができることは言うまで
もない。
上記一般式(I)の化合物は以下の方法によって得ら
れる。
上記式(1)のうちl=1のものについては、以下の
反応経路により得られる。
上記式(1)のうちl=2のものについては、以下の
反応経路により得られる。
上記式(II)の化合物は、以下の反応経路により得ら
れる。
上記式(II)の化合物の反応経路では、まず、市販の
乳酸エステルのアルキル化を行う。このアルキル化は、
Ag2O存在下にヨウ化アルキルを反応させる方法が好まし
い。
次いで、得られた化合物を上記式(2)の化合物に変
換する。式(2)中のYがOC2H5の場合は上記で得られ
た化合物をそのまま用いれば良い。その他の場合はまず
エステルの加水分解を行い、得られた酸をLi塩とすれ
ば、式(2)のYがOLiの化合物ができ、酸と無機ハロ
ゲン化物、例えば塩化チオニル,五塩化リン,三塩化リ
ン又は塩化ホスホリル等と反応させれば、酸ハロゲン化
物(Y=ハロゲン)ができ、またその酸ハロゲン化物を
ジメチルアミン等と反応させることによって酸アミド化
合物(Y=アミド)を得ることができる。
次に、このようにして得られた上記式(2)の化合物
を上記式(3)の有機金属化合物とカップリングし、保
護基を脱離することにより上記式(II)の化合物を得る
ことができる。尚、上記式の(2)と(3)の化合物の
カップリング反応の容易さ、あるいは収率の良さから、
上記式(2)の化合物として酸アミド化合物を用いるこ
とが好ましい。
上記式(3)の化合物は、市販の4−ブロモフェノー
ルあるいは4−(4−ブロモフェニル)フェノールの水
酸基を保護基、例えば1−エトキシエチル基、テトラヒ
ドロピラニル基、ベンジル基又はトリメチルシリル基等
で保護した後、マグネシウム等の金属と反応させること
により得られる。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−ペンチルオキシプロパノイル)フェニル (−)−2−ペンチルオキシプロピオン酸エチルエステ
ルの合成 (−)−乳酸エチル8.3g(70mmol)と1−ヨードペン
タン25g(126mmol)と酸化銀13.6g(58mmol)とをフラ
スコにとり、撹拌後室温で放置した。
エーテルを用いて、固体を濾別後、濾液を5%水酸化
カリウム水溶液及び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。次いで、無水硫酸マグネシウムを濾過し、
エーテルを留去後、減圧蒸留し、沸点117〜121℃/31〜3
4mmHgの留分をあつめて、下記の理化学的性質を有する
目的とする(−)−2−ペンチルオキシプロピオン酸エ
チルエステル(無色透明液体)5.47g(29.1mmol,純度9
0.7wt%,収率41%)を得た。
α(l=1,neat)=−5.32(密度を0.85と仮定すると
〔α〕D 25=−63) IR(cm-1):2900,1740,11201 H-NMR(CDCl3,TMS基準,ppm):4.2(q,2H),3.95(m,
1H),3.4〜3.6(m,2H),1.6(m,2H),1.4(d,3H),1.4
〜1.2(m,4H),1.3(t,3H),0.9(t,3H) (−)−2−ペンチルオキシプロピオン酸の合成 フラスコに、上記で得た(−)−2−ペンチルオキシ
プロピオン酸エチルエステル5.24g(27.8mmol)、エタ
ノール26ml、水26ml及び水酸化ナトリウム2.30gを加
え、2時間還流加熱した。この際、白濁した混合物が微
黄色の均一溶液になった。エタノールを留去後、氷水浴
で冷却した。これを氷10g+6規定の塩酸30mlにエーテ
ル50mlを用いて加えた。二層の分離後、エーテルで抽出
した。しかる後、有機層を合わせ、水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムは濾
別し、濾液を濃縮後、減圧蒸留して下記の理化学的性質
を有する無色透明の液体3.40g(21.2mmol,純度99wt%
(GLCによる)、収率76%)を得た。
沸点:127〜128℃/4.0mmHg α(l=1,neat)=−5.97(密度を0.91と仮定すると
〔α〕25(neat)=−66) IR(cm-1):2900,1720,11201 H-NMR(CDCl3,TMS基準,ppm):10.8(s,1H),4.1(m,
1H),3.7〜3.5(m,2H),1.7(m,2H),1.5(d,3H),1.4
(m,4H),1.0(t,3H) (−)−2−ペンチルオキシプロピオン酸クロリドの合
成 フラスコに、上記で得た(−)−2−ペンチルオキシ
プロピオン酸3.22g(20.2mmol)と塩化チオニル3.11g
(26.1mmol)を加え、室温で0.2時間の撹拌後、油浴で
加熱して、40℃で0.7時間、50〜55℃で0.7時間、70〜75
℃で3時間、加熱撹拌した。室温に放冷後、アスピレー
ターで減圧して、過剰の塩化チオニルを留去し、褐色の
液体3.54g〔19.9mmol,収率99%,α(l=1,neat)=−
6.38〕を得た。
2−ペンチルオキシプロピオン酸ジメチルアミドの合成 マグネチックスターラーを備えた100mlのナス形フラ
スコに、上記で得た(−)−2−ペンチルオキシプロピ
オン酸クロリド7.85gとトルエン30mlとをとり、撹拌を
開始した。次いで、0℃に冷却して、40%ジメチルアミ
ン水溶液10mlを加え、15分間撹拌し、室温としてさらに
45分間撹拌した。その後、1規定の塩酸で2回、5%水
酸化ナトリウム水溶液で2回、水で2回洗浄した。これ
を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去すること
により、下記の理化学的性質を有する透明液体の(−)
−2−ペンチルオキシプロピオン酸ジメチルアミド6.71
g(収率82%)を得た。
α(l=1,neat)=−2.363°1 H-NMR(CDCl3中,TMS基準,δ値ppm):4.20(q,1H),
3.37(m,2H),3.08(s,3H),2.92(s,3H),1.58(m,2
H),1.36(d,3H),1.5〜1.2(m,4H),0.84(m,3H) IR(neat,cm-1):2910,2840,1640,1400,1105 4−(2−ペンチルオキシプロパノイル)フェノールの
合成 フラスコに、4−ブロモフェノール2.03g(11.73mmo
l)、エチルビニルエーテル3ml(31.37mmol)、ピリジ
ニウム−4−トルエンスルホネート0.05g(0.20mmo
l)、乾燥ジクロロメタン20mlをとり、室温で2時間撹
拌した。しかる後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し
て、4−ブロモフェニル−1−エトキシエチルエーテル
2.87gを得た。
次に、フラスコに金属マグネシウム0.30g(12.35mmo
l)をとり、これに、油浴で50℃に加熱しながら乾燥テ
トラヒドロフラン12mlに溶解した上記で得た4−ブロモ
フェニル−1−エトキシエチルエーテル2.87g(11.71mm
ol)を30分間かけて滴下した。次いで30分間加熱還流し
た後、0℃に冷却し、乾燥テトラヒドロフラン12mlに溶
解した上記で得た(−)−2−ペンチルオキシプロピオ
ン酸ジメチルアミド2.19g(11.71mmol)を5分間かけて
滴下した。そのまま0℃で2時間、室温で1時間、60℃
で30分間撹拌した後、0℃にして1規定の塩酸20mlを加
え、1時間撹拌した。その後、エーテルで抽出し、水で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマドグラフ
ィーで精製することにより、下記の理化学的性質を有す
る無色油状の4−(2−ペンチルオキシプロパノイル)
フェノール1.47g (収率53%)を得た。1 H-NMR(CDCl3中,TMS基準,δ値ppm):8.15(br.s,1
H),8.05(d,2H),7.00(d,2H),4.72(q,1H),3.43
(m,2H),1.58(m,2H),1.50(d,3H),1.27(m,4H),0.
86(m,3H) IR(neat,cm-1):3250,2910,2840,1660,1595,1220 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−ペンチルオキシプロパノイル)フェニルの合成 フラスコに、4′−オクチルオキシビフェニル−4−
カルボン酸300.3mg(0.92mmol)、4−(2−ペンチル
オキシプロパノイル)フェノール215.6mg(0.91mmo
l)、ジシクロヘキシルカルボジイミド213.5mg(1.04mm
ol)、4−ジメチルアミノピリジン13.4mg(0.11mmol)
及び乾燥ジクロロメタン10mlをとり、9時間加熱還流し
た。生じた固体を濾過で除き、溶媒を留去して得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
後、エタノールから再結晶して白色結晶の4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4−(2−ペン
チルオキシプロパノイル)フェニル61.2mg(収率12%)
を得た。この化合物は前述した理化学的性質を有してい
た。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布しラビング処理を施
した透明電極付ガラスからなる厚さ3μのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は1分間に2℃の割合で行っ
た。降温過程では124.9℃で液体からスメクチックA相
になり、106.4℃でカイラルスメチックC相になった。
昇温過程では57.6℃で結晶からカイラルスメチックC相
に変化した。
また、セルに100Hz,40Vppの三角波を印加し、分極反
転電流値より自発分極値を測定したところ、36.4℃で21
7nC/cm2と大きな値を示した。
実施例2 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−4−(2−
ペンチルオキシプロパノイル)フェニル 合成 フラスコに4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸
306.4mg(0.95mmol)、実施例1記載の方法で得た4−
(2−ペンチルオキシプロパノイル)フェノール200.9m
g(0.85mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド196.0
mg(0.95mmol)、4−ジメチルアミノピリジン11.2mg
(0.09mmol)及び乾燥ジクロメタン8mlをとり、室温で
2時間撹拌した。生じた固定を濾過で除き、溶媒を留去
して得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製後、エタノールから再結晶して白色結晶の
4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−4−(2−
ペンチルオキシプロパノイル)フェニル284.5mg(収率6
2%)を得た。この化合物は前述した理化学的性質を有
していた。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では、84.7℃で液体からスメクチックA相
にかわり、68.0℃でカイラルスメクチックC相にかわ
り、34.7℃で結晶化した。昇温過程では、60.8℃で結晶
からカイラルスメクチックC相に変化した。自発分極値
は38℃で118nC/cm2であった。
実施例3 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−ペンチルオ
キシプロパノイル)ビフェニル 4−ヒドロキシ−4′−(2−ペンチルオキシプロパノ
イル)ビフェニルの合成 フラスコに、4−(4−ブロモフェニル)フェノール
250g(10.04mmol)、エチルビニルエーテル3ml(31.37m
mol)ピリジニウム−4−トルエンスルホネート0.05g
(0.20mmol)及び乾燥ジクロロメタン30mlをとり、室温
で3時間撹拌した。次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去して4−(4−ブロモフェニル)フェニル−1−エト
キシエチルエーテル3.22gを得た。
フラスコに金属マグネシウム0.30g(12.35mmol)をと
り、これに、油浴で50℃に加熱しながら乾燥テトラヒド
ロフラン12mlに溶解した上記で得た4−(4−ブロモフ
ェニル)フェニル−1−エトキシエチルエーテル3.22g
(10.03mmol)を30分間かけて滴下した。30分間加熱還
流した後、0℃に冷却し、乾燥テトラヒドロフラン10ml
に溶解した実施例1記載の方法で得た(−)−2−ペン
チルオキシプロピオン酸ジメチルアミド1.49g(7.97mmo
l)を5分間で滴下した。そのまま0℃で1時間、60℃
で30分間撹拌した後、0℃にして1規定の塩酸20mlを加
え、1時間撹拌した。しかる後、エーテルで3回抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製することにより、下記の理化
学的性質を有する無水油状の4−ビドロキシ−4′−
(2−ペンチルオキシプロパノイル)ビフェニル1.57g
(収率63%)を得た。1 H-NMR(CDCl3中,TMS基準,δ値ppm):8.12(d,2H),
7.64(d,2H),7.54(d,2H),6.98(d,2H),6.46(s,1
H),4.70(q,1H),3.50(m,2H),1.62(m,2H),1.50
(d,3H),1.28(m,4H),0.87(m,3H) IR(neat,cm-1):3300,2910,2840,1660,1590,1210) 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−ペンチルオ
キシプロパノイル)ビフェニル(4)の合成 フラスコに4−オクチルオキシ安息香酸254.7mg(1.0
2mmol)、上記で得た4−ヒドロキシ−4′−(2−ペ
ンチルオキシプロパノイル)ビフェニル313.3mg(1.00m
mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド234.5mg(1.04
mmol)、4−ジメチルアミノピリジン18.0mg(0.15mmo
l)及び乾燥ジクロロメタン8mlをとり、室温で1時間撹
拌した。生じた固体を濾過で除き、溶媒を留去して得ら
れた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製後、エタノールから再結晶して白色結晶の4−オクチ
ルオキシ安息香酸−4−(2−ペンチルオキシプロパノ
イル)ビフェニル(4)250.0mg(収率46%)を得た。
この化合物は前述した理化学的性質を有していた。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では78.7℃で液体からスメクチックA相に
なった。また昇温過程では47℃で結晶が融解した。 ま
た、10Hzの三角波を印加したところ、上記スメクチック
A相でも、電界誘起チルト(エレクトロクリニック効
果)が観測された。
実施例4 4−オクチル安息香酸−4′−(2−ペンチルオキシプ
ロパノイル)ビフェニル(4) フラスコに4−オクチル安息香酸175.1mg(0.75mmo
l)、実施例3に記載の方法で得た4−ヒドロキシ−4
−(2−ペンチルオキシプロパノイル)ビフェニル211.
3mg(0.68mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド17
4.3mg(0.85mmol)、4−ジメチルアミノピリジン11.2m
g(0.09mmol)及び乾燥ジクロロメタン8mlをとり、室温
で1時間撹拌した。生じた固体を濾過で除き、溶媒を留
去して得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製後、エタノールから再結晶して白色結晶の
4−オクチル安息香酸−4′−(2−ペンチルオキシプ
ロパノイル)ビフェニル(4)198.3mg(収率55%)を
得た。この化合物は前述した理化学的性質を有してい
た。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性を評価したところ、降
温過程では82.4℃で液体からスメクチックA相になり、
31.5℃で結晶化した。昇温過程では61.3℃で結晶からス
メクチックA相へ変化した。
上記スメクチックA相では電界誘起チルト(エレクト
ロクリニック効果)が観測された。
実施例5 液晶組成物の作成 実施例2に記載の化合物4′−ノニルビフェニル−4
−カルボン酸−4−(2−ペンチルオキシプロパノイ
ル)フェニルと、本発明者らが以前発明した4−(2−
メチルオクタノイル)フェニル−4−オクチルオキシ安
息香酸エステル(国際出願番号JP88/00334)とを、モル
比率で1対1で混合し、液晶組成物を作成した。
この液晶組成物の液晶性を実施例1に記載の方法で評
価したことろ、降温過程では58.1℃で液体からスメクチ
ックA相に変化し、34.7℃でカイラルスメクチックC相
に変化し、−20℃まで結晶化は起こらなかった。すなわ
ち、降温時においては室温でもカイラルスメクチックC
相を示す好ましい液晶組成物ができた。
実施例6 スイッチング素子の作成 実施例5に記載の液晶組成物を、ポリイミドを塗布し
ラビング処理を施した透明電極付ガラスからなる厚さ4.
2μmのセルに注入し、25℃で電界を印加すると明瞭な
スイッチング動作が観測された。また、25℃で42Vppの
矩形波を印加し、その時のクロスニコルの偏光顕微鏡下
での光の透過量をフォトダイオードで検知し応答速度を
測定したところ、146μsecと高速であった。
比較例 本発明における乳酸の効果を明らかにするために、乳
酸誘導体と類似構造をもつ化合物との相転移温度及び自
発分極の比較を行った。この比較の結果を下記の第1表
に示す。表中、は実施例1記載の化合物、は実施例
2記載の化合物、は実施例3記載の化合物、は実施
例4記載の化合物である。,,,の化合物は本
発明者らが以前発明した化合物である(国際番号JP88/0
0334)。
表中との比較により、乳酸誘導体はスメクチック
X相がなくカイラルスメクチックC相の温度範囲が低温
化していることが分かる。スメクチックX相がない方
が、混合し液晶組成物をつくる場合には好ましいことで
ある。また、室温動作のためにはカイラルスメクチック
C相の温度範囲が低温化していることは好ましいことで
ある。との比較でも、同様にカイラルスメクチック
C相の温度範囲が乳酸誘導体の方が低温化していること
が分かる。一方、と及びとの比較例では、乳酸
誘導体の方がスメクチックA相の温度範囲が低温化して
おり、このことは、混合等によりカイラルスメクチック
C相の発現を目指す場合にその温度範囲が低下するので
好ましいものとなる。
自発分極の値は乳酸誘導体はいずれも100nC/cm2以上
の大きな値を示しており、よって本発明においては自発
分極が大きくしかもカイラルスメクチックC相の温度範
囲が低温化した、優れた液晶材料が得られることにな
る。
(発明の効果) 本発明の化合物は、不斎炭素源として乳酸を用いるこ
とにより広い温度範囲で液晶状態を取り得、かつ自発分
極が大きいことから応答速度の速い強誘電性液晶材料と
なる等、オプトエレクトロニクス関連素子の素材として
極めて優れた効果を奏するものである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビ等のディスプレ
イ用、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライ
トバルブ等、液晶やエレクトロケミクロミズムを利用す
るオプトエレクトロニクス関連素子の素材として有用な
液晶材料といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/13 500 (72)発明者 福政 充睦 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内 (72)発明者 横山 明久 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I)、 (式中、R及びR1はアルキル基で、同じものでも異なっ
    ているものでもよく、Aは単結合、−O−,−COO−,
    −OCO−,−OCOO−又は−CO−を示し、l及びmはそれ
    ぞれ1又は2で、l+m=3である)で表わされる新規
    な乳酸誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式(I)で表わされ
    る乳酸誘導体を含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の一般式(I)で表わされ
    る乳酸誘導体の少なくとも1種を構成要素とする光スイ
    ッチング素子。
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