JPH08193106A - ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物 - Google Patents

ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物

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JPH08193106A
JPH08193106A JP2093495A JP2093495A JPH08193106A JP H08193106 A JPH08193106 A JP H08193106A JP 2093495 A JP2093495 A JP 2093495A JP 2093495 A JP2093495 A JP 2093495A JP H08193106 A JPH08193106 A JP H08193106A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、他の樹脂に配合して、優れた性能
を付与させるのに好適なゴム変性熱可塑性樹脂の提供を
目的とする。 【構成】 ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳香族
ビニル化合物(b)および、シアン化ビニル化合物
(c)を重合して得られ、(a)成分の含有率が50〜
80重量%、(b)成分の含有率が2〜48重量%、
(c)成分が2〜45重量%、Q値が30×10-4〜5
0×10-3cc/秒、グラフト率が5重量%以上であるこ
とを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、他の樹脂に配合して、
優れた性能を付与されるのに好適なゴム変性熱可塑性樹
脂ならびに、該ゴム変性熱可塑性樹脂と他の熱可塑性樹
脂とからなる組成物に関する。
【従来の技術】ゴム変性熱可塑性樹脂として、ABS樹
脂、AES樹脂が広く知られ、工業的に大量に使用され
ている。ABS樹脂の製造法としては、下記の2つの方
法が一般に知られている。 ゴム状重合体5〜25重量%の存在下に、スチレン
とアクリロニトリルからなる単量体75〜95重量%を
重合して得る方法。 ゴム状重合体40〜45重量%の存在下にスチレン
とアクリロニトリルからなる単量体55〜60重量%を
重合して得られる高ゴム含率のABS樹脂(以下「ゴム
リッチABS樹脂」という)を、別途重合して得られた
スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)と配
合し、配合物中のゴム状重合体の含率を5〜25重量%
に調節することでABS樹脂を得る方法(この方法で得
られたABS樹脂を以下「ブレンドタイプABS樹脂」
という)。 上記のの方法はゴムリッチABS樹脂の
配合量を適宜選択すること、AS樹脂の種類を適宜選択
することで、各種の品質の異なる多種類のABS樹脂を
生産性良く製造することができる。しかし、ABS業界
では、さらなるコストダウンが要求されている。このコ
ストダウンの対応策としては、ゴムリッチABS樹脂の
ゴム含率をさらに高め、それに、生産性に優れ低コスト
のAS樹脂の配合量を高めることで、ブレンドタイプA
BS樹脂の生産性を高める方法が考えられる。しかし、
我々の検討では、ゴムリッチABS樹脂のゴム含率を従
来品に比べて高めると、それを用いたブレンドタイプA
BS樹脂は、フィシュアイが発生するという不良現象が
目立ち、それに、成形品の外観性・耐衝撃性が従来のゴ
ムリッチタイプABS(樹脂)を用いたブレンドタイプ
ABS樹脂に比べ劣る。また、ゴムリッチABS樹脂
は、AS樹脂以外にも他の熱可塑性樹脂にも配合されて
使用されるが、ゴムリッチABS樹脂のゴム含率を高め
ると、上記に示した同様の問題点がみられた。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム含率を
高めたゴムリッチABS樹脂の有している上記の課題を
解決した高ゴム含率のゴムリッチABS樹脂ならびに、
該ゴムリッチABS樹脂と他の熱可塑性樹脂とからなる
熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゴム含率
50〜80重量%ゴムリッチABS樹脂で生じる上記の
課題の解決について鋭意検討した結果、ゴム含率50〜
80重量%のゴムリッチABS樹脂のQ値が30×10
-4〜50×10-3cc/秒になるように、改質すること
で、上記の課題が解決されることを見出し、本発明に到
達した。すなわち、本発明はゴム状重合体(a)成分の
存在下に、芳香族ビニル化合物(b)およびシアン化ビ
ニル化合物(c)を重合して得られ、(a)成分の含有
率が50〜80重量%、(b)成分の含有率が5〜48
重量%、(c)成分が2〜45重量%、本文で規定する
Q値が30×10-4〜50×10-3cc/秒、グラフト率
が5重量%以上であることを特徴とするゴム変性熱可塑
性樹脂、ならびに、請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹
脂(A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物で
あり、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%
である熱可塑性樹脂性組成物を提供する。以下、本発明
について詳細に説明する。本発明のゴム変性熱可塑性樹
脂(A)は、ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳香
族ビニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物
(c)を重合して得られ、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)
中の(a)成分の含有率が50〜80重量%、(b)成
分の含有率が5〜48重量%、(C)成分の含有率が2
〜45重量%、Q値が30×10-4〜50×10-3cc/
秒、グラフト率が5重量%以上のゴム変性熱可塑性樹脂
である。
【0003】本発明に使用される(a)成分のゴム状重
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜
60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパ
ー型、ラジアルテレブロック型の構造を有するものなど
が含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上
記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロ
ックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロッ
ク体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結
合含量が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結
合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロックか
らなる重合体の水素化物などが含まれる。これらのゴム
状重合体は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
好ましい(a)成分としては、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)共重合体から選ばれた少なくとも1種の共役ジエン
系ゴムであり、さらに好ましくは、ポリブタジエン/ス
チレン−ブタジエン共重合体:50〜99/1〜50
(重量%)の割合からなる混合物である。(b)成分の
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジ
ン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロロス
チレン、モノブロモスチレン、フルオロスチレン、エチ
ルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、特にス
チレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香
族ビニル化合物は、1種単独であるいは2種以上混合し
て用いられる。(c)成分のシアン化ビニル化合物とし
ては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルが
挙げられる。
【0004】本発明の目的に対しては、支障のない範囲
で他の単量体を使用することができる。他の単量体とし
て、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクレー
ト、エチルメタクレート、プロピルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
トなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−ま
たはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイミ
ド系単量体ともいう);グリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;アクリ
ルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸ア
ミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メ
タクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの
単量体は1種または2種以上で使用される。他の単量体
の含有率は、(a)成分を除いた成分中好ましくは20
重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成分の含有率は
50〜80重量%、好ましくは52〜75重量%、さら
に好ましくは56〜74重量%である。(a)成分の含
有率が50重量%未満では、生産性の改良効果が十分で
なく、一方、80重量%を超えると、フィシュアイの発
生が多くなり、外観性・耐衝撃性が大巾に低下する。ま
た、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(b)成分の含有
率は、5〜48重量%、好ましくは5〜46重量%、さ
らに好ましくは、13〜41重量%である。(c)成分
の含有率は2〜45重量%、好ましくは2〜43重量
%、さらに好ましくは3〜31重量%である。(b)成
分が2重量%未満の場合、(b)成分が48重量%を超
える場合、(c)成分が2重量%未満の場合、(c)成
分が45重量%を超える場合のいずれの場合にも、フィ
シュアイ発生の不良現象の改良効果、外観性の改良効
果、耐衝撃性の改良効果のいずれか少なくとも1つが十
分でなく、三者をともに目的のレベルに維持することが
できない。
【0005】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のQ値は30
×10-4〜50×10-3cc/秒、好ましくは50×10
-4〜40×10-3cc/秒、さらに好ましくは70×10
-4〜40×10-3cc/秒である。Q値が30×10-4
満であっても、50×10-3を超えても、ともにフィシ
ュアイの発生が多くなり、外観性が劣り、耐衝撃性も十
分でない。Q値の測定条件を以下に示す。 (1)測定に供する樹脂は110℃×60分の条件にお
ける揮発物質含率を0.1重量%以下に調整する。 (2)Q値の測定条件 測定装置:島津フローテスターCAPILLARY R
HEOMETER CFT−500 測定条件: サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷 重 :60kg/cm2
【0006】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のグラフト率
は5重量%以上、好ましくは10重量%以上である。グ
ラフト率が5重量%未満であると、フィシュアイの発生
が多く、外観性・耐衝撃性が劣る。グラフト率は下記の
方法で測定される。ここでグラフト率とは、ゴム変性熱
可塑性樹脂中のゴム量に対し、ゴム状重合体に直接グラ
フト結合している共重合体成分の割合をいう。このグラ
フト率は、重合開始剤量、重合温度などによって制御す
ることができる。このグラフト率の具体的な求め方は、
まず本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)2gを室温の
アセトンに投入し、十分撹拌し、不溶解分(w)を求め
る。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量は、重合
処方をもとに算出することができる。この算出されたゴ
ム状重合体総量をRとし、次式よりグラフト率を求め
る。 グラフト量(重量%)=[(w−R)/R]×100
【0007】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成
分、(b)成分、(c)成分の含有率の調整は、重合時
にそれら成分の仕込量により適宜調整することができ
る。また、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成
分、(b)成分、(c)成分の含有率は、それら成分の
仕込量と重合転化率などから求めることができる。ま
た、他の方法としては、公知の定量分析法でも求めるこ
とができる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)のQ値の調整
は、重合時に使用する連鎖移動剤、開始剤などの種類・
量を適宜選択する方法、重合温度を適宜選択する方法、
(a)成分のゴム状重合体のゲル含率、分子量を適宜選
択することで行なえる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)の
製造方法としては、溶液重合法、バルク重合法、サスペ
ンション重合法、乳化重合法あるいは、それらの方法を
組み合わせた方法を挙げることができる。好ましい重合
法としては、乳化重合法であり、乳化重合法で用いられ
る重合助剤としては、一般に公知のものを使用すること
ができる。
【0008】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)の製
造時に使用する重合開始剤として、各種のハイドロパー
オキサイド、アルキルパーエステル、パーカーボネート
などの有機過酸化物があり、好ましくはキュメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートである。特にt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートを用いると一段と優れた本発明の効果が
得られる。上記の開始剤の好ましい量としては、ゴム成
分と単量体成分の合計100重量部に対して、0.1〜
2重量部である。連鎖移動剤としては、例えばハロゲン
化炭化水素類(例えば、クロロホルム、ブロモホルムな
ど)、メルカプタン類(例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ヘキサデシルメルカプタンなど)、テルペン
類(例えばジペンテン、ターピノーレンなど)、α−メ
チルスチレンダイマーが挙げられる。ゴム変性熱可塑性
樹脂(A)と混合される請求項2の他の熱可塑性樹脂
(B)としては、例えば、ゴム状重合体含率が50重量
%未満のABS樹脂・AES樹脂・AAS樹脂、AS樹
脂、HIPS、PSなどのスチレン系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;PA6、
PA66、PA46、PA12などポリアミド樹脂;ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアリレートなどのポリエステル樹脂;ポリカー
ボネート樹脂、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェ
ニレンエーテル/スチレン系樹脂などのポリフェニレン
エーテル系樹脂;ポリアセタール、塩化ビニル樹脂、ポ
リスルフォン、PPS、ポリエーテルスルフォン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、EVOHなどがあり、これ
らは1種または2種以上併用して使用することができ
る。好ましい他の熱可塑性樹脂(B)としては、下記の
a.、b.それぞれ単独あるいはa.とb.の併用が挙げられ
る。 a.;ゴム状重合体の存在下に、芳香族化合物、シアン化
ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミ
ド系単量体の群から選ばれた少なくとも2種の群からな
る単量体を重合して得られ、かつゴム状重合体含有率が
50重量%未満のゴム変性熱可塑性樹脂。なお、ここで
のゴム状重合体、単量体は上記に示したものが挙げられ
る。また、ゴム変性熱可塑性樹脂のメチルエチルケトン
可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン中30℃)が
0.2〜1dl/gのものが好ましく、さらに好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。 b.;芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、マレイミド系単量体の群から
選ばれた少なくとも2種の群からなる単量体を重合して
得られ、かつ固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒とし
て、30℃で測定)が好ましくは0.2〜1.3dl/
g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/g、特に好
ましくは0.35〜0.7dl/gである共重合体。上
記のa.としては、例えばABS樹脂、AES樹脂、AA
S樹脂、MBS樹脂などが挙げられ、その中で好ましく
はABS樹脂、AES樹脂である。上記のb.としては、
下記の共重合体が挙げられる。 イ.芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の共重
合体。好ましい組成割合は、前者の単量体が50〜99
重合%、後者が1〜50重量%である。 ロ.芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体。 ハ.芳香族ビニル化合物とマレイミド系単量体と必要に
応じて、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)
アクリル酸エステルからなる共重合体、なお、上記のマ
レイミド系単量体にかえて、不飽和酸無水物単量体を用
い、得られた共重合体をイミド化して、得られる後イミ
ドタイプの共重合体もここに含まれる。ここでの芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイミド系単量体は上記に示したそれ
らのものと同じである。
【0009】ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と他の熱可塑
性樹脂(B)とからなる請求項2の熱可塑性樹脂組成物
の各成分の組成比率の規定にかえて、ゴム変性熱可塑性
樹脂(A)の(a)成分であるゴム状重合体が該組成物
中に好ましくは3〜35重量%含有されるように、それ
ぞれの成分を適宜配合される。(a)成分のさらに好ま
しい該含有率は5〜25重量%である。(a)成分の含
有率が3重量%未満であると、十分な耐衝撃強度が得ら
れない。一方35重量%を超えると成形品が軟かくな
り、好ましくない。他の熱可塑性樹脂(B)として、本
願のゴム変性熱可塑性樹脂(A)以外のゴム変性熱可塑
性樹脂(C)を用いた場合、該ゴム変性熱可塑性樹脂
(C)に含有されているゴム状重合体(以下「a′成
分」という)の扱いを下記の通りとする。a′成分もa
成分とみなし、下記の条件を満たすものとする。(a+
a′)の含有率が3〜35重量%かつaの含有率が3〜
35重量%とする。好ましくは(a+a′)の含有率が
5〜25重量%かつaの含有率が5〜25重量%であ
る。
【0010】本発明の請求項2の熱可塑性樹脂組成物
は、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
と必要に応じて、各種の添加剤を混練りして製造され
る。混練方法としては、押出機、ロール、バンバリーミ
キサー、ニーダーなどを用いる方法がある。好ましい方
法としては、押出機を用いる方法であり、押出機として
は単軸押出機、二軸押出機などがある。上記、混練方法
を用いて各種成分を混練りするに際し、全成分を一括し
て混練りしてもよく、一部の成分を先に混練りし、残り
の成分を一括または分割して添加混練りしてもよい。ま
た、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)にも必要に応じて、各
種の添加剤を添加することができる。また、混練りを必
要とするときは、上記に示した方法で混練りすることが
できる。各種の添加剤としては、公知の着色剤、顔料、
滑剤、耐候剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱老
化防止剤、可塑剤、抗菌・防カビ剤などが挙げられる。
本発明の請求項2の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、
シート押出し、真空成形、異形押出し、インジェクショ
ンプレス、発泡成形、ブロー成形、中空成形などによっ
て各種成形品を成形することができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断わ
らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。 [評価方法](1)Q値の測定 測定に供する樹脂は、110℃×60分の条件にお
ける揮発物質含率を0.1重量%以下に調整したものを
用いた。 Q値の測定条件 測定装置:島津フローテスターCAPILLARY R
HEOMETER CFT−500 測定条件: サンプル量 :1.8g プランジャー面積:1.0cm2 ダイのサイズ :2.0mm長×1.0mmφ 予熱の温度と時間:200℃×5分 測定温度 :200℃ 荷 重 :60kg/cm2 (2)ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)の混合方法 ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)と添
加剤を表2に示した割合でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、その混合物をシリンダーセット温度200℃の
押出機により、ペレットを得た。(3)テストピースの成形方法 上記(2)の方法で得たペレットを成形材料として、下
記の成形条件で光沢測定用テストピースならびに、アイ
ゾット衝撃強度測定用テストピースを成形した。 成形機 :5オンス インラインスクリュータイプ
成形機 金型温度:50℃±5℃ 成形機設定条件: シリンダーセット温度:200℃ 射出圧力 :一次圧75〜95kg/cm2
2次圧50kg/cm2 背 圧 :5kg/cm2 成形サイクル :インジェクション15秒、ローデ
ィング10秒、キュアリング40秒、サイクルスタート
2秒(4)光沢度の測定 デジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 DGITA
L VARIABLEGROSS METER UGV
−5D)を用い、入射角および受光角を45℃で測定し
た。(5)アイゾット衝撃強度の測定 ASTM D256(1/4″、ノッチ付、単位=kg
・cm/cm)で測定した。(6)フィシュアイの測定方法 下記の方法で、フィシュアイ測定用シートサンプルを作
成し、フィシュアイを測定した。 220℃の加温した50トンプレス機を用意する。 上記(2)の方法で得たペレットをSUS製モール
ド板(30×30cm×0.5mm)にはさむ。(10
〜15g) そのままプレス機にはさみ、0〜0.5kg/cm
2 の圧をかけ5分間加温する。 圧をゆっくりかけていき(10kg/cm2 まで)
モールド板の間よりはみ出して来たペレットサンプル
(溶融)をゆっくりと引き出す。 サンプルをフィルム状に引き出し、厚さ約10〜3
0μmの薄さで1m以上引き出す。 フィルムサンプル上に直径3.57cmの円(面積
10cm2 )を描き、円内のフィシュアイを数える。
(直径0.2mm以上のもの) を3点行ない、合計を面積で割って1cm2 あた
りの個数を求め、フィシュアイの評価とする。 [参考例1.ゴム変性熱可塑性樹脂(A)の製法]フラ
スコ内に、ポリブタジエンゴムラテックスを固形分換算
で60部、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴムラテッ
クスを固形分換算で10部加え、イオン交換水150
部、スチレン7部、アクリロニトリル3部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.2部をさらに加えてフラスコ内温度
を60℃に昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム0.2
部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖0.4部
をイオン交換水20部に溶解した溶液を加え、クメンハ
イドロパーオキサイド0.1部をさらに加えて重合を開
始し、温浴温度を70℃に保った。1時間重合させたの
ち、スチレン21部、アクリロニトリル9部、t−ドデ
シルメルカプタン0.5部、クメンハイドロパーオキサ
イド0.2部を2時間かけて連続的に添加し、さらに1
時間重合させて反応を完結させた。得られた共重合体ラ
テックスを硫酸を用いて凝固し、水洗、乾燥した。表1
に示すABS−1を得た。
【0012】
【表1】
【0013】表1のABS−2およびABS−4は、A
BS−1およびABS−3のクメンハイドロパーオキサ
イドにかえて、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートを用い、他はABS−1およびABS−3と同
様の条件で重合を行なった。表1のABS−3、5、
6、7、8はABS−1の処方で、ゴム量、t−ドデシ
ルメルカプタン量を適宜変量し、他はABS−1と同様
の条件で行なった。 (熱可塑性樹脂) AS−1;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η](メチルエチルケトン可浴分の
固有粘度)は0.4dl/g AS−2;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η]は0.6dl/g AS−3;スチレン70%、アクリロニトリル30%の
共重合体であり、[η]は0.7dl/g 実施例1〜9、比較例1〜3 実施例1〜9はQ値が本発明の範囲内のゴム変成熱可塑
性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合処方な
らびに評価結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】比較例1〜3は、Q値が本発明の範囲外の
ゴム変性熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物であ
る。配合処方、ならびに評価結果を表2に示す。実施例
1〜9は、比較例1〜3との比較から明らかな通り成形
品の光沢、耐衝撃性に優れ、フィシュアイ発生の不良現
象も改良されている。
【0016】
【発明の効果】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)
は、高ゴム成分含率であっても他の熱可塑性樹脂(B)
に配合して得られた成形品は、光沢、耐衝撃性に優れ、
かつフィシュアイ発生の不良現象が大巾に改良されてい
る。そして、高ゴム成分含率であるために、少量で耐衝
撃性改良効果が得られるので、展開性に対応しやすい。
その上、AS樹脂などの熱可塑性樹脂は、生産性に優
れ、かつ低コストであるので、それに配合することによ
り、生産性に優れ、低コストのABS樹脂を大量に製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 博雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳
    香族ビニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物
    (c)を重合して得られ、(a)成分の含有率が50〜
    80重量%、(b)成分の含有率が5〜48重量%、
    (c)成分が2〜45重量%、本文で規定するQ値が3
    0×10-4〜50×10-3cc/秒、グラフト率が5重量
    %以上であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹脂
    (A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
    り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
    ある熱可塑性樹脂性組成物。
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KR20020046133A (ko) * 2000-12-12 2002-06-20 노기호 투명성과 내충격성이 우수한 고무변성 스티렌계 공중합투명수지의 제조방법
JP2006298977A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2026501035A (ja) * 2023-05-16 2026-01-14 トーレプラスチックス(マレーシア)スンディリアン・ブルハッド 樹脂組成物およびその製造方法、ならびにそれを用いた成形品

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