JPH08197621A - インフレーションフィルムの製造方法 - Google Patents

インフレーションフィルムの製造方法

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JPH08197621A
JPH08197621A JP1201695A JP1201695A JPH08197621A JP H08197621 A JPH08197621 A JP H08197621A JP 1201695 A JP1201695 A JP 1201695A JP 1201695 A JP1201695 A JP 1201695A JP H08197621 A JPH08197621 A JP H08197621A
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film
die
resin
die lip
lip
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Toshio Taka
敏雄 鷹
Yuichiro Yasukawa
雄一郎 安川
Takeshi Banba
武 番場
Hiroshi Kawarada
博 川原田
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インフレーション法によるフィルムの製造方
法において、成形されたフィルムの耐衝撃強度、引張強
度、及び引裂強度を従来のフィルムに比較して著しく大
きくすることが可能なインフレーション法によるフィル
ムの製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 管状押出ダイが同心円上に配置された複数の
ダイリップ出口を有するダイを用いたインフレーション
法によるフィルムの製造方法であり、各ダイリップ出口
より押出された熱可塑性樹脂からなる溶融膜を、ダイよ
り前方に取り付けられた安定体に接触させて合流一体化
させることを特徴とするインフレーション法によるフィ
ルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インフレーション法に
よるフィルムの高押出高速成形が可能であり、成形され
たフィルムの衝撃強度、引張強度及び引裂強度が著しく
高い熱可塑性樹脂のインフレーション法によるフィルム
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を溶融状態で管状ダイスか
ら管状に押出し、内圧で膨張させながら外部冷却風によ
り冷却固化し連続的に巻き取るインフレーション法によ
るフィルムの製造においては、高生産性を確保するため
高速成形が求められている。しかし、高押出高速成形化
を図るために溶融バブルを冷却するための冷却風を増量
すると、溶融バブルが不安定となり、安定した成形が困
難となる。ダイの設定温度を低くしダイから出てくる樹
脂の温度を低くすることにより、冷却風の風量を少なく
する方法も考えられる。しかし、樹脂の温度を低くする
ことにより高押出時にメルトフラクチャーやダイスパイ
ラルのマークが発生し易くなる。また、成形圧力が著し
く大きくなり、樹脂の発熱が大きくなるため、樹脂を安
定して高押出することが困難となるという問題もあっ
た。
【0003】一方、インフレーション法によるフィルム
の製造においては、フィルムの成形速度が大きくなるに
したがいフィルムの引取方向(以下、MDと称する)の
引裂強度が低下し、フィルムが縦に裂け易くなることが
一般的に知られている。インフレーション成形時のブロ
ーアップ比を大きくすると、フィルムのMDの強度をあ
る程度大きくすることが可能である。しかし、特定巾の
フィルムを成形する際にはダイ出口の口径を小さくする
必要がある。このため、高押出量を得るためにはダイ出
口のリップ部のリップ面積当たりの押出量を多くする必
要が生じ、やはりメルトフラクチャーやダイスパイラル
のマークが発生し易くなる。また、成形圧力が著しく大
きくなり、樹脂の発熱が大きくなるため、樹脂を安定し
て高押出することが困難となる等の問題もあった。
【0004】高押出量時にメルトフラクチャーやダイス
パイラルのマークが発生するのは、ダイ出口のリップ部
での樹脂の剪断速度が大きくなるためと考えられる。ダ
イ口径が同一であっても、ダイのリップギャップを広く
することによりダイ出口のリップ部での樹脂の剪断速度
を小さくすることは可能である。しかし、ダイのリップ
ギャップを広くした場合、フィルムの偏肉精度が著しく
低下する上、フィルムの衝撃強度及びMDの引裂強度が
著しく低下し、フィルムが縦に裂け易くなるとの問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インフレー
ション法によるフィルムの高押出高速成形においても、
樹脂のメルトフラクチャーやダイスパイラルのマークが
発生しにくく、低温で高押出量が可能であり、しかも成
形されたフィルムの偏肉精度が良好で且つ、衝撃強度及
び引裂強度が著しく高いインフレーション法によるフィ
ルムの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、同心円上に
配置された複数のダイリップ出口を有するダイを用いた
インフレーション法によるフィルムの製造方法であっ
て、各ダイリップ出口より押出された熱可塑性樹脂から
なる溶融膜を、ダイより前方に取り付けられた安定体に
接触させて合流一体化させることを特徴とするインフレ
ーション法によるフィルムの製造方法により解決され
る。
【0007】本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、イン
フレーション法によりフィルム成形可能な熱可塑性樹脂
であれば特に限定されず、例えば高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重
合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
【0008】熱可塑性樹脂を溶融させるために使用され
る押出機は、連続的に定量の樹脂を押出すものであれば
特に限定はされず、少なくとも1台あれば良い。また空
冷インフレーション法によりフィルム成形を行う場合に
おいて溶融バブルを冷却する目的で使用する空冷リング
についても特に限定されず、使用する樹脂に応じて適切
な形状の空冷リングを使用すればよく、二段冷却のよう
に複数個の空冷リングを使用してもよい。
【0009】本発明におけるインフレーション法による
フィルム製造において溶融バブルを安定化させるために
用いる安定体については、設置する位置は自由である
が、ダイリップ出口の近くが好ましく、その直径も特に
制約されないが、最内層のダイリップ出口の直径より大
きくすると非常に良好となる場合が多い。また各溶融膜
が合流一体化する部分は、安定体との接触部分またはそ
れよりダイに近い部分で合流させてから安定体に接触さ
せても、安定性は良好である。本発明で使用される安定
体の材質や形状に関しても特に限定はしないが、熱可塑
性樹脂との溶融摩擦の小さい材質や形状が好ましい。例
えば高分子量高密度ポリエチレンのインフレーション法
によるフィルム製造においては、安定体表面をフェルト
布で覆ったものが最も汎用化されている。フェルト布は
熱伝導率が小さいため高分子量高密度ポリエチレンのイ
ンフレーション法によるフィルム製造における安定体の
材質としては適切である。しかし、溶融弾性率の小さ
い、例えば低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチ
レンのインフレーション法によるフィルム製造において
は、フェルト布は樹脂と密着してしまうため使用が困難
であり、安定体表面に溶融樹脂が引取られる方向に回転
自在な回転部材が突設されている、例えばコイルバネ式
の安定体を用いると、安定体と溶融樹脂との密着も殆ど
なく好都合である。かかるコイルバネ式の安定体は、低
密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンの安定し
たインフレーション法によるフィルム製造を可能とする
ばかりでなく、高分子量高密度ポリエチレンのインフレ
ーション法によるフィルム製造時に使用しても、成形安
定性が向上する。
【0010】本発明で使用されるダイは、複数のダイリ
ップ出口を有する重環構造であり、各ダイリップ出口か
ら押出される熱可塑性樹脂からなる溶融膜を、ダイより
前方に取り付けられた安定体に接触させてダイ外で合流
一体化させることを特徴とする。このとき、ダイリップ
出口と隣接する他のダイリップ出口との間に気体の吹き
出し孔を設置し、この気体の吹き出し孔から気体を流入
させて、各溶融膜と合流部とダイ面とからなる空間部分
を保持させるように調節した方が連続した安定生産のた
めには好ましい。ただし、気体の吹き出し孔がなくても
特に問題はない。図1は本発明で使用されるダイの一例
の平面図、図2〜4は本発明で使用されるダイと安定体
を使用しての成形状態の一例の断面図である。図2につ
いて説明すると、ダイはダイジョイントによって押出機
に接続され、押出機から押出された樹脂は内環1と外環
2を通り、内側ダイリップ出口3及び外側ダイリップ出
口4から出て、インフレーション法によりフィルムが成
形される。内層樹脂7と外層樹脂8は安定体14と接触
して接合点9において接合され、内層樹脂7、外層樹脂
8、接合点9及びダイ面によって囲まれる空間部分10
が形成され、この空間部分10の体積は気体連通孔5を
通じて供給される気体の流量によりコントロールされ
る。内層樹脂7と外層樹脂8は、エアーリングにより冷
却されながら膨張して冷却固化することにより、通常の
単層の空冷インフレーション法によるフィルム成形と同
一の成形方法により空冷インフレーション法によるフィ
ルム成形を行うことが可能である。空間部分に流入する
気体の流量を調節する場合は、ダイリップ出口間に気体
を吹き出すための気体連通孔5を設け、気体流量調整用
バルブ6により気体流量を調節すればよい。安定体14
を使用しない場合は、空間部分に気体を供給しなけれ
ば、安定した連続成形が困難である。
【0011】ダイのリップギャップは、成形に用いられ
る熱可塑性樹脂に応じて適切なギャップを選択する必要
がある。例えば高分子量高密度ポリエチレンの空冷イン
フレーション法によるフィルムの製造を行う場合、各層
のリップギャップは一般に0.2〜3.0mmであり、
0.4〜2.0mmが好ましく、0.6〜1.5mmが
特に好ましい。各層のリップギャップが0.2mm未満
ではメルトフラクチャー及びダイスパイラルのマークが
発生しやすく、3.0mmを超えるとフィルムの偏肉精
度が悪くなり、また成形されたフィルムの物性も低下し
てしまう。
【0012】本発明に用いられるダイは複数のダイリッ
プ出口を有する重環構造になっている。このため、各リ
ップ出口のリップギャップが単層ダイのリップギャップ
と同一であっても、成形されたフィルムの偏肉精度が良
好で、かつ高強度のフィルムが得られる。ダイリップ出
口の面積の合計は通常の単層ダイに比べて大きくなるた
め、樹脂を大量に押出した場合でもダイリップ出口でメ
ルトフラクチャーが発生しにくく、また樹脂圧力が小さ
くなるため成形機の温度を低くすることも可能であり、
高押出量でのインフレーション法によるフィルムの高速
成形が可能となる。例えば、従来高分子量高密度ポリエ
チレンのフィルム厚み20μmのフィルムを成形する際
の成形速度は40〜60m/分程度であったが、本発明
のインフレーション法によるフィルムの製造方法を用い
ると100m/分以上の速度でのフィルム成形が可能と
なる。
【0013】本発明のインフレーション法によるフィル
ムの製造方法を用いてフィルムを成形加工するには、熱
可塑性樹脂を溶融状態でダイから管状に押出し、ブロー
アップ比1〜10の範囲において内圧で膨張させながら
冷却固化し、連続的に巻き取ればよい。ブローアップ比
はダイ最外層リップ径に対するバブル最大径の比をい
い、ブローアップ比が1未満であっても、ブローアップ
比が10を超えても、縦横の強度のバランスの良い高品
質のフィルムが得られない。
【0014】本発明のインフレーション法によるフィル
ムの製造方法においては、長時間安定して連続成形を行
うためには、内層樹脂、外層樹脂、接合点及びダイ面に
よって囲まれる空間部分に気体の連通孔から気体を吹き
込みながら成形を行う方が好ましい。この場合気体連通
孔から吹き出される気体は特に限定はされない。例えば
空気、水蒸気、二酸化炭素、酸素、ヘリウム、塩素、フ
ッ素、窒素等があるが、フィルムに特殊な要求特性を期
待するのでなければ、空気を使用するのが最も簡易であ
る。
【0015】気体連通孔はダイリップ出口の各層間に設
置されていれば好ましく、その個数は各層間に少なくと
も1個あれば良い。空気を気体連通孔を通じて空間部分
に吹き込む場合は、吹き込む空気の量を多くすると接合
点が上昇し続けてフィルム層間に気泡が存在してしまう
ため、吹き込む空気の量をごく少量にコントロールする
とよい。気体連通孔の大きさは特に大きくする必要はな
い。また気体連通孔の個数は少なくとも1個あれば十分
であるし、気体連通孔の断面の形状は円でなくてもよ
く、ダイリップ出口の層間に管状に連通していてもよ
い。層間に断面が円の気体連通孔を1箇所設置する場
合、孔の直径は10μm以上で、内層と外層のリップ出
口層間の距離未満であればよい。孔の直径は50μm〜
5mmが好ましく、0.1〜3mmが特に好ましい。直
径が10μm未満の孔を開けるのは技術的に困難であ
り、また孔から吹き出される気体の速度も大きくなって
しまうため、バブルの安定性が悪くなる。
【0016】空間部分へ吹き込む気体の温度は特に限定
されないが、温度が低い方がフィルム物性を向上させる
効果が大きくなる。例えばダイリップ出口の層間に気体
連通孔の他に補助孔を設け、気体連通孔から気体を吹き
込み、補助孔から気体を排出する構造をとることによ
り、空間部分内の気体を循環させることが可能となり、
気体連通孔から冷却した気体を吹き込むことにより空間
部分の雰囲気温度を低くすることも可能である。
【0017】また、多重環構造のダイを使用しているの
で、内側ダイリップ出口口径を著しく小さくし、一方外
側ダイリップ出口口径を大きくすることもできる。この
場合、一定サイズの折径のフィルムを作るに当たって、
内側ダイリップ出口口径のブローアップ比を著しく大き
くして横方向の配向を優先させ、外側ダイリップ出口口
径のブローアップ比を小さくして縦方向の配向を優先さ
せると、得られるフィルムはこの2つのフィルムの複合
フィルムとなって、必要に応じてフィルムの物性(衝撃
強度、引裂強度、弾性率、収縮率等)を調節することが
可能となる。内側ダイリップ出口と外側ダイリップ出口
の口径は成形するフィルムの巾や成形に用いられる熱可
塑性樹脂によって種々選択しなければならない。例えば
巾450mm、厚み25μmの超高分子量高密度ポリエ
チレンフィルムを成形する場合、内側ダイリップ出口の
口径は一般に40mm以上、外側ダイリップ出口の口径
は一般に300mm未満である。内側ダイリップ出口と
外側ダイリップ出口の口径の差は一般に5〜260mm
である。内側ダイリップ出口の口径が40mm未満また
は外側ダイリップ出口の口径が300mmを超えると縦
横の強度バランスのとれたフィルムを得ることは困難で
ある。また、内側ダイリップ出口と外側ダイリップ出口
の口径の差が5mm未満の構造のダイを作成するのは技
術的に困難である。
【0018】内側ダイリップ出口のリップギャップと外
側ダイリップ出口のリップギャップとを異なるようにす
ることにより、それぞれのフィルムの配向を変化させる
ことができ、フィルム物性の調節が可能となる。例えば
高分子量高密度ポリエチレンフィルムを成形する場合、
各ダイリップ出口のリップギャップは一般に各0.2〜
3.0mmである。各ダイリップ出口のリップギャップ
が0.2mm未満ではメルトフラクチャー及びダイのス
パイラルマークが発生しやすく、3.0mmを超えると
フィルムの偏肉精度が悪くなり、また成形されたフィル
ムの物性も低下してしまう。
【0019】発泡フィルムを製造する場合にも、ダイリ
ップ出口の各口径や各リップギャップを別々に変えるこ
とにより、内面と外面の発泡状態(例えば発泡セルの大
きさ等)を変化させることが可能となり、生産性の大幅
な向上だけでなく、発泡フィルムの品質面も大きく変化
させることが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、フィルムの耐衝撃強度はJ
IS P8134に準拠し、1インチ半球の衝撃球がク
ランプされた試験片の中心部を打ち抜く際の衝撃強さに
より求めた。また、フィルムの引裂強度はJIS P8
116に準拠し、フィルムの引張破断強度はJIS K
7127に準拠し求めた。
【0021】(実施例1、2)スクリュー口径が75m
mφの押出機、ダイリップ出口が二重環であり、外側ダ
イリップ出口口径115mm、内側ダイリップ出口口径
90mm、リップギャップ各1.2mm、または外側ダ
イリップ出口口径135mm、内側ダイリップ出口口径
60mm、各リップギャップ1.2mmの2種類のダイ
を用い、成形温度200℃にて空冷インフレーション法
によるフィルム成形を行った。フィルム厚みは20μ
m、フィルムの折径は500mm、フロストライン高さ
は900mmとし、直径が100mm(厚み6mm)の
コイルバネ式内部安定体を使用し、フィルムの引取速度
を80〜100m/分まで変化させた。熱可塑性樹脂と
しては、密度が0.948g/cm3 、MFR(JIS
K6760のメルトフローレート)が0.05g/1
0分の高密度ポリエチレン(昭和電工(株)製 シヨウ
レックス2010HF)を使用した。ダイリップ出口の
間の気体連通孔からは常温(15℃)の空気を定圧装置
を用いて一定の圧力で供給し、樹脂の接合点の高さが実
施例1ではダイ面から120mm、実施例2では520
mmで一定となるようにして、空冷インフレーション法
によるフィルムを成形を行った。表1に示す通り、フィ
ルムの成形性は良好であり、成形したフィルムの物性も
良好であった。
【0022】(実施例3、4)ダイリップ出口が三重
環、四重環のダイを用いた以外は、実施例1と同様の条
件でフィルム成形を行った。表1に示す通り、フィルム
の成形性は良好であり、成形したフィルムの物性も良好
であった。
【0023】(実施例5〜7)リップギャップ、引取速
度、フィルム厚さを変更した以外は、実施例1と同様の
条件でフィルム成形を行った。表1に示す通り、フィル
ムの成形性は良好であり、成形したフィルムの物性も良
好であった。
【0024】(実施例8)密度が0.920g/cm
3 、MFRが0.8g/10分の直鎖状低密度ポリエチ
レン(昭和電工(株)製 シヨウレックスA208F
S)を使用し、ダイのリップギャップを外側ダイリップ
出口、内側ダイリップ出口ともに2.5mmとし、直径
100mmのテフロン円盤製の内部安定体を使用して、
厚み30μmのフィルムの成形を行った以外は実施例1
と同様の条件でフィルム成形を行った。表1に示す通
り、フィルムの成形性は良好であり、成形したフィルム
の物性も良好であった。
【0025】(実施例9)リップギャップ、引取速度、
フィルム厚さを変更した以外は、実施例8と同様の条件
でフィルム成形を行った。表1に示す通り、フィルムの
成形性は良好であり、成形したフィルムの物性も良好で
あった。
【0026】(比較例1、2)内部安定体を使用しなか
った以外は実施例1と同様の成形条件で空冷インフレー
ション法によるフィルム成形を行った。しかし、成形さ
れたフィルムの層間に気泡が存在し、フィルムとしての
商品価値は低かった。また、フィルムの成形時に空間部
分で溶融膜のたるみが発生し、長時間の安定成形は困難
であった。
【0027】(比較例3)内部安定体を使用しなかった
以外は実施例8と同様の成形条件で空冷インフレーショ
ン法によるフィルム成形を行った。しかし、成形された
フィルムの層間に気泡が存在し、フィルムとしての商品
価値は低かった。また、フィルムの成形時に空間部分で
溶融膜のたるみが発生し、長時間の安定成形は困難であ
った。
【0028】(比較例4〜6)リップギャップが1.2
mmまたは2.5mm、ダイリップ出口口径が110m
mφの単層ダイを用い、実施例1または実施例8で使用
した熱可塑性樹脂を用いて空冷インフレーション成形を
行った。フィルム厚みは20μm、ブローアップ比は
3.0、フロストライン高さは900mmとし、フィル
ムの引取速度を40〜80m/分まで変化させ成形しよ
うとしたが、引取速度80m/分(比較例4、5)ある
いは40m/分を超えると(比較例6)、フィルムが安
定して成形できなかった。成形したフィルムの物性測定
結果を表1に示すが、フィルム物性はいずれも低かっ
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のインフレーション法によるフィ
ルムの製造方法を用いることにより、耐衝撃強度、引張
強度、及び引裂強度の著しく強いインフレーションフィ
ルムを得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重環構造ダイのリップ出口の平面図である。
【図2】二重環構造ダイと安定体を使用した成形状態の
一例の断面図である。
【図3】二重環構造ダイと安定体を使用した成形状態の
一例の断面図である。
【図4】二重環構造ダイと安定体を使用した成形状態の
一例の断面図である。
【符号の説明】
1 内環 2 外環 3 内側ダイリップ出口 4 外側ダイリップ出口 5 気体連通孔 6 気体流量調整用バルブ 7 内側ダイリップ出口から押し出された樹脂(内層樹
脂) 8 外側ダイリップ出口から押し出された樹脂(外層樹
脂) 9 樹脂の接合点 10 内層樹脂7、外層樹脂8、接合点9、及びダイ面
によって囲まれる空間部分 11 定圧装置 12 インフレーションバブル内部に吹き込む気体の主
吹き出し口 13 インフレーションバブル内部に吹き込む気体の補
助吹き出し口 14 安定体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原田 博 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円上に配置された複数のダイリップ
    出口を有するダイを用いたインフレーション法によるフ
    ィルムの製造方法であって、 各ダイリップ出口より押出された熱可塑性樹脂からなる
    溶融膜を、ダイより前方に取り付けられた安定体に接触
    させて合流一体化させることを特徴とするインフレーシ
    ョン法によるフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数のダイリップ出口から押出される溶
    融膜を形成する熱可塑性樹脂が同一樹脂であることを特
    徴とする請求項1記載のインフレーション法によるフィ
    ルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 ダイへの樹脂の流入口が1つであること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のインフレー
    ション法によるフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記安定体が最内層のダイリップ口径よ
    り大きい径を有する安定体であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のインフレーション法に
    よるフィルムの製造方法。
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