JPH0820723A - アブレーション材料 - Google Patents

アブレーション材料

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JPH0820723A
JPH0820723A JP23005594A JP23005594A JPH0820723A JP H0820723 A JPH0820723 A JP H0820723A JP 23005594 A JP23005594 A JP 23005594A JP 23005594 A JP23005594 A JP 23005594A JP H0820723 A JPH0820723 A JP H0820723A
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谷 芳 文 稲
Kazunori Kawasaki
崎 和 憲 川
Tadashi Harada
田 匡 原
Hironao Fujiki
木 弘 直 藤
Mikio Shiono
野 巳喜男 塩
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高加熱率,高圧力の環境下においても、熱遮
蔽性能に優れたアブレーション材料を提供する。 【構成】 下記のA)〜G)成分を少なくとも含むアブ
レーション材料。 A)ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン:50〜8
0重量%、ならびに、 B)RSiO1/2単位(ただし、Rは炭素数1〜1
0の1価炭化水素基である。)およびSiO単位から
本質的になり、かつ、RSiO1/2単位のSiO
単位に対する比が0.6〜1.4であるトルエンに可溶
のビニル基含有シリコーンレジン:20〜50重量%の
A)成分,B)成分からなるビニル基含有オルガノポリ
シロキンサン混合物:100重量部 C)ハイドロジエンポリシロキサン:ビニル基に対して
水素原子の量がモル比で0.5〜5.0となる量 D)白金および/または白金化合物:触媒量 E)シリカマイクロバルーン:150重量部以下 F)石英ガラス繊維:15重量部以下 G)カーボン繊維:15重量部以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アブレーション材料に
係わり、とくに、回収型カプセル,ロケットなどの宇宙
機においてその大気圏再突入時の空力加熱から内部を保
護するためのアブレーション熱遮蔽に用いられるアブレ
ーション材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回収型カプセル,ロケットなどの宇宙機
においてその大気圏再突入時の空力加熱から内部を保護
するための耐熱構造としては、炭素/炭素繊維複合材
料,各種高融点酸化物,窒化物,炭化物などが使用され
るほか、固体の気化(昇華)による潜熱で冷却するアブ
レーション冷却が採用されることもある(「増補版 航
空宇宙工学便覧」 昭和58年4月25日 増補版発行
第242頁〜第243頁)。
【0003】このようなアブレーション冷却においては
各種の熱遮蔽材料が用いられ、例えば、シリコーン樹脂
に、二酸化ケイ素を85.0重量%以上含有するシリカ
マイクロバルーンを混入し、この場合、シリカマイクロ
バルーンのシリコーン樹脂に対する重量比が50/50
〜70/30の範囲であるようにした低密度断熱性アブ
レーション材料も開発されていた(特開昭58−161
985号公報)。
【0004】さらに、米国特許明細書第4,031,0
59号においては、ポリシロキサンレジンに低密度フィ
ラー,中空シリカまたはガラス微粒子,シリカファイバ
ーを添加した比重0.25g/cc以下のアブレーター
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のアブ
レーション材料では、低加熱率(0.5〜1.0MW/
程度),低圧力(0.1気圧程度)の大気圏再突入
環境には十分耐え得るものの、高加熱率(4MW/m
程度),高圧力(1気圧程度)の環境下では、レジンの
熱分解が早期に進行することや、炭化層の脆性などによ
って、表面後退速度が大きくなることがあるという不具
合があり、このような高加熱率,高圧力環境下での表面
後退速度の増加を防止することが課題となっていた。
【0006】また、大気圏再突入前の長期間にわたる運
用においては、−80〜120℃のサイクル的な環境に
曝されるため、サーマルショックによる不具合を防止す
ることができる低温脆性の優れたアブレーション材料を
開発することが課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、高加熱率(4MW/m
度),高圧力(1気圧程度)の環境下においても、表面
後退速度が低いものとなる熱遮蔽性能に優れたアブレー
ション材料を提供すると共に、サーマルショックによる
不具合を防止することができる低温脆性にも優れたアブ
レーション材料を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる熱遮蔽用
アブレーション材料は、 A)ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン:50〜8
0重量%、ならびに、 B)RSiO1/2単位(ただし、Rは同一または異
種の炭素数1〜10の非置換または置換の1価炭化水素
基である。)およびSiO単位から本質的になり、か
つ、RSiO1/2単位のSiO単位に対するモル
比が0.6〜1.4であるトルエンに可溶のビニル基含
有シリコーンレジン:20〜50重量%のA)成分,
B)成分からなるビニル基含有オルガノポリシロキンサ
ン混合物:100重量部 C)一分子中に珪素原子に直結した水素原子を3個以上
含有するハイドロジエンポリシロキサン:A),B)成
分の合計中に含まれるビニル基の総量に対して珪素原子
に直結した水素原子の量がモル比で0.5〜5.0とな
る量 D)白金および/または白金化合物:触媒量 E)ガラスマイクロバルーン:150重量部以下 F)ガラス繊維:15重量部以下およびG)カーボン繊
維:15重量部以下のうちの少なくとも1種を少なくと
も含む構成としたことを特徴としている。
【0009】そして、本発明に係わるアブレーション材
料は、請求項2に記載しているように、ガラスマイクロ
バルーン:15〜150重量部であるものとしたり、請
求項3に記載しているように、ガラス繊維:5〜15重
量部であるものとしたり、請求項4に記載しているよう
に、カーボン繊維:3〜15重量部であるものとしたり
することができる。
【0010】同じく、本発明に係わるアブレーション材
料は、請求項5に記載しているように、ガラスマイクロ
バルーンとしてシリカマイクロバルーンを用いることが
でき、請求項6に記載しているように、ガラス繊維とし
て石英ガラス繊維を用いることができる。
【0011】同じく、本発明に係わるアブレーション材
料は、請求項7に記載しているように、上記組成物から
なる密度が0.35〜0.80g/ccであるものとす
ることができる。
【0012】
【発明の作用】本発明に係わる熱遮蔽用アブレーション
材料は、請求項1に記載しているように、A)成分と
B)成分からなるビニル基含有オルガノポリシロキンサ
ン混合物を用いており、A)成分として、ビニル基含有
ジオルガノポリシロキサンを含有するが、このA)成分
は、組成物の主成分でありその他の成分を併せたマトリ
ックスを保持するものとして作用するものである。
【0013】このA)成分のビニル基含有ジオルガノポ
リシロキサンとしては、例えば、下記一般式[I]で表
わされるものが好適に用いられる。
【0014】 (CH=CH)R SiO[R SiO]SiR (CH=CH) ・・・[I] ここでRは同一または異種の炭素数1〜10、好まし
くは炭素数1〜8の非置換または置換の1価炭化水素基
であり、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,イ
ソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,ter−ブチ
ル基,ペンチル基,ネオペンチル基,ヘキシル基,シク
ロヘキシル基,オクチル基,ノニル基,デシル基等のア
ルキル基、ビニル基,アリル基,プロペニル基,イソプ
ロペニル基,ブテニル基,イソブテニル基,ヘキセニル
基,シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル
基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等のアリール
基、ベンジル基,フェニルエチル基,フェニルプロピル
基等のアラルキル基、ならびにこれらの基の水素原子の
一部または全部が、フッ素,塩素,臭素等のハロゲン原
子やシアノ基等で置換されたクロロメチル基,クロロプ
ロピル基,ブロモエチル基,トリフルオロプロピル基,
クロロフェニル基,ジクロロフェニル基などを挙げるこ
とができるが、これらのうち原料の入手し易さ,低温で
の可とう性,硬化物の強度等の点から、ビニル基,メチ
ル基,フェニル基から選ばれるものであることが好まし
い。なお、上記一般式のRにおいて、1〜20モル
%、特に5〜10モル%がフェニル基、99〜80モル
%、特に95〜90モル%がメチル基であることが、低
温での可とう性を保持する点から好適であり、フェニル
基含有量が上記範囲外では硬化物が宇宙空間におけるヒ
ートサイクルによって割れる可能性がある。
【0015】また、Rとしては、必要に応じて架橋密
度を上げる目的で0〜2モル%程度のビニル基を導入す
ることも可能である。
【0016】上記一般式[I]においてnは50〜60
0、好ましくは100〜500の整数であり、このnの
値が50未満では硬化物が脆くなり十分な機械的強度が
得られない場合があり、一方、この値が600を超える
と混練作業が困難となり十分に均質な組成物が得られな
い場合がある。このA)成分のジオルガノポリシロキサ
ンの25℃における粘度は50〜50,000cP、好
ましくは100〜20,000cP程度である。
【0017】この場合、A)成分と後述するB)成分と
からなるビニル基含有オルガノポリシロキサン混合物に
おいて、A)成分が50重量%よりも少ないと、成分全
体を十分な物理的強度をもって保持するのに困難となる
ので好ましくなく、また、80重量%よりも多いと、ア
ブレーション材料としての機能が劣ることとなるので好
ましくないことから、A)成分の配合量は50〜80重
量%の範囲とされる。
【0018】また、B)成分として、RSiO1/2
単位およびSiO単位から本質的になり、かつ、R
SiO1/2単位のSiO単位に対するモル比が0.
6〜1.4であるトルエンに可溶のビニル基含有シリコ
ーンレジンを含有するが、このB)成分は、シリコーン
樹脂が硬化した際の物理的強度を高めると共に、アブレ
ーターの燃焼時における重量減少率を大幅に低下させる
成分として作用するものである。
【0019】このB)成分のRSiO1/2単位にお
けるRは同一または異種の炭素数1〜10、好適には炭
素数1〜8の非置換または置換の1価炭化水素基であ
り、具体的には、上記A)成分の一般式[I]における
として例示したものと同様のものを挙げることがで
きるが、A)成分との相溶性などの点からビニル基,メ
チル基,フェニル基から選ばれるものであることが好ま
しく、また全R基のうち後述するビニル基を除いた基
においては、80〜100モル%がメチル基、20〜0
モル%がフェニル基であることが好適である。
【0020】この場合、RSiO1/2単位のSiO
単位に対するモル比が0.6よりも小さいと、そのも
の自身で三次元架橋やゲル化を部分的に生じトルエン等
の溶剤に溶解しなくなるので好ましくなく、また、1.
4よりも大きいと、レジンとしての構造を示さず補強効
果および燃焼時の重量減少の低下に寄与し得なくなる。
従って、この場合も補強効果および燃焼時の重量減少の
低下に寄与し得なくなるので好ましくないことから、
0.6〜1.4の範囲とした。
【0021】さらに、A)成分とB)成分とからなるビ
ニル基含有オルガノポリシロキサン混合物において、
B)成分が20重量%よりも少ないと、上述した補強効
果および燃焼時の重量減少に対する寄与が少なくなるの
で好ましくなく、また、50重量%よりも多いと、前記
効果の向上はそれ以上認められず、さらに粘度が上昇し
て他成分の混合に支障をきたすこととなるので好ましく
ないことから、B)成分の配合量は20〜50重量%の
範囲とされる。
【0022】そして、レジン中のビニル基当量が0.0
5〜0.15モル/100gレジンであり、残余の基は
メチル基,フェニル基から選ばれるものとすることがで
きる。
【0023】さらにまた、C)成分として、一分子中に
珪素原子に直結した水素原子を3個以上含有するハイド
ロジエンポリシロキサンを含有するが、このC)成分
は、本組成物を硬化せしめるための架橋剤として作用す
るものである。
【0024】この場合、一分子中に珪素原子に直結した
水素原子を3個以上含有するものとしているが、3個よ
りも少ないと、十分な架橋構造を取り得なくなるので好
ましくない。
【0025】このC)成分のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンとしては、下記の一般単位式[II] R SiO(4−a−b)/2 ・・・[II] (ただし、aは0,1または2、bは1または2、a+
bは1,2または3から選ばれる数である。)で表わさ
れる単位を有し、珪素原子に結合した水素原子(すなわ
ち、SiH基)を分子中に少なくとも3個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンが好適に用いられる。
【0026】ここでRは同一または異種の炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜8の非置換または置換の1
価炭化水素基であり、具体的には、上記A)成分の一般
式[I]におけるRとして例示したものと同様のも
の、更にこれらのうちで脂肪族不飽和基を除いたものを
挙げることができるが、A)成分,B)成分との相溶
性,硬化物の物性等の点から、メチル基,フェニル基で
あることが好適である。
【0027】また、C)成分の分子中の他のシロキサン
単位における珪素原子に結合した置換基としては、前記
のRと同様の非置換または置換の1価炭化水素基であ
ればよく、分子中の全R基のうち、特に80〜100
モル%がメチル基、20〜0モル%がフェニル基である
ことが好ましい。
【0028】このC)成分の分子構造に特に制限はな
く、直鎖状,環状,分岐鎖,網状のいずれでもよく、ま
た、水素原子が結合している硅素原子(SiH基)の位
置はポリシロキサン分子鎖の末端であっても、分子鎖途
中であってもよい。
【0029】特に、硬化後の機械的性質を良好にするた
めには、第1例として、一般式[III] HR SiO[RHSiO][R SiO]SiR H ・・・[III] (但し、xは1〜100の整数、yは0〜100の整
数、x+yは1〜200、好ましくは1〜100)で表
わされ、珪素原子に結合した水素原子(SiH基)の含
有量が0.3〜1.6モル/gの範囲であるもの、また
は、第2例として、一般式[IV] R SiO[RHSiO]z[R SiO]SiR ・・・[IV] (但し、zは3〜100の整数、yは0〜100の整
数、z+yは3〜200、好ましくは3〜100)で表
わされ、珪素原子に結合した水素原子(SiH基)の含
有量が0.3〜1.6モル/gの範囲であるもの、また
は、第3例として、R HSiO1/2単位およびS
iO単位からなり、R HSiO1/2単位のSi
単位に対するモル比が0.6〜2.0であり、珪素
原子に結合した水素原子(SiH基)の含有量が0.3
〜1.6モル/gの範囲であるものが好ましい。
【0030】このC)成分は、組成物中、通常はA)成
分とB)成分との合計中に含まれるビニル基の総量に対
して珪素原子に直結した水素原子の量がモル比で0.5
〜5.0となる量だけ含有させることとしているが、こ
の水素原子の量が0.5よりも少ないと、架橋の密度が
低く、十分強度のある硬化物となり得なくなるので好ま
しくなく、また、この水素原子の量が5.0よりも多く
なると、硬化物は脆くなり、さらに硬化中に発泡を起こ
しやすく満足のいく成形物を得ることができなくなるお
それがあるので好ましくないことから、組成物中に含ま
れるビニル基の総量に対して珪素原子に直結した水素原
子の量が0.5〜5.0となる量の範囲とした。
【0031】さらに、D)成分として、白金および/ま
たは白金化合物を含有するが、このD)成分は、A)成
分およびB)成分のビニル基とC)成分の珪素原子に直
結した水素原子とを付加させ、実質的に本組成物の硬化
を行わせるための促進触媒として作用するものである。
【0032】このD)成分の白金および/または白金化
合物としては、白金,白金黒,白金単位をアルミナ,シ
リカ等の保持担体に吸着させたものや、塩化白金酸,塩
化白金酸と脂肪族不飽和炭化水素,アルコールまたはビ
ニルシロキサン等との錯体などを用いることができる。
【0033】この場合、D)成分の量は、通常、A)成
分とB)成分の合計量に対し白金原子として1〜200
0ppmの量が添加されればよいが、好ましくは、10
〜200ppmの添加量とするのが良い。そして、この
添加量が少なすぎると、硬化不良を起こしたり、あるい
は、硬化に長時間を要したりする。そして、この白金お
よび/または白金化合物は触媒量を超えて含有させるこ
ともできるが、多すぎると、作業時間が取れず成形作業
に支障を来たすばかりでなく経済的にも不利となる。
【0034】さらに、E)成分として、ガラスマイクロ
バルーンを含有させるが、このE)成分は、硬化物とし
てのアブレーターの重量の低減および断熱特性の向上を
目的として作用するものであって、このガラスマイクロ
バルーンには、請求項5に記載しているように、主成分
としてシリカを含有する微小中空球状充填材であり内部
が大気と同じ空気であるシリカマイクロバルーンを用い
ることができる。
【0035】そして、このシリカマイクロバルーンの粒
径は10〜200μm、好ましくは30〜200μmで
あるものとするのがよく、また、真比重は好ましくは
0.20〜0.40の範囲のものとするのがよく、シリ
カマイクロバルーンの原料としては例えば天然石英また
は合成石英(石英ガラスの比重は好ましくは2.2〜
2.3のもの)を用いることができる。
【0036】この場合、E)成分がA)成分,B)成分
の合計100重量部に対して150重量部よりも多い
と、後述する比重と関連するが、表面後退速度が著しく
増大し、さらに組成物としての混和が困難となり、組成
物の製造および成形体の製造において支障を生じるので
好ましくないことから、A)成分,B)成分の合計10
0重量部に対して150重量部以下とする必要があり、
また、E)成分の含有量が少ないときには断熱特性の改
良が見られないこともあるので、このようなときには請
求項2に記載しているように、A)成分,B)成分の合
計100重量部に対して15重量部以上とすることも場
合によっては望ましい。
【0037】さらにまた、F)成分として、G)成分と
の選択でガラス繊維を含有するが、このF)成分は、本
組成物を用いて硬化させた硬化物の剪断力に対する強度
を付与すると共に、炭化層と未分解層との剥離を防止す
る作用を有するものであって、このガラス繊維として
は、請求項6に記載しているように、石英ガラス繊維を
用いることができる。この場合、石英ガラス繊維は、例
えば、天然石英または合成石英を溶融して繊維化しなが
ら急冷することにより製造され、繊維径は好ましくは4
〜20μm,繊維長は好ましくは0.5〜20mmのも
のが用いられる。
【0038】この場合、F)成分がA)成分,B)成分
の合計100重量部に対して15重量部よりも多いと、
繊維状であるF)成分の凝集によって組成物の製造時に
おける混和が困難となるので好ましくないことから、
A)成分,B)成分の合計100重量部に対して15重
量部以下とする必要があり、また、F)成分の含有量が
少ないときには炭化層の強度不足による表面後退速度の
増大をきたすこともあるので、このようなときには、請
求項3に記載しているように、A)成分,B)成分の合
計100重量部に対して5重量部以上とすることも場合
によっては望ましい。
【0039】さらにまた、G)成分として、F)成分と
の選択で、カーボン繊維を含有させるが、このG)成分
は、本組成物を用いて硬化させた硬化物の剪断力に対す
る強度を付与すると共に、炭化層と未分解層との剥離を
防止する作用を有するものであって、このカーボン繊維
は、例えば、PAN系繊維を焼成することにより製造さ
れ、繊維径は好ましくは5〜10μm,繊維長は好まし
くは0.5〜20mmのものが用いられる。
【0040】この場合、G)成分はA)成分,B)成分
の合計100重量部に対して15重量部よりも多いと、
熱伝導性が上昇し、断熱特性の若干の悪化となるので好
ましくないことから、A)成分,B)成分の合計100
重量部に対して15重量部以下とする必要があり、この
G)成分の上記作用をより十分なものとするためには、
請求項4に記載しているように、A)成分,B)成分の
合計100重量部に対して3重量部以上とすることも場
合によっては望ましい。
【0041】本発明の組成物は、上記A)〜G)成分の
ほかに、当該組成物を硬化、成型する際に硬化時間を調
整する等の目的で公知の反応制御剤、例えば、ビニルシ
クロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシ
ロキサン,トリアリルイソシアヌレート,アセチレンア
ルコール類およびそのシラン,シロキサン変性物,ハイ
ドロパーオキサイド,ベンゾトリアゾールなどの1種ま
たは2種以上を添加することもできる。
【0042】本発明のアブレーション材料は、上記A)
〜G)成分を均一に配合して得られる組成物であり、こ
れを硬化,成型してアブレーターとして使用し得るもの
であるが、この組成物を調製する際に上記A)〜G)の
各成分の配合順序に特に制限はない。
【0043】そして、本発明に係わる熱遮蔽用アブレー
ション材料は、請求項7に記載しているように、上記の
組成物からなる密度が0.35〜0.80g/ccのも
のとすることも望ましく、密度が0.35g/ccより
も小さいと表面後退量が増大する傾向となり、0.80
g/ccよりも大きいと断熱性能が減少する傾向とな
る。
【0044】
【実施例】下記のA)〜G)成分を含む熱遮蔽用アブレ
ーション材料を表1に示す適合割合にて作成し、各アブ
レーション材料の密度を測定すると共に、アーク加熱風
洞における高温ガス(N+O、加熱率:表2)を各
アブレーション材料に照射したときの表面後退速度を測
定した。この結果を表2および図1に示す。
【0045】A)両末端がビニルジメチルシリル基で封
鎖され、主鎖部のジオルガノシロキサン単位全体の5.
5モル%がジフェニルシロキサン単位であり、残余の単
位がジメチルシロキサン単位からなる25℃での粘度が
5000cP(重合度:約450)のフェニルメチルポ
リシロキサン(ジオルガノポリシロキサン)。
【0046】B)(CHSiO1/2単位および
(CH=CH)(CHSiO1/2単位とSi
単位からなり、ビニル基当量が0.08モル/10
0gレジンであり(CHSiO1/2単位および
(CH=CH)(CHSiO1/2単位の合計
のSiO単位に対するモル比が0.9であるトルエン
に可溶のビニル基含有シリコーンレジン。
【0047】C)平均構造が以下で表されるメチルハイ
ドロジェンポリシロキサン。
【0048】
【0049】D)白金原子として2%を含有する白金−
ビニルシロキサン錯体溶液(触媒)。
【0050】E)平均粒径90μm,真比重0.25で
ある合成石英を原料としたシリカマイクロバルーン。
【0051】F)平均径15μm,平均長約3mmであ
る合成石英を原料とした石英ガラス繊維。
【0052】G)平均径7μm,平均長約3mmである
カーボン繊維。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2および図1に示すように、加熱率2.
15〜7.15MW/mにおける表面後退速度は0.
529〜0.051mm/sとなっており、とくに加熱
率4MW/mの高加熱率であっても、従来のアブレー
タ材料では3mm/s程度であったのに対して、本発明
実施例のアブレータ材料では表面後退速度が0.2mm
/s前後とかなり良好な熱遮蔽特性を有しているもので
あることが認められた。
【0056】このように、本発明実施例によるアブレー
タ材料では、高加熱率としているにもかかわらず表面後
退速度はすべて0.6mm/s以下に低減されているこ
とが明らかである。これは、B)成分の含有量が従来の
ものよりも多くなっていること、およびD),E),
F),G)成分を新たに混入したことによるものと判断
された。
【0057】そして、サンプルNo.S2よりなるテス
トピースNo.TP11や、サンプルNo.S3よりな
るテストピースNo.TP13のごとく、密度を高くし
たものが高加熱率において表面後退速度がかなり小さい
ものとなっていて優れた結果を得ることができた。
【0058】また、各成分の配合割合を変えることによ
って表面後退速度に変化が見られることから、大気圏再
突入時の環境条件等によって、適宜配合割合を変えるの
が良いことが明らかである。
【0059】したがって、本発明によるアブレータ材料
では、例えば、炭化層表面を高温にすることによる輻射
冷却効果を高めるうえで、このアブレータ材料を用いる
ことにより炭化層自身の機械的強度を引き上げるものと
なり、炭化層の脆性が大幅に改善されることとなって、
宇宙機等の熱防御系として使用する場合に、重量軽減に
著しく役立つものとなる。
【0060】
【発明の効果】本発明に係わるアブレーション材料によ
れば、請求項1に記載しているように、下記のA)〜
G)成分を少なくとも含むことを特徴とするアブレーシ
ョン材料。
【0061】A)ビニル基含有ジオルガノポリシロキサ
ン:50〜80重量%、ならびに、 B)RSiO1/2単位(ただし、Rは同一または異
種の炭素数1〜10の非置換または置換の1価炭化水素
基である。)およびSiO単位から本質的になり、か
つ、RSiO1/2単位のSiO単位に対するモル
比が0.6〜1.4であるトルエンに可溶のビニル基含
有シリコーンレジン:20〜50重量%のA)成分,
B)成分からなるビニル基含有オルガノポリシロキンサ
ン混合物:100重量部 C)一分子中に珪素原子に直結した水素原子を3個以上
含有するハイドロジエンポリシロキサン:A)成分,
B)成分の合計中に含まれるビニル基の総量に対して珪
素原子に直結した水素原子の量がモル比で0.5〜5.
0となる量 D)白金および/または白金化合物:触媒量 E)ガラスマイクロバルーン:150重量部以下 F)ガラス繊維:15重量部以下およびG)カーボン繊
維:15重量部以下のうちの少なくとも1種 の構成としたから、高加熱率(4MW/m程度),高
圧力(1気圧程度)の環境下においても、表面後退速度
が低いものとなる熱遮蔽性能に優れた材料を提供するこ
とが可能であり、このアブレーション材料によって炭化
層を保護する場合において炭化層の脆性が大幅に改善さ
れて、宇宙機等の熱防御系として使用する際の重量軽減
に著しく役立つものとなるという優れた効果がもたらさ
れる。
【0062】そして、請求項2に記載しているように、
ガラスマイクロバルーン:15〜150重量部であるも
のとすることによって、断熱特性の改良が十分に得られ
るものとなり、請求項3に記載しているように、ガラス
繊維:5〜15重量部であるものとすることによって、
炭化層の強度不足による表面後退速度の増大が防止され
ることとなり、請求項4に記載しているように、カーボ
ン繊維:3〜15重量部であるものとすることによっ
て、硬化物の剪断力に対する強度を良好なものにできる
と共に炭化層と未分解層との剥離を防止する作用が十分
なものになるという効果がもたらされる。
【0063】さらに、請求項5に記載しているように、
ガラスマイクロバルーンがシリカマイクロバルーンであ
るものとすることによって、ガラスマイクロバルーンの
添加作用が十分有効に得られると共に入手しやすい原料
の使用によって低コスト化が可能となり、請求項6に記
載しているように、ガラス繊維が石英ガラス繊維である
ものとすることによって、ガラス繊維の添加作用が十分
良好に得られると共にコストの上昇を抑えることが可能
となる。
【0064】さらにまた、請求項7に記載しているよう
に、密度が0.35〜0.80g/ccであるものとす
ることによって、表面後退量が減少すると共により大き
な断熱性能のものとすることが可能となる。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係わるアブレーション材料の実施例に
おいて加熱率と表面後退速度との関係を調べた結果を示
すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 稲 谷 芳 文 神奈川県相模原市由野台3丁目1番1号 宇宙科学研究所 内 (72)発明者 川 崎 和 憲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 原 田 匡 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤 木 弘 直 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 塩 野 巳喜男 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA)〜G)成分を含むことを特徴
    とするアブレーション材料。 A)ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン:50〜8
    0重量%、ならびに、 B)RSiO1/2単位(ただし、Rは同一または異
    種の炭素数1〜10の非置換または置換の1価炭化水素
    基である。)およびSiO単位から本質的になり、か
    つ、RSiO1/2単位のSiO単位に対するモル
    比が0.6〜1.4であるトルエンに可溶のビニル基含
    有シリコーンレジン:20〜50重量%のA)成分,
    B)成分からなるビニル基含有オルガノポリシロキンサ
    ン混合物:100重量部 C)一分子中に珪素原子に直結した水素原子を3個以上
    含有するハイドロジエンポリシロキサン:A)成分,
    B)成分の合計中に含まれるビニル基の総量に対して珪
    素原子に直結した水素原子の量がモル比で0.5〜5.
    0となる量 D)白金および/または白金化合物:触媒量 E)ガラスマイクロバルーン:150重量部以下 F)ガラス繊維:15重量部以下およびG)カーボン繊
    維:15重量部以下のうちの少なくとも1種
  2. 【請求項2】 ガラスマイクロバルーン:15〜150
    重量部である請求項1に記載のアブレーション材料。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維:5〜15重量部である請求
    項1に記載のアブレーション材料。
  4. 【請求項4】 カーボン繊維:3〜15重量部である請
    求項1に記載のアブレーション材料。
  5. 【請求項5】 ガラスマイクロバルーンがシリカマイク
    ロバルーンである請求項1または2に記載のアブレーシ
    ョン材料。
  6. 【請求項6】 ガラス繊維が石英ガラス繊維である請求
    項1または3に記載のアブレーション材料。
  7. 【請求項7】 密度が0.35〜0.80g/ccであ
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のアブレーション
    材料。
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