JPH08208700A - 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、その製造法、およびその抗体を用いた大腸癌スクリーニング法 - Google Patents
抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、その製造法、およびその抗体を用いた大腸癌スクリーニング法Info
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- JPH08208700A JPH08208700A JP7039042A JP3904295A JPH08208700A JP H08208700 A JPH08208700 A JP H08208700A JP 7039042 A JP7039042 A JP 7039042A JP 3904295 A JP3904295 A JP 3904295A JP H08208700 A JPH08208700 A JP H08208700A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の腫瘍マーカーとは異なるマーカーを検
索し、そのマーカーを特異的に認識するモノクローナル
抗体を開発して、偽陽性率の低い確実な大腸癌スクリー
ニングに応用することを目的とする。 【構成】 IgMクラスに属しかつ大腸粘液中の分子量
25万〜50万の多糖を認識するがヒトヘモグロビンは
認識しない抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体であ
る。この抗体は、予めヒトヘモグロビンを除去した大腸
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫後、
B細胞調製工程、細胞融合工程、スクリーニング工程、
クローニング工程、ハイブリドーマ培養工程および抗体
の分離精製工程を実施することにより得られる。大腸癌
スクリーニングは、ヒト大腸より採取したヒト大腸粘液
またはヒト便中に含まれるヒト大腸粘液の中の上記の多
糖の量を、上記の抗体を用いた酵素免疫測定法により測
定することによりなされる。
索し、そのマーカーを特異的に認識するモノクローナル
抗体を開発して、偽陽性率の低い確実な大腸癌スクリー
ニングに応用することを目的とする。 【構成】 IgMクラスに属しかつ大腸粘液中の分子量
25万〜50万の多糖を認識するがヒトヘモグロビンは
認識しない抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体であ
る。この抗体は、予めヒトヘモグロビンを除去した大腸
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫後、
B細胞調製工程、細胞融合工程、スクリーニング工程、
クローニング工程、ハイブリドーマ培養工程および抗体
の分離精製工程を実施することにより得られる。大腸癌
スクリーニングは、ヒト大腸より採取したヒト大腸粘液
またはヒト便中に含まれるヒト大腸粘液の中の上記の多
糖の量を、上記の抗体を用いた酵素免疫測定法により測
定することによりなされる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大腸粘液中の特定の多
糖を認識する抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、そ
の抗体の製造法、およびその抗体を用いた大腸癌のスク
リーニング法に関するものである。
糖を認識する抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、そ
の抗体の製造法、およびその抗体を用いた大腸癌のスク
リーニング法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国では大腸癌が増加してきて
いる。1965年の大腸癌死亡者数は6600人であっ
たが、1987年には21076人と約 3.2倍に増加し
ている。しかもその発生頻度はさらに増加しており、青
森県の調査では、直腸癌は1974年の人口10万対
6.1から1987年には16.7と約 2.7倍、結腸癌は 5.1
から24.2と約 4.7倍となっている。(田村研ら、癌の臨
床、37: 329-332, 1991 参照)
いる。1965年の大腸癌死亡者数は6600人であっ
たが、1987年には21076人と約 3.2倍に増加し
ている。しかもその発生頻度はさらに増加しており、青
森県の調査では、直腸癌は1974年の人口10万対
6.1から1987年には16.7と約 2.7倍、結腸癌は 5.1
から24.2と約 4.7倍となっている。(田村研ら、癌の臨
床、37: 329-332, 1991 参照)
【0003】このような状況から大腸癌を早く発見して
対処策を講じる二次予防の必要性が高まり、免疫学的便
潜血検査の普及により、大腸癌検診が広く行われるよう
になった。
対処策を講じる二次予防の必要性が高まり、免疫学的便
潜血検査の普及により、大腸癌検診が広く行われるよう
になった。
【0004】1986年から1987年までの青森県の
便潜血検査による大腸集検では、延べ受診者数1323
08人に対して精密検査者数は3228人(2.4 %)で
あり、このうち発見大腸癌は97例(延べ受診者数に対
する癌発見率は0.07%)であった。また精密検査者数に
対する便潜血検査の陽性的中率は 100×97/3228= 3.0
%であり、このように偽陽性率が高いことが従来より指
摘されている。また1回の検便では陽性率が低下するこ
となども問題とされている。
便潜血検査による大腸集検では、延べ受診者数1323
08人に対して精密検査者数は3228人(2.4 %)で
あり、このうち発見大腸癌は97例(延べ受診者数に対
する癌発見率は0.07%)であった。また精密検査者数に
対する便潜血検査の陽性的中率は 100×97/3228= 3.0
%であり、このように偽陽性率が高いことが従来より指
摘されている。また1回の検便では陽性率が低下するこ
となども問題とされている。
【0005】現在までに知られている腫瘍マーカーに
は、癌胎児性抗原(以下CEAと略す)、糖鎖抗原など
があり、すでに臨床の場で広く用いられている。またC
A19−9、NCC−ST−439、CA125等のC
EA以外の腫瘍マーカーについても検討がなされてい
る。これらのモノクローナル抗体により認識される癌患
者の血清中の抗原の多くは、高分子量の糖蛋白質や糖脂
質である。
は、癌胎児性抗原(以下CEAと略す)、糖鎖抗原など
があり、すでに臨床の場で広く用いられている。またC
A19−9、NCC−ST−439、CA125等のC
EA以外の腫瘍マーカーについても検討がなされてい
る。これらのモノクローナル抗体により認識される癌患
者の血清中の抗原の多くは、高分子量の糖蛋白質や糖脂
質である。
【0006】大腸癌などの検査に用いるモノクローナル
抗体については、次のような出願もなされている。
抗体については、次のような出願もなされている。
【0007】たとえば、特開昭63−222700号公
報には、癌の血清診断に有用なモノクローナル抗体につ
き開示があり、大腸癌細胞等の抗原でマウス等を免疫
し、免疫されたマウスから抗体産生細胞を分離した後、
この細胞と骨髄腫細胞とを融合させてモノクローナル抗
体を得、この抗体を回収して、大腸癌患者の腹水中の分
子量100万以上の糖蛋白質抗原と反応し、ヒト大腸
癌、ヒト胃癌、ヒト胆管癌、ヒト肺腺癌、ヒト卵巣粘液
嚢胞腺癌、ヒト気管支上皮の一部、ヒト子宮頚管腺の一
部などと反応する性質を有するIgMクラスに属するモ
ノクローナル抗体を分離することが示されている。
報には、癌の血清診断に有用なモノクローナル抗体につ
き開示があり、大腸癌細胞等の抗原でマウス等を免疫
し、免疫されたマウスから抗体産生細胞を分離した後、
この細胞と骨髄腫細胞とを融合させてモノクローナル抗
体を得、この抗体を回収して、大腸癌患者の腹水中の分
子量100万以上の糖蛋白質抗原と反応し、ヒト大腸
癌、ヒト胃癌、ヒト胆管癌、ヒト肺腺癌、ヒト卵巣粘液
嚢胞腺癌、ヒト気管支上皮の一部、ヒト子宮頚管腺の一
部などと反応する性質を有するIgMクラスに属するモ
ノクローナル抗体を分離することが示されている。
【0008】特開昭62−111697号公報には、ヒ
トの消化器官の癌細胞、膵臓の腫瘍細胞の確立された培
養細胞株で免疫された哺乳動物から脾細胞とミエローマ
細胞株を融合させてハイブリドーマ株を得ることによ
り、大腸癌等ヒトの消化器癌の診断のためのモノクロー
ナル抗体を得ることが示されている。
トの消化器官の癌細胞、膵臓の腫瘍細胞の確立された培
養細胞株で免疫された哺乳動物から脾細胞とミエローマ
細胞株を融合させてハイブリドーマ株を得ることによ
り、大腸癌等ヒトの消化器癌の診断のためのモノクロー
ナル抗体を得ることが示されている。
【0009】特表昭61−502701号公報には、患
者から採取した生理的液体の検体(血液、血清または血
漿)を小腸ムチン抗原(SIMA)および/または大腸
ムチン抗原(LIMA)に対するモノクローナル抗体と
接触させることにより、胃腸管癌のインビトロ検出を行
うことが示されている。なおこの公報には、従来技術の
説明の中で、抗原であるCEA、CA19−9と、それ
らを腫瘍マーカーとするときの問題点につき詳細な説明
がある。
者から採取した生理的液体の検体(血液、血清または血
漿)を小腸ムチン抗原(SIMA)および/または大腸
ムチン抗原(LIMA)に対するモノクローナル抗体と
接触させることにより、胃腸管癌のインビトロ検出を行
うことが示されている。なおこの公報には、従来技術の
説明の中で、抗原であるCEA、CA19−9と、それ
らを腫瘍マーカーとするときの問題点につき詳細な説明
がある。
【0010】特表平4−505097号公報には、マウ
スまたはラットを腫瘍−M2−PK(ピルビン酸キナー
ゼ−アイソザイムM2型)で免疫化し、免疫した動物の
脾臓由来のB−リンパ球を骨髄腫細胞と融合し、形成し
たハイブリドーマをクローニングし、腫瘍−M2−PK
結合性抗体を分泌するハイブリドーマを単離し、さらに
クローニングし、培養することによりモノクローナル抗
体を取得すること、この腫瘍−M2−PK特異抗体を使
用して腫瘍−M2−PKを体液または組織・粘液内で検
出することが示されている。
スまたはラットを腫瘍−M2−PK(ピルビン酸キナー
ゼ−アイソザイムM2型)で免疫化し、免疫した動物の
脾臓由来のB−リンパ球を骨髄腫細胞と融合し、形成し
たハイブリドーマをクローニングし、腫瘍−M2−PK
結合性抗体を分泌するハイブリドーマを単離し、さらに
クローニングし、培養することによりモノクローナル抗
体を取得すること、この腫瘍−M2−PK特異抗体を使
用して腫瘍−M2−PKを体液または組織・粘液内で検
出することが示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】先にも述べたように、
現在までに知られている腫瘍マーカーにはCEAなどが
あるが、血清CEAの大腸癌全体における陽性率は約4
0〜60%と報告されており、病気の進行と共に陽性率
は上昇するが、早期癌では陽性となる症例は少ない。C
A19−9、NCC−ST−439、CA125等のC
EA以外の腫瘍マーカーについても同様の結果となって
いる。
現在までに知られている腫瘍マーカーにはCEAなどが
あるが、血清CEAの大腸癌全体における陽性率は約4
0〜60%と報告されており、病気の進行と共に陽性率
は上昇するが、早期癌では陽性となる症例は少ない。C
A19−9、NCC−ST−439、CA125等のC
EA以外の腫瘍マーカーについても同様の結果となって
いる。
【0012】森らは、大腸癌の早期発見を目指して便中
CEAを測定し、大腸癌の72.6%で陽性であったと報告
している(島野高志ら、日本臨床、46, 387, 1988 )。
また大倉らも便中CEAを測定し、大腸癌の進行度に関
係なく高い陽性率を示したが、炎症性超疾患、胆石、
胃、十二指腸潰瘍などの良性疾患でも高値を示し、57
7例の集団検診に応用したところ、便潜血反応陰性で便
中CEA陽性者21例中、大腸癌1例、大腸腺腫1例、
大腸憩室2例、胃ポリープ1例、胆石3例が発見された
と報告している(大倉久直ら、中外医学社、19: 136, 1
992 )。
CEAを測定し、大腸癌の72.6%で陽性であったと報告
している(島野高志ら、日本臨床、46, 387, 1988 )。
また大倉らも便中CEAを測定し、大腸癌の進行度に関
係なく高い陽性率を示したが、炎症性超疾患、胆石、
胃、十二指腸潰瘍などの良性疾患でも高値を示し、57
7例の集団検診に応用したところ、便潜血反応陰性で便
中CEA陽性者21例中、大腸癌1例、大腸腺腫1例、
大腸憩室2例、胃ポリープ1例、胆石3例が発見された
と報告している(大倉久直ら、中外医学社、19: 136, 1
992 )。
【0013】このように、大腸癌集団検診に応用されつ
つあるCEAについても偽陽性が認められ、現在のとこ
ろ大腸癌においては早期診断における腫瘍マーカーの有
用性は乏しいとされている。
つあるCEAについても偽陽性が認められ、現在のとこ
ろ大腸癌においては早期診断における腫瘍マーカーの有
用性は乏しいとされている。
【0014】上述の特開昭63−222700号公報、
特開昭62−111697号公報、特表昭61−502
701号公報、特表平4−505097号公報の方法
も、CEAの場合と同様に、集団検診のような場合に適
用するには一定程度の限界がある。
特開昭62−111697号公報、特表昭61−502
701号公報、特表平4−505097号公報の方法
も、CEAの場合と同様に、集団検診のような場合に適
用するには一定程度の限界がある。
【0015】本発明は、このような背景下において、従
来の腫瘍マーカーとは異なるマーカーを検索し、そのマ
ーカーを特異的に認識するモノクローナル抗体を開発し
て、偽陽性率の低い確実な大腸癌スクリーニングに応用
することを目的とするものである。
来の腫瘍マーカーとは異なるマーカーを検索し、そのマ
ーカーを特異的に認識するモノクローナル抗体を開発し
て、偽陽性率の低い確実な大腸癌スクリーニングに応用
することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の抗ヒト大腸癌粘
液モノクローナル抗体は、IgMクラスに属しかつ大腸
粘液中の分子量25万〜50万の多糖を認識するがヒト
ヘモグロビンは認識しないことを特徴とするものであ
る。
液モノクローナル抗体は、IgMクラスに属しかつ大腸
粘液中の分子量25万〜50万の多糖を認識するがヒト
ヘモグロビンは認識しないことを特徴とするものであ
る。
【0017】本発明の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル
抗体の製造法は、予めヒトヘモグロビンを除去した大腸
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫後、
B細胞調製工程、細胞融合工程、スクリーニング工程、
クローニング工程、ハイブリドーマ培養工程および抗体
の分離精製工程を実施することにより、IgMクラスに
属しかつ大腸粘液中の分子量25万〜50万の多糖を認
識するがヒトヘモグロビンは認識しない抗ヒト大腸癌粘
液モノクローナル抗体を得ることを特徴とするものであ
る。
抗体の製造法は、予めヒトヘモグロビンを除去した大腸
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫後、
B細胞調製工程、細胞融合工程、スクリーニング工程、
クローニング工程、ハイブリドーマ培養工程および抗体
の分離精製工程を実施することにより、IgMクラスに
属しかつ大腸粘液中の分子量25万〜50万の多糖を認
識するがヒトヘモグロビンは認識しない抗ヒト大腸癌粘
液モノクローナル抗体を得ることを特徴とするものであ
る。
【0018】本発明の大腸癌スクリーニング法は、ヒト
大腸より採取したヒト大腸粘液またはヒト便中に含まれ
るヒト大腸粘液の中の上記の分子量25万〜50万の多
糖の量を、上記の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体
を用いた酵素免疫測定法により測定し、その測定値に基
いて大腸癌か否かをスクリーニングすることを特徴とす
るものである。
大腸より採取したヒト大腸粘液またはヒト便中に含まれ
るヒト大腸粘液の中の上記の分子量25万〜50万の多
糖の量を、上記の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体
を用いた酵素免疫測定法により測定し、その測定値に基
いて大腸癌か否かをスクリーニングすることを特徴とす
るものである。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル
抗体を得るにあたっては、まず、予めヒトヘモグロビン
をそれが検出されない程度に除去した大腸癌患者の大腸
粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫する。
抗体を得るにあたっては、まず、予めヒトヘモグロビン
をそれが検出されない程度に除去した大腸癌患者の大腸
粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫する。
【0021】というのは、本発明における抗ヒト大腸癌
粘液モノクローナル抗体を得るための免疫抗原は大腸癌
患者の大腸粘液であるが、大腸癌患者の大腸粘液(以下
大腸癌粘液と略す)にはヘモグロビンが含まれているこ
とが多いところ、ヘモグロビンが存在するとそのヘモグ
ロビンをも認識する抗体ができやすい。そこで、ヘモグ
ロビンを認識しない抗体を産生すべく、ヘモグロビンを
障害にならない程度にまで除去することが必要になるの
である。
粘液モノクローナル抗体を得るための免疫抗原は大腸癌
患者の大腸粘液であるが、大腸癌患者の大腸粘液(以下
大腸癌粘液と略す)にはヘモグロビンが含まれているこ
とが多いところ、ヘモグロビンが存在するとそのヘモグ
ロビンをも認識する抗体ができやすい。そこで、ヘモグ
ロビンを認識しない抗体を産生すべく、ヘモグロビンを
障害にならない程度にまで除去することが必要になるの
である。
【0022】ヘモグロビンを除去するための方法には、
ゲルろ過、DEAE(ジエチルアミノエチル)セルロー
ス、ハイドロキシアパタイトなどによる吸着処理がある
が、本発明においては、抗ヒトヘモグロビンモノクロー
ナル抗体をリガンドとするイムノアフィニティー法によ
りヘモグロビンを除去することが特に望ましい。より具
体的には、抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体をC
N−Br活性化セファロース4Bなどに常法により固定
してカラムに充填し、リン酸緩衝液を溶かした大腸癌粘
液を4℃程度の低温で循環させ、適宜の限外ろ過装置で
濃縮し、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動)後、ウェスタンブロ
ッティングでヒトヘモグロビンのバンドが検出されない
程度に大腸癌粘液中のヒトヘモグロビンを除去するので
ある。
ゲルろ過、DEAE(ジエチルアミノエチル)セルロー
ス、ハイドロキシアパタイトなどによる吸着処理がある
が、本発明においては、抗ヒトヘモグロビンモノクロー
ナル抗体をリガンドとするイムノアフィニティー法によ
りヘモグロビンを除去することが特に望ましい。より具
体的には、抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体をC
N−Br活性化セファロース4Bなどに常法により固定
してカラムに充填し、リン酸緩衝液を溶かした大腸癌粘
液を4℃程度の低温で循環させ、適宜の限外ろ過装置で
濃縮し、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動)後、ウェスタンブロ
ッティングでヒトヘモグロビンのバンドが検出されない
程度に大腸癌粘液中のヒトヘモグロビンを除去するので
ある。
【0023】本発明の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル
抗体は、典型的には、次のようにして得られる。すなわ
ち、たとえば、上記で得られたヒトヘモグロビン除去大
腸癌粘液を(MPL+TDM+CWS)エマルジョン
(商品名RIB:フナコシ社製)と等量混和し、BALB/c
マウス(メス)に免疫後、B細胞調製工程、細胞融合工
程、スクリーニング工程、クローニング工程、ハイブリ
ドーマ培養工程、さらには抗体の分離精製工程を順に実
施する。
抗体は、典型的には、次のようにして得られる。すなわ
ち、たとえば、上記で得られたヒトヘモグロビン除去大
腸癌粘液を(MPL+TDM+CWS)エマルジョン
(商品名RIB:フナコシ社製)と等量混和し、BALB/c
マウス(メス)に免疫後、B細胞調製工程、細胞融合工
程、スクリーニング工程、クローニング工程、ハイブリ
ドーマ培養工程、さらには抗体の分離精製工程を順に実
施する。
【0024】〈B細胞調製工程〉マウス、ラット等の哺
乳動物を、ヒトヘモグロビン除去ヒト大腸癌粘液で免疫
する。投与手段としては、腹腔内注射、皮下注射、静脈
注射、脾内注射、皮内注射などが採用される。最初の免
疫は皮下および腹腔注射で、追加免疫は皮下注射でとい
うように、組み合わることも好ましい。最終免疫後、3
〜5日にマウス等の脾臓からB細胞を採取する。
乳動物を、ヒトヘモグロビン除去ヒト大腸癌粘液で免疫
する。投与手段としては、腹腔内注射、皮下注射、静脈
注射、脾内注射、皮内注射などが採用される。最初の免
疫は皮下および腹腔注射で、追加免疫は皮下注射でとい
うように、組み合わることも好ましい。最終免疫後、3
〜5日にマウス等の脾臓からB細胞を採取する。
【0025】〈細胞融合工程〉前工程で採取したB細胞
とマウス等のミエローマ細胞とを混和し、細胞融合促進
剤(たとえば分子量2000〜5000の50%ポリエ
チレングリコール)を加えることにより細胞融合を行
う。細胞融合後、細胞をHAT培地に懸濁し、37℃、
5%炭酸ガス中で5日間培養後、HT培地を各穴に 0.1
mlずつ加えてさらに培養を続けると、10日から14日
でハイブリドーマが生育する。ここでミエローマ細胞と
しては、上述のB細胞調製工程で用いた被免疫動物と同
種の動物由来のもので、かつハイブリドーマ選択培地で
生育できず、しかもそれ自身が抗体を分泌しないものを
用いることが好ましい。このようなミエローマ細胞はす
でに市販されているので(たとえばマウスミエローマ細
胞 P3-X63-Ag8-653 など)、これを用いるのが簡便かつ
有効である。
とマウス等のミエローマ細胞とを混和し、細胞融合促進
剤(たとえば分子量2000〜5000の50%ポリエ
チレングリコール)を加えることにより細胞融合を行
う。細胞融合後、細胞をHAT培地に懸濁し、37℃、
5%炭酸ガス中で5日間培養後、HT培地を各穴に 0.1
mlずつ加えてさらに培養を続けると、10日から14日
でハイブリドーマが生育する。ここでミエローマ細胞と
しては、上述のB細胞調製工程で用いた被免疫動物と同
種の動物由来のもので、かつハイブリドーマ選択培地で
生育できず、しかもそれ自身が抗体を分泌しないものを
用いることが好ましい。このようなミエローマ細胞はす
でに市販されているので(たとえばマウスミエローマ細
胞 P3-X63-Ag8-653 など)、これを用いるのが簡便かつ
有効である。
【0026】B細胞とミエローマ細胞の混合比は、1 :
1〜20: 1とすることが多いが、必ずしもこの範囲内
に限られるものではない。B細胞とミエローマ細胞との
細胞融合はランダムに起きるので、目的のハイブリドー
マを選別する必要がある。そこで上記操作の後、融合促
進剤を洗浄除去し、ミエローマ細胞用培地に懸濁したハ
イブリドーマの 0.1〜 0.5mlずつをたとえば96穴培養
皿にまき、培養する。培養中HAT培地などの公知の選
択培地を添加し、その割合を徐々に高める。最終的には
同様にして、さらに選択培地をハイブリドーマ培地と交
換する。このような培地交換により、ハイブリドーマ以
外の細胞は死滅する。なお、細胞融合方法としては、細
胞融合促進剤を用いる方法のほか、電気的手段による方
法なども採用できる。
1〜20: 1とすることが多いが、必ずしもこの範囲内
に限られるものではない。B細胞とミエローマ細胞との
細胞融合はランダムに起きるので、目的のハイブリドー
マを選別する必要がある。そこで上記操作の後、融合促
進剤を洗浄除去し、ミエローマ細胞用培地に懸濁したハ
イブリドーマの 0.1〜 0.5mlずつをたとえば96穴培養
皿にまき、培養する。培養中HAT培地などの公知の選
択培地を添加し、その割合を徐々に高める。最終的には
同様にして、さらに選択培地をハイブリドーマ培地と交
換する。このような培地交換により、ハイブリドーマ以
外の細胞は死滅する。なお、細胞融合方法としては、細
胞融合促進剤を用いる方法のほか、電気的手段による方
法なども採用できる。
【0027】〈スクリーニング工程〉ハイブリドーマの
スクリーニングは、培養液中の抗体のヒトヘモグロビン
除去大腸癌粘液および健常者の大腸粘液への反応性を調
べること、より具体的には、物理吸着によりヒトヘモグ
ロビン除去大腸癌粘液と健常者大腸粘液とを固相化した
各96穴プレートとの反応性を酵素免疫測定法により調
べることで行うことができる。この方法により、ヒト大
腸癌粘液に特異的な抗ヒト大腸癌粘液抗体を産生するハ
イブリドーマをスクリーニングすることができる。
スクリーニングは、培養液中の抗体のヒトヘモグロビン
除去大腸癌粘液および健常者の大腸粘液への反応性を調
べること、より具体的には、物理吸着によりヒトヘモグ
ロビン除去大腸癌粘液と健常者大腸粘液とを固相化した
各96穴プレートとの反応性を酵素免疫測定法により調
べることで行うことができる。この方法により、ヒト大
腸癌粘液に特異的な抗ヒト大腸癌粘液抗体を産生するハ
イブリドーマをスクリーニングすることができる。
【0028】〈クローニング工程〉スクリーニングした
ハイブリドーマは、限界希釈法によりモノクローン化さ
れる。限界希釈法によるクローニングを実施する場合、
これを少なくとも3回以上繰り返して行うことで、より
確実にモノクローン化されたハイブリドーマが作成でき
る。
ハイブリドーマは、限界希釈法によりモノクローン化さ
れる。限界希釈法によるクローニングを実施する場合、
これを少なくとも3回以上繰り返して行うことで、より
確実にモノクローン化されたハイブリドーマが作成でき
る。
【0029】〈ハイブリドーマ培養工程〉前工程で作製
したハイブリドーマをin vitroまたはin vivo で培養す
れば、目的のモノクローナル抗体が生産できる。in viv
o での培養は、予めプリスタン(2,6,10,14−
テトラメチルペンタデカン、シグマ社製)を腹腔投与し
たBALB/cマウスの腹腔内に、たとえば約1×107 〜3
×107 個のハイブリドーマを接種することにより実施
でき、接種後、14日から20日でモノクローナル抗体
を含む腹水を得ることができる。
したハイブリドーマをin vitroまたはin vivo で培養す
れば、目的のモノクローナル抗体が生産できる。in viv
o での培養は、予めプリスタン(2,6,10,14−
テトラメチルペンタデカン、シグマ社製)を腹腔投与し
たBALB/cマウスの腹腔内に、たとえば約1×107 〜3
×107 個のハイブリドーマを接種することにより実施
でき、接種後、14日から20日でモノクローナル抗体
を含む腹水を得ることができる。
【0030】in vitroでの培養は、たとえば数個のハイ
ブリドーマの96穴培養皿での培養からはじめ、しだい
に培養規模を上げることにより行うことができ、これに
より培養液中にモノクローナル抗体が分泌、蓄積され
る。
ブリドーマの96穴培養皿での培養からはじめ、しだい
に培養規模を上げることにより行うことができ、これに
より培養液中にモノクローナル抗体が分泌、蓄積され
る。
【0031】〈分離精製工程〉腹水または培養物からの
モノクローナル抗体は、そのアイソタイプによって精製
方法が異なる。IgGであればプロテインA等のアフィ
ニティークロマトグラフィーによる精製が一般的である
が、IgMであればバイオゲル(Biogel) A-5mやセファ
クリル S 300-HR 等のゲルろ過によっても精製できる。
なお抗体のクラスの判別は、市販の抗体クラスを判定す
るキット、たとえばアマシャム製の「アイソタイピング
キット」を使用することにより行うことができる。
モノクローナル抗体は、そのアイソタイプによって精製
方法が異なる。IgGであればプロテインA等のアフィ
ニティークロマトグラフィーによる精製が一般的である
が、IgMであればバイオゲル(Biogel) A-5mやセファ
クリル S 300-HR 等のゲルろ過によっても精製できる。
なお抗体のクラスの判別は、市販の抗体クラスを判定す
るキット、たとえばアマシャム製の「アイソタイピング
キット」を使用することにより行うことができる。
【0032】〈抗原の精製〉得られた抗ヒト大腸癌粘液
モノクローナル抗体をCN−Br活性化セファロース4
Bに固定し、大腸癌粘液と反応させる。リガンドに結合
した抗原を溶出させ、ドットブロッティングで抗ヒト大
腸癌粘液モノクローナル抗体と反応する画分を集めて1
0mMリン酸緩衝液に対して透析した後、バイオゲル(Bio
gel) A-0.5mカラムで分画することにより、抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体が認識する抗原を精製するこ
とができる。
モノクローナル抗体をCN−Br活性化セファロース4
Bに固定し、大腸癌粘液と反応させる。リガンドに結合
した抗原を溶出させ、ドットブロッティングで抗ヒト大
腸癌粘液モノクローナル抗体と反応する画分を集めて1
0mMリン酸緩衝液に対して透析した後、バイオゲル(Bio
gel) A-0.5mカラムで分画することにより、抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体が認識する抗原を精製するこ
とができる。
【0033】図1は、大腸癌粘液および精製抗原のSD
S−PAGE(2〜20%ゲル)−ウエスタンブロッテ
ィングで、クマシ−ブリリアントブルーR250による
蛋白染色並びにペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸癌粘液
モノクローナル抗体による染色の結果を示したものであ
る。図1から、上記抗原からは蛋白質は検出されないこ
とがわかる。
S−PAGE(2〜20%ゲル)−ウエスタンブロッテ
ィングで、クマシ−ブリリアントブルーR250による
蛋白染色並びにペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸癌粘液
モノクローナル抗体による染色の結果を示したものであ
る。図1から、上記抗原からは蛋白質は検出されないこ
とがわかる。
【0034】このように、抗ヒト大腸癌粘液モノクロー
ナル抗体をリガンドとするイムノアフィニティーとゲル
ろ過の組み合わせで得られる抗ヒト大腸癌粘液モノクロ
ーナル抗体と反応する抗原は、大腸癌患者の大腸粘液中
により多量に存在する分子量25万〜50万の多糖であ
る。
ナル抗体をリガンドとするイムノアフィニティーとゲル
ろ過の組み合わせで得られる抗ヒト大腸癌粘液モノクロ
ーナル抗体と反応する抗原は、大腸癌患者の大腸粘液中
により多量に存在する分子量25万〜50万の多糖であ
る。
【0035】〈大腸癌スクリーニング法〉触診により得
たヒト大腸粘液またはヒト便中に含まれるヒト大腸粘液
中の上記の多糖を、上記の抗ヒト大腸癌粘液モノクロー
ナル抗体を用いた酵素免疫測定法により測定する。そし
て、その多糖の量の多少に基き大腸癌か否かをスクリー
ニングする。
たヒト大腸粘液またはヒト便中に含まれるヒト大腸粘液
中の上記の多糖を、上記の抗ヒト大腸癌粘液モノクロー
ナル抗体を用いた酵素免疫測定法により測定する。そし
て、その多糖の量の多少に基き大腸癌か否かをスクリー
ニングする。
【0036】この抗原を測定する方法としては、ラジオ
イムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EI
A)、免疫凝集法などがあげられるが、2種類のモノク
ローナル抗体を用いたサンドイッチ酵素免疫測定法が好
ましい。
イムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EI
A)、免疫凝集法などがあげられるが、2種類のモノク
ローナル抗体を用いたサンドイッチ酵素免疫測定法が好
ましい。
【0037】上記EIA法において、抗ヒト大腸癌粘液
モノクローナル抗体の固相化は常法に従って行うことが
できる。固相化のための担体としては、たとえばポリス
チレン、多孔性ガラス等のビーズあるいは96穴プレー
トを用いることができる。
モノクローナル抗体の固相化は常法に従って行うことが
できる。固相化のための担体としては、たとえばポリス
チレン、多孔性ガラス等のビーズあるいは96穴プレー
トを用いることができる。
【0038】モノクローナル抗体の標識剤としては、ヨ
ウ素( 125I) 、14C、トリチウム等の放射性アイソト
ープ;フルオレッセインイソシアネート、ローダミン等
の蛍光物質;ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ等の酵素;があげられるが、キット化するには酵素
が望ましい。酵素は市販のものを使用できる。これらの
酵素でモノクローナル抗体を標識するには、公知の方法
が採用される。
ウ素( 125I) 、14C、トリチウム等の放射性アイソト
ープ;フルオレッセインイソシアネート、ローダミン等
の蛍光物質;ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ等の酵素;があげられるが、キット化するには酵素
が望ましい。酵素は市販のものを使用できる。これらの
酵素でモノクローナル抗体を標識するには、公知の方法
が採用される。
【0039】上記測定系に利用される緩衝液としては、
反応に悪影響を与えない通常の各種の緩衝液を利用する
ことができる。本発明においては、たとえば、免疫反応
では50mMから100mMのリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.3)
に塩化ナトリウムを 0.1M含ませ、 0.2%にカゼインを
含ませるのが好ましい。
反応に悪影響を与えない通常の各種の緩衝液を利用する
ことができる。本発明においては、たとえば、免疫反応
では50mMから100mMのリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.3)
に塩化ナトリウムを 0.1M含ませ、 0.2%にカゼインを
含ませるのが好ましい。
【0040】測定の際の免疫反応条件には特に制限はな
く、通常のこの種の測定法と同様のものとすることがで
きる。
く、通常のこの種の測定法と同様のものとすることがで
きる。
【0041】大腸癌スクリーニングにあたっては、検体
として、触診により得たヒト大腸粘液またはヒト便を用
いることができる。これら検体中には、上記の抗原を分
解する酵素の存在が示唆されることにより、検体の保存
は冷蔵庫あるいは凍結によることが望ましい。
として、触診により得たヒト大腸粘液またはヒト便を用
いることができる。これら検体中には、上記の抗原を分
解する酵素の存在が示唆されることにより、検体の保存
は冷蔵庫あるいは凍結によることが望ましい。
【0042】
【作用】上記の抗原の分子量は25万〜50万であり、
蛋白質は検出されないが(BCA法あるいはローリー
法)、糖質は検出され(フェノール硫酸法)、多糖であ
ることがわかる。この分子量25万〜50万の多糖から
なる抗原は、上記のIgMクラスに属する抗ヒト大腸癌
粘液モノクローナル抗体と反応し、検体中の測定妨害物
質の影響を受けずに直接検体よりその抗原量を定量する
ことができる。そしてこの抗原量は、健常者の大腸粘液
または便では著しく低値を示し、大腸癌患者の大腸粘液
または便中では高値を示す。従って、上記の抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体を用いて検体中の抗原量を測
定することにより、集団検診のような場合であっても、
低い疑陽性率で大腸癌のスクリーニングを行うことがで
きる。
蛋白質は検出されないが(BCA法あるいはローリー
法)、糖質は検出され(フェノール硫酸法)、多糖であ
ることがわかる。この分子量25万〜50万の多糖から
なる抗原は、上記のIgMクラスに属する抗ヒト大腸癌
粘液モノクローナル抗体と反応し、検体中の測定妨害物
質の影響を受けずに直接検体よりその抗原量を定量する
ことができる。そしてこの抗原量は、健常者の大腸粘液
または便では著しく低値を示し、大腸癌患者の大腸粘液
または便中では高値を示す。従って、上記の抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体を用いて検体中の抗原量を測
定することにより、集団検診のような場合であっても、
低い疑陽性率で大腸癌のスクリーニングを行うことがで
きる。
【0043】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
る。
【0044】実施例1(モノクローナル抗体の製造) 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を次の工程に従っ
て製造した。用いた培地は次の通りである。
て製造した。用いた培地は次の通りである。
【0045】〈培地〉 (a) RPMI 1640 培地
【0046】 (b) ミエローマ細胞(またはハイブリドーマ)用培地 RPMI 1640 培地に以下のものを添加した培地 15 % ウシ胎児血清(FCS) 2 mM グルタミン 1 mM ピルビン酸ナトリウム 100 U/ml ペニシリンGカリウム 100 μg/ml ストレプトマイシン
【0047】(c) HAT培地 上記の培地(b) に以下のものを添加した培地 0.1 mM ヒポキサンチン 0.4 mM アミノプテリン 16μM チミジン 5 % ブライクローン(大日本製薬社製)
【0048】(d) HT培地 上記の培地(b) に以下のものを添加した培地 0.1 mM ヒポキサンチン 16μM チミジン 5 % ブライクローン(大日本製薬社製)
【0049】〈ヒトヘモグロビン除去大腸癌粘液〉大腸
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として用いた。まずヘモグ
ロビンを除去するために、抗ヒトヘモグロビンモノクロ
ーナル抗体10mgを5mlのCN−Br活性化セファロー
ス4B(ファルマシア製)に常法により固定してカラム
に充填し、50mMリン酸緩衝液を溶かした大腸癌粘液を
4℃で48時間から72時間ペリスタポンプで循環さ
せ、モルカット(商品名)あるいはセントリコン(商品
名)で濃縮し、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリ
ウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)後、ウェスタ
ンブロッティングでヒトヘモグロビンのバンドが検出さ
れない程度に大腸癌粘液中のヒトヘモグロビンを除去し
た。
癌患者の大腸粘液を免疫抗原として用いた。まずヘモグ
ロビンを除去するために、抗ヒトヘモグロビンモノクロ
ーナル抗体10mgを5mlのCN−Br活性化セファロー
ス4B(ファルマシア製)に常法により固定してカラム
に充填し、50mMリン酸緩衝液を溶かした大腸癌粘液を
4℃で48時間から72時間ペリスタポンプで循環さ
せ、モルカット(商品名)あるいはセントリコン(商品
名)で濃縮し、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリ
ウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)後、ウェスタ
ンブロッティングでヒトヘモグロビンのバンドが検出さ
れない程度に大腸癌粘液中のヒトヘモグロビンを除去し
た。
【0050】〈免疫およびB細胞調製工程〉上記で得ら
れたヒトヘモグロビン除去大腸癌粘液を、(MPL+T
DM+CWS)エマルジョン(商品名RIB:フナコシ
社製)と等量混和し、BALB/cマウス(メス)に免疫し
た。BALB/cマウスの免疫は、初回は皮下および腹腔、そ
の10日後に皮下の2ケ所、さらにその10日後に皮下
の2ケ所に、前述したエマルジョン混和抗原を注射して
行い、最後の皮下注射から10日後に上記のヒトヘモグ
ロビン除去大腸癌粘液を腹腔に注射し、その3日後に脾
臓を取り出してB細胞を採取した。
れたヒトヘモグロビン除去大腸癌粘液を、(MPL+T
DM+CWS)エマルジョン(商品名RIB:フナコシ
社製)と等量混和し、BALB/cマウス(メス)に免疫し
た。BALB/cマウスの免疫は、初回は皮下および腹腔、そ
の10日後に皮下の2ケ所、さらにその10日後に皮下
の2ケ所に、前述したエマルジョン混和抗原を注射して
行い、最後の皮下注射から10日後に上記のヒトヘモグ
ロビン除去大腸癌粘液を腹腔に注射し、その3日後に脾
臓を取り出してB細胞を採取した。
【0051】〈融合工程〉対数増殖期にあるマウスミエ
ローマ細胞 P3-X63-Ag8-653 の1×107 個と、上記で
採取したB細胞の1×108 個とを混合し(混合比1:
10)、遠心洗浄後、37℃に保温した50%ポリエチ
レングリコール(和光純薬社製、分子量4000)1ml
を1分間かけてゆっくり撹拌しながら加えた。その後、
2分間静置し、37℃に保温した20mlのRPMI 1640 培
地(a) を10分間かけて緩やかに撹拌しながら加え、遠
心し、上清を除去した。得られたペレットに50mlの培
地(c) を加え、緩やかに混和し、この 0.1mlずつを96
穴プレートにまき、37℃において5%炭酸ガス中で培
養した。5日間培養後、 0.1mlの培地(d) を加え、さら
に培養した。培養開始後4〜6日目にハイブリドーマの
生育がはじまり、14〜16日で70〜80%の穴にハ
イブリドーマの生育が認められた。
ローマ細胞 P3-X63-Ag8-653 の1×107 個と、上記で
採取したB細胞の1×108 個とを混合し(混合比1:
10)、遠心洗浄後、37℃に保温した50%ポリエチ
レングリコール(和光純薬社製、分子量4000)1ml
を1分間かけてゆっくり撹拌しながら加えた。その後、
2分間静置し、37℃に保温した20mlのRPMI 1640 培
地(a) を10分間かけて緩やかに撹拌しながら加え、遠
心し、上清を除去した。得られたペレットに50mlの培
地(c) を加え、緩やかに混和し、この 0.1mlずつを96
穴プレートにまき、37℃において5%炭酸ガス中で培
養した。5日間培養後、 0.1mlの培地(d) を加え、さら
に培養した。培養開始後4〜6日目にハイブリドーマの
生育がはじまり、14〜16日で70〜80%の穴にハ
イブリドーマの生育が認められた。
【0052】〈スクリーニング工程〉14〜15日後の
培養液中の抗体の有無を、次に示す酵素免疫測定法(E
IA)で調べた。
培養液中の抗体の有無を、次に示す酵素免疫測定法(E
IA)で調べた。
【0053】EIAプレートの作成:ヒトヘモグロビン
除去大腸癌粘液および健常者大腸粘液をそれぞれ糖含量
で2μg/25μl になるように50mM炭酸ナトリウム緩
衝液 (pH 9.6) で稀釈し、各プレートの穴に25μl
(糖含量で2μg)加え、37℃で1時間静置した後、真
空デシケーター中で完全に乾燥させた。各穴に 0.5%カ
ゼイン−リン酸緩衝液(50mM、0.1M塩化ナトリウム含
有、pH 7.2)を250μl 加え、37℃で2時間、もし
くは4℃で15〜24時間静置することでブロッキング
を行った後、10mMリン酸緩衝液 (pH 7.2) で1回洗浄
し、真空デシケーター中で乾燥させて、スクリーニング
用EIAプレートとした。
除去大腸癌粘液および健常者大腸粘液をそれぞれ糖含量
で2μg/25μl になるように50mM炭酸ナトリウム緩
衝液 (pH 9.6) で稀釈し、各プレートの穴に25μl
(糖含量で2μg)加え、37℃で1時間静置した後、真
空デシケーター中で完全に乾燥させた。各穴に 0.5%カ
ゼイン−リン酸緩衝液(50mM、0.1M塩化ナトリウム含
有、pH 7.2)を250μl 加え、37℃で2時間、もし
くは4℃で15〜24時間静置することでブロッキング
を行った後、10mMリン酸緩衝液 (pH 7.2) で1回洗浄
し、真空デシケーター中で乾燥させて、スクリーニング
用EIAプレートとした。
【0054】EIA法:上記プレートにハイブリドーマ
の生育している培養液を 0.1ml加えて37℃で1時間か
ら2時間反応させ、0.05% Tween 20 (10mMリン酸緩
衝液、0.1M塩化ナトリウム含有、pH 7.0〜7.4 、以下洗
浄液と略す)で3回洗浄後、市販されている抗マウスイ
ムノグロブリンペルオキシダーゼ標識抗体(コスモバイ
オ社製)を 0.2%カゼイン−リン酸緩衝液(50mM、0.
1M塩化ナトリウム含有、pH 7.2)で1000倍に稀釈
し、 0.1ml加え、37℃で約1時間反応させた。洗浄液
で3回から5回洗浄後、2,2−アジノ−ビス−3−エ
チルベンズチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)を
クエン酸−リン酸緩衝液 (pH 4.2) で1.4mg/mlの濃度に
溶かし、局方過酸化水素を0.01〜0.03%になるように加
えた発色基質液 0.1mlを加え、室温で約5分間反応させ
た。0.05%アジ化ナトリウムを50μl 加えて反応を停
止し、プレートリーダー(405nmのフィルター)で吸
光度を測定した。
の生育している培養液を 0.1ml加えて37℃で1時間か
ら2時間反応させ、0.05% Tween 20 (10mMリン酸緩
衝液、0.1M塩化ナトリウム含有、pH 7.0〜7.4 、以下洗
浄液と略す)で3回洗浄後、市販されている抗マウスイ
ムノグロブリンペルオキシダーゼ標識抗体(コスモバイ
オ社製)を 0.2%カゼイン−リン酸緩衝液(50mM、0.
1M塩化ナトリウム含有、pH 7.2)で1000倍に稀釈
し、 0.1ml加え、37℃で約1時間反応させた。洗浄液
で3回から5回洗浄後、2,2−アジノ−ビス−3−エ
チルベンズチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)を
クエン酸−リン酸緩衝液 (pH 4.2) で1.4mg/mlの濃度に
溶かし、局方過酸化水素を0.01〜0.03%になるように加
えた発色基質液 0.1mlを加え、室温で約5分間反応させ
た。0.05%アジ化ナトリウムを50μl 加えて反応を停
止し、プレートリーダー(405nmのフィルター)で吸
光度を測定した。
【0055】〈クローニング工程〉大腸癌粘液に特異的
な抗体産生株を選び、限界希釈法によりクローニングを
行った。BALB/cマウスの胸腺細胞と脾細胞の混合細胞を
フィーダー細胞として2×105 個/穴加えて、培養を
行った。
な抗体産生株を選び、限界希釈法によりクローニングを
行った。BALB/cマウスの胸腺細胞と脾細胞の混合細胞を
フィーダー細胞として2×105 個/穴加えて、培養を
行った。
【0056】〈ハイブリドーマ培養工程〉予めプリスタ
ン0.5 mlを腹腔投与したBALB/cマウスに対し、上記で得
たハイブリドーマ1×107 個を腹腔内に接種した。15
日目に目的とするモノクローナル抗体を含む腹水 3 ml/
マウスを得た。
ン0.5 mlを腹腔投与したBALB/cマウスに対し、上記で得
たハイブリドーマ1×107 個を腹腔内に接種した。15
日目に目的とするモノクローナル抗体を含む腹水 3 ml/
マウスを得た。
【0057】〈モノクローナル抗体精製工程〉目的とす
るモノクローナル抗体(IgM、L鎖はκ類)を含む腹
水3mlをバイオゲル(Biogel) A-5m カラム(φ 2.5×4
0cm)にアプライし、5mlずつのフラクションコレクタ
ーで分画し、IgM画分を集めて精製モノクローナル抗
体とした。腹水1mlより約8〜12mgのモノクローナル
抗体が得られた。
るモノクローナル抗体(IgM、L鎖はκ類)を含む腹
水3mlをバイオゲル(Biogel) A-5m カラム(φ 2.5×4
0cm)にアプライし、5mlずつのフラクションコレクタ
ーで分画し、IgM画分を集めて精製モノクローナル抗
体とした。腹水1mlより約8〜12mgのモノクローナル
抗体が得られた。
【0058】実施例2(抗原の精製法) 実施例1で得た抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体1
5mgを6mlのCN−Br活性化セファロース4Bに常法
により固定してカラム(φ 1.0×10cm)に充填し、5
0nMリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.3)に溶かした大腸癌粘液
を24時間から36時間、ペリスタポンプで循環させた
後、上記リン酸緩衝液で充分に洗浄した(4〜6時
間)。
5mgを6mlのCN−Br活性化セファロース4Bに常法
により固定してカラム(φ 1.0×10cm)に充填し、5
0nMリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.3)に溶かした大腸癌粘液
を24時間から36時間、ペリスタポンプで循環させた
後、上記リン酸緩衝液で充分に洗浄した(4〜6時
間)。
【0059】リガンドに結合した抗原を 0.2Mグリシン
/塩酸緩衝液(0.5M塩化ナトリウムを含有するpH 2.5)
で溶出し、フラクションコレクターで分画し、ドットブ
ロッティングで抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体と
反応する画分を集めて10mMリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.
3)に対して透析した。アフィニティー精製抗マウスイム
ノグロブリン抗体(ダコ社製、 3.6mg)をリガンドとす
るCN−Br活性化セファロース4B(3ml)を加え、
4℃で24時間ローテイターで撹拌して反応させ、リー
クした抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を除去した
後、濃縮し、バイオゲル(Biogel) A-0.5m カラム(φ
1.6×90cm)で分画し、ドットブロッティングで抗原
画分を確認した後、目的とする画分を集めて濃縮し、精
製抗原とした。その結果、ヒト大腸癌粘液約20mlよ
り、糖含量120μg/ml、蛋白質は検出されない分子量
25万〜50万の多糖抗原が 1.5ml(全糖量として18
0μg)得られた。
/塩酸緩衝液(0.5M塩化ナトリウムを含有するpH 2.5)
で溶出し、フラクションコレクターで分画し、ドットブ
ロッティングで抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体と
反応する画分を集めて10mMリン酸緩衝液 (pH 7.0〜7.
3)に対して透析した。アフィニティー精製抗マウスイム
ノグロブリン抗体(ダコ社製、 3.6mg)をリガンドとす
るCN−Br活性化セファロース4B(3ml)を加え、
4℃で24時間ローテイターで撹拌して反応させ、リー
クした抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を除去した
後、濃縮し、バイオゲル(Biogel) A-0.5m カラム(φ
1.6×90cm)で分画し、ドットブロッティングで抗原
画分を確認した後、目的とする画分を集めて濃縮し、精
製抗原とした。その結果、ヒト大腸癌粘液約20mlよ
り、糖含量120μg/ml、蛋白質は検出されない分子量
25万〜50万の多糖抗原が 1.5ml(全糖量として18
0μg)得られた。
【0060】実施例3(酵素免疫測定法(EIA法)) 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を50mM炭酸ナト
リウム緩衝液 (pH 9.6) で2μg/25μl となるように
稀釈し、96穴プレートに25μl ずつ加え(2μg/
穴)、37℃に1時間静置した後、真空デシケーター中
で完全に乾燥させた。実施例1のEIAプレート作成と
同様の方法でブロッキングした後、EIA乾燥プレート
を作成した。
リウム緩衝液 (pH 9.6) で2μg/25μl となるように
稀釈し、96穴プレートに25μl ずつ加え(2μg/
穴)、37℃に1時間静置した後、真空デシケーター中
で完全に乾燥させた。実施例1のEIAプレート作成と
同様の方法でブロッキングした後、EIA乾燥プレート
を作成した。
【0061】上記抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体
とは異なるエピトープを認識する抗ヒト大腸癌粘液モノ
クローナル抗体1ml (5mg/ml)を 0.9%塩化ナトリウム
で透析後、過ヨウ素酸処理したペルオキシダーゼ1ml
(5mg/ml)と混和し、速やかに1M炭酸ナトリウム緩衝
液 (pH 9.6) を50μl 加えてpHを 9.6とし、25℃
で2時間反応させた。反応終了後、氷で冷やして4mg/m
l の水素化ホウ素ナトリウムを 0.1ml加え、4℃で2時
間還元処理を行った。 0.5Mリン酸緩衝液 (pH 6.0) を
発泡しなくなるまで加え(約1ml)、セファクリル S-3
00HRカラムで分画し、ペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体を作成した(ペルオキシダー
ゼの回収率約90%)。
とは異なるエピトープを認識する抗ヒト大腸癌粘液モノ
クローナル抗体1ml (5mg/ml)を 0.9%塩化ナトリウム
で透析後、過ヨウ素酸処理したペルオキシダーゼ1ml
(5mg/ml)と混和し、速やかに1M炭酸ナトリウム緩衝
液 (pH 9.6) を50μl 加えてpHを 9.6とし、25℃
で2時間反応させた。反応終了後、氷で冷やして4mg/m
l の水素化ホウ素ナトリウムを 0.1ml加え、4℃で2時
間還元処理を行った。 0.5Mリン酸緩衝液 (pH 6.0) を
発泡しなくなるまで加え(約1ml)、セファクリル S-3
00HRカラムで分画し、ペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体を作成した(ペルオキシダー
ゼの回収率約90%)。
【0062】上記EIA乾燥プレートの穴に大腸癌粘液
あるいは稀釈精製抗原 0.1mlを加え、37℃で1時間反
応させた後、洗浄液で3回洗浄後、上記ペルオキシダー
ゼ標識抗体を 0.2%カゼイン−リン酸緩衝液で2μg/ml
の濃度となるように稀釈して0.1ml加え、37℃で1時
間反応させた。反応終了後、洗浄液で3回洗浄した後、
実施例1のEIA法と同様にしてABTS液を調製して
発色し、測定を行った。図2は、このときのEIA法に
よる精製抗原の稀釈曲線である。
あるいは稀釈精製抗原 0.1mlを加え、37℃で1時間反
応させた後、洗浄液で3回洗浄後、上記ペルオキシダー
ゼ標識抗体を 0.2%カゼイン−リン酸緩衝液で2μg/ml
の濃度となるように稀釈して0.1ml加え、37℃で1時
間反応させた。反応終了後、洗浄液で3回洗浄した後、
実施例1のEIA法と同様にしてABTS液を調製して
発色し、測定を行った。図2は、このときのEIA法に
よる精製抗原の稀釈曲線である。
【0063】適用例(臨床診断) 免疫学的便潜血検査に用いた採便液および大腸癌スクリ
ーニングで触診で得られた大腸粘液を検体として実施例
3で述べた方法で測定し、大腸癌との関係を調べた。触
診で得られた粘液71例中3例が 2.5μg/mlよりも高値
を示し、そのうち2例が大腸癌と診断された。他の68
例は全て 1.5μg/ml以下であった。また免疫学的潜血反
応検査に用いられた便26例では、1例が 7.7μg/mlで
大腸癌と診断され、他の25例は全て 1.0μg/ml以下で
あった。
ーニングで触診で得られた大腸粘液を検体として実施例
3で述べた方法で測定し、大腸癌との関係を調べた。触
診で得られた粘液71例中3例が 2.5μg/mlよりも高値
を示し、そのうち2例が大腸癌と診断された。他の68
例は全て 1.5μg/ml以下であった。また免疫学的潜血反
応検査に用いられた便26例では、1例が 7.7μg/mlで
大腸癌と診断され、他の25例は全て 1.0μg/ml以下で
あった。
【0064】
【発明の効果】上記の抗原は分子量25万〜50万の多
糖であり、蛋白質は検出されないが(BCA法あるいは
ローリー法)、糖質は検出される(フェノール硫酸
法)。ヒト大腸粘液に含まれるこの分子量25万〜50
万の多糖からなる抗原は、本発明のIgMクラスに属す
る抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体と反応し、検体
中の測定妨害物質の影響を受けずに直接検体よりその抗
原量を定量することができる。そしてこの抗原量は、健
常者の大腸粘液または便では著しく低値を示し、大腸癌
患者の大腸粘液または便中では高値を示す。従って、上
記の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を用いて検体
中の抗原量を測定することにより、集団検診のような場
合であっても、低い疑陽性率で大腸癌のスクリーニング
を行うことができる。
糖であり、蛋白質は検出されないが(BCA法あるいは
ローリー法)、糖質は検出される(フェノール硫酸
法)。ヒト大腸粘液に含まれるこの分子量25万〜50
万の多糖からなる抗原は、本発明のIgMクラスに属す
る抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体と反応し、検体
中の測定妨害物質の影響を受けずに直接検体よりその抗
原量を定量することができる。そしてこの抗原量は、健
常者の大腸粘液または便では著しく低値を示し、大腸癌
患者の大腸粘液または便中では高値を示す。従って、上
記の抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体を用いて検体
中の抗原量を測定することにより、集団検診のような場
合であっても、低い疑陽性率で大腸癌のスクリーニング
を行うことができる。
【図1】大腸癌粘液および精製抗原のSDS−PAGE
(2〜20%ゲル)−ウエスタンブロッティングで、ク
マシ−ブリリアントブルーR250によるタンパク染色
並びにペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸癌粘液モノクロ
ーナル抗体による染色の結果を示したものである。
(2〜20%ゲル)−ウエスタンブロッティングで、ク
マシ−ブリリアントブルーR250によるタンパク染色
並びにペルオキシダーゼ標識抗ヒト大腸癌粘液モノクロ
ーナル抗体による染色の結果を示したものである。
【図2】実施例3におけるEIA法による精製抗原の稀
釈曲線である。
釈曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 高橋 俊雄 京都府京都市左京区修学院桧峠町6−5 (72)発明者 西川 一義 滋賀県甲賀郡甲南町耕心4丁目1078−34 (72)発明者 金光 健宅 滋賀県甲賀郡甲西町菩提寺330−328
Claims (4)
- 【請求項1】IgMクラスに属しかつ大腸粘液中の分子
量25万〜50万の多糖を認識するがヒトヘモグロビン
は認識しないことを特徴とする抗ヒト大腸癌粘液モノク
ローナル抗体。 - 【請求項2】予めヒトヘモグロビンを除去した大腸癌患
者の大腸粘液を免疫抗原として哺乳動物を免疫後、B細
胞調製工程、細胞融合工程、スクリーニング工程、クロ
ーニング工程、ハイブリドーマ培養工程および抗体の分
離精製工程を実施することにより、IgMクラスに属し
かつ大腸粘液中の分子量25万〜50万の多糖を認識す
るがヒトヘモグロビンは認識しない抗ヒト大腸癌粘液モ
ノクローナル抗体を得ることを特徴とする抗ヒト大腸癌
粘液モノクローナル抗体の製造法。 - 【請求項3】大腸癌患者の大腸粘液からのヒトヘモグロ
ビンの除去を、抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体
をリガンドとするイムノアフィニティー法により行うこ
とを特徴とする請求項2記載の抗ヒト大腸癌粘液モノク
ローナル抗体の製造法。 - 【請求項4】ヒト大腸より採取したヒト大腸粘液または
ヒト便中に含まれるヒト大腸粘液の中の請求項1の分子
量25万〜50万の多糖の量を、請求項1の抗ヒト大腸
癌粘液モノクローナル抗体を用いた酵素免疫測定法によ
り測定し、その測定値に基いて大腸癌か否かをスクリー
ニングすることを特徴とする大腸癌スクリーニング法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7039042A JPH08208700A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、その製造法、およびその抗体を用いた大腸癌スクリーニング法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7039042A JPH08208700A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、その製造法、およびその抗体を用いた大腸癌スクリーニング法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08208700A true JPH08208700A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12542072
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7039042A Withdrawn JPH08208700A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 抗ヒト大腸癌粘液モノクローナル抗体、その製造法、およびその抗体を用いた大腸癌スクリーニング法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08208700A (ja) |
-
1995
- 1995-02-02 JP JP7039042A patent/JPH08208700A/ja not_active Withdrawn
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|---|---|---|---|
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