JPH08215712A - ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法 - Google Patents

ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法

Info

Publication number
JPH08215712A
JPH08215712A JP3091695A JP3091695A JPH08215712A JP H08215712 A JPH08215712 A JP H08215712A JP 3091695 A JP3091695 A JP 3091695A JP 3091695 A JP3091695 A JP 3091695A JP H08215712 A JPH08215712 A JP H08215712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
roll
oil
stainless steel
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3091695A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Yamamoto
秀男 山本
Keiji Matsumoto
圭司 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP3091695A priority Critical patent/JPH08215712A/ja
Publication of JPH08215712A publication Critical patent/JPH08215712A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークロールへのコーティング皮膜を早期に
発生させ、かつ、むらをなくし、優れた光沢のステンレ
ス鋼板の700 m/min 以上の高速圧延を可能にする。 【構成】 40℃での粘度が5〜50cSt の水溶性圧延油を
用い、圧延油のpHに応じて、圧延ロールの電位 (E:
V) を、下記(1) 、(2) 式で示される範囲内に制御す
る。 上限値:Emax(V) =1− (pH×0.1) (1) 下限値:Emin(V) =− (pH×0.1) (2) pHの制御は、アルキルアミンおよびアルカノールアミン
のうちの1種以上を添加して行ってもよい。実際の圧延
にさいして、ロール交換後の初期パスのみ上述の制御を
行い、2パス目以降はpH制御のみ行ってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス薄鋼板の冷
間圧延方法、特に高光沢のステンレス鋼板を冷間圧延す
る際に圧延ロールに安定したコーティング皮膜を形成さ
せ、ひいては焼付き疵、およびオイルピットの発生を生
じさせることなく高速の冷間圧延を可能とするステンレ
ス薄鋼板の冷間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステンレス薄鋼板(以下、単に
鋼板とも言う)の圧延は、圧延された製品の表面光沢が
高いことが要求され、かつ圧延材の変形抵抗が高く、加
工硬化し易いことから、圧延油の導入量が少なく、高い
圧延圧力が得られる小径ワークロールのセンジミアミル
が使用されていた。圧延油としては低粘度の鉱油を基油
とした不水溶性圧延油、あるいはこれを水溶性化した圧
延油が使用されていた。しかし、センジミアミルは圧延
ロールが20段と圧延機の構造が複雑でかつロール径が60
〜80mmと小径であるため圧延速度が制約され、生産性が
低いという問題があった。
【0003】そこで近年、生産性を向上させるため、圧
延機としては、構造が簡便でかつ形状制御機能の良い、
圧延ロールが12段のクラスターミル (ロール径:80〜12
0mm)の開発が行われ、また、圧延油としては特開平3−
19217 号公報および特開平4−118101号公報に示される
ような高潤滑性の合成エステルを基油とした水溶性の圧
延油の開発が行われ高速化の試みが進められてきた。
【0004】なお、700m/min以上という高速圧延を実施
すると、不水溶性の鉱油系圧延油を使用した場合には、
冷却性不足および潤滑性不足から焼付き疵の発生、さら
には破断事故時に圧延油に着火する等の問題があった。
また高潤滑性とした場合においては圧延ロールと圧延材
との間、つまりロールバイトに導入される油量が増し、
光沢性の低下が問題となる。しかもこの場合には油量が
多いため着火の問題は深刻である。
【0005】ここに、上述のような水溶性圧延油の場合
は、着火事故の恐れは解決するが、冷却性が増すため、
不水溶性圧延油よりロールバイトでの圧延油粘度が高く
なり、油膜が厚くなって十分な光沢性が得られないとい
う問題があった。特に、水溶性圧延油の場合、不水溶性
圧延油の使用時に見られた圧延ロール表面の黒褐色のコ
ーティング皮膜の発生が少なく、またそれが発生しても
幅方向にむらを生じ、十分な光沢性が得られないことが
大きな問題であった。このコーティング皮膜の発生メカ
ニズムは十分解明されていないが、コーティング物質は
圧延材成分の酸化物であることが判っている。また、コ
ーティング皮膜の存在によりロール表面は滑らかになる
ことも判明している。
【0006】ところで、従来のセンジミアミルでの低速
圧延ではロールへのコーティング皮膜の発生は極めて容
易で数十mの圧延で均一に発生するため、圧延の最終パ
スでワークロールを新ロールに交換しても、何ら光沢性
に問題はなかった。特に光沢性を重視した圧延ではロー
ルに疵が発生すると次のパスでロールを交換するが、低
速である限りは問題はなかった。
【0007】しかしながら、今日のように圧延効率の更
なる向上が求められている状況下では、高速圧延を行う
際には、早急にコーティング皮膜が発生しないと圧延長
手方向に光沢差がつく等の品質低下が生じ、その解決が
求められており、特に水溶性圧延油を使用した際には問
題となっていた。
【0008】以上より、ステンレス薄鋼板の圧延、特に
高速圧延において、高光沢性能を維持しつつ高潤滑性能
を満足させる圧延油および圧延方法は見い出されていな
いのが現状である。
【0009】前述の特開平4−118101号公報に開示する
水溶性圧延油を使用する圧延方法にあっても、極圧剤と
して有機リン酸エステル芳香族アミン塩を用いて焼付け
を防止し、オイルピットの生成を防止することを目的に
しているが、ワークロールへのコーティング皮膜の形成
については何らの開示もない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点のない水溶性圧延油、すなわち、高速圧延を可
能にする水溶性圧延油を使用したステンレス薄鋼板の冷
間圧延方法を提供することである。
【0011】より具体的には、本発明の目的は、ワーク
ロールへの圧延材酸化皮膜、つまりコーティング皮膜を
早期に発生させ、かつ、むらをなくし、優れた光沢のス
テンレス鋼板の700 m/min 以上という高速での圧延を可
能にするステンレス薄鋼板の冷間圧延方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ステンレ
ス薄鋼板の圧延において、ワークロールに発生する圧延
材の酸化皮膜からなるコーティング皮膜の生成条件を種
々検討した結果、水溶性圧延油のpHおよびワークロー
ルの表面電位により、圧延時にロールバイト内に生成さ
れた酸化皮膜が水中に溶解し、コーティング皮膜の安定
生成を阻害していることを見い出した。
【0013】また、これを防止するには、pHおよび表
面電位を適正範囲に制御すればコーティング皮膜は、不
水溶性圧延油を用いた圧延と同等に安定して発生・維持
できることを見い出した本発明を完成するに至った。
【0014】ここに、本発明の要旨とするところは、40
℃での粘度が5〜50cSt の水溶性圧延油を使用してステ
ンレス薄鋼板の冷間圧延を行う際に、使用する圧延油の
pHに応じて、圧延ロールの電位 (E:V) を、下記
(1) 、(2) 式で示される範囲内に制御することを特徴と
するステンレス薄鋼板の冷間圧延方法である。
【0015】 上限値:Emax(V) =1− (pH×0.1) (1) 下限値:Emin(V) =− (pH×0.1) (2) 本発明の一つの実施態様にあっては、40℃での粘度が5
〜50cSt の水溶性圧延油を使用してステンレス薄鋼板の
冷間圧延を行う際に、使用する圧延油のpHを、アルキ
ルアミンおよびアルカノールアミンのうちの1種以上を
添加することにより8.0 〜10の範囲に制御するとともに
上述のようにpHに応じて圧延ロールの電位を制御して
もよい。
【0016】さらに別の実施態様においては、ロール交
換後の初期パスにおいて上述のいずれかの態様のロール
電位の制御を行い、2パス目以降はpH=8.0 〜10の範
囲内に制御するpH制御のみ行うようにしてもよい。
【0017】
【作用】次に、本発明においてその作用を説明するとと
もに上述のように限定した理由をその作用とともに説明
する。まず、鉱油を基油とした不水溶性圧延油に比べ、
従来の水溶性圧延油を使用するとワークロールに安定し
てコーティング皮膜が発生しないことについて説明す
る。
【0018】ロールへのコーティング皮膜は不水溶性油
に乳化剤を添加して水溶性とした場合にも発生し難いこ
とから、第1に水溶性としたことを原因していると考え
られる。そこで水中での鉄およびクロムの安定状態を検
討した。
【0019】図1および図2は一般に知られている電位
とpHが金属の状態に及ぼす影響を示した図である。こ
れらの図に示すように、酸性サイドでは鉄およびクロム
はイオンとなり、溶出するが、アルカリ性サイドでは酸
化物が安定形態であることが判る。
【0020】一般に、圧延油エマルションは、油性剤・
極圧剤として脂肪酸および脂肪酸エステル、燐酸エステ
ルを使用する。脂肪酸は高分子の有機酸では若干の酸性
を示し、また、脂肪酸エステル、燐酸エステルは圧延中
の高温高面圧下で加水分解が起こり、脂肪酸および燐酸
となる、燐酸は強酸でもあり、pHを酸性側に下げる。
したがって、通常の圧延油エマルションはpHが5.5 〜
6.5 の弱酸性となっており、鉄およびクロムは表面電位
によっては水中に溶出する領域にある。
【0021】一方、SUS430ステンレス鋼板圧延時の圧延
材およびロールの表面電位 (標準水素電極に対する値)
は、ロール、圧延材とも−0.45〜−0.75Vの範囲であ
り、図1、図2と照らしてみると金属イオンとなって溶
出 (腐食) する領域、あるいはそれに近い領域であるこ
とが判る。そこで、圧延ロールの表面電位を0V (図2
のA点) まで高めたところ、ワークロールへのコーティ
ング皮膜が早期に安定して発生するようになった。
【0022】そこで、さらに詳しく電位とpHとのコー
ティング皮膜発生に及ぼす関係を検討したところ、図2
のハッチィングで示した領域、つまり、次の(1) 、(2)
式で示される範囲であればよいことが判った。
【0023】すなわち、(1) 式を超える電位範囲では腐
食により安定したコーティング皮膜が生成されない。ま
た、(2) 式より低い電位では、腐食するかあるいは酸化
が起こらないため、この領域でも安定したコーティング
皮膜が生成しない。
【0024】 Emax (V) =1− (pH×0.1) (1) Emin (V) =− (pH×0.1) (2) Emax (V) : ロール電位の上限値 Emin (V) : ロール電位の下限値 pH : 圧延油エマルションのpH値。
【0025】なお、本発明においては水溶性圧延油の粘
度を40℃で5〜50 cStに制限するが、これは余り低いと
十分な潤滑性が得られないためであり、一方50 cStを超
えると圧延材に十分な光沢性を維持できないことがある
からである。好ましくは7〜20 cStである。
【0026】次に、圧延ロールの表面電位を制御する方
法について説明する。前述のように、通常圧延時のロー
ル表面電位は−0.45〜−0.55Vであり、これを使用する
エマルションのpHによりプラス (電位を高める) 方向
へ制御するのである。一般に用いられている圧延油のエ
マルションのpHの範囲は幅広く見積もってせいぜい4
〜10の範囲であり、(1) 式によると最高値は0.6 V、最
低値は−1Vであり、簡単な直流電源で十分制御できる
範囲である。
【0027】このような電圧制御を行うには、電極およ
び回路図を図3、図4に示すように構成すればよく、圧
延材4を圧延するワークロール1とピンチロール3には
直流電源2からの一定の電圧がかけられている。図4の
例では圧延油エマルション5をワークロールに吹き付け
るヘッダ( 供給ノズル) 6に電源が接続されている。こ
のように既存の圧延油ノズル配管、テンションロール、
材料巻き取りリールを電極の代わりとしてもよく、ある
いは電極を新たに設けてもよい。また、電流値は大きく
する必要はなく、特に限定しないか、ロール表面積当た
り1〜100 A/dm2 程度でよい。
【0028】次に、本発明の第2の態様である圧延油の
pHを変更する手段とそれによる効果について説明す
る。 (1) pH値変更方法 図1、図2でも明らかなようにpH値により鉄およびク
ロムの安定状態が変わる。すなわち、水をアルカリ性と
することにより、金属イオンの溶出は抑止される傾向に
なる。特に、クロムでは明確であり、pHを7.0 以上と
すれば表面電位が通常状態の−0.5 〜−0.8 Vの範囲以
下ではイオンの溶出 (腐食) は生じ難い。水をアルカリ
性とするにはアルカリ物質を添加すればよいが、圧延油
エマルションの場合はエマルションの性状への影響、潤
滑性、鋼板汚れへの影響などから添加できる物質が制限
される。
【0029】種々検討の結果、好ましくはアルキル基の
炭素数が2〜18のアルカノールアミン、および好ましく
はアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルアミンおよび
ジアルキルアミンが最適であることが判った。
【0030】これらは圧延油エマルションの親水性を高
め、エマルションの粒径を小さくする作用がある。ま
た、圧延により発生した摩耗粉に吸着し、これを分散さ
せ圧延油エマルションとの合一を防止し、摩耗粉の除去
を容易にさせる。さらに一方、材料、ロールへの濡れ拡
がり性を向上させ、圧延油の潤滑成分を塑性変形により
生じた新生面に供給し易くする作用もある。
【0031】上記アミン化合物のアルカリ基の炭素数の
下限は耐熱性から決定したもので、下限を下廻ったもの
では十分な性能が得られない。一方、炭素数の上限はこ
れを超えると水中への溶解度およびそのものの粘度が増
し、ロールコーティング性、光沢性を低下させるためで
ある。
【0032】なお、これらの添加剤は、多量に使用する
とプレートアウト量を著しく低下させるため、好適態様
ではエマルション水中への添加量は0.2 %を上限とし、
望ましくは0.02〜0.1 %である。
【0033】本発明に用いるアルカノールアミンあるい
はアルキルアミンを具体的に例示する。アミンは、1級
アミン、2級アミン、3級アミンがあるが、本発明に用
いるアミンはその何れであってもよい。具体的な化学物
質としては次に示すものが挙げられる。
【0034】<アルカノールアミン>トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ト
リブタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、トリヘキサノールアミン、トリヘキサノー
ルアミン、ジヘキサノールアミン、モノヘキサノールア
ミン、トリオクタノールアミン、ジオクタノールアミ
ン、モノオクタノールアミン、トリデカノールアミン、
ジデカノールアミン、モノデカノールアミン、トリドデ
カノールアミン、ジドデカノールアミン、モノドデカノ
ールアミン、トリヘキサデカノールアミン、ジヘキサデ
カノールアミン、モノヘキサデカノールアミン、トリオ
クタデカノールアミン、ジオクタデカノールアミン、モ
ノオクタデカノールアミン等。
【0035】<アルキルアミン>モノメチルアミン、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン、モノブチルアミン、
ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノヘキシルアミ
ン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、モノオク
チルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、
モノ2−エチルヘキシルアミン、トリ2−エチルヘキシ
ルアミン、モノデカチルアミン、ジデカチルアミン、ト
リデカチルアミン、モノオレイルアミン、ジオレイルア
ミン、トリオレイルアミン等。
【0036】(2) pH制御範囲 エマルションのpHは7.0 以上であればコーティング皮
膜の形成を促進させることができるが、圧延条件等によ
るばらつきが少なくなるのはpH8.0 以上であり、その
ため下限を8.0 とした。また、pHの上昇とともに潤滑
性が低下する傾向になるので、上限は10とした。このp
H範囲で圧延ロールの表面電位を前述の(1) 、(2) 式の
範囲に制御することによりさらに安定してかつ早期にロ
ールへのコーティング皮膜を生成させることができる。
【0037】最後に第3の態様であるロール交換後の初
期パスにのみ、ロール電位の制御を行い、2パス目以降
はpH制御のみとする方法について説明する。本発明によ
れば、ロール表面電位を適正に制御し、さらに好ましく
はエマルションをpH8.0 以上のアルカリ性とすること
で、圧延ロールへのコーティング皮膜発生は安定かつ早
期に実現できる。
【0038】コーティング皮膜は形成されるとロール表
面の粗さの谷を埋め、粗さを小さくし、潤滑性を高める
効果、および光沢性を向上させる効果がある。一方、圧
延により、コーティング皮膜は、摩耗あるいは微少な剥
離により減少していく。一度形成された後は、生成と摩
耗・剥離速度が釣り合うことが理想である。しかし、ロ
ール表面電位を制御する方法は、エマルションのpHを
アルカリ性とすることによるよりも、ロールへのコーテ
ィング皮膜の生成速度を大きくし、これは圧延中の摩耗
・剥離速度よりはるかに大きい。
【0039】したがって、常時ロール表面電位を高目に
制御するとコーティング皮膜の生成量が過剰になる。酸
化皮膜はそれ自身に延性がなく脆いため、皮膜厚が過剰
になると亀裂が入り一度に剥離し、光沢のむら等の原因
となる。
【0040】すなわち、所定のコーティング皮膜の形成
後は両者をバランスさせることが必要になる。そのため
にはロール表面電位をロール交換後の圧延パスに応じ変
化させることも可能であるが、簡便な方法としたは初期
パスのみロール表面電位を制御してロールへのコーティ
ング皮膜を形成させた後に2パス以降はロール制御は中
止し、pH=8.0 〜10の範囲内に制御するpH制御のみ
とする方法がよい。
【0041】
【実施例】実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例1 直径が100 mm、表面粗さがRa 0.05μmの材質SKD11 の
ワークロールとバックアップロールの直径が330 mmの4
Hi圧延機により、表1に示す圧延材を、表2に示す圧延
条件で1パスの圧延を実施した。なお、圧延油は表3、
表4、表5に示す組成、性状のものを用いた。
【0042】表4は表3の圧延油に使用されている組成
物の化学構造である。圧延油1、2、3は合成エステル
を基油とした圧延油であり、圧延油4、5は鉱物油を基
油として合成エステルを添加した圧延油である。また、
圧延油6は比較用の鉱油を基油としたニート油である。
圧延に際しては、図3に示したようにワークロールとピ
ンチロールとの間に直流電源による電位を与えた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】圧延時のロールへのコーティング皮膜の発
生し易さは、安定したコーティング皮膜が形成されるま
での圧延長さで評価し、比較例 (圧延油6) のニート油
(従来圧延油) の100 mより短い圧延油を合格とした。
また、300 m圧延後の鋼板を観察し、焼付き、光沢むら
がないこと、および光沢度を測定した。なお、光沢度は
Gs45°で450 以上を合格の基準とした。各圧延油につい
てコーティング皮膜発生までの圧延長さを図5、圧延後
の光沢度を図6に示した。
【0048】全ての圧延油はそのままではコーティング
皮膜の発生は圧延長さ300 m以上 (1コイルの圧延では
コーティングが発生しない) であるが、電位を高めるこ
とにより、より短時間にコーティング皮膜が発生するよ
うになり、−0.65〜+0.35Vの範囲で、比較例 (圧延油
6) のニート油 (従来圧延油) の100 mより短い長さで
安定して発生するようになる。また、それに合わせるよ
うに光沢度も向上した。
【0049】実施例2 本例でも実施例1と同じ圧延条件で圧延を行うが、圧延
油エマルションのpHを表4に示したアルカノールアミ
ン、アルキルアミンの種類、量を表5に示すように変え
て調整して使用した。各圧延油の基本組成は表3に同じ
であった。なお、この場合は、ワークロールの電位は変
更していない。圧延時のロールへのコーティング皮膜、
光沢度の評価は実施例1と同様にして行った。コーティ
ング皮膜発生までの圧延長さを図7、圧延後の光沢度を
図8にそれぞれ示した。
【0050】全ての圧延油はpHが7.5 程度までの範囲
ではコーティングの発生は圧延長さ200 m程度以上長い
(1コイルの圧延ではコーティングが発生しない場合も
ある) が、pHが7.5 〜8.5 でロールにコーティング皮
膜が発生するようになり、pHが8.0 になると、比較例
(圧延油6) のニート油 (従来圧延油) の100 mと同等
となり、それ以上では比較例より短い長さで安定して発
生するようになる。また、それに合わせるように光沢度
も向上した。
【0051】
【表5】
【0052】実施例3 本例では表3に示す圧延油1を使用して、実施例2と同
じように圧延油エマルションのpHを表4に示したアルカ
ノールアミン、アルキルアミンの種類、量を変えて、7.
0 、8.0 、9.0 、10.0、11.0に調整し、ワークロールの
電位も変更して実施例1と同様の圧延を実施した。圧延
時のロールコーティング、光沢度の評価は実施例1と同
じとした。
【0053】ロールコーティング皮膜発生までの圧延長
さを図9、圧延後の光沢度を図10にそれぞれ示した。ロ
ール表面電位の制御に加えてエマルションのpHを8〜
10の範囲に制御することにより、ロールコーティング皮
膜が更に早期に形成され、光沢も向上することが判る。
【0054】実施例4 実施例1と同一の圧延機により、表1に示す圧延材を20
コイル (圧延長さ6km:実生産ラインの圧延機での1コ
イル7パス圧延に相当) を表5の圧延油3を用いて圧延
した。圧延油エマルションはpH8.5に調整し、ロール
表面電位は−0.1 Vとした。
【0055】また圧延に際し、ワークロール電位調整を
最初の2コイル (実際の圧延機の1パスに相当の圧延長
さ) だけ実施した場合 (条件1) と、全ての圧延時に実
施した場合 (条件2) で比較した。圧延時のロールへの
コーティング皮膜の形成状況を表6に示した。また、圧
延後の光沢度を図11に示した。
【0056】ロール表面電位の制御を全ての圧延に実施
すると、実際の圧延ラインでは後半パスに相当する圧延
長さで、ロールへのコーティング皮膜に微少剥離がみら
れるようになり、光沢が低下することが判る。
【0057】
【表6】
【0058】以上の圧延実験によりワークロールの表面
電位を特定範囲に制御すること、および圧延油エマルシ
ョンのpHをアルカノールアミン、アルキルアミンの添
加により8.0 〜10のアルカリ性にすることにより、ロー
ルへのコーティング皮膜の生成の促進、光沢向上が図れ
ることが判る。
【0059】図12は本発明にかかる方法を実際の圧延機
に適用する場合のエマルションのpH制御方式の1例の
フロー図である。図12において圧延機1によって圧延材
4が連続的に冷間圧延されるが、その際に圧延ロールに
は例えば図4に示すように圧延機1に設けられたヘッダ
8からpHが調節され圧延油エマルションが圧延ロール
へ供給される。圧延油エマルションのpH調整は図示例
ではタンク内でのpH調整システムを経て、次いで配
管内でのpH調整システムを経て行われる。
【0060】まず、圧延油原液は圧延油原液タンク9か
ら供給用ポンプ10によって圧延油エマルションタンク12
に供給される。圧延油エマルションタンク12には圧延機
1から回収された圧延油エマルションも供給される。圧
延油エマルションタンク12ではpH調整剤タンク15から
pH調整剤用ポンプ16を経て供給されるpH調整剤が加
えられpH調整が行われる。符号17はpH計を示す。こ
のようにして、pHが調整された圧延油エマルションは
さらに供給用ポンプ18を経て再び同様なpH調整システ
ムを経てから圧延機1に送られる。
【0061】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼板用の水溶性圧延
油を使用することにより、高速圧延を可能にし、かつ、
ワークロールへの圧延材酸化皮膜のコーティングを早期
に発生させ、さらにはむらをなくし、優れた光沢のステ
ンレス鋼板の圧延を高能率に圧延することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄の電位−pH図を示すグラフである。
【図2】クロムの電位−pH図を示すグラフである。
【図3】ワークロールの電位を制御する方式の一例を示
す説明図である。
【図4】ワークロールの電位を制御する別の例を示す説
明図である。
【図5】ワークロールの電位を変えた際のロールへのコ
ーティング皮膜までの長さを示すグラフである。
【図6】図5の圧延時の圧延材の光沢を示すグラフであ
る。
【図7】エマルションのpHを変えた際のロールへのコ
ーティング皮膜までの長さを示すグラフである。
【図8】図7の圧延時の圧延材の光沢を示すグラフであ
る。
【図9】エマルションのpHを変え、かつワークロール
の電位を変えた際のロールへのコーティング皮膜までの
長さを示すグラフである。
【図10】図9の圧延時の圧延材の光沢を示すグラフで
ある。
【図11】多パス圧延時の圧延材の光沢を示すグラフで
ある。
【図12】エマルションのpHを制御する方式の一例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1:圧延機 3:ピンチロール 4:圧延材料 5:圧延油エマルション 6, 8:ヘッダー 9:圧延油原液タンク 10:供給用ポンプ 12:圧延油エマルションタ
ンク 15:pH調整剤タンク 16:pH調整剤用ポンプ 17:pH計 18:供給用ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃での粘度が5〜50cSt の水溶性圧延
    油を使用してステンレス薄鋼板の冷間圧延を行う際に、
    使用する圧延油のpHに応じて、圧延ロールの電位
    (E:V) を、下記(1) 、(2) 式で示される範囲内に制
    御することを特徴とするステンレス薄鋼板の冷間圧延方
    法。 上限値:Emax(V) =1− (pH×0.1) (1) 下限値:Emin(V) =− (pH×0.1) (2)
  2. 【請求項2】 40℃での粘度が5〜50cSt の水溶性圧延
    油を使用してステンレス薄鋼板の冷間圧延を行う際に、
    使用する圧延油のpHを、アルキルアミンおよびアルカ
    ノールアミンのうちの1種以上を添加することにより8.
    0 〜10の範囲に制御する請求項1記載のステンレス薄鋼
    板の冷間圧延方法。
  3. 【請求項3】 ロール交換後の初期パスにおいて請求項
    1または2に記載したロール電位の制御を行い、2パス
    目以降はpH=8.0 〜10の範囲に制御するpH制御のみ
    行うステンレス薄鋼板の冷間圧延方法。
JP3091695A 1995-02-20 1995-02-20 ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法 Withdrawn JPH08215712A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3091695A JPH08215712A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3091695A JPH08215712A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08215712A true JPH08215712A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12317032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3091695A Withdrawn JPH08215712A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08215712A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272401A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Jfe Steel Kk 金属板の冷間圧延方法及び冷間圧延設備

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272401A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Jfe Steel Kk 金属板の冷間圧延方法及び冷間圧延設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101821822B1 (ko) 열간 압연유용 윤활유 및 열간 압연판의 제조방법
JP3815425B2 (ja) 冷間圧延方法
KR100345638B1 (ko) 고크롬스테인레스강의열간압연용윤활제
JP4910771B2 (ja) 金属板の冷間圧延方法
JPH08215712A (ja) ステンレス薄鋼板の冷間圧延方法
JPH08225795A (ja) ステンレス薄鋼板用圧延油
JP3475983B2 (ja) 金属の圧延加工用潤滑剤組成物
JPS6049041B2 (ja) 冷間圧延における圧延潤滑制御方法
JP3785769B2 (ja) ステンレス鋼板の冷間圧延方法
JP6982763B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼帯用冷間圧延油組成物及びフェライト系ステンレス鋼帯の冷間圧延方法
JP3129228B2 (ja) ステンレス鋼板の冷間圧延方法
JP2011200877A (ja) 金属帯の冷間圧延方法
JPH03172392A (ja) 鋼板用冷間圧延油及びそれを用いた圧延方法
JP2962197B2 (ja) 冷間圧延油
JP3370873B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
JP3937061B2 (ja) 冷間圧延油
JPH07116727A (ja) 高炭素鋼およびステンレス鋼の冷間圧延法
JP6295976B2 (ja) 調質圧延方法
US4478063A (en) Hot-rolling mill and method
JP3370872B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
WO1999051369A1 (en) Process for adjusting lubricant oil droplet size in an aluminum rolling mill
JPH1058010A (ja) フェライト系ステンレス鋼帯の冷間圧延方法
JP3090032B2 (ja) ステンレス鋼帯の冷間圧延方法
JP2010012514A (ja) 冷間圧延方法
JPH1071404A (ja) 光沢の良好なばね用ステンレス鋼帯の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507