JPH08217785A - 硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド及びそれを有効成分とする抗ウイルス剤 - Google Patents

硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド及びそれを有効成分とする抗ウイルス剤

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JPH08217785A
JPH08217785A JP2518395A JP2518395A JPH08217785A JP H08217785 A JPH08217785 A JP H08217785A JP 2518395 A JP2518395 A JP 2518395A JP 2518395 A JP2518395 A JP 2518395A JP H08217785 A JPH08217785 A JP H08217785A
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fluoroalkyl
laminaripentaoside
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sulfated
compound
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JP2518395A
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English (en)
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Toshiyuki Uryu
敏之 瓜生
要 ▲かつら▼谷
Kaname Katsuraya
Hideki Nakajima
秀喜 中島
Kazuhiko Inasawa
和彦 稲沢
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラミナリペンタオースの還元末端糖1位の水
酸基の水素原子がフルオロアルキル基で置換され、かつ
残りの水酸基が硫酸エステル基、もしくはアセチル基で
置換された化合物。該化合物を有効成分とする抗ウイル
ス剤。 【効果】 脂溶性の高い、特にHIVに対して優れた作
用を有する抗ウイルス剤を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロアルキル基を
還元末端糖の1位に有する新規なオリゴ糖誘導体と、こ
れを硫酸化することにより得られる新規な抗ウイルス剤
に関し、特にHIV(Human Immunodef
iciency Virus)による感染症の予防また
は治療薬を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、本出願人によるオリゴ糖の誘
導体としては脂肪族のアルキル基をもつ化合物(特開平
5−78382)やアルキル基を有する芳香族で誘導体
化した化合物が知られている(特開平5−27938
1)。これに対して、アルキル基として興味深い性質を
有すると考えられるフルオロアルキル基を有するオリゴ
糖誘導体の例はなかった。
【0003】またこれまでエイズ治療薬としてはAZT
(アジドチミジン)やddI(ジデオキシイノシン)な
どの核酸類似体が認可された薬剤であるが、副作用や、
抵抗性患者の出現などが問題となっている。最近、硫酸
化された糖類やその誘導体の抗HIV作用が注目を集め
ている。例えば、硫酸化多糖類の抗HIV作用として特
開昭62−215529号公報;Hideki Nak
asima et al Jpn.J.Cancer
Res.(Gann)78,1164〜1168、(1
987);Osamu Yoshida et al
Biochemical Pha−rmacolog
y Vol.37,2887〜2891(1988);
特開平1−103601号公報、更に置換された多糖に
関して特開平3−43401がある。さらに、オリゴ糖
の誘導体としても(特開平5−78382)が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまでに
報告されていないフルオロアルキル基を有するオリゴ糖
誘導体に関するものであり、フルオロアルキルオリゴ糖
配糖体パーアセテート及び硫酸化フルオロアルキルオリ
ゴ糖配糖体を提供することにある。
【0005】さらに、本発明は従来の硫酸化多糖とは異
なったメカニズムで作用することが期待される硫酸化ア
ルキルオリゴ糖に比べて、さらにアルキル基にフッ素を
導入することによりその疎水性をさらに高め、硫酸化ア
ルキルオリゴ糖誘導体のバイオアベイラビリティーを向
上した抗ウイルス剤を提供することに関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に述べ
たような硫酸化多糖と比較して極めて低分子の化合物で
あるオリゴ糖アルキルエーテルの硫酸化物が抗HIV活
性を示すことに着目して、鋭意研究の結果、オリゴ糖ア
ルキルエーテル硫酸化物のアルキル基部分にさらにフッ
素を導入し脂溶性を高めた新規なフルオロアルキルオリ
ゴ糖が抗ウイルス活性を有し、その合成前駆体であるオ
リゴ糖フルオロアルキル配糖体パーアセテートが有用な
中間体であることを見いだした。
【0007】即ち、糖部分は、5個のグルコースがβ−
1,3グリコシド結合してなるラミナリペンタオースで
あり、この還元末端糖1位の水酸基の水素原子がフルオ
ロアルキル基で置換され、かつ残りの水酸基の一部また
は全部が硫酸エステル基で置換された硫酸化フルオロア
ルキルラミナリペンタオシドまたはその生理学的に許容
される塩及びこれを有効成分とする抗ウイルス剤に関す
る。さらに、ラミナリペンタオースの還元末端糖1位の
水酸基の水素原子がフルオロアルキル基で置換され、か
つ残りの水酸基の全部がアセチル基で置換されたパーア
セチルフルオロアルキルオリゴグリコシドに関する。
【0008】まず本発明の第1の化合物として、硫酸化
フルオロアルキルラミナリペンタオシドについて述べ
る。本化合物のオリゴ糖部は、ラミナリペンタオースで
ある。本願化合物は、ラミナリペンタオースの還元末端
糖1位の水素原子がフルオロアルキル基で置換されてい
る。アグリコンであるフルオロアルキル基としては、そ
のアルキル鎖が炭素数22以下の直鎖または分枝鎖を有
していてもよく、アルキル基の水素の全てがフッ素化さ
れたパーフルオロアルキル基でも、部分的にフッ素化さ
れたフルオロアルキル基でもいずれであってもよい。
【0009】本発明化合物のフルオロアルキル基部分に
ついては、その結合位置が重要であり、フルオロアルキ
ル基はオリゴ糖部の末端還元糖の1位の位置に結合して
いなければならない。しかし、その立体配置はフルオロ
アルキル基が糖に対してα結合していても、β結合して
いても構わない。フルオロアルキル基としては炭素数1
0〜14のものが好ましく、
【0010】
【化4】−C2H4C8F17,−C2H4C10F21,−C6H
12C4F9,または −C6H12C8F17 からなる群から選ばれるフルオロアルキル基がより好ま
しく、特に
【0011】
【化5】−C2H4C10F21 で表されるフルオロアルキル基が好ましい。
【0012】本発明の硫酸化フルオロアルキルラミナリ
ペンタオシドは、ラミナリペンタオースの還元末端糖1
位以外の水酸基の一部または全部が硫酸エステル基で置
換された化合物である。硫酸化率は高い方が好ましく、
置換可能な水酸基の好ましくは70〜100%、より好
ましくは90〜100%が硫酸エステル基で置換されて
いることが望ましい。
【0013】また本発明には、硫酸エステル基が生理学
的に許容される塩となっている化合物も含まれる。ここ
でいう生理学的に許容される塩とは、ナトリウム塩、カ
リウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0014】次に本発明の第2の化合物であるパーアセ
チルフルオロアルキルラミナリペンタオシドについて説
明する。本化合物のオリゴ糖部は、ラミナリペンタオー
スであり、このラミナリペンタオースの還元末端糖1位
の水素原子がフルオロアルキル基で置換されている。ア
グリコンであるフルオロアルキル基としては硫酸化フル
オロアルキルラミナリペンタオシドで説明したものと同
様であり、炭素数10〜14のものが好ましく、
【0015】
【化6】−C2H4C8F17,−C2H4C10F21,−C6H
12C4F9,または −C6H12C8F17 からなる群から選ばれるフルオロアルキル基がより好ま
しく、特に
【0016】
【化7】−C2H4C10F21 で表されるフルオロアルキル基が好ましい。
【0017】本発明のパーアセチルフルオロアルキルラ
ミナリペンタオシドは、ラミナリペンタオースの還元末
端糖1位以外の水酸基の全部がアセチル基で置換された
化合物である。
【0018】本発明の化合物についてより具体的に以下
に例を示す。尚、糖の水酸基については誘導体化されて
いない化合物を記載したが、この骨格に前述の硫酸エス
テル基あるいはアセチル基が置換しているものが、本願
化合物である。1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシル β−D−グルコピラノシル−(1→3)−{β
−D−グルコピラノシル−(1→3)}3−β−D−グ
ルコピラノシド、1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロドデシル β−D−グルコピラノシル−(1→3)−
{β−D−グルコピラノシル−(1→3)}3−β−D
−グルコピラノシド、1H,1H,2H,2H,3H,
3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パーフル
オロデシル β−D−グルコピラノシル−(1→3)−
{β−D−グルコピラノシル−(1→3)}3−β−D
−グルコピラノシド、1H,1H,2H,2H,3H,
3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パーフル
オロテトラデシル β−D−グルコピラノシル−(1→
3)−{β−D−グルコピラノシル−(1→3)}3−
β−D−グルコピラノシド。
【0019】次に、本発明の硫酸化フルオロアルキルラ
ミナリペンタオシド及びパーアセチルフルオロアルキル
ラミナリペンタオシドの製造方法を説明する。方法とし
ては、特開平5−78382記載のアルキルオリゴ糖の
製造方法において、糖をラミナリペンタオースに、アル
コールの代わりにフルオロアルコールを用いることによ
り製造することができる。すなわち、糖のパーアセテー
トを酸性条件下でフルオロアルコールと反応させる方
法、糖のパーアセテートをケーニッヒ・クノール(Ko
enigs・Knorr)法で臭化グリコシルとした
後、銀塩または素銀塩を用いてフルオロアルコールと反
応させる方法、臭化グリコシルをテトラエチルアンモニ
ウムブロミドの存在下にフルオロアルコール類と反応さ
せる方法、また、糖イミデートをフルオロアルコールと
反応させる方法等いずれの方法も用いることができる。
これらの中で、酸性条件下でフルオロアルコール類を反
応させる方法が最も簡便である。
【0020】さらに、上記のようにして得たフルオロア
ルキルオリゴ糖のパーアセテートを常法によりナトリウ
ムメトキシドやアンモニア等を用いて脱アセチル化する
ことによって水酸基が置換されていないフルオロアルキ
ルオリゴ糖へ変換できる。この水酸基が置換されていな
いフルオロアルキルオリゴ糖をもとにして常法により水
酸基を置換することにより各種誘導体へと変換すること
が可能である。
【0021】さらに、硫酸化剤として三酸化硫黄ピリジ
ン錯体、1−ピペリジンスルホン酸、クロルスルホン酸
等を用いて糖の水酸基を硫酸化することにより硫酸化フ
ルオロアルキルオリゴ糖が合成できる。
【0022】次に本発明の製造方法についてより詳しく
説明する。以下に示す4工程で製造されるが、この方法
に限られるものではない。さらに、原料となるフルオロ
アルコールはダイキン化成品販売(株)やPCR In
corpratedなどで販売されている化合物が使用
できる。
【0023】(工程1) アセチル化 常法によりオリゴ糖の水酸基をアセチル化する。すなわ
ち、オリゴ糖を酢酸ナトリウムもしくは酢酸カリウムと
無水酢酸によりアセチル化することができる。
【0024】(工程2) フルオロアルキル化 工程1で製造したアセチル化されたオリゴ糖とフルオロ
アルコールを特開平5−78382などに記載のアルコ
ールとの反応を用いて製造することができる。例えば、
工程1で製造したオリゴ糖パーアセテートを塩化メチレ
ン、もしくは1,2−ジクロロエタン、ヘキサフルオロ
−メタ−キシレン等の溶媒中で、塩化錫(〓)の存在
下、フルオロアルコールと反応させる。尚、この時オリ
ゴ糖パーアセテートとルイス酸触媒とフルオロアルコー
ルとのモル比は、オリゴ糖パーアセテートに対し、ルイ
ス酸触媒を0.1〜2.0モル当量、好ましくは0.5
〜2.0モル当量を加え、更にフルオロアルコールを
1.0〜5.0モル当量、好ましくは1.0〜3.0モ
ル当量を加える。これらのオリゴ糖パーアセテート、ル
イス酸触媒、フルオロアルコールの混合物の反応は、不
活性ガス中、室温から溶媒の沸点、より好ましくは20
〜80℃にて、好ましくはモレキュラーシーブの存在下
で行う。尚、反応時間は反応に用いられるオリゴ糖、フ
ルオロアルコールによって異なるが、一般には2〜30
時間、通常は3〜15時間である。反応後に抽出、洗
浄、脱水操作を経て得た粗生成物をシリカゲルクロマト
グラフィーにより精製し必要に応じて再沈殿、再結晶さ
せて精製物を製造する。このようなルイス酸による製造
方法では、主としてβ型アノマーを得ることができる。
また、製造方法及び触媒の選択、あるいは精製工程の操
作によりα、βアノマー比を調整することができる。
【0025】(工程3) 脱アセチル化 工程2で製造したフルオロアルキルオリゴ糖のパーアセ
テートをメタノール等のアルコールに溶解させ、これに
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を加え、一般に
1〜50時間、通常1〜24時間室温で攪拌し、脱アセ
チル化反応を行う。脱アセチル化で用いるナトリウムメ
トキシドは、糖のアセチル基に対して0.01〜1当
量、完全に脱アセチル化するためにより好ましくは0.
1〜1当量使用する。反応後、水素イオン型の陽イオン
交換樹脂を用いてナトリウムイオンを除去したのち目的
のフルオロアルキルオリゴ糖を得る。さらに、必要に応
じて再沈澱、再結晶等で精製することができる。また、
ここでナトリウムメトキシドの代わりにアンモニアや水
酸化ナトリウムを用いることも可能である。
【0026】(工程4) 硫酸化 硫酸化は種々の方法が知られているが、いずれの方法を
用いてもよいが、ここでは三酸化硫黄ピリジン錯体を用
いた方法について説明する。
【0027】フルオロアルキルオリゴ糖をピリジンに溶
解し、ここに三酸化硫黄ピリジン錯体を糖水酸基に対し
て必要量加える。完全に硫酸化させる場合には1.2〜
3.0当量の三酸化硫黄ピリジン錯体を用いることが好
ましい。反応は、不活性ガス中で、室温〜100℃、好
ましくは50〜85℃にて、0.5〜72時間好ましく
は0.5〜2時間行い、室温にて適量のイオン交換水に
溶解させ、さらに水酸化バリウム水溶液を加えて水素イ
オン濃度を7〜8に調整する。この時生じた沈澱を遠心
分離して除去する。沈澱除去後の溶液をナトリウムイオ
ン型の陽イオン交換カラムカラムに通し、カラム溶出液
を濃縮、乾固後イオン交換水に溶解しアセトンなどの有
機溶媒を添加して再沈澱し、得られた沈澱を再度イオン
交換水に溶解し凍結乾燥する事により目的とする硫酸化
フルオロアルキルオリゴ糖を得る。
【0028】また、水酸化バリウムで中和するかわりに
水酸化ナトリウム水溶液で水素イオン濃度9〜10とし
た後、減圧下40℃以下で濃縮乾固し、限外ろ過法、逆
浸透膜法、マイクロアシライザー(旭化成(株)製電気
式イオン交換膜)等で余剰の無機塩を分離することもで
きる。
【0029】1−ピペリジンスルホン酸の場合にもほぼ
同様の処理で目的物を得ることができる。さらに、本発
明は、上記フルオロアルキルラミナリペンタオシドのう
ち、水溶性グループとしての硫酸化オリゴ糖部分と脂溶
性グループとしてのフルオロアルキル鎖を有する化合物
を合成したところ極めてよい抗HIV活性を有すること
を見いだしたものである。
【0030】本発明の硫酸化フルオロアルキルラミナリ
ペンタオシドの抗ウイルス剤としての詳細な作用機序は
明かではないが、硫酸化アルキルオリゴ糖と同様にウイ
ルスの標的細胞への吸着過程を阻害していることは明ら
かである。本発明の抗ウイルス剤は通常の製剤、例えば
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、液剤、シッロプ剤な
どに製剤化して経口及び非経口的に投与することができ
る。このための手段として、医薬品を製造するために用
いる慣用の賦形剤及び添加剤を用いることができる。慣
用の賦形剤としては、例えば水、生理食塩水、アルコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセロールエステル、
ゼラチン、炭水化物ステアリン酸マグネシウム、タルク
等があげられる。また、慣用の添加剤として、防腐剤、
減菌剤、潤滑剤、コーティング剤、湿潤剤、乳化剤、着
色剤、マスキングフレイバー、及び芳香剤等があげられ
る。
【0031】本発明による抗ウイルス剤の投与量は、そ
の薬剤の投与形態、投与回数、患者の状態、患者の体
重、病気の軽重により変化するが、投与量は体重1kg
当たり0.1mgから200mg、好ましくは0.5m
gから100mgを、一日に数回に分けて投与すること
が好ましい。投与回数も薬剤の形態、患者の状態、体重
病気の軽重により定められるが、1日当たり1〜3回の
投与が好ましい。場合においては、連続静脈内滴注によ
り投与することもできる。
【0032】さらに、本発明の薬剤は従来の硫酸化アル
キルオリゴ糖の場合よりもフルオロアルキル基を導入し
たことにより脂溶性が高くなっている。一般的に薬剤の
脂溶性が高い方がバイオアベイラビリティーが高く経口
投与の際には薬剤の体内への取り込が良くなると言われ
ている。本発明でのフルオロアルキル基は、導入したフ
ッ素原子の効果で従来のオリゴ糖誘導体よりも脂溶性が
高く、結果的にバイオアベイラビリティーが高い。この
事から、従来のオリゴ糖誘導体よりも経口投与時の吸収
性が高く、抗ウイルス剤としての投与形態とし経口投与
がより行い易い薬剤である。
【0033】本発明の化合物は、広範囲なウイルスに対
して活性を示すが一例としてHIVに対する活性を説明
する。以下の試験方法は、パウエルス(R.Pauwe
ls)等、J. of Biological Met
hods Vol.20 309−321(1988)に
も示されているように抗HIV試験として認められてい
る方法である。活性試験は、96穴マイクロタイタープ
レートに、種々の濃度の試験物質と共にHIV感染MT
−4細胞(2.5x104/well、MOI:0.0
1)を感染直後に加える。試験物資のMT−4に対する
細胞毒性を知るために、ウイルス非感染細胞を同様に種
々の濃度の試験物質と共に培養を行う。CO2インキュ
ベータで37℃で5日間培養した後、MTT法で生存細
胞数を測定する。抗ウイルス活性は、HIV感染による
細胞障害を50%防御する濃度(EC50;50% ef
fective concentration)、細胞
毒性は試験物質による50%細胞障害濃度(CC50;5
0% cytotoxicconcentratio
n)でそれぞれ評価した。これらの値としては、EC50
が小さいほど活性が高いことを示し、またCC50が大き
いほど毒性の低い安全な薬剤であることを示している。
今回の硫酸化フルオロアルキルオリゴ糖は、EC50が
0.19〜0.57μg/mlとHIVに対して極めて
高い活性を示した。また、何れにおいてもCC50は全て
1000μg/ml以上と低毒性であり、本発明の硫酸
化フルオロアルキルオリゴ糖はHIVに対して高活性、
低毒性であることが明らかとなった。
【0034】本発明は抗ウイルス剤として優れた化合物
及びその中間体を選んだものであるが、糖部分がラミナ
リペンタオース以外の化合物であっても抗ウイルス剤と
して有用な化合物及びその中間体がある。このような硫
酸化フルオロアルキルオリゴ糖またはパーアセチルフル
オロアルキルオリゴ糖について述べると、糖部分を構成
する糖としてはグルコース、ガラクトース、マンノース
などの6炭糖や、他の一般的に知られる単糖が用いら
れ、これらの単糖からなるオリゴ糖部分としてはホモオ
リゴ糖、ヘテロオリゴ糖、分枝オリゴ糖等の2糖以上の
あらゆるオリゴ糖を使用することができる。
【0035】フルオロアルキルオリゴ糖のオリゴ糖部分
を構成する単糖数は、いくつでもよいが、一般的に糖鎖
数が多くなると合成の収率が低下するためオリゴ糖部分
が30以下が好ましい。また単糖数は抗ウイルス活性の
観点からは、使用する糖の種類によっても異なるが、硫
酸化多糖の場合にみられる抗凝血作用、生体への適合性
等から通常30以下が好ましい。また、オリゴ糖の鎖長
に関しては糖の種類によっても活性が変わってくるが、
グルコース系のオリゴ糖では3糖以上の糖鎖で良好な性
能を与え、より好ましくは糖鎖が5個程度の場合に極め
て良い結果を与える。また単糖間のグリコシド結合は、
(1→2)、(1→3)、(1→4)、(1→6)いず
れでもよいが、α(1→4)、α(1→6)結合の硫酸化
フルオロアルキルオリゴ糖は、生体内で分解され易いた
め、抗ウイルス剤として用いられた場合に、体内で容易
に分解され活性を失い、その活性は分解されにくいもの
に比べて、1日の投与量としてより多くの薬剤を必要と
することになる。従って、硫酸化フルオロアルキルオリ
ゴ糖のオリゴ糖部分としては、α結合のものより比較的
生分解性の小さいβ結合のものがより好ましく、さらに
結合位置もβ(1→4)、β(1→6)のものよりも、β
(1→3)結合のものがより好ましい。さらに詳しく説
明すると、β(1→3)オリゴグルコース(グルコース
の1位と3位でグルコースが順次結合してなるオリゴ
糖)、即ちカードラン、ラミナラン等の多糖を分解した
ラミナリオリゴ糖などが良い。
【0036】フルオロアルキルオリゴ糖を構成するオリ
ゴ糖についてより具体的に以下に例を示す。尚、糖の水
酸基については誘導体化されていないオリゴ糖を記載し
たが、この骨格に前述の硫酸エステル基あるいはアセチ
ル基が置換し還元末端糖1位にフルオロアルキル基が結
合しているものが、抗ウイルス剤として有用である。 D−グルコピラノシル−(1→3)−{β−D−グルコ
ピラノシル(1→3)} n−β−D−グルコピラノー
ス、 D−グルコピラノシル−(1→4)−{α−D−グルコ
ピラノシル−(1→4)}n−α−D−グルコピラース D−グルコピラノシル−(1→6)−{β−D−グルコ
ピラノシル−(1→6)}n−β−D−グルコピラース D−ガラクトピラノシル−(1→4)−{β−D−ガラ
クトピラノシル−(1→4)}n−β−D−グルコピラ
ース 尚、ここでnは0〜28の整数を表す。
【0037】
【実施例】以下に、本発明に係る実施例を掲げて、本発
明を更に詳しく説明する。
【0038】実施例1 1H,1H,2H,2H−パー
フルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシド パー
アセテートの合成 0.30gのD−ラミナリペンタオースパーアセテート
(特開平5−78382を参考に合成)と0.190g
の1H,1H,2H,2H−パーフルオルデカノール
を、10mlのヘキサフルオロ−メタ−キシレンに溶解
させ、適量のモレキュラーシーブを加えた後、温度を4
5℃に保ち攪拌下に四塩化スズ0.102gを添加し、
2時間攪拌を行った。反応混合物をクロロホルムで希釈
し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順
で洗浄した。さらにカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル/ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、シリカゲル薄
層クロマトグラフィーによる分析(酢酸エチル/ヘキサ
ン/=3/1(体積比))でRf値0.61の留分を集
め濃縮した。収量0.079g、収率21%であった。
この化合物は以下に示す核磁気共鳴スペクトルより1
H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルパーアセチ
ル−β−D−ラミナリペンタオシドであると確認され
た。
【0039】核磁気共鳴スペクトル(プロトン) アルコールと結合している糖の環プロトンの1位 4.52ppm、J12=8.5Hz、1プロトン フルオロアルキルの2位の炭素プロトン 2.30−2.53ppm、多重線、2プロトン 比旋光度[α]D=−43.8゜(c=1.0/クロロ
ホルム)(20℃)
【0040】実施例2 硫酸化 1H,1H,2H,2
H−パーフルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシ
ドの合成 実施例1で得られたフルオロアルコール配糖体パーアセ
テートの70mgをメタノール5mlに溶解させ3.7
mlの0.1Nナトリウムメトキシドメタノール溶液を
室温で滴下し5時間攪拌した後、イオン交換樹脂によっ
てナトリウムイオンを除去した。イオン交換樹脂を濾別
後メタノールを濃縮乾固し、45mgの1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシル−β−D−ラミナリペン
タオシドを得た。得られた1H,1H,2H,2H−パ
ーフルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシドの4
5mgを5mlの乾燥したピリジン中で85℃に加熱し
溶解させ176mgの三酸化硫黄ピリジン錯体を加え、
同温度で90分攪拌した。室温まで冷却した後、蒸留水
3mlで希釈し、水酸化バリウムでpHを7〜8とし、
遠心分離によって固形物を分離し、ナトリウムイオン型
のイオン交換樹脂カラムを通してナトリウム塩とし、留
出液を減圧下で濃縮した。残渣を極く少量の(0.5m
l程度)の蒸留水に溶かし300mlのアセトンで再沈
した。生じた沈澱を遠心分離で集め、アセトンで3回洗
浄し水より凍結乾燥し目的物を得た。収量68mg。
【0041】比旋光度 [α]D=−11.9゜(c=
1.0/水)(20℃) 元素分析値 C 14.2wt%、H 2.8wt%、
S 15.9wt%、Na 11.6wt%
【0042】実施例3 1H,1H,2H,2H−パー
フルオロドデシル−β−D−ラミナリペンタオシド パ
ーアセテートの合成 0.20gのD−ラミナリペンタオースパーアセテート
と0.250gの1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ルドデカノールを、10mlの塩化メチレンの溶解さ
せ、適量のモレキュラーシーブを加えた後、還流下に四
塩化スズ0.068gを添加し、2.5時間還流を行っ
た。反応混合物をクロロホルムで希釈し飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。さらにカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン/酢酸
エチル)で精製し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
による分析(酢酸エチル/ヘキサン/=3/1(体積
比))でRf値0.68の留分を集め濃縮した。収量
0.058g、収率22%であった。この化合物は以下
に示す核磁気共鳴スペクトルより1H,1H,2H,2
H−パーフルオロドデシルパーアセチル−β−D−ラミ
ナリペンタオシドであると確認された。
【0043】核磁気共鳴スペクトル(プロトン) アルコールと結合している糖の環プロトンの1位 4.50ppm、J12=7.8Hz、1プロトン フルオロアルキルの2位の炭素プロトン 2.30−2.55ppm、多重線、2プロトン 比旋光度[α]D=−42.1゜(c=1.0/クロロ
ホルム)(20℃)
【0044】実施例4 硫酸化 1H,1H,2H,2
H−パーフルオロドデシル−β−D−ラミナリペンタオ
シドの合成 実施例3に従って合成したフルオロアルコール配糖体パ
ーアセテートの65mgをメタノール5mlに溶解させ
3.2mlの0.1Nナトリウムメトキシドメタノール
溶液を室温で滴下し5時間攪拌した後、イオン交換樹脂
によってナトリウムイオンを除去した。イオン交換樹脂
を濾別後メタノールを濃縮乾固し、35mgの1H,1
H,2H,2H−パーフルオロドデシル−β−D−ラミ
ナリペンタオシドを得た。得られた1H,1H,2H,
2H−パーフルオロドデシル−β−D−ラミナリペンタ
オシドの35mgを5mlの乾燥したピリジン中で85
℃に加熱し溶解させ155mgの三酸化硫黄ピリジン錯
体を加え、同温度で90分攪拌した。室温まで冷却した
後、蒸留水3mlで希釈し、水酸化バリウムでpHを7
〜8とし、遠心分離によって固形物を分離し、ナトリウ
ムイオン型のイオン交換樹脂カラムを通してナトリウム
塩とし、留出液を減圧下で濃縮した。残渣を極く少量の
(0.3ml程度)の蒸留水に溶かし250mlのアセ
トンで再沈した。生じた沈澱を遠心分離で集め、アセト
ンで3回洗浄し水より凍結乾燥し目的物を得た。収量3
9mg。
【0045】比旋光度 [α]D=−9.8゜(c=
1.0/水)(20℃) 元素分析値 C 13.7wt%、H 2.6wt%、
S 15.5wt%、Na 10.8wt%
【0046】実施例5 1H,1H,2H,2H,3
H,3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パー
フルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシド パー
アセテートの合成 0.30gのD−ラミナリペンタオースパーアセテート
と0.124gの1H,1H,2H,2H,3H,3
H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パーフルオ
ロデカノールを、10mlの塩化メチレンの溶解させ、
適量のモレキュラーシーブを加えた後、還流下に四塩化
スズ0.102gを添加し、2.5時間還流を行った。
反応混合物をクロロホルムで希釈し飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。さらにカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン/酢酸エチ
ル)で精製し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーによ
る分析(酢酸エチル/ヘキサン/=3/1(体積比))
でRf値0.71の留分を集め濃縮した。収量0.11
6g、収率33%であった。この化合物は以下に示す核
磁気共鳴スペクトルよりH,1H,2H,2H,3H,
3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パーフル
オロデシル−β−D−ラミナリペンタオシド パーアセ
テートであると確認された。
【0047】核磁気共鳴スペクトル(プロトン) アルコールと結合している糖の環プロトンの1位 4.50ppm、J12=8.4Hz、1プロトン フルオロアルキル基の6位のプロトン 2.08ppm 多重線、2プロトン 比旋光度[α]D=−44.1゜(c=1.0/クロロ
ホルム)(20℃)
【0048】実施例6 硫酸化 1H,1H,2H,2
H,3H,3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H
−パーフルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシド
の合成 実施例5で得られたフルオロアルコール配糖体パーアセ
テートの83mgをメタノール5mlに溶解させ3.2
mlの0.1Nナトリウムメトキシドメタノール溶液を
室温で滴下し5時間攪拌した後、イオン交換樹脂によっ
てナトリウムイオンを除去した。イオン交換樹脂を濾別
後メタノールを濃縮乾固し、51mgの1H,1H,2
H,2H,3H,3H,4H,4H,5H,5H,6
H,6H−パーフルオロデシル−β−D−ラミナリペン
タオシドを得た。得られた1H,1H,2H,2H−パ
ーフルオロデシル−β−D−ラミナリペンタオシドの5
1mgを5mlの乾燥したピリジン中で85℃に加熱し
溶解させ225mgの三酸化硫黄ピリジン錯体を加え、
同温度で90分攪拌した。室温まで冷却した後、蒸留水
3mlで希釈し、水酸化バリウムでpHを7〜8とし、
遠心分離によって固形物を分離し、ナトリウムイオン型
のイオン交換樹脂カラムを通してナトリウム塩とし、留
出液を減圧下で濃縮した。残渣を極く少量の(0.3m
l程度)の蒸留水に溶かし250mlのアセトンで再沈
した。生じた沈澱を遠心分離で集め、アセトンで3回洗
浄し水より凍結乾燥し目的物を得た。収量95mg。
【0049】比旋光度 [α]D=−9.6゜(c=
1.0/水)(20℃) 元素分析値 C 16.4wt%、H 2.7wt%、
S 16.4wt%、Na 11.7wt%
【0050】実施例7 1H,1H,2H,2H,3
H,3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パー
フルオロテトラデシル−β−D−ラミナリペンタオシド
パーアセテートの合成 0.30gのD−ラミナリペンタオースパーアセテート
と0.202gの1H,1H,2H,2H,3H,3
H,4H,4H,5H,5H,6H,6H−パーフルオ
ロテトラデカノールを、10mlの塩化メチレンの溶解
させ、適量のモレキュラーシーブを加えた後、還流下に
四塩化スズ0.102gを添加し、2.5時間還流を行
った。反応混合物をクロロホルムで希釈し飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。さらに
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン/酢
酸エチル)で精製し、シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ーによる分析(酢酸エチル/ヘキサン/=3/1(体積
比))でRf値0.71の留分を集め濃縮した。収量
0.129g、収率33%であった。この化合物は以下
に示す核磁気共鳴スペクトルよりH,1H,2H,2
H,3H,3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H
−パーフルオロテトラデシル−β−D−ラミナリペンタ
オシド パーアセテートであると確認された。
【0051】核磁気共鳴スペクトル(プロトン) アルコールと結合している糖の環プロトンの1位 4.50ppm、J12=8.4Hz、1プロトン フルオロアルキル基の6位のプロトン 2.08ppm 多重線、2プロトン 比旋光度[α]D=−48.6゜(c=1.0/クロロ
ホルム)(20℃)
【0052】実施例8 硫酸化 1H,1H,2H,2
H,3H,3H,4H,4H,5H,5H,6H,6H
−パーフルオロテトラデシル−β−D−ラミナリペンタ
オシドの合成 実施例7で得られたフルオロアルコール配糖体パーアセ
テートの98mgをメタノール5mlに溶解させ3.8
mlの0.1Nナトリウムメトキシドメタノール溶液を
室温で滴下し5時間攪拌した後、イオン交換樹脂によっ
てナトリウムイオンを除去した。イオン交換樹脂を濾別
後メタノールを濃縮乾固し、54mgの1H,1H,2
H,2H,3H,3H,4H,4H,5H,5H,6
H,6H−パーフルオロテトラデシル−β−D−ラミナ
リペンタオシドを得た。
【0053】得られた1H,1H,2H,2H−パーフ
ルオロテトラデシル−β−D−ラミナリペンタオシドの
54mgを5mlの乾燥したピリジン中で85℃に加熱
し溶解させ238mgの三酸化硫黄ピリジン錯体を加
え、同温度で90分攪拌した。室温まで冷却した後、蒸
留水3mlで希釈し、水酸化バリウムでpHを7〜8と
し、遠心分離によって固形物を分離し、ナトリウムイオ
ン型のイオン交換樹脂カラムを通してナトリウム塩と
し、留出液を減圧下で濃縮した。残渣を極く少量の
(0.3ml程度)の蒸留水に溶かし250mlのアセ
トンで再沈した。生じた沈澱を遠心分離で集め、アセト
ンで3回洗浄し水より凍結乾燥し目的物を得た。収量9
6mg。
【0054】比旋光度 [α]D=−9.6゜(c=
1.0/水)(20℃) 元素分析値 C 17.3wt%、H 2.6wt%、
S 15.1wt%、Na 10.8wt%
【0055】(試験例) 抗HIV活性の測定例 試験方法:MTT法 細胞:MT−4細胞 ウイルス:HTLV−IIIB(感染価:3x105PF
U/ml) 以下に試験の概略を示す。
【0056】96穴マイクロタイタープレートに、種々
の濃度の試験物質と共にHIV感染MT−4細胞(2.
5x104/well、MOI:0.01)を感染直後
に加えた。試験物質のMT−4に対する細胞毒性を知る
ために、ウイルス非感染細胞を同様に種々の濃度の試験
物質と共に培養を行った。CO2インキュベータで37
℃で5日間培養した後、MTT(3−(4,5−dim
ethylthiazol−2−yl)−2,5−di
phenyl tetrazolim bromid
e)のPBS(−)水溶液(7.5mg/ml)を注入
し、インキュベート後IPA/HCl/TritonX
−100液を添加することにより生細胞のみに析出して
くるホルマザンのOD値を測定し、生存細胞数を測定し
た。この値から、HIV感染による細胞障害を50%防
御する濃度(EC50;50% effective c
oncentration)、及び細胞毒性は試験物質
による50%細胞障害濃度(CC50;50% cyto
toxic concentration)をそれぞれ
算出し抗HIV活性データとした(パウエル等(R.P
auwels, et al)ジャーナル バイオロジ
カル メソッド 20巻(1988)309−321参
照)。試験物質としては実施例2、4、6、8に記載の
化合物を用いた。その結果を第1表に示す。
【0057】
【表1】第1表 ─────────────────────────
── サンプル CC50 EC50 ─────────────────────────
── 実施例2 > 1000 0.57 実施例3 > 1000 0.19 実施例4 > 1000 0.70 実施例8 945 0.53 比較例11) > 1000 0.61 比較例22) > 1000 0.18 ─────────────────────────
── 1) 硫酸化 n−ドデシルラミナリペンタオシド 2) カードラン硫酸(分子量 )
【0058】以下に本発明の抗ウイルス剤の薬剤製造例
を示す。 (薬剤製造例1) 硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド(実施例4の化合物) 50mg でんぷん 30mg 乳糖 110mg タルク 7mg ステアリン酸マグネシウム 3mg ──────────────────────────────────── 200mg 硫酸化 1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシ
ル−β−D−ラミナリペンタオシド(実施例4の化合
物)を粉砕し、それに乳糖及びでんぷんを加え混合す
る。10%のでんぷんのりを上記混合物に加え、攪拌し
顆粒を製造する。乾燥後整粒し、これにタルク及びステ
アリン酸マグネシウムを混合し、常法により打錠して2
00mg錠剤を製造した。
【0059】(薬剤製造例2) 硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド(実施例4の化合物) 25mg でんぷん 23mg 乳糖 50mg ステアリン酸マグネシウム 2mg ──────────────────────────────────── 100mg 硫酸化 1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシ
ル−β−D−ラミナリペンタオシド(実施例4の化合
物)25mgをよく粉砕し、乳糖、でんぷん、ステアリ
ン酸マグネシウムを加え、充分混合した後カプセルに充
填しカプセル剤を製造した。
【0060】(薬剤製造例3)硫酸化 1H,1H,2
H,2H−パーフルオロドデシル−β−D−ラミナリペ
ンタオシド(実施例4の化合物)400mgにオートク
レーブにより殺菌した生理食塩水を加え溶解し全量を1
0mlに調製した後、乾熱滅菌したアンプル瓶に封入し
10mlの液剤を製造した。
【0061】
【発明の効果】本発明は新規な硫酸化フルオロアルキル
ラミナリペンタオシド及びパーアセチルフルオロラミナ
リペンタオシドを提供し、特に硫酸化フルオロラミナリ
ペンタオシド及びその生理学的に許容される塩は、アル
キル基にフッ素原子を有する脂溶性の高い、特にHIV
に対して優れた作用を有する抗ウイルス剤を提供するこ
とができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラミナリペンタオースの還元末端糖1位
    の水酸基の水素原子がフルオロアルキル基で置換され、
    かつ残りの水酸基の一部または全部が硫酸エステル基で
    置換された硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシ
    ドまたはその生理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 フルオロアルキル基が炭素数10〜14
    のフルオロアルキル基である、請求項1記載の硫酸化フ
    ルオロアルキルラミナリペンタオシドまたはその生理学
    的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 フルオロアルキル基が、 【化1】−C2H4C8F17,−C2H4C10F21,−C6H
    12C4F9,または −C6H12C8F17 からなる群から選ばれるフルオロアルキル基である、請
    求項1記載の硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオ
    シドまたはその生理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 フルオロアルキル基が、 【化2】−C2H4C10F21, で示されるフルオロアルキル基である、請求項3記載の
    硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシドまたはそ
    の生理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 ラミナリペンタオースの還元末端糖1位
    の水酸基の水素原子がフルオロアルキル基で置換され、
    かつ残りの水酸基の全部がアセチル基で置換されたパー
    アセチルフルオロアルキルラミナリペンタオシド。
  6. 【請求項6】 フルオロアルキル基が炭素数10〜14
    のフルオロアルキル基である、請求項1記載のパーアセ
    チルフルオロアルキルラミナリペンタオシド。
  7. 【請求項7】 フルオロアルキル基が、 【化3】−C2H4C8F17,−C2H4C10F21,−C6H
    12C4F9,または −C6H12C8F17 からなる群から選ばれるフルオロアルキル基である、請
    求項5記載のパーアセチルフルオロアルキルラミナリペ
    ンタオシド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4の何れか1項に記載の硫酸
    化フルオロアルキルラミナリペンタオシドを有効成分と
    する抗ウイルス剤。
  9. 【請求項9】 ウイルスがHIVである請求項8記載の
    抗ウイルス剤。
JP2518395A 1995-02-14 1995-02-14 硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド及びそれを有効成分とする抗ウイルス剤 Pending JPH08217785A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005027936A3 (en) * 2003-09-23 2005-07-28 Lab Goemar Sa Pharmaceutical compositions and therapeutical treatment with oligo-beta-(1, 3)-glucans

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