JPH08224537A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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Publication number
JPH08224537A
JPH08224537A JP7032285A JP3228595A JPH08224537A JP H08224537 A JPH08224537 A JP H08224537A JP 7032285 A JP7032285 A JP 7032285A JP 3228595 A JP3228595 A JP 3228595A JP H08224537 A JPH08224537 A JP H08224537A
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JP
Japan
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composition
mixing
substrate
condensation
compsn
Prior art date
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Application number
JP7032285A
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English (en)
Inventor
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材上に耐擦傷性および基材との密着性に優
れた、反射防止効果が高く経時変化のない多孔質の被膜
が形成された積層体を容易に製造し得る、積層体の製造
方法を提供する。 【構成】 テトラアルコキシシラン、pHが10.0〜
12.0の塩基性水及び有機溶媒を特定量混合して得ら
れる縮合組成物(A)と、アルコキシシラン、pHが0
〜2.6の酸性水及び有機溶媒を特定量混合して得られ
る縮合組成物(B)とを、特定の重量比で混合して得ら
れる無機質組成物を基材上に塗布する工程、及び得られ
た無機質組成物が塗布された基材を、相対湿度70%以
上の環境下に置く工程、次いで該基材を温度60℃以
上、相対湿度70%未満の環境下に置く工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材上に耐擦傷性およ
び基材との密着性に優れた、反射防止効果が高く経時変
化のない多孔質の被膜が形成された積層体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、カラーテレビのブラウン管
や、自動車のフロントガラス、太陽電池などに広く用い
られているが、ガラス表面で外部光線が反射すると、映
り込みのために画像や内部物体が見え難くなったり、太
陽電池のエネルギー変換効率が低くなったりする。この
問題を解決するためにガラスに低屈折率の反射防止用多
孔質薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低
減させる方法がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、水または有機溶媒で分散したコロイダルシ
リカにアルコキシシランを混合し、アルコールに溶解し
た混合液を加水分解し部分重縮合させたゾル溶液からな
る組成物を、ガラスに塗布、熱処理し、硬化時のシリカ
ゾルとコロイダルシリカの熱収縮の差異を利用して多孔
化された薄膜を形成させる方法(特開昭62−1704
4号公報)があるが、この方法には、コロイダルシリカ
をアルコキシシランに均一に分散させる工程が必要なこ
と、および分散をよくするために、高性能な装置を必要
とすることなどの問題点がある。
【0003】また、近年、透明プラスチック材料が、軽
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓等に広
く利用されているが、耐擦傷性に乏しくハードコーティ
ング処理を必要としている。さらに、ガラス同様反射防
止薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低減
させる必要がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、フッ素樹脂系の材料を透明プラスチック材
料に塗布、熱処理して薄膜を形成させる方法(特開平2
−123771号公報)があるが、このフッ素樹脂系の
材料は強度面で問題があり、メガネレンズ等の耐擦傷性
が要求される用途には用いにくいという問題点がある。
【0004】ところで、ガラスや透明プラスチックス材
料が外部光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質
に入射される際、その屈折率の差により界面で反射する
からである。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率
と基材であるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率
が異なるため、その界面で光の反射および損失が起こ
る。
【0005】上記の光の反射および損失を軽減させるた
めに、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを用いて屈折率の異なる薄膜を多層積層さ
せる方法があった。この方法は膜厚制御や、広い波長範
囲で反射防止効果が得られる等の利点があるが、ある限
られた空間で薄膜を製造するため大面積の基材には適さ
ず、コストの点で工業的に不向きであり、また、複雑な
形状の基材には適用できないという問題点があった。
【0006】ある基材の反射率を0にするための薄膜の
積層条件は(1)、(2)式で表現される。 n1 =(no s 0.5 ・・・(1) n1 1 =(λ/4),(3λ/4),(5λ/4)・・・(2) no :空気の屈折率(no =1である)、ns :基材の
屈折率、n1 : 薄膜の屈折率、t1 :薄膜の膜厚、
λ:入射光波長 このように、基材の屈折率に応じて、積層する薄膜の屈
折率と膜厚を制御する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に耐擦
傷性および基材との密着性に優れた、反射防止効果が高
く経時変化のない多孔質の被膜が形成された積層体を容
易に製造し得る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明で使用される無機
質組成物の製造に用いられる縮合組成物(A)は、一般
式Si(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル
基)で表されるテトラアルコキシシラン、塩基性水及び
有機溶媒を混合し、テトラアルコキシシランを部分加水
分解、重縮合させて得られる。
【0009】上記の一般式Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くな
ると、無機質組成物の安定性が低下して長期安定性が悪
くなるので、炭素数1〜5のアルキル基に限定され、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、
ネオペンチル基などが挙げられる。
【0010】Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、
テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペントキシ
シラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テトラネ
オペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮合
における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランが
特に好ましい。
【0011】上記塩基性水とは、塩基種によりpHが1
0.0〜12.0に調整された水をいう。塩基種は、水
のpHを10.0〜12.0に調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、アンモニア、水酸化アン
モニウム、水酸化カリウム等が挙げられ、pHの調整が
容易なので、アンモニアが好ましい。
【0012】塩基性水のpHは、低くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となり、又、高くなると、得られる縮合組成物
(A)の安定性が低下するので、10.0〜12.0に
限定され、10.3〜11.5が好ましく、10.8〜
11.4が特に好ましい。
【0013】塩基性水は、少なくなると、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形成が
困難となり、多くなると、縮合組成物(A)の安定性が
低下するので、Si(OR)4 で表されるテトラアルコ
キシシラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜
4モル添加するのが好ましい。
【0014】有機溶媒は、Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランおよび塩基性水と相溶性のあるも
のであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等
が挙げられるが、特にイソプロピルアルコールが好まし
い。
【0015】有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合
組成物(A)の安定性が低下し、多くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となるので、Si(OR)4 で表されるテトラ
アルコキシシラン1モルに対して10〜30モルに限定
され、無機質組成物の安定性の点から、テトラアルコキ
シシラン1モルに対して13〜18モルが好ましい。
【0016】縮合組成物(A)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるテトラアル
コキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0017】縮合組成物(A)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0018】縮合組成物(A)を混合する際の時間は、
短くなると、加水分解、重縮合反応が不十分となり、長
くなると、縮合組成物(A)の安定性が低下するので、
1〜10時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。
従って、縮合組成物(A)の混合は、10〜30℃で、
1〜10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜
4時間行うのが特に好ましい。
【0019】本発明で使用される無機質組成物の製造に
用いられる縮合組成物(B)は、一般式(R2 n Si
(OR1 4-n (式中、R1 およびR2 は炭素数1〜5
のアルキル基、nは0〜3の整数)で表されるアルコキ
シシラン、酸性水及び有機溶媒を混合し、アルコキシシ
ランを部分加水分解、重縮合させて得られる。
【0020】上記の一般式(R2 n Si(OR1
4-n で表されるアルコキシシランにおいて、R1 および
2 は、炭素数が多くなると、無機質組成物の安定性が
低下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のア
ルキル基に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げら
れる。なお、nは0〜3の整数を示す。
【0021】(R2 n Si(OR1 4-n で表される
アルコキシシランは、特に限定されず、例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−
プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブ
トキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テ
トラ−n−ペントキシシラン、テトラ−iso−ペント
キシシラン、テトラネオペントキシシラン、モノメチル
トリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、
モノメチルトリ−n−プロポキシシラン、モノメチルト
リ−iso−プロポキシシラン、モノメチルトリ−n−
ブトキシシラン、モノメチルトリ−sec−ブトキシシ
ラン、モノメチルトリ−tert−ブトキシシラン、モ
ノメチルトリ−n−ペントキシシラン、モノメチルトリ
−iso−ペントキシシラン、モノメチルトリネオペン
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロ
ポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメ
チルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−ter
t−ブトキシシラン、ジメチルジ−n−ペントキシシラ
ン、ジメチルジ−iso−ペントキシシラン、ジメチル
ジネオペントキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、
トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキ
シシラン、トリメチルモノ−n−プロポキシシラン、ト
リメチルモノ−iso−プロポキシシラン、トリメチル
モノ−n−ブトキシシラン、トリメチルモノ−sec−
ブトキシシラン、トリメチルモノ−tert−ブトキシ
シラン、トリメチルモノ−n−ペントキシシラン、トリ
メチルモノ−iso−ペントキシシラン、トリメチルモ
ノネオペントキシシラン、トリエチルエトキシシランな
どが挙げられ、反応性の点からテトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン
が好ましく、特に、テトラエトキシシランが好ましい。
【0022】上記酸性水は、酸性種によりpHが0〜
2.6に調整された水をいう。酸性種は、水のpHを、
0〜2.6に調整できるものであれば、特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、塩酸、硝
酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
【0023】酸性水のpHは、低くなると、縮合組成物
(B)の安定性が低下することがあり、高くなると、ア
ルコキシシランの加水分解が不十分となるので、0〜
2.6に限定され、1.0〜1.7が好ましく、1.1
〜1.2が、特に好ましい。
【0024】酸性水の添加量は、少なくなると、アルコ
キシシランの加水分解が不十分となり、更に、得られる
無機質組成物の基材への塗布が困難となり、多くなる
と、縮合組成物(B)の安定性が低下するので、
(R2 n Si(OR1 4-n で表されるアルコキシシ
ラン1モルに対して3〜8モルに限定され、4〜7モル
が好ましい。
【0025】上記有機溶媒は、(R2 n Si(O
1 4-n で表されるアルコキシシラン及び酸性水に相
溶するものであれば、特に限定されず、例えば、縮合組
成物(A)の製造に用いられるものと同様のものが用い
られ、有機溶媒の添加量は、、少なくなると、縮合組成
物(B)の安定性が低下し、多くなると、アルコキシシ
ランが十分に加水分解されなくなるので、(R2 n
i(OR1 4-n で表されるアルコキシシラン1モルに
対して、10〜30モルに限定され、13〜18モルが
好ましい。
【0026】縮合組成物(B)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、(R2 n Si(OR1 4-n で表さ
れるアルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を、均質な
ものを得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合す
る方法が挙げられる。攪拌機としては、特に限定される
わけではなく、マグネチックスターラーのような簡便な
攪拌機で十分である。
【0027】縮合組成物(B)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(B)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0028】縮合組成物(B)を混合する際の時間は、
短くなると、十分な分子量が得られず、長くなると、縮
合組成物(B)の安定性が低下するので、1〜10時間
が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮合
組成物(B)の混合は、10〜30℃で、1〜10時間
行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行うの
が特に好ましい。
【0029】本発明で使用される無機質組成物の混合
は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重
量比((A)/(B))=0.4〜2.4で混合する。
【0030】縮合組成物(A)が、少なくなると、得ら
れる被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止
効果が低下し、多くなると、得られる被膜と基材との密
着性が低下するので、縮合組成物(A)と縮合組成物
(B)の重量比((A)/(B))は、0.4〜2.4
に限定され、無機質組成物の安定性及び被膜と基材の密
着性の向上のため、1.5〜2.3が好ましい。
【0031】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、低くなると、コロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合が困難となり、得られる被膜の反射防
止効果が低下し、高くなると、得られる無機質組成物の
安定性が低下するので、−10〜30℃で行うのが好ま
しく、−8〜25℃が特に好ましい。
【0032】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する時間は、短かくなると、コロイダルシリカとシリ
カゾルの重縮合が不十分となり、得られる被膜の反射防
止効果が低下し、又、長くなると、無機質組成物の安定
性が低下するので、0.5〜4時間が好ましく、特に2
〜3時間が好ましい。従って、縮合組成物(A)と縮合
組成物(B)の混合は、−10〜30℃で、0.5〜4
時間行うのが好ましく、−8〜25℃で、2〜3時間行
うのが特に好ましい。
【0033】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、均質なものを得るため
に、好ましくは、攪拌機に供給し攪拌混合する方法が挙
げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけではな
く、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機で十
分である。
【0034】本発明の積層体の製造方法は、上記の方法
で得られる無機質組成物を基材上に塗布する工程、得ら
れた無機質組成物が塗布された基材を、相対湿度70%
以上の環境下に置く工程、次いで該基材を温度60℃以
上、相対湿度70%未満の環境下に置く工程からなる方
法である。
【0035】上記の基材としては、無機質組成物の塗布
が可能な基材であれば特に限定されず、例えば、ケイ酸
ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カ
リ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラス、ホウケ
イ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス等からなる無機基材、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、ポリウレタン、三酢酸セルロ
ース等からなる有機基材が挙げられる。
【0036】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。また、基材の形状は、特に限定されるものでは
ない。
【0037】無機質組成物の塗布方法は、特に限定され
ず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコート、
スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗布方
法等が挙げられる。なお、塗布は、大気中の湿度が高い
と、得られる被膜が白濁するので、大気中の相対湿度5
0%以下で行うのが好ましく、30%以下で行うのが特
に好ましい。
【0038】無機質組成物を基材上に塗布する際、膜厚
は、特に限定されないが、反射防止効果を得たい波長
と、以下の関係となる被膜が得られる様に無機質組成物
を塗布することは、反射防止効果の向上を図ることがで
き、好適である。
【0039】d=(1/4+m/2)×λ/n
【0040】d:被膜の膜厚 λ:反射防止効果を得たい波長 n:被膜の屈折率 m:0又は自然数
【0041】なお、無機質組成物を塗布する際、必要に
応じて、溶媒により希釈し、無機質組成物の粘度を調整
することは、無機質組成物の基材上への塗布効率が向上
し好適である。また、その際、無機質組成物の固形分濃
度を1.0〜4.0重量%の範囲に調整すると、無機質
組成物の保存安定性が向上し、また、積層された塗膜は
膜厚分布が少なく美観に優れたものとなる。
【0042】かかる場合、用いられる溶媒は、無機質組
成物と相溶性を有するものであれば、特に限定されず、
例えば、イソプロピルアルコール、エトキシエタノー
ル、アリルアルコール等が挙げられ、得られる被膜の多
孔性の向上の点から、イソプロピルアルコールが好まし
い。
【0043】また、無機質組成物を塗布する際、基材が
樹脂の場合、基材にコロナ放電処理等の前処理を施す
と、塗液の濡れ性が向上し、美観に優れた積層体が得ら
れ易くなる。
【0044】本発明の積層体の製造方法は、無機質組成
物を基材上に塗布する工程に次いで、まず、得られた無
機質組成物が塗布された基材を、相対湿度70%以上の
環境下に置く工程を取る。この工程によって、塗膜中の
残存未反応アルキル基の加水分解、および残存未反応シ
ラノール基の重縮合を促進させる。なお、上記、相対湿
度70%以上の環境下に置く前に、無機質組成物が塗布
された基材を、乾燥させてもよい。上記乾燥方法として
は、特に限定されるものではなく、室温にて自然乾燥し
てもよい。
【0045】本発明において、上記の相対湿度70%以
上の環境下としては、好ましくは、相対湿度80%以
上、更に好ましくは、相対湿度95%以上の環境下がよ
い。この相対湿度が70%未満では、残存未反応アルキ
ル基や残存未反応シラノール基の上述の反応が不十分と
なる。
【0046】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の温度は、特には限定されないが、温度が低くなる
と、処理に時間がかかり、温度が高くなると有機質基材
では基材の変形が起こり易くなるので、40〜100℃
が好ましく、50〜90℃が特に好ましい。
【0047】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の時間は、相対湿度にもよるが、時間が短くなると、
残存未反応アルキル基や残存未反応シラノール基の引き
続く反応が不十分となり、時間が長すぎても時間に応じ
た効果が得られなくなるので、通常24〜1200時間
が好ましく、100〜1000時間がより好ましい。
【0048】このようにして、相対湿度70%以上の環
境下に置く工程により、基材上に経時変化がなく耐久性
に優れた多孔質の被膜が形成された積層体が得られる。
しかし、この工程だけでは、多孔質の被膜の微細孔内に
水が残存し易く、樹脂基材等においては基材と被膜との
密着性が必ずしも十分ではない場合がある。
【0049】このことを改善するために、本発明の積層
体の製造方法は、上記の相対湿度70%以上の環境下に
置く工程に次いで、該基材を温度60℃以上、相対湿度
70%未満の環境下に置く工程を取る。本工程の温度
は、低くなると基材と被膜との密着性向上効果がなくな
るので、60℃以上で基材の溶融温度以下であり、好ま
しくは80℃以上である。本工程の相対湿度は、高くな
ると残存水を気化させることができなくなり基材と被膜
との密着性向上効果がなくなるので、70%未満であ
り、好ましくは50%未満であり、特に好ましくは30
%未満である。本工程による密着性向上効果が特に見ら
れる基材は、基材と被膜との密着性が比較的強固でない
基材であり、例えば、ポリカーボネート基材である。
【0050】
【作用】本発明の積層体の製造方法では、縮合組成物
(A)では、テトラアルコキシシランの重縮合がかなり
進みコロイダルシリカが形成されており、縮合組成物
(B)では、アルコキシシランの重縮合が比較的進ま
ず、シリカゾルの段階で抑えられており、この両者の混
合物である無機質組成物は、コロイダルシリカとシリカ
ゾルの混合物となっている。その無機質組成物を、基材
上に塗布し、次いで得られた無機質組成物が塗布された
基材を、相対湿度70%以上の環境下に置くことによ
り、残存未反応アルキル基や残存未反応シラノール基が
除去され、膜の硬化が促進され、シリカゾルとコロイダ
ルシリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得る
ことができる。そして、更に、該基材を温度60℃以
上、相対湿度70%未満の環境下に置くことにより、多
孔質の被膜の微細孔内の水を除去するとともに基材と被
膜との界面の縮合反応も促進することができ、基材と被
膜との密着性を一層向上させることができる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
【0052】(1) 反射率 分光光度計(島津製作所社製、鏡面反射測定装置「入射
角5°」)を用いて、反射防止被膜を積層した積層体の
光線透過率を300〜800nmの範囲で測定し、その
最小の反射率Rminを求め、次式により片面最小反射率
(R)を測定する。 R=Rmin/2
【0053】(2) 密着性 得られた積層体の反射防止被膜を、JIS K 540
0に準じて、碁盤目テープ剥離試験を行い評価した。 (判定基準) ○:全く剥離しなかった。 △:一部剥離した。 ×:
完全に剥離した。
【0054】(3) 耐擦傷性試験 得られた積層体の反射防止被膜の表面を、ネルの布で、
1000g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦
し、表面の傷の有無を目視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。
【0055】(4) 経時変化試験 得られた積層体を−40℃の雰囲気下に30分保持した
後、取り出し、その直後に80℃の雰囲気下に30分保
持する。これを1サイクルとして、次いで、取り出し、
その直後に再び−40℃の雰囲気下に置いて2サイクル
目を開始する。このような熱衝撃試験を210サイクル
行った。上記、熱衝撃試験の終了後、前記反射率と耐擦
傷性試験を行い、経時変化を観察した。
【0056】(実施例1〜6、比較例1〜15)表1〜
3にモル比で示したそれぞれ所定量のテトラエトキシシ
ラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性水およ
びイソプロピルアルコールを、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(A)を得た。
【0057】表1〜3にモル比で示したそれぞれ所定量
のテトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
塩酸によりpHが調整された酸性水、イソプロピルアル
コールを、マグネチックスターラーに供給、800rp
mで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)を得
た。
【0058】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表1〜3に示す重量比(縮合組成物(A)
/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラーに供
給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無機質組
成物を得た。
【0059】積層体の製造:得られた無機質組成物に、
表1〜3に示す基材〔ポリカーボネート板(帝人社製、
商品名「テイジンパンライト」、100mm×40mm
×1mm)、またはアクリル樹脂板(三菱レーヨン社
製、商品名「アクリライトL−001」、100mm×
40mm×1mm)〕を浸漬し、100〜300mm/
分の速度で引き上げた後、室温で10分間乾燥させ、基
材の両面に無機質組成物が塗布された基材を得た。
【0060】次に、上記無機質組成物が塗布された基材
を、表4に「硬化温湿度条件」として示した環境下に
置き、次いで「硬化温湿度条件」として示した環境下
に置いて積層体を得た。得られた積層体を用いて、前記
測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表4に示し
た。
【0061】なお、比較例2は、縮合組成物(A)の調
製時の塩基性水の添加量が多すぎるため、および比較例
3は、縮合組成物(B)の調製時の酸性水の添加量が少
なすぎるため、基材に塗布できなかった。比較例4は、
縮合組成物(B)の調製時の酸性水の添加量が多すぎる
ため、無機質組成物に基材を浸漬した後、引き上げ、室
温乾燥後、70℃、相対湿度95%の環境下に120時
間置いたが、膜が白濁したので、各物性値の測定はしな
かった。比較例6は、縮合組成物(A)の調製時の塩基
性水のpHが高すぎるため、縮合組成物(A)がゲル化
し無機質組成物が得られなかった。
【0062】比較例8は、縮合組成物(A)と縮合組成
物(B)の混合比が大きすぎるため、塗布できなかっ
た。比較例10は、縮合組成物(A)の調製時の有機溶
剤量が少なすぎるため、縮合組成物(A)がゲル化し無
機質組成物が得られなかった。比較例11は、縮合組成
物(A)の調製時の有機溶媒の量が多すぎるため、加水
分解、縮重合反応速度が極端に遅くなり、反応が不十分
なため基材に塗装できなかった。
【0063】比較例12は、縮合組成物(B)の調製時
の有機溶媒の量が多すぎるため、加水分解、縮重合反応
速度が極端に遅くなり、反応が不十分なため基材に塗装
できなかった。比較例13は、硬化温湿度条件におけ
る温度が低いため、基材と被膜との密着性が低かった。
比較例14は、硬化温湿度条件における相対湿度が高
いため、基材と被膜との密着性が低かった。比較例15
は、硬化温湿度条件における相対湿度が低いため、十
分な信頼性が得られなかった。
【0064】(比較例16)フッ素系樹脂(旭硝子社
製、商品名「サイトップ CTL−102A」)塗液中
に、ポリカーボネート板(帝人社製、商品名「テイジン
パンライト」、100mm×40mm×1mm)を浸漬
し、100〜300mm/分の速度で引き上げた後、8
0℃、相対湿度10%の条件で1時間かけて乾燥し、基
材の両面に塗布された積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表4に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【発明の効果】本発明の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、縮合組成物(A)及び(B)を混合する
際、特に攪拌等も必要なく、均質なものを得るために、
好ましくは、攪拌するのがよいが、かかる場合であって
も、混合装置としてマグネチックスターラーなどのよう
な簡便な攪拌機で十分であり、又、無機質組成物の混合
も同様に、均一にコロイダルシリカをアルコキシシラン
に分散させる際、特に攪拌等も必要なく、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌するのがよいが、かかる
場合であっても、混合装置としてマグネチックスターラ
ーなどのような簡便な攪拌機で十分であり、高性能な装
置を必要とせずに得られる。従って、この無機質組成物
は容易に得られ、本製造方法によると、得られた無機質
組成物を基材上に塗布し、相対湿度70%以上の環境下
に置いて硬化処理を行い、次いで温度60℃以上、相対
湿度70%未満の環境下に置くことにより、基材上に均
一にコロイダルシリカが分散された、アルコキシシラン
の重縮合組成物からなる、耐擦傷性および基材との密着
性に優れた、反射防止効果が高く経時変化のない多孔質
の被膜が形成された積層体を容易に得ることができるの
で、例えば、反射防止体等として使用される積層体を容
易に製造することができる。
【0070】従って、本発明の積層体の製造方法を用い
て得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、ゴーグ
ル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、インパ
ネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車分野;
窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電池、レー
ザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電子手帳、
液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクシ
ョンテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電子情報機
器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭用品
分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピ
ー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガ
ラス、ゲーム機等の娯楽分野等の分野の材料に用いられ
得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車の窓、イ
ンパネメーター、ナビゲーションシステム、太陽電池、
光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手帳、液晶テ
レビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテ
レビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器等の材料に
好適に用いられ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 17/06 B32B 17/06 27/00 101 27/00 101 27/20 27/20 Z G02B 1/11 G02B 1/10 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (式中、Rは炭素
    数1〜5のアルキル基)で表されるテトラアルコキシシ
    ラン1モルに対して、pHが10.0〜12.0の塩基
    性水2〜8モル及び有機溶媒10〜30モルを混合して
    得られる縮合組成物(A)と、一般式(R2 n Si
    (OR1 4-n (式中、R1 およびR2は炭素数1〜5
    のアルキル基、nは0〜3の整数)で表されるアルコキ
    シシラン1モルに対して、pHが0〜2.6の酸性水3
    〜8モル及び有機溶媒10〜30モルとを混合して得ら
    れる縮合組成物(B)とを、(A)/(B)=0.4〜
    2.4(重量比)で混合した無機質組成物を基材上に塗
    布する工程、得られた無機質組成物が塗布された基材
    を、相対湿度70%以上の環境下に置く工程、次いで該
    基材を温度60℃以上、相対湿度70%未満の環境下に
    置く工程からなることを特徴とする積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017058428A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 リコーイメージング株式会社 反射防止膜の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017058428A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 リコーイメージング株式会社 反射防止膜の製造方法

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