JPH08225768A - 熱硬化性被覆組成物 - Google Patents

熱硬化性被覆組成物

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JPH08225768A
JPH08225768A JP11617695A JP11617695A JPH08225768A JP H08225768 A JPH08225768 A JP H08225768A JP 11617695 A JP11617695 A JP 11617695A JP 11617695 A JP11617695 A JP 11617695A JP H08225768 A JPH08225768 A JP H08225768A
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暁生 岩本
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武 加藤
Shinobu Fujie
忍 藤江
Kazuhiko Hotta
一彦 堀田
Kunio Iwase
国男 岩瀬
Hiroshi Takeuchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯蔵安定性、低温硬化性に優れ、塗膜性能に
も優れた塗膜を提供する熱硬化被覆組成物を得る。 【構成】 ジカルボン酸モノエステル化した酸無水物基
を有するモノマー単位を有するアクリル系共重合体
(A)と、エポキシ基を有するアクリル系共重合体
(B)を含有する熱硬化性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度の美粧性と塗膜性
能が要求される、自動車等のトップクリヤーコート用塗
料に特に有用な熱硬化性被覆組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等のトップクリヤーコート用塗料
としては、耐候性、美粧性に優れた性能を有することか
ら、アクリル−メラミン系樹脂が多く使用されている。
しかし、アクリル−メラミン系樹脂は、メラミン樹脂を
硬化剤として使用するために耐酸性が低く、これを塗料
に適用した場合、酸性雨により塗膜に雨ジミが発生し、
外観が低下するという欠点を有する。
【0003】この問題を解決するために、メラミンに代
わる新規な硬化系が求められており、酸基とエポキシ基
の架橋反応を利用した硬化系の検討が盛んに行われてい
る。
【0004】例えば、特開昭63−84674号公報に
は、接着性、光沢および鮮映性に優れた塗料用組成物と
して、低分子量ポリエポキシド、低分子量ヒドロキシル
基含有多官能性物質、酸無水物からなる架橋剤および硬
化触媒を含有する高固形分硬化性組成物が提案されてい
る。また、特開平1−139653号公報には、耐酸
性、耐溶剤性、耐水性、塗膜外観に優れた塗料用組成物
として、酸基を有するアクリル系共重合体とエポキシ基
を有するアクリル系共重合体から成る熱硬化性溶剤型塗
料組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
84674号公報に開示されているように酸無水物から
なる架橋剤を用いた場合には、組成成分間の反応性が高
くなるために貯蔵安定性が悪く、組成成分全体を一液化
することが困難であり、作業性が悪いという問題点を有
している。また、特開平1−139653号公報に開示
されているような熱硬化性溶剤型塗料組成物では、低温
硬化性に劣るために、自動車の焼き付けラインで採用さ
れうる比較的低い温度で焼き付けた場合、冷熱環境下に
おける耐クラック性や耐酸性、耐溶剤性等の塗膜性能が
不十分となる欠点を有している。
【0006】これらの問題点を解決する目的で、特開平
2−45577号公報、特開平3−287650号公報
や特開平4−363374号公報には、酸基としての酸
無水物基がハーフエステル化された共重合体、ヒドロキ
シ化合物およびエポキシ化合物を含有する熱硬化性組成
物や、酸基としての酸無水物基をハーフエステル化した
共重合体、エポキシ基および水酸基を有する化合物を含
有する熱硬化性組成物が提案されている。しかし、これ
らの熱硬化性組成物は、ハーフエステル化された酸無水
物基を有するモノマー単位の含有量が多いために、貯蔵
安定性の点で未だ十分でなかったり、酸無水物基を残存
しないために、低温硬化性および塗膜の耐溶剤性が未だ
十分でないという問題点を有している。
【0007】本発明の目的は、貯蔵安定性、低温硬化性
に優れ、さらに、耐溶剤性、耐酸性、耐擦り傷性、耐候
性、美粧性に代表される塗膜性能に優れた熱硬化性被覆
組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、熱硬化性被覆組成物ついて鋭意検
討した結果、本発明に至ったものである。すなわち、本
発明の熱硬化性被覆組成物は、酸無水物基の50〜98
%がハーフエステル化されたモノマー単位を0.5〜4
0重量%含有するアクリル系共重合体(A)と、エポキ
シ基を有するアクリル系共重合体(B)を含有すること
を特徴とする。
【0009】本発明の熱硬化被覆組成物に用いるアクリ
ル系共重合体(A)は、α、β−ジカルボン酸モノエス
テル化した酸無水物基を有する単量体を含む重合性単量
体混合物を重合させて得られるか、二塩基酸無水物基を
有する単量体を含む重合性単量体混合物を重合後、酸無
水物基をアルカノールでハーフエステル化させて得られ
るものであり、ジカルボン酸モノエステル化した酸無水
物基を有するモノマー単位が0.5〜40重量%の範囲
で含有されているものである。これは、これらジカルボ
ン酸モノエステル化した酸無水物基を有するモノマー単
位が0.5重量%未満では低温硬化性の向上に十分な効
果が得られないためであり、40重量%を越えると熱硬
化性被覆組成物の貯蔵安定性が低下するためであり、好
ましくは5〜30重量%の範囲である。
【0010】また、本発明においては、アクリル系共重
合体(A)中の酸無水物基の50〜98%がハーフエス
テル化されていることが好ましい。これは、アクリル系
共重合体(A)中の酸無水物基のハーフエステル化率が
50%未満であると、被覆組成物の粘度が著しく上昇
し、被覆組成物の貯蔵安定性が低下する傾向あるためで
あり、98%を越えると、塗膜の低温硬化性が低下し、
塗膜の耐溶剤性が低下する傾向にあるためである。より
好ましくは80〜95%の範囲である。
【0011】本発明のアクリル系共重合体(A)は、酸
価(アクリル系共重合体1gを中和するのに要する水酸
化カリウムのmg数)が50〜150mgKOH/g、
重量平均分子量が5000〜50000であることが好
ましい。これは、アクリル系共重合体(A)の酸価が5
0mgKOH/g未満であると、硬化性が不足するため
に塗膜の硬度、耐溶剤性が低下する傾向にあり、150
mgKOH/gを越えると、共重合体の粘度が著しく上
昇し、さらに塗膜の光沢、耐水性、耐候性が低下する傾
向にあるためであり、より好ましくは、70〜130m
gKOH/gの範囲である。また、アクリル系共重合体
(A)の重量平均分子量が5000未満であると、塗膜
の耐水性、耐候性が低下する傾向にあり、50000を
越えると、樹脂の粘度が著しく上昇し、塗膜の美装性や
被覆組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にあるためであ
り、より好ましくは、8000〜20000の範囲であ
る。
【0012】本発明のアクリル系共重合体(A)に含有
されるジカルボン酸モノエステル化した酸無水物基を有
するモノマー単位としては、例えば、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、
マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタ
コン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸
モノオクチル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、フ
マル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ
ブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチ
ル等が挙げられる。
【0013】本発明のアクリル系共重合体(A)に使用
されるその他の重合性単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、Sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭化
水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチ
レン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N
−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置
換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエ
チレン性不飽和塩基性単量体類、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量
体類、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル
安息香酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フマ
ル酸無水物、シトラコン酸無水物等の一塩基酸または二
塩基酸類、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレー
ト、β−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、β
−(メタ)アクリロキシエチルアシッドサクシネート、
β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドマレエート、
β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドフタレート、
β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドヘキサヒドロ
フタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッド
メチルヘキサヒドロフタレート、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルアシッドサクシネート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまた
はγ−ブチロラクトンの開環付加物の末端水酸基を無水
コハク酸でエステル化して末端にカルボキシル基を導入
したコハク酸モノエステルや2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブ
チロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学
(株)製プラクセルF単量体、UCC社製トーンM単量
体)の末端水酸基を無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフ
タル酸でエステル化したフタル酸モノエステル、無水ヘ
キサヒドロフタル酸モノエステル等のカプロラクトン変
性水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物の
半エステル反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートへのγ−ブチロラクトン開
環付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレートへのε−
カプロラクトン開環付加物、メタクリル酸へのエチレン
オキシドの開環付加物、メタクリル酸へのプロピレンオ
キシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する
(メタ)アクリル酸エステル類、4−ヒドロキシブチル
ビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等の他の水酸
基含有ビニル系単量体類等の長鎖カルボキシル基含有単
量体類等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独で
あるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0014】本発明においては、他の重合性単量体とし
て上記一塩基酸または二塩基酸単量体類、長鎖カルボキ
シル基含有単量体類、水酸基含有単量体類、エポキシ基
含有単量体類を単独でまたは2種以上を組み合わせて使
用し、アクリル系共重合体(A)にα,β−ジカルボン
酸モノエステル基とともに、カルボキシル基、長鎖カル
ボキシル基、水酸基、エポキシ基を含有させることによ
って、貯蔵安定性を損なうことなく被覆組成物の反応性
をより高めることが可能となり、低温硬化性をより向上
させるとともに、塗膜の耐摺り傷性、耐溶剤性及び硬度
をより向上させることができる。
【0015】この場合、アクリル系共重合体(A)の酸
価が50〜150mgKOH/g、アクリル系共重合体
(A)の水酸基当量(1グラム当量の水酸基を含む樹脂
のグラム数)が300g/eq以上、エポキシ当量(1
グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数)が、1
000g/eq以上となるようにすることが好ましい。
これは、アクリル系共重合体(A)の酸価が50mgK
OH/g未満であると、硬化性が不足するために塗膜の
硬度、耐溶剤性が低下し、150mgKOH/gを越え
ると、共重合体の粘度が著しく上昇し、さらに塗膜の光
沢、耐水性、耐候性が低下する傾向にあり、アクリル系
共重合体(A)の水酸基当量が300g/eq未満にな
ると、被覆組成物の粘度が著しく上昇し、塗膜の光沢、
耐水性、耐候性が低下する傾向にあり、エポキシ当量が
1000g/eq未満では、被覆組成物が増粘したりゲ
ル化しやすくなる傾向にあるためである。
【0016】本発明の熱硬化被覆組成物に用いるアクリ
ル系共重合体(B)は、エポキシ基を有する単量体を特
定の比率で共重合させて得られる。
【0017】本発明のアクリル系共重合体(B)に使用
されるエポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が
挙げられ、これらは、必要に応じて単独であるいは二種
以上を併用して使用することができる。これらエポキシ
基含有単量体の使用量は、アクリル系共重合体(B)の
エポキシ当量が200〜1500g/eqとなるような
範囲であることが好ましく、例えば15〜60重量%で
あることが好ましく、さらに好ましくは20〜50重量
%の範囲である。
【0018】本発明のアクリル系共重合体(B)に使用
されるその他の重合性単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、Sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭化
水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチ
レン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N
−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置
換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエ
チレン性不飽和塩基性単量体類、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−
ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、
2−ヒドロキシエチルメタクリレートへのγ−ブチロラ
クトン開環付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレート
へのε−カプロラクトン開環付加物、メタクリル酸への
エチレンオキシドの開環付加物、メタクリル酸へのプロ
ピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸
基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、4−ヒドロ
キシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等
の他の水酸基含有ビニル系単量体類、メタクリル酸、ア
クリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマール酸、
イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩基酸ま
たは二塩基酸単量体類、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モ
ノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエ
チル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチ
ル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、フマル酸モノ
メチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フ
マル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等の二塩
基酸または酸無水物単量体のモノエステル類、β−カル
ボキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロキ
シエチルアシッドサクシネート、β−(メタ)アクリロ
キシエチルアシッドマレエート、β−(メタ)アクリロ
キシエチルアシッドフタレート、β−(メタ)アクリロ
キシエチルアシッドヘキサヒドロフタレート、β−(メ
タ)アクリロキシエチルアシッドメチルヘキサヒドロフ
タレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルアシッド
サクシネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトン
の開環付加物の末端水酸基を無水コハク酸でエステル化
して末端にカルボキシル基を導入したコハク酸モノエス
テルや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへの
ε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付
加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量
体、UCC社製トーンM単量体)の末端水酸基を無水フ
タル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸でエステル化したフ
タル酸モノエステル、無水ヘキサヒドロフタル酸モノエ
ステル等のカプロラクトン変性水酸基含有(メタ)アク
リル酸エステルと酸無水物の半エステル反応生成物等の
長鎖カルボキシル基含有単量体類等が挙げられる。これ
らは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して
使用することができる。
【0019】本発明においては、他の重合性単量体とし
て水酸基含有単量体類またはカルボキシル基含有単量体
類を使用し、アクリル系共重合体(B)にエポキシ基と
ともに水酸基またはカルボキシル基を含有させることに
よって、保存安定性を損なうことなく、被覆組成物の反
応性を高めることが可能となり、低温硬化性をより向上
させるとともに、塗膜の耐溶剤性及び硬度をより向上さ
せることができる。さらに、水酸基含有単量体類および
カルボキシル基含有単量体類を使用し、アクリル系共重
合体(B)にエポキシ基、水酸基及びカルボキシル基を
含有させることによって、この効果をより高めることが
できる。
【0020】本発明においては、アクリル系共重合体
(B)として、そのエポキシ当量が200〜1500g
/eq、重量平均分子量が1000〜20000である
ことが好ましい。これは、アクリル系共重合体(B)の
エポキシ当量が1500g/eqを越えると硬化性が不
足するために塗膜の硬度、耐溶剤性が低下する傾向にあ
り、200g/eq未満になると被覆組成物が増粘した
りゲル化しやすくなる傾向にあるためであり、より好ま
しくは、250〜950g/eqの範囲である。
【0021】また、アクリル系共重合体(B)の重量平
均分子量が1000未満であると、塗膜の耐水性、耐候
性が低下する傾向にあり、20000を越えると、樹脂
の粘度が著しく上昇し、塗膜の美粧性や耐溶剤性が低下
する傾向にあるためであり、より好ましくは、3000
〜10000の範囲である。
【0022】さらに、アクリル系共重合体(B)に水酸
基やカルボキシル基を含有させる場合には、アクリル系
共重合体(B)の水酸基当量は、400〜6000g/
eqの範囲が好ましい。これは、水酸基当量が400g
/eq未満であると耐水性が低下し、6000g/eq
を越えるとノンサンドリコート性が低下する傾向にある
ためであり、さらに好ましくは500〜3000g/e
q、より好ましくは800〜3000g/eqの範囲で
ある。また、アクリル系共重合体(B)の酸価は50m
gKOH/g以下が好ましい。これは、酸価が50mg
KOH/gを越えると、被覆組成物が増粘したりゲル化
しやすくなる傾向にあるためである。
【0023】本発明の熱硬化性被覆組成物中のアクリル
系共重合体(A)と(B)の重量比は、1/3≦(A)
/(B)≦10/3の範囲であることが好ましい。これ
は、アクリル系共重合体(A)と(B)の重量比が1/
3未満であると貯蔵安定性や塗膜の耐水性が低下する傾
向にあり、10/3を越えると塗膜の耐溶剤性や硬度が
低下する傾向にあるためであり、より好ましくは、1/
2≦(A)/(B)≦4/2の範囲である。
【0024】本発明の熱硬化性被覆組成物のカルボキシ
ル基とエポキシ基のモル比は、1/2≦カルボキシル基
/エポキシ基≦1/0.5の範囲であることが好まし
い。この範囲以外では、未反応の官能基により、塗膜の
耐水性、耐候性などが低下する傾向にあり好ましくな
い。より好ましくは、1/1.8≦カルボキシル基/エ
ポキシ基≦1/0.7の範囲である。
【0025】また、本発明の熱硬化性被覆組成物には、
耐黄変性やノンサンドリコート性をさらに向上させるた
めに、水酸基を有するアクリル系共重合体(C)をアク
リル系共重合体(A)及び(B)の合計量に対して、
0.5〜30重量%の範囲で添加することができる。こ
れは、アクリル系共重合体(C)の添加量がアクリル系
共重合体(A)及び(B)の合計量に対して0.5重量
%未満であると、塗膜の耐黄変性やノンサンドリコート
性の改良効果が十分でなく、30重量%を越えると塗膜
の硬度、耐溶剤性が低下する傾向にあるためであり、よ
り好ましくは、5〜20重量%の範囲である。
【0026】本発明のアクリル系共重合体(C)に使用
される水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等
のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル類、2−ヒドロキシエチルメタクリレートへのγ
−ブチロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチルア
クリレートへのε−カプロラクトン開環付加物、メタク
リル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、メタクリル
酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端
に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチ
レン等の他の水酸基含有ビニル系単量体類が挙げられ、
これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用
して使用することができる。これら水酸基含有単量体の
使用量としては、アクリル系共重合体(C)の水酸基当
量が250〜1000g/eqとなるような範囲である
ことが好ましく、例えば10〜50重量%であることが
好ましく、さらに好ましくは15〜40重量%の範囲で
ある。
【0027】これは、アクリル系共重合体(C)の水酸
基当量が1000g/eqを越えると塗膜のノンサンド
リコート性や耐溶剤性が低下する傾向にあり、250g
/eq未満になると塗膜の耐水性が低下する傾向にある
ためである。
【0028】本発明のアクリル系共重合体(C)に使用
されるその他の重合性単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、Sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭化
水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチ
レン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N
−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置
換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエ
チレン性不飽和塩基性単量体類、メタクリル酸、アクリ
ル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマール酸、イタ
コン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩基酸または
二塩基酸単量体類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸
モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオ
クチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、
イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、フマル酸モノメチ
ル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル
酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等の二塩基酸
または酸無水物単量体のモノエステル類、β−カルボキ
シエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロキシエ
チルアシッドサクシネート、β−(メタ)アクリロキシ
エチルアシッドマレエート、β−(メタ)アクリロキシ
エチルアシッドフタレート、β−(メタ)アクリロキシ
エチルアシッドヘキサヒドロフタレート、β−(メタ)
アクリロキシエチルアシッドメチルヘキサヒドロフタレ
ート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルアシッドサク
シネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
へのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開
環付加物の末端水酸基を無水コハク酸でエステル化して
末端にカルボキシル基を導入したコハク酸モノエステル
や2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−
カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物
(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体、
UCC社製トーンM単量体)の末端水酸基を無水フタル
酸、無水ヘキサヒドロフタル酸でエステル化したフタル
酸モノエステル、無水ヘキサヒドロフタル酸モノエステ
ル等のカプロラクトン変性水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルと酸無水物の半エステル反応生成物等の長鎖
カルボキシル基含有単量体類、グリシジル(メタ)アク
リレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量
体類等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独であ
るいは二種以上を併用して使用することができる。
【0029】本発明のアクリル系共重合体(A)、
(B)および(C)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化
重合法等の既知の重合法により製造することができる
が、溶液重合法により製造するのが好ましい。溶液重合
法により上記アクリル系共重合体を製造する場合には、
有機溶剤および重合開始剤の存在下に単量体の混合物を
共重合させる。有機溶剤としては、イソプロパノール、
n−ブタノール、トルエン、キシレン等の一般的なもの
を選択できる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチ
ロニトリル、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキ
シド等の通常用いられる重合開始剤から選択できる。ま
た、必要に応じて2−メルカプトエタノール、n−オク
チルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用することができ
る。
【0030】溶液重合法でアクリル系共重合体を製造す
る場合、一般的には、分子量をコントロールするため、
80〜160℃の範囲で重合を行なうことが好ましく、
さらに好ましくは100〜140℃の範囲である。アク
リル系共重合体として、カルボキシル基及びエポキシ基
を含有する場合には、カルボキシル基を有する単量体と
エポキシ基を有する単量体を同時に共重合させようとす
ると、カルボキシル基とエポキシ基との反応によって重
合中に著しく粘度が上昇したり、ゲル化を起こし易くな
るため、共重合体中のカルボキシル基及びエポキシ基の
含有量が極めて少量に制限される。従って、本発明のア
クリル系共重合体(A)にエポキシ基を含有させる場合
には、まず、カルボキシル基を有する単量体(必要に応
じて水酸基を有する単量体も含む)を100℃以上の温
度で共重合し、ひき続き、エポキシ基を有する単量体を
重合温度を75℃以下に下げて重合させるという二段重
合法を用いることが好ましい。同様に、アクリル系共重
合体(B)にカルボキシル基を含有させる場合には、ま
ず、エポキシ基を有する単量体(必要に応じて水酸基を
有する単量体も含む)を100℃以上の温度で共重合
し、ひき続き、カルボキシル基を有する単量体を重合温
度を75℃以下に下げて重合させるという二段重合法を
用いることが好ましい。
【0031】本発明の熱硬化性被覆組成物には、必要に
応じて、メラミン系樹脂やブロックイソシアネート系樹
脂を補助硬化剤として添加してもよい。これらは、被覆
組成物の貯蔵安定性や塗膜性能を損なわない程度に適量
添加することができるが、添加量としては、アクリル系
共重合体(A)および(B)の合計量に対して20重量
%以下が好ましい。これは、補助硬化剤の添加量が20
重量%を越えると塗膜の耐酸性が低下したり、塗膜が黄
変しやすくなる傾向にあるためである。上記以外の補助
硬化剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエス
テル、脂環式エポキシ化合物のようなエポキシ化合物類
やアルキルジオール、アルキルポリオール、アクリルポ
リオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリ
オール、ヒドロキシ化合物類等を挙げることができる。
これら補助硬化剤は、二種類以上を混合して用いても良
い。
【0032】本発明の熱硬化性被覆組成物には、硬化促
進のため触媒を含有させることができる。硬化触媒とし
ては、酸基とエステル基のエステル化反応に用いられる
公知のもので良く、例えば、4級アンモニウム塩やホス
ホニウム塩等が好ましい。具体的には、ベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアン
モニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロラ
イド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブ
チルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニル
ホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド等を挙げることができる。
【0033】また、安定性を向上させるため必要に応じ
て、スルホン酸系やリン酸系に代表される酸性化合物を
添加することができる。具体的には、パラトルエンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンスルホン酸およびこれらのアミンブロック化物、モ
ノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、モノアルキル亜
リン酸等が挙げられる。
【0034】さらに、本発明の熱硬化性被覆組成物に
は、有機ベントン、ポリアミド、マイクロゲル、繊維素
系樹脂等のようなレオロジー調節剤やシリコーンに代表
される表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、垂れ止め剤等の添加剤を必要に応じて公知の手段を
用いて適宜配合することができる。
【0035】本発明の熱硬化性被覆組成物を自動車塗装
用のクリヤーコート用塗料として使用する場合、クリヤ
ーコート層と接するベースコート層としては、本発明の
熱硬化性被覆組成物を用いることもできるが、公知の硬
化性樹脂を必要に応じて適宜使用することもできる。こ
れら熱硬化性樹脂には、揮発性の有機溶剤からなる希釈
剤、アミノ樹脂やポリイソシアネート化合物等からなる
硬化剤、アルミニウムペースト、マイカ、リン片状酸化
鉄等の光輝剤、酸化チタン、カーボンブラック、キナク
リドン等の無機顔料および有機顔料、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等の添加樹脂、さら
に表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を
必要に応じて公知の手段を用いて適宜配合することがで
きる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。例中の部および%は、全て重量基準である。 ・共重合体の物性の定義 粘度 :ガードナー・ホルト泡粘度計で測定し
た値(25℃) 不揮発分 :1gのレジンをアルミ皿上にサンプリ
ングし、150℃で1時間乾燥させたときの不揮発分の
比率 水酸基当量 :1グラム当量の水酸基を含む樹脂のグ
ラム数 酸価 :アクリル系共重合体1gを中和するの
に要する水酸化カリウムのmg数 エポキシ当量 :1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂
のグラム数 重量平均分子量:ゲルパーミュエーションクロマトグラ
フィーで測定 ・酸無水物基のハーフエステル化率 共重合体中のα、β−ジカルボン酸モノエステルモノマ
ー単位の重量部の値を酸無水物モノマー単位とα、β−
ジカルボン酸モノエステルモノマー単位の重量部の和で
割った値(%)を示す。
【0037】・塗料の物性の定義 塗装粘度 :No.4フォードカップ中の塗料が全
て落下流出するまでの秒数(20℃) ・塗膜性能の定義 目視外観 :ツヤ感や平滑性を中心に判定 光沢 :スガ試験機(株)製のデジタル変角光
沢計uGV−4Dを用いて測定(60G) 硬度 :三菱鉛筆ユニ使用(45度の角度で塗
膜を引っかいて硬度を測定) 耐酸性 :40%硫酸水溶液をスポットし、50
℃で1時間放置後水洗し、スポット跡を目視判定 耐水性 :40℃の温水に10日間浸漬後、外観
を目視判定 耐溶剤性 :ガーゼにメチルエチルケトンを浸し、
50往復ラビングテストを行った後の外観を目視判定 耐候性 :スガ試験機製サンシャインウェザーオ
メーターで1000時間評価後、50℃の温水に24時
間浸漬した塗膜の外観を目視判定 耐擦傷性 :大栄科学精器(株)製の摩擦堅牢度試
験機を用い、塗面を接触する箇所にガーゼを当て、荷重
1kgで10往復摩擦試験を行い、傷跡を目視により判
定 貯蔵安定性 :30℃で72時間放置後の塗料の状態
を示す。
【0038】◎:異常なし ○:若干粘度が上昇、実用上問題なし △:増粘、実用上問題あり ×:ゲル化、使用不可 低温硬化性 :120℃で焼き付けた塗板に、キシレ
ンを用いて上記の耐溶剤性試験を行い、試験後の塗膜の
外観を目視判定 ・ノンサンドリコート性 リン酸亜鉛処理された鋼板(30cm*90cm)に自
動車用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分間
焼き付けた。さらに、アミノアルキッド樹脂系の中塗り
塗料を塗装し、160℃で30分間焼き付けた後、塗膜
をサンディングし乾燥させ、テストピースを得た。
【0039】このテストピース上にまず、ベースコート
塗料とクリヤーコート塗料をウェットオンウェット方式
で重ね塗りし、160℃の熱風乾燥機で25分間焼き付
け、放冷後さらにサンディングしない状態でさらに同じ
ベースコート塗料とクリヤーコート塗料をウェットオン
ウェット方式で重ね塗りし、120℃の熱風乾燥機で2
5分間焼き付け、評価用多層塗膜を形成した。この積層
塗膜の1cm四方に1mm間隔で傷をつけ、100個の
碁盤目を作り、この上にセロハンテープを張り付けた後
一気に引きはがし、剥離せずに残った碁盤目の数から付
着性を評価した。
【0040】◎:剥離せずに残った面積が90/100
以上 △:剥離せずに残った面積が50/100以上90/1
00未満 ×:剥離せずに残った面積が50/100未満 ・耐冷熱クラック性 リン酸亜鉛処理された鋼板(30cm*90cm)に自
動車用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分間
焼き付けた。さらに、アミノアルキッド樹脂系の中塗り
塗料を塗装し、160℃で30分間焼き付けた後、塗膜
をサンディングし乾燥させ、テストピースを得た。
【0041】このテストピース上にまず、ベースコート
塗料とクリヤーコート塗料をウェットオンウェット方式
で重ね塗りし、120℃の熱風乾燥機で25分間焼き付
け、評価用多層塗膜を形成した。この塗板を40℃で3
0分間熱風乾燥機内に放置した後、−40℃のドライア
イスの入ったメタノールバスに入れ急冷する。メタノー
ルバス中に30分間放置した後、塗膜中のワレを判定し
た。同じ操作を5サイクル行なう。(数字は、塗板上に
ワレが発生しないサイクルの回数を表わす。◎は5サイ
クルでワレなし。) ・目視判定の基準 ◎:性能試験後の塗膜品質が試験前と変化せず、優れた
塗膜性能を維持していると判定 ○:性能試験後の塗膜品質は試験前より若干低下してい
るが、実用性能は十分有していると判定 △:性能試験後の塗膜品質が試験前より低下し、実用上
問題があると判定 ×:性能試験後の塗膜品質が試験前より著しく低下し、
実用上使用不可能と判定 (1)ベースコート用塗料(M−1)の製造例 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール10部、トルエン90部を加
え、攪拌しながら100℃に加熱した後、メチルメタク
リレート40部、エチルアクリレート30部、n−ブチ
ルアクリレート15部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート12部、メタクリル酸3部、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.6部からなるビニル系単量体と重合開始剤
の混合物を溶剤中に4時間かけて滴下した後、同温度で
3時間重合し、アクリル系共重合体(B−1)を合成し
た。得られたアクリル系共重合体(B−1)の不揮発分
は50%、重量平均分子量は40000であった。さら
に、このアクリル系共重合体(B−1)100部、ユー
バン20SE−60(三井東圧化学(株)製、ブチル化
メラミン樹脂、固形分60%)25部、アルペースト#
1700NL(東洋アルミニウム(株)製、アルミニウ
ムペースト、固形分65%)14部を混合し、ベースコ
ート塗料組成物を得た。このベースコート塗料組成物を
酢酸エチル/トルエン/ソルベッソ#150(エッソ社
製、芳香族炭化水素)=40/30/30(重量%)か
らなる混合溶剤で希釈し、ベースコート塗料組成物の粘
度をフォードカップ#4で13秒となるように調製し、
シルバーメタリック系ベースコート塗料(M−1)を得
た。
【0042】(2)アクリル系共重合体(P−1)の合
成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル50部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、メタクリル酸15部、フマー
ル酸モノブチル5部、スチレン10部、n−ブチルメタ
クリレート49.5部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト20部、アゾビスイソブチロニトリル3部からなるビ
ニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶剤中に4時間か
けて滴下し、さらにフラスコの内温を100℃で保持
し、樹脂への添加率を充分に高めたところで反応を終了
させ、アクリル系共重合体(P−1)を合成した。得ら
れたアクリル系共重合体の特性値を表1に示した。
【0043】(3)アクリル系共重合体(P−2)〜
(P−3)、(P−5)〜(P−7)、(P−10)〜
(P−12)、(P−15)〜(P−16)の合成 アクリル系共重合体(P−1)の合成方法と同様な操作
で表1に示すビニル系単量体をそれぞれ重合し、アクリ
ル系共重合体(P−2)〜(P−3)、(P−5)〜
(P−7)、(P−10)〜(P−12)、(P−1
5)〜(P−16)を合成した。得られた共重合体の特
性値を表1に示した。
【0044】(4)アクリル系共重合体(P−4)の合
成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル50部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、メタクリル酸5部、無水マレ
イン酸0.5部、マレイン酸モノメチル2部、β−メタ
クリロキシエチルアシッドヘキサヒドロフタレート15
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14部、スチ
レン26部、n−ブチルメタクリレート9部、ラウリル
メタクリレート18.5部、アゾビスイソブチロニトリ
ル3部からなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物を
溶剤中に4時間かけて滴下した。その後フラスコの内温
を75℃に低下させ、さらに、グリシジルメタクリレー
ト2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、ス
チレン4部、n−ブチルメタクリレート1部、ラウリル
メタクリレート2部、アゾビスジメチルバレロニトリル
1部からなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶
剤中に2時間かけて滴下した。滴下後、フラスコの内温
を75℃で保持して樹脂への添加率を充分に高めたとこ
ろで反応を終了させ、アクリル系共重合体(P−4)を
合成した。得られたアクリル系共重合体の特性値を表1
に示した。
【0045】(5)アクリル系共重合体(P−8)の合
成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル50部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、無水マレイン酸5部、メタク
リル酸10部、酢酸ブチル20部、n−ブチルメタクリ
レート10部、スチレン40部、2−エチルヘキシルア
クリレート33.5部、アゾビスイソブチロニトリル2
部、t−ブチルイソプロピルカーボネート4部からなる
ビニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶剤中に4時間
かけて滴下し、さらにフラスコの内温を100℃で保持
し、樹脂への添加率を充分に高めた。その後フラスコの
内温を70℃に低下させ、さらに、メタノール1.47
部、トリエチルアミン0.2部を加え、70℃で7時間
反応させ、酸無水物基の減少をIRで確認したところで
反応を終了させ、ハーフエステル化率92%のアクリル
系共重合体(P−8)を合成した。得られたアクリル系
共重合体の特性値を表1に示した。結果的に得られたア
クリル系共重合体(P−8)は、モノマー単位の合計を
100部とした場合、6.0部のマレイン酸モノメチル
モノマー単位と0.5部の無水マレイン酸モノマー単位
を有していた。
【0046】(6)アクリル系共重合体(P−9)の合
成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル50部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、無水マレイン酸8部、メタク
リル酸5部、酢酸ブチル20部、n−ブチルメタクリレ
ート14.8部、スチレン30部、2−エチルヘキシル
アクリレート40部、アゾビスイソブチロニトリル2
部、t−ブチルイソプロピルカーボネート2部からなる
ビニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶剤中に4時間
かけて滴下し、さらにフラスコの内温を100℃で保持
し、樹脂への添加率を充分に高めた。その後フラスコの
内温を80℃に低下させ、さらに、メタノール2.22
部、トリエチルアミン0.17部を加え、80℃で7時
間反応させ、酸無水物基の減少をIRで確認したところ
で反応を終了させ、ハーフエステル化率が88%のアク
リル系共重合体(P−9)を合成した。得られたアクリ
ル系共重合体の特性値を表1に示した。結果的に得られ
たアクリル系共重合体(P−9)は、モノマーの合計を
100部とした場合、9.0部のマレイン酸モノメチル
モノマー単位と1.2部の無水マレイン酸モノマー単位
を有していた(酸無水物のハーフエステル化率は85%
である)。
【0047】(7)アクリル系共重合体(P−13)〜
(P−14)の合成 アクリル系共重合体(P−9)の合成方法と同様な操作
で表1に示すビニル系単量体をそれぞれ重合し、アクリ
ル系共重合体(P−13)〜(P−14)を合成した。
得られた共重合体の特性値を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】*1:( )内の数字は対応する酸無水物
モノマーを共重合し、アルカノールによりジカルボン酸
モノエステル化してポリマー構造中に導入されたジカル
ボン酸モノエステルの含有量および最終的に残存する無
水マレイン酸の含有量のことである。
【0050】(8)アクリル系共重合体(P−17)の
合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール20部、ソルベッソ#100
(エッソ社製、芳香族石油誘導体)80部を加え、攪拌
しながら120℃に加熱した後、グリシジルメタクリレ
ート30部、スチレン30部、2−エチルヘキシルメタ
クリレート23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート
7部、n−ブチルメタクリレート10部、アゾビスイソ
ブチロニトリル3部、t−ブチルイソプロピルカーボネ
ート7部からなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物
を溶剤中に4時間かけて滴下し、さらにフラスコの内温
を120℃で保持し、樹脂への添加率を充分に高めたと
ころで反応を終了させ、アクリル系共重合体(P−1
7)を合成した。得られたアクリル系共重合体の特性値
を表2に示した。
【0051】(9)アクリル系共重合体(P−18)、
(P−20)〜(P−23)の合成 アクリル系共重合体(P−18)の合成方法と同様な操
作で表2に示すビニル系単量体をそれぞれ重合し、アク
リル系共重合体(P−18)、(P−20)〜(P−2
3)を合成した。得られた共重合体の特性値を表2に示
した。
【0052】(10)アクリル系共重合体(P−19)
の合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール20部、ソルベッソ#100
(エッソ社製、芳香族石油誘導体)80部を加え、攪拌
しながら120℃に加熱した後、グリシジルメタクリレ
ート40部、2−ヒドロキシエチルアクリレート9部、
スチレン18部、2−エチルヘキシルメタクリレート1
8部、n−ブチルメタクリレート5部、アゾビスイソブ
チロニトリル3部、t−ブチルイソプロピルカーボネー
ト7部からなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物を
溶剤中に4時間かけて滴下した。その後フラスコの内温
を70℃に低下させ、さらに、メタクリル酸4部、2−
エチルヘキシルメタクリレート2部、スチレン2部、2
−ヒドロキシエチルアクリレート1部、n−ブチルメタ
クリレート1部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部
からなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶剤中
に2時間かけて滴下した。滴下後、フラスコの内温を7
0℃で保持して樹脂への添加率を充分に高めたところで
反応を終了させ、アクリル系共重合体(P−19)を合
成した。得られたアクリル系共重合体の特性値を表2に
示した。
【0053】
【表2】
【0054】(11)アクリル系共重合体(P−24)
の合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール20部、ソルベッソ#100
(エッソ社製、芳香族石油誘導体)80部を加え、攪拌
しながら120℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート20部、スチレン30部、n−ブチルメ
タクリレート20部、n−ブチルアクリレート29部、
メタクリル酸1部、アゾビスイソブチロニトリル3部か
らなるビニル系単量体と重合開始剤の混合物を溶剤中に
4時間かけて滴下し、さらにフラスコの内温を120℃
で保持し、樹脂への添加率を充分に高めたところで反応
を終了させ、アクリル系共重合体(P−24)を合成し
た。得られたアクリル系共重合体の特性値を表3に示し
た。また、アクリル系共重合体(P−24)の合成方法
と同様な操作で表3に示すビニル系単量体をそれぞれ重
合し、アクリル系共重合体(P−25)を合成した。得
られた共重合体の特性値を表3に示した。
【0055】
【表3】
【0056】(12)クリヤーコート用塗料の調製 表1、表2、表3記載のアクリル系共重合体を表4およ
び表5記載の割合で配合し、攪拌混合後、混合溶剤(ソ
ルベッソ#100/セロソルブアセテート=50/50
(重量比)を添加し、塗装粘度が25秒(フォードカッ
プNo.4使用、測定温度20秒)となるように希釈し
て、クリヤーコート用塗料を調製した。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】(表中記載の数字はすべて固形分基準であ
る。) *1)モンサント社製、表面調整剤 *2)硬化触媒:ベンジルトリブチルアンモニウムクロ
リド *3)三井東圧化学(株)製、ブチル化メラミン樹脂
(不揮発分60%) *4)ナガセ化成(株)製、ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル 実施例1〜11および比較例1〜13 リン酸亜鉛処理された鋼板(30cmx90cm)に自
動車用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分間
焼き付けた。さらに、アミノアルキッド樹脂系の中塗り
塗料を塗装し、160℃で30分間焼き付けた後塗膜を
水研し、乾燥させた。この塗膜上に、まずベースコート
塗料(M−1)を乾燥膜厚が15μmとなるように塗装
し、5分間放置した後、表4または表5記載のクリヤー
コート用塗料を乾燥膜厚が30μmとなるようにウェッ
トオンウェット方式で重ね塗りした。未乾燥の重ね塗り
塗膜を室温で15分間放置後、140℃の熱風乾燥機で
30分間焼き付けて(耐冷熱クラック性評価用サンプル
は120℃x25分間で焼き付け)2コート1ベーク方
式による多層塗膜を形成した。得られた多層塗膜の塗膜
性能を表6および表7に示した。
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】本発明の実施例1〜11の熱硬化性被覆組
成物は、優れた貯蔵安定性、低温硬化性を持ち、塗膜性
能も優れていた。これに対して、本発明が規定する条件
を満たさない比較例1〜13の熱硬化性被覆組成物は、
貯蔵安定性、低温硬化性、塗膜性能ともに低位なもので
あった。
【0063】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明のアクリル系共重合体を含有する熱硬化被覆組成物
は、貯蔵安定性、低温硬化性に優れ、さらに、これを用
いることによって、塗膜性能にも優れた塗膜の提供が可
能であり、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 一彦 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 岩瀬 国男 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 竹内 浩史 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸無水物基の50〜98%がハーフエス
    テル化されたモノマー単位を0.5〜40重量%含有す
    るアクリル系共重合体(A)と、エポキシ基を有するア
    クリル系共重合体(B)を含有する熱硬化性被覆組成
    物。
  2. 【請求項2】 水酸基を有するアクリル系共重合体
    (C)を含有する請求項1記載の熱硬化性被覆組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10140077A (ja) * 1996-11-14 1998-05-26 Kansai Paint Co Ltd 自動車上塗り塗料及びそれを用いた塗膜形成方法
WO2007055038A1 (ja) * 2005-11-10 2007-05-18 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha アクリルゴム組成物

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