JPH08243734A - Al系製品の製造方法 - Google Patents

Al系製品の製造方法

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JPH08243734A JP5298795A JP5298795A JPH08243734A JP H08243734 A JPH08243734 A JP H08243734A JP 5298795 A JP5298795 A JP 5298795A JP 5298795 A JP5298795 A JP 5298795A JP H08243734 A JPH08243734 A JP H08243734A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐蝕性に優れたAl系製品を提供することを
目的とする。 【構成】 芯材の表面に少なくともSi及びZnを含む
Al−Si−Zn系合金ろう材が設けられたAl材料が
用いられた製品の製造方法であって、前記ろう材による
ろう付け作業の後、100〜400℃の温度で3分以上
の熱処理を行うAl系製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al−Si−Zn系合
金をろう材として用いた熱交換器等の製品の製造方法に
関するものである。
【0002】
【発明の背景】芯材の表面にろう材が貼り合わされたブ
レージングシートを用いてフィン(あるいはチューブ)
を作製し、このフィンとチューブとを組み合わし、ろう
付けすることによって熱交換器が製造されている。この
熱交換器に要求されている特性の一つとして耐蝕性に富
むことが挙げられる。すなわち、腐食環境下に置かれて
いると、徐々に腐食が進行する。この為、各種の耐蝕性
技術が提案されている。しかし、更なる耐蝕性技術が求
められている。
【0003】
【発明の開示】前記の問題点に対する研究が本発明者に
よって鋭意押し進められた。先ず、従来の製品について
の検討が行われた。すなわちアルミニウム又はアルミニ
ウム合金製(Al製)熱交換器において、ブレージング
シートを用いて構成したフィンとチューブとを結合して
いるろう材(Al−Si−Zn系合金)が如何なる状態
にあるかを検討した。ろう付けに際して溶融したAl−
Si−Zn系合金は冷却する過程において、先ず、初晶
α相が析出し、成長する。そして、共晶温度に至った時
点で液相が凝固し、共晶相が形成され、そして室温まで
冷却される。この時、理論的には、初晶α相のSi固溶
度と共晶α相のSi固溶度とは同じである。しかし、凝
固後の冷却過程で、共晶α相のSiは析出し易く、この
ため共晶α相のSi固溶度は初晶α相のSi固溶度より
低くなっていることが判って来た。ところで、共晶α相
のSi固溶度が初晶α相のSi固溶度より低いと言うこ
とは、共晶α相は初晶α相よりも電気化学的に卑な状態
にある。この為、腐食環境下にあると、共晶α相が優先
的に溶解してしまい、残った初晶α相が脱落し、この脱
落による減量が溶解減量よりも大きく寄与し、腐食速度
が高くなると考えられた。この結果、フィンとチューブ
とが外れてしまい易くなる。
【0004】又、前記のような腐食(粒界腐食)が進行
して行くと、ブレージングシートの芯材が露出し、孔食
が芯材にまで進み易く、貫通孔が形成され易い。これが
チューブの場合には致命的なものとなる。そして、ろう
材と芯材との関係を鑑みると、芯材内部との電位差が最
も大きいのは共晶α相であるが、この共晶α相における
Si固溶度は充分に小さいものではないから前記電位差
が充分なものとは言えない。この為、ろう材に充分な犠
牲陽極効果を期待することは出来ない。
【0005】このようなことから、初晶α相のSi固溶
度と共晶α相のSi固溶度とを同等にすることが大事で
あると考えられた。特に、初晶α相のSi固溶度と共晶
α相のSi固溶度とを同等にし、かつ、Si固溶量を低
くすることが好ましいことが判って来た。すなわち、斯
の如くにしていると、ろう材のα相における電気化学的
特性が等しくなり、初晶α相と共晶α相とは略同時に溶
解し、全面溶解となって粒界腐食が起き難いものとな
る。更には、α相は内部の芯材に対して大きな電位差を
持つ卑なものとなり、犠牲陽極効果が発揮され、芯材の
孔食が起き難いものとなる。
【0006】このような状態を達成する為には、ろう付
け作業後に熱処理を施せば良いことが判った。すなわ
ち、ろう付け作業後に熱処理を施すと、初晶α相に固溶
したSi量と共晶α相に固溶したSi量とが同等に、か
つ、Si固溶量が低くなり、電気化学的特性は均等に、
かつ、芯材に対して卑なものとなる。このような知見を
基にして本発明が達成されたものであり、耐蝕性に優れ
たAl系製品を提供することを目的とする。
【0007】この本発明の目的は、芯材の表面に少なく
ともSi及びZnを含むAl−Si−Zn系合金ろう材
が設けられたAl材料が用いられた製品の製造方法であ
って、前記ろう材によるろう付け作業の後、100〜4
00℃の温度で3分以上の熱処理を行うことを特徴とす
るAl系製品の製造方法によって達成される。又、少な
くともMnを含むAl合金からなる芯材の表面に少なく
ともSi及びZnを含むAl−Si−Zn系合金ろう材
が設けられたAl材料が用いられた製品の製造方法であ
って、前記ろう材によるろう付け作業の後、100〜4
00℃の温度で3分以上の熱処理を行うことを特徴とす
るAl系製品の製造方法によって達成される。
【0008】又、Cu,Si,Zr,Tiの群の中から
選ばれる少なくとも一種、及びMnを含むAl合金から
なる芯材の表面に少なくともSi及びZnを含むAl−
Si−Zn系合金ろう材が設けられたAl材料が用いら
れた製品の製造方法であって、前記ろう材によるろう付
け作業の後、100〜400℃の温度で3分以上の熱処
理を行うことを特徴とするAl系製品の製造方法によっ
て達成される。
【0009】尚、上記Al材料は、芯材の表面(片面ま
たは両面)にろう材が貼り合わされた(クラッドされ
た)ブレージングシートであったり、芯材の表面にろう
材粉末(粒子)を溶射若しくはバインダによって付けた
シートが挙げられる。このようなシートを用いてフィン
を成形したりチューブを成形する。本発明におけるろう
材はAl−Si−Zn系合金である。特に、Si含有量
が3〜15wt%(より好ましくは3〜11wt%、も
っと好ましくは5〜10wt%)、Zn含有量が0.1
〜15wt%(より好ましくは0.1〜10wt%、も
っと好ましくは1〜10wt%)、残部がAlと不可避
不純物とからなる。又、更に、0.001〜0.1wt
%のIn、0.01〜0.07wt%のBe、0.02
〜0.20wt%のBi等を含んでいても良い。
【0010】芯材としては純AlあるいはAl合金であ
る。機械的強度が要求されない場合には純Alでも良
い。しかしながら、機械的強度を要求されることが多
く、このような場合にはAl合金が用いられる。特に、
Mn含有量が0.1〜1.5wt%のAl合金が用いら
れる。又、0.05〜0.5wt%のCu、0.3〜
1.2wt%のSi、0.01〜0.15wt%のZ
r、0.01〜0.2wt%のTiの中の一種または二
種以上と0.1〜1.5wt%のMnとを少なくとも含
有するAl合金が用いられる。このようなAl−Mn系
合金あるいはAl−Mn−X系合金を用いることによっ
て、芯材として必要な機械的強度が確保される。
【0011】上記Al材料で作製されたシートを用いて
構成した熱媒体の流路である管(チューブ、パテプ)と
Al製フィンとを組み合わし、ろう付けした後、冷却す
る。この冷却後の製品を100〜400℃の温度で3分
以上(好ましくは10分以上)熱処理する。熱処理温度
が低い場合には、初晶α相のSiの固溶度と共晶α相の
Siの固溶度との差をなくすことが出来なかったことよ
り、100℃以上とした。逆に、高くなり過ぎると、冷
却時の析出過程において同じような固溶度差が生じ、本
発明の熱処理の意味がなくなることから、400℃以下
とした。尚、好ましい熱処理温度は200〜300℃で
ある。又、熱処理時間が短い場合には、初晶α相のSi
の固溶度と共晶α相のSiの固溶度との差をなくすこと
が出来なかったことより、3分以上とした。熱処理時間
は長くても差し支えなかったが、生産効率を考えると1
0時間以内である。好ましい熱処理時間は10分〜10
時間である。
【0012】以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0013】
【実施例】
〔実施例1〕不可避不純物しか含まない純Alからなる
芯材の両面に、Siが8wt%、Znが3wt%で、残
部がAlと不可避不純物からなるAl−8Si−3Zn
合金ろう材をクラッド(クラッド率は片面10%)した
0.4mm厚のブレージングシートを用意した。そし
て、このブレージングシートを用いてチューブを構成し
た。
【0014】このチューブとAl製フィンとを組み合わ
せ、不活性雰囲気下においてフッ化物系のフラックスを
用いたろう付け手段により600℃、3分間のろう付け
を実施し、チューブとフィンとを結合した。この熱交換
器を表−1に示す条件で熱処理し、この後は空冷によっ
て徐々に室温まで冷却し、耐蝕性テストを行ったので、
その結果を表−1に示す。
【0015】 表−1熱処理条件 ろう材電位(mVvsSCE) 耐蝕性 熱処理なし(ろう付のまま) −870 やや局部腐食型 孔食深さ0.12mm ろう付後50℃で50時間 −875 やや局部腐食型 孔食深さ0.12mm ろう付後130℃で5時間 −960 全面腐食型 孔食深さ0.04mm ろう付後200℃で3時間 −955 全面腐食型 孔食深さ0.04mm ろう付後300℃で1時間 −950 全面腐食型 孔食深さ0.05mm ろう付後300℃で30分間 −950 全面腐食型 孔食深さ0.05mm ろう付後300℃で10分間 −948 全面腐食型 孔食深さ0.06mm ろう付後400℃で3分間 −920 全面腐食型 孔食深さ0.07mm ろう付後450℃で10分間 −900 やや局部腐食型 孔食深さ0.13mm *耐蝕性テストは、酸性塩水噴霧試験を1日間実施し、ろう材の腐食形態を調 べると共に、同様の試験を30日間実施し、孔食深さを調べた。
【0016】〔実施例2〕実施例1において、芯材とし
てAl−1.2Mn−0.15Cu合金を用い、かつ、
ろう材としてAl−8Si−1Zn合金を用いた他は同
様に行い、耐蝕性テストを行ったので、その結果を表−
2に示す。 表−2熱処理条件 ろう材電位(mVvsSCE) 耐蝕性 熱処理なし(ろう付のまま) −760 やや局部腐食型 孔食深さ0.15mm ろう付後50℃で50時間 −763 やや局部腐食型 孔食深さ0.15mm ろう付後130℃で5時間 −910 全面腐食型 孔食深さ0.03mm ろう付後200℃で3時間 −906 全面腐食型 孔食深さ0.04mm ろう付後300℃で1時間 −900 全面腐食型 孔食深さ0.03mm ろう付後300℃で30分間 −900 全面腐食型 孔食深さ0.04mm ろう付後300℃で10分間 −900 全面腐食型 孔食深さ0.02mm ろう付後400℃で3分間 −890 全面腐食型 孔食深さ0.02mm ろう付後450℃で10分間 −878 やや局部腐食型 孔食深さ0.14mm 〔実施例3〕実施例1において、芯材としてAl−1.
2Mn−0.5Cu−0.6Si−0.1Zr合金を用
い、かつ、ろう材としてAl−8Si−1Zn合金を用
いた他は同様に行い、耐蝕性テストを行ったので、その
結果を表−3に示す。
【0017】 表−3熱処理条件 ろう材電位(mVvsSCE) 耐蝕性 熱処理なし(ろう付のまま) −750 やや局部腐食型 孔食深さ0.15mm ろう付後50℃で50時間 −690 やや局部腐食型 孔食深さ0.13mm ろう付後130℃で5時間 −915 全面腐食型 孔食深さ0.04mm ろう付後200℃で3時間 −909 全面腐食型 孔食深さ0.06mm ろう付後300℃で1時間 −900 全面腐食型 孔食深さ0.05mm ろう付後300℃で30分間 −900 全面腐食型 孔食深さ0.05mm ろう付後300℃で10分間 −902 全面腐食型 孔食深さ0.05mm ろう付後400℃で3分間 −880 全面腐食型 孔食深さ0.06mm ろう付後450℃で10分間 −860 やや局部腐食型 孔食深さ0.14mm 〔比較例〕実施例1において、芯材としてAl−1.2
Mn−0.15Cu合金を用い、かつ、ろう材としてA
l−8Si合金を用いた他は同様に行い、耐蝕性テスト
を行ったので、その結果を表−4に示す。
【0018】 表−4熱処理条件 ろう材電位(mVvsSCE) 耐蝕性 熱処理なし(ろう付のまま) −740 孔食深さ0.40mm ろう付後50℃で50時間 −740 孔食深さ0.35mm ろう付後130℃で5時間 −740 孔食深さ0.32mm ろう付後200℃で3時間 −750 孔食深さ0.34mm ろう付後300℃で1時間 −760 孔食深さ0.36mm ろう付後300℃で30分間 −755 孔食深さ0.37mm ろう付後300℃で10分間 −753 孔食深さ0.35mm ろう付後400℃で3分間 −762 孔食深さ0.34mm ろう付後450℃で10分間 −745 孔食深さ0.35mm
【0019】
【効果】本発明によれば、耐蝕性に優れたAl製熱交換
器などの製品が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の表面に少なくともSi及びZnを
    含むAl−Si−Zn系合金ろう材が設けられたAl材
    料が用いられた製品の製造方法であって、前記ろう材に
    よるろう付け作業の後、100〜400℃の温度で3分
    以上の熱処理を行うことを特徴とするAl系製品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 少なくともMnを含むAl合金からなる
    芯材の表面に少なくともSi及びZnを含むAl−Si
    −Zn系合金ろう材が設けられたAl材料が用いられた
    製品の製造方法であって、前記ろう材によるろう付け作
    業の後、100〜400℃の温度で3分以上の熱処理を
    行うことを特徴とするAl系製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 Cu,Si,Zr,Tiの群の中から選
    ばれる少なくとも一種、及びMnを含むAl合金からな
    る芯材の表面に少なくともSi及びZnを含むAl−S
    i−Zn系合金ろう材が設けられたAl材料が用いられ
    た製品の製造方法であって、前記ろう材によるろう付け
    作業の後、100〜400℃の温度で3分以上の熱処理
    を行うことを特徴とするAl系製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 Al材料は、芯材の表面にろう材が貼り
    合わされたものであることを特徴とする請求項1〜請求
    項3いずれかのAl系製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 Al材料は、芯材の表面にろう材粒子が
    設けられたものであることを特徴とする請求項1〜請求
    項3いずれかのAl系製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 ろう材は、Si含有量が3〜15wt
    %、Zn含有量が0.1〜15wt%、必要に応じてI
    nを0.001〜0.1wt%、Beを0.01〜0.
    07wt%、及びBiを0.02〜0.20wt%、そ
    して残部がAlと不可避不純物であることを特徴とする
    請求項1〜請求項5いずれかのAl系製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 Al合金からなる芯材におけるMn含有
    量が0.1〜1.5wt%であることを特徴とする請求
    項2又は請求項3のAl系製品の製造方法。
  8. 【請求項8】 Al合金からなる芯材におけるCuを含
    有した場合のCu含有量は0.05〜0.5wt%、S
    iを含有した場合のSi含有量は0.3〜1.2wt
    %、Zrを含有した場合のZr含有量は0.01〜0.
    15wt%、Tiを含有した場合のTi含有量は0.0
    1〜0.2wt%であることを特徴とする請求項3のA
    l系製品の製造方法。
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