JPH08243785A - 片面溶接用固形裏当材 - Google Patents
片面溶接用固形裏当材Info
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- JPH08243785A JPH08243785A JP4889595A JP4889595A JPH08243785A JP H08243785 A JPH08243785 A JP H08243785A JP 4889595 A JP4889595 A JP 4889595A JP 4889595 A JP4889595 A JP 4889595A JP H08243785 A JPH08243785 A JP H08243785A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はガスシールドアーク溶接等による片
面溶接において、形状、外観が良好で欠陥のない裏ビー
ドが得られる片面溶接用固形裏当材を提供する。 【構成】 固形フラックス面が平板状で、耐火性酸化物
粒子の平均粒径の最大が500μm であり、かつ固形フ
ラックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050ca
l/cm・sec・℃であることを特徴とする。 【効果】 上記構成により開先ギャップの広い箇所にお
いても、アンダーカットやオーバーラップ等の欠陥がな
く、裏ビードの出すぎも抑えることができる。
面溶接において、形状、外観が良好で欠陥のない裏ビー
ドが得られる片面溶接用固形裏当材を提供する。 【構成】 固形フラックス面が平板状で、耐火性酸化物
粒子の平均粒径の最大が500μm であり、かつ固形フ
ラックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050ca
l/cm・sec・℃であることを特徴とする。 【効果】 上記構成により開先ギャップの広い箇所にお
いても、アンダーカットやオーバーラップ等の欠陥がな
く、裏ビードの出すぎも抑えることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種溶接構造物の片面
溶接に用いて良好な裏ビードが得られる固形裏当材に関
するものである。
溶接に用いて良好な裏ビードが得られる固形裏当材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、造船、鉄骨、橋梁等の溶接構造
物を製作する際には、継手部の両面溶接が不可能な場合
が多く、また溶接工程の能率を上げるために、ガスシー
ルドアーク溶接等による片面溶接が広く行われている。
この片面溶接には、裏ビードを形成させるために、Si
O2 、MgO、Al2 O3 、ZrO2 等の耐火性酸化物
を固化、成形した固形裏当材が多用されている。この種
の片面溶接用固形裏当材(以下固形裏当材という)とし
ては、例えば特開昭59−137193号公報、特開平
1−266988号公報等による固形フラックスの組
成、特公昭53−16367号公報、特公平6−696
37号公報等による固形フラックスの形状についての提
案がある。また、特公昭49−31859号公報は、耐
火物を用いて行う突き合わせ溶接法を提案したものであ
る。
物を製作する際には、継手部の両面溶接が不可能な場合
が多く、また溶接工程の能率を上げるために、ガスシー
ルドアーク溶接等による片面溶接が広く行われている。
この片面溶接には、裏ビードを形成させるために、Si
O2 、MgO、Al2 O3 、ZrO2 等の耐火性酸化物
を固化、成形した固形裏当材が多用されている。この種
の片面溶接用固形裏当材(以下固形裏当材という)とし
ては、例えば特開昭59−137193号公報、特開平
1−266988号公報等による固形フラックスの組
成、特公昭53−16367号公報、特公平6−696
37号公報等による固形フラックスの形状についての提
案がある。また、特公昭49−31859号公報は、耐
火物を用いて行う突き合わせ溶接法を提案したものであ
る。
【0003】ところで、大形溶接構造物の現場施工にお
いては、被溶接部材の開先加工精度、取付け精度あるい
は溶接歪による変形などにより、継手部の開先ギャップ
にばらつきが生じやすい。溶接中の開先ギャップの変動
は裏ビードの出具合に大きく影響し、開先ギャップが小
さすぎる箇所では裏ビードが出にくい。そのため、ある
程度電流を高めた溶接条件で行うが、他方、開先ギャッ
プが大きすぎる箇所ではアークの直射を受ける固形フラ
ックスの面積が広くなることに加えて溶着量確保のため
に溶接速度が必然的に遅くなるので固形フラックスの溶
融が進み、裏ビードの出すぎ、形状、外観の劣化、アン
ダーカット、メタル垂れ、スラグ巻き込みなどの溶接欠
陥が発生しやすくなる。特に横向や立向溶接におけるア
ンダーカットは手直しの補修が必要であり、また下向溶
接においても裏ビードの出すぎは開先内の溶着量が減
り、溶接パス数が増えるので能率を低下させる。
いては、被溶接部材の開先加工精度、取付け精度あるい
は溶接歪による変形などにより、継手部の開先ギャップ
にばらつきが生じやすい。溶接中の開先ギャップの変動
は裏ビードの出具合に大きく影響し、開先ギャップが小
さすぎる箇所では裏ビードが出にくい。そのため、ある
程度電流を高めた溶接条件で行うが、他方、開先ギャッ
プが大きすぎる箇所ではアークの直射を受ける固形フラ
ックスの面積が広くなることに加えて溶着量確保のため
に溶接速度が必然的に遅くなるので固形フラックスの溶
融が進み、裏ビードの出すぎ、形状、外観の劣化、アン
ダーカット、メタル垂れ、スラグ巻き込みなどの溶接欠
陥が発生しやすくなる。特に横向や立向溶接におけるア
ンダーカットは手直しの補修が必要であり、また下向溶
接においても裏ビードの出すぎは開先内の溶着量が減
り、溶接パス数が増えるので能率を低下させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現場施工に
おける上記片面溶接の問題点の改善要望に対し、開先ギ
ャップの変動に対する適用性が広く、良好な裏ビードが
安定して得られる片面溶接用固形裏当材を提供すること
を目的とする。
おける上記片面溶接の問題点の改善要望に対し、開先ギ
ャップの変動に対する適用性が広く、良好な裏ビードが
安定して得られる片面溶接用固形裏当材を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)被溶接部材の開先に接する固形フラックス面が平
板状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸化物粒子
の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固形フラッ
クスの熱伝導率が0.0015〜0.0050cal/
cm・sec・℃であることを特徴とする片面溶接用固
形裏当材。
ろは下記のとおりである。 (1)被溶接部材の開先に接する固形フラックス面が平
板状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸化物粒子
の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固形フラッ
クスの熱伝導率が0.0015〜0.0050cal/
cm・sec・℃であることを特徴とする片面溶接用固
形裏当材。
【0006】(2)被溶接部材の開先に接する固形フラ
ックス面に連続して深さ1.0mm未満で任意の幅の溝
がある形状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸化
物粒子の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固形
フラックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050c
al/cm・sec・℃であることを特徴とする片面溶
接用固形裏当材。
ックス面に連続して深さ1.0mm未満で任意の幅の溝
がある形状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸化
物粒子の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固形
フラックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050c
al/cm・sec・℃であることを特徴とする片面溶
接用固形裏当材。
【0007】
【作用】図1に固形裏当材を用いて行う横向片面溶接状
況の例を示す。アーク2により被溶接部材4の開先に接
して固定された固形フラックス5の一部が溶融し、ワイ
ヤ1から生成する溶融スラグとともに適度の厚さをもっ
た溶融スラグ層6が溶融金属プール3を保持するように
形成される。この溶融スラグ層6は溶融金属プール3を
安定に保持し、裏ビード形成のための機能をもつ。
況の例を示す。アーク2により被溶接部材4の開先に接
して固定された固形フラックス5の一部が溶融し、ワイ
ヤ1から生成する溶融スラグとともに適度の厚さをもっ
た溶融スラグ層6が溶融金属プール3を保持するように
形成される。この溶融スラグ層6は溶融金属プール3を
安定に保持し、裏ビード形成のための機能をもつ。
【0008】このような片面溶接において、従来市販の
固形裏当材を用いた場合、開先ギャップが大きい箇所に
さしかかると固形フラックスの掘り込みが進み、溶融ス
ラグ層が過剰に形成される結果、溶融プールの保持力が
損なわれ、裏ビードが出すぎたり、図2に示すように、
溶接金属7の上板側にはアンダーカット8が発生し、ま
た下板側にはメタル垂れによるオーバーラップ9が発生
しやすくなる。
固形裏当材を用いた場合、開先ギャップが大きい箇所に
さしかかると固形フラックスの掘り込みが進み、溶融ス
ラグ層が過剰に形成される結果、溶融プールの保持力が
損なわれ、裏ビードが出すぎたり、図2に示すように、
溶接金属7の上板側にはアンダーカット8が発生し、ま
た下板側にはメタル垂れによるオーバーラップ9が発生
しやすくなる。
【0009】本発明者らは種々の試作固形裏当材により
溶接後の裏ビードと固形フラックスの溶融凝固状態との
対比を行った。その結果、裏ビードの出すぎを抑え、上
記溶接欠陥の発生を防止するためには、溶融スラグ層を
あまり厚くしないで、生成した溶融スラグ層は溶融金属
を滑らかに被包した状態のまま速やかに凝固を開始させ
ることが好ましいことが分かった。
溶接後の裏ビードと固形フラックスの溶融凝固状態との
対比を行った。その結果、裏ビードの出すぎを抑え、上
記溶接欠陥の発生を防止するためには、溶融スラグ層を
あまり厚くしないで、生成した溶融スラグ層は溶融金属
を滑らかに被包した状態のまま速やかに凝固を開始させ
ることが好ましいことが分かった。
【0010】図3に本発明の固形裏当材の固形フラック
ス部の形状例を示す。図3(a)は開先に接する固形フ
ラックス面に溝を設けない固形裏当材であり、図3
(b)は溝を設けた固形裏当材(H:1.0mm未満、
W:任意)である。なお固形フラックスの長さ、厚さ、
開先と反対面に溝を設けること、また固形裏当材を溶接
部材に固定するために接着剤を塗布したアルミニウム箔
10を取り付けること等は従来一般的な固形裏当材と同
様でよく、施工に当たって適宜選択できる。
ス部の形状例を示す。図3(a)は開先に接する固形フ
ラックス面に溝を設けない固形裏当材であり、図3
(b)は溝を設けた固形裏当材(H:1.0mm未満、
W:任意)である。なお固形フラックスの長さ、厚さ、
開先と反対面に溝を設けること、また固形裏当材を溶接
部材に固定するために接着剤を塗布したアルミニウム箔
10を取り付けること等は従来一般的な固形裏当材と同
様でよく、施工に当たって適宜選択できる。
【0011】本発明の固形裏当材は、まず開先に接する
固形フラックス面に溝がなく、平板状であることを特徴
とする。これにより開先ギャップが大きい箇所でも溶融
スラグ層を適度の厚さ範囲にコントロールできる。図4
(a)に固形フラックス面に溝を設けない固形裏当材を
用いた場合の溶接中のアーク状態および固形フラックス
の溶融状態の観察結果を示す。アーク2は固形フラック
ス面に当たり反射するように広がる傾向を示し、このと
き固形フラックスの掘り込みは小さくなり、溶融スラグ
量も少ない。これに対して図4(b)は、従来一般的に
用いられている深さ1.0mm以上の溝が設けられた固
形裏当材を用いた場合で、溝のコーナー部は溶融しやす
く、スラグ生成量が多くなる。また、裏ビードの出具合
は溝の深さに比例して大きくなる。
固形フラックス面に溝がなく、平板状であることを特徴
とする。これにより開先ギャップが大きい箇所でも溶融
スラグ層を適度の厚さ範囲にコントロールできる。図4
(a)に固形フラックス面に溝を設けない固形裏当材を
用いた場合の溶接中のアーク状態および固形フラックス
の溶融状態の観察結果を示す。アーク2は固形フラック
ス面に当たり反射するように広がる傾向を示し、このと
き固形フラックスの掘り込みは小さくなり、溶融スラグ
量も少ない。これに対して図4(b)は、従来一般的に
用いられている深さ1.0mm以上の溝が設けられた固
形裏当材を用いた場合で、溝のコーナー部は溶融しやす
く、スラグ生成量が多くなる。また、裏ビードの出具合
は溝の深さに比例して大きくなる。
【0012】また、本発明の固形裏当材は固形フラック
ス面に1.0mm未満の溝を設けることができる。固形
フラックス面の溝が1.0mm未満であれば、上記溝を
設けない固形裏当材とほとんど同等の効果を発揮し、さ
らなる効果として、被溶接部材の開先に若干の吸湿があ
ったり、ガス発生量が多めのフラックス入りワイヤを使
用した場合に、裏ビード表面に発生しやすいあばたや凹
凸を防止できる。つまり、固形フラックス面に設けられ
た1.0mm未満の溝は、固形フラックスの掘り込みを
増大させることなく溶接中に発生するガスの逃げ道とし
て有効に作用する。溝の幅については被溶接部材の開先
ギャップの変動の度合いに応じて任意に選択できるが、
極めて浅い溝であるため、溝幅が同一のものを用いた場
合であっても開先ギャップの変動に対し鈍感である。例
えば、開先ギャップの変動が3〜10mmあり、これに
溝の幅が6mmの固形裏当材を連続的に用いた場合、開
先ギャップが6mm未満の箇所では溝の幅の方が広く、
被溶接母材の開先下面と固形フラックスとの間に若干の
隙間が生じるが、その大きさは溝の深さを1.0mm未
満に限定しているので裏ビード形成に特に問題とならな
い。
ス面に1.0mm未満の溝を設けることができる。固形
フラックス面の溝が1.0mm未満であれば、上記溝を
設けない固形裏当材とほとんど同等の効果を発揮し、さ
らなる効果として、被溶接部材の開先に若干の吸湿があ
ったり、ガス発生量が多めのフラックス入りワイヤを使
用した場合に、裏ビード表面に発生しやすいあばたや凹
凸を防止できる。つまり、固形フラックス面に設けられ
た1.0mm未満の溝は、固形フラックスの掘り込みを
増大させることなく溶接中に発生するガスの逃げ道とし
て有効に作用する。溝の幅については被溶接部材の開先
ギャップの変動の度合いに応じて任意に選択できるが、
極めて浅い溝であるため、溝幅が同一のものを用いた場
合であっても開先ギャップの変動に対し鈍感である。例
えば、開先ギャップの変動が3〜10mmあり、これに
溝の幅が6mmの固形裏当材を連続的に用いた場合、開
先ギャップが6mm未満の箇所では溝の幅の方が広く、
被溶接母材の開先下面と固形フラックスとの間に若干の
隙間が生じるが、その大きさは溝の深さを1.0mm未
満に限定しているので裏ビード形成に特に問題とならな
い。
【0013】次に、本発明の固形裏当材は固形フラック
スを構成する耐火性酸化物粒子の平均粒径の最大を50
0μmに限定する。これにより、溶融スラグ層を薄くし
て行うことを基本とする本発明の固形裏当材は、横向溶
接の上板側ビード止端部に発生するアンダーカットを防
止し、また他の溶接姿勢においても全体的に滑らかで形
状の良好な裏ビードが形成できる。この効果は一般的に
用いられている2種以上の耐火性酸化物からなる固形裏
当材において、それら耐火性酸化物の融点が異なること
による溶融の遅れがなくなり、均一組成の溶融スラグ層
を速やかに形成できることによると考えられる。一方、
耐火性酸化物粒子の平均粒径の最大が500μmを超え
て大きくなると、特に横向や立向溶接の場合、アンダー
カットやビード止端部の不揃い、さらには微小なスラグ
巻き込みが発生する。
スを構成する耐火性酸化物粒子の平均粒径の最大を50
0μmに限定する。これにより、溶融スラグ層を薄くし
て行うことを基本とする本発明の固形裏当材は、横向溶
接の上板側ビード止端部に発生するアンダーカットを防
止し、また他の溶接姿勢においても全体的に滑らかで形
状の良好な裏ビードが形成できる。この効果は一般的に
用いられている2種以上の耐火性酸化物からなる固形裏
当材において、それら耐火性酸化物の融点が異なること
による溶融の遅れがなくなり、均一組成の溶融スラグ層
を速やかに形成できることによると考えられる。一方、
耐火性酸化物粒子の平均粒径の最大が500μmを超え
て大きくなると、特に横向や立向溶接の場合、アンダー
カットやビード止端部の不揃い、さらには微小なスラグ
巻き込みが発生する。
【0014】図5に本発明でいう耐火性酸化物の平均粒
径の測定方法を示す。溶接前の固形フラックスの破断面
を成分分析あるいは高倍率で観察し、1個の原料単位の
粒子についてその長径(L1 )と直交する短径(L2 )
の平均値を平均粒径とする。なお、固形フラックスが高
温で焼成して製造され、各原料粒子の一部が融解して結
合状態になっている場合は、1個の原料単位の粒子の未
融解部分の平均粒径を測定する。
径の測定方法を示す。溶接前の固形フラックスの破断面
を成分分析あるいは高倍率で観察し、1個の原料単位の
粒子についてその長径(L1 )と直交する短径(L2 )
の平均値を平均粒径とする。なお、固形フラックスが高
温で焼成して製造され、各原料粒子の一部が融解して結
合状態になっている場合は、1個の原料単位の粒子の未
融解部分の平均粒径を測定する。
【0015】さらに、本発明の固形裏当材は固形フラッ
クスの熱伝導率を0.0015〜0.0050cal/
cm・sec・℃の範囲に限定する。固形フラックスの
熱伝導率をこの範囲にすることにより、溶融金属の凝固
過程で溶融スラグ層が薄くても十分なスラグ被包効果が
発揮され、良好な裏ビードが形成できる。すなわち、固
形フラックスの熱伝導率は溶融スラグ層の凝固をコント
ロールする作用をもち、0.0050cal/cm・s
ec・℃を超えると溶融スラグ層の凝固開始が速すぎ
て、裏ビードが出にくくなるとともにビード表面の滑ら
かさがなく、また止端部のなじみが不良となる。一方、
固形フラックスの熱伝導率が0.0015cal/cm
・sec・℃未満の場合、溶融スラグ層の保温効果が過
剰となって凝固が遅れる結果、立向や横向溶接で溶融ス
ラグ層のスラグが流れ落ちやすくなり、アンダーカット
やメタル垂れが発生しやすくなる。また、固形裏当材
は、一般に溶接長に応じてタイル状に成形したものを連
続的につなげ一体化させて使用するために接着剤を塗布
したアルミニウム箔を利用しているが、熱伝導率が低す
ぎると固形フラックスに熱がこもり、固形フラックスの
温度が上昇してアルミニウム箔との接着部が剥がれやす
くなる。この影響で溶接部材への固定部分が剥がれ、最
終パス溶接が終了するまでの固形が維持できない場合が
あり、施工現場における溶接中の固形裏当材の落下は作
業者に危険である。
クスの熱伝導率を0.0015〜0.0050cal/
cm・sec・℃の範囲に限定する。固形フラックスの
熱伝導率をこの範囲にすることにより、溶融金属の凝固
過程で溶融スラグ層が薄くても十分なスラグ被包効果が
発揮され、良好な裏ビードが形成できる。すなわち、固
形フラックスの熱伝導率は溶融スラグ層の凝固をコント
ロールする作用をもち、0.0050cal/cm・s
ec・℃を超えると溶融スラグ層の凝固開始が速すぎ
て、裏ビードが出にくくなるとともにビード表面の滑ら
かさがなく、また止端部のなじみが不良となる。一方、
固形フラックスの熱伝導率が0.0015cal/cm
・sec・℃未満の場合、溶融スラグ層の保温効果が過
剰となって凝固が遅れる結果、立向や横向溶接で溶融ス
ラグ層のスラグが流れ落ちやすくなり、アンダーカット
やメタル垂れが発生しやすくなる。また、固形裏当材
は、一般に溶接長に応じてタイル状に成形したものを連
続的につなげ一体化させて使用するために接着剤を塗布
したアルミニウム箔を利用しているが、熱伝導率が低す
ぎると固形フラックスに熱がこもり、固形フラックスの
温度が上昇してアルミニウム箔との接着部が剥がれやす
くなる。この影響で溶接部材への固定部分が剥がれ、最
終パス溶接が終了するまでの固形が維持できない場合が
あり、施工現場における溶接中の固形裏当材の落下は作
業者に危険である。
【0016】なお、本発明でいう固形フラックスの熱伝
導率は、レーザーフラッシュ法(測定温度:常温)で測
定した値である。また、固形フラックスの耐火性酸化物
粒子の平均粒径および熱伝導率は主原料とする耐火性酸
化物の組成、粒度、成形方法、焼成条件等の組み合せに
より調整することができる。以下に本発明の効果を実施
例により具体的に説明する。
導率は、レーザーフラッシュ法(測定温度:常温)で測
定した値である。また、固形フラックスの耐火性酸化物
粒子の平均粒径および熱伝導率は主原料とする耐火性酸
化物の組成、粒度、成形方法、焼成条件等の組み合せに
より調整することができる。以下に本発明の効果を実施
例により具体的に説明する。
【0017】
【実施例】50キロ級高張力鋼(SM490B,板厚1
6mm)を図6(a)、(b)に示す開先形状(開先ギ
ャップG=8〜12mm)とし、TiO2 系全姿勢溶接
用フラックス入りワイヤ(CO2 仕様、ワイヤ径1.2
mm)を用いて片面溶接試験(横向、下向)を行った。
用いた固形裏当材はSiO2 、Al2 O3 、MgO、Z
rO2 等の耐火性酸化物をそれぞれ主成分とし、サイズ
は厚さ=8mm、幅35mm、長さ500mmである。
表1に試作固形裏当材を、表2、表3(表2のつづき)
には溶接試験結果をまとめて示す。
6mm)を図6(a)、(b)に示す開先形状(開先ギ
ャップG=8〜12mm)とし、TiO2 系全姿勢溶接
用フラックス入りワイヤ(CO2 仕様、ワイヤ径1.2
mm)を用いて片面溶接試験(横向、下向)を行った。
用いた固形裏当材はSiO2 、Al2 O3 、MgO、Z
rO2 等の耐火性酸化物をそれぞれ主成分とし、サイズ
は厚さ=8mm、幅35mm、長さ500mmである。
表1に試作固形裏当材を、表2、表3(表2のつづき)
には溶接試験結果をまとめて示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】本発明による固形裏当材を用いた試験N
o.1〜10およびNo.18〜20は、形状、外観が
良好で欠陥のない均一で安定した裏ビードが得られた。
これに対して、No.11〜17およびNo.21、N
o.22は比較例である。No.11、No.15は、
固形フラックスの耐火性酸化物粒子の平均粒径が大きす
ぎるために、アンダーカットおよびビード表面に微小な
スラグ巻き込みが発生した。
o.1〜10およびNo.18〜20は、形状、外観が
良好で欠陥のない均一で安定した裏ビードが得られた。
これに対して、No.11〜17およびNo.21、N
o.22は比較例である。No.11、No.15は、
固形フラックスの耐火性酸化物粒子の平均粒径が大きす
ぎるために、アンダーカットおよびビード表面に微小な
スラグ巻き込みが発生した。
【0022】No.12、No.16は、固形フラック
スの熱伝導率が小さすぎるために、スラグが垂れ落ち、
アンダーカットの発生およびオーバーラップ気味の裏ビ
ードとなり、またビード表面に微小なスラグ巻き込みが
発生した。No.13は、固形フラックスの熱伝導率が
大きすぎるために、裏ビードが小さく、表面がやや凸状
の裏ビードとなった。
スの熱伝導率が小さすぎるために、スラグが垂れ落ち、
アンダーカットの発生およびオーバーラップ気味の裏ビ
ードとなり、またビード表面に微小なスラグ巻き込みが
発生した。No.13は、固形フラックスの熱伝導率が
大きすぎるために、裏ビードが小さく、表面がやや凸状
の裏ビードとなった。
【0023】No.14、No.17は、固形フラック
スの溝の深さが大きすぎるために、裏ビードの出すぎ、
アンダーカット、オーバーラップの発生等良好な裏ビー
ド形成ができなかった。No.21、No.22は、立
向上進溶接の場合であるが、本発明が限定する範囲外の
固形裏当材を用いたことにより、良好な裏ビードが得ら
れなかった。
スの溝の深さが大きすぎるために、裏ビードの出すぎ、
アンダーカット、オーバーラップの発生等良好な裏ビー
ド形成ができなかった。No.21、No.22は、立
向上進溶接の場合であるが、本発明が限定する範囲外の
固形裏当材を用いたことにより、良好な裏ビードが得ら
れなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明は、施工現場における開先ギャッ
プの変動に対する適用性が広く、また裏ビードの出具合
を少なくでき、能率面でも大幅に改善した片面溶接用固
形裏当材を提供するものであり、フラックス入りワイ
ヤ、ソリッドワイヤによる自動および半自動溶接、サブ
マージアーク溶接、被覆アーク溶接等に用いて良好な裏
ビードが得られる。
プの変動に対する適用性が広く、また裏ビードの出具合
を少なくでき、能率面でも大幅に改善した片面溶接用固
形裏当材を提供するものであり、フラックス入りワイ
ヤ、ソリッドワイヤによる自動および半自動溶接、サブ
マージアーク溶接、被覆アーク溶接等に用いて良好な裏
ビードが得られる。
【図1】固形裏当材を用いて行う横向片面溶接状況の例
を示す図である。
を示す図である。
【図2】横向溶接の欠陥例を示す図である。
【図3】本発明による固形フラックス部の形状示す図で
ある。
ある。
【図4】本発明の固形裏当材の効果を示す図である。
【図5】耐火性酸化物粒子の平均粒径の測定方法を示す
図である。
図である。
【図6】実施例に用いた試験板の開先形状をそれぞれ説
明するために示した図である。
明するために示した図である。
1 ワイヤ 2 アーク 3 溶融金属プール 4 被溶接部材 5 固形フラックス 6 溶融スラグ層 7 溶接金属 8 アンダーカット 9 オーバーラップ 10 アルミニウム箔 11 固形フラックスの掘り込み 12 耐火性酸化物粒子
Claims (2)
- 【請求項1】 被溶接部材の開先に接する固形フラック
ス面が平板状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸
化物粒子の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固
形フラックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050
cal/cm・sec・℃であることを特徴とする片面
溶接用固形裏当材。 - 【請求項2】 被溶接部材の開先に接する固形フラック
ス面に連続して深さ1.0mm未満で任意の幅の溝があ
る形状で、該固形フラックスを構成する耐火性酸化物粒
子の平均粒径の最大が500μmであり、かつ固形フラ
ックスの熱伝導率が0.0015〜0.0050cal
/cm・sec・℃であることを特徴とする片面溶接用
固形裏当材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4889595A JPH08243785A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 片面溶接用固形裏当材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4889595A JPH08243785A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 片面溶接用固形裏当材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08243785A true JPH08243785A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=12816012
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4889595A Pending JPH08243785A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 片面溶接用固形裏当材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08243785A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110977215A (zh) * | 2019-11-07 | 2020-04-10 | 鞍钢重型机械有限责任公司 | 一种缸体对接免清根焊缝预处理工艺 |
-
1995
- 1995-03-08 JP JP4889595A patent/JPH08243785A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110977215A (zh) * | 2019-11-07 | 2020-04-10 | 鞍钢重型机械有限责任公司 | 一种缸体对接免清根焊缝预处理工艺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030107 |