JPH08246337A - フィブリル化繊維又は布帛 - Google Patents

フィブリル化繊維又は布帛

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JPH08246337A
JPH08246337A JP7077325A JP7732595A JPH08246337A JP H08246337 A JPH08246337 A JP H08246337A JP 7077325 A JP7077325 A JP 7077325A JP 7732595 A JP7732595 A JP 7732595A JP H08246337 A JPH08246337 A JP H08246337A
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JP
Japan
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polyester
alkali
fibrillated
pilling
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Application number
JP7077325A
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English (en)
Inventor
Michio Kubota
道雄 久保田
Akifumi Ueno
彰文 植野
Tsutomu Naruse
勉 成瀬
Masayuki Hashimoto
正幸 橋本
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡便な方法でフィブリル化でき、分割後に発生
する微小フィブリルによる天然繊維ライクで、ソフト
感、ふくらみ感、温かみを有するスパン調風合いを発現
でき、かつ抗ピリング性、耐摩耗白化性に優れたフィブ
リル化繊維又は布帛に関する。 【構成】一方の成分が固有粘度0.48〜0.60の低
粘度ポリエステル(A成分)であり、もう一方の成分が
A成分より溶解性の大きいポリエステル(B成分)より
なり、A成分/B成分の重量比率が2/1〜10/1で
両成分が接合された複合繊維であって、層の数が32以
上であり、B成分を溶解除去することにより生じた微小
なフィブリルを有することを特徴とするフィブリル化繊
維又は布帛である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィブリル化された繊
維又は布帛に関する。更に詳しくは、抗ピリング性、耐
摩耗白化性に優れ、かつ天然繊維ライクで、ソフト感、
ふくらみ感或いは温かみのある風合を有するフィブリル
化された繊維又は布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭47−9533号公報には、単一
フィラメント内で着色度の異なる少なくとも2種の成分
が、異位相の接合−分割を少なくとも6回行って形成さ
れてなり且つそれぞれがフィラメントの長手方向に沿っ
て実質的に、連続する薄層をなして相互に重なりあって
接合し、単一のフィラメントの任意の横断面を構成する
層の数が64以上である超多層フィラメントが開示され
ている。しかしながら、該公報にはフィラメントの開示
のみでその後の処理についての記載がなく、このフィラ
メントをそのまま織編物に使用すると、ポリエステル特
有の風合いの冷たさのみが強調され着用感が極めて悪い
ものであった。
【0003】特開平2−277880号公報では、アル
カリ溶解性の小なるポリエステル成分とアルカリ溶解性
の大なるポリエステル成分からなるポリエステル系マル
チフィラメント糸条に流体処理を施してループ毛羽を形
成し、次いでこの糸条を用いて製織した後、アルカリ減
量により分割する方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、アルカリ減量処理の前に流体処理を
行うので工程の煩雑さが伴い、著しく生産性を損なうも
のである。
【0004】又、該公報にはアルカリ溶解性の小なるポ
リエステル成分として、第三成分を高々5モル%まで共
重合したポリエステル、アルカリ溶解性の大なるポリエ
ステル成分としてポリエチレングリコール或いはスルホ
イソフタル酸を共重合したものが使用されている。前者
において通常の粘度範囲のポリエステルを使用すると、
アルカリ減量処理等の化学的処理或いは仮撚等の機械的
処理によりフィブリル化を施し、織編物等で使用した場
合、ピリング或いは摩耗白化が顕著に目立つようにな
り、衣類への用途が制限される。
【0005】又、アルカリ溶解性の小なるポリエステル
成分として、第三成分を5モル%共重合せしめたポリエ
ステルを使用しても、確かに固有粘度(以下〔η〕と記
す。)は低下するが、この程度の粘度の変性ポリエステ
ルでは未だピリング或いは摩耗白化の問題は解決できな
い。しかも、該公報にはアルカリ溶解性の小なるポリエ
ステル成分として、第三成分を高々5モル%まで共重合
せしめたポリエステルを選択した理由は全く開示されて
いない。
【0006】特公昭61−167079号公報には、ア
ルカリ溶解性の小なるポリエステルとして〔η〕が0.
65〜0.75のポリエステルを使用しているが、この
範囲の粘度においても、ピリング或いは摩耗白化が著し
く目立ち、実用化できるようなものではない。
【0007】特開昭63−152460号公報には、ア
ルカリ溶解性の小なるポリエステル成分として通常のポ
リエステルを、アルカリ溶解性の大なるポリエステル成
分としてポリエチレングリコールを共重合したブロック
ポリエーテルポリエステルを使用した例が開示されてい
る。これも一方の成分に通常のポリエステルを使用して
いるので、ピリング或いは摩耗白化が依然として解決で
きないままである。
【0008】特開昭6−57621号公報には、ポリエ
ステルと溶解性の大きい接合剤との複合繊維を分割し集
束せしめ、ポリエーテルエステル系の弾性糸条と織編物
を構成せしめる方法が開示されている。しかしながら、
これも溶解性の小さいポリマーとして通常のポリエステ
ルを使用しており、フィブリル化後のピリング或いは摩
耗白化の問題が生じる。
【0009】このように細分割されたフィブリルは単糸
デニールが非常に細く、織編物等に使用するとピリング
が発生するようになり、衣類等への応用が著しく制限さ
れてしまう。同時に摩耗による白化も著しくなり、抗ピ
リング性、摩耗白化共に優れたものはなかなか存在しな
い。
【0010】抗ピリング性を付与するために、低粘度P
ETを使用する例が種々提案されている。例えば特開昭
53−130347号公報、特公昭60−47940号
公報、特公昭61−14259公報には、〔η〕が0.
48より小さい低粘度ポリエステルを使用した例が開示
されている。しかしながらこの範囲の〔η〕では確かに
抗ピリング性は付与することができるが、操業性の点か
ら言えばこの粘度範囲の低粘度ポリエステルでは工業化
することが非常に困難である。
【0011】特開昭54−38954号公報、特開昭5
4−38955号公報、特公昭60−52220号公
報、特公昭61−11329号公報には、第三成分を添
加しポリエステルの〔η〕を低下させ、抗ピリング性を
発現せしめた例が開示されている。この場合、〔η〕は
0.54より小さい範囲との記載があるが、この方法で
は第三成分の添加という工業生産上煩雑さを伴い、かつ
生産コストの増加に結びつく。しかもこれらの低粘度ポ
リエステル使いは、単独のポリマーであり、我々が目的
とするコンジュゲートにおける抗ピリング効果の発現と
は異なっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはピリング
或いは摩耗白化の発生がなく、しかも、繊維表層に存在
する微小フィブリルにより生じるソフト感、ふくらみ感
と温かみのあるスパン調風合を発現させようと考えた。
まず、フィブリルの作成方法は分割後の単糸デニールが
細くなるように、(1)複合繊維の横断面において、一
方の成分が他方の成分を完全に包囲することなく、両成
分が接合された形状とし、その層の数を32以上とし
た。(2)フィブリル化の処理方法としては、アルカリ
減量等の公知の化学的処理による溶解処理とした。
(1)のような構造をとることにより、分割の際複雑な
処理を施さなくとも、アルカリ減量等の簡便な処理のみ
でフィブリル化できる。(3)我々が目的とする抗ピリ
ング性、耐摩耗白化性を与えるために、従来単独ポリマ
ーで用いられた低粘度ポリエステルをA成分として用い
ることにした。本発明では、第三成分の添加なく、粘度
を低下せしめたホモポリエステルを使用することによ
り、生産性の向上或いはコストダウンに成功した。又、
複合繊維でこれまで低粘度ポリエステルが使用された例
はなく、粘度範囲、紡糸条件等を鋭意検討した結果、粘
度範囲が0.48〜0.60の低粘度ポリエステルを使
用することにより、抗ピリング性、摩耗白化、操業性等
すべてを満足する複合繊維が得られた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々鋭意
研究を行なった結果、本発明を完成した。即ち、本発明
は、一方の成分が〔η〕が0.48〜0.60の低粘度
ポリエステル(A成分)であり、もう一方の成分がA成
分より溶解性の大きいポリエステル(B成分)よりな
り、A成分/B成分の重量比率が2/1〜10/1で両
成分が接合された複合繊維であって、層の数が32以上
であり、B成分を溶解除去することにより生じた微小な
フィブリルを有することを特徴とするフィブリル化繊維
である。
【0014】本発明で言うフィブリル化型複合繊維と
は、溶解処理する前の複合繊維であって、単一フィラメ
ントの横断面において一方の成分が他方の成分を包囲し
ない形状で両成分が層状に接合されている複合繊維を言
う。しかし、本発明の目的、効果を損なわない限り、一
部が包囲されていてもよい。具体的には、図1、図2に
示すようにA成分とB成分が交互に連続的に層をなす多
層構造が挙げられる。このような多層構造では、溶解処
理により溶解性の大きいB成分が溶解除去され、A成分
のみのフィブリルとなるか、或いはB成分が部分的に残
存し、そのB成分を介してA成分同志が部分的に接合さ
れている形態となる。
【0015】本発明のフィブリル化型複合繊維は、A成
分とB成分の多層積層構造が、フィラメントの長手方向
に沿って一様に連続する事が好ましいが、その一部に非
連続構造を含んでいてもよい。一様に連続した構造を有
する糸は、紡糸、延伸操業性が良好な事や製品となって
から欠点を出さないと言う点から好ましい。又、フィブ
リル化とは、フィブリル化型複合繊維のB成分が溶解除
去され、A成分のみになるか、或いはB成分が部分的に
残存し、そのB成分を介してA成分同志が部分的に接合
されている形態を言う。ここでは、B成分が溶解除去さ
れる事が好ましいが、一部B成分が残存してA成分がバ
ラバラにならなくても本発明の効果を充分に発揮する。
本発明ではこれをフィブリル化繊維と言う。本発明には
フィブリル化繊維及び該フィブリル化繊維よりなる織編
物も含む。
【0016】本発明で使用する溶解性の小さいポリエス
テル(A成分)に使用するジカルボン酸成分としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、ビス−(4−カルボキシフ
ェニル)スルホン、1,2−ビス(4−カルボキシフェ
ニル)エーテル、1,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)エタン、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、p
−フェニレンジ酢酸、ジフェニルオキシド−p,p’−
ジカルボン酸、trans−ヘキサヒドロテレフタル
酸、及びそれらのアルキルエステル、アリールエステ
ル、エチレングリコールエステルなどのエステル形成性
誘導体が挙げられる。中でも特に有用なものはテレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とした
ポリエステルである。又、本発明ではこれらの芳香族ジ
カルボン酸に共重合し得る他の二塩基酸成分としてアジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカメチレンジカ
ルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成
性誘導体の1種以上を10モル%を限度として使用する
こともできる。
【0017】一方、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、トリメチレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びそ
のエチレングリコール、ポリエチレングリコール付加
体、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールな
どが挙げられる。中でも特に有用なものはエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオールを主成分とするもので
ある。又、本発明では、その他の共重合し得るエステル
形成性誘導体の1種以上をジオール成分の10モル%を
限度として使用することができる。
【0018】上述のポリエステルは、テレフタル酸又は
2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とするジカル
ボン酸成分とエチレングリコール又は1,4−ブタンジ
オールを主成分とするグリコール成分からなる芳香族ポ
リエステルを公知の方法で製造する。
【0019】かかるポリエステルの製造時或いは成形加
工時に、顔料、艶消し剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、
酸価防止剤、制電剤及び有機アミン、有機カルボン酸ア
ミドなどのエーテル結合抑制剤等、必要に応じ種々使用
してもよい。
【0020】ポリエステル重合体の〔η〕は、0.48
〜0.60、好ましくは0.50〜0.55の範囲にす
るのがよい。〔η〕が0.48より小さいと、紡糸、延
伸操業性が著しく悪くなる。一方、〔η〕が0.60よ
り大きいと、抗ピリング性或いは摩耗白化が著しく悪く
なる。
【0021】本発明方法で使用する溶解性の大きいポリ
エステル(B成分)としては、スルホネート基を有す
る、例えば3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、1,8−ジ(カルボメトキシ)ナフ
タレン−3−スルホン酸ナトリウム、2,5−ビス(ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の
化合物やポリエチレングリコール成分を有する公知の化
合物をA成分のポリエステルを製造する際に、添加し共
重合せしめた変成ポリエステル等が挙げられる。
【0022】A成分とB成分の比率(A成分/B成分)
は、2/1〜10/1、好ましくは3/1〜5/1であ
る。A成分/B成分が2/1を越えると、溶解性大なる
成分が多すぎ経済的に大きな問題が生じるばかりか、紡
糸、延伸操業性が著しく悪くなる。又、A成分/B成分
が10/1より小さくなると、溶解性大なる成分が少な
すぎ実質的にフィブリル化が起こらなくなる。
【0023】又、B成分の溶解性は、A成分のそれより
も大きい事が必要であり、少なくとも3倍以上の溶解性
を有するもの、更に好ましくは10倍以上の溶解性を有
するもの、特に好ましくは30倍以上の溶解性を有する
ものである。ここで、溶解性とは、例えば100℃の2
%の水酸化ナトリウム水溶液中での比較でよい。
【0024】本発明で言うフィブリル化型複合繊維の断
面形状は、丸断面、三角断面、Y断面、U断面、偏平断
面等公知の形状が使用できるが、フィブリル化のされや
すさと言う観点からは三角断面、Y断面、U断面、偏平
断面等の異形断面が好ましい。
【0025】本発明によれば、フィブリル化型複合繊維
の溶解性の大なる成分を溶解処理により除去する。溶解
処理の方法並びに溶媒としては、目的とするポリエステ
ル成分を効率よく溶解せしめるものであれば特に限定さ
れないが、例えばアルカリ水溶液等を用いたアルカリ減
量処理が挙げられる。アルカリ溶解処理で使用するアル
カリとしては、アルカリ金属化合物の酸化物、水酸化
物、炭酸塩等(以下アルカリ化合物と記す。)が挙げら
れ、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。この中でもコ
ストが安く、溶出能力が大きい水酸化ナトリウムを使用
するのが好ましい。
【0026】かかるアルカリ化合物の濃度は、アルカリ
化合物の種類、処理条件等によって異なるが、通常0.
1〜20重量%,好ましくは1〜10重量%の範囲がよ
い。アルカリ減量処理は、通常60〜100℃の温浴中
或いは100〜150℃の蒸気中にて、1分〜1時間の
範囲で行われる。又、アルカリ減量による減量率は、通
常40重量%以下、好ましくは10〜30重量%であ
る。減量率が40重量%を越えると、アルカリ溶解性の
小さいポリエステルも溶解される傾向にあり、フィブリ
ル化された繊維の力学的物性等の低下が生じる。減量率
が10重量%より小さいと、本発明の複合繊維のフィブ
リル化が充分行われない。又、このアルカリ減量処理の
前後にかかわらず、仮撚等の機械的屈折により、接合面
を剥離せしめても何ら差し支えない。
【0027】本発明の任意の横断面を構成する層の数は
A、B成分を合わせて32層以上、好ましくは64層以
上である必要がある。層の数が32層より少ないと良好
なフィブリルが発現せず、目的とする風合いが得られな
い。又、複合繊維のフィブリル化後の単糸繊度は0.1
デニール以下、好ましくは0.05デニール以下であ
る。
【0028】アルカリ減量処理等によるフィブリル化
は、すべてのフィラメントのB成分が均一にかつ同程度
に減量される必要はなく、フィラメントによって減量率
が異なってもよい。即ち、フィラメントの中には、B成
分が完全に溶解除去されA成分のみのフィブリルとなっ
たものや、或いは部分的にフィブリル化を受けたもの
や、或いはほとんどフィブリル化を受けないものが混在
してもよい。これらのフィラメントでは、アルカリ減量
処理等によるB成分の減量の程度が異なり、その結果、
フィブリル化後のフィラメント間の単糸デニールの変動
が生じるようになる。本発明の目的である天然繊維ライ
クで、ソフト感、ふくらみ感、温かみのある風合を発現
させるには、このようなフィラメント間のデニールの変
動がある方が好ましい。
【0029】多層構造の層の数とミキサーの段数(n)
との関連性は、ミキサーの段数を(n)とすると層の数
は最大2n となる。しかるにミキサーの段数(n)を変
化させることにより層の数を変えることができる。例え
ばミキサーの段数(n)を6とすれば、層の数は最大6
4、(n)を7とすれば層の数は最大128とすること
ができる。故に層の数を多くすればより細いフィブリル
を、又、層の数を少なくすればより太いフィブリルを形
成せしめることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明では溶解性の小
なるポリエステル成分として低粘度ポリエステルを、溶
解性の大なるポリエステル成分としてスルホネート基を
有する化合物やポリエチレングリコールを共重合せしめ
た変成ポリエステルを使用しているので、アルカリ減量
処理等の溶解処理によりフィブリル化させた後ピリング
の発生がなく、又摩耗白化がほとんど生じない。又多層
構造とし、層の数を32以上とすることによりアルカリ
減量等の簡便な処理のみでフィブリル化することがで
き、工業的にも非常に生産性のよいものである。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるのはことわりのない限り「重
量部」を意味し、「%」とあるのはことわりのない限り
「重量%」を意味する。固有粘度〔η〕は、フェノール
/テトラクロロエタン=6/4の混合溶剤中20℃で常
法により求めた。融点は理学電気社製 示差走査熱量計
(以下DSCと記す)の吸熱ピークより求めた。又、走
査電子顕微鏡(以下SEMと記す。)測定は、明石製作
所社製 明石走査電子顕微鏡にて測定した。又、摩擦試
験は、島津製作所社製、ユニバーサル摩耗試験を用いて
500gの荷重により500回、1000回の条件で測
定した。又、抗ピル試験は、大栄科学精器製作所社製
ICIピリングテスターを用いて測定時間5時間、10
時間、20時間の条件で測定した。
【0032】実施例1 (A)アルカリ溶解性の小なるポリエステル(A成分)
の重合工程 ジメチルテレフタレート388部、エチレングリコール
248部、ジメチルテレフタレートに対して0.07%
の酢酸亜鉛、0.02%のシュウ酸チタニル及び0.0
1%の三酸化アンチモンからなる混合物を150〜23
0℃で120分間加熱しエステル交換反応を行った。そ
の後、系内の温度を30分間要して275℃に,系内の
圧力を45分間要して減じて0.2mmHgとして、こ
のまま90分間反応を続け、ポリマーを索状に押出し切
断して2.5mmφ×3mmの大きさのペレットとした
後、水分量0.005%まで乾燥した。得られたポリマ
ーは固有粘度〔η〕=0.54、融点259℃であっ
た。
【0033】(B)アルカリ溶解性の大なるポリエステ
ル(B成分)の重合工程 ジメチルテレフタレート1500部、エチレングリコー
ル1100部、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスル
ホン酸ナトリウム49.0部(ジメチルテレフタレート
に対して5モル%)及び酢酸カルシウム1.2部とより
なる混合物を155〜220℃で130分間加熱してエ
ステル交換反応を行った。その後、三酸化アンチモン
0.6部、亜リン酸トリメチル0.5部、二酸化チタン
7.5部を添加し、系内の温度を30分間要して275
℃に,系内の圧力を45分間要して減じて0.2mmH
gとして、このまま60分間反応を続けた。このポリマ
ーを索状に押出し切断して2.5mmφ×3mmの大き
さのペレットとした後、水分率0.005%まで乾燥し
た。得られたポリマーの粘度は〔η〕=0.54であっ
た。融点256℃であった。
【0034】ミキサーの段数(n)を6とし、A成分と
B成分の比率が重量比で3:1となるように、別々のギ
アポンプでそれぞれのポリマーを計量し、エクストルー
ダーにて紡糸温度280℃巻取速度1000m/分で溶
融紡糸し、続いて倍率3.6倍、延伸速度730m/分
で85℃のローラーヒーターで延伸し、150℃のプレ
ートヒーターでセットして、50d/24fの延伸糸を
得た。未延伸糸のセクション観察では多層構造の層の数
は、64層と理論通りであった。
【0035】続いてこの延伸糸を3本合糸筒編(トータ
ルデニールは150デニールである。)し、1%の水酸
化ナトリウム水溶液、浴比1/100の条件で、アルカ
リ溶解処理温度98℃、溶解処理時間を15分、20
分、25分、30分、35分、40分と変えて、アルカ
リ溶解性の大きいポリマー(B成分)の溶解処理を行っ
た。次いでアルカリ溶解処理後の筒編布のSEM測定を
実施した。この結果、アルカリ溶解処理時間が長くなる
につれてフィブリル化が進みレーヨン調の長いフィブリ
ルが発生していることが認められた。
【0036】(C)ピリング試験 上述の方法で得られたアルカリ溶解処理前のフィブリル
化複合繊維を3本合糸筒編し、前述したごとくアルカリ
溶解処理を施し、次いで5%owfのミケトンポリエス
テルブルーを用い、130℃で1時間要して高圧染色し
た後、ICIピリングテスターにてピリング試験を行っ
た。その結果、いずれの条件においてもピリングの発生
はほとんど認められなかった。
【0037】(D)摩耗白化試験 上述の方法で得られたアルカリ溶解処理前のフィブリル
化複合繊維を3本合糸筒編し、前述したごとくアルカリ
溶解処理を施し、5%owfのミケトンポリエステルブ
ルーを用い、130℃で1時間要して高圧染色した後、
摩耗試験を行った。その結果、いずれの条件においても
摩耗による白化は軽微なものであった。
【0038】実施例2 ミキサーの段数(n)を5と変更する以外、すべて実施
例1記載の工程で実施した。この場合も未延伸糸のセク
ション観察では、多層構造の層の数は32層と理論通り
であった。この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなる
につれてフィブリル化が進みレーヨン調のフィブリルが
発生していることが認められた。続いて、実施例1記載
のごとくピリング試験及び摩耗試験を実施した。この場
合、いずれの条件においてもピリングの発生もほとんど
なく、摩耗による白化も軽微なものであった。
【0039】比較例1 ミキサーの段数(n)を3と変更する以外、すべて実施
例1記載の工程で実施した。この場合も未延伸糸のセク
ション観察では、多層構造の層の数は8層と理論通りで
あった。この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなるに
つれてフィブリル化が進んでいることが判明したが、フ
ィブリルの発生量は実施例1或いは実施例2に比して著
しく少なかった。更に、実施例1或いは実施例2と比べ
てピリングの発生が多く、摩耗による白化が目立つこと
が判明した。
【0040】実施例3 実施例1(A)記載の方法に準じて低粘度ポリエステル
(A成分)を重合し、〔η〕=0.50のポリエステル
を作成した。このポリエステルを使用する以外、すべて
実施例1記載の工程で実施した。この未延伸糸のセクシ
ョン観察でも、多層構造の層の数は64層と理論通りで
あった。この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなるに
つれてフィブリル化が進みレーヨン調のフィブリルが発
生していることが認められ、かつ、ピリングの発生がほ
とんどなく、摩耗による白化も軽微なものであった。
【0041】実施例4 ミキサーの段数(n)を5に変更する以外、すべて実施
例3記載の方法で実施した。この未延伸糸のセクション
観察でも、多層構造の層の数は32層と理論通りであっ
た。この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなるにつれ
てフィブリル化が進みレーヨン調のフィブリルが発生し
ていることが認められた。尚且つピリングの発生もほと
んどなく、摩擦による白化も軽微なものであった。
【0042】比較例2 ミキサーの段数(n)を3に変更する以外、すべて実施
例3記載の方法で実施した。この未延伸糸のセクション
観察でも、多層構造の層の数は8層と理論通りであっ
た。この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなるにつれ
てフィブリル化が進んではいるが、実施例3或いは実施
例4に比してフィブリルの量が著しく少なく、尚且つピ
リングの発生が多く、摩耗による白化が顕著であること
が判明した。
【0043】比較例3 実施例1(A)記載の方法に準じて低粘度ポリエステル
(A成分)を重合し、〔η〕=0.45のポリエステル
を作成した。この低粘度ポリエステルを使用する以外、
すべて実施例1記載の工程で実施した。この場合もアル
カリ溶解処理時間が長くなるにつれてフィブリル化が進
んでおり、微小フィブリルの発生も多い。又、ピリング
の発生も少なく、摩耗による白化も軽微であったが、操
業性が著しく不良であり実用化には適さないことが判明
した。
【0044】比較例4 実施例1(A)記載の方法に準じて〔η〕=0.63の
ポリエステル(A成分)を重合し、このポリエステルを
使用する以外、すべて実施例1記載の工程で実施した。
この場合もアルカリ溶解処理時間が長くなるにつれてフ
ィブリル化が進んでおり、微小フィブリルの量も良好で
ある。しかし、ピリングの発生が目立ち、摩耗による白
化も顕著に目立つことが判明した。以上の結果を表1に
記す。
【0045】但し、表1においてフィブリルの発生量と
は、フィブリル化複合繊維を3本合糸筒編した後、アル
カリ溶解処理を施しSEM測定を行った際、表面の存在
する微小フィブリルの発生量を記し、微小フィブリルの
発生量が多く、風合いの優れているものを○、微小フィ
ブリルの発生量が少ないものを×と記した。又、抗ピリ
ング性とは、フィブリル化複合繊維を3本合糸筒編しア
ルカリ減量後、そのサンプルを高圧染色した後、所定の
ピリング試験を行って級数付けを行い、4級以上は○、
2〜3級は△、1級以下を×と記した。又、耐摩耗白化
性とは、フィブリル化複合繊維を3本合糸筒編しアルカ
リ減量後、そのサンプルを高圧染色した後、所定の摩耗
試験を行い、肉眼により摩耗による白化が軽微で、ほと
んど目立たないものを○、摩耗による白化がやや目立つ
ものを△、摩耗による白化が著しく目立つものを×と記
した。又、操業性とは、紡糸、延伸等の操業性であり、
操業性の良好なものを○、不良なものを×と記した。
【0046】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1により得られたフィブリル化
型複合繊維の断面形状を模式的に記した図面である。こ
のようにミキサーの段数(n)を6とすると、理論的に
は最大64層に分割される。図の白色の部分は溶解性の
小なる成分であり、黒色の部分は溶解性の大なる成分を
記す。
【図2】図2は、実施例2により得られたフィブリル化
型複合繊維の断面形状を模式的に記した図面である。こ
のようにミキサーの段数(n)を5とすると、理論的に
は最大32層に分割される。図の白色の部分は溶解性の
小なる成分であり、黒色の部分は溶解性の大なる成分を
記す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 25/00 102 D03D 25/00 102A // D06M 101:32 D06M 5/02 G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の成分が固有粘度0.48〜0.6
    0の低粘度ポリエステル(A成分)であり、もう一方の
    成分がA成分より溶解性の大きいポリエステル(B成
    分)よりなり、A成分/B成分の重量比率が2/1〜1
    0/1で両成分が接合された複合繊維であって、層の数
    が32以上であり、B成分を溶解除去することにより生
    じた微小なフィブリルを有することを特徴とするフィブ
    リル化繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維からなる布帛。
JP7077325A 1995-03-07 1995-03-07 フィブリル化繊維又は布帛 Pending JPH08246337A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113355757A (zh) * 2020-03-06 2021-09-07 勤伦有限公司 具弹性膜材的复合膜材的切割方法及具弹性丝的复合丝
WO2022131312A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 東レ株式会社 複合繊維およびマルチフィラメント
JP2023058119A (ja) * 2021-10-13 2023-04-25 東レ株式会社 扁平極細繊維

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113355757A (zh) * 2020-03-06 2021-09-07 勤伦有限公司 具弹性膜材的复合膜材的切割方法及具弹性丝的复合丝
WO2022131312A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 東レ株式会社 複合繊維およびマルチフィラメント
JPWO2022131312A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23
JP2023058119A (ja) * 2021-10-13 2023-04-25 東レ株式会社 扁平極細繊維

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