JPH08257027A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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Publication number
JPH08257027A
JPH08257027A JP7062444A JP6244495A JPH08257027A JP H08257027 A JPH08257027 A JP H08257027A JP 7062444 A JP7062444 A JP 7062444A JP 6244495 A JP6244495 A JP 6244495A JP H08257027 A JPH08257027 A JP H08257027A
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JP
Japan
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ultrasonic
received signal
frequency
read
sampling
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Withdrawn
Application number
JP7062444A
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English (en)
Inventor
Masahiko Gondo
雅彦 権藤
Atsushi Osawa
篤 大澤
Mitsugi Sakai
貢 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7062444A priority Critical patent/JPH08257027A/ja
Publication of JPH08257027A publication Critical patent/JPH08257027A/ja
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】受波信号の複素振幅をデジタル処理で得ること
により、温度変化、経時変化に強い開口合成処理が可能
な超音波診断装置を提供する。 【構成】振動素子3─1〜3─7からの超音波受波信号
が、波形記憶手段15に格納される。波面軌跡ルックア
ップテーブル16は互いに位相差を有する一組の読み出
し制御信号を波形記憶手段15に発生して、受波信号の
複素振幅を出力させる。受波信号の複素振幅は、加算回
路18─1、18─2にて成分毎に加算され、2乗回路
19─1、19─2および2入力加算回路20で2乗振
幅に変換される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を送受波して生
体の超音波断層像を得るための電子走査型超音波診断装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】アレイ状の超音波振動子を用い、各々の
振動素子を電子的に切り換えたり所望の遅延駆動を行う
ことにより、生体内部を超音波ビームで走査して断層像
を得る電子走査形超音波診断装置は、その操作の簡便性
の故広く普及している。
【0003】しかし、受波信号を遅延加算する際に用い
られる遅延線には、極めて広帯域でありかつ大きな遅延
量を有するものが必要とされるため、高価格化は免れな
い。また、このような遅延線を利用した電子走査形超音
波診断装置は、同時駆動する超音波振動子の数や焦点位
置が設計段階で決められており、操作者は臨床現場で開
口数や焦点位置を自由に設定することはできなかった。
【0004】このような従来形の電子走査形超音波診断
装置の問題を解決するために、開口合成法を用いた超音
波診断装置が本出願人により提案されており、その技術
的内容が例えば特開平5─115477号公報に示され
ている。
【0005】その動作原理は、アレイ状の超音波振動子
の中から順に超音波ビームを放射し、生体中からの反射
信号をこの超音波振動子で受波信号に変換し、波形メモ
リへ各振動素子に対応させて受波信号を格納した後、所
定の位置で焦点を結ぶように遅延時間を与えてこの波形
メモリから各受波信号を読み出して合成するものであ
る。
【0006】そして、この超音波診断装置によれば空間
分解能の高い超音波断層像を得ることができる。
【0007】開口合成法による波面の合成を行うには、
各振動素子からの受波信号の複素振幅、即ち振幅と位相
あるいは適当な参照波に対する同相成分と直交成分等の
複素平面上で直交する2軸への受波信号振幅の射影成分
が必要となる。受波信号から波形の同相成分と直交成分
を分離する代表的な方法に直交検波法がある。上述の公
開公報に記載された超音波診断装置においても直交検波
法が採用されているので、以下図9を参照しながら受波
信号に対する直交検波法を説明する。
【0008】入力端子29はアレイ超音波振動子の選択
された一つの振動素子からの受波信号が入力される端
子、参照波発生器30は受波信号の中心周波数f0 と同
一周波数の連続波である参照波を発生する発振器であ
る。また、移相器31は参照波発生器30の発生する参
照波の位相をπ/2だけ位相シフトするものである。乗
算器32aは入力端子29から入力された受波信号に参
照波発生器30の発生する参照波を乗じ、乗算器32b
は受波信号に移相器31によりπ/2の位相シフトされ
た参照波を乗ずるために設けられている。
【0009】低域通過フィルタ33aと33bは、共に
カットオフ周波数をfc に設定しておく。また、ADコ
ンバータ34a、34bは受波信号をデジタル信号に変
換して、図示しない波形メモリに格納可能にする。
【0010】次に、直交検波法の動作を説明する。い
ま、参照波発生器30が発生する参照波の角周波数をω
0 とすると、その波形は連続波であることから
【0011】
【数1】 と書ける。また、移相器31の出力波形は、
【0012】
【数2】 となる。
【0013】一方、入力端子29に入力される受波信号
が、
【0014】
【数3】 で与えられるとする。ここで、a(t)は受波信号の振
幅、ω0 は受波信号の中心角周波数、φは超音波ビーム
の送信から受信に至る経路での時間遅れに伴う移相ずれ
で定数である。
【0015】乗算器32aの出力は、式(1)と式
(3)を乗じて、三角関数の加法定理を用いることによ
り、
【0016】
【数4】 となる。同様にして、乗算器32bの出力は
【0017】
【数5】 となる。
【0018】式(4)および(5)をみると明らかなよ
うに、分解された同相成分も直交成分も直流成分(各式
の括弧内第1項)と中心周波数ω0 の2倍の周波数で振
動する交流成分(各式の括弧内第2項)に別れる。この
交流成分は低域通過フィルタ33a、33bにより除か
れるので、結局ADコンバータ34a、34bからは受
波信号の包絡線の同相成分と直交成分である、
【0019】
【数6】 をデジタル化した信号が現れる。したがって、図示しな
い波形メモリには受波信号の複素振幅が格納され、上述
の開口合成法を適用することが可能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】受波信号を直交検波し
た後、波形メモリにその複素振幅を格納して、この複素
振幅に対して開口合成法を適用する超音波診断装置で
は、既に説明したとおりアナログ信号間の乗算をするア
ナログ乗算器、低域通過フィルタおよび移相器が必要と
なる。これらアナログ回路素子は温度変化に対して安定
性を保つのが難しく、また経時的な変化も無視できな
い。また、超音波診断装置には診断の目的によって周波
数の異なる超音波振動子が用いられるのが常であるが、
このとき参照波発生器30の発生する参照波の周波数を
変えなければならない。さらに、各周波数について移相
器31の移相量を常にπ/2に保つのが困難であるため
に、多くの周波数に対応するためには多数の移相器を設
けなければならず回路構成が複雑になるという問題も生
ずる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の電子走査形超音
波診断装置は、アレイ状に配列された複数の超音波振動
素子からなる振動素子群と、この振動素子群から超音波
の送受波に係わる前記超音波振動素子を選択する選択手
段と、前記選択された超音波振動素子からの受波信号の
波形情報を各超音波振動素子に対応させて格納する波形
記憶手段と、位相差を有する一組の読出し制御信号系列
を前記波形記憶手段に出力して前記波形記憶手段から前
記受波信号の複素振幅を出力させる読み出し制御手段と
を有することを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の構成では、選択手段により超音波振動
素子を順次切り換えながら、超音波の送受波を繰り返
し、各超音波振動素子から得られた受波信号を波形記憶
手段に格納し、この格納された受波信号を位相の異なる
一組の読み出し制御信号系列に同期して読出すことによ
り、各超音波振動素子からの受波信号の複素振幅を得る
ことができる。したがって、上記直交検波法による場合
に比べデジタル信号の処理のみで受波信号の複素振幅が
得られ、温度変化等に強くまた色々な周波数の超音波振
動子に容易に対応できる電子走査形超音波診断装置が実
現される。
【0023】
【実施例】実施例の説明に先立ち、本発明の特徴である
波形記憶手段に記憶された受波信号から、受波信号の複
素振幅を読出す原理を述べておく。
【0024】アレイ状に配列された超音波振動素子のi
番目(i=1,2,...,n)の素子からの受波信号
をfi (t)、そのスペクトルをFi (ω)と書くこと
にする。図1にこれらの概略形状を示す。ここで、fi
(t)の包絡線はガウス関数とした。Fi (ω)は、周
波数ω0 を中心として±ωc の帯域幅を持つガウス関数
となる。また、fi (t)は実関数であるから、そのス
ペクトルは周波数の正負両側に対称に現れる。このとき
比帯域幅βは
【0025】
【数7】 である。
【0026】受波信号fi (t)を波形記憶手段に記憶
するために、標本化間隔ts にてサンプリングし、波形
記憶手段に順次格納する。標本化間隔ts は少なくとも
ナイキストの基準である
【0027】
【数8】 を満たすと共に、中心周波数ω0 に対応する周期の1/
4毎にサンプリングするものとする。この条件は、Nを
自然数とするとき、
【0028】
【数9】 と書くことができる。このようにしてサンプリングされ
記憶された受波信号は、
【0029】
【数10】 で与えられる数列として波形記憶手段に格納される。
【0030】格納された受波信号(10)は位相差を有
する一組の読出しパルス系列にて読み出される。説明を
簡単にするために、この位相差をπ/2と仮定し、各パ
ルス系列の読出し周期tr は、ナイキストの基準を満た
す範囲で標本化間隔ts の整数倍Mts に等しいとす
る。このパルス系列に属する一つのパルスを、
【0031】
【数11】 とするとき、読み出されるデジタル化信号gi (t)
は、
【0032】
【数12】 で与えられる。ここで、ξi (t)、ηi (t)はそれ
ぞれ互いにπ/2だけ位相差をもつパルス系列による読
出し出力を表している。各々の概略波形を図2に示す。
【0033】読出し出力ξi (t)、ηi (t)はとも
にfi (t)を一定周期tr で標本化したものとなるか
ら、それぞれのスペクトルΞi (ω)、Ηi (ω)は読
出し周期tr の逆数に比例する読出し周波数ωr =2π
/tr 間隔でもとの受波信号スペクトルFi (ω)をな
らべたものになる。畳み込み定理と推移律に注意して、
式(12)をフーリエ変換すると、gi (t)のスペク
トルGi (ω)が次式のように得られる。
【0034】
【数13】 ここでΡ(ω)はρ(t)のフーリエ変換である。
【0035】さて、Fi (ω)は図1(b)に示されて
いるように周波数軸の正負両側に対称な分布を示すの
で、各々のスペクトルが式(13)に従って周波数軸上
に等間隔に並ぶことになる。Fi (ω)の正周波数側の
スペクトルFi+(ω)に対応する読出し出力のスペクト
ルをΞi+(ω)、Ηi+(ω)とし、負周波数側のスペク
トルFi-(ω)に対応する読出し出力のスペクトルをΞ
i-(ω)、Ηi-(ω)と書くことにする。このうち、Ξ
i+(ω)、Ξi-(ω)の概略形状を図3に示す。tr が
ナイキストの基準を満たすことから、Ξi+(ω)、Ξi-
(ω)のそれぞれの範囲では、周波数2π/tr 毎に分
布するスペクトル要素が互いに重なり合うことはない。
しかし、読出し周期tr の取り方によっては、Ξ
i+(ω)、Ξi-(ω)相互間で部分的な重なりが生じ、
Ξi (ω)から原受波信号を復元できないこととなる。
【0036】このような現象が起こることを避けるに
は、スペクトルΞi+(ω)、Ξi-(ω)が完全に重なり
合うように読出し周期tr を選べばよい。そして、その
条件は次式にて与えられる。
【0037】
【数14】 ここで、Lは自然数である。式(14)とナイキストの
基準である式(8)を同時に満たす最大のtr は、Lを
【0038】
【数15】 としたときのものである。ここで〔R〕は実数Rを越え
ない最大の整数を示す。
【0039】たとえば、比帯域幅β=1.0の受波信号
に対してL=2であり、この値を式(14)に代入する
ことにより、読出し周期tr の最大値は、受波信号の中
心周波数に相当する周期に等しくなることがわかる。こ
の場合の、受波信号の原スペクトルFi (ω)及び読出
し信号スペクトルΞi+(ω)、Ξi-(ω)を図4
(a)、(b)、(c)に示す。
【0040】開口合成処理において必要になるのは受波
信号の複素振幅であるから、読出し信号スペクトルにつ
いて周波数=0の周りに分布するスペクトル要素を考え
れば十分である。図4(b)、(c)からわかるよう
に、このスペクトル要素は式(13)において、l=±
1の項に対応している。また、図4の場合tr =2π/
ω0 なので、式(13)の第2項の位相因子はπ/2・
lとなる。よって、この時式(13)は、
【0041】
【数16】 と書き換えられる。ここで、P’1 (ω)、P’
2(ω)は帯域制限したことによりP1 (ω)、P
2(ω)が変化することを考慮したものである。P’1
(ω)、P’ 2(ω)は、式(16)のスペクトルGi
(ω)が受波信号の原スペクトルを+ω0 だけシフトし
たものと等しくなるように決められる。すなわち、
【0042】
【数17】 を満たすことが必要である。したがって、P’
1 (ω)、P’ 2(ω)は区間−ω0 ≦ω≦+ω0 での
み有限の値をもち、
【0043】
【数18】 である。この時、標本化関数ρ’1 (t)、ρ’
2 (t)は式(18)を逆フーリエ変換した、
【0044】
【数19】 で与えられる。そして、元の受波信号fi (t)からキ
ャリアを除いた複素振幅f’i (t)は式(17)、
(18)および(19)を考慮すると式(12)から、
【0045】
【数20】 となり、分離されて読み出される第1項の同相成分と第
2項の直交成分により、完全に復元されることがわかっ
た。以下、このような標本化および読出しを直交サンプ
リング法と呼ぶことにする。
【0046】さて、上述した直交サンプリング法は受波
信号の複素振幅を求めるに際し、その同相成分と直交成
分を分離して読出す方法である。このために、読出しパ
ルスの位相は、中心周波数に対応する周期の1/4だけ
ずれている必要がある。そして、このような読出しを可
能にするために、受波信号の標本化間隔は受波信号の中
心周波数に対応する周期の1/4の整数分の1であるこ
とを要する。一般的に受波信号の標本化間隔は装置によ
り固定されてしまうので、上の条件は使用可能な超音波
振動素子の周波数を限定してしまうことになる。たとえ
ば、標本化間隔を16.7nsec(すなわち標本化周
波数60MHz)に設定すると、周波数15MHz、
7.5MHz、5MHz、...等の超音波振動素子し
か使用できないことになる。
【0047】一方、複素平面上の独立した2軸について
の振幅が得られていれば、この2つの振幅をそれぞれ複
素平面上で一次変換することにより、同相成分と直交成
分を算出することが可能である。
【0048】この場合独立した2軸のなす角度はπ/2
に限定されないから、標本化間隔を固定しても、使用可
能な超音波振動素子の周波数が制限されることがなくな
る。以下、このような標本化および読出しを斜交サンプ
リング法と呼ぶこととし、その際の演算法について述べ
る。
【0049】斜交サンプリング法において、波形記憶手
段から読み出しパルス列は時間τrだけ互いにシフトし
た2系統のパルス列からなるものとする。そして、標本
化間隔はこの読出しパルス列にて読み出される全ての受
波信号振幅を標本化できるように設定されているものと
する。受波信号の中心周波数ω0 に対して、上記読み出
しパルス列の時間差τr は位相差にしてθr =ω0 τr
を与える。したがって、波形記憶手段から読み出される
デジタル化信号gi (t)、およびそのスペクトルGi
(ω)は、式(12)および(13)において、π/2
をθr に置き換えたものになる。すなわち、
【0050】
【数21】 および
【0051】
【数22】 である。式(22)を見ると明らかなように、スペクト
ルGi (ω)は、直交サンプリング法の場合と同様に、
間隔2π/tr 毎に同一形状のものが並ぶことになる。
そして、周波数=0の周りに分布するものだけを抜き出
すためには、式(22)において、l=±1とすればよ
いことも同じである。このとき、式(22)は、
【0052】
【数23】 となる。そして、直交サンプリングの式(18)、(1
9)に対応して、
【0053】
【数24】 が得られ、さらに、これらの式に基づいて斜交サンプリ
ング法によって得られるキャリアを除いた複素振幅f’
i (t)は、
【0054】
【数25】 となる。式(20)と比較すると分かるように、式(2
6)の第1項(以下z1 i (t))、すなわち第1の読
み出しパルス列にて読み出された信号は同相成分と直交
成分の混在したものになっており、また第2の読み出し
パルス列にて読み出された信号(以下z2 i (t))は
両読み出しパルス列の位相差の正弦の逆数の因子が加わ
っている。
【0055】これらの読み出し信号から、直交サンプリ
ング法と同様の同相成分ii (t)および、直交成分q
i (t)を得ることを考える。z1 i (t)の第1因子
と第3因子は実数であるから、第3因子の正負を除けば
z1 i (t)の位相は第2因子の偏角で決まり、それは
【0056】
【数26】 である。またz2 i (t)は純虚数であるから、同相成
分ii (t)に寄与するのはz1 i (t)の実成分のみ
である。よって、
【0057】
【数27】 である。そして、直交成分qi (t)は、z1 i (t)
の虚数成分およびz2 i (t)の和である。よって、
【0058】
【数28】 となる。つまり、読み出し信号z1 i (t)およびz
2 i (t)に式(28)、(29)で与えられる一次変
換を行えば、同相成分ii (t)、直交成分qi (t)
が得られることがわかった。ここで、θr は使用する超
音波振動素子の中心周波数ω0 と、読み出しパルス列の
時間差τr の積であるから容易に算出可能であり、また
θr に対する三角関数表を用意しておけば上記の一次変
換も極めて高速に実行することができる。したがって、
上述の斜交サンプリング法は簡単な構成により、超音波
振動子の周波数の制限を除去することが可能であること
を示している。
【0059】以上、本発明の基礎となる直交サンプリン
グ法および斜交サンプリング法について説明したので、
次に図面を参照しながら本発明の実施例について述べ
る。
【0060】図5ないし図7に直交サンプリング法に基
づく本発明の第1実施例を示す。図5は電子走査形超音
波診断装置の構成を示すブロック図、図6は直交サンプ
リング法において波形記憶手段の読み出しアドレスを示
す説明図、図7は直交サンプリング法における標本化パ
ルス列と読み出しパルスの関係を示す説明図である。
【0061】図5において、タイミングコントロール回
路は本実施例の電子走査形超音波診断装置全体のタイミ
ングを制御するために種々の制御信号を発生する回路で
ある。
【0062】超音波プローブ2はアレイ状に配列された
複数の超音波振動素子3─1ないし3─nからなる振動
素子群を有する。なお、説明を簡明にするため以下n=
7とする。
【0063】たとえば超音波振動素子3─4からは、超
音波ビーム4が回折効果により発散的な波面を形成しな
がら放射される。そして、生体内からの反射波はこの超
音波振動素子3─4により受信され、中心周波数ω0 、
帯域幅±ωc のスペクトルを有する受波信号に変換され
る。
【0064】マルチプレクサ5は、タイミングコントロ
ール回路1の制御を受けて各超音波振動素子3─i(i
=1,2,...,7)を順次選択する選択手段であ
る。
【0065】送信パルサ6は、タイミングコントロール
回路1からのトリガ信号を受けて各超音波振動素子3─
iを励振するための高電圧かつ広帯域のパルスを発生す
る。
【0066】受信増幅器7は、各超音波振動素子3─i
からの受波信号についての増幅器であり、制御入力端子
に印加する電圧によりその利得を変化させることができ
るVCA(Voltage Controlled A
mplifier)からなる。
【0067】STCコントロール回路8は、超音波の生
体内での減衰を補正するために設けられており、一定周
期で送信された超音波ビームに対する受波信号につき、
送信周期において時間の経過とともに受信増幅器7の利
得を上昇させるような制御電圧信号を、受信増幅器7の
制御入力端子に供給する。
【0068】帯域通過フィルタ9は、中心周波数ω0 、
帯域幅±ωc のスペクトラムを有する上記受波信号を通
過させるような周波数特性を有し、受波信号の帯域制限
をするために設けられている。
【0069】サンプルアンドホールド回路10は、高周
波である受波信号を所定の標本化間隔で標本化してデジ
タル信号への変換時間を確保するために設けられてい
る。ADコンバータ11は標本化された受波信号をデジ
タル信号に変換する。
【0070】サンプリングパルス発生回路13は、タイ
ミングコントロール回路1の制御を受けて、前記サンプ
ルアンドホールド回路10およびADコンバータ11に
それぞれ標本化パルス列および変換開始指令パルスを出
力するものである。本実施例においては、変換開始指令
パルスは標本化パルスと同一周期を有するパルス列であ
って、サンプルアンドホールド回路10のアクイジショ
ン時間分だけ遅延したものとしている。
【0071】また、標本化パルスおよび変換開始指令パ
ルスの周期ts の逆数の2π倍で与えられる繰り返し周
波数ωs は、少なくとも使用する超音波振動素子3─i
の共振周波数すなわち受波信号の中心周波数ω0 の4倍
の整数倍になるように決定される。
【0072】より具体的には、ω0 /2π=5MHzの
超音波プローブに対しては、ωs /2π=20MHzの
整数倍となり、ω0 /2π=7.5MHzの超音波プロ
ーブに対しては、ωs /2π=30MHzの整数倍とす
ればよい。したがって、標本化パルス発生回路12から
繰り返し周波数60MHzで標本化パルスおよび変換開
始指令パルスを出力することにより、これら2種類の超
音波プローブが使用可能となる。
【0073】標本化パルス発生回路12は、制御入力に
加える制御電圧によりその発振周波数を変化させるいわ
ゆるVCO(Voltage Controlled
Oscillator)からなり、その制御入力には本
装置の操作卓(図示せず)に設けられた可変電圧発生器
13の出力が接続されている。そして、可変電圧発生器
13を調整することにより標本化パルスおよび変換開始
指令パルスの周波数を±5%程度変化させることができ
るようになっている。
【0074】メモリ切り換え回路14は、タイミングコ
ントロール回路1の制御のもとに、マルチプレクサ5に
よって選択された超音波振動素子3─iからの標本化受
波信号fi (kts )を、対応する波形記憶手段に選択
的に送るために設けられている。
【0075】波形記憶手段15は、上記標本化受波信号
fi (kts )を格納するためのメモリであり、少なく
とも同時に開口合成処理される超音波振動素子の数の波
形記憶単位15─1ないし15─nからなる。図5では
n=7としている。また、各波形記憶単位15─i(i
=1,2,...,7)は、各標本化タイミングでの標
本化受波信号{fi (kts );kは整数}を順次格納
するために、例えば1バイトを単位とする複数のメモリ
単位を含むとともに、後述する2系統の読み出しアドレ
スにて指定された読み出し信号の同相成分と直交成分
を、読み出しクロックパルスに同期して保持出力する出
力部からなる。
【0076】波面軌跡ルックアップテーブル16は、上
記波形記憶手段15に対して開口合成処理するために必
要な読み出しアドレスである波面軌跡と読み出しクロッ
クパルスを発生するために設けられている。図6を参照
しながら、波面軌跡ルックアップテーブル16の発生す
るアドレスについて述べる。
【0077】図6は、点反射体からの受波信号を、各波
形記憶単位15─iが格納している様子を示している。
すなわち、各波形記憶単位15−iには、対応する超音
波振動素子3−iと上記点反射体との距離に応じて時間
的に遅延した受波信号が格納されている。この遅延時間
は、合成しようとする焦点の位置に応じて変化する双曲
線状の軌跡を描く。そこで各波形記憶手段15─iに対
して双曲線状の読み出しアドレスを発生して、その読み
出し出力を合成することにより上記点反射体で焦点を結
ぶ超音波反射像が再構築される。以下、このような読み
出しアドレスの形状を波面軌跡と呼ぶことにする。
【0078】このとき前述の直交サンプリング法に基づ
き、波面軌跡ルックアップテーブル16は、図中●で示
す同相サンプリングのための読み出しアドレスと、図中
★で示すπ/2だけ位相がずれた直交サンプリングのた
めの読み出しアドレスを出力するとともに、該読み出し
アドレスがセットされた後読み出しクロックパルスが出
力される。
【0079】そして読み出しクロックパルスが発生する
度に、波形記憶手段15の各出力端には順次受波信号の
同相成分と直交成分が保持更新されて現れることにな
る。
【0080】図5に戻り、本実施例の構成の説明を続け
る。プローブ周波数切り換えスイッチ17は、超音波プ
ローブ2の周波数によって、波面軌跡を変化させるため
に設けられたものである。図7を参照しながら、超音波
プローブ2の周波数と波面軌跡の関係について述べる。
【0081】図7(a)、(d)はそれぞれ周波数7.
5MHz、5MHzの受波信号を示し、同(b)、
(e)は周波数60MHzの標本化パルス列を示し、同
(c)、(f)は各受波信号に対して読出すべき同相成
分Iと直交成分Qの波形記憶単位15─iでの位置を示
している。
【0082】受波信号の周波数が7.5MHzのとき、
π/2の位相ずれは標本化間隔の2倍に当たるので、同
相サンプリングのための波面軌跡と直交サンプリングの
ための波面軌跡は、波形記憶手段15−iのメモリ単位
を一つおきに組にして読出すようなアドレス形状となる
(図7(b)、(c)参照)。
【0083】一方、受波信号の周波数が5MHzのと
き、π/2の位相ずれは標本化間隔の3倍に当たるの
で、波形記憶手段15─iのメモリ単位を二つおきに組
にして読出すようなアドレス形状が波面軌跡となる(図
7(e)、(f)参照)。
【0084】そして、プローブ周波数切り換えスイッチ
17により上述のごとく波面軌跡を選択することによ
り、7.5MHzと5MHzの2種類の超音波プローブ
が使用可能となる。
【0085】再び図5に戻る。多入力加算回路18─1
および18─2はそれぞれ、波形記憶手段15の各波形
記憶単位15─iで保持出力される同相成分Ii(i=
1,2,...,7)および直交成分Qi(i=1,
2,...,7)を受けて、それぞれの和をとるために
設けられたデジタル加算器である。
【0086】また、2乗回路19─1および19─2は
デジタル乗算器で構成され、上記の多入力加算回路18
─1、18─2の出力を2乗するものである。2入力加
算回路20は、2乗回路19─1、19─2の出力を加
算するためのデジタル加算器である。
【0087】以上のように構成された本実施例の作用を
述べる。本実施例では、まず、タイミングコントロール
回路1の制御のもとにマルチプレクサ5により超音波振
動素子3─1が選択され、送信パルサ6の出力パルスに
より該超音波振動素子が励振され、生体中に超音波パル
スが送波される。超音波パルスは生体内の組織により反
射され、再び同じ超音波振動素子3─1にて受信され
る。ここで、電気信号に変換され受波信号となった反射
波はマルチプレクサ5を経由して受信増幅器7により適
正な振幅に増幅される。このとき、生体内の音波吸収の
ため反射体までの超音波パルスの伝播距離が大きくなる
ほど受波信号の振幅が小さくなる。これを補償するため
に、STCコントロール回路8の制御により反射波の到
達時刻とともに受信増幅器7の利得を増大させるように
する。
【0088】受信増幅器7の出力信号は、帯域通過フィ
ルタ9により雑音低減され、かつ帯域制限された信号と
なり、サンプルアンドホールド回路10により例えば繰
り返し周波数60MHzにて標本化され、ADコンバー
タ11によりデジタル信号に変換される。変換されたデ
ジタル信号は、メモリ切り換え回路を経て波形記憶手段
15の波形記憶単位15─1に記憶される。
【0089】マルチプレクサ5により順次超音波振動素
子を切り換えて、以上のステップを繰り返すことによ
り、波形記憶単位15─1から15─7には超音波振動
素子3─1から3─7の受波信号が格納されることにな
る。
【0090】次に、波面軌跡ルックアップテーブル16
からは、同相サンプリングに対応する読み出しアドレス
と直交サンプリングに対応する読み出しアドレスが波形
記憶手段15に出力され、読み出しクロックパルスに同
期して同相成分と直交成分が保持出力される。各出力を
I1 ,I2 ,...,I7 およびQ1 ,Q2 ,...,
Q7 とすると、多入力加算回路18─1、18─2、2
乗回路19─1、19─2および2入力加算回路20に
より、最終的に合成焦点での反射強度Pが次式のように
得られる。
【0091】
【数29】
【0092】以上の処理を、タイミングコントロール回
路1の制御のもとに行い、所定の空間にわたり合成処理
を実行することによりBモード信号を得る。そして、こ
のBモード信号をもとに、図示しないデジタルスキャン
コンバータと表示器を用いて超音波断層像を表示する。
【0093】ところで、所定の焦点に対応する波形記憶
手段15の読み出しアドレスである波面軌跡をつくる際
には、生体の基準音速をたとえば1530m/sとして
焦点と各超音波振動素子3─iとの距離を計算して、超
音波の伝播時間を割り出し、最終的に波形記憶手段15
の読み出しアドレスを求めている。
【0094】しかし、生体の音速が上記基準音速と異な
る場合、合成時に各波形記憶単位の保持出力が微妙に位
相ずれを起こし、球面収差が発生する。このとき、可変
電圧発生器13を調整して標本化パルスの周波数を変化
させることにより、球面収差を除去することができる。
いま、標本化パルスの周波数を60MHz、基準音速を
1530m/sとすると、標本化間隔ts に対応する距
離(以下、標本化距離)は0.0255mmとなり、実
際の音速が1570m/sであったとすると標本化距離
は0.0261mmであるから、これらの標本化距離の
差異が球面収差の原因となる。そこで、実際の音速が1
570m/sの場合でも、標本化距離が0.0255m
mになるように、標本化パルスの周波数ωs を次式のよ
うに変化させる。
【0095】
【数30】 このように、標本化パルスの周波数を変えるだけで、実
際の生体の音速に合わせた正確な開口合成処理が可能に
なる。この際、本実施例では可変電圧発生器13を超音
波診断装置の操作卓に設けたので、超音波断層像を視認
しながらピント合わせをすることができる。
【0096】標本化パルスの周波数を変化させる構成
は、上述のものに限らず、水晶発振器とPLL回路を組
み合わせたもの等でも実現することができる。
【0097】以上では、超音波プローブ2が7個の超音
波振動素子3─iからなるものとして説明したが、実際
にはたとえば64素子や128素子から構成される。
【0098】本実施例によれば、標本化パルスの周波数
が使用される複数の超音波プローブの中心周波数の4倍
の公倍数に設定されているので、各プローブによる受波
信号を開口合成処理するに際して、同相サンプリングと
直交サンプリングに対応する波面軌跡を、所定標本化パ
ルス数分だけ離間したメモリ単位を組にして読出す読み
出しアドレスとすればよい。したがって、使用する超音
波プローブの周波数に合わせて標本化パルスの周波数を
変化させる必要がなくなる。また、生体音速に対応して
標本化パルスの周波数を微小に変化させる手段を有して
いるので、生体の音速差に伴う超音波断層像の球面収差
を簡単に除去することができる。
【0099】次に、図8を参照しながら前述の斜交サン
プリング法に基づく本発明の第2実施例を説明する。な
お、第1実施例と同一構成要素については同一符号を付
して説明を省略する。
【0100】各超音波振動素子3─iからの受波信号が
標本化されて波形記憶手段15に格納されるまでの構成
は第1実施例と同様であり、多入力加算手段回路18─
1および18─2の出力を1次変換する一次変換手段2
2が付加されている点で第1実施例と異なる。また、本
実施例における波面軌跡ルックアップテーブル21は、
固定された時間τr に相当する標本化パルス数分だけ離
間したメモリ単位をアクセスするように、2系統の読み
出しアドレスを出力するものである。このとき、波面軌
跡ルックアップテーブル21からの波面軌跡は必ずしも
複素平面上で直交する2軸に対応するものではなくなる
から、波形記憶手段15の出力は式(26)で表される
z1 i (t)、z2 i (t)となる。さらに、波面軌跡
ルックアップテーブル21は上記の時間τr をデジタル
信号として一次変換手段22に出力する。
【0101】一次変換手段22は、次に述べる要素から
なる。プローブ周波数入力手段23は、たとえば操作卓
に設けられたキーボードであり、これを介して現在装置
に接続されている超音波プローブ2の周波数ω0 を入力
するために設けられている。
【0102】位相差演算器24はデジタル乗算器であ
り、波面軌跡ルックアップテーブル21から出力される
波面軌跡の時間差τr とプローブ周波数入力手段23か
ら入力されたプローブ周波数ω0 との積をとることによ
り、該周波数での波面軌跡間の位相差θr を出力する。
【0103】三角関数格納手段25は、プログラマブル
なROMによって構成され各アドレスを角度とみなし
て、当該アドレスに対応する正弦関数と余弦関数がデー
タとして格納されている。アドレス線には上記の位相差
演算器24の出力が接続される。
【0104】第1係数乗算器26はデジタル乗算器であ
り、その一方の入力端子には多入力加算回路18─1の
出力Σz1 i が接続され、他の入力端子には三角関数格
納手段25の正弦出力sinθr が接続されている。そ
して、この第1係数乗算器26は式(28)に従って受
波信号の同相成分Iを出力する。
【0105】第2係数乗算器27もデジタル乗算器であ
り、その一方の入力端子には第1係数乗算器26と同様
に多入力加算回路18─1の出力Σz1 i が接続され、
他の入力端子には三角関数格納手段25の余弦出力co
sθr が接続されている。2相加算回路28は、デジタ
ル加算器であり、その一方の入力端子には第2係数乗算
器27の出力が接続され、他の一方の入力端子には多入
力加算回路18─2の出力Σz2 i が接続されている。
そして、第2係数乗算器27と2相加算回路28は式
(29)に従って受波信号の直交成分Qを出力する。
【0106】2乗回路19─1、19─2および2入力
加算回路20は第1実施例と同じものである。
【0107】以上のように構成された第2実施例の作用
を述べる。波形記憶手段15の各波形記憶単位15─i
に格納された受波信号{fi (kts )}は、波面軌跡
ルックアップテーブル21が発生する固定された時間差
τr だけずれた2つの読み出しアドレスである波面軌跡
により、式(26)の第1項であるz1 i (t)と第2
項であるz2 i (t)として読み出しクロックパルスの
発生ごとに更新して読み出される。そして多入力加算回
路18─1および18─2により加算され、和信号Σz
1 i (t)とΣz2 i (t)がそれぞれ第1係数乗算器
26、第2係数乗算器27および2相加算回路28に出
力される。
【0108】一方、波面軌跡ルックアップテーブル21
から出力された波面軌跡の時間差τ r は、プローブ周波
数入力手段23から入力されたプローブ周波数ω0 と位
相差演算器24により積をとられ、当該周波数における
位相差θr に変換される。たとえば、7.5MHzと5
MHzの2種類の超音波プローブについて、標本化周波
数を30MHzに設定し、波面軌跡を33ns(=1/
30MHz)に相当するアドレス分だけ互いに離間した
ものとする。このとき、7.5MHzの受波信号につい
ては波面軌跡の位相差θr がπ/2となり、5MHzの
受波信号については波面軌跡の位相差θr がπ/3とな
る。この位相差θr は三角関数格納手段25により、両
波面軌跡の位相差の正弦と余弦に変換されそれぞれ第1
係数乗算器26および第2係数乗算器27に出力され
る。
【0109】複素平面上で必ずしも直交しない2軸への
受波信号の射影であるΣz1 i (t)とΣz2 i (t)
は、第1係数乗算器26、第2係数乗算器27および2
相加算回路28により式(28)および式(29)の一
次変換がなされ、複素平面上で直交する2軸への射影で
ある同相成分I(t)と直交成分Q(t)に変換され
る。
【0110】同相成分I(t)と直交成分Q(t)は、
第1実施例と同様にして2乗回路19─1、19─2お
よび2入力加算回路20の処理を受けて、2乗振幅が計
算されBモード信号として出力される。
【0111】本実施例によれば、波面軌跡ルックアップ
テーブルが発生する固定された時間差を有する2系統の
波面軌跡により読み出された受波信号を、受波信号の中
心周波数により決定される係数を乗じて一次変換して同
相成分および直交成分を得ることができる。このため、
標本化間隔および波面軌跡の位相差が固定されていて
も、波面軌跡の位相差がπの整数倍にならない限り、任
意の中心周波数の受波信号に対して開口合成処理が可能
であり、使用する超音波プローブに対する周波数の制限
を除くことができる。また標本化周波数は、受波信号の
中心周波数の4倍に設定する必要がないので、直交サン
プリング法に比べ低く設定することが可能である。
【0112】なお、本実施例において一次変換手段22
は図8に示したものに限らず、複素平面上の独立した2
軸を直交する2軸に変換する任意の構成のものが使用可
能であることは明らかである。
【0113】以上述べた本発明の実施態様によれば、下
記のような構成が得られる。 (付記1)アレイ状に配列された複数の超音波振動素子
からなる振動素子群と、この振動素子群から超音波の送
受波に係わる前記超音波振動素子を選択する選択手段
と、前記選択された超音波振動素子からの受波信号の波
形情報を各超音波振動素子に対応させて格納する波形記
憶手段と、位相差を有する一組の読み出し制御信号系列
を前記波形記憶手段に出力して前記波形記憶手段から前
記受波信号の複素振幅を出力させる読み出し制御手段と
を有することを特徴とする超音波診断装置。付記1に記
載の構成によれば、開口合成処理に必要な受波信号の複
素振幅を、位相差を有する読み出し信号系列を用いるだ
けで、デジタル的に得ることができる。 (付記2)前記読み出し制御手段は、所定焦点を合成す
るために前記複数の超音波振動素子からの受波信号にそ
れぞれ与えるべき遅延量に対応する前記波形記憶手段に
ついての読み出しアドレスの集合である波面軌跡ルック
アップテーブルを格納しており、前記位相差を有する一
組の読み出し信号系列は所定の時間間隔に相当する量だ
け互いに推移した前記読み出しアドレスの一組である付
記1に記載の超音波診断装置。付記2に記載の構成によ
れば、所定焦点を合成するために遅延された受波信号の
複素振幅を得ることができる。 (付記3)付記2に記載の超音波診断装置において、受
波信号の波形情報を波形記憶手段に格納するために所定
の標本化周波数で前記受波信号を標本化する標本化手段
を有し、前記標本化周波数を前記受波信号の中心周波数
の4倍とし、前記読み出しアドレスの一組が互いに推移
している量に相当する時間間隔を前記受波信号の中心周
波数の4倍の逆数とすることにより、前記波形記憶手段
から受波信号の同相成分と直交成分からなる複素振幅を
出力させることを特徴とする超音波診断装置。付記3に
記載の構成には直交サンプリング法が適用されているの
で、波形記憶手段からは受波信号の同相成分と直交成分
が出力される。 (付記4)付記2に記載の超音波診断装置において、受
波信号の波形情報を波形記憶手段に格納するために所定
の標本化周波数で前記受波信号を標本化する標本化手段
を有し、前記標本化周波数を前記受波信号の中心周波数
の4倍の整数倍とし、前記読み出しアドレスの一組が互
いに推移している量に相当する時間間隔を前記受波信号
の中心周波数の4倍の逆数とすることにより、前記波形
記憶手段から受波信号の同相成分と直交成分からなる複
素振幅を出力させることを特徴とする超音波診断装置。 (付記5)付記4に記載の超音波診断装置において、送
受波する超音波の中心周波数が異なる複数の超音波振動
素子群に対して、前記標本化周波数は前記各超音波振動
素子群の中心周波数の4倍の最小公倍数であることを特
徴とする超音波診断装置。 (付記6)前記波面軌跡ルックアップテーブルが発生す
る前記読み出しアドレスの一組が互いに推移している量
を、受波信号の中心周波数の4倍の逆数の時間間隔に相
当するものとするように、使用されている前記超音波振
動素子群の周波数によって切り換える周波数選択手段を
有することを特徴とする付記5に記載の超音波診断装
置。付記4乃至付記6に記載の構成によれば、異なる中
心周波数を有する複数の超音波プローブに対して直交サ
ンプリング法を適用することができる。 (付記7)前記標本化手段の標本化周波数を変化させる
標本化周波数調整手段を有することを特徴とする付記3
または付記4に記載の超音波診断装置。 (付記8)前記標本化周波数調整手段は、前記超音波診
断装置の操作卓に設けられた調整量の入力手段を有する
ことを特徴とする付記7に記載の超音波診断装置。付記
7および付記8に記載の構成によれば、被検体の生体音
速の違いを補正してピントのあった開口合成画像を得る
ことができる。また、付記8では特に、画質を観察しな
がら画像のピント合わせをすることができる。 (付記9)付記3または4に記載の超音波診断装置にお
いて、前記波形記憶手段から出力される同相成分と直交
成分をそれぞれ対応する各超音波振動素子について加算
する第1および第2の加算手段と、該第1および第2の
加算手段の出力をそれぞれ2乗して加算する2乗振幅演
算手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。付
記9に記載の構成によれば、直交サンプリング法により
得られた受波信号の同相成分と直交成分から、いわゆる
Bモード像形成のための2乗振幅が得られる。 (付記10)付記2に記載の超音波診断装置において、
前記波形記憶手段から出力される受波信号の複素振幅が
入力され、複素平面上で直交する2軸について前記複素
振幅の射影を求めるために一次変換を行う一次変換手段
を有することを特徴とする超音波診断装置。 (付記11)前記一次変換手段は、前記超音波振動素子
群が送受波する超音波の中心周波数を入力する周波数入
力手段と、該周波数入力手段により入力された前記中心
周波数のデータに基づいて、前記一次変換に用いられる
係数を設定する係数設定手段とを更に有することを特徴
とする付記9に記載の超音波診断装置。 (付記12)付記10に記載の超音波診断装置におい
て、前記一次変換手段にて変換された前記複素平面上で
直交する2軸についての前記複素振幅の射影をそれぞれ
2乗して加算する2乗振幅演算手段とを備えることを特
徴とする超音波診断装置。付記10乃至12に記載の構
成によれば、斜交サンプリング法により受波信号の開口
合成処理を行うことができる。
【0114】以上説明したように、本発明によれば受波
信号を波形記憶手段に格納したのちに、位相差を有する
一組の読み出し制御信号系列で受波信号の複素振幅を読
出すようにしたので、従来の直交検波法に不可欠なアナ
ログ乗算器、低域通過フィルタおよび移相器等のアナロ
グ回路素子を省略することができる。このため、温度変
化、経時変化に対して安定な開口合成処理ができる超音
波診断装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波振動素子の受波信号を示す図であり、
(a) は超音波振動素子の受波信号の波形を示し、
(b) は超音波振動素子の受波信号のスペクトルを示
す。
【図2】 波形記憶手段からの読み出し出力を示す図で
あり、(a) は原受波信号波形を示し、(b) は同
相読み出しパルスによる読み出し出力を示し、(c)
は直交読み出しパルスによる読み出し出力を示す。
【図3】 波形記憶手段からの読み出し出力のスペクト
ルを示す図であり、(a) は受波信号の正周波数側ス
ペクトルに対応する読み出し信号のスペクトルを示し、
(b) は受波信号の負周波数側スペクトルに対応する
読み出し信号のスペクトルを示す。
【図4】 適正な読み出し周期にて読み出された信号の
スペクトルを示す図であり、(a) は原受波信号のス
ペクトルを示し、(b) は受波信号の正周波数側スペ
クトルに対応する読み出し信号のスペクトルを示し、
(c) は受波信号の負周波数側スペクトルに対応する
読み出し信号のスペクトルを示す。
【図5】 本発明の第1実施例の構成を示すブロック図
である。
【図6】 直交サンプリング法において、波形記憶手段
の読み出しアドレスを示す図である。
【図7】 直交サンプリング法において、標本化パルス
列と読み出しアドレスの関係を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施例の構成を示すブロック図
である。
【図9】 従来の直交検波法を示す説明図である。
【符号の説明】
3─1乃至3─7 振動素子群 5 マルチプレクサ(選択手段) 15 波形記憶手段 16 波面軌跡ルックアップテーブル
(読み出し制御手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アレイ状に配列された複数の超音波振動素
    子からなる振動素子群と、この振動素子群から超音波の
    送受波に係わる前記超音波振動素子を選択する選択手段
    と、前記選択された超音波振動素子からの受波信号の波
    形情報を各超音波振動素子に対応させて格納する波形記
    憶手段と、位相差を有する一組の読み出し制御信号系列
    を前記波形記憶手段に出力して前記波形記憶手段から前
    記受波信号の複素振幅を出力させる読み出し制御手段と
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
JP7062444A 1995-03-22 1995-03-22 超音波診断装置 Withdrawn JPH08257027A (ja)

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