JPH0825940B2 - 光学活性化合物 - Google Patents

光学活性化合物

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JPH0825940B2
JPH0825940B2 JP1072220A JP7222089A JPH0825940B2 JP H0825940 B2 JPH0825940 B2 JP H0825940B2 JP 1072220 A JP1072220 A JP 1072220A JP 7222089 A JP7222089 A JP 7222089A JP H0825940 B2 JPH0825940 B2 JP H0825940B2
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国郎 小笠原
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洋一 島崎
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、家畜の寄生虫病に効果があるとして知られ
ているミルベマイシン(milbemycin)β製造のための
中間体である光学活性化合物に関する。さらに詳細に
は、下記式で表わされるミルベマイシンβの北半球部
分である下記式(B)で表わされる化合物を製造するた
めの中間体に関する。
(従来の技術及び解決すべき課題) ミルベマイシンβは天然に存在する化合物として知
られているが、一般に上記の如き特異な性質をもつ天然
産の化合物は光学活性体であることが多い。これらは極
めて微量でその効果を発揮するが、天然から産出される
量も極めて微量であるため天然物からの抽出は非効率的
であって実用性に乏しい。従ってこのものが合成によっ
て量産されることは非常に意義の深いことである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ミルベマイシンβを製造するための中間
体である下記式(A)で表わされる光学活性化合物を提
供するものである。
すなわち、本発明は、下記式(A) (上記式(A)において、Bnはベンジル基を表わし、*
の符号は不斉炭素原子を表わす) で表わされる光学活性化合物である。
本発明の光学活性化合物には(R)体及び(S)体の
2種類の光学異性体があり、このうちミルベマイシンβ
製造のための中間体となるのは(R)体である。
上記式(A)化合物のうち(R)体の合成法を以下の
合成経路Iに従って説明する。但し、下記においてBnは
ベンジル基、Etはエチル基を表わす。
上記出発物質である光学活性(S)体の化合物(1)
は既知の方法によって得られる(高野,関口,佐藤,小
笠原:Synthesis 1987,139)。
化合物(1)をトリエチルオルソアセテート及びピバ
リン酸と反応させて化合物(2)とし、これをジイソブ
チルアルミニウムヒドリドで還元して化合物(3)とす
る。次に化合物(3)とトリフェニルホスフィン及び四
臭化炭素を反応させて化合物(4)とした後、n−ブチ
ルリチウムと反応させることによって本発明の目的物で
ある(R)体の化合物(A)−1が得られる。出発物質
の化合物(1)として光学活性(R)体のものを使用す
れば、上記同様にして目的物である(S)体の化合物
(A)−2が得られる。このものは他の有用な光学活性
化合物の合成原料として期待しうる。
上記得られた(R)体の化合物(A)−1は、下記の
合成経路IIに従って、ミルベマイシンβの北半球部分
である前記化合物(B)を製造するための原料となる化
合物(7)へ変換することができる。
上記合成反応において、化合物(A)−1に(R)−
(−)−エピクロロヒドリンを反応させて化合物(5)
を合成し、これを塩基処理して化合物(6)となし、こ
れにアセチレンガスを反応させて光学活性(4R,9R)体
の化合物(7)とすることができる。上記光学活性エピ
クロロヒドリンとしては、高光学純度のものとして本出
願人に係る特開昭61−132196号公報及び特開昭62−6697
号公報、又は特願昭63−284881号明細書記載の方法によ
って得られたものを用いることができる。
ミルベマイシンβの北半球部分である前記化合物
(B)を製造するための原料としては、上記化合物
(7)の他に、下記合成経路IIIに従って得られる化合
物(17)が用いられる。下記においてTMSはトリメチル
シリル基、Bnはベンジル基、phはフェニル基を表わす。
上記出発物質である光学活性(R)体の化合物(8)
は既知の方法によって得られる(高野,関口,佐藤,小
笠原:Synthesis 1987,139)。
上記化合物(8)を水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、又は水酸
化カルシウム,水酸化マグネシウム等の水酸化アルカリ
土類金属などの塩基の存在下で塩化プロパルギル,臭化
プロパルギル,ヨウ化プロパルギル等のハロゲン化プロ
パルギルと反応させて化合物(9)を合成する。この化
合物(9)をn−ブチルリチウム,水素化リチウム,水
素化ナトリウム,グリニヤール試薬等の塩基の存在下で
塩化トリメチルシラン等のハロゲン化トリメチルシラン
と反応させて化合物(10)に変換する。化合物(10)を
テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジメトキシエタ
ン等の溶媒中n−ブチルリチウム等の塩基の存在下で転
位させて化合物(11)とし、次いでこの化合物(11)を
テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジメトキシエタ
ン,クロロホルム,塩化メチレン,四塩化炭素等の溶媒
中フッ化カリウム,フッ化水素,フッ化テトラ−n−ブ
チルアンモニウム等のフッ素試薬を作用させてトリメチ
ルシリル基(TMS)を除去し化合物(12)とする。この
化合物(12)の3位の水酸基をエステル化して化合物
(13)とし、これを塩基処理して反転させ化合物(14)
に変換する。これを酸化白金(IV)の存在下で水素添加
して化合物(15)にし、さらに水酸化パラジウム(II)
の存在下で水素化分解すると化合物(16)となる。この
化合物(16)を白金黒存在下に酸処理すると光学活性
(4S,5R)体の化合物(17)が得られる。
化合物(B)の合成は、前記化合物(7)と上記化合
物(17)を原料として下記の合成経路IVによって製造す
ることができる。下記においてBnはベンジル基、TBDMS
はt−ブチルジメチルシリル基を表わす。
上記反応において、化合物(7)にn−ブチルリチウ
ムを加えて反応させた後、化合物(17)を反応させ、水
酸基をシリルエーテルで保護して化合物(18)とする。
これを還元してシスオレフィンとした後選択的にエポキ
シ化し、さらに還元して開環させ化合物(19)とする。
化合物(19)をフッ素試薬と反応させてシリル基を除去
すると、化合物(B)とそのエピマーが得られる。この
エピマーは酸化してスピロケトンとした後ヒドリド還元
することにより化合物(B)へ変換できる。この化合物
(B)は、ミルベマイシンβの光学活性な北半球部分
に相当し、ミルベマイシンβを製造するための重要な
中間体となる。
化合物(B)の合成原料である前記光学活性(4R,9
R)体の化合物(7)及び光学活性(4S,5R)体の化合物
(17)の代りに、それぞれの光学異性体である(4S,9
S)化合物(7′)及び(4R,5S)化合物(17′)を用い
れば化合物(B)の光学異性体である化合物(B′)が
得られる。なお、上記(4S,9S)化合物(7′)は、前
記合成経路IIにおいて、原料化合物(A)−1の代りに
化合物(A)−2を用い、また化合物(A)−1から化
合物(5)への反応に際して用いた(R)−(−)−エ
ピクロロヒドリンの代りに(S)−(+)−エピクロロ
ヒドリンを用いて上記同様に行って製造することができ
る。また(4R,5S)化合物(17′)は、前記合成経路III
において、原料の光学活性(R)体の化合物(8)の代
りに(S)体の化合物を用いて同様に行えば得ることが
できる。
(実 施 例) 実施例1 〈化合物(2)の合成〉 化合物(1)7.09g(36.9m mol)にトリエチルオルソ
アセテート30.0g(185m mol)及びピバリン酸226mg(2.
21m mol)を加え、Dean−Stark装置を付し、アルゴン気
流中140℃で12時間加熱した。減圧下でトリエチルオル
ソアセテートを留去し、得られた残留物をシリカゲル25
0gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、エチルエ
ーテル:ヘキサン=1:20(容量)の流分から無色油状の
化合物(2)7.12g(収率73%)を得た。
元素分析 C16H22O3 C H 理論値(%) 73.25 8.45 分析値(%) 73.03 8.51 IR νmax(neat) 1730cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.07(3H,d,J=6.6Hz) 1.24(3H,t,J=7.1Hz) 2.03〜2.04(3H,m) 3.97(2H,d) 4.12(2H,q,J=7.1Hz) 4.49(2H,s,) 5.54〜5.72(2H,m) 7.33(5H,s) MS m/e:155(M+−OBn),91(100%) 〈化合物(3)の合成〉 上記得られた化合物(2)6.944g(26.30m mol)のト
ルエン200ml溶液中にジイソブチルアルミニウムヒドリ
ド3.741g(26.30m mol)をアルゴン気流中−90℃で加
え、同温度で1時間攪拌した。
1規定塩酸を加えてエチルエーテルで抽出した後、エ
ーテル層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した
後、得られた残渣をシリカゲル200gを用いたカラムクロ
マトグラフィーに付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:
15(容量)の流分から原料化合物(2)144mg(収率2
%)を得、続いて の流分から無色油状の化合物(3)5.050g(収率88%)
を得た。
▲〔α〕26 D▼−20.43゜(c=1.008,CHCl3) 元素分析 C14H18O2 C H 理論値(%) 77.02 8.32 分析値(%) 76.62 8.51 IR νmax(neat) 1725cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.09(3H,d,J=6.6Hz) 2.30〜2.50(2H,m) 2.81(1H,m) 3.97(2H,m) 4.49(2H,s) 5.50〜5.74(2H,m) 7.33(5H,s) 9.73(1H,t,J=2.2Hz) MS m/e:218(M+),91(100%) C14H18O2 理論値218.1307 分析値218.1287 〈化合物(4)の合成〉 トリフェニルホスフィン24.03g(92.68m mol)の塩化
メチレン90ml溶液に四臭化炭素15.37g(46.34m mol)を
アルゴン気流中氷冷下で加え、同温度で15分間攪拌し
た。これに上記得られた化合物(3)5.05g(23.17m mo
l)の塩化メチレン10ml溶液を同温度で加え1時間攪拌
した。塩化メチレン200mlで稀釈した後、飽和重曹水、
飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下で溶媒を留去後、得られた残渣44.94gをエチ
ルエーテル300mlに溶かしグラスフィルターで濾過し
た。濾液について減圧下で溶媒を留去後、得られた残渣
13.18gをシリカゲル400gを用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:15(容量)
の流分から化合物(4)7.67g(収率89%)を得た。
▲〔α〕26 D▼−6.67゜(c=1.048,CHCl3) IR νmax(neat) 1615cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.05(3H,d,J=6.4Hz) 1.95〜2.60(3H,m) 3.99(2H,m) 4.51(2H,s) 5.51〜5.69(2H,m) 6.38(1H,t,J=7.1Hz) 7.33(5H,s) MS m/e:374(M+),91(100%) 〈化合物(A)−1の合成〉 上記得られた化合物(4)7.61g(20.3m mol)のテト
ラヒドロフラン150ml溶液中にn−ブチルリチウム(10
%W/V n−ヘキサン溶液)27.5ml(46.8m mol)をアルゴ
ン気流中−78℃で加え、同温度で30分間攪拌した。水50
mlを加えてエチルエーテルで抽出し飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を
留去後、シリカゲル200gを用いたカラムクロマトグラフ
イーに付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:50(容量)
の流分から無色油状の化合物(A)−13.59g(収率82
%)を得た。
▲〔α〕29 D▼−6.40゜(c=1.000,CHCl3) 元素分析 C15H18O2 C H 理論値(%) 84.07 8.47 分析値(%) 84.34 8.47 IR νmax(neat) 2140,3210cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.12(3H,d,J=6.6Hz) 1.98(1H,t,J=2.4Hz) 2.09〜2.28(2H,m) 2.36(1H,m) 4.00(2H,m) 4.51(2H,s) 5.58〜5.78(2H,m) 7.33(5H,s) MS m/e:214(M+),91(100%) このようにして得られた本発明の目的物の一つである
光学活性(R)体の化合物(A)−1は、引き続いて下
記例で示すように化合物(5)、さらには化合物(6)
を経て、ミルベマイシンβの北半球部分である化合物
(B)を製造するための原料となる化合物(7)へ変換
できる。以下その合成例を示した。
〈化合物(5)の合成〉 二塩化ジルコノセン1.86g(6.36m mol)の塩化メチレ
ン懸濁液にトリメチルアルミニウム2.86g(39.7m mol)
をアルゴン気流中室温で加えて15分間攪拌した後、同温
度で上記得られた化合物(A)−11.70g(7.94m mol)
の塩化メチレン5ml溶液を加えて13時間攪拌した。減圧
下で溶媒とトリメチルアルミニウムを留去(15mmHg室温
及び0.5mmHg50℃で4時間)後、残留物をn−ヘキサン
(15ml×3回)で抽出しカニューレを用いて別の容器に
移した。この容器にn−ブチルリチウム(1.65モルのn
−ヘキサン溶液)7.22ml(11.91m mol)をアルゴン気流
中−78℃で加え、さらに−30℃で30分間攪拌した。この
温度で(R)−(−)−エピクロロヒドリン3.67g(39.
7m mol)を加え、−20℃で12時間攪拌した。飽和塩化ア
ンモニウム水40mlを加えた後エチルエーテルで抽出し、
飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留
物をシリカゲル100gを用いたカラムクロマトグラフィー
に付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:9(容量)の流
分から化合物(5)1.75g(収率68%)を得た。
▲〔α〕24 D▼+9.80゜(c=1.016,CHCl3) 元素分析 C19H27O2Cl C H Cl 理論値(%) 70.68 8.43 10.98 分析値(%) 70.67 8.51 10.89 IR νmax(neat) 1665,3450cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.96(3H,d,J=6.3Hz) 1.61(3H,brs) 2.00(2H,d,J=6.8Hz) 2.28(2H,t,J=7.3Hz) 2.41(1H,d,J=4.9Hz,exchangeable with D2O) 2.10〜2.52(1H,m) 3.28〜3.88(3H,m) 3.96(2H,m) 4.49(2H,s) 5.13(1H,t,J=7.3Hz) 5.43〜5.68(2H,m) 7.33(5H,s) 〈化合物(6)の合成〉 上記得られた化合物(5)438mg(1.36m mol)のテト
ラヒドロフラン5ml溶液に粉末水酸化ナトリウム163mg
(4.07m mol)をアルゴン気流中室温で加えて同温度で
9時間攪拌した。エチルエーテル60mlで稀釈後、飽和食
塩水で3回洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下で溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲル15gを
用いたカラムクロマトグラフイーに付し、エチルエーテ
ル:ヘキサン=1:9(容量)の流分から無色油状の化合
物(6)362mg(収率93%)を得た。
▲〔α〕24 D▼−3.35゜(c=1.014,CHCl3) 元素分析 C19H26O2 C H 理論値(%) 79.68 9.15 分析値(%) 79.61 9.10 IR νmax(neat) 1670cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.95(2H,d,J=6.4Hz) 1.59(3H,s) 1.84〜2.11(2H,m) 2.13〜2.40(2H,m) 2.47(1H,dd,J=2.7Hz,5.1Hz) 2.70(1H,t,J=4.9Hz) 2.90(1H,m) 3.96(2H,d,J=4.9Hz) 4.48(2H,s) 5.15(1H,t,J=7.1Hz) 5.48〜5.67(2H,m) 7.32(5H,s) MS m/e:285(M+−1),91(100%) C19H25O2 理論値285.1855(M+−1) 分析値285.1894(M+−1) 〈化合物(7)の合成〉 ジメチルスルホキシド30mlに水素化ナトリウム(60%
油中)789mg(19.7m mol)をアルゴン気流中室温で加
え、水素の発生が停止するまで(約50分間)70℃に加熱
した。得られた緑透明溶液を室温に戻した後、濃硫酸及
びシリカゲル洗気ビンを通したアセチレンガスを40分間
導入した。これに上記得られた化合物(6)1.41g(4.9
3m mol)のジメチルスルホキシド10ml溶液を室温で加え
4.5時間攪拌した。氷冷下で反応液に水50mlを滴下しエ
チルエーテルで抽出した。エーテル層を飽和重曹水、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカ
ゲル70gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、エ
チルエーテル:ヘキサン=1:4(容量)の流分から淡黄
色油状の化合物(7)1.23g(収率80%)を得た。
bp 196℃(0.5mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕26 D▼+7.55゜(c=1.032,CHCl3) 元素分析 C21H28O2 C H 理論値(%) 80.73 9.03 分析値(%) 80.70 9.22 IR νmax(neat) 1670,3310,3460cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.97(3H,d,J=6.6Hz) 1.61(3H,brs) 1.77〜2.10(3H,m) 2.17(1H,d,J=5.1Hz,exchangeable with D2O) 2.23〜2.50(5H,m) 3.75(1H,m) 3.95(2H,m) 4.50(2H,s) 5.15(1H,t,J=7.1Hz) 5.46〜5.65(2H,m) 7.33(5H,s) Ms m/e:313(M++1),91(100%) C21H28O2 理論値313.2167(M++1) 分析値313.2182(M++1) 上記得られた光学活性(4R,9R)体の化合物(7)
は、前記したようにミルベマイシンβの北半球部分で
ある化合物(B)を製造する原料に利用される。
次に、上記化合物(B)を製造するための他方の原料
化合物(17)は、以下の例のようにして合成した。
〈化合物(9)の合成〉 光学純度約100%eeの化合物(8)1.00g(5.21m mo
l)、硫酸水素n−ブチルアンモニウム88mg(0.26m mo
l)及び60%(W/V)水酸化ナトリウム水溶液20mlの混合
物中に氷冷下でプロパルギルブロマイド3.10g(26.0m m
ol)を加え、アルゴン気流中室温で26時間攪拌した。こ
れに水及びエチルエーテルを加え、エーテル層を分取し
て飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲ
ル50gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、エチ
ルエーテル:ヘキサン=1:50(容量)の流分から無色油
状の化合物(9)0.917g(収率77%)を得た。
bp 130℃(0.2mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕25 D▼−85.38゜(c=1.040,CHCl3) 元素分析 C15H18O2 C H 理論値(%) 78.23 7.88 分析値(%) 77.58 7.90 IR νmax(neat) 2110cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.73(3H,dd,J=1.7Hz,6.8Hz) 2.40(1H,t,J=2.5Hz) 3.45〜3.60(2H,m) 4.19(2H,t,J=2.5Hz) 4.50〜4.88(1H,m) 4.60(2H,s) 5.12〜6.02(2H,m) 7.33(5H,s) MS m/e:189(M+−CH=CH−CH3),91(100%) 〈化合物(10)の合成〉 上記得られた化合物(9)10.00g(43.48m mol)のテ
トラヒドロフラン150ml溶液に濃度1.3molのエチルマグ
ネシウムブロマイド−テトラヒドロフラン溶液83.61ml
(108.7m mol)をアルゴン気流中氷冷下で加え、同温度
で3時間攪拌した後、トリメチルシリルクロライド14.1
7g(130.4m mol)を加えた。次いで飽和塩化アンモニウ
ム水50mlを加えてエチルエーテルで抽出し、エーテル層
を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた
残留物をシリカゲル250gを用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:30(容量)
の流分から無色油状の化合物(10)12.23g(収率93%)
を得た。
bp 130℃(0.2mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕27 D▼−80.74゜(c=1.018,CHCl3) 元素分析 C18H26O2Si C H 理論値(%) 71.47 8.66 分析値(%) 71.44 8.72 IR νmax(neat) 2180cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.18(9H,brs) 1.71(3H,dd,J=1.4Hz,7.1Hz) 3.55〜3.73(2H,m) 4.18(2H,d,J=2.9Hz) 4.49〜4.79(1H,m) 4.60(2H,s) 5.12〜6.01(2H,m) 7.34(5H,s) MS m/e:302(M+),91(100%) C18H26O2Si 理論値302.1703(M+) 分析値302.1711(M+) 〈化合物(11)の合成〉 上記得られた化合物(10)16.0g(53m mol)のテトラ
ヒドロフラン200ml溶液に10%(W/V)n−ブチルリチウ
ム49.7ml(79m mol)をアルゴン気流中−80℃で加え4
時間同温度で攪拌した。飽和塩化アンモニウム水50mlを
加えてエチルエーテルで抽出し、エーテル層を飽和重曹
水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシ
リカゲル450gを用いたカラムクロマトグラフィーに付
し、エチルエーテル:ヘキサン=1:7(容量)の流分か
ら無色油状の化合物(11)14.5g(収率90%)を得た。
▲〔α〕24 D▼+18.91゜(c=0.624,CHCl3) 元素分析 C18H26O2Si C H 理論値(%) 71.47 8.66 分析値(%) 71.29 8.73 IR νmax(neat) 2170,3400cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.17(9H,brs) 1.12(3H,d,J=6.8Hz) 1.86(1H,d,J=7.4Hz,exchangeable with D2O) 2.28〜2.67(1H,m) 3.94〜4.08(2H,m) 4.24(1H,dd,J=6.8Hz,7.4Hz) 4.52(2H,s) 5.67〜5.82(2H,m) 7.33(5H,s) MS m/e:301(M+−1),91(100%) 〈化合物(12)の合成〉 上記得られた化合物(11)1.77g(5.86m mol)のテト
ラヒドロフラン20ml溶液に濃度1.0molのフッ化テトラ−
n−ブチルアンモニウム−テトヒドロフラン溶液17.6ml
(17.6m mol)を室温で加え、アルゴン気流中同温度で
8分間攪拌した、減圧下で溶媒を留去し、得られた残留
物をシリカゲル30gを用いたカラムクロマトグラフィー
に付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:7(容量)の流
分から無色油状の化合物(12)1.29g(収率96%)を得
た。
bp 125℃(0.2mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕26 D▼+18.15゜(c=1.146,CHCl3) IR νmax(neat) 2100,3500cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.12(3H,d,J=7.1Hz) 1.82〜2.10(1H,brs,exchangeable with D2O) 2.30〜2.70(1H,m) 4.26(1H,dd,J=2.3Hz,5.1Hz) 4.51(2H,s) 5.68〜5.82(2H,m) 7.30(5H,s) MS m/e:230(M+),91(100%) C15H18O2 理論値230.1307(M+) 分析値230.1293(M+) 〈化合物(13)の合成〉 上記得られた化合物(12)49.3mg(0.214m mol)のテ
トラヒドロフラン2ml溶液に安息香酸34.0mg(0.278m mo
l)、トリフェニルホスフィン84.0mg(0.321m mol)及
びアゾジカルボン酸ジイソプロピル64.9mg(0.321m mo
l)を順次アルゴン気流中氷冷下で加え、同温度で35分
間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物を
シリカゲル15gを用いたカラムクロマトグラフィーに付
し、エチルエーテル:ヘキサン=1:15(容量)の流分か
ら無色油状の化合物(13)53.4mg(収率75%)を得た。
bp 182℃(0.04mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕25 D▼−31.74゜(c=1.008,CHCl3) 元素分析 C22H22O3 C H 理論値(%) 79.01 6.63 分析値(%) 79.21 6.73 IR νmax(neat) 1720,2130,3290cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.25(3H,d,J=6.8Hz) 2.49(1H,d,J=2.2Hz) 2.78(1H,m) 4.00(2H,m) 4.47(2H,s) 5.54(1H,dd,J=2.2Hz,6.1Hz) 5.68〜5.84(2H,m) 7.30(5H,s) 7.38〜7.70(3H,m) 7.95〜8.16(2H,m) MS m/e:334(M+),91(100%) C22H22O3 理論値334.1568(M+) 分析値334.1535(M+) 〈化合物(14)の合成〉 上記得られた化合物(13)2.776g(8.311m mol)のメ
タノール20ml溶液に炭酸カリウム1.723g(12.47m mol)
を加え、アルゴン気流中室温で1時間攪拌した。減圧下
で溶媒を留去し、エチルエーテル及び水を加えて振とう
させ、エーテル層を分取した。次いで飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒
を留去し、得られた残留物をシリカゲル80gを用いたカ
ラムクロマトグラフィーに付し、エチルエーテル:ヘキ
サン=1:4(容量)の流分から無色油状の化合物(14)
1.858g(収率97%)を得た。
bp 162℃(0.3mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕25 D▼−15.38゜(c=1.014,CHCl3) 元素分析 C15H18O2 C H 理論値(%) 78.23 7.88 分析値(%) 78.22 8.03 IR νmax(neat) 2120,3280,3380cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:1.15(3H,d,J=6.8Hz) 1.98(1H,brd,J=5.9Hz,exchangeable with D2O) 2.47(1H,d,J=2.2Hz) 2.50(1H,m) 4.02(2H,m) 4.22(1H,dd,J=2.2Hz,5.9Hz) 4.52(2H,s) 5.65〜5.82(2H,m) 7.33(5H,s) MS m/e:230(M+),91(100%) C15H18O2 理論値230.1307(M+) 分析値230.1338(M+) 〈化合物(15)の合成〉 上記得られた化合物(14)1.450g(6.30m mol)の酢
酸エチル10ml溶液に酸化白金(IV)44mgを懸濁させ、水
素気流中室温で4.5時間攪拌した。セライト濾過後、減
圧下で溶媒を留去し、粗生成物(化合物(15))1.554
g)を得た。
上記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製した化合物(15)の分析結果は以下のとおりであ
った。
bp 157℃(0.1mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕22 D▼−7.72゜(c=1.010,CHCl3) 元素分析 C15H24O2 C H 理論値(%) 76.22 10.24 分析値(%) 75.84 10.64 IR νmax(neat) 3340cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.89(3H,d,J=6.6Hz) 0.95(3H,t,J=7.8Hz) 1.08〜2.80(8H,m,1H,exchangeable with D2O) 3.20〜3.58(2H,m) 4.50(2H,s) 7.32(5H,s) MS m/e:236(M+),91(100%) 〈化合物(16)の合成〉 上記得られた粗生成物(化合物(15))1.427gのメタ
ノール10ml溶液にPd(OH)271mgを懸濁させ、水素気流
中室温で4.5時間攪拌した。セライト濾過後、減圧下で
溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲル25gを用い
たカラムクロマトグラフィーに対し、エチルエーテル:
ヘキサン=2:1(容量)の流分から化合物(16)833mg
(収率98%(化合物(14)を基準))を得た。
bp 105℃(0.2mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕24 D▼−7.93゜(c=1.008,CHCl3) 元素分析 C8H18O2 C H 理論値(%) 65.71 12.41 分析値(%) 65.44 12.58 IR νmax(neat) 3340cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.90(3H,d,J=6.6Hz) 0.96(3H,t,J=8.1Hz) 1.08〜1.84(7H,m) 1.76(2H,s,exchangeable with D2O) 3.36(1H,ddd,J=3.9Hz,5.1Hz,8.4Hz) 3.65(2H,m) MS m/e:147(M++1),70(100%) C8H18O2 理論値146.1307 分析値146.1311 〈化合物(17)の合成〉 上記得られた化合物(16)740mg(5.069m mol)の10m
l乳濁水に白金黒444mgを懸濁させ、濃塩酸3滴を加え、
酸素気流中55℃で13時間攪拌した。これにエチルエーテ
ルを加えた後、セライト濾過し、濾液をさらにエチルエ
ーテルで稀釈した後、エーテル層を分取し無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、得られた
残留物850mgのベンゼン15ml溶液をアルゴン気流中、Dea
n−Stark装置を付して1.5時間加熱還流した。反応液を
飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した後無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、得られた
残留物をシリカゲル25gを用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付し、エチルエーテル:ヘキサン=1:4(容量)
の流分から化合物(17)558mg(収率78%)を得た。
bp 126℃(17mmHg,Kugelrohr) ▲〔α〕26 D▼+49.32゜(c=1.034,CHCl3) 元素分析 C8H14O2 C H 理論値(%) 67.57 9.93 分析値(%) 67.28 10.09 IR νmax(neat) 1730cm-1 1 H−NMR(CDCl3) δ:0.99(3H,d,J=4.6Hz) 1.03(3H,t,J=5.4Hz) 1.20〜2.09(5H,m) 2.20〜2.87(2H,m) 3.90(1H,ddd,J=3.4Hz,6.9Hz,9.4Hz) MS m/e:143(M++1),56(100%) C8H14O2 理論値142.0994(M+) 分析値142.0991(M+) このようにして得られた光学活性(4S,5R)体の上記
化合物(17)と前記光学活性(4R,9R)体の化合物
(7)は、これらを原料として前記合成経路IVに従い、
化合物(18)、化合物(19)を経由してミルベマイシン
βの北半球部分である化合物(B)へと変換すること
ができる。
(発明の効果) 本発明の光学活性化合物は、天然に存在するミルベマ
イシンβを合成量産化しうる中間体として重要であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A)で表わされる光学活性化合
    物。 上記式(A)において、Bnはベンジル基を表わし、*の
    符号は不斉炭素原子を表わす。
  2. 【請求項2】請求項1記載の式(A)化合物が光学活性
    (R)体である化合物。
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