JPH08259504A - 芳香族炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

芳香族炭酸エステルの製造方法

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JPH08259504A
JPH08259504A JP7063074A JP6307495A JPH08259504A JP H08259504 A JPH08259504 A JP H08259504A JP 7063074 A JP7063074 A JP 7063074A JP 6307495 A JP6307495 A JP 6307495A JP H08259504 A JPH08259504 A JP H08259504A
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carbonate
group
acid ester
catalyst
carbonic acid
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JP7063074A
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Nobuo Fujikawa
伸夫 藤川
Tetsuo Ishibashi
哲夫 石橋
Fumio Yamakawa
文雄 山川
Takahito Fujii
隆人 藤井
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エステル交換反応又は不均化反応により芳香
族炭酸エステルを製造する際に、高活性の触媒を用い、
目的の芳香族炭酸エステルを高い収率で効率よく製造す
る方法を提供すること。 【構成】 炭酸ジアルキルとフェノール類をエステル交
換反応させて炭酸アリールアルキル及び/又は炭酸ジア
リールを、炭酸アリールアルキルとフェノール類をエス
テル交換反応させて炭酸ジアリールを、又は炭酸アリー
ルアルキルを不均化反応させて炭酸ジアリールを製造す
るに当たり、触媒として、一般式(I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔R1 及びR2 はアルキル基,アリール基又はアラルキ
ル基、nは1〜3を示す。〕で表される錫化合物を18
0〜250℃で加熱処理したものを用いる芳香族炭酸エ
ステルの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族炭酸エステルの
製造方法に関し、さらに詳しくは、炭酸ジアルキルとフ
ェノール類又はその酢酸エステルを反応させて炭酸アリ
ールアルキルや炭酸ジアルキルを製造する際に、又は炭
酸アリールアルキルとフェノール類又はその酢酸エステ
ルを反応させて炭酸ジアリールを製造する際に、あるい
は炭酸アリールアルキルを不均化反応させて炭酸ジアリ
ールを製造する際に、触媒として高活性を有し、それ自
体反応系内で分解せず、かつ炭酸エステル類を分解させ
ないものを用い、目的とする芳香族炭酸エステルを高い
収率で効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、炭酸ジフェニルなどの芳香族炭酸
エステルは、塩化メチレンやホスゲンを使用しないエス
テル交換反応(溶融重合法)によるポリカーボネートの
原料などとして注目されている。この芳香族炭酸エステ
ルは、従来フェノール類とホスゲンとから製造されるこ
とが知られているが、この方法では、毒性の強いホスゲ
ンを使用する上、塩化ナトリウムなどの中性塩が副生す
るという欠点があり、したがって、近年、ホスゲンを用
いない芳香族炭酸エステルの製造方法が種々試みられて
いる。例えば、フェノール類の一酸化炭素による酸化的
カルボニル化により、炭酸ジアリールを製造する方法、
具体的には(1)パラジウム,マンガン,四級アンモニ
ウム塩及びキノンを組み合せた触媒系を用いる方法(特
開平2−104564号公報)、(2)パラジウム,コ
バルト,四級アンモニウム塩及びキノンを組み合せた触
媒系を用いる方法(特開平2−142754号公報)、
(3)パラジウムと、アルカリ金属ヨウ化物又はアルカ
リ土類金属ヨウ化物又はヨウ化オニウム化合物と、ゼオ
ライト類とを組み合わせた触媒系を用いる方法(特開平
1−165551号公報)、(4)パラジウム,コバル
ト,四級アンモニウム塩,キノン及びCO2 を組み合わ
せた触媒系を用いる方法(特開平4−221347号公
報)などが提案されている。
【0003】しかしながら、これらの方法は、いずれ
も、反応速度及び収率共に極めて低く、かつ一酸化炭素
と酸素との混合ガスの使用による爆発の危険性がある
上、有毒な一酸化炭素を使用しなければならないなどの
欠点を有している。そこで、このような欠点を改良する
ために、毒性及び安全性の面から有利な炭酸ジメチルな
どの脂肪族炭酸エステルをカルボニル化源とするエステ
ル交換法が開発されている。この方法においては、反応
で副生するアルコールを効率的に除去する方法と組み合
わせれば、極めて高い効率で芳香族炭酸エステルを得る
ことができる。炭酸ジメチルなどの炭酸ジアルキルを原
料とし、炭素フェニルメチルなどの炭酸アリールアルキ
ルを中間生成物とするエステル交換反応は、現在最も有
望視されている炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリールの
製造方法の一つであって、以下の反応式で示される。
【0004】
【化1】
【0005】この反応は、各段の平衡が原料系に傾いて
おり、反応すべき化合物を単に混合しただけでは反応は
進行しない。ただし、適当な触媒を加えて加熱し、反応
速度を高め、かつ各生成物を反応蒸留などの手段により
逐次的に除去し、平衡を生成系へ移動させることによ
り、良好な選択性と転化率を得ることが可能である。と
ころで、この反応の触媒として、これまで種々のものが
提案されているが、いずれもなんらかの問題を有し、必
ずしも充分に満足しうるものではなかった。例えば、
(1)有機チタン,有機スズを触媒として用いる方法
(特公昭59−34170号公報,特公昭56−425
77号公報,特開昭54−48733号公報)、(2)
Zr(acac)4 ,Fe(acac)3(acac:ア
セチルアセトナート配位子)を触媒とし、アセチルアセ
トンを助触媒として用いる方法(特公平1−5588号
公報)、(3)Pb(OH)2・2PbCO3 などの鉛化
合物を触媒として用いる方法(特公平1−3181号公
報)、(4)Fe(OCOCH3)3 を主体とする触媒を
用いる方法(特開昭61−172852号公報)などが
提案されている。
【0006】しかしながら、上記(1)の方法において
は、触媒活性が不充分であって、反応速度が遅いという
欠点があり、また、(2)の方法は、反応速度が遅い
上、反応系内で生成するアセチルアセトンに由来する副
生成物がかなり生成するなどの欠点を有している。一
方、(3)の方法においては、反応速度が遅い上、触媒
が塩基性であるために、原料の脂肪族炭酸エステルや中
間体である脂肪族芳香族炭酸エステルの分解を引き起こ
すなどの欠点がある。さらに、(4)の方法において
は、Fe(OCOCH3)3 は性状的に不安定であって、
市販されておらず、調製及び入手が困難である。なお、
Fe−OH結合を有する塩基性酢酸鉄は安定であって市
販されているが、このものは、上記(3)の鉛触媒と同
様に炭酸エステルの分解を引き起こすとともに、反応系
内で生成する酢酸による副生成物が生成するなどの欠点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術がもつ欠点を克服し、炭酸ジアルキルとフェノ
ール類又はその酢酸エステルを反応させて炭酸アリール
アルキルや炭酸ジアルキルを製造する際に、又は炭酸ア
リールアルキルとフェノール類又はその酢酸エステルを
反応させて炭酸ジアリールを製造する際に、あるいは炭
酸アリールアルキルを不均化反応させて炭酸ジアリール
を製造する際に、触媒として高活性を有し、それ自体反
応系内で分解せず、かつ炭酸エステル類を分解させない
ものを用い、目的とする芳香族炭酸エステルを高い収率
で効率よく製造する方法を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、触媒として、
特定の錫化合物を用いることにより、その目的を達成し
うることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。すなわち、本発明は(1)炭酸ジ
アルキルとフェノール類又はその酢酸エステルとをエス
テル交換反応させて、炭酸アリールアルキル及び/又は
炭酸ジアリールを製造するに当たり、触媒として、一般
式(I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基,アリー
ル基又はアラルキル基を示し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。〕で
表される錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理
したものを用いることを特徴とする芳香族炭酸エステル
の製造方法(以下、第1の発明という)、(2)炭酸ア
リールアルキルとフェノール類又はその酢酸エステルと
をエステル交換反応させて、炭酸ジアリールを製造する
に当たり、触媒として、上記一般式(I)で表される錫
化合物を180〜250℃の温度で加熱処理したものを
用いることを特徴とする芳香族炭酸エステルの製造方法
(以下、第2の発明という)、並びに(3)炭酸アリー
ルアルキルを不均化反応させて、炭酸ジアリールを製造
するに当たり、触媒として、上記一般式(I)で表され
る錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理したも
のを用いることを特徴とする芳香族炭酸エステルの製造
方法(以下、第3の発明という)を提供するものであ
る。上記第1の発明においては、一般式(II)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R3 及びR4 は、それぞれアルキ
ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よい。〕で表される炭酸ジアルキルと、一般式(III) Ar1 −OH ・・・(III) 〔式中、Ar1 は置換基を有する若しくは有しないアリ
ール基を示す。〕で表されるフェノール類又はその酢酸
エステルとをエステル交換反応させることにより、一般
式(IV)
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、RはR3 又はR4 を示し、A
1 ,R3 及びR4 は上記と同じである。〕で表される
炭酸アリールアルキル、及び/又は一般式(V)
【0013】
【化4】
【0014】〔式中、Ar1 は上記と同じである。〕で
表される炭酸ジアリールが製造される。また、第2の発
明においては、一般式(VI)
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、Ar2 は置換基を有する若しくは
有しないアリール基、R5 はアルキル基を示す。〕で表
される炭酸アリールアルキルと上記一般式(III)で表さ
れるフェノール類又はその酢酸エステルとをエステル交
換反応させるとにより、一般式(VII)
【0017】
【化6】
【0018】〔式中、Ar1 及びAr2 は上記と同じで
ある。〕で表される炭酸ジアリールが製造される。一
方、第3の発明においては、上記一般式(VI)で表され
る炭酸アリールアルキルを不均化反応させることによ
り、一般式(VIII)
【0019】
【化7】
【0020】〔式中、Ar2 は上記と同じであり、2つ
のAr2 は同一でも異なっていてもよい。〕で表される
芳香族ジアリールが製造される。なお、この不均化反応
においては、上記一般式(VI)で表される炭酸アリール
アルキルを一種用いて不均化させてもよく、異なる二種
を用いて不均化させてもよい。第1の発明において、原
料として用いられる上記一般式(II)で表される炭酸ジ
アルキルにおいて、R3 及びR4 で示されるアルキル基
は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよく、特
に炭素数1〜10のものが好ましい。その具体例として
は、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル
基,t−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,
n−ヘキシル基,イソヘキシル基,シクロヘキシル基な
どが挙げられる。R3 及びR4 はたがいに同一でも異な
っていてもよい。
【0021】上記一般式(II) で表される炭酸ジアルキ
ルの具体例としては、炭酸ジメチル,炭酸ジエチル,炭
酸ジプロピル,炭酸ジブチル,炭酸ジペンチル,炭酸ジ
ヘキシル,炭酸ジシクロヘキシル,炭酸メチルエチル,
炭酸メチルプロピル,炭酸メチルブチル,炭酸エチルプ
ロピル,炭酸エチルブチル,炭酸プロピルブチルなどが
挙げられるが、これらの中で、特に炭酸ジメチルが好適
である。
【0022】また、第1及び第2の発明において、原料
として用いられる上記一般式(III)で表されるフェノー
ル類におけるAr1 はフェニル基やナフチル基などのア
リール基を示し、また、このアリール基には適当な置換
基が導入されていてもよい。ここで、置換基としては、
例えば塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子、メチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチ
ル基などの炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基,エ
トキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−
ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,t
−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、さら
にはニトロ基、シアノ基などが挙げられる。これらの置
換基は一つ導入されていてもよく、二つ以上導入されて
いてもよい。
【0023】上記一般式(III)で表されるフェノール類
の具体例としては、フェノール,α−ナフトル,β−ナ
フトール,各種クレゾール,各種クロロフェノール,各
種エチルフェノール,各種n−プロピルフェノール,各
種イソプロピルフェノール,各種ブチルフェノール,各
種メトキシフェノール,各種エトキシフェノール,各種
n−プロポキシフェノール,各種イソプロポキシフェノ
ール,各種ブトキシフェノール,各種ニトロフェノー
ル,各種シアノフェノール,各種キシレノールなどが挙
げられるが、これらの中でフェノールが好適である。本
発明においては、これらのフェノール類の酢酸エステル
もフェノール類と同様に原料として用いることができ
る。一方、第2及び第3の発明において、原料として用
いられる上記一般式(VI)で表される炭酸アリールアル
キルにおいて、Ar2 は置換基を有する若しくは有しな
いアリール基であって、上記Ar1 の説明で例示したも
のと同じものを挙げることができ、また、R5 はアルキ
ル基であって、上記R3 及びR4 の説明で例示したもの
と同じものを挙げることができる。
【0024】この一般式(VI) で表される炭酸アリール
アルキルの具体例としては、炭酸フェニルメチル,炭酸
フェニルエチル,炭酸フェニルプロピル,炭酸フェニル
ブチル,炭酸フェニルペンチル,炭酸フェニルヘキシ
ル,炭酸フェニルシクロヘキシルなどが挙げられるが、
これらの中で、特に炭酸フェニルメチルが好適である。
本発明の方法においては、上記第1の発明,第2の発明
及び第3の発明のいずれも、触媒として、一般式(I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基,アリー
ル基又はアラルキル基を示し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。〕で
表される錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理
したものが用いられる。
【0025】上記一般式(I)において、R1 及びR2
は、それぞれアルキル基,アリール基又はアラルキル基
を示す。ここでアルキル基は直鎖状,分岐鎖状,環状の
いずれであってもよく、また炭素数1〜12のものが好
ましい。その具体例としてはメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シク
ロペンチル基,シクロヘキシル基などが挙げられる。ア
リール基としては、例えばフェニル基やナフチル基など
の炭素数6〜12のものが好ましく、またこのアリール
基は適当な置換基が導入されていてもよい。この置換基
としては、例えばF,Cl,Br,Iのハロゲン原子、
メチル基やエチル基などの低級アルキル基,メトキシ基
やエトキシ基などの低級アルコキシ基、さらにはニトロ
基,シアノ基などが挙げられる。これらの置換基は一つ
導入されていてもよく、二つ以上導入されていてもよ
い。さらに、アラルキル基としては、例えばベンジル基
やフェネチル基などの炭素数7〜12のものが好まし
く、またこのアラルキル基は芳香環上に適当な置換基が
導入されていてもよい。この置換基としては上記アリー
ル基の置換基の説明において例示したものと同じものを
挙げることができる。この置換基は一つ導入されていて
もよく、二つ以上導入されていてもよい。また、nは1
〜3の整数を示し、R1 及びR2 はたがいに同一でも異
なっていてもよい。なお、R1 が複数ある場合、複数の
1 は同一でも異なっていてもよく、OR2 が複数ある
場合、複数のOR2 は同一でも異なっていてもよい。
【0026】上記一般式(I)で表される錫化合物とし
ては、例えばメチル錫トリフェノキシド,ジメチル錫ジ
フェノキシド,トリメチル錫フェノキシド,エチル錫ト
リフェノキシド,ジエチル錫ジフェノキシド,トリエチ
ル錫フェノキシド,ブチル錫トリフェノキシド,ジブチ
ル錫ジフェノキシド,トリブチル錫フェノキシド,オク
チル錫トリフェノキシド,ジオクチル錫ジフェノキシ
ド,トリオクチル錫フェノキシド,メチル錫トリオクト
キシド,ジメチル錫ジオクトキシド,トリメチル錫オク
トキシド,エチル錫トリオクトキシド,ジエチル錫ジオ
クトキシド,トリエチル錫オクトキシド,ブチル錫トリ
オクトキシド,ジブチル錫ジオクトキシド,トリブチル
錫オクトキシド,メチル錫トリベンジロキシド,ジメチ
ル錫ジベンジロキシド,トリメチル錫ベンジロキシド,
エチル錫トリベンジロキシド,ジエチル錫ジベンジロキ
シド,トリエチル錫ベンジロキシド,ブチル錫トリベン
ジロキシド,ジブチル錫ジベンジロキシド,トリブチル
錫ベンジロキシド,オクチル錫トリベンジロキシド,ジ
オクチル錫ジベンジロキシド,トリオクチル錫ベンジロ
キシド,フェニル錫トリメトキシド,ジフェニル錫ジメ
トキシド,トリフェニル錫メトキシド,オクチル錫トリ
メトキシド,ジオクチル錫ジメトキシド,トリオクチル
錫メトキシド,フェニル錫トリエトキシド,ジフェニル
錫ジエトキシド,トリフェニル錫エトキシド,オクチル
錫トリエトキシド,ジオクチル錫ジエトキシド,トリオ
クチル錫エトキシド,ベンジル錫トリメトキシド,ジベ
ンジル錫ジメトキシド,トリベンジル錫メトキシド,ベ
ンジル錫トリエトキシド,ジベンジル錫ジエトキシド,
トリベンジル錫エトキシドなどが挙げられる。もちろ
ん、これらに限定されるものではない。
【0027】本発明においては、これらの錫化合物を1
80〜250℃の温度において加熱処理することが必要
である。処理温度がこの範囲を逸脱したり、加熱処理を
行わない場合は、高活性のものが得られず、本発明の目
的が達せられない。この加熱処理は、必要ならば、適当
な不活性溶媒中で行ってもよく、また、窒素やアルゴン
などの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。圧力につい
ては特に制限はないが、通常は常圧にて行われる。加熱
処理時間は処理温度などによって左右され、一概に定め
ることはできないが、一般に0.1〜24時間程度で充分
である。本発明においては、触媒として、このようにし
て加熱処理された上記一般式(I)で表される錫化合物
を一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。さらに、一般式(I)で表される錫化合物そのも
のでなくても、反応中において、実質的に該一般式
(I)で表される化合物を形成するものを上記のように
加熱処理したものも、触媒として用いることができる。
【0028】また、この触媒の使用量は、第1の発明に
おいては原料の炭酸ジアルキルに対し、第2及び第3の
発明においては原料の炭酸アリールアルキルに対し、錫
原子として10-4〜10倍モルの範囲が好ましい。この
量が10-4倍モル未満では反応速度が遅くて効率が悪
く、また10倍モルを超えると触媒のリサイクル量が多
くなり、やはり効率が悪くなる。反応速度及び触媒のリ
サイクル量のバランスの面から、炭酸ジアルキル又は炭
酸アリールアルキルに対し、錫原子として10-3〜10
-1倍モルの割合で、触媒を用いるのが特に好ましい。な
お、使用済みの触媒は、通常回収され再使用されるが、
この際、前記した加熱処理を施して使用するのが望まし
い。
【0029】第1及び第2の本発明においては、原料の
フェノール類又はその酢酸エステルと炭酸ジエステル
(炭酸ジアルキル又は炭酸アリールアルキル)との使用
割合については特に制限はないが、炭酸ジエステルに対
し、フェノール類又はその酢酸エステルを0.1〜10倍
モルの割合で用いるのが好ましい。この量が0.1倍モル
未満では炭酸ジエステルのリサイクル量が多くなって効
率が悪く、また10倍モルを超えるとフェノール類やそ
の酢酸エステルのリサイクル量が多くなり、やはり効率
が悪くなる。効率の面から、炭酸ジエステルに対し、フ
ェノール類又はその酢酸エステルを4〜8倍モルの割合
で用いるのがより好ましい。さらに、第1の発明,第2
の発明及び第3の発明においては、反応温度はいずれ
も、好ましくは50〜300℃の範囲で選ばれる。この
温度が50℃未満では反応速度が遅すぎて実用的ではな
く、300℃を超えると副反応などが生じ、収率が低下
する傾向がみられる。反応速度及び収率などの面から、
より好ましい反応温度は120〜200℃の範囲であ
る。さらに、反応方式としては、バッチ式及び連続式の
いずれでもよいが、副生するアルコール又は炭酸ジアル
キルを系外へ除去する手段を講じるのが有利である。ま
た、第1の発明,第2の発明及び第3の発明の反応は、
いずれも極めて原料側に平衡が偏った反応であるので、
目的の芳香族炭酸エステル、特に炭酸ジアリールを収率
よく得るためには、副生するアルコールや炭酸ジアルキ
ルをなんらかの方法で系外へ除去し、反応の平衡を生成
物側に移動させることが肝要である。この副生アルコー
ルや副生炭酸ジアルキルの除去方法については特に制限
はないが、一般的には、反応と同時に副生アルコールや
副生炭酸ジアルキルの蒸留を行う方法が採られる。ただ
し、第1の発明において炭酸ジアルキルとして、炭酸ジ
メチル(DMC)を用いる場合には、副生メタノールと
DMCとが重量比70:30の組成で、63.5℃にて共
沸するので、原料のDMCも一部は反応に使用されるこ
となく系外へ留出する(特公昭59−42577号公
報,特開平3−291257号公報など)。したがっ
て、n−ヘプタンやベンゼンなどの共沸剤を用いてメタ
ノールのみを除去する方法も提案されており(特開昭5
4−48732号公報,特開昭61−291545号公
報)、本発明においても、これらの方法を適用すること
ができる。
【0030】このようにして、第1の発明においては、
前記一般式(IV) で表される炭酸アリールアルキル及び
/又は一般式(V) で表される炭酸ジアリールが、高い
収率で効率よく得られる。この反応において、原料とし
て、例えばフェノール及び炭酸ジメチルを用いた場合に
は、炭酸フェニルメチル及び/又は炭酸ジフェニルが得
られる。一方、第2の発明においては、前記一般式(VI
I)で表される炭酸ジアリールが高い収率で効率よく得ら
れる。この反応において、原料として、例えばフェノー
ル及び炭酸フェニルメチルを用いた場合には、炭酸ジフ
ェニルが得られる。また、第3の発明においては、反応
原料としては炭酸アリールアルキルのみで良く、炭酸フ
ェニルメチルを用いた場合には、炭酸ジフェニルが得ら
れる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 200ミリリットルの三つ口フラスコに、ジオクチル錫
ジフェノキシド〔(C 8 17)2Sn(OC6 5)2 〕0.
13g(0.25ミリモル)及びヘキサデカン3gを仕込
み、系内を窒素置換した。次いで、予め240℃に加熱
したオイルバス中につけ、その温度で6時間加熱処理を
行った。処理終了後、室温まで放冷した後、フェノール
94gをフラスコに入れ、フラスコの中央の口にはモレ
キュラーシーブ4A16gを入れた充填塔、左右の口に
は二方コックと温度計、さらに充填塔上部にはジムロー
トコンデンサーを装着した。次に、予め170℃に加熱
したオイルバス中にフラスコをつけ、内温が170℃に
達したのち、二方コックから炭酸ジメチル22.5gを導
入して反応を開始した。3時間反応を行った後、反応液
をガスクロマトグラフィー法により分析したところ、炭
酸フェニルメチルが42ミリモル、炭酸ジフェニルが3.
1ミリモル生成していた。
【0032】実施例2 実施例1において、触媒の加熱処理温度を190℃に変
えた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表
に示す。 実施例3 実施例1において、触媒の加熱処理温度を210℃に変
えた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表
に示す。 実施例4 実施例1において、触媒の加熱処理温度を230℃に変
えた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表
に示す。
【0033】実施例5 実施例1において、触媒としてジオクチル錫ジフェノキ
シドの代わりに、ジブチル錫ジフェノキシド〔(C4
9)2 Sn(OC6 5)2 〕を用いた以外は、実施例1と
同様に実施した。結果を第1表に示す。 実施例6 実施例1において、触媒としてジオクチル錫ジフェノキ
シドの代わりに、ジオクチル錫ジメトキシド〔(C8
17)2Sn(OCH3)2 〕を用いた以外は、実施例1と同
様に実施した。結果を第1表に示す。
【0034】実施例7 200ミリリットルの三つ口フラスコに、ジオクチル錫
ジフェノキシド〔(C 8 17)2Sn(OC6 5)2 〕0.
13g(0.25ミリモル)及び炭酸ジフェニル3gを仕
込み、系内を窒素置換した。次いで、予め240℃に加
熱したオイルバス中につけ、その温度で6時間加熱を行
った。処理終了後、減圧蒸留で炭酸ジフェニルを留去し
た後、フェノール94gをフラスコに入れ、フラスコの
中央の口にはモレキュラーシーブ4A16gを入れた充
填塔、左右の口には二方コックと温度計、さらに充填塔
上部にはジムロートコンデンサーを装着した。次に予め
170℃に加熱したオイルバス中にフラスコをつけ、内
温が170℃に達した後、二方コックから炭酸ジメチル
22.5gを導入して反応を開始した。3時間反応を行っ
た後、反応液をガスクロマトグラフィー法により分析し
たところ、炭酸フェニルメチルが40ミリモル、炭酸ジ
フェニルが3.0ミリモル生成していた。
【0035】比較例1 実施例1において、触媒の加熱処理を行わなかったこと
以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示
す。 比較例2 実施例1において、触媒の加熱処理を270℃で行った
以外は、実施例1同様に実施した。結果を第1表に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】実施例8 〔反応1〕100ミリリットルの三つ口フラスコに、ジ
オクチル錫ジフェノキシド〔(C 8 17)2Sn(OC6
5)2 〕0.21g(0.4ミリモル)及びフェノール47
gを仕込み、フラスコの中央の口にはモレキュラーシー
ブ4A16gを入れた充填塔、左右の口には二方コック
と温度計、さらに充填塔上部にはジムロートコンデンサ
ーを装着した。系内を窒素置換した後、予め160℃に
加熱したオイルバス中につけ、内温が160℃に達した
時点で、二方コックから炭酸ジメチル22.5gを導入
し、反応を開始した。6時間反応を行った後に反応液を
ガスクロマトグラフィー法により分析したところ、炭酸
フェニルメチルが19ミリモル及び炭酸ジフェニルが1.
9ミリモル生成していた。
【0039】〔反応2〕次にオイルバスの温度を195
℃まで上げ、さらに6時間反応を行った。反応液をガス
クロマトグラフィー法により分析したところ、炭酸フェ
ニルメチルが13ミリモルになり、炭酸ジフェニルが1
2ミリモル生成していた。 〔触媒回収〕反応後の液を、オイルバスの温度90〜2
10℃の範囲で減圧蒸留して生成物を留去した。その
後、蒸留残渣を210℃のまま、さらに2時間加熱処理
した。 〔再反応〕上記のようにして処理を行った触媒残渣に、
フェノール47gを加え、他は上記〔反応1〕と同様に
して反応を行った。6時間後の反応液をガスクロマトグ
ラフィー法により分析したところ、炭酸フェニルメチル
37ミリモル及び炭酸ジフェニルが3ミリモル生成して
いた。このことより、加熱処理を行った触媒残渣は、上
記〔反応1〕に用いた加熱処理をしない触媒よりも、触
媒活性がはるかに上回ることが分かった。また、同様の
操作を8回繰り返しても触媒の高い活性は維持された。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、エステル交換反応又は
不均化反応の際に、高活性を有し、かつ反応系内で分解
することがなく、しかも炭酸エステルの分解をもたらさ
ない錫系触媒を用いることにより、目的とする芳香族炭
酸エステルを高い収率で効率よく製造することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 藤井 隆人 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸ジアルキルとフェノール類又はその
    酢酸エステルとをエステル交換反応させて、炭酸アリー
    ルアルキル及び/又は炭酸ジアリールを製造するに当た
    り、触媒として、一般式(I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基,アリー
    ル基又はアラルキル基を示し、それらはたがいに同一で
    も異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。〕で
    表される錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理
    したものを用いることを特徴とする芳香族炭酸エステル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭酸アリールアルキルとフェノール類又
    はその酢酸エステルとをエステル交換反応させて、炭酸
    ジアリールを製造するに当たり、触媒として、一般式
    (I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基,アリー
    ル基又はアラルキル基を示し、それらはたがいに同一で
    も異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。〕で
    表される錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理
    したものを用いることを特徴とする芳香族炭酸エステル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸アリールアルキルを不均化反応させ
    て、炭酸ジアリールを製造するに当たり、触媒として、
    一般式(I) R1 n Sn(OR2 4-n ・・・(I) 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基,アリー
    ル基又はアラルキル基を示し、それらはたがいに同一で
    も異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。〕で
    表される錫化合物を180〜250℃の温度で加熱処理
    したものを用いることを特徴とする芳香族炭酸エステル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料の炭酸ジエステルに対し、一般式
    (I)で表される錫化合物を180〜250℃の温度で
    加熱処理したものを、錫原子として10-4〜10倍モル
    の割合で用いる請求項1,2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 炭酸ジアルキルが炭酸ジメチルである請
    求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 フェノール類がフェノールである請求項
    1又は2記載の方法。
  7. 【請求項7】 炭酸アリールアルキルが炭酸フェニルメ
    チルである請求項2又は3記載の方法。
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