JPH082895B2 - チオフェンジカルボン酸ジエステルを製造する方法 - Google Patents

チオフェンジカルボン酸ジエステルを製造する方法

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JPH082895B2 JP1188546A JP18854689A JPH082895B2 JP H082895 B2 JPH082895 B2 JP H082895B2 JP 1188546 A JP1188546 A JP 1188546A JP 18854689 A JP18854689 A JP 18854689A JP H082895 B2 JPH082895 B2 JP H082895B2
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成夫 木村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造す
る方法に関する。チオフェンジカルボン酸ジエステル
は、機能性材料、医薬、農薬等を製造する際の重要な中
間体として広く知られている。例えば、チオフェンジカ
ルボン酸ジエステルとアミノフェノール誘導体を反応し
て得られるジベンズオキサゾリル化合物は、プラスチッ
ク用の蛍光増白剤として従来からよく使用されている。
また該ジエステルは加水分解により容易に公知の有用物
質であるチオフェンジカルボン酸に導くことができる。
(従来の技術) (発明が解決しようとする問題点) 従来、チオフェンジカルボン酸誘導体を製造する方法
はいくつか知られている。例えば (1)アジピン酸と塩化チオニルをピリジン触媒の存在
下に反応せしめ、チオフェン2,5−ジカルボン酸ジクロ
ライドとし、これを加水分解してチオフェン2,5−ジカ
ルボン酸とする方法。
……東独特許第129488号 (2)α,α′−ジクロロアジピン酸から得られるテト
ラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸にオキシ塩化リ
ンと三塩化リンを反応させ、引き続き塩素を作用させ、
ジクロロテトラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸ジ
クロライドとし、これよりチオフェン2,5−ジカルボン
酸を得る方法。
……特公昭39-3434 (3)α,α′−ジクロロアジピン酸のナトリウム塩と
硫化ナトリウムを水中で反応させ、そのまま系内に塩素
を吹き込み、チオフェン2,5−ジカルボン酸を得る方
法。
……特公昭39-3842 (4)テトラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸ジメ
チルエステルとイオウ原子を反応させ、チオフェン2,5
−ジカルボン酸ジメチルエステルを得る方法。
……チェコスロバキア特許第140878号 (5)テトラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸ジメ
チルエステルを塩素化し、3,4−ジクロロテトラヒドロ
チオフェン2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルとし、
さらに加熱することにより、チオフェン2,5−ジカルボ
ン酸ジメチルエステルを得る方法。
……チェコスロバキア特許第137032号 等が知られている。
しかしながら、何れの方法も、反応時間が長く収率が悪
い等、コスト的に満足できるものはなく、中には、塩化
水素、二酸化イオウが廃ガスとして副生するものもあ
り、工業的に実施するには、有利な方法とはいえない。
前記状況に鑑みて本発明者らは、チオフェンジカルボ
ン酸ジエステルの工業的に有利な製造方法について鋭意
検討した結果、原料としてテトラヒドロチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルを用い、これをハロゲン化した後
に、脱ハロゲン化水素反応を行えば、容易に、チオフェ
ンジカルボン酸ジエステルが得られることを見い出し、
平成1年3月13日に「チオフェンジカルボン酸ジエステ
ルおよびその製造方法」として特許出願した。(特願平
1-61185) 特願平1-61185記載の方法は、一般式
(I′)で表されるチオフェンジカルボン酸ジエステル (式中R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置換
フェニル基またはベンジル基を示す。) を製造するに際し、一般式(II′)で表されるテトラヒ
ドロチオフェンジカルボン酸ジエステル (式中R′は上記定義と同じである。) をハロゲン化して一般式(III)で表される (式中XはClまたはBrを示し、R′は上記定義と同じで
ある。) ジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステル
となし、引き続き、添加剤の存在下に脱ハロゲン化水素
反応を行うことを特徴とする一般式(I′)で表される
化合物の製造方法である。
本発明者らは、前記反応についてさらに検討を加えた
結果、脱ハロゲン化水素反応の際に添加剤として金属あ
るいは金属イオンを用いれば触媒量の使用量で、より温
和な条件で上記反応が進行し、高純度のチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルが収率よく得られることを見出し、
本発明に到達した。脱ハロゲン化水素反応は単に加熱の
みで行うことができるのであるが、この場合、反応を約
150℃の高温で行わなければならないため、熱履歴によ
るタール化が起こり、収率の低下を避けることができな
い。しかるに本発明の触媒量の安価な金属または金属イ
オンの添加によって後記実施例に示すような収率が得ら
れたことは驚くべき効果である。
金属としては銅、鉄、亜鉛、錫等が使用できる。また
金属イオンとしては1価,2価の鍋イオン、2価,3価の鉄
イオン、2価の亜鉛イオン、2価,4価の錫イオン等が使
用できる。これらの金属イオンは、実用上塩酸塩、硫酸
塩、硝酸塩等として使用されるため、使用する塩の具体
例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸第二銅、塩
化第二鉄、塩化亜鉛、塩化第一錫塩化第二錫等を挙げる
ことができる。
金属あるいは金属イオンの添加量はジハロテトラヒド
ロチオフェンジカルボン酸ジエステルに対して0.001〜
0.1倍モル、好ましくは0.005〜0.05倍モル使用する。
使用量が少なすぎると添加効果が認められず、多すぎ
てもそれに見合う効果がなく、有利な効果は得られな
い。反応温度は70〜130℃の範囲であり、好ましくは80
〜120℃の範囲で行う。反応温度が130℃を超える時は、
副反応のため収率が低下し、一方反応温度が70℃未満の
時は、反応速度が事実上遅すぎるので好ましくない。
一方、反応原料として用いるテトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸ジエステルについては、種々の製造方法が
公知であるが、特願平1-61185記載の方法を用いること
により有利に製造することができる。本願発明において
は、先ずテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステ
ルをハロゲン化するのであるが、この時に用いるハロゲ
ン化剤としては、塩素、臭素、塩化スルフリル、臭化ス
ルフリル等を用いることができ、その使用量はテトラヒ
ドロチオフェンジカルボン酸ジエステルに対し、2.0〜
4.0倍モル、好ましくは2.0〜3.0倍モルである。ハロゲ
ン化剤の使用量が少なすぎると収率が低く、逆に多すぎ
ると副反応が起きるので前記範囲内で使用するのが好ま
しい。ハロゲン化反応は、無溶媒あるいは溶媒の存在下
で行うことができる。溶媒を用いる場合、特に限定され
るものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族化合物、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族
炭化水素、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。反応
温度は通常−20℃〜40℃の範囲であり、好ましくは、−
15℃〜30℃の範囲で行う。反応温度が40℃をこえるとき
は副反応のため目的物の収率は低下し、一方反応温度が
−20℃未満のように低くしても特に有利な効果を得るこ
とはできない。
かくして得られたジハロテトラヒドロチオフェンジカル
ボン酸ジエステルを前記した添加剤の存在下に脱ハロゲ
ン化水素反応を行うことにより、目的とするチオフェン
ジカルボン酸ジエステルを高純度で収率よく製造するこ
とができる。
(実施例) 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 (チオフェン2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエス
テルの合成) テトラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸ジ−n−
ブチルエステルを塩素化し、引き続き添加剤として触媒
量の金属あるいは金属イオンの存在下で、脱塩化水素反
応させることによりチオフェンジカルボン酸ジ−n−ブ
チルエステルを得た。すなわち、撹拌機、温度計、ガス
吹込管および冷却器を備えた300ml4ツ口フラスコに、テ
トラヒドロチオフェン2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチ
ルエステル28.8g (0.10モル)およびシクロヘキサン100mlを仕込み、撹
拌下−10℃〜−5℃にて塩素14.9g(0.21モル)を1時
間で導入した。その後同温度で1時間熟成し、塩素化反
応を行った。添加剤として、銅粉末0.318g(0.0050モ
ル)を加え、溶媒であるシクロヘキサンを留出させなが
ら105℃にて8時間撹拌し、脱塩化水素反応を行った。
反応終了後、残留物を減圧蒸溜することにより、無色の
液体であるチオフェン2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチ
ルエステル27.3gを得た。テトラヒドロチオフェン2,5−
ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルに対する収率は、
96.0%、ガスクロマトグラフィーによる純度測定結果は
99.0%以上であった。
実施例2〜12 第1表に示すテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジ
エステル(0.10モル)、反応溶媒(100ml)、ハロゲン
化剤(0.21モル)を用い、添加剤としての金属あるいは
金属イオンの種類、使用量を変えた以外は、実施例1と
同様な操作を行い、目的物が液体のものは減圧蒸留によ
り単離し、固体のものは、反応終了後濾過、精製するこ
とによりチオフェンジカルボン酸ジエステルを得た。結
果を表1に示した。
なお、得られたチオフェンジカルボン酸ジエステルの
純度は、すべて99.0%以上であった。
(発明の効果) テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステルをハ
ロゲン化し、その後、脱ハロゲン化水素反応してチオフ
ェンジカルボン酸ジエステルを製造する際に、各種の金
属または金属イオンを添加することにより該ジエステル
を収率よく高純度で得ることができた。銅、鉄、亜鉛、
錫等の安価な金属またはその塩を触媒量用いるだけで前
記の効果を得ることができるため、本発明の方法は工業
的利用価値の極めて大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 裕志 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 製 鉄化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−43129(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
    換フェニル基またはベンジル基を示す。) で表されるチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造す
    るに際し、一般式(II′) (式中R′は前記と同じである。) で表されるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエス
    テルをハロゲン化して、一般式(III) (式中、XはClまたはBrを示し、R′は前記と同じであ
    る。) で表されるジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン酸
    ジエステルとなし、引続き、銅、鉄、亜鉛、錫又はそれ
    らの金属イオンの存在下に脱ハロゲン化水素反応させる
    ことを特徴とする一般式(I′) で表されるチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造す
    る方法。
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