JPH08291836A - 液圧緩衝装置 - Google Patents

液圧緩衝装置

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Publication number
JPH08291836A
JPH08291836A JP9553695A JP9553695A JPH08291836A JP H08291836 A JPH08291836 A JP H08291836A JP 9553695 A JP9553695 A JP 9553695A JP 9553695 A JP9553695 A JP 9553695A JP H08291836 A JPH08291836 A JP H08291836A
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JP
Japan
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valve
piston
damping force
disc valve
sub
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JP9553695A
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Yoji Morinaga
洋史 森永
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はピストン速度に応じた減衰力特性が
得られるようにして乗り心地及び操縦安定性の向上を図
ると共に組立作業の簡略化を図った液圧緩衝装置を提供
することを目的とする。 【構成】 液圧緩衝装置の減衰力発生機構は、ピストン
ボディ24に設けられた上部バルブ機構30、下部バル
ブ機構31からなる。上部バルブ機構30のディスクバ
ルブ23は第2連通孔34に連通する孔23aを有し、
板ばね19により第1連通路33を閉塞する方向に付勢
されている。ディスクバルブ23はピストン4の摺動動
作に伴って下部液室7の圧力が増大したとき開弁動作す
る。サブディスクバルブ21は、ディスクバルブ23の
上方に離間して設けられ、ピストン速度が所定以上にな
ると、ディスクバルブ23側に変形してディスクバルブ
23の各孔23aを部分的に閉塞し、減衰力を増大させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液圧緩衝装置に係り、特
にディスクバルブに設けられた複数の孔の開口面積を変
えることにより減衰力を可変させる構成とした液圧緩衝
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のショックアブソーバ
としてシリンダ内を摺動するピストンの動作に伴って発
生する作動液の流体抵抗により衝撃を緩衝する液圧緩衝
装置が知られている。この種の液圧緩衝装置は、車輪に
かかる荷重増大によりピストンがシリンダ内を摺動動作
する構成であり、シリンダ内を摺動するピストンに設け
られた連通路を開閉することによりシリンダ内の上部液
室又は下部液室に充填された作動液がピストンの摺動方
向と逆方向に移動するようになっている。
【0003】ピストンには、半径方向上の外側に設けら
れた第1の連通路と、第1の連通路より内側に設けられ
た第2の連通路とが貫通しており、ピストン上部には第
1の連通路を開閉するリーフバルブ構造のディスクバル
ブが設けられ、ピストン下部にはコイルスプリングに付
勢されたディスクバルブが設けられている。
【0004】上記構成とされた液圧緩衝装置において
は、ピストンが縮み方向に移動する場合にピストン速度
が微速であるときは、ディスクバルブと連通路との間に
形成された微小隙間がオリフィスとなり、下部液室の作
動液がこの微小隙間及び第1の連通路を通過して上部液
室へ移動することにより減衰力を発生させる。そして、
ピストン速度が低速であるときは、ディスクバルブが開
弁して第1の連通路を通過する作動液の流量が増大す
る。
【0005】さらに、ピストン速度が増大すると共に、
減衰力が一定の割合で増加することになる。また、ピス
トンが伸び方向に摺動すると、ピストン下部に設けられ
たバルブが開方向に動作し、上部液室の作動液は第2の
連通路を通過して下部液室に移動する。
【0006】上記液圧緩衝装置においては、乗り心地を
高めるためには上記連通路の流路面積を大きくすること
により、減衰力を小さくして乗り心地の向上を図ること
ができるが、その反面、操縦安定性が低下するといった
問題が発生する。そのため、車両の乗り心地及び操縦安
定性を向上させるためには、車輪のバウンド・リバウン
ド動作に応じた大きさの減衰力を発生させることが重要
である。
【0007】そのような理由から、ピストン速度が小さ
い低速領域においては、発生する減衰力を小さく抑え、
ピストン速度がさらに増大して移動する中速領域におい
ては、発生する減衰力がピストン速度に対し一定の割合
で増加するように設定している。そして、大荷重が入力
されてピストン速度が増大した場合には、減衰力がピス
トン速度に対し急激に増大するように設定している。
【0008】そのようにすることにより、車輪のバウン
ド・リバウンド動作がゆっくりであるときは、ピストン
にかかる荷重が比較的小さいため、減衰力を小さくして
乗り心地を向上させることができる。また、車輪のバウ
ンド・リバウンド動作が速いときは、ピストンに大荷重
が作用するため、減衰力を大きくして操縦安定性を向上
させることができる。
【0009】このような減衰力特性を有する液圧緩衝装
置として、例えば実開平1−176242号公報に開示
されたものがある。同公報に開示された液圧緩衝装置で
は、ピストンの摺動速度に応じて第2の連通路の流路面
積を変更する弁機構が設けられている。
【0010】この弁機構は、ピストン上部から第2の連
通路に挿入された円錐状の弁体と、この弁体を第2の連
通路から離脱する方向に付勢するコイルばねとよりな
る。第2の連通路は複数設けられており、各連通路の夫
々に上記弁機構が設けられている。
【0011】ピストンが動作する前の弁機構は、円錐状
の弁体の先端部分のみが第2の連通路に挿入されてい
る。しかし、ピストン速度が速い場合は、ピストンが急
速に伸び方向に摺動すると共に上部液室の圧力が増大す
ると、上部液室の圧力がコイルばねのばね力より大きく
なるため、円錐状の弁体が第2の連通路内に移動する。
これにより、第2の連通路と弁体との間に形成される流
路面積が小さくなり、減衰力が大きくなる。
【0012】また、ピストン速度が遅い場合は、上部液
室の圧力が急激に増大せず、円錐状の弁体は変位しな
い。このように、上記公報の液圧緩衝装置では、ピスト
ンの摺動速度に応じて第2の連通路の流路面積を変更す
るように円錐状の弁体が変位して減衰力を調整する構成
となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の液圧緩衝装置では、ピストンに設けられた複数の連
通路の流路面積を円錐状の弁体とコイルばねとからなる
弁機構により変更して、ピストン速度に応じた減衰力を
発生させる構成であるため、その分部品点数が多くなる
ばかりか複数の連通路の夫々に円錐状の弁体とコイルば
ねとを取り付けなければならないため、組立作業に手間
がかかり過ぎるといった問題がある。
【0014】しかも、1つのピストンには、通常4〜8
個の連通路が設けられており、各連通路に設けられた弁
機構の動作時期(作動圧力)を一定にするための調整作
業が煩雑であり、調整のために余計な時間がかかってい
た。そのため、組立工程での作業効率が低く、製造コス
トが高価になるといった問題もあった。
【0015】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ピストンの動作によりディスクバルブの複数の孔
の開口面積を減少させるサブディスクバルブを設けるこ
とにより、走行速度に応じた減衰力特性が得られると共
に組立作業の簡略化を図った液圧緩衝装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1の発明では、液が充填されたシリン
ダ内を摺動するピストンと、該ピストンに貫通して設け
られた第1の連通路と、該第1の連通路の内側に位置す
るように該ピストンに設けられた第2の連通路と、該ピ
ストンの摺動動作方向に応じて該第1の連通路を開又は
閉として一方向の流れを規制するディスクバルブと、該
ディスクバルブに設けられ該第2の連通路に連通して他
方向の流れを許容する複数の孔とを有する液圧緩衝装置
において、前記ピストンの摺動動作により前記ディスク
バルブの前記複数の孔の開口面積を減少させるサブディ
スクバルブを前記ディスクバルブの孔に対して所定距離
離間した位置に配設したことを特徴とするものである。
【0017】また、請求項2の発明では、請求項1記載
の液圧緩衝装置において、前記サブディスクバルブの外
径を変更することで減衰力特性を可変することを特徴と
するものである。
【0018】更に、請求項3の発明では、請求項1記載
の液圧緩衝装置において、前記サブディスクバルブと前
記ディスクバルブとの距離を変更することで減衰力特性
を可変することを特徴とするものである。
【0019】
【作用】上記の各手段は、下記のように作用する。請求
項1の発明によれば、ピストンの摺動動作によりディス
クバルブの複数の孔の開口面積を減少させるサブディス
クバルブをディスクバルブの孔に対して所定距離離間し
た位置に設けることにより、比較的簡単な構成で減衰力
を調整することが可能になると共に車両の乗り心地の向
上及び操縦安定性の向上を図ることができる。
【0020】また、請求項2の発明によれば、サブディ
スクバルブの外径を変更することで減衰力特性を可変す
ることにより、ピストン速度が大きいときのピストン速
度に対する減衰力の増加率の大きさを調整することがで
きる。また、請求項3の発明によれば、サブディスクバ
ルブとディスクバルブとの距離を変更することで減衰力
特性を可変することにより、ピストン速度に対する減衰
力特性の折れ点の位置を調整することができる。
【0021】
【実施例】続いて本発明の実施例について図面と共に説
明する。図1及び図2は本発明の一実施例である液圧緩
衝装置1を示している。本実施例では、液圧緩衝装置1
として自動車用サスペンション機構におけるショックア
ブソーバを例に挙げている。尚、図1は液圧緩衝装置1
の全体構成を示す縦断面図であり、また図2はピストン
4近傍を拡大して示す縦断面図である。
【0022】図1に示されるように、液圧緩衝装置1は
大略すると外筒2,内筒としてのシリンダ3,ピストン
4,ピストンロッド5,ベースバルブ10等により構成
されている。外筒2は円筒形状であり、その内部には所
定の粘性を有する作動液(作動油)が充填された円筒形
状のシリンダ3が配設されている。また、シリンダ3に
はピストン4が図中上下方向(A1,A2方向)に摺動
自在に挿入されている。このピストン4には、シリンダ
3の長手方向に延在するピストンロッド5が連結されて
いる。
【0023】シリンダ3は、ピストン4が挿入されるこ
とにより上部液室6と下部液室7とに画成される。ま
た、シリンダ3の外径は外筒2の内径よりも小さく設定
されており、従って外筒2とシリンダ3との間には環状
の空間部(以下、リザーバ室13という)が形成され
る。尚、ピストン4には減衰力を発生させる減衰力発生
機構が設けられているが、この減衰力発生機構について
は説明の便宜上後述する。
【0024】一方、外筒2の下端開口2aにはロアキャ
ップ9が溶接等により固着されており、またシリンダ3
の下端開口にはベースバルブ10が配設されている。ま
た、リザーバ室13の約下半分には作動液が充填される
と共に、リザーバ室13の約上半分には所定圧力のガス
(例えば窒素ガス等)が封入されている。更に、シリン
ダ3の上部開口にはロッドガイド11が配設されてお
り、その中央にはピストンロッド5が摺動自在に貫通す
る貫通孔12が形成されている。
【0025】また、14はリングナットで、外筒2の上
端開口に設けられためねじに螺着されている。このリン
グナット14は、ロッドガイド11の上面に当接してロ
ッドガイド11及びシリンダ3を保持する。更に、リン
グナット14とロッドガイド11との間には、ピストン
ロッド5の外周をシールするオイルシール15が介装さ
れている。
【0026】ピストン4は、ピストンロッド5の下端に
設けられた小径部5a(図では、ピストンロッド5の小
径部5aのみ断面で示している)に配設されている。具
体的には、小径部5aの下端部にはネジ5bが形成され
ており、この小径部5aに対してワッシャ18,板ばね
19,スペーサ20,サブディスクバルブ21,スペー
サ22,ディスクバルブ23,ピストンボディ24,デ
ィスクバルブ25,ガイドカラー26,コイルスプリン
グ27を順次挿入し、最後に締め付けナット28によっ
て締結して構成されている。
【0027】また、ピストン4の外壁には凹部が形成さ
れており、この凹部内には環状のシール部材29が配設
されている。このシール部材29はシリンダ3の内壁と
液密に摺接する構成とされており、よってピストン4は
シリンダ3内で液密に上下方向に摺動しうる構成とされ
ている。
【0028】次に、ピストン4に設けられた減衰力発生
機構の構成について説明する。減衰力発生機構は、大略
すると、ピストンボディ24の上部に設けられた上部バ
ルブ機構30と、ピストンボディ24の下部に設けられ
た下部バルブ機構31とからなる。上部バルブ機構30
は、上記ワッシャ18,板ばね19,スペーサ20,サ
ブディスクバルブ21,スペーサ22,ディスクバルブ
23からなり、下部バルブ機構31は、ディスクバルブ
25,ガイドカラー26,コイルスプリング27からな
る。
【0029】ピストンボディ24は、その中心部に軸方
向に大径の取付け孔32が形成されると共に、同じく軸
方向に貫通した第1連通路33及び第2連通路34が形
成されている。尚、本実施例では、第1連通路33及び
第2連通路34が夫々6個ずつ等間隔で設けられている
ものとする。
【0030】上記第2連通路34の断面積は、第1連通
路33の断面積に比べて大きく設定されている。ピスト
ンボディ24の上端には、第1連通路33が連通する環
状溝35が設けられており、この環状溝35は、ディス
クバルブ23により開閉される。
【0031】サブディスクバルブ21とディスクバルブ
23との間には、スペーサ22が介在しており、サブデ
ィスクバルブ21はスペーサ22の厚さ分ディスクバル
ブ23から離間した位置に設けられている。サブディス
クバルブ21は、ピストン速度が所定以上になると、デ
ィスクバルブ23側に変形する。
【0032】ディスクバルブ23はリーフバルブ構造と
なっており、板ばね19により第1連通路33を閉塞す
る方向に付勢されている。従って、ディスクバルブ23
はピストン4の摺動動作に伴って下部液室7の圧力が増
大し、上部液室6と下部液室7との圧力差が所定値以上
になったとき開弁動作する。このように、第1連通路3
3はディスクバルブ23の作用により下部液室7から上
部液室6への作動液の流通のみを許容する構成とされて
いる。尚、板ばね19は、ピストンロッド5の小径部5
aに嵌合する環状部分と、環状部分から半径方向に放射
状に突出してディスクバルブ23に当接する当接部分と
よりなる。
【0033】図3はディスクバルブ23とサブディスク
バルブ21と拡大して示す平面図である。サブディスク
バルブ21は、ディスクバルブ23より小径である。ま
た、ディスクバルブ23は、第1連通路33を開閉する
ように設けられているため、第1連通路33より内側に
設けられた第2連通路34に対向する部分には、第2連
通路34に連通する複数の孔23aが設けられている。
【0034】この孔23aは第2連通路34と共に上部
液室6の作動液が下部液室7へ移動するための通路を形
成し、第2連通路34と同数(本実施例では、6個)設
けられている。上記サブディスクバルブ21の外径は、
孔23aの開口面積のうち略半分の面積を覆うな寸法d
1 に形成されている。
【0035】サブディスクバルブ21は、スペーサ22
を介して所定距離離間しているため、ピストン速度が比
較的遅い場合には複数の孔23aから離間しているが、
ピストン速度が比較的速い場合には後述するようにディ
スクバルブ23に当接する方向に撓みディスクバルブ2
3の各孔23aの一部を閉塞して作動液の流れを絞る。
尚、液圧緩衝装置1では、サブディスクバルブ21を設
けることにより6個の孔23aを同時に半閉状態に切り
換えて減衰力を増大させることができるので、従来の構
成のものよりも部品点数が少なくて済み、製造コストを
安価にできる。
【0036】また、ピストンボディ24の第2連通路3
4が形成された下部位置には環状溝36が設けられてい
る。この環状溝36は、下部バルブ機構31のディスク
バルブ25により開閉される。ディスクバルブ25はリ
ーフバルブ構造となっており、コイルスプリング27に
より第2連通路34を閉塞する方向に付勢されている。
従って、ディスクバルブ25はピストン4の摺動動作に
伴って上部液室6の圧力が増大して上部液室6と下部液
室7との圧力差が所定値以上になったとき開弁動作す
る。このように、第2連通路34はディスクバルブ25
の作用により上部液室6から下部液室7への作動液の流
通のみを許容する構成とされている。
【0037】続いて、上記構成とされた液圧緩衝装置1
の縮み行程(ピストン4がA1方向に移動する行程)に
おける動作について、図4を用いて説明する。図4は段
差を通過する際に車輪にかかる荷重が増大してピストン
4がA1方向に摺動するときの動作状態を示す縦断面図
である。
【0038】ピストン4がA1方向に摺動すると、下部
液室7の圧力増大と共に上部バルブ機構30のディスク
バルブ23が環状溝35から離間する方向に撓み開弁動
作する。そのため、下部液室7の作動液は、第1連通路
33を通過して上部液室6へ移動する。これにより、縮
み行程に対する減衰力が発生する。
【0039】次に液圧緩衝装置1の伸び行程(ピストン
4がA2方向に移動する行程)における動作について、
図5を用いて説明する。図5はピストン4がA2方向に
摺動するときの動作状態を示す縦断面図である。ピスト
ン4がA2方向に摺動すると、上部液室6の圧力増大と
共に下部バルブ機構31のディスクバルブ25が環状溝
36から離間する方向に撓み開弁動作する。例えばピス
トン4がA2方向に摺動する際のピストン速度が微速で
ある場合、ディスクバルブ25が僅かに開弁動作して微
小隙間が環状溝36の周囲に形成される。
【0040】この微小隙間を介して少量の作動液が上部
バルブ機構30のディスクバルブ23に設けられた複数
の孔23a及び第2連通路34を通過して上部液室6か
ら下部液室7へ移動する。このピストン速度が低速であ
るときは、オリフィス特性を有する状態であり、以下
「低速領域」と呼ぶ。
【0041】また、ピストン速度が速くなった場合、デ
ィスクバルブ25が図5に示されるように大きく撓むこ
とになり、上部液室6から下部液室7へ移動する作動液
は増加する。これにより、減衰力が小さく抑えられて乗
り心地が向上する。この状態は、車輪にかかる荷重がそ
れほど大きくならないため、ピストン速度が中速とな
り、以下「中速領域」と呼ぶ。
【0042】また、大荷重が入力された場合、さらにピ
ストン速度が速くなって上部液室6と下部液室7との圧
力差が増大する。そのため、上部バルブ機構30のサブ
ディスクバルブ21は、上記圧力差により生じた作動液
の流れにより周縁部がディスクバルブ23に当接するよ
うに撓む。
【0043】サブディスクバルブ21は、図3に示され
る平面視のようにディスクバルブ23の各孔23aの約
半分の開口面積を覆う大きさに形成されているので、サ
ブディスクバルブ21の周縁部がディスクバルブ23側
に変形すると、ディスクバルブ23に設けられた6個の
孔23aの開口面積のほぼ半分が同時に閉塞される。こ
れにより、作動液が通過できる流路面積が大幅に減少す
る。
【0044】このように、サブディスクバルブ21をデ
ィスクバルブ23の上方に設けるだけで、ピストン速度
の増大と共にディスクバルブ23に設けられた全ての孔
23aを半閉状態に切り換えることができる。その結
果、孔23a及び第2連通路34を通過して上部液室6
から下部液室7へ移動する作動液の流速(流量)が絞ら
れる。すなわち、サブディスクバルブ21の作用により
作動液の移動量が絞られると、減衰力が増加するため、
車両の操縦安定性を向上させることができる。このよう
にサブディスクバルブ21がディスクバルブ23の各孔
23aを半閉状態に絞るときは、ピストン速度がさらに
速い状態であり、以下「高速領域」と呼ぶ。
【0045】図6は、本実施例に係る液圧緩衝装置1が
伸び方向に作動した場合の減衰力特性を示している。同
図において、横軸はピストン速度を示しており、また縦
軸は発生する減衰力を示している。また、オリフィス特
性からバルブ特性に切り換わる変化点を図中v1 で示
し、ピストン速度が中速領域から高速領域に切り換わる
折れ点を図中v2 で示す。
【0046】本実施例に係る液圧緩衝装置1では、上記
したようにピストン速度が微速であり、ディスクバルブ
25が僅かに開弁動作して微小隙間が環状溝36の周囲
に形成された状態では、減衰力特性がオリフィス特性を
示す。また、ディスクバルブ25が開弁した中速領域に
おいては、液圧緩衝装置1は減衰力特性としてバルブ特
性を示すため、減衰力はピストン速度に対して2/3乗
特性を示す。更に、サブディスクバルブ21が変形して
ディスクバルブ23の各孔23aの開口面積を半減させ
た高速領域においても、液圧緩衝装置1は減衰力特性と
してポート特性を示し、減衰力はピストン速度に対して
2次曲線を示す。
【0047】上記した実施例に係る液圧緩衝装置1にお
いて、ピストン速度が中速領域から高速領域になると、
サブディスクバルブ21がディスクバルブ23の各孔2
3aを半閉状態に絞るため、減衰力は中速領域よりも急
激に増大する。これにより、車輪にかかる荷重が増大し
た場合、ピストン速度が増大すると共に、減衰力も急激
に増大するため、車両の操縦安定性が高まる。
【0048】上記のようにピストン速度に対する減衰力
の増加率が急激に変化する点、すなわちピストン速度が
中速領域から高速領域に切り換わる折れ点(図中、v2
で示す点)からの減衰力の増加割合を高めることにより
車両の操縦安定性を向上させることができる。
【0049】続いて、本発明の変形例について以下説明
する。尚、以下の各変形例の説明において、図1乃至5
を用いて説明した実施例に係る液圧緩衝装置1の構成と
同一構成については同一符号を付してその説明を省略す
る。図7は変形例に係る液圧緩衝装置の減衰力発生機構
を拡大して示している。
【0050】サブディスクバルブ21は、上記実施例で
はディスクバルブ23の各孔23aの約半分の開口面積
を覆うように外径がd1 とされていた。ここで、サブデ
ィスクバルブ21の外径をd1 からd2 に変更すること
により、図3において一点鎖線で示すようにサブディス
クバルブ21はディスクバルブ23の各孔23aの殆ど
を覆うことができる。これにより、作動液が通過できる
流路面積が大幅に減少する。
【0051】このようにサブディスクバルブ21の外径
がd1 からd2 に変更されると、前述した高速領域にお
いて、各孔23aの流路面積が減少して減衰力の増加率
が高まる。すなわち、図6において、折れ点v2 以降の
減衰力の増加率を実線I から破線IIで示すように変化さ
せて液圧緩衝装置を所望の減衰力特性に変更することが
可能となる。
【0052】このように、サブディスクバルブ21の外
径寸法を変更することにより、高速領域の減衰力特性を
容易に変更することができ、しかも予め外径寸法の異な
る複数種のサブディスクバルブ21を製作しておくこと
により、任意の外径を有するサブディスクバルブ21を
選択してピストン4に組み込むだけなので、製造コスト
を安価に抑えることができる。
【0053】図8は本発明の別の変形例の減衰力発生機
構のみを拡大して示している。サブディスクバルブ21
とディスクバルブ23との間には、スペーサ22が介在
しており、サブディスクバルブ21はスペーサ22の厚
さ分ディスクバルブ23から離間した位置に設けられて
いる。サブディスクバルブ21は、ディスクバルブ23
側に変形して孔23aの流路面積を絞るため、スペーサ
22の厚さtの大きさに応じてディスクバルブ23の各
孔23aを部分的に閉塞するタイミングが変動する。
【0054】すなわちディスクバルブ23に対するサブ
ディスクバルブ21の離間距離が小さいと、図6に示す
折れ点v2 が中速領域側に移動し、ディスクバルブ23
とサブディスクバルブ21との離間距離が大きいと、折
れ点v2 が高速領域側に移動することになる。そのた
め、スペーサ22の厚さtを変更することにより、ディ
スクバルブ23とサブディスクバルブ21との離間距離
を任意の距離に設定することができ、例えば図8に示さ
れるようにスペーサ22を厚くすることにより、折れ点
2を高速領域側に移動させることができる。従って、
厚さtの異なる複数種のスペーサ22を予め用意してお
くことにより中速領域から高速領域に切り換わる折れ点
2 を任意の位置に設定することができる。
【0055】あるいはディスクバルブ23とサブディス
クバルブ21との間に介在するスペーサ22の枚数を変
えることによりディスクバルブ23とサブディスクバル
ブ21との離間距離を変更するようにしても良い。ま
た、上記実施例では、サブディスクバルブ21が環状に
形成されたものを一例として説明したが、例えばディス
クバルブ23の孔23aに対向する小孔をサブディスク
バルブ21に設け、この小孔の孔径により連通路34を
流れる作動液の流量を調整するようにした構成としても
良い。
【0056】また、上記実施例では、ピストン速度の速
い高速領域になると、サブディスクバルブ21がディス
クバルブ23に設けられた6個の孔23aの開口面積を
全て減少させるように変形したが、これに限らず、例え
ばサブディスクバルブ21の外周に孔23aに対向する
切欠を設け、6個のうち1〜3個の孔23aの開口面積
を減少させるようにしても良いのは勿論である。
【0057】さらに、上記実施例では、ピストン4にデ
ィスクバルブ23に設けられた孔23aの開口面積を減
少させるサブディスクバルブ21を設けたが、このよう
な構成は他の弁機構にも適用することができ、例えばシ
リンダ3の底部に設けられたベースバルブ10の弁機構
を上記実施例の上部バルブ機構30と同様にサブディス
クバルブ21を有する構成としても良い。
【0058】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、下記の種々
の効果を実現することができる。請求項1の発明によれ
ば、ピストンの摺動動作によりディスクバルブの複数の
孔の開口面積を減少させるサブディスクバルブをディス
クバルブの孔に対して所定距離離間した位置に設けるこ
とにより、従来のものよりも部品点数が少なくなり比較
的簡単な構成で減衰力を調整することができる。そのた
め、組立工程で面倒な調整作業が不要になり、能率良く
組み立てことができるので、製造コストを安価に抑える
ことができる。さらに、サブディスクバルブの作用によ
り、ピストン速度の小さいときには発生する減衰力を小
さくし、大荷重が入力されるピストン速度の大きいとき
には減衰力を増大させることができるので、車両の乗り
心地の向上及び操縦安定性の向上を図ることができる。
【0059】また、請求項2の発明によれば、サブディ
スクバルブの外径を変更することで減衰力特性を可変す
ることにより、ピストン速度が大きいときのピストン速
度に対する減衰力の増加率の大きさを調整することがで
き、減衰力の増加率を任意の勾配に設定することができ
る。
【0060】また、請求項3の発明によれば、サブディ
スクバルブとディスクバルブとの距離を変更することで
減衰力特性を可変することにより、ピストン速度に対す
る減衰力特性の折れ点の位置を調整することができ、減
衰力の増加率が急激に増大させる折れ点以降の領域を任
意の範囲に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧緩衝装置の全体構
成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の液圧緩衝装置のピストン近傍部分を拡
大して示す縦断面図である。
【図3】ディスクバルブとサブディスクバルブと拡大し
て示す平面図である。
【図4】段差を通過する際に車輪にかかる荷重が増大し
てピストンがA1方向に摺動するときの動作状態を示す
縦断面図である。
【図5】ピストンがA2方向に摺動するときの動作状態
を示す縦断面図である。
【図6】液圧緩衝装置が伸び方向に作動した場合の減衰
力特性を示している。
【図7】本発明の変形例に係る液圧緩衝装置の減衰力発
生機構を拡大して示す縦断面図である。
【図8】本発明の別の変形例の減衰力発生機構のみを拡
大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 液圧緩衝器 2 外筒 3 シリンダ 4 ピストン 5 ピストンロッド 6 上部液室 7 下部液室 10 ベースケース 21 サブディスクバルブ 22 スペーサ 23 ディスクバルブ 24 ピストンボディ 25 ディスクバルブ 30 上部バルブ機構 31 下部バルブ機構 33 第1連通路 34 第2連通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液が充填されたシリンダ内を摺動するピ
    ストンと、該ピストンに貫通して設けられた第1の連通
    路と、該第1の連通路の内側に位置するように該ピスト
    ンに設けられた第2の連通路と、該ピストンの摺動動作
    方向に応じて該第1の連通路を開又は閉として一方向の
    流れを規制するディスクバルブと、該ディスクバルブに
    設けられ該第2の連通路に連通して他方向の流れを許容
    する複数の孔とを有する液圧緩衝装置において、 前記ピストンの摺動動作により前記ディスクバルブの前
    記複数の孔の開口面積を減少させるサブディスクバルブ
    を前記ディスクバルブの孔に対して所定距離離間した位
    置に配設したことを特徴とする液圧緩衝装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液圧緩衝装置において、 前記サブディスクバルブの外径を変更することで減衰力
    特性を可変することを特徴とする液圧緩衝装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液圧緩衝装置において、 前記サブディスクバルブと前記ディスクバルブとの距離
    を変更することで減衰力特性を可変することを特徴とす
    る液圧緩衝装置。
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