JPH082975B2 - 耐アルカリ性に優れた陰イオン交換膜の製造方法 - Google Patents

耐アルカリ性に優れた陰イオン交換膜の製造方法

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JPH082975B2
JPH082975B2 JP62131356A JP13135687A JPH082975B2 JP H082975 B2 JPH082975 B2 JP H082975B2 JP 62131356 A JP62131356 A JP 62131356A JP 13135687 A JP13135687 A JP 13135687A JP H082975 B2 JPH082975 B2 JP H082975B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐アルカリ性に優れた陰イオン交換膜の製
造方法に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
近年、膜を使用したプロセスの開発は活発であり、中
でもイオン交換膜を用いたプロセスは省エネルギーの点
等から極めて注目されている。
イオン交換膜の中で陽イオン交換膜は、ナフィオン
(デュポン社)に代表される、いわゆるパーフルオロカ
ーボン系の膜が開発された。この種の膜は、骨格がパー
フルオロカーボン重合体より構成されており、その耐久
性は従来の陽イオン交換膜に比べて極めて優れたものと
なっている。
一方、陰イオン交換膜は、耐久性の面から見ると問題
の多い分野であった。そこで本発明者の一人である清田
らは、耐久性の優れた陰イオン交換膜として主鎖がパー
フルオロカーボン重合体から成る全く新規な構造を有す
る陰イオン交換膜をすでに提案した(特開昭61−731
2)。この種の膜は、従来の膜に比べて極めて優れた耐
酸性,耐酸化性を有してはいるものの、特にアルカリに
対する耐久性に問題があった。
本発明は、このような観点からなされたものであり、
その目的は、耐アルカリ性に優れた陰イオン交換膜を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このような背景をもとに鋭意研究を重
ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の陰イオン交換膜の製造方法は、下
記一般式(1) (XはFまたはCF3、lは0〜5の整数、mは0または
1、nは1〜5の整数であり、pおよびqは正の数であ
って、その比p/qは2〜16である)で表される構造を有
する高分子物質からなるフィルムを下記一般式(2) H2N−(CH2)r−C(R1)(R2)−(CH2)s−N
(R3)(R4) …(2) (rおよびsは1〜8の整数、R1は水素またはC1〜C4の
アルキル基、R2はC1〜C4のアルキル基、R3およびR4はC1
〜C6のアルキル基である)で表わされる化合物と反応さ
せたのち、水酸化アルカリ金属と反応させ、ついでヨウ
化アルキルと反応させることからなる。
以下具体的に説明する。
上記した構造(1)を有する共重合体は四フッ化エチ
レンと、たとえば下記に示すコモノマーとの共重合 CF2=CF−O−CF2−CF2−SO2F CF2=CF−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−CF2−SO2F CF2=CF−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−CF(CF3)−
O−CF2−CF2−SO2F CF2=CF−CF2−CF2−SO2F によって得られる。共重合は、フリーラジカル開始剤の
存在下において0〜200℃および1〜200気圧の範囲の条
件下で得ることができる。
もちろん、本発明に用いられるフィルムは、上記した
コモノマーによってえられたものに制限されるものでは
ない。
これらの共重合体は、フィルムに成型される。この成
型は通常溶融して薄い膜を成形する一般の技術を用いる
ことができる。
本発明で使用されるフィルムの厚さは通常50μmない
し500μmのものが用いられ、フィルムの強度,比電導
度,電流効率等を考慮して適当な厚みを選択できる。ま
た、このようなフィルムは、フィルムの強度を向上させ
るためのテフロン繊維布などで補強されたものであって
もよい。
フィルムの形状は平膜状あるいはチューブ状のいずれ
でもよい。
一般式(2)におけるrおよびsは1〜8であり、R1
は水素またはC1〜C4のアルキル基であり、R2はC1〜C4の
アルキル基であるが、これらの数や炭素数が上記の範囲
をこえるとアミド化反応速度が低下し、反応が不完全に
なったりする。R3およびR4はC1〜C6のアルキル基である
が、炭素数が7以上になるとアルキル化の段階で立体障
害になり、効率的にアルキル化が進行しなくなる。
上記した構造(1)を有するフィルムを上記一般式
(2)で表わされるアミンと反応させることにより、ス
ルホンアミド基を有するフィルムに変換する。
上記一般式(2)で表わされるアミンの構造は、 H2N−CH2−C(CH3)2−CH2−N(CH3)2 H2N−CH2−C(CH2CH3)2−CH2−N(CH3)2 H2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2−N(CH3)2 H2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2−N(CH2CH3)
2 H2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2−N(CH2CH2CH
2CH3)2 等を例示することができる。
また、これらのアミン類との反応はそれらのアミン中
あるいは他の溶媒を用いて行うことができる。
溶媒を用いる場合は、ジエチルエーテル,テトラヒド
ロフラン,ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン,トル
エン,ヘキサン等の炭化水素類等を用いることができ
る。
反応温度は室温〜80℃、反応時間は100時間で十分で
ある。
このようにして得られたスルホンアミド基を有するフ
ィルムを水酸化アルカリ金属を作用させることによりス
ルホンアミド基のアルカリ金属塩に変換する。
水酸化アルカリ金属としては、水酸化リチウム,水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム等の水溶液を用いること
ができるが、反応効率の点でメタノールのような溶媒の
使用が優れている。反応温度は、室温〜90℃の範囲で十
分である。
得られたスルホンアミド基のアルカリ金属塩のフィル
ムにヨウ化アルキルを作用させてアルキル化することに
より、陰イオン交換膜に転換される。
ヨウ化アルキルとしては、例えばヨウ化メチル,ヨウ
化エチル,ヨウ化ブチル等を用いることができる。
この際、メタノール,エタノール,ジメチルホルムア
ミド等を溶媒として使用しうる。
ここで得られる陰イオン交換基を有する膜の対イオン
を交換する必要がある場合は、常法によりアルカリ金属
塩で処理することで交換できる。
〔作 用〕
特開昭61−7312号公報には直鎖状アミンを用いて合成
することにより耐久性を向上させることが記載されてい
るが、本発明は枝分かれしたアミンを用いることに特徴
がある。
なぜ枝分れしたアミンを用いて合成した陰イオン交換
膜が直鎖状のアミンを用いて合成したものに比べ、耐ア
ルカリ性に対する効果が大きいか不明であるが、以下の
ように説明できる。
枝分れしたアルキル基の電子供与性の効果により、交
換基である第四級アンモニウム基が安定になるためであ
ると考えている。
〔発明の効果〕
本発明による陰イオン交換膜を無機塩からのアルカリ
の回収等、特に耐アルカリ性を必要とする各種電解用隔
膜として使用することにより、高濃度のアルカリ性液の
使用が可能になり、膜が長期使用に耐えるために、従
来、不可能であった多くのプロセスを実用化することが
できる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するがこ
れに限定されるものではない。
以下の実施例において、膜の抵抗は1N水酸化ナトリウ
ム水溶液に十分平衡させたのち、交流1000サイクル、温
度25℃で測定したものである。
実施例1 CF2=CF2とCF2=CF2−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−C
F2−SO2F との共重合により得られた共重合体をフィルム化した。
(膜厚170μm,p/q=6.5) 次いで該フィルムをH2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH
2−CH2−N(CH3)2の構造のアミンに浸漬し40℃で60
時間反応させた。反応後、メタノールで洗浄し(この場
合の転化率97%,元素分析により確認した。)20wt%水
酸化ナトリウム水溶液/メタノール(容量比1:1)に浸
漬し、60℃で7日間処理した後、メタノールで洗浄し
た。次いでヨウ化エチル/ジメチルホルムアミド(容量
比1:4)中、60℃で7日間処理した。
次に塩化リチウムの10wt%メタノール溶液中、50℃で
24時間処理した後、0.5N塩化ナトリウム水溶液中に3日
間浸漬した。
得られたフィルムはクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く染
色されなかった。
膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶液中で0.9Ω・cm2で
あった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ0.9Ω・cm2で変化はなかっ
た。
比較例1 実施例1中のH2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2
−N(CH3)2で表わされるアミンのかわりにH2N−CH2
−CH2−CH2−CH2−CH2−N(CH3)2を用いた以外は、
実施例1と同様の方法でフィルムを得た。アミド化の転
化率は97%(元素分析より)であった。
得られたフィルムをクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く変
色されなかった。
膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶液中で0.9Ω・cm2で
あった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ900Ω・cm2にもなった。
比較例2 実施例1中の20wt%水酸化ナトリウム水溶液/メタノ
ール(容量比1:1)の処理を行わなかった以外は、実施
例1と同様に行った。
得られたフィルムは染色テストにおいて、クレゾール
レッドで黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットで着
色しなかった。
膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶液中で1.8Ω・cm2で
あった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム溶液中で
膜抵抗を測定したところ1400Ω・cm2にもなった。
実施例2 CF2=CF2とCF2=CF−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−
CF2−SO2Fとの共重合により得られた共重合体をフィル
ム化した(膜厚120μ,p/q=7.6)。次いで該フィルムを
H2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2−N(CH3)2
の構造のアミンに浸漬し40℃で60時間反応させた。反応
後メタノールで洗浄し(この場合の転化率97%、元素分
析より)、20wt%水酸化ナトリウム水溶液/メタノール
(容量比1:1)に浸漬し、60℃で7日間処理した後、メ
タノールで洗浄した。次いでヨウ化メチル/ジメチルホ
ルムアミド(容量比1:4)中、60℃で7日間処理した。
次に塩化リチウムの10wt%メタノール溶液中、50℃で
24時間処理した後、0.5N塩化ナトリウム水溶液に3日間
浸漬した。
得られたフィルムはクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く染
色されなかった。
膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶液中で1.1Ω・cm2で
あった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ1.1Ω・cm2で変化はなかっ
た。
比較例3 実施例2で用いた20wt%水酸化ナトリウム水溶液/メ
タノール(容量比1:1)の処理を行わなかった以外は実
施例2と同様の方法でフィルムを得た。
得られたフィルムは、染色テストにおいてクレゾール
レッドで黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットで着
色しなかった。
得られたフィルムの膜抵抗は、1N水酸化ナトリウム水
溶液中で1.6Ω・cm2であった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ1500Ω・cm2にもなった。
実施例3 実施例2中のH2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH2−CH2
−N(CH3)2のアミンのかわりにH2N−CH2−C(CH3)
2−CH2−N(CH3)2の構造のアミンを用いた以外は、
実施例2と同様の方法でフィルムを得た。アミド化の転
化率は97%(元素分析より)であった。
得られたフィルムをクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く染
色されなかった。
得られたフィルムの膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶
液中で1.0Ω・cm2であった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ1.0Ω・cm2で変化はなかっ
た。
比較例4 実施例3中で用いた20wt%水酸化ナトリウム/メタノ
ール(容量比1:1)の処理を行わなかった以外は実施例
3と同様の方法でフィルムを得た。
得られたフィルムはクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く染
色されなかった。
得られたフィルムの膜抵抗は1N水酸化ナトリウム水溶
液中で1.8Ω・cm2であった。
次に該フィルムを60℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶
液中に10日間浸漬した後、1N水酸化ナトリウム水溶液中
で膜抵抗を測定したところ1200Ω・cm2にもなった。
実施例4 CF2=CF2とCF2=CF−O−CF2−CF(CF3)−CF2−CF2
−SO2Fとの共重合により得られた共重合体をチューブ化
した(内径0.63mm,外径0.88mm,p/q=6.5)。
次いで該チューブをH2N−CH2−CH2−C(CH3)2−CH
2−CH2−N(CH3)2の構造のアミンに浸漬し、40℃で8
0時間反応した。反応後、メタノールで洗浄し(この場
合の転化率97%、元素分析より)、20wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液/メタノール(容量比1:1)に浸漬し、60℃
で7日間処理した後、メタノールで洗浄した。次いでヨ
ウ化メチル/ジメチルホルムアミド(容量比1:4)中、6
0℃で7日間処理した。次に塩化リチウムの10wt%メタ
ノール溶液中、50℃で24時間処理した後、0.5N塩化ナト
リウム水溶液中に3日間浸漬した。
得られたフィルムをクレゾールレッドで染色したとこ
ろ黄橙色に着色し、クリスタルバイオレットには全く染
色されなかった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 (XはFまたはCF3、lは0〜5の整数、mは0または
    1、nは1〜5の整数であり、pおよびqは正の数であ
    って、その比p/qは2〜16である)で表される構造を有
    する高分子物質からなるフィルムを下記一般式 H2NCH2 rC(R1)(R2)CH2 sN(R3)(R4) (rおよびsは1〜8の整数、R1は水素またはC1〜C4の
    アルキル基、R2はC1〜C4のアルキル基、R3およびR4はい
    ずれもC1〜C6のアルキル基である)で表される化合物と
    反応させたのち、水酸化アルカリ金属と反応させ、つい
    でヨウ化アルキルと反応させることを特徴とする陰イオ
    ン交換膜の製造方法。
  2. 【請求項2】フィルムが平膜状である特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  3. 【請求項3】フィルムがチューブ状である特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】水酸化アルカリ金属が水酸化リチウムであ
    る特許請求の範囲第1〜3項のいずれかの項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】水酸化アルカリ金属が水酸化ナトリウムで
    ある特許請求の範囲第1〜3項のいずれかの項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】水酸化アルカリ金属が水酸化カリウムであ
    る特許請求の範囲第1〜3項のいずれかの項記載の方
    法。
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