JPH0830023A - トナー用樹脂およびその製法 - Google Patents

トナー用樹脂およびその製法

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JPH0830023A
JPH0830023A JP6182849A JP18284994A JPH0830023A JP H0830023 A JPH0830023 A JP H0830023A JP 6182849 A JP6182849 A JP 6182849A JP 18284994 A JP18284994 A JP 18284994A JP H0830023 A JPH0830023 A JP H0830023A
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toner
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suspension
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Ataru Suwada
中 須和田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 懸濁重合法で製造されるスチレン系またはス
チレン/アクリル系トナ−用樹脂において、重合開始剤
分解物に起因する酸性不純物含量が少なく、電気特性に
優れた樹脂とする。 【構成】 ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重
合開始剤およびアルカリ金属炭酸塩の存在下、水を媒体
とする懸濁重合法で製造されたスチレン系またはスチレ
ン/アクリル系トナ−用樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトナ−用樹脂およびその
製法に関し、特に過酸化物系重合開始剤の分解に起因す
る酸性不純物の含量が少なく、電気特性に優れたスチレ
ン系またはスチレン/アクリル系トナ−用樹脂およびそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系またはスチレン/アクリル系
樹脂がトナ−用樹脂として有用であることはよく知られ
ている。この樹脂は通常乳化重合法、塊状重合法、懸濁
重合法などの製法で得られるが、中でも懸濁重合法によ
るものは代表的なものである。従来の懸濁重合法による
スチレン系またはスチレン/アクリル系トナ−用樹脂
は、通常、懸濁分散安定剤を含む水中に、重合開始剤を
溶解したスチレン系またはスチレン系とアクリル系のモ
ノマ−が投入され、攪拌下に加熱重合が完結された後、
洗浄、脱水、乾燥されて製造されたものである。このト
ナ−用樹脂の製造工程では、比較的多量の重合開始剤が
使用されることが多く、かつ重合完結のため重合開始剤
が追加される等により使用量が更に多くなることが避け
られない。この重合開始剤としては、アゾ系開始剤や過
酸化物系開始剤が使用可能であるが、毒性等の問題でア
ゾ系開始剤の使用は制限され、過酸化物系開始剤が使用
されることが多い。
【0003】しかし過酸化物系重合開始剤が使用される
と、分解残査から酸性不純物が副生する。これら不純物
は、分配率に従って樹脂と水媒体中に分かれるが、重合
開始剤の使用量が多いため、樹脂中に相当量の酸性不純
物が残らざるを得ない。この樹脂を使用したトナ−の湿
度変化に対応する帯電特性に、予想以上に大きな影響を
与える。その結果、コピ−画像が異常に濃くなったり淡
くなったりして、安定した画像が得られにくい。従来こ
の問題の改善を図るスチレンまたはスチレン/アクリル
系トナ−用樹脂としては、例えば、重合終了後の重合系
にアルカリ金属の水酸化物を添加して加熱処理し、残存
不純物を除いて得られる樹脂(特公平4−73442号
公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかし上記のもの
は、重合後の処理に制限される問題がある。即ち、懸濁
重合時にアルカリ金属水酸化物で処理すると、アルカリ
性が強いため懸濁重合系を不安定にしてパ−ル状粒子の
凝集を起こしたり、あるいは強アルカリ下での加熱によ
り樹脂が加水分解されるため、この樹脂を使用したトナ
−の画像特性が悪くなる。また、上記のものは重合後の
処理ではあるが、強アルカリを用いるため樹脂の加水分
解をしないよう特別の注意を要し、特に加熱処理温度を
低い範囲に限定するなど処理条件が制約され、取扱が難
しいという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため検討を進めた結果、懸濁重合法によるスチレ
ン系またはスチレン/アクリル系トナ−用樹脂に多く用
いられる、過酸化物系重合開始剤のうちでも代表的な、
ベンゾイル基または置換基のあるベンゾイル基を有する
過酸化物系重合開始剤を使用すると、 この重合開始剤の分解物から安息香酸または置換基の
ある安息香酸が生成し; この酸性不純物は樹脂との相溶性が高いために樹脂中
に残り易く; 樹脂中のこの酸性不純物の量と帯電特性とは相関性が
あり、酸性不純物を一定の量以下にしないとトナーの帯
電特性が低下する;などの知見を得た。本発明者はこれ
らの知見に基づき更に鋭意検討を進めた結果、強アルカ
リを用いないため処理条件の制約が少なく、酸性不純物
が定量的かつ効果的に除去されており、よって電気特性
に優れたスチレン系またはスチレン/アクリル系トナ−
用樹脂とその製法を見いだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、下記<1>〜<7>で
ある。 <1>ベンゾイル基または置換基のあるベンゾイル基を
有する過酸化物系重合開始剤の存在下、水を媒体とする
懸濁重合法で製造されてなるスチレン系またはスチレン
/アクリル系トナ−用樹脂において、アルカリ金属炭酸
塩の存在下で懸濁重合され、必要により重合後50℃〜
140℃で加熱処理されたものであることを特徴とする
トナ−用樹脂。 <2>ベンゾイル基または置換基のあるベンゾイル基を
有する過酸化物系系重合開始剤の存在下、水を媒体とす
る懸濁重合法で製造されてなるスチレン系またはスチレ
ン/アクリル系トナ−用樹脂において、懸濁重合後アル
カリ金属炭酸塩が添加されて50℃〜140℃で加熱処
理されたものであることを特徴とするトナ−用樹脂。
【0007】<3>上記トナ−用樹脂<1>または<2
>およびこの樹脂の製造工程で添加された低分子量ポリ
オレフインワックスもしくはその変性物からなるトナ−
用樹脂組成物。 <4>上記トナ−用樹脂<1>または<2>、着色材料
および必要により磁性粉からなるトナ−。 <5>上記樹脂組成物<3>、着色材料および必要によ
り磁性粉からなるトナ−。
【0008】<6>スチレン系モノマー単独またはスチ
レン系モノマーとアクリル系モノマーをベンゾイル基ま
たは置換基のあるベンゾイル基を有する過酸化物系重合
開始剤およびアルカリ金属炭酸塩の存在下で懸濁重合し
たものを、必要により重合後50℃〜140℃で加熱処
理することを特徴とするスチレン系またはスチレン/ア
クリル系樹脂の製法。 <7>スチレン系モノマー単独またはスチレン系モノマ
ーとアクリル系モノマーをベンゾイル基または置換基の
あるベンゾイル基を有する過酸化物系重合開始剤の存在
下で懸濁重合したものを、アルカリ金属炭酸塩を添加し
て50℃〜140℃で加熱処理することを特徴とするス
チレン系またはスチレン/アクリル系樹脂の製法。
【0009】本発明において、アルカリ金属炭酸塩とし
ては、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHC
3、Li2CO3などが挙げられる。これらは無水物でも
結晶水を持っていてもよい。これらのうち好ましいもの
は、Na2CO3およびK2CO3である。
【0010】本発明においてスチレン系またはスチレン
/アクリル系トナ−用樹脂は、スチレン系モノマ−のホ
モポリマ−またはスチレン系モノマ−とアクリル系モノ
マ−のコポリマ−であり、これらポリマ−には必要によ
り多官能性モノマ−や他の重合性モノマ−を構成単位と
して含んでいてもよい。
【0011】上記スチレン系モノマーとしてはスチレ
ン、アルキルスチレン(α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレンなど)などが挙げられる。これらのうち好ま
しいものはスチレンである。
【0012】上記アクリル系モノマーとしてはメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素
数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロ
キシルエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル
基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレー
ト;アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)ア
クリル化合物、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
これらのうち好ましいものはメチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アク
リレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、
(メタ)アクリル酸およびこれらの二種以上の混合物で
ある。
【0013】多官能性モノマ−としては、少なくとも二
個の重合性二重結合を有する多官能性モノマ−、例えば
ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルトルエ
ン、エチレングライコ−ルジアクリレ−ト、1,6ヘキ
サンジオ−ルジアクリレ−トなど)および三個以上の重
合性ニ重結合を有するポリビニル化合物(グリセリン、
トリメチロ−ルプロパン等の多価アルコ−ルのトリアク
リレ−トまたはトリメタクリレ−トなど)を挙げること
ができる。これらのうち好ましいものは、ジビニルベン
ゼンおよび1,6ヘキサンジオールジアクリレ−トであ
る。多官能性モノマ−は重合に際してより高分子量のポ
リマ−を得るため必要により加えられ、高分子量化する
ことによりトナ−の定着時のホットオフセット性を向上
させることができる。
【0014】他の重合性モノマ−としては、ビニルエス
テル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、脂肪属炭
化水素系ビニルモノマ−(ブタジエン等)、ビニルエ−
テル(ビニルメチルエ−テル、ビニルエチルエ−テル、
ビニルイソブチルエ−テル等)、ビニルケトン(ビニル
メチルケトン、ビニルヘキシルケトン等)、N−ビニル
化合物(N−ビニルピロ−ル、N−ビニルカルバゾ−
ル、N−ビニルインド−ル、N−ビニルピロリドン
等)、ハロゲン化ビニル(塩化ビニル等)等が挙げられ
る。
【0015】懸濁重合前の全重合性モノマ−中の各モノ
マ−の重量割合は、全重合性モノマ−の重量に基づい
て、スチレン系モノマーが通常50〜100%、好まし
くは60〜100%であり、アクリル系モノマ−が通常
5〜45%、好ましくは10〜40%であり、多官能性
モノマ−が通常3%以下、好ましくは1%以下であり、
他の重合性モノマ−が10%以下好ましくは5%以下で
ある。多官能性モノマ−の量が通常3%を越えると重合
中ゲル化が起こり安くなる。またトナ−化時に溶融混練
が困難になる。
【0016】ベンゾイル基または置換基のあるベンゾイ
ル基を有する過酸化物系重合開始剤としては、ジアシル
パ−オキサイド系のものとパ−オキシエステル系のもの
が挙げられる。ジアシルパ−オキサイド系のものものと
しては、2,4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、
m−トリルアンドベンゾイル パ−オキサイド、ベンゾ
イルパ−オキサイド等が挙げられる。パ−オキシエステ
ル系のものとしては、1−ヘキシルパ−オキシベンゾエ
−ト、1−ブチルパ−オキシ−m−トルオイルベンゾエ
−ト、1−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、 ビス−t
−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト等が挙げられる。該重
合開始剤の使用量は重合前の全重合性モノマ−に対して
通常0.1ー10重量%、好ましくは0.1ー5重量%
である。
【0017】本発明のトナー用樹脂は、全重合性モノマ
−を1段で懸濁重合してなるものでもよく、予め一部重
合されたモノマ−・樹脂混合物を懸濁重合してなるもの
や予め重合された樹脂を溶解したモノマ−を懸濁重合し
てなるものでもよい。この際、共存させる樹脂と後重合
で生成させる樹脂の分子量を異ならせて分子量分布を広
くすることもできる。
【0018】本発明のトナー用樹脂の重量平均分子量
(Mw)は、テトラヒドロフラン(以下THFと略す)
可溶分のMwで、通常1×103〜1× 106、好まし
くは5×103〜1×105である。Mwが1×103
満ではガラス転移温度(Tg)が下がり、トナ−のブロ
ッキング特性が悪くなる。また1×106を越えるとト
ナ−の定着工程で定着下限温度が高くなり好ましくな
い。トナー用樹脂の分子量はゲルパーミエーション・ク
ロマトグラフィ−(以下GPCと略す)で溶剤としてT
HFを用いて測定し、標準ポリスチレンで分子量の検量
線を作成し、換算して表示する。GPCによる分子量測
定の条件は以下のとおりである。 装置 : HLC−802A(東洋曹達製) カラム : TSK gel GMH6 2本
(東洋曹達製) 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量 : 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 なお分子量較正曲線は標準ポリスチレン(分子量842
万、448万、289万、109万、35.5万、19
万、9.64万、3.79万、1.96万、9.1千、
2.98千、870、500)を用いて作成する。
【0019】本発明のトナ−用樹脂を含有する組成物、
即ち、本発明のトナ−用樹脂およびこの樹脂の製造工程
で添加された低分子量ポリオレフインワックスもしくは
その変性物からなるトナ−用樹脂組成物とすることもで
きる。この低分子量ポリオレフインワックスもしくはそ
の変性物としては、 (a)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオ
レフイン(炭素数3〜8)共重合体(例えばエチレン5
0重量%以上、特に70重量%以上のもの); (b)(a)のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マ
レイン酸ジエチルエステル,マレイン酸ジ−2−エチル
へきしるエステル等)付加物; (c)(a)の酸化物; (d)エチレン性不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル
酸、イタコン酸等]および/またはそのエステル[アル
キル(C1−C18)エステル等]とエチレン性不飽和炭
化水素(エチレン、プロピレン、ブテン−1等)との共
重合体;並びに、これらの2種以上の混合物が挙げられ
る。ポリオレフインワックスもしくはその変性物の量
は、用いる全重合性モノマ−の重量に基づいて通常30
%以下、好ましくは20%以下である。ポリオレフイン
ワックスもしくはその変性物の量が30%を越えると分
散が不十分となる。
【0020】この組成物中には好ましくは低分子量ポリ
オレフインワックスもしくはその変性物が均一に分散し
ている。低分子量ポリオレフインワックスを均一に分散
させる方法としては、低分子量ポリオレフインワックス
をモノマ−の重合時(スチレン系樹脂またはスチレン/
アクリル系樹脂製造時)に添加する方法が好ましい。具
体的にはポリオレフインワックスを機械的に微粒子にし
てからモノマ−に添加する方法,あらかじめ樹脂中にポ
リオレフインワックスを微粒子に分散させた後モノマ−
に添加させる方法がある。
【0021】本発明のトナー用樹脂を製造する際は、ア
ルカリ金属炭酸塩は懸濁重合時に水媒体中に存在させる
か、実質的に重合終了後重合スラリ−中に添加する。ま
た樹脂乾燥物に添加することもできるが、この場合は樹
脂乾燥物を水中に再スラリ−化しておき、その中にアル
カリ金属炭酸塩を添加して攪拌する方法をとることがで
きる。アルカリ金属炭酸塩は粉末状で用いてもよく、水
やアルコ−ルに溶解して用いてもよい。
【0022】アルカリ金属炭酸塩の添加量は、重合開始
剤に使用された過酸化物の使用量によって異なる。使用
量に比例して不純物の除去効果が向上するが、多すぎる
とアルカリ金属炭酸塩による帯電特性への悪影響が出て
くる。安息香酸類の過酸化物系重合開始剤の分解により
生成する安息香酸または置換基のある安息香酸の中和当
量付近が目安となる量である。アルカリ金属炭酸塩存在
下で懸濁重合する場合は、重合開始前もしくは重合中の
全懸濁液量に対して、アルカリ金属炭酸塩を通常0.0
1〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加す
る。懸濁重合後添加する場合は、アルカリ金属炭酸塩を
重合後の全懸濁液量に対して通常0.01〜10重量
%、好ましくは0.1〜3重量%添加するか、あるいは
懸濁重合後反応媒体を除去した重合体に再度水を添加し
たスラリーに対して通常0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜3重量%添加する。
【0023】懸濁重合は公知の方法に従って重合性モノ
マ−を分散安定剤を含有する水中に分散させ、重合させ
ることにより行うことができる。分散安定剤としては水
溶性高分子(ゼラチン、デンプン、メチルセルロ−ズ、
ヒドロキシエチルセルロ−ズ、、カルボキシメチルセル
ロ−ズ、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸塩等)、水溶性または難溶性の微粉
末状の無機化合物(硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシュウム、炭酸マグネシュウム、燐酸カルシュウ
ム、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、粘土等)等が
挙げられる。これらは水に対して通常0.01〜10
%、好ましくは0.1〜5%用いられる。
【0024】懸濁重合は必要に応じて連鎖移動剤を用い
てもよく、連鎖移動剤としては公知のもの、例えばn−
オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t
−ドデシルメルカプタンおよびチオグリコ−ル酸2−エ
チルヘキシルを挙げることができる。
【0025】懸濁重合は窒素気流中、攪拌下に行われ
る。重合温度は通常30〜140℃、好ましくは60〜
120℃である。重合時間は通常2〜20時間、好まし
くは4〜10時間である。重合終了後、得られる樹脂は
水洗して不純物を除く。安息香酸類の過酸化物系重合開
始剤の分解物の酸成分等は主に塩の形で除かれる。
【0026】本発明のトナー用樹脂の製造において、特
に重要なアルカリ炭酸塩を添加処理することについて
は、実質的に重合が終了した後添加する場合には加熱処
理工程が必要となる。すなわち所定量のアルカリ金属炭
酸塩を添加後、その重合系を通常50℃〜140℃で加
熱処理する工程であり、加熱処理時間は通常20分〜6
時間、好ましくは30分〜4時間である。高温で処理す
ることにより効果的に樹脂中の重合開始剤分解物等の不
純物を除くことができ、また一般に短い時間ですむ。1
40℃以上の高温で処理すると、パ−ル状の粒子が相互
に融着する。50℃以下の温度では不純物の除去に長時
間を必要とし実用的に好ましくない。あらかじめアルカ
リ金属炭酸塩の存在下で懸濁重合し、かつ重合温度が約
50℃以上の場合は、重合終了後熱処理工程を特に加え
なくてもよい場合が多いが、必要に応じて加えることに
より更に効果的に重合開始剤分解物である酸成分を除く
ことができる。水洗、乾燥は公知の方法で行うことがで
きるが、水洗に際しては残存アルカリ成分を完全に除去
するために酸処理をすることもできる。
【0027】アルカリ金属炭酸塩を重合系(重合開始
時、重合中または実質的に重合終了後)に添加して、得
られる樹脂が50℃以上の温度で熱処理されることによ
り樹脂溶融時の刺激臭やトナ−の電気特性に悪影響を及
ぼす酸性不純物を効果的に除去することが本発明の特徴
である。この加熱処理により単に本発明で除去を目標と
する酸成分のみならず樹脂中の不快な臭気成分も併せて
除かれる。アルカリ金属炭酸塩を用いると重合終了前に
添加しても、重合系が安定しておりパ−ル状粒子の凝集
もなく、また樹脂とモノマ−の混合系から重合開始剤分
解物が水溶剤系に溶出しやすいため塩として溶解除去さ
れ易い。また重合が実質的に終了したあとで添加しても
樹脂を分解することなく重合系を高温に保持して処理す
ることができるために、樹脂中から分解物の溶出速度が
早くなり経済的に有利に同様に塩として溶解除去され易
い特質を持つ。
【0028】本発明のトナー用樹脂は該重合開始剤の分
解物である酸性不純物の含有量が低い。即ち、安息香酸
当量として通常1500PPM以下である。1500p
pmを超えるとこの樹脂を使用したトナ−の環境依存性
が大きく、画像安定性が得られにくい。安息香酸当量は
置換基(例えばハロゲン基)のある安息香酸の場合、そ
の置換基を除いた安息香酸に換算した値とする。
【0029】本発明のトナー用樹脂の分子量分布(重量
平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、通常10以上
であり、電子写真トナ−用として好ましくは20以上で
ある。分子量分布が10未満ではホットオフセット(H
F)の発生する温度と定着下限の温度(MF)との差が
小さくなり好ましくない。また、ガラス転移温度(T
g)は通常50〜80℃、好ましくは55〜70℃であ
る。Tgが50℃未満ではトナ−化後の保存性が不良と
なり、80℃を越えるとMFが高くなりトナ−としての
実用に耐えない。Tgは示差走査熱量計で昇温速度10
℃/分として測定したベ−スラインと吸熱ピ−クカ−ブ
の交差点とした。
【0030】本発明のトナー用および本発明のトナー用
樹脂組成物は電子写真のトナ−用バインダ−樹脂および
バインダ−樹脂含有組成物として使用できる。トナーの
構成成分の重量割合は、トナー重量に基づいて本発明の
トナー用樹脂(本発明のトナー用樹脂組成物として用い
てもよい)が通常50〜95%、公知の着色材料(カー
ボンブラック、鉄黒、ベンジジンイエロー、キナクリド
ン、ローダミンB、フタロシアニンなど)が通常5〜1
0%、磁性粉(鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金
属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライ
トなどの化合物)が通常0〜50%である。さらに種々
の添加剤[荷電調整剤(金属錯体、ニグロシンなど)、
滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、低分子量ポリオレ
フィン、脂肪酸、もしくはその金属塩またはアミドな
ど)など]を含むことができる。これらの添加剤の量は
トナー重量に基づいて通常0〜5重量%である。
【0031】電子写真用トナーは、上記構成成分を乾式
ブレンドした後、溶融混練、粗粉砕し、最終的にジェッ
ト粉砕機などを用いて微粒化、さらに分級して通常粒径
5〜20ミクロンの微粒子として得られる。上記電子写
真用トナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッ
ケル粉、フェライトなどのキャリアー粒子と混合されて
電気的潜像の現像剤として用いられる。また粉体の流動
性改良のために疎水性コロイダルシリカ微粉末を用いる
こともできる。前記電子写真トナーは支持体(紙、ポリ
エステルフィルムなど)に定着されるが、定着する方法
としては公知の熱ロール定着方法が適用できる。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。実施
例中特にことわりがなければ部はいずれも重量部を表
す。安息香酸含有量はガスクロマトグラフGC−9A
(島津製作所)を用いて、内部標準にジフェニルエ−テ
ルを使用して常法に従って測定した。
【0033】実施例1 10Lの4口反応容器にイオン交換水470部、ポリビ
ニルアルコール[(株)クラレ製、PVA235]の3
重量%水溶液50部及び重炭酸ソ−ダ(NaHCO3
1.4部を加え、これにスチレン76部、n−ブチルア
クリレート24部、ベンゾイルパ−オキサイド1.8部
からなる混合液を加えて攪拌し懸濁液とした。ついで反
応容器を充分窒素で置換した後、80℃まで昇温し、重
合を開始した。同温度で10時間重合を継続させ、更に
95℃に昇温し同温度で2時間保ち、重合を完結させ
た。重合率は99.7%であった。重合スラリ−を濾過
し、繰り返して十分水洗、55℃に熱風循環乾燥機を用
いて24時間乾燥した後本発明のパ−ル状の樹脂を得
た。樹脂中の安息香酸含有量の測定値は950ppmで
あった。
【0034】比較例1 一方、NaHCO3を添加しなかった以外は実施例1と
全く同様に重合して得られた樹脂中の安息香酸含有量は
3400ppmであった。
【0035】比較例2 また、本発明のNaHCO3を使用する代わりにKOH
1.4部を加える以外は実施例1と全く同様に重合した
ところ、重合の途中でスラリ−中の粒子が凝集して樹脂
が分離してしまった。生産工程の簡略効率化のためにK
OHを原料仕込段階で使用することはできなかった。
【0036】実施例2 1Lの4口フラスコにイオン交換水240部、第3燐酸
カルシュウム3.9部、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
−ダ−0.07部を加え、これにスチレン60部、アク
リル酸メチルエステル43部、及びジビニルベンゼン
0.07部及びベンゾイルパ−オキサイド1.8部から
なる重合開始剤を溶解したモノマ−混合液を加えて攪拌
し懸濁液とした。フラスコ中の酸素を充分窒素で置換し
た後、80℃まで昇温し、同温度で8時間重合をさせ重
合を実質的に完了した。ついでこの重合スラリ−系に炭
酸カリウム(K2CO3)1.8部を添加、更に95℃に
昇温し、同温度で2時間保った。重合率は99.8%で
あった。次に重合スラリ−を濾過し、繰り返して十分水
洗、55℃に熱風循環乾燥機を用いて24時間乾燥した
後本発明のパ−ル状の樹脂を得た。樹脂中の安息香酸含
有量は400ppmであった。この樹脂のメルトインデ
ックス(MI)は1.1g/10分(150℃・216
0g)、Tgは64℃であった。
【0037】実施例3〜4 実施例2のK2CO3の添加量をそれぞれ0.9部および
0.4部とする以外全て同じ方法で実施例3及び4の樹
脂を得た。
【0038】実施例5 加熱処理する工程でその温度が120℃であること以外
は実施例2と全く同様に操作して得られた樹脂中の安息
香酸含有量は210ppmであった。
【0039】比較例3 また、K2CO3を添加する代わりに炭酸カルシュウム
(CaCO3)0.4部を添加した以外は実施例2と全
く同様にして比較例3の樹脂を得た。樹脂中の安息香酸
含有量は2500ppmであった。
【0040】比較例4 K2CO3を添加しなかった以外は実施例2と全く同様に
重合して比較例4の樹脂を得た。樹脂中の安息香酸含有
量は3300ppmであった。
【0041】実施例6 10Lの4口反応容器にイオン交換水1300部、ポリ
ビニルアルコール[(株)クラレ製、PVA235]の
3重量%水溶液90部を加え、これにスチレン490
部、n−ブチルアクリレート120部、とスチレンとn
−ブチルアクリレ−ト比率が前記モノマ−比と同じで、
重量平均分子量8,000の樹脂及びベンゾイルパ−オ
キサイド6.7部からなる混合液を攪拌し懸濁液とし
た。フラスコを充分窒素で置換した後、84℃まで昇温
し、同温度で7時 間重合を継続させ重合を実質的に完
了させた。ついでこ の重合スラリ−系 にNa2CO
35.7部を添加、更に95℃に昇温し同温度で 3時間
保った。重合率は99.8%であった。得られた重合ス
ラリ−を濾過し、繰り返して十分水洗、55℃に熱風循
環乾燥機を用いて24時間乾燥した後本発明のパ−ル状
の樹脂を得た。Tgは61℃であった。この樹脂をプラ
ストミルを用いて70rpm、10分間、樹脂温140
℃の条件で混練した後、分子量を測定し次の値を得た。 重量平均分子量 =118.7万 数平均分子量 =7.8千 分子量分布(Mw/Mn)=15 樹脂中の安息香酸含有量の測定値は710ppmであっ
た。
【0042】試験例 次に、実施例1、2、3、4及び比較例1の樹脂を用い
て次のようにしてトナ−を作成、ついで現像剤を作成し
帯電の測定試料とした。ビスコ−ル550Pは低分子量
ポリプロピレンワックスである。 離型剤 ビスコ−ル550P (三洋化成) 3部 荷電調整剤 スピロンブラックTRH (保土ヶ谷化学) 1部 樹脂 実施例および比較例の樹脂 90部 カ−ボン MA100 (三菱化成) 6部 上記配合物を粉体混合した後、ラボプラストミルを用い
て樹脂温140℃、30分溶融混練し、ついでジェット
粉砕機(日本ニュウマチック社)で微粉砕、デイスパ−
ジョンセパレ−タ−で分級し平均粒径12μにし、得ら
れた粉体にアエロジルR972(日本アエロジル社)
0.3%を添加均一に混合し、実施例 1、2、5の樹
脂についてそれぞれ3種の対応するトナ−(T−1、T
− 2、 T−5)を、また比較例1について対応するト
ナ−(TH−1)の合計4種の試料を得た。 ついでト
ナ−の帯電量測定のため現像剤を次のように作成した。 現像剤の作成:上記トナ−25部にキャリア−鉄粉F−
100(日本鉄粉社)1000部を混合してそれぞれ対
応する4種の現像剤を得た。
【0043】トナ−帯電量の測定:上記現像剤4種につ
いて湿度変化によるトナ−の帯電量の変化を、東芝ブロ
−オフ帯電量測定装置を用いて測定した。それらの結果
を表1に示す。 測定条件:現像剤を25℃で表1に示す3点の湿度(3
0、70、90%RH)に24時間調湿し、シェ−カ−
ミクサ−を用いて10分間攪拌してトナ−を帯電させ、
同温湿度で測定した。
【0044】
【表1】
【0045】樹脂からの抽出物の導伝率の測定:実施例
2、3、4及び比較例4で作成した樹脂について導伝率
を測定した結果を表2に示す。測定試料は次のように作
成した。 測定試料の作成:樹脂5Gをエチレンジクロライド31
5gに加温下に攪拌溶解した後一夜静置イオン交換水2
00gで攪拌下に水溶解成分を抽出、水層を分離した。
実施例2、3、4の樹脂についてそれぞれ3種の対応す
る水溶液(R−2、R−3、R−4)及び比較例4につ
いて対応する水溶液(RH−4)の合計4種の試料を得
た。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂は強アルカリを用
いていないため処理条件の制約が少なく、酸性不純物が
定量的かつ効果的に除去されており、よって本発明のト
ナー用樹脂を用いたトナ−は電気特性に優れている。即
ち、本発明の樹脂または本発明のを用いたトナ−は湿度
変化に対する帯電量の変化がすくない。トナー性能とし
て最も重要な湿度変化に対するコピ−画像の安定性が得
られる。またトナ−作成時に樹脂中の不純物によって発
生する不快な刺激臭も極めて少ない。従って本発明のト
ナー用樹脂および本発明のトナー用樹脂組成物は電子写
真トナ−用のバインダ−樹脂およびバインダ−樹脂含有
組成物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 4/34 MEM MEQ G03G 9/083 9/08 // C08F 12/08 20/00 G03G 9/08 365

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゾイル基または置換基のあるベンゾ
    イル基を有する過酸化物系重合開始剤の存在下、水を媒
    体とする懸濁重合法で製造されてなるスチレン系または
    スチレン/アクリル系トナ−用樹脂において、アルカリ
    金属炭酸塩の存在下で懸濁重合され、必要により重合後
    50℃〜140℃で加熱処理されたものであることを特
    徴とするトナ−用樹脂。
  2. 【請求項2】 ベンゾイル基または置換基のあるベンゾ
    イル基を有する過酸化物系系重合開始剤の存在下、水を
    媒体とする懸濁重合法で製造されてなるスチレン系また
    はスチレン/アクリル系トナ−用樹脂において、懸濁重
    合後アルカリ金属炭酸塩が添加されて50℃〜140℃
    で加熱処理されたものであることを特徴とするトナ−用
    樹脂。
  3. 【請求項3】 トナ−用樹脂中に残存する該重合開始剤
    の分解物が安息香酸当量として1500ppm以下であ
    る請求項1または2記載のトナ−用樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載のトナ−用
    樹脂およびこの樹脂の製造工程で添加された低分子量ポ
    リオレフインワックスもしくはその変性物からなるトナ
    −用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか記載のトナ−用
    樹脂、着色材料および必要により磁性粉からなるトナ
    −。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の樹脂組成物、着色材料お
    よび必要により磁性粉からなるトナ−。
  7. 【請求項7】 スチレン系モノマー単独またはスチレン
    系モノマーとアクリル系モノマーをベンゾイル基または
    置換基のあるベンゾイル基を有する過酸化物系重合開始
    剤およびアルカリ金属炭酸塩の存在下で懸濁重合したも
    のを、必要により重合後50℃〜140℃で加熱処理す
    ることを特徴とするスチレン系またはスチレン/アクリ
    ル系樹脂の製法。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属炭酸塩を重合開始前もしく
    は重合中の全懸濁液量に対して0.01〜10重量%添
    加する請求項7記載の製法。
  9. 【請求項9】 スチレン系モノマー単独またはスチレン
    系モノマーとアクリル系モノマーをベンゾイル基または
    置換基のあるベンゾイル基を有する過酸化物系重合開始
    剤の存在下で懸濁重合したものを、アルカリ金属炭酸塩
    を添加して50℃〜140℃で加熱処理することを特徴
    とするスチレン系またはスチレン/アクリル系樹脂の製
    法。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属炭酸塩を重合後の全懸濁
    液量に対して0.01〜10重量%添加するか、あるい
    は懸濁重合後反応媒体を除去した重合体に再度水を添加
    したスラリーに対して0.01〜10重量%添加する請
    求項9記載の製法。
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