JPH08304604A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH08304604A
JPH08304604A JP7114653A JP11465395A JPH08304604A JP H08304604 A JPH08304604 A JP H08304604A JP 7114653 A JP7114653 A JP 7114653A JP 11465395 A JP11465395 A JP 11465395A JP H08304604 A JPH08304604 A JP H08304604A
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JP
Japan
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index layer
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high refractive
laminate
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Application number
JP7114653A
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English (en)
Inventor
Masahiro Asuka
政宏 飛鳥
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材上に反射防止効果および帯電防止効果の
高い被膜が形成された、光透過率40%以上の積層体を
容易に製造し得る方法を提供する。 【構成】 基材の表面上に導電性を有する高屈折率層
と、低屈折率層を、低屈折率層が最外層となるように、
複層積層した積層体の製造方法であって、上記高屈折率
層が、(a)特定のアミノアルキルアルコキシシラン化
合物〔例、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン〕、(b)特定のエポキシアル
キルアルコキシシラン化合物、(c)ジルコニウムテト
ラアルコキシド、(d)硝酸、(e)有機溶媒および
(f)水よりなり、上記(a)と(b)(c)のモル比
が特定された帯電防止被覆用組成物を塗布することによ
り得られる層からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層体の製造方法に関
する。特に、基材上に反射防止効果および帯電防止効果
の高い被膜が形成された光透過率40%以上の積層体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスや透明プラスチックス材料が外部
光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質に入射さ
れる際、その屈折率の差により界面で反射するからであ
る。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率と基材で
あるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率が異なる
ため、その界面で光の反射および損失が起こる。
【0003】上記の光の反射および損失を軽減させるた
めに、フッ素樹脂系の材料を基材に塗布することにより
低屈折率の被膜を基材上に施す方法があった(特開平2
−123771号公報)。また、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法、スパッタリング法などを用いて屈折率
の異なる薄膜を多層積層させる方法もあった。この方法
は膜厚制御や、広い波長範囲で反射防止効果が得られる
等の利点があるが、ある限られた空間で薄膜を製造する
ため大面積の基材には適さず、コストの点で工業的に不
向きであり、また、複雑な形状の基材には適用できない
という問題点があった。
【0004】ある基材の反射率を0にするための薄膜の
積層条件は、(1)、(2)式で表現される。 n1 =(no s 0.5 ・・・(1) n1 1 =(λ/4),(3λ/4),(5λ/4)・・・(2) no :空気の屈折率(no =1である)、ns :基材の
屈折率、n1 :薄膜の屈折率、t1 :薄膜の膜厚、λ:
入射光波長 このように、基材の屈折率に応じて、積層する薄膜の屈
折率と膜厚を制御する必要がある。
【0005】薄膜の屈折率を制御する方法に関する従来
技術としては、シランカップリング剤、各種の酸化物
ゾル及びエポキシ樹脂からなる組成物を基材に塗布し、
硬化後、酸またはアルカリ水溶液に浸漬して酸化物ゾル
を選択的に溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
1−312501号公報)、シリコンアルコキシドに
MgF2 の微粒子を分散させたものを、基材に塗布し薄
膜化するもの(特開平2−256001号公報)、シ
リコンアルコキシドとポリエーテルと有機溶媒とよりな
る組成物を基材に塗布し、次いで膜中のポリエーテルを
有機溶媒で溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
3−199043号公報)等があった。
【0006】上記の方法は、酸化物ゾルの溶解度が低
いため溶出に時間がかかること、組成物の濃度を上げる
と薄膜の強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が
生じ易いこと等の問題点があった。上記の方法は、M
gF2 の微粒子を分散させる工程が必要なこと、分散を
よくするために高性能な装置を必要とすること、制御で
きる屈折率の範囲が1.34〜1.46の範囲であり狭
くまたその精度も悪いこと等の問題点があった。上記
の方法は、ポリエーテルの有機溶媒への溶解度が低いた
め溶出に時間がかかること、薄膜が有機溶媒により膨潤
し薄膜強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が生
じ易いこと等の問題点があった。
【0007】一方で、帯電防止層の付与についても多く
の検討がなされており、基材の表面に導電性の被膜を形
成して帯電を防止することが行われている。多くの場
合、この被膜には、基材であるガラスおよびプラスチッ
クスの質感や色が消失しないように、透明性が要求され
ている。
【0008】このような導電性と透明性を有する被膜と
しては、以下のようなものが知られている。(1)界面
活性剤系の塗料が塗布されたもの。(2)塩化リチウム
や塩化マグネシウムのような無機塩や、カルボン酸基や
スルホン酸基を含む高分子電解質のようなイオン伝導性
物質を、合成樹脂やシリケート等の造膜性物質に分散さ
せてなる組成物を成膜したもの。例えば、特公昭58−
35867号公報には、造膜性物質としてアクリル系重
合体を使用し、イオン伝導性物質として硝酸リチウムが
配合された帯電防止被覆用組成物で、ポリエステルフイ
ルムを被覆したものが開示されている。また、Journal
of the American Ceramic Society,484〜486,Vol.72, N
o.3,(1989)には、リンモリブデン酸(H3 PMo12
4o・29H 2 O)を、テトラエトキシシランの加水分解物
の溶液に溶解したものを、ガラス板またはステンレス板
上に成膜したものが開示されている。(3)銀、ニッケ
ル、銅、錫などの金属またはその酸化物の粉末などの導
電性の微粒子を、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、テトラエトキシシラン等の造膜性物質に分散させて
なる組成物を成膜したもの。例えば、特公昭63−33
778号公報には、アンチモン含有酸化錫からなり粒径
が0.2ミクロン以下の導電性微粉末を塗料中の固形分
中50〜70重量%の割合で含有してなる塗料から、プ
ラスチック製品の帯電防止被膜が得られることが開示さ
れている。
【0009】しかしながら、上記の(1)の被膜では、
表面抵抗が1010Ω/□以上のように高いばかりでな
く、経時的に表面抵抗値が高くなるという欠点がある。
上記(2)の被膜では、従来使用されてきたイオン伝導
性物質では湿度が低くなると導電性が低下し、十分な帯
電防止性が得られないという欠点がある。例えば、上記
の特公昭58−35867号公報に記載のものでは、表
面抵抗は、50%の相対湿度において、約1010Ω/□
という高い値であり、帯電防止性能が不十分である。ま
た、リンモリブデン酸(H3 PMo124o・29H2 O)
を、テトラエトキシシランの加水分解物の溶液に溶解し
たものは、プラスチック板上に塗布して成膜すると、被
膜にクラックが発生し、プラスチック製品には適用でき
ないという欠点がある。上記(3)の被膜では、十分な
帯電防止性を得るためには、膜中の導電性の微粒子の濃
度を高くする必要がある。その為、その微粒子による光
の散乱に基ずくヘイズが発生し、透明性を損なうという
欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に反射
防止効果および帯電防止効果の高い被膜が形成された、
光透過率40%以上の積層体を容易に製造し得る方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の積層体の製造方
法は、基材の表面上に導電性を有する高屈折率層と、低
屈折率層を、低屈折率層が最外層となるように、複層積
層した積層体の製造方法であって、上記高屈折率層が、
特定の組成からなる帯電防止被覆用組成物を塗布するこ
とにより得られる層であることを特徴とする。
【0012】本発明(請求項1の発明を、本発明とい
う)で使用されるアミノアルキルアルコキシシラン化合
物A(a)は、下記の一般式[I]で表される。
【化3】
【0013】式中、Yはアミノ基を有する有機基を示
し、例えば、アミノ基そのもの、アミノ基の水素原子が
アミノアルキル基で置換された置換アミノ基などが挙げ
られる。Y1 は炭化水素基を示し、例えば、アルキル
基、置換アルキル基などが挙げられる。Rは炭素数1〜
5のアルキル基を示すが、炭素数が多くなると帯電防止
被覆用組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなる
ので、炭素数は1〜5に限定される。Rの例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ネオ−
ペンチル基などが挙げられる。mは1〜5の整数、nは
0〜2の整数である。
【0014】一般式[I]で表される化合物としては、
例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−
アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プ
ロピル〕エチレンジアミン、N,N−ビス〔3−(メチ
ルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミンなど
が挙げられる。これらのうち、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好
ましい。アミノシラン化合物A(a)としては、単独で
使用されてもよいし2種以上併用されてもよい。
【0015】本発明で使用されるエポキシアルキルアル
コキシシラン化合物B(b)は、下記の一般式[II]で
表される。
【化4】
【0016】式中、Zはグリシドキシ基またはエポキシ
シクロヘキシル基を示し、Y2 は炭化水素基を示し、例
えば、アルキル基、置換アルキル基などが挙げられる。
1は炭素数1〜5のアルキル基を示すが、炭素数が多
くなると帯電防止被覆用組成物の安定性が低下して長期
保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5に限定される。
1 の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−
ペンチル基、ネオ−ペンチル基などが挙げられる。pは
1〜5の整数、tは0〜2の整数である。
【0017】一般式[II]で表される化合物としては、
例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルメチルジメトキシシランなどが挙げられ
る。これらの中、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランが特に好ましい。また、エポキシアルキルアル
コキシシラン化合物B(b)としては上記のように定義
された範囲内の化合物が単独で使用されてもよいし2種
以上併用されてもよい。
【0018】本発明で使用されるジルコニウムテトラア
ルコキシド(c)は、一般式Zr(OR2 4 で表さ
れ、R2 は、炭素数1〜5のアルキル基を示すが、炭素
数が多くなると帯電防止被覆用組成物の安定性が低下し
て長期保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5に限定さ
れる。R2 の例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i
so−ペンチル基、ネオ−ペンチル基などが挙げられ
る。
【0019】ジルコニウムテトラアルコキシド(c)と
しては、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジル
コニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−
プロポキシド、ジルコニウムテトラ−iso−プロポキ
シド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニ
ウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテトラ
−tert−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ペ
ントキシド、ジルコニウムテトラ−iso−ペントキシ
ドなどが挙げられ、特にジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、ジルコニウムテトラ−iso−プロポキシドが
好ましい。本発明で使用されるジルコニウムテトラアル
コキシド(c)としては、前記のように定義された範囲
内の化合物が単独で使用されてもよいし、2種以上併用
されてもよい。
【0020】本発明で使用される帯電防止被覆用組成物
において、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A
(a)とエポキシアルキルアルコキシシラン化合物B
(b)とジルコニウムテトラアルコキシド(c)のモル
比は、93〜53:35〜5:12〜2に限定される。
この範囲をはずれると、該組成物のゲル化がおこった
り、耐水性が得られなかったりする。
【0021】また、本発明で使用される硝酸(d)は、
そのまま添加されてもよいし、硝酸水として添加されて
もよい。硝酸の添加量は、適宜決められるが、前記アミ
ノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対
して、0.01〜0.5モルが好ましい。硝酸(d)は
少なくなると、帯電防止に十分な導電性が被膜に付与さ
れず、多くなると、均質な被膜が得られにくくなる。
【0022】本発明で使用される有機溶媒(e)は、前
記アミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)、エ
ポキシアルキルアルコキシシラン化合物B(b)、ジル
コニウムテトラアルコキシド(c)および水(f)と相
溶性があり、硝酸(d)を溶解するものであれば特に限
定されるものではなく、例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、テトラヒドロフランなどが挙げられ、
特にメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコールが好ましい。これらは単独で使用されても
よいし2種以上併用されてもよい。
【0023】上記有機溶媒(e)の量は、前記アミノア
ルキルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対し
て、15〜100モルの割合で使用されることが好まし
い。有機溶媒(e)は少なくなると、該被覆用組成物が
均一に混合されにくく、不均質な組成物となり、多くな
ると、該被覆用組成物の固形分濃度が低くなりすぎ、被
膜にしたとき十分な帯電防止能を得られない。より好ま
しい添加量は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物
A(a)1モルに対して18〜50モルの範囲である。
【0024】本発明で使用される水(f)は、前記アミ
ノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)、エポキシ
アルキルアルコキシシラン化合物B(b)およびジルコ
ニウムテトラアルコキシド(c)の加水分解のために加
えられる。水(f)の量は、アミノアルキルアルコキシ
シラン化合物A(a)1モルに対して0.1〜5モルの
割合で使用されることが好ましい。水(f)は少なくな
ると、十分な加水分解がおこりにくく、多くなると該被
覆用組成物との相溶性が悪い。
【0025】本発明で使用される水(f)には、加水分
解のための触媒として無機酸や有機酸等の酸を加えても
よい。
【0026】本発明で使用される帯電防止被覆用組成物
の構成は上述した通りであるが、さらに導電性を向上さ
せるためにポリエチレングリコール等の親水性高分子を
添加してもよい。また、被膜形成性を向上させるため
に、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース誘導体を含有させてもよい。また同様の目的で、
シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル等の酸化物
コロイドを含有させてもよい。また、被膜の硬度を向上
させるなどのためにシリコン以外の金属のアルコキシド
を添加してもよい。また、前記のアミノアルキルアルコ
キシシラン化合物A(a)、エポキシアルキルアルコキ
シシラン化合物B(b)およびジルコニウムテトラアル
コキシド(c)の硬化のために公知の硬化触媒を加えて
もよい。
【0027】さらに、高屈折率の層を得るため、平均粒
径が 1000 Å以下の超微粒子酸化タンタル(Ta
2 5 )、超微粒子酸化ジルコニウム(ZrO2 )、超
微粒子酸化亜鉛(ZnO)、もしくは超微粒子酸化チタ
ン(TiO2 )等の超微粒子の1つまたはこれらの混合
物を帯電防止被覆用組成物中に分散混合してもよい。
【0028】本発明で使用される帯電防止被覆用組成物
の作製方法としては特に限定されるものではなく、例え
ば、上述した構成材料を一括して混合する方法、特定の
構成材料を分割して混合した後、残りの構成材料を添加
して混合する方法などが挙げられる。分割して混合する
方法としては、例えば、アミノアルキルアルコキシシラ
ン化合物A(a)を有機溶媒(e)の一部と混合してお
き、これに硝酸(d)と水(f)の一部を添加し、攪拌
混合を行って、アミノアルキルアルコキシシラン化合物
A(a)の加水分解溶液を得る。一方、エポキシアルキ
ルアルコキシシラン化合物B(b)とジルコニウムテト
ラアルコキシド(c)と有機溶媒(e)の残部とを混合
し、これに水(f)の残部を添加し、攪拌混合を行っ
て、エポキシアルキルアルコキシシラン化合物B(b)
とジルコニウムテトラアルコキシド(c)の加水分解溶
液を得る。この溶液を上記のアミノアルキルアルコキシ
シラン化合物A(a)の加水分解溶液に添加し、混合物
の加水分解物を作製し、帯電防止被覆用組成物とする。
【0029】本発明の積層体の製造方法では、この帯電
防止被覆用組成物を、基材に塗布し、乾燥することによ
り高屈折率層が、得られる。上記乾燥方法としては、特
に限定されるものではなく、室温にて自然乾燥しても良
いし加熱乾燥しても良い。また、乾燥した後、必要に応
じて、高温加熱処理しても良い。例えば、該被覆用組成
物をプラスチックス製品の表面に被覆し、室温で自然乾
燥を行った後、60〜150℃の温度で硬化させると、
帯電防止能を有する高屈折率層が形成されたプラスチッ
クス製品が得られる。
【0030】本発明の積層体の製造方法では、更に、低
屈折率層が、上記高屈折率層と交互に基材上に積層され
る。この低屈折率層は、上記高屈折率層より低屈折率を
有する層であれば特に限定されるものではない。例え
ば、フッ素樹脂による被覆層や、多孔質シリカ層、フッ
素含有無機化合物からなる被覆層、さらにフッ素含有無
機化合物の微粒子をバインダ中に分散混合させた層等が
挙げられる。尚、このフッ素含有無機化合物の具体的な
代表例としては、MgF2 、AlF3 、BaF2 、La
2 、CaF2 、Na3 AlF6 などが挙げられる。
【0031】本発明において、積層体を形成する基材と
しては、積層体の光透過率を40%以上にするような基
材であれば、特に限定されるものではなく、目的に応じ
てケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガ
ラス、カリ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラ
ス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス、アルミノシ
リケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、
石英ガラスなどのガラス、綱玉等の短結晶、マグネシ
ア、サイアロン等の透光性セラミックス、ポリカーボネ
ート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレ
タン、三酢酸セルロース等のプラスチックスが使用でき
る。特に、ケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソー
ダ石灰ガラスが好ましい。また、基材の形状は、特に限
定されるものではない。
【0032】本発明の積層体の製造方法は、基材の表面
上に、上記高屈折率層と低屈折率層を、低屈折率層が最
外層となるように、交互に複層積層させる。積層数の最
も少ない積層体の製造方法は、基材の表面に、まず、高
屈折率層を積層させ、乾燥後、その上に低屈折率層を積
層させ乾燥後、硬化させることにより行う方法である。
【0033】本発明の積層体の製造方法では、最終的に
得られた積層体の光透過率が40%以上のものに限定さ
れる。
【0034】それぞれの層の積層は、塗装によって行う
のが好ましい。基材への塗布方法はスピンコート法、デ
ィップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカス
コーター法等の種々な方法が用いられ得る。
【0035】本発明2(請求項2の発明を、本発明2と
いう)で使用されるアミノアルキルアルコキシシラン化
合物A(a)およびエポキシアルキルアルコキシシラン
化合物B(b)は、本発明のものと、同様である。
【0036】本発明2で使用されるチタニウムテトラア
ルコキシド(c1 )は、一般式Ti(OR3 4 で表さ
れ、R3 は、炭素数1〜5のアルキル基を示すが、炭素
数が多くなると帯電防止被覆用組成物の安定性が低下し
て長期保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5に限定さ
れる。R3 の例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i
so−ペンチル基、ネオ−ペンチル基などが挙げられ
る。
【0037】チタニウムテトラアルコキシド(c1 )と
しては、例えば、チタニウムテトラメトキシド、チタニ
ウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−n−プロポ
キシド、チタニウムテトラ−iso−プロポキシド、チ
タニウムテトラ−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−
sec−ブトキシド、チタニウムテトラ−tert−ブ
トキシド、チタニウムテトラ−n−ペントキシド、チタ
ニウムテトラ−iso−ペントキシドなどが挙げられ、
特にチタニウムテトラ−n−ブトキシド、チタニウムテ
トラ−iso−プロポキシドが好ましい。本発明で使用
されるチタニウムテトラアルコキシド(c1 )として
は、前記のように定義された範囲内の化合物が単独で使
用されてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0038】本発明2で使用される帯電防止被覆用組成
物において、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A
(a)とエポキシアルキルアルコキシシラン化合物B
(b)とチタニウムテトラアルコキシド(c1 )のモル
比は、93〜55:35〜5:10〜2に限定される。
この範囲をはずれると、該組成物のゲル化がおこった
り、耐水性が得られなかったりする。
【0039】本発明2に使用される硝酸(d)は、その
まま添加されてもよいし、硝酸水として添加されてもよ
い。硝酸の添加量は、適宜決められるが、前記アミノア
ルキルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対し
て、0.01〜0.5モルが好ましい。硝酸(d)は少
なくなると、帯電防止に十分な導電性が被膜に付与され
ず、多くなると、均質な被膜が得られにくくなる。
【0040】本発明2で使用される有機溶媒(e)は、
前記アミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)、
エポキシアルキルアルコキシシラン化合物B(b)、チ
タニウムテトラアルコキシド(c1 )および水(f)と
相溶性があり、硝酸(d)を溶解するものであれば特に
限定されるものではなく、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルア
ルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、テトラヒドロフランなどが挙げら
れ、特にメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコールが好ましい。これらは単独で使用され
てもよいし2種以上併用されてもよい。
【0041】上記有機溶媒(e)の量は、前記アミノア
ルキルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対し
て、15〜100モルの割合で使用されることが好まし
い。有機溶媒(e)は少なくなると、該被覆用組成物が
均一に混合されにくく、不均質な組成物となり、多くな
ると、該被覆用組成物の固形分濃度が低くなりすぎ、被
膜にしたとき十分な帯電防止能を得られない。より好ま
しい添加量は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物
A(a)1モルに対して18〜50モルの範囲である。
【0042】本発明2で使用される水(f)は、前記ア
ミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)、エポキ
シアルキルアルコキシシラン化合物B(b)およびチタ
ニウムテトラアルコキシド(c1 )の加水分解のために
加えられる。水(f)の量は、アミノアルキルアルコキ
シシラン化合物A(a)1モルに対して0.1〜5モル
の割合で使用されることが好ましい。水(f)は少なく
なると、十分な加水分解がおこりにくく、多くなると該
被覆用組成物との相溶性が悪い。
【0043】本発明2で使用される水(f)には、加水
分解のための触媒として無機酸や有機酸等の酸を加えて
もよい。
【0044】本発明2で使用される帯電防止被覆用組成
物の構成は上述した通りであるが、さらに導電性を向上
させるためにポリエチレングリコール等の親水性高分子
を添加してもよい。また、被膜形成性を向上させるため
に、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース誘導体を含有させてもよい。また同様の目的で、
シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル等の酸化物
コロイドを含有させてもよい。また、被膜の硬度を向上
させるなどのためにシリコン以外の金属のアルコキシド
を添加してもよい。また、前記のアミノアルキルアルコ
キシシラン化合物A(a)、エポキシアルキルアルコキ
シシラン化合物B(b)およびチタニウムテトラアルコ
キシド(c1 )の硬化のために公知の硬化触媒を加えて
もよい。
【0045】さらに、高屈折率の層を得るため、平均粒
径が 1000 Å以下の超微粒子酸化タンタル(Ta
2 5 )、超微粒子酸化ジルコニウム(ZrO2 )、超
微粒子酸化亜鉛(ZnO)、もしくは超微粒子酸化チタ
ン(TiO2 )等の超微粒子の1つまたはこれらの混合
物を帯電防止被覆用組成物中に分散混合してもよい。
【0046】本発明2で使用される帯電防止被覆用組成
物の作製方法としては特に限定されるものではなく、例
えば、上述した構成材料を一括して混合する方法、特定
の構成材料を分割して混合した後、残りの構成材料を添
加して混合する方法などが挙げられる。分割して混合す
る方法としては、例えば、アミノアルキルアルコキシシ
ラン化合物A(a)を有機溶媒(e)の一部と混合して
おき、これに硝酸(d)と水(f)の一部を添加し、攪
拌混合を行って、アミノアルキルアルコキシシラン化合
物A(a)の加水分解溶液を得る。一方、エポキシアル
キルアルコキシシラン化合物B(b)とチタニウムテト
ラアルコキシド(c1 )と有機溶媒(e)の残部とを混
合し、これに水(f)の残部を添加し、攪拌混合を行っ
て、エポキシアルキルアルコキシシラン化合物B(b)
とチタニウムテトラアルコキシド(c1 )の加水分解溶
液を得る。この溶液を上記のアミノアルキルアルコキシ
シラン化合物A(a)の加水分解溶液に添加し、混合物
の加水分解物を作製し、帯電防止被覆用組成物とする。
【0047】本発明2の積層体の製造方法では、この帯
電防止被覆用組成物を、基材に塗布し、乾燥することに
より高屈折率層が、得られる。上記乾燥方法としては、
特に限定されるものではなく、室温にて自然乾燥しても
良いし加熱乾燥しても良い。また、乾燥した後、必要に
応じて、高温加熱処理しても良い。例えば、該被覆用組
成物をプラスチックス製品の表面に被覆し、室温で自然
乾燥を行った後、60〜150℃の温度で硬化させる
と、帯電防止能を有する高屈折率層が形成されたプラス
チックス製品が得られる。
【0048】本発明2の積層体の製造方法では、更に、
低屈折率層が、上記高屈折率層と交互に基材上に積層さ
れる。この低屈折率層は、上記高屈折率層より低屈折率
を有する層であれば特に限定されるものではない。例え
ば、フッ素樹脂による被覆層や、多孔質シリカ層、フッ
素含有無機化合物からなる被覆層、さらにフッ素含有無
機化合物の微粒子をバインダ中に分散混合させた層等が
挙げられる。尚、このフッ素含有無機化合物の具体的な
代表例としては、MgF2 、AlF3 、BaF2 、La
2 、CaF2 、Na3 AlF6 などが挙げられる。
【0049】本発明2において、積層体を形成する基材
としては、本発明1に記載の基材と同様である。
【0050】本発明2の積層体の製造方法は、基材の表
面上に、上記高屈折率層と低屈折率層を、低屈折率層が
最外層となるように、交互に複層積層させる。積層数の
最も少ない積層体の製造方法は、基材の表面に、まず、
高屈折率層を積層させ、乾燥後、その上に低屈折率層を
積層させ乾燥後、硬化させることにより行う方法であ
る。
【0051】本発明2の積層体の製造方法では、最終的
に得られた積層体の光透過率が40%以上のものに限定
される。
【0052】それぞれの層の積層は、塗装によって行う
のが好ましい。基材への塗布方法はスピンコート法、デ
ィップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカス
コーター法等の種々な方法が用いられ得る。
【0053】本発明3(請求項3の発明を、本発明3と
いう)は、基材の表面上に導電性を有する高屈折率層
と、低屈折率層を、低屈折率層が最外層となるように、
複層積層した積層体の製造方法であって、上記高屈折率
層が、請求項1または2記載の高屈折率層であり、さら
に上記低屈折率層が、一般式Si(OR4 4 (式中、
4 は炭素数1〜5のアルキル基)で表されるテトラア
ルコキシシラン1モル、pHが10.0〜12.0の塩
基性水2〜8モルおよび有機溶媒10〜30モルを混合
して得られる縮合組成物(C)と、一般式(R6 s
i(OR5 4-s (式中、R5 およびR6 は炭素数1〜
5のアルキル基、sは0〜3の整数)で表されるアルコ
キシシラン1モル、pHが0〜2.6の酸性水溶液3〜
8モルおよび有機溶媒10〜30モルを混合して得られ
る縮合組成物(D)とを、重量比(C)/(D)=0.
4〜2.4で混合し、得られた組成物を塗布することに
より得られる層からなることを特徴とする光透過率40
%以上の積層体の製造方法である。
【0054】本発明3の積層体の製造方法で用いられる
縮合組成物(C)は、Si(OR44 (式中、R4
炭素数1〜5のアルキル基)で表されるテトラアルコキ
シシラン、塩基性水及び有機溶媒を混合し、アルコキシ
シランを部分加水分解、重縮合させて得られる。
【0055】上記のSi(OR4 4 で表されるテトラ
アルコキシシランにおいて、R4 は、炭素数が多くなる
と、組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなるの
で、炭素数1〜5のアルキル基に限定され、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ネオ−ペ
ンチル基などが挙げられる。
【0056】Si(OR4 4 で表されるテトラアルコ
キシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−
ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テ
トラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペント
キシシラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テト
ラネオペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重
縮合における反応性の点から、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。
【0057】上記塩基性水とは、塩基種によりpHが1
0.0〜12.0に調整された水をいう。塩基種は、水
のpHを10.0〜12.0に調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、アンモニア、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられ、pH調整の容易
さ、及び不純物が混入しにくいこと等からアンモニアが
特に好ましい。
【0058】塩基性水のpHは、低くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となり、高くなると、得られる縮合組成物
(C)の安定性が低下するので、10.0〜12.0に
限定され、10.3〜11.5が好ましく、10.8〜
11.4が特に好ましい。
【0059】塩基性水は、少なくなると、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下し、反射防止層の形成が困
難となり、多くなると、縮合組成物(C)の安定性が低
下するので、上記のテトラアルコキシシラン1モルに対
して、2〜8モル添加され、3〜4モル添加するのが好
ましい。
【0060】有機溶媒は、上記のテトラアルコキシシラ
ンおよび塩基性水と相溶性のあるものであれば特に限定
されるものではなく、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、エトキシエチ
ルアルコール、アリルアルコール等が挙げられるが、特
にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0061】有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合
組成物(C)の安定性が低下し、多くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となるので、上記のテトラアルコキシシラン1
モルに対して10〜30モルに限定され、組成物の安定
性の点から、テトラアルコキシシラン1モルに対して1
3〜18モルが好ましい。
【0062】縮合組成物(C)の調製方法は、特に限定
されず、例えば、上記のテトラアルコキシシラン、塩基
性水及び有機溶媒を、攪拌機に供給し混合し製造する方
法が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけ
ではなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌
機で十分である。
【0063】縮合組成物(C)を調製する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(C)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0064】縮合組成物(C)を調製する際の時間は、
短くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、長くなる
と、縮合組成物(C)の安定性が低下するので、1〜1
0時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従っ
て、縮合組成物(C)の調製は、10〜30℃で、1〜
10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時
間行うのが特に好ましい。
【0065】本発明3の積層体の製造方法で用いられる
縮合組成物(D)は、一般式(R6s Si(OR5
4-s (式中、R5 およびR6 は炭素数1〜5のアルキル
基、sは0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン、
酸性水及び有機溶媒を混合し、アルコキシシランを部分
加水分解、重縮合させて得られる。
【0066】上記の一般式(R6 s Si(OR5
4-s で表されるアルコキシシランにおいて、R5 および
6 は、炭素数が多くなると、縮合組成物の安定性が低
下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアル
キル基に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、
iso−ペンチル基、ネオ−ペンチル基などが挙げられ
る。なお、sは0〜3の整数を示す。
【0067】(R6 s Si(OR5 4-s で表される
アルコキシシランは、特に限定されず、例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−
プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブ
トキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テ
トラ−n−ペントキシシラン、テトラ−iso−ペント
キシシラン、テトラ−ネオペントキシシラン、モノメチ
ルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラ
ン、モノメチルトリ−n−プロポキシシラン、モノメチ
ルトリ−iso−プロポキシシラン、モノメチルトリ−
n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−sec−ブトキ
シシラン、モノメチルトリ−tert−ブトキシシラ
ン、モノメチルトリ−n−ペントキシシラン、モノメチ
ルトリ−iso−ペントキシシラン、モノメチルトリ−
ネオペントキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−is
o−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラ
ン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ
−tert−ブトキシシラン、ジメチルジ−n−ペント
キシシラン、ジメチルジ−iso−ペントキシシラン、
ジメチルジ−ネオペントキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、トリメチルモノメトキシシラン、トリメチル
モノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プロポキシ
シラン、トリメチルモノ−iso−プロポキシシラン、
トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメチルモノ
−sec−ブトキシシラン、トリメチルモノ−tert
−ブトキシシラン、トリメチルモノ−n−ペントキシシ
ラン、トリメチルモノ−iso−ペントキシシラン、ト
リメチルモノ−ネオペントキシシラン、トリエチルエト
キシシランなどが挙げられ、反応性の点からテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、モノメチルトリエ
トキシシランが好ましく、特に、テトラエトキシシラン
が好ましい。
【0068】上記酸性水とは、酸性種によりpHが0〜
2.6に調整された水をいう。酸性種は、水のpHを、
0〜2.6に調整できるものであれば、特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、塩酸、硝
酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
【0069】酸性水のpHは、高くなると、アルコキシ
シランの加水分解が不十分となるので、0〜2.6に限
定され、又、低すぎると、縮合組成物(D)の安定性が
低下することがあり、又、高すぎると、アルコキシシラ
ンの加水分解が不充分となることがあるので、1.0〜
1.7が好ましく、1.1〜1.2が、特に好ましい。
【0070】酸性水の添加量は、少なくなると、アルコ
キシシランの加水分解が不十分となり、更に、得られる
組成物の基材への塗布が困難となり、多くなると、縮合
組成物(D)の安定性が低下するので、(R6 s Si
(OR5 4-s で表されるアルコキシシラン1モルに対
して3〜8モルに限定され、4〜7モルが好ましい。
【0071】上記有機溶媒は、(R6 s Si(O
5 4-s で表されるアルコキシシラン及び酸性水に相
溶するものであれば、特に限定されず、例えば、縮合組
成物(C)の製造に用いられるものと同様のものが用い
られ、有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合組成物
(D)の安定性が低下し、多くなると、アルコキシシラ
ンが十分に加水分解されないので、(R6 s Si(O
5 4-s で表されるアルコキシシラン1モルに対し
て、10〜30モルに限定され、13〜18モルが好ま
しい。
【0072】縮合組成物(D)の調製方法は、特に限定
されず、例えば、(R6 s Si(OR5 4-s で表さ
れるアルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を、攪拌機
に供給し混合し調製する方法が挙げられる。攪拌機とし
ては、特に限定されるわけではなく、マグネチックスタ
ーラーのような簡便な攪拌機で十分である。
【0073】縮合組成物(D)を調製する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(D)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0074】縮合組成物(D)を製造する際の時間は、
短くなると、十分な分子量が得られなくなり、長くなる
と、縮合組成物(D)の安定性が低下するので、1〜1
0時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従っ
て、縮合組成物(D)の製造は、10〜30℃で、1〜
10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時
間行うのが特に好ましい。
【0075】本発明3で使用される組成物の製造方法
は、上記縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)を、重
量比(C)/(D)=0.4〜2.4で混合する。
【0076】縮合組成物(C)が、少なくなると、得ら
れる被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止
効果が低下し、多くなると、得られる被膜と基材との密
着性が低下するので、縮合組成物(C)と縮合組成物
(D)の重量比は、0.4〜2.4に限定され、組成物
の安定性及び被膜と基材の密着性の向上のため、1.5
〜2.3が好ましい。
【0077】縮合組成物(C)と縮合組成物(D)を混
合する際の温度は、低くなると、コロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合が困難となり、得られる被膜の反射防
止効果が低下し、高くなると、得られる組成物の安定性
が低下するので、−10〜30℃で行うのが好ましく、
−8〜25℃が特に好ましい。
【0078】縮合組成物(C)と縮合組成物(D)を混
合する時間は、短くなると、コロイダルシリカとシリカ
ゾルの重縮合が不十分となり、得られる被膜の反射防止
効果が低下し、長くなると、ゾルの安定性が低下するの
で、0.5〜4時間が好ましく、特に2〜3時間が好ま
しい。従って、縮合組成物(C)と縮合組成物(D)の
混合は、−10〜30℃で、0.5〜4時間行うのが好
ましく、−8〜25℃で、2〜3時間行うのが特に好ま
しい。
【0079】縮合組成物(C)と縮合組成物(D)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(C)及び縮合組成物(D)を、攪拌機に供給し攪拌混
合し製造する方法が挙げられる。攪拌機としては、特に
限定されるわけではなく、マグネチックスターラーのよ
うな簡便な攪拌機で十分である。
【0080】本発明3の積層体の製造方法は、基材の表
面上に導電性を有する高屈折率層と、低屈折率層を、低
屈折率層が最外層となるように、複層積層した積層体の
製造方法であって、上記高屈折率層が請求項1または2
記載の高屈折率層であり、さらに上記低屈折率層が、上
記の組成物より得られる層からなる。上記の低屈折率層
を積層する方法は、上記の組成物を塗布し、硬化させる
ことにより行う。
【0081】上記の積層に使用される基材および塗布方
法としては、特に限定されるものではなく、本発明記載
の基材および塗布方法と同様である。なお、塗布は、大
気中の湿度が高いと、得られる被膜が白濁するので、大
気中の相対湿度50%以下で行うのが好ましい。
【0082】組成物を塗布する際、膜厚は、特に限定さ
れないが、反射防止効果を得たい波長と、以下の関係と
なる被膜が得られる様に組成物を塗布することは、反射
防止効果の向上を図ることができ、好適である。
【0083】d=(1/4+m/2)×λ/n d:被膜の膜厚 λ:反射防止効果を得たい波長 n:被膜の屈折率 m:0又は自然数
【0084】なお、上記の組成物を塗布する際、必要に
応じて、溶媒により希釈し、組成物の粘度を調整するこ
とは、組成物の基材上への塗布効率が向上し好適であ
る。
【0085】かかる場合、用いられる溶媒は、上記の組
成物と相溶性を有するものであれば、特に限定されず、
例えば、イソプロピルアルコール、エトキシエタノー
ル、アリルアルコール等が挙げられ、得られる被膜の多
孔性の向上の点から、イソプロピルアルコール、エトキ
シエタノールが好ましい。
【0086】上記硬化方法としては、特に限定されるも
のではなく、室温にて自然乾燥して硬化させてもよい
し、加熱乾燥して硬化させてもよい。例えば、基材とし
てケイ酸ガラスを使用し、その表面に請求項1または2
に記載された高屈折率層が積層された材料の表面に、上
記の低屈折率層被覆用組成物を前記の方法で、積層し、
室温で自然乾燥を行った後、60〜300℃の温度で硬
化させると、組成物中のシリカゾルが硬化したシリコン
マトリックスとコロイダルシリカの収縮率の差異により
多孔質化された、反射防止性の被膜が形成された積層体
が得られる。また、例えば、基材としてプラスチックス
製品を使用し、その表面に請求項1または2に記載され
た高屈折率層が積層された材料の表面に、上記の低屈折
率層被覆用組成物を前記の方法で、積層し、室温で自然
乾燥を行った後、60〜150℃、好ましくは、80〜
100℃の温度で硬化させると、同様に多孔質化され
た、反射防止性の被膜が形成された積層体が得られる。
【0087】本発明1〜3の積層体の光透過率について
は、ASTM D−1003による全光線透過率により
測定する。
【0088】本発明、本発明2及び本発明3の積層体の
製造方法において、高屈折率層および低屈折率層のそれ
ぞれの層の積層に際して、既に積層させた層を硬化させ
ておくと、次の層を形成するために塗液を塗布しても下
地の層からの溶出現象が起こらないという長所がある。
【0089】本発明、本発明2及び本発明3の積層体の
製造方法において、高屈折率層および低屈折率層を交互
に複層積層し、多層積層体とすることにより、広い波長
範囲の光に対して、反射防止効果を発現することができ
る。
【0090】
【作用】本発明および本発明2で使用される帯電防止被
覆用組成物から上記のようにして作製された高屈折率層
は、硝酸からのプロトンが均一に存在しているので導電
性が高く、また、導電性微粒子の添加によるヘイズ等が
ないため透明性が高い。また、ジルコニウムテトラアル
コキシドまたはチタニウムテトラアルコキシドが、特定
量配合された組成物から得られた被膜であるので、被膜
が緻密なため耐水性が特に向上している。また、金属酸
化物系被膜が形成されているので、硬い材料で強く摩擦
しても傷が付きにくく、引っ掻き傷による外観低下をお
こしにくく、長期に渡って性能を維持できる。従って、
本発明および本発明2の製造方法によると、被膜形成前
の基材の光学特性を保持したまま、十分な帯電防止性能
を有する耐水性高屈折率層を得ることができる。本発明
および本発明2の積層体の製造方法によれば、さらに、
上記高屈折率層の表面に、低屈折率層が積層されている
ので、基材上に反射防止効果および帯電防止効果の高い
被膜が形成された光透過率40%以上の積層体を容易に
製造し得る。
【0091】本発明3で使用される低屈折率層被覆用組
成物は、縮合組成物(C)では、アルコキシシランの重
縮合がかなり進みコロイダルシリカが形成されており、
縮合組成物(D)では、アルコキシシランの重縮合が比
較的進まず、シリカゾルの段階で抑えられており、この
両者の混合物である上記組成物は、コロイダルシリカと
シリカゾルの混合物となっている。この組成物を請求項
1または2記載の高屈折率層が積層された基材上に塗
布、硬化させることにより、シリカゾルとコロイダルシ
リカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロイダル
シリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得るこ
とができる。また、この被膜は、無機質であるので、ス
チールウールなどの硬い材料で摩擦しても傷が付き難
く、引っ掻き傷による外観低下をおこし難い。従って、
本発明3によると、基材上に反射防止効果および帯電防
止効果が高く、透明であり、また、耐擦傷性に優れた被
膜が形成された光透過率40%以上の積層体を容易に製
造し得る。
【0092】
【実施例】以下、本発明、本発明2および本発明3の実
施例を説明する。なお、結果に示した積層体に関する各
物性の評価方法は次の通りであった。
【0093】(1) 静電電位測定 評価試料を布で摩擦し、その後の静電電位を静電電位測
定器KSD−0102(春日電気社製)で測定した。 (2) 反射率 分光光度計(島津製作所社製、商品名「UV−3101
PC」)を用いて、被膜が積層されていない基材のみの
光線透過率を400〜800nmの範囲で測定し、その
最大透過率(TB )と、基材の屈折率より算出した両面
最小反射率(R E )とから、次式により基材の吸収率
(α)を算出する。 α=100−(TB +RE ) 次に、低屈折率層および高屈折率層が積層された積層体
の光線透過率を400〜800nmの範囲で測定し、そ
の最大透過率(TS )と、上式で得られた基材の吸収率
(α)とから、次式により片面最小反射率(R)を算出
する。 R=〔100−(TS +α)〕/2
【0094】(3) 鉛筆硬度 得られた積層体の被膜層を、JIS K 5400に準
じて測定して評価した。 (4) 耐水性試験 得られた積層体を、蒸留水中に30分間浸漬した後、乾
燥し、上記(1) と同様にして静電電位測定を行った。 (5) 光透過性 得られた積層体を、ASTM D−1003によって、
光透過率を測定し以下のようにして判定した。 ○ 光透過率が40%以上であった。 × 光透過率が40%未満であった。
【0095】実施例1〜4、比較例1〜20 (1)高屈折率層被覆用組成物(帯電防止被覆用組成
物)(1)〜(11)の調製 以下の実施例1〜4および比較例1〜20において、導
電性を有する高屈折率層を得るための被覆用組成物の配
合は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)
としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシランを用い、エポキシアルキルアルコキ
シシラン化合物B(b)としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを用い、ジルコニウムテトラアル
コキシド(c)として、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシドを用いた。配合量は、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン:ジルコニウムテト
ラ−n−ブトキシドのモル比が表1に示したようになる
ように配合した。有機溶媒(e)としては、メチルアル
コールを使用し、水(f)は蒸留水を使用した。配合量
は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)1
モルに対して、メチルアルコールが20モル、水が3モ
ルとなるように配合した。硝酸(d)は、アミノアルキ
ルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対して表1
に示したモル数で配合した。
【0096】上記の高屈折率層被覆用組成物を得るため
の具体的な操作手順は以下の通りに行った。上述の所定
量のメチルアルコールの半量をガラスビーカーに供給
し、上述の所定量のN−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランを加え、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
のアルコール溶液を得る。このアルコール溶液に、上述
の所定量の硝酸と、上述の所定量の水の3/4量を添加
し、室温で3時間、攪拌速度800rpmで攪拌して、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物のアルコール水溶液を得た。
【0097】一方、上述の所定量のメチルアルコールの
半量をガラスビーカーに供給し、上述の所定量のγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランとジルコニウム
テトラ−n−ブトキシドを加えて、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランとジルコニウムテトラ−n−
ブトキシドのアルコール溶液を得た。
【0098】得られたアルコール溶液に、上述の所定量
の水の1/4量を添加し、室温で3時間、攪拌速度80
0rpmで攪拌して、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランとジルコニウムテトラ−n−ブトキシドの
加水分解物のアルコール水溶液を得た。
【0099】上記のN−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物と、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランとジルコニウ
ムテトラ−n−ブトキシドの加水分解物のそれぞれのア
ルコール水溶液を混合し、室温で3時間、攪拌速度80
0rpmで攪拌して、高屈折率層被覆用組成物を得た。
得られた高屈折率層被覆用組成物を表1に示すように、
それぞれ(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)
とする。
【0100】(2)低屈折率層被覆用組成物(a)〜
(q)の調製 次に、表2および表3にモル比で示したそれぞれ所定量
のテトラエトキシシラン、アンモニアによりpHが調整
された塩基性水およびイソプロピルアルコールを、マグ
ネチックスターラーに供給、800rpmで2時間、2
0℃で混合し、縮合組成物(C)を得た。さらに、表2
および表3にモル比で示したそれぞれ所定量のテトラエ
トキシシラン、塩酸によりpHが調整された酸性水およ
びイソプロピルアルコールを、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(D)を得た。
【0101】さらに、上記で得られた縮合組成物(C)
および縮合組成物(D)を、表2および表3に示した重
量比(縮合組成物(C)/縮合組成物(D))で、マグ
ネチックスターラーに供給、800rpmで2時間、2
0℃で混合し、低屈折率層被覆用組成物を調製した。得
られた低屈折率層被覆用組成物を、表2および表3に示
すように、それぞれ低屈折率層被覆用組成物(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、
(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、
(o)、(p)、(q)とする。また、市販の低屈折率
層被覆用組成物として、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商
品名「サイトップ CTL−102A」)も使用した。
この「サイトップ CTL−102A」を低屈折率層被
覆用組成物(a)とする。
【0102】(3)積層体の製造 (実施例1〜4、比較例1〜20の積層体の製造)それ
ぞれ表4および表5に示した高屈折率層被覆用組成物
(1)〜(11)に、ポリカーボネート板(帝人社製、
商品名「パンライト」、40×10×1mm)を浸漬
し、100mm/分の速度で引き上げた後、室温で10
分間乾燥後、110℃で60分硬化させて、高屈折率層
が積層されたポリカーボネート板を得た。次に、得られ
た高屈折率層被覆積層体を、それぞれ表4および表5に
示した低屈折率層被覆用組成物(a)〜(q)に浸漬
し、100mm/分の速度で引き上げた後、室温で10
分間乾燥させ、次いで、110℃で60分硬化させて目
的とする積層体を得た。上記のようにして得られた積層
体を、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表
4および表5に示した。尚、比較例1〜6は、高屈折率
層被覆用組成物がゲル化してしまい、高屈折率層被覆用
組成物として使用できなかった。また、比較例7、1
1、14、15は、低屈折率層被覆用組成物がゲル化し
てしまい、低屈折率層被覆用組成物として使用できなか
った。また、比較例12、18は、低屈折率層の積層を
することができなかった。また、比較例13は、低屈折
率層の被覆時に膜が白濁して、透明な積層体が得られな
かった。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】実施例5〜8、比較例21〜34 (1)高屈折率層被覆用組成物(帯電防止被覆用組成
物)(12)〜(22)の調製 以下の実施例5〜8および比較例21〜34において、
導電性を有する高屈折率層を得るための被覆用組成物の
配合は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A
(a)としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランを用い、エポキシアルキルア
ルコキシシラン化合物B(b)としてγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシランを用い、チタニウムテトラ
アルコキシド(c1 )として、チタニウムテトラ−n−
ブトキシドを用いた。配合量は、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン:チタニウムテ
トラ−n−ブトキシドのモル比が表6に示したようにな
るように配合した。有機溶媒(e)としては、メチルア
ルコールを使用し、水(f)は蒸留水を使用した。配合
量は、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A(a)
1モルに対して、メチルアルコールが20モル、水が3
モルとなるように配合した。硝酸(d)は、アミノアル
キルアルコキシシラン化合物A(a)1モルに対して表
6に示したモル数で配合した。
【0109】上記の高屈折率層被覆用組成物を得るため
の具体的な操作手順は以下の通りに行った。上述の所定
量のメチルアルコールの半量をガラスビーカーに供給
し、上述の所定量のN−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランを加え、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
のアルコール溶液を得る。このアルコール溶液に、上述
の所定量の硝酸と、上述の所定量の水の3/4量を添加
し、室温で3時間、攪拌速度800rpmで攪拌して、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物のアルコール水溶液を得た。
【0110】一方、上述の所定量のメチルアルコールの
半量をガラスビーカーに供給し、上述の所定量のγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランとチタニウムテ
トラ−n−ブトキシドを加えて、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランとチタニウムテトラ−n−ブト
キシドのアルコール溶液を得た。
【0111】得られたアルコール溶液に、上述の所定量
の水の1/4量を添加し、室温で3時間、攪拌速度80
0rpmで攪拌して、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランとチタニウムテトラ−n−ブトキシドの加
水分解物のアルコール水溶液を得た。
【0112】上記のN−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物と、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランとチタニウム
テトラ−n−ブトキシドの加水分解物のそれぞれのアル
コール水溶液を混合し、室温で3時間、攪拌速度800
rpmで攪拌して、高屈折率層被覆用組成物を得た。得
られた高屈折率層被覆用組成物を表6に示すように、そ
れぞれ(12)、(13)、(14)、(15)、(1
6)、(17)、(18)、(19)、(20)、(2
1)、(22)とする。
【0113】(2)低屈折率層被覆用組成物の調製 前述の表2および表3に示した低屈折率層被覆用組成物
(a)〜(q)と同様のものを使用した。
【0114】(3)積層体の製造 (実施例5〜8、比較例21〜34の積層体の製造)そ
れぞれ表7に示した高屈折率層被覆用組成物(12)〜
(22)に、ポリカーボネート板(帝人社製、商品名
「パンライト」、40×10×1mm)を浸漬し、10
0mm/分の速度で引き上げた後、室温で10分間乾燥
後、110℃で60分硬化させて、高屈折率層が積層さ
れたポリカーボネート板を得た。次に、得られた高屈折
率層被覆積層体を、それぞれ表7に示した低屈折率層被
覆用組成物(a)〜(q)に浸漬し、100mm/分の
速度で引き上げた後、室温で10分間乾燥させ、次い
で、110℃で60分硬化させて目的とする積層体を得
た。上記のようにして得られた積層体を、前記測定法に
基づき、各物性を評価し、結果を表7に示した。尚、比
較例21〜26は、高屈折率層被覆用組成物がゲル化し
てしまい、高屈折率層被覆用組成物として使用できなか
った。また、比較例30は、低屈折率層の被覆時に膜が
白濁して、透明な積層体が得られなかった。
【0115】
【表6】
【0116】
【表7】
【0117】
【発明の効果】本発明および本発明2の積層体の製造方
法は、前記した通りであり、本発明および本発明2で使
用される帯電防止被覆用組成物から上記のようにして作
製された高屈折率層は、硝酸からのプロトンが均一に存
在しているので導電性が高く、また、導電性微粒子の添
加によるヘイズ等がないため透明性が高い。また、ジル
コニウムテトラアルコキシドまたはチタニウムテトラア
ルコキシドが、特定量配合された組成物から得られた被
膜であるので、被膜が緻密なため耐水性が特に向上して
いる。また、金属酸化物系被膜が形成されているので、
硬い材料で強く摩擦しても傷が付きにくく、引っ掻き傷
による外観低下をおこしにくく、長期に渡って性能を維
持できる。従って、本発明および本発明2の製造方法に
よると、被膜形成前の基材の光学特性を保持したまま、
十分な帯電防止性能を有する耐水性高屈折率層を得るこ
とができる。本発明および本発明2の積層体の製造方法
によれば、さらに、上記高屈折率層の表面に、低屈折率
層が積層されているので、基材上に反射防止効果および
帯電防止効果の高い被膜が形成された光透過率40%以
上の積層体を容易に製造し得る。
【0118】本発明3の積層体の製造方法は、前記した
通りであり、本発明3で使用される低屈折率層被覆用組
成物は、縮合組成物(C)では、アルコキシシランの重
縮合がかなり進みコロイダルシリカが形成されており、
縮合組成物(D)では、アルコキシシランの重縮合が比
較的進まず、シリカゾルの段階で抑えられており、この
両者の混合物である上記組成物は、コロイダルシリカと
シリカゾルの混合物となっている。この組成物を請求項
1または2記載の高屈折率層が積層された基材上に塗
布、硬化させることにより、シリカゾルとコロイダルシ
リカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロイダル
シリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得るこ
とができる。また、この被膜は、無機質であるので、ス
チールウールなどの硬い材料で摩擦しても傷が付き難
く、引っ掻き傷による外観低下をおこし難い。従って、
本発明3によると、基材上に反射防止効果および帯電防
止効果が高く、透明であり、また、耐擦傷性に優れた被
膜が形成された光透過率40%以上の積層体を容易に製
造し得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面上に導電性を有する高屈折率
    層と、低屈折率層を、低屈折率層が最外層となるよう
    に、複層積層した積層体の製造方法であって、上記高屈
    折率層が、(a)下記の一般式[I]で表されるアミノ
    アルキルアルコキシシラン化合物A、 【化1】 (式中、Yはアミノ基を有する有機基、Y1 は炭化水素
    基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、mは1〜5の整
    数、nは0〜2の整数) (b)下記の一般式[II]で表されるエポキシアルキル
    アルコキシシラン化合物B、 【化2】 (式中、Zはグリシドキシ基またはエポキシシクロヘキ
    シル基、Y2 は炭化水素基、R1 は炭素数1〜5のアル
    キル基、pは1〜5の整数、tは0〜2の整数) (c)一般式Zr(OR2 4 (式中、R2 は炭素数1
    〜5 のアルキル基)で表されるジルコニウムテトラア
    ルコキシド、(d)硝酸、(e)有機溶媒および(f)
    水よりなり、アミノアルキルアルコキシシラン化合物A
    (a)とエポキシアルキルアルコキシシラン化合物B
    (b)とジルコニウムテトラアルコキシド(c)のモル
    比が93〜53:35〜5:12〜2である帯電防止被
    覆用組成物を塗布することにより得られる層からなるこ
    とを特徴とする光透過率40%以上の積層体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 基材の表面上に導電性を有する高屈折率
    層と、低屈折率層を、低屈折率層が最外層となるよう
    に、複層積層した積層体の製造方法であって、上記高屈
    折率層が、(a)請求項1記載のアミノアルキルアルコ
    キシシラン化合物A、(b)請求項1記載のエポキシア
    ルキルアルコキシシラン化合物B、(c1 )一般式Ti
    (OR3 4 (式中、R3 は炭素数1〜5のアルキル
    基)で表されるチタニウムテトラアルコキシド、(d)
    硝酸、(e)有機溶媒および(f)水よりなり、アミノ
    アルキルアルコキシシラン化合物A(a)とエポキシア
    ルキルアルコキシシラン化合物B(b)とチタニウムテ
    トラアルコキシド(c1 )のモル比が93〜55:35
    〜5:10〜2である帯電防止被覆用組成物を塗布する
    ことにより得られる層からなることを特徴とする光透過
    率40%以上の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 基材の表面上に導電性を有する高屈折率
    層と、低屈折率層を、低屈折率層が最外層となるよう
    に、複層積層した積層体の製造方法であって、上記高屈
    折率層が、請求項1または2記載の高屈折率層であり、
    さらに上記低屈折率層が、 一般式Si(OR4 4 (式中、R4 は炭素数1〜5の
    アルキル基)で表されるテトラアルコキシシラン1モ
    ル、pHが10.0〜12.0の塩基性水2〜8モルお
    よび有機溶媒10〜30モルを混合して得られる縮合組
    成物(C)と、 一般式(R6 s Si(OR5 4-s (式中、R5 およ
    びR6 は炭素数1〜5のアルキル基、sは0〜3の整
    数)で表されるアルコキシシラン1モル、pHが0〜
    2.6の酸性水3〜8モルおよび有機溶媒10〜30モ
    ルを混合して得られる縮合組成物(D)とを、 重量比(C)/(D)=0.4〜2.4で混合し、得ら
    れた組成物を塗布することにより得られる層からなるこ
    とを特徴とする光透過率40%以上の積層体の製造方
    法。
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