JPH08309776A - ヘッドレストの製造方法 - Google Patents

ヘッドレストの製造方法

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JPH08309776A
JPH08309776A JP7144052A JP14405295A JPH08309776A JP H08309776 A JPH08309776 A JP H08309776A JP 7144052 A JP7144052 A JP 7144052A JP 14405295 A JP14405295 A JP 14405295A JP H08309776 A JPH08309776 A JP H08309776A
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寿 坂田
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート材等の材料を不要にしてスリットから
の発泡原料の漏出や口開き,段差等の不具合を解消する
ヘッドレストの製造方法を提供する。 【構成】 スラッシュ成形による袋状表皮にインサート
を挿着後、表皮内に発泡原料を注入して表皮一体の発泡
成形を行なうヘッドレストの製造方法において、キャビ
ティ面2aに二つの円柱体223を立設し且つ円柱体の
一方を起点に他方の円柱体に向かう短板222を立設し
た成形型2を用いて表皮1に係る皮膜体3を成形し、成
形後、短板が形成した凹溝31を拡開し凹溝31の溝底
32にスリット11を設けると共に円柱体223の先端
面が形成した皮膜を取除いて円孔12にして表皮1を先
ず完成させ、その後、インサート4を表皮内に挿入し且
つインサートの両ステー4aを円孔12より表皮外へ配
し、次いで、スリット11から表皮1内へ発泡原料Gを
注入し発泡成形によりクッション材5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等のシートバック
上端に取着されるヘッドレストの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のシートバック上端には、乗員
の頭部を保護し快適さが得られるようヘッドレストが取
付けられている。こうしたヘッドレストの製法には、
発泡成形型内にインサートのみをセットし、発泡原料を
注ぎ発泡成形でできたクッション材とインサートとの一
体品にファブリック等の表皮を後工程で被せたもの(第
一製法)と、ブロー成形,スラッシュ成形,ローテー
ション成形等で袋状にした表皮にインサートを挿着した
後、これを発泡型にセットし、表皮に設けたスリットか
ら発泡原料を注いで発泡成形し、表皮,インサートと一
体のクッション材を形成するようにしたもの(第二製
法)とがある。
【0003】上記第二製法をより具体的に説明すると、
図13のようになる。まず、ゾルスラッシュ成形等で袋
状表皮8を作製し、これにステー孔82と共にインサー
ト挿入用スリットにもなる発泡原料の注入用スリット8
1を開設する。次いで、表皮8にインサート9を挿着し
サブアッセイ化したものを発泡成形型にセットし、しか
る後、上記スリット81を押し広げて注入機を表皮内に
差込み、発泡原料を注入し、発泡成形する。発泡硬化
後、脱型し表皮一体のヘッドレストを取出しバリ取り等
の仕上げ加工を行なって製品化するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、第二製法に
よる従来のヘッドレストの製造方法は、スリット81が
単に切り開いたものであり、表皮8の成形バラツキによ
って後工程たる発泡成形で図14(イ)のような口開き
αや、図14(ロ)のような段差β等の不具合がでてい
た。加えて、スリット81が長いため、発泡原料の発泡
圧でスリット部分が開き、発泡原料がここから漏れ出し
易かった。発泡原料の漏れ対策としては、シート材等を
介在させるものがあるが(特開昭53−80474号公
報,特公平3−39448号公報等)、シート材は、イ
ンサートで保持させなければならず、また余分な部品調
達品でもありコストアップにつながっていた。
【0005】本発明は上記問題点を解決するもので、シ
ート材等の材料を不要にしてスリットからの発泡原料の
漏出や口開き,段差等の不具合を解消するヘッドレスト
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第一発明の要旨は、スラッシュ成形又はローテー
ション成形による袋状表皮にインサートを挿着後、該表
皮内に発泡原料を注入して表皮一体の発泡成形を行なう
ヘッドレストの製造方法において、キャビティ面に二つ
の円柱体を立設し且つ該円柱体の一方を起点に他方の円
柱体に向かう短板を立設した成形型を用いて前記表皮に
係る皮膜体を成形し、成形後、前記短板が形成した凹溝
を拡開又は突き押し該凹溝の溝底にスリットを設けると
共に前記円柱体の先端面が形成した皮膜を取除いて円孔
にして表皮を先ず完成させる。そして、その後、インサ
ートを該表皮内に挿入し且つ該インサートの両ステーを
前記円孔より表皮外へ配し、次いで、前記スリットから
表皮内へ発泡原料を注入し発泡成形により表皮一体のク
ッション材を形成することを特徴とするヘッドレストの
製造方法にある。ここで、「円柱体」には、円柱体に擬
態する楕円柱体,多角柱体等を含む。同様に、「円孔」
には、楕円,多角形を含む。「円柱体の一方を起点に他
方の円柱体に向かう短板」では、短板は他方の円柱体に
到達しないものとする。本第二発明のヘッドレストの製
造方法は、第一発明で、インサートの基部幅H[mm]
に対し、前記スリットの長さL[mm]がH≦L≦H+
25を満たすことを特徴とする。但し、L≧πK/2を
条件とし、ここで、Kは発泡原料を表皮内に注入するた
めの注入ヘッドの外径を表わし、その単位は[mmφ]
である。
【0007】本第三発明の要旨は、スラッシュ成形又は
ローテーション成形による袋状表皮にインサートを挿着
後、該表皮内に発泡原料を注入して表皮一体の発泡成形
を行なうヘッドレストの製造方法において、キャビティ
面に二つの円柱体を立設し且つ両円柱体を結ぶ中間域に
も短板を立設した成形型を用いて前記表皮に係る皮膜体
を成形し、成形後、前記短板が形成した凹溝を拡開又は
突き押し該凹溝の溝底にスリットを設けると共に前記円
柱体の先端面が形成した皮膜を取除いて円孔にして表皮
を先ず完成させる。そして、その後、インサートを該表
皮内に挿入し且つ該インサートの両ステーを前記円孔よ
り表皮外へ配し、次いで、前記スリットから表皮内へ発
泡原料を注入し発泡成形により表皮一体のクッション材
を形成することを特徴とするヘッドレストの製造方法に
ある。ここで、「両円柱体を結ぶ中間域にも短板を立設
した」では、両円柱体に短板が当接しないものとする。
本第四発明のヘッドレストの製造方法は、第三発明で、
インサートに棒状体をコ字状に屈曲成形したものを用
い、注入ヘッドの外径K[mmφ]に対し、前記スリッ
トの長さL[mm]がπK/2≦L≦(πK/2)+2
5を満たすことを特徴とする。ここで、「棒状体」には
中実体の他、パイプ等の管体を含む。
【0008】本第五発明のヘッドレストの製造方法は、
第一発明〜第三発明で、表皮へのインサート挿着後、前
記スリットから発泡原料を所定量注入し、しかる後、こ
れらを発泡型にセットし発泡成形を行なうことを特徴と
する。
【0009】
【作用】本発明のヘッドレストの製造方法によれば、短
板が形成するスリット長さが従来品に比し小さいため
に、スリットが自ら閉じる作用を有し、発泡原料が漏れ
出し難い構造となる。また、短板が形成する両舌片間の
溝底にスリットが出来ると、発泡成形過程で、発泡圧が
舌片の両サイドからスリットを閉じさせる方向に働くの
で、口開きは起こらなくなる。そして、舌片があること
で、スリット縁が図14(ロ)のように重なり合うこと
はなく、段差等が生じない。インサートがその基部に補
強板等を備えていても、第二発明によれば、基部幅に合
わせて最小限の好適なスリット長さにすることができ、
このスリットを利用して表皮へのインサート挿着も可能
になる。一方、棒状体でインサートを構成するものは、
第四発明のように、注入ヘッドの外径K[mmφ]に対
し、スリット長さLmmをπK/2≦L≦πK/2+2
5の範囲内にすることで、スリット長さをインサート挿
着,発泡原料の注入に共用できる小さなスリットにし
て、発泡原料の漏出を防止できる。また、第五発明のよ
うに、表皮へのインサート挿着後、スリットから発泡原
料を所定量注入し、しかる後、これらを発泡型にセット
し発泡成形を行なうと、発泡型外にあっても、表皮は袋
状で保形性があり且つスリットの押し開きが容易である
ので、発泡原料の表皮内への注入を確実に遂行できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。 (1)実施例1 図1〜図10は、本発明に係るヘッドレストの製造方法
の一実施例を示す。図1は表皮の成形型の斜視図、図2
は図1の縦断面図、図3は短板周りの拡大斜視図、図4
は図1の成形型で表皮を成形した断面図、図5は表皮の
斜視図、図6は図4における短板,円柱体周りの拡大
図、図7,図8はスリット,円孔を形成する状態変化を
示す断面図、図9は表皮にインサートを挿着した斜視
図、図10は表皮内への発泡原料注入後、これらを発泡
型にセットして発泡成形を終えた状態を示す断面図であ
る。
【0011】ヘッドレストAの製造方法は、予め袋状に
成形した表皮1内にインサート4を挿着し、この状態下
で、そのまま発泡原料Gを表皮1内に所定量注入し、し
かる後、これらを発泡型Tにセットして発泡成形により
造るものである。発泡成形によるクッション材5の形成
に先立ち、表皮1が準備される。この表皮1は、キャビ
ティ面2aにヘッドレスト外形を形づくる成形型2によ
り皮膜体3を成形した後(図4)、皮膜体3の凹溝31
を拡開しスリット11,円孔12を設けて出来上ったも
のである(図7,図8)。
【0012】まず、表皮1に係る成形型2について説明
する。成形型2は、枕状のクッション材を包み込む袋状
表皮1の一つ前段階にある皮膜体3を製造するスラッシ
ュ成形型(電鋳型)で、キャビティ型21と蓋型22と
を有する(図1)。キャビティ型21と蓋型22は、閉
型によってヘッドレストAの外形と同一形状のキャビテ
ィ面2aを内面に有し、端部に閉型時のシール機能を高
めるスカート部211a,221aのあるフランジ21
1,221を備える。
【0013】蓋型22には、キャビティ面2aに型内へ
向けてステー挿着用の二つの円柱体223,223が設
けられる。円柱体223の上面2231は、図4に示す
ように湾曲状に窪ませている。そして、その一つの円柱
体223を起点に他の円柱体方向へ向って、短板222
を起立状態で固着している。短板222は、その長さL
1 がヘッドレスト用インサート4を挿入できればよい7
0mm程度であり、その端は両円柱体の略中間地点に位
置する。具体的には、図9ごとくの補強材41のあるイ
ンサート4に対して、その基部幅がH[mm]であると
すると、短板長さL1 [mm]はH≦L1 ≦H+25を
満たす範囲内にある。この短板長さL1 には、後述の小
突起224が形成される場合は、この部分が形成する長
さも含まれる(図2)。短板高さhは5mm〜10mm
程度で、上記円柱体高さより低くしている(図3)。短
板222の板厚Wは0.2mm〜2.0mmの範囲内
で、更に好ましくは、0.5mm〜1.0mmである。
短板222の板厚Wはその厚みが大きくなると、短板先
端縁にも厚みのある皮膜体3が出来てしまいインサート
挿入用スリット11の形成が困難になるにとどまらず、
スリットの開口が開き過ぎになるからである。一方、短
板222の板厚が小さくなると、短板がスラッシュ成形
時に撓む不都合があるからである。短板222は所定厚
さを有してその先端縁を鋭角状に尖らせると、スリット
11形成に好適になる。尚、円柱状の小突起224を短
板222の端に一体的に抱き込ませている。小突起22
4の高さは短板222と同じで、また、円柱体223と
同様、小突起224の上面も湾曲状に窪ませている。
【0014】次に、上記成形型2を使用し、スラッシュ
成形でヘッドレスト用表皮1を造る方法について説明す
る。まず、塩化ビニル樹脂ペースト(プラスチゾル)や
粉状ポリエチレン等の流動性のよいプラスチック原料を
成形型2のキャビティ型21内に投入し、蓋型22で成
形型2を閉じる。次いで、成形型2を回転又は揺動させ
ながら加熱炉内に入れ、成形型2を加熱する。プラスチ
ック原料は、成形型2の回転,揺動によって、キャビテ
ィ面2aに沿って流動し、また、加熱によって溶融状態
となりキャビティ面2a上に略均一に付着する。その
際、短板222,円柱体223,小突起224周りにも
プラスチック原料は付着するが、短板222の上縁は先
鋭化状態にあるのでプラスチック原料の乗りが少なく、
その部分だけ薄い溶融皮膜となる(図6の(イ))。短
板222は型内に向けて起立状態にあることから、先端
ほど加熱による熱の伝わり方や回転,揺動下でプラスチ
ック原料を保持する力も弱く、先端に向って溶融皮膜層
は薄くなる。一方、円柱体223の上面は湾曲状でその
周縁が尖った状態になっているので、そこが放熱し易
く、また、プラスチック原料が滞まろうとしても流れ落
ち、乗りが少ないために、溶融皮膜が薄くなる(図6の
(ロ))。小突起224も円柱体223と略同じような
形状にあり、小突起の上面周縁の溶融皮膜は薄い。
【0015】その後、成形型2を冷却してキャビティ面
2aに付着していた溶融状のプラスチック層を硬化さ
せ、脱型により皮膜体3を得る。この皮膜体3は、図5
のような中空形状で、短板222に付着した溶融皮膜は
舌片14となり、凹溝31をつくる。ここで、前述の短
板222上縁や円柱体223,小突起224の上面周縁
の溶融皮膜に係る皮膜体部分3a,3b,3cは薄肉化
している(図4,図6)。これらの皮膜体部分3a,3
b,3cは、僅かの力で開口する切り離し線を形成した
ようになっている。
【0016】次に、スラッシュ成形で得た皮膜体3の後
加工を行なう。上記スラッシュ成形で造った皮膜体3を
手に持って、図7(イ)の矢印のごとく、凹溝31の入
口を押し広げるように拡開する。すると、皮膜体3の厚
みが小さく且つ強度的に一番弱い凹溝31の溝底32
(皮膜体部分3a)が線状に開口され、インサート挿入
用スリット11ができる(図7(ロ))。円柱体223
の上面周縁が形成した皮膜体部分3bも薄く(図8
(イ))、切り離され易いことから、上記拡開動作に伴
って、その上円部33が簡単に皮膜体3から外れてイン
サート挿着用円孔12をつくる(図8(ロ))。凹溝3
1の溝底32や円柱体223,小突起224の上面周縁
は非常に薄くなっているので、カッター,切断機等を用
いずとも、単に指で押すだけでもカットできる。このよ
うにして、皮膜体3はインサート挿入用スリット11,
インサート挿着用円孔12を形成することで、ヘッドレ
スト用表皮1になる。
【0017】その後、上記表皮1内に図9ごとくのイン
サート4を挿入する。インサート4は板状の補強材41
(例えば補強板,補強棒等)を基部寄りに橋渡したもの
である。インサート4の基部幅H[mm]に対してスリ
ット長さL[mm]がH≦L≦H+25の範囲内にある
ので、スリット11を利用してインサート4は表皮1内
に挿着される。なお、上記スリット長さLは短板長さL
1 に対応するもので、L1 が既述のごとくH≦L1 ≦H
+25を満たす範囲内にあることに呼応する。ここで、
スリット長さLがインサートの基部幅Hと同じであって
も、表皮1は伸びるため、インサート挿着が可能になっ
ている。一方、スリット長さLは上限値(H+25)を
越えると、発泡原料の漏出や口開きの不具合が現われる
ため、この値を上限に定める。ただ、スリット長さL
[mm]は、注入ヘッドの外径K[mmφ]に対し、L
≧πK/2の条件を満たす必要がある(図9参照)。さ
もないと、インサート4が表皮1に挿着できても、注入
ヘッドがうまくスリット11内に入らず、発泡原料の表
皮内への注入ができなくなるからである。そして、イン
サートの両ステー4a,4aを前記円孔12,12より
表皮外へ配設させてインサート4を表皮1に挿着セット
する。インサート4は、ステー4aが円柱体223の形
成する円筒部15内に挿通されることによって、表皮1
に固定保持される。尚、円筒部15の内径をステー径D
(ここでは約10mmφ)より小さく設定(ここでは約
9.0〜9.5mmφ)すると、発泡成形時におけるス
テー部分のシール性を向上させることができ、より好適
になる。
【0018】次に、手等でスリット11を拡開し、注入
機Mの注入ヘッド(ヘッド外径:Kmmφ)より表皮1
内へ発泡原料G(例えばウレタン原料)を注入する(図
9)。注入に際して、スリット11はその長さが小さ
く、更に舌片14を備えることによって、自ら閉じる作
用を有している。従って、一旦注入された発泡原料Gが
スリット11から溢れ出ることはない。ところで、従来
法では、発泡型内に表皮1を納めた後に発泡原料を注入
していた。そのため、表皮1のスリット11がうまく開
かず、注入機Mのノズルで押し潰され表皮1が変形して
注入に支障をきたすことがあった。そして、このような
不具合等が起こっても型内のことで対策を講じるのが難
しかった。しかるに、ここでは、型外で発泡原料Gの注
入を行っているので、手などで簡単にスリットの口を開
けることができ、また、万一、口が閉じることが起こっ
ても修正処理を素早く実施できるようになっている。そ
して、表皮1は袋状になっていることから、表皮形状を
保形する力があり、型外での円滑作業に寄与している。
かくのごとくして、表皮1内への発泡原料Gの所定量注
入を終える。
【0019】しかる後、これらを発泡型Tにセットす
る。そして、閉型し、発泡成形によりクッション材5を
形成する(図10)。舌片14がスリット11を封じ、
更に、発泡成形過程では舌片14,14の両サイドから
スリット11を閉じる発泡圧が加わることによって、ス
リットの封止が行なわれる。発泡硬化後、脱型し、表皮
1,インサート4,クッション材5が一体化した所望の
ヘッドレストAが得られる。
【0020】このようなヘッドレストの製造方法は、イ
ンサート4の基部幅Hに合わせてスリット長さLをH≦
L≦H+25の範囲とすることによって、表皮内へのイ
ンサート挿着を可能にすると同時に、注入ヘッドによる
表皮内への発泡原料の注入を可能にして、そのスリット
長さLが従来品に比し小さくなることから、見栄えが良
く、しかも発泡成形時の口開きは起こり難くなる。更
に、短板222の板厚Wの小さいことがスリット幅を狭
くし、表皮,インサート一体の発泡成形でヘッドレスト
をつくる際、口開きを一層起こり難くする。加えて、ス
リット11幅の狭い口を取囲む舌片14が設けられるこ
とによって、発泡成形時、両サイドからの発泡圧でスリ
ット11の口がより確実に閉じられ、発泡原料のスリッ
ト外への溢出を阻止する。故に、発泡成形時の発泡原料
の漏出も、従来のごとくシート材を用いずとも阻止でき
るようになる。シート材がいらなくなることで、コスト
低減が図られる。一方、舌片14がスリット対向縁の侵
入に対して壁の役割を果たすので、従来品にみられた段
差βを招く食い込み不良(図14(ロ)参照)等も生じ
ない。そして、上記スリット11のみならず円孔12
は、皮膜体3に係る凹溝31の溝底32,円柱体223
の上面周縁が非常に薄くなっていることから、カッタ
ー,切断機等を用いずとも、単に指で押すだけで曲った
り歪んだりせずにカットでき見映えも良くなる。従っ
て、スリット11,インサート挿着用円孔12を設ける
工程を大幅に簡略化し、加工工数の低減,品質の安定維
持に貢献する。尚、本実施例では、インサート4として
補強板を横渡しした図9ごとくのものを採用したが、イ
ンサート3は基部に補強棒等の補強材41で基部幅Hを
ステー径より大きくしたもの全てに適用され、例えば図
13に示したようなインサート4も採用できる。
【0021】(2)実施例2 本実施例は、図12ごとくのパイプ等からなる棒状体4
2を折曲げただけのインサート4を使用したヘッドレス
トの製造方法である。上記ヘッドレストAの表皮1に
は、インサート形状に対応して表皮1にインサート挿着
し易いように、ステー4aを挿着保持する円筒部15,
15の略中間域にスリット11が設けられる。表皮1に
係る成形型2′を図11に示す。成形型2′は図1の成
形型2に対応するもので、ここでは、蓋型22に係るキ
ャビティ面2aにステー挿着用の二つの円柱体223,
223を設け、且つ、これら円柱体を結ぶ中間域に図示
のごとくスリット形成用の短板225を立設する。尚、
短板225の両端には実施例1のような小突起224は
設けていない。短板長さL2 [mm]は、注入ヘッドの
外径K[mmφ]に対し、πK/2≦L2 ≦(πK/
2)+25の範囲内にある。この短板長さL2 は皮膜体
3から表皮1が造られた際のスリット長さLに対応し、
スリット長さLがπK/2≦L≦(πK/2)+25の
範囲内におさまる。スリット長さLは最小値としてπK
/2の値があれば、インサート4の表皮1への挿着はも
ちろん、注入ヘッドによる表皮内への発泡原料の注入が
できる。一方、スリット長さLが上限値とする(πK/
2)+25を越えると、発泡原料の漏出や口開きといっ
た欠陥が現われる。故に、スリット長さLとして、πK
/2≦L≦(πK/2)+25の範囲内のものが求めら
れる。尚、当然のことながら、K[mmφ]≧D[mm
φ]を満たすことが要件である。そして、本実施例では
蓋型22にガス抜き孔226を設けている。スラッシュ
成形で、表皮1を造るプラスチック原料に発泡剤を含む
場合は、発泡してキャビティ面2aに層状に付着する。
ここで、密閉状態にある成形型2は、加熱による型内空
気の膨張によって、更に発泡ガスによって型内圧が増大
し、成形型2の蓋型22が押し上げられて隙間を生じる
ことがしばしばである。その結果、プラスチック原料が
その隙間に押し出されて詰まったり、キャビティ形状が
本来寸法より大きくなったりする不具合を招く。こうし
たことから、ここでは、加熱により膨張した型内空気及
び発泡により生じた発泡ガスは上記ガス抜き孔226を
通って成形型2′外へ排出させている。成形型2′内の
圧力が高くなることがないので、成形型の蓋体22が押
し上げられることもない。従って、正規の形状,寸法か
らなる表皮1にバリを生じさせることなく製造できるよ
うになる。他の構成,作用は実施例1と同じである。
【0022】ヘッドレストの製造方法は、まず、皮膜体
を形成後、スリット11,円孔12を開口する。スリッ
ト長さLは注入ヘッドの外径Kに対し、πK/2≦L≦
(πK/2)+25の範囲内のものになる。次いで、ス
リット11を開口してインサートを挿着し、挿着後、発
泡原料Gを表皮内に注入する。表皮内への発泡原料の所
定量注入を終えた後、これらを発泡型T内にセットす
る。そして、発泡成形を行ない表皮一体のクッション材
5を形成し所望のヘッドレストAを得る。
【0023】このようなヘッドレストの製造は、棒状体
42をコ字状に屈曲形成したインサート4に対し、スリ
ット長さLを上記範囲内で短くしても、インサート4の
表皮内への挿着が可能になり且つ発泡原料の表皮内への
注入にも支障をきたさない。そして、実施例1と同様の
効果を得る。
【0024】尚、本発明においては前記実施例に示すも
のに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々
変更できる。表皮1,インサート4,クッション材5等
の大きさ,形状,材質等は適宜選択できる。実施例で
は、スリット11,円孔12の形成は凹溝31の口を広
げる拡開動作によったが、これに代え、凹溝31の溝底
を突き押ししてスリット11,円孔12を形成するもの
でもよい。表皮1の前段階にある皮膜体3の成形はロー
テーション成形によることもできる。
【0025】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のヘッドレストの
製造方法は、シート材等の材料を不要にしてスリットか
らの発泡原料の漏出や口開き,段差等の不具合を解消
し、スリットが小さく見栄えも良くなるなど、品質向上
に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるヘッドレスト用表皮の成形型
の全体斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】短板周りの部分拡大斜視図である。
【図4】図1成形型で皮膜体を成形した全体縦断面図で
ある。
【図5】皮膜体の斜視図である。
【図6】図4における円柱体周りと短板周りの部分拡大
断面図である。
【図7】スリットを形成する状態変化を示す断面図であ
る。
【図8】円孔を形成する状態変化を示す断面図である。
【図9】表皮にインサートを挿着した部分断面斜視図で
ある。
【図10】表皮内への発泡原料注入後、これらを発泡型
にセットして発泡成形を終えた状態を示す断面図であ
る。
【図11】実施例2におけるヘッドレスト用表皮の成形
型の全体斜視図である。
【図12】実施例2のヘッドレストの部分断面斜視図で
ある。
【図13】表皮へのインサートの挿着を示す従来技術の
斜視図である。
【図14】従来技術によるヘッドレストの不具合を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 表皮 11 スリット 12 円孔 2,2 成形型 2a キャビティ面 222 短板 223 円柱体 225 短板 31 凹溝 32 溝底 4 インサート 42 棒状体 5 クッション材 A ヘッドレスト D 外径 G 発泡原料 H 基部幅 L スリット長さ T 発泡型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺西 秋徳 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッシュ成形又はローテーション成形
    による袋状表皮にインサートを挿着後、該表皮内に発泡
    原料を注入して表皮一体の発泡成形を行なうヘッドレス
    トの製造方法において、 キャビティ面に二つの円柱体を立設し且つ該円柱体の一
    方を起点に他方の円柱体に向かう短板を立設した成形型
    を用いて前記表皮に係る皮膜体を成形し、成形後、前記
    短板が形成した凹溝を拡開又は突き押し該凹溝の溝底に
    スリットを設けると共に前記円柱体の先端面が形成した
    皮膜を取除いて円孔にして表皮を先ず完成させ、その
    後、インサートを該表皮内に挿入し且つ該インサートの
    両ステーを前記円孔より表皮外へ配し、次いで、前記ス
    リットから表皮内へ発泡原料を注入し発泡成形により表
    皮一体のクッション材を形成することを特徴とするヘッ
    ドレストの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記インサートの基部幅H[mm]に対
    し、前記スリットの長さL[mm]が次式を満たす請求
    項1記載のヘッドレストの製造方法。 H≦L≦H+25 (但し、L≧πK/2) ここで、Kは発泡原料を表皮内に注入するための注入ヘ
    ッドの外径を示し、その単位は[mmφ]である。
  3. 【請求項3】 スラッシュ成形又はローテーション成形
    による袋状表皮にインサートを挿着後、該表皮内に発泡
    原料を注入して表皮一体の発泡成形を行なうヘッドレス
    トの製造方法において、 キャビティ面に二つの円柱体を立設し且つ両円柱体を結
    ぶ中間域にも短板を立設した成形型を用いて前記表皮に
    係る皮膜体を成形し、成形後、前記短板が形成した凹溝
    を拡開又は突き押し該凹溝の溝底にスリットを設けると
    共に前記円柱体の先端面が形成した皮膜を取除いて円孔
    にして表皮を先ず完成させ、その後、インサートを該表
    皮内に挿入し且つ該インサートの両ステーを前記円孔よ
    り表皮外へ配し、次いで、前記スリットから表皮内へ発
    泡原料を注入し発泡成形により表皮一体のクッション材
    を形成してなるヘッドレストの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インサートに棒状体をコ字状に屈曲
    成形したものを用い、発泡原料を表皮内に注入するため
    の注入ヘッドの外径K[mmφ]に対し、前記スリット
    の長さL[mm]が次式を満たす請求項3記載のヘッド
    レストの製造方法。 πK/2≦L≦(πK/2)+25
  5. 【請求項5】 前記表皮へのインサート挿着後、前記ス
    リットから発泡原料を所定量注入し、しかる後、これら
    を発泡型にセットし発泡成形を行なう請求項1乃至4の
    いずれかに記載のヘッドレストの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246822A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Tachi S Co Ltd 首振りヘッドレスト
US11052635B2 (en) 2015-07-29 2021-07-06 Zeon Corporation Sheet-type molded body, and laminate

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