JPH0831377B2 - 高圧トランス - Google Patents

高圧トランス

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JPH0831377B2
JPH0831377B2 JP63212778A JP21277888A JPH0831377B2 JP H0831377 B2 JPH0831377 B2 JP H0831377B2 JP 63212778 A JP63212778 A JP 63212778A JP 21277888 A JP21277888 A JP 21277888A JP H0831377 B2 JPH0831377 B2 JP H0831377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、CRT等に高電圧を供給するための高圧ト
ランス、特に異常発生時の特性の改善に関する。
[従来の技術] 従来から高電圧発生のためにフライバックトランスな
どの高圧トランスが広く利用されている。例えば、テレ
ビジョン受像器等のCRT(陰極線管)の高圧電極への電
圧供給には、このような高圧トランスが必須である。ま
た、コンピュータ機器の発達に伴うディスプレイ装置と
してのCRTの需要増大に応じ、高圧トランスの重要性も
ますます増大してきている。
ここで、このような高圧トランスの一例について第2
図乃至第4図を用いて説明する。高圧トランス10は、一
対のU形コアを組合せたコア脚に一次側にコイル及び二
次側コイルが同心円状に装着されており、その断面形状
は軸を中心に対象となるため、第3図においては一方側
のみを示してある。
コア脚12の周囲には筒状の一次側ボビン14が配置され
ており、この一次側ボビン14に低圧コイルである一次側
コイルN1が巻回されている。また、一次側ボビン14の端
面に形成した端子部に固定された端子ピン16は例えば一
次側コイルN1に電力を供給するためのものである。
そして、一次側ボビン14の周囲には所定距離隔てて同
じく筒状の二次側ボビン18が配置されている。この二次
側ボビン18の周囲には高圧コイルを形成する多巻数の二
次側コイルNHが巻回されている。
ここで、この例においては、二次側コイルNHは、第1
層NH1から第6層NH6までの6層構造となっている。そし
て、第4図に示すように通常銅材によって形成される直
径30μm程度の導線20には、絶縁被膜22が被覆されてお
り、この導線は一層毎に含浸絶縁材24に含浸固定されて
いる。そして、二次側コイルNHの各層間には、絶縁性の
ポリエチレンテレフタレート等のシートからなる層間絶
縁材26が介在されている。なお、含浸絶縁材24にはエポ
キシ系プラスチック等が採用されている。このように二
次側コイルNHの層間及び線間に絶縁材を巻込んだり、絶
縁材を含浸注形するのは、二次側コイルにおいて30kVも
の高圧を発生しており、これを確実に絶縁する必要があ
るからである。また、二次側コイルNHのそれぞれ一層を
形成する単位コイルNH1からNH6は、それぞれダイオード
DHを介し直列に接続されている。
次に、このような高圧トランスを用いた回路の一例に
ついて第5図に基づいて説明する。
この回路は、CRTに用いられる偏向装置の一般的な回
路であり、水平偏向出力回路30と、高圧トランス10を有
している。そして、この高圧トランス10からの出力をCR
T32に供給する。
水平偏向出力回路30は、水平出力トランジスタT
R1と、ダンパーダイオードD1、共振コンデンサC1、水平
偏向コイルLH及びS字補正コンデンサCSとから成ってい
る。そして、水平出力トランジスタTR1は、水平ドライ
ブ回路(図示せず)から送られてくる電圧パルス信号を
受け入れ、所定のスイッチング動作を行う。こ水平出力
トランジスタTR1のスイッチングと、ダンパーダイオー
ドD1の協働によって水平偏向コイルLHにのこぎり刃状の
電流を加える。また、この水平偏向コイルLHと共振コン
デンサC1はその共振作用によってフライバックパルスを
発生させ、これが高圧トランス10に加えられる。
高圧トランス10は、上述のような構成をしており、高
圧トランス10の一次側コイルN1の一方側の端子はダンパ
ーダイオードD1のカソード、水平偏向コイルLH及び共振
コンデンサC1の共通端に接続されており、他端側端子は
入力電源EBに接続されている。一方、高圧トランス10の
二次側コイルNH1〜NH6は整流ダイオードDH1〜DH5を介し
て直列に接続され、最終段の高圧整流ダイオードDH6がC
RT(陰極線管)32の高圧電極(アノード)34に接続され
ている。
このような構成において、高圧トランス10は前述の水
平偏向出力回路30から加えられるフライバックパルスを
昇圧し、更に高圧整流ダイオードDHによって整流を行
い、その整流出力である高電圧EHをアノード34に加える
のである。尚、平滑用コンデンサCHはこの高電圧EHを平
滑するためのものである。
このような高圧トランス10において、何らかの原因に
よって、二次側コイルNHにおいて短絡が発生すると、こ
こにおいて電流量が増大し、発火発煙等の事故にも繋が
る。
このため、従来の装置においても、このような発火発
煙を防止するための手段が講じられている。そこで、従
来の保護回路について第6図に基づいて説明する。
この例においては、第5図における電源EBで過大電流
を検出し、電流供給を制限するようになっている。これ
は、二次側コイルNHにおいて短絡が発生すると一次側電
流IBもそれに応じて増大するからである。
すなわち、この例において電源EBは次のような構成を
有している。入力端Pは、電力の入力端であって、通常
交流の100Vの電源に接続される。そして、この入力端P
はブリッジ結合された4つのダイオードD21,D22,D23,D
24からなる整流回路42に接続されている。また、この整
流回路42の出力側には、電圧安定化回路44が接続され、
所定の直流電力を高圧トランス10に供給するようになっ
ている。すなわち、出力端46が第5図における一次側コ
イルN1の一端T1に接続されている。なお、コンデンサC
21は電圧を平滑させるためのものである。
電圧安定化回路44は、トランジスタTR21、抵抗R20
び制御回路48からなっている。そして、制御回路48に
は、電圧安定化回路44の出力側の電圧が入力され、制御
回路48はこの電圧が所定の一定値になるようにトランジ
スタTR21のベース電圧を制御する。従って、電圧安定化
回路44から出力される電圧はほぼ一定値に制御され、出
力端46における電圧EBもほぼ一定値となる。なお、コン
デンサC23は、電圧平滑、特に過渡応答改善のためのも
のである。
更に、この例においては、電圧安定化回路44と出力端
46の間に異常電流検出回路50を設け、これに流れる電流
IBを監視するようになっている。この異常電流検出回路
50は、電圧安定化回路44と出力端46の間に挿入配置され
た抵抗R22の両端電圧を検出し、この両端電圧が所定値
以上になった際に、トランジスタTR22をオンすることに
よって、以上電流を検出するものである。
このため、抵抗R22の上流側端にはトランジスタTR22
のエミッタが接続され、抵抗R22の下流側端には抵抗R23
を介しトランジスタTR22のベースが接続されている。な
お、コンデンサC22は電流IBの微小時間における変化を
吸収するためのものである。
このような構成において、電流IBが増加し、抵抗R22
の両端の電位差が所定値を越えると、トランジスタTR22
ベース・エミッタ間の電位差が所定値を越え、トランジ
スタTR22が導通される。ここで、このTR22のコレクタは
抵抗R24及びR25を介しアームされている。そこで、TR22
が導通され、ここに電流が流れると、抵抗R24とR25の接
続点の電位は、抵抗R25の電圧降下分だけ上昇すること
になる。なお、コンデンサC24は、抵抗R24とR25の接続
点における交流成分を除去するためのものである。
一方、抵抗R24とR25の接続点はトランジスタTR23のベ
ースに接続されている。そして、このトランジスタTR23
のコレクタにはフォトカプラ52の入力端の一端側が接続
され、トランジスタTR23のエミッタはアースされてい
る。また、フォトカプラ52の入力端の他端側には抵抗R
26を介し電源EC21が接続されている。このため、トラン
ジスタTR23がオンされると、フォトカプラ52の入力端に
接続された発光ダイオード52aがオンされる。また、フ
ォトカプラ52の受光側のトランジスタ52bのベースは抵
抗R27を介しアースに接続され、コレクタは電源EC22
接続され、エミッタは水平発振回路54に接続されてい
る。
そこで、フォトカプラ52の発光ダイオード52aの発光
によりトランジスタ52bがオンすると水平発振回路54に
発振停止信号が入力される。そして、水平発振回路54は
発振停止信号を受け入れたときに発振を停止する。この
水平発振回路からの発振パルスは、第5図におけるドラ
イブ回路30の入力端子に入力されるものなので、これが
停止されることによってドライブ回路30の動作が停止さ
れる。これによって高圧トランス10にはフライバック・
パルスが発生しない。そこで、高圧トランス10の発火、
発煙などを防止することができる。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように従来の高圧トランス保護回路において理
論的には高圧トランスの発火、発煙を防止することがで
きる。しかし、このような保護回路を有するにも拘ら
ず、高圧トランスが発火、発煙を起こす場合もある。そ
こで、これについて詳細に検討したところ高圧トランス
の二次側コイルNHのショート(レアショート)につい
て、次のようなことが明らかとなった。
まず、高圧トランス10の絶縁被膜22、含浸絶縁材24、
層間絶縁材26等の絶縁材の材料は絶縁材24、層間絶縁剤
26等の絶縁材の材料は次のような条件を考慮して決定さ
れている。
(A)定常動作時おける内部温度で安定していること (B)通常動作における機械的、熱的ストレスに長期間
耐えられること (C)注形、含浸等の作業性が良いこと そして、これら条件を考慮すると各絶縁材は、それぞ
れ異なる材料で形成される場合が多い。このため、これ
らの絶縁材の融点等、その形状を保持できる温度はそれ
ぞれ異なることとなる。なお、これらの絶縁材としては
通常プラスチックが利用されるが、プラスチックには熱
可塑性の樹脂、熱硬化性樹脂等があるため、形状を保持
できる温度は融点であったり、軟化点であったり、分解
温度であったりする。
そして、通常の場合、絶縁被膜22の融点は255℃、含
浸絶縁材24の融点は300℃、層間絶縁材26の融点は260℃
程度のものが採用されている。
一方、何らかの原因により、二次側コイルNHの一つの
層、例えば一層目の単位コイルNH1の中間の一巻回がと
なりの導線20とショートすると、この部分において短絡
電流に起因する発熱が起こる。二次側より数十W(20W
〜50W)程度の電力出力する場合において、二次側コイ
ルNHの一巻において2W程度の電力を消費することにな
る。すると、第7図において斜線で示すようにこの熱に
よって両隣の導線20もショート状態になり、更に発熱が
増加する。そして、このような発熱状態は、ショート領
域が広がるにつれ更に大きくなり、二次側コイルNHの一
層目における5、6巻回のショートによって約10W程度
の発熱エネルギーが生じる。
この程度の発熱が起こると、第7図に示すように一層
目と二層目の二次側コイルNH1とNH2を絶縁している層間
絶縁材26の溶解も始まる。すなわち、この層間絶縁材26
は通常の場合ポリエチレンテレフタレート等の材料が用
いられておりその融点は260℃程度である。そこで、一
層目内のショートによって発熱量が増加すると、この層
間絶縁材26が溶け、一層目と二層目のコイル同士の短絡
も生じることになる。
一方、高圧トランス10の二次側コイルは6つの二次側
コイルNH1からNH6の直列接続からなっている。このた
め、NH1NH2の間には出力電圧EHの6分の1の直流電圧が
かかっていることになる。そして、通常のCRT32の高圧
電極34に印加する電圧が30kV程度なので、一層目の二次
側コイルNH1と二次側コイルNH2の間には5kV近くの電圧
がかかっていることになる。
そこで、層間絶縁材26が溶け、層間のショートが発生
するということは、5kVもの高電圧におけるショートと
なり、このときに消費される電力は非常に大きなものと
なってしまう。従って、高圧トランス10において、この
ような状態が生起されると、その瞬間に大電流が流れて
しまい、発火、発煙が生じ、その後電流が停止されても
臭い、煙等の発生を十分に防止することはできなかっ
た。
この短絡発生時の一次側電流IBの変化状態の一態様を
第8図に示しており、図中startにおいて第1層におけ
る最初の短絡が起こり、時間t1まで徐々に層内における
短絡が進んでいく。そして、時間t2において層間の短絡
が起こるとその電流値は直線的に上昇し発火発煙等の危
険を生じるのである。このように、従来の高圧トランス
においては、保護回路を有していても短絡が起こった際
に発煙発火等を充分防止できないという問題点があっ
た。
また、高圧コイル10に温度ヒューズを埋込み温度が上
昇した時にこのヒューズの溶解断続によって高圧コイル
への電流を遮断する事ができる。しかし、高圧トランス
10の駆動周波数は一般に15.75KHZ〜130KHzと高いため、
温度ヒューズのような形状の大きいものを配設するとそ
の電磁結合度が低くなり、高圧トランス10の基本的性能
が害されてしまうという問題点もあった。
発明の目的 この発明は、上述のような問題点を解決することを課
題として為されたものであり、高圧トランスにおける二
次側コイルにおけるショート等の異常発生時において、
発煙、発火等が発生しにくい高圧トランス保護回路を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、一次側コイルと二次側コ
イルを有し、二次側コイルより高電圧を出力する高圧ト
ランスにおいて、二次側コイルは被覆絶縁材が被覆され
た導線を多数巻回して一層に形成した単位コイルを複数
積層して形成され、この単位コイルは線間絶縁材に含浸
固定され、各単位コイル間には両者を仕切る層間絶縁材
が配置され、上記層間絶縁材はその形状を保持できる上
限温度が上記被覆絶縁材および線間絶縁材のいずれより
も高い材料で形成されていると共に、高圧トランスにお
ける異常電流を検出する異常電流検出手段と、異常電流
を検出したときに、高圧トランスへの電流供給を停止す
る保護回路とを有し、層間絶縁層材が形状保持している
間に異常電流を検出することを特徴とする。
[作用] この発明においては、高圧トランスの一次側にパルス
電流が発生されれ、これが昇圧され二次側から高電圧が
出力される。
そして、この発明においては、層間絶縁材として高温
でも形状を保持できるものを採用している。すなわち、
層間絶縁材の形状を保持できる上限温度は、被覆絶縁材
や含浸絶縁材よりも高く設定されている。したがって、
二次コイル内において導線のショートが発生した場合
に、導線同士のショートが進み、発熱が増大しても、層
間絶縁材の溶解は遅延される。
このため、異常電流検出手段により、層内のショート
の段階で異常流電流の検出し、高圧トランスへの電流供
給を停止することができる。そこで、高圧トランスの層
間絶縁材の溶解による層間のショートの発生を防止で
き、発煙、発火等を未然に防止することができる。
[実施例] 次に、この発明に係る高圧トランスの一実施例につい
て図面に基づいて説明する。第1図は要部の構成を示す
断面図である。
ここで、全体の構成は、上述の従来例の場合と同様で
あるが、この発明において特徴的なことは、層間絶縁材
26として形状を保持できる上限温度(例えば、融点)の
非常に高い材料、少なくとも被膜絶縁材22、含浸絶縁材
24のいずれよりも形状を保持できる上限温度の高い材料
を利用していることである。
そして、この実施例の高圧トランス10においては、従
来例と同様の層間絶縁材26の他に、融点の高い層間絶縁
材26aを有している。この層間絶縁材26aの融点は、被膜
絶縁材22、含浸絶縁材24、層間絶縁材26のいずれよりも
高く設定されている。
このような構成を有する高圧トランスにおいて、なん
らかの原因で、導線20の1つが隣の導線20と短絡した場
合、従来例の場合と同様にここで数W程度の発熱が起こ
る。そして、この発熱によって含浸絶縁材22が軟化溶解
し、導線20は下方へ落下し始める。すると、この落下に
よって、ショートがさらに進み、ショートする導線20が
1本増える毎に数Wずつ発熱量が増えていく。そして、
周囲の層間絶縁材26も軟化溶解し始める。
ところが、この実施例においては、融点の高い材料か
らなる層間絶縁材26aを有している。従って、導線20の
ショートによる発熱がかなり進んでも、層間絶縁材26a
が完全に軟化溶解し、導線20が倒れて、となりの層のコ
イルとショートすることを抑制できる。
これによって、かなりの本数の導線20がショートする
まで、層間短絡は発生しない。このため、上述の高圧ト
ランス保護回路によっても、層間短絡発生前に高圧トラ
ンスの二次側コイルNH内のショート発生を検知できるこ
とになり、高圧トランスの発煙発火発生前に電流供給を
停止することができる。
なお、この実施例においては、融点の高い層間絶縁材
26aを従来の層間絶縁材26に追加して設けている。この
構成によれば、層間絶縁材26の溶解熱を利用して、温度
上昇を抑制できる。従って、層間短絡発生までの導線20
の短絡の本数をさらに増加することができ、一次側電流
IB検出による異常検出をさらに確実にすることができ
る。また、このような構成とすれば、温度上昇が抑制さ
れるので、層間絶縁材26aの融点を他の絶縁材と比べて
それ程大きなものとしなくても良く、安価の材料を選択
することも可能となる。
通常他の絶縁材より融点が50゜高ければ十分である。
さらに、第6図に示した従来の高圧トランス保護回路
は、次のような理由でその異常検出動作が大きく遅れる
場合がある。
すなわち、高圧トランス10の一次側に供給する電流IB
は、一定値でないことによる。すなわち、第9図に示す
ようにCRT32における明るさ調整(輝度調整)等によっ
て電流IBはかなり大きく変化する。これは、CRT32の輝
度の変化に応じて二次側電流(高圧電流)IHが変化し、
一次側電流IBが変化するからである。そして、この変化
量は一次側電流IBの値に対してかなり大きなものとなっ
ている。
従って、異常電流検出回路50おけるトランジスタTR22
の動作するタイミングは、一次側電流IBがかなり上昇し
たときになってしまう。そこで、一次側電流IBが層内の
短絡により上昇してもこれを検知し、一次側電流を遮断
することができない場合が多い。このため、従来の高圧
トランス保護回路は十分な機能を発揮できない場合があ
った。
そこで、以下にこの発明の高圧トランスに好適な異常
検出の感度を大幅に上げた保護回路を第2図に基づいて
説明する。
この回路によれば、二次側コイルにおけるショート発
生時における異常電流の検出を大幅に改良できる。従っ
て、この発明の高圧トランス10にこの保護回路を組合せ
れば、非常に確実な層間短絡発生防止を図ることができ
る。
図において、水平ドライブ回路(図示せず)、水平偏
向出力回路30、高圧トランス10は第5図に示した従来例
の構成及び作用と同様であり、説明を省略する。
そして、この実施例においては、保護回路60を有して
いる。
この保護回路60は、異常発生時に高圧トランス10への
電流供給を停止するものであり、次のような構成を有し
ている。
電源EBから一次側コイルN1の始端T1への電流供給回路
には、一次側電流IB検出用の抵抗R1と、電流遮断用のヒ
ューズF1が挿入配置されている。
また、一次側コイルN1にはその中間点に中間タップT2
が設けられ、始端側コイルN11と終端側コイルN12の2つ
のコイルに分割できるようになっている。そして、この
中間タップT2には逆流防止用のダイオードD2のアノード
側が接続されている。このダイオードD2のカソード側に
はサイリスタSCRのアノードが接続され、このサイリス
タSCRのカソードはヒューズF1と抵抗R1の接続点に接続
されている。従って、サイリスタSCRがオンされた場合
には始端側コイルN11及びヒューズF1を閉回路が形成さ
れることになる。なお、サイリスタSCRと並列に配設さ
れているコンデンサC2は平滑用のものであり、適宜省略
することも可能である。また、サイリスタSCRのカソー
ド、ゲート間に接続されたコンデンサC3は電圧平滑及び
ノイズ除去のためのものである。
一方、二次側コイルNHの入力側端T4は、電流検出用抵
抗R2、抵抗R3、バイアス電源ESを介し電源EBの出力側に
接続されている。そして、抵抗R2によって二次側コイル
NHに流れる高圧電流IHを検出することができる。また、
抵抗R2とR3の接続部はABL(Automatic Briteness Limit
ter)側に通じている。
そして、この抵抗R2と抵抗R3の接続部がサイリスタSC
Rのゲートに接続されているため、サイリスタSCRのゲー
ト電位は抵抗R2における電圧降下、すなわち高圧電流IH
の大きさに応じて変化することになり、オンオフされる
ことになる。
なお、コンデンサC3がサイリスタSCRのカソードゲー
ト間に接続されている。
高圧トランス10内部においてレアショートが発生した
場合には、一次側電流IBと二次側電流IHの比較によって
これを検出し、一次側電流IBを停止する。
ここで、この電流停止は、サイリスタSCRをオンする
ことによって行うのであるが、このための回路の抵抗
R1、R2、バイアス電流ESの設定等について説明する。
まず、一次側電流IBはCRT32の輝度調整によって第9
図のように変化する。このように、この一次側電流IB
輝度調整等の二次側電流IHによらない定数部分と、輝度
調整等による二次側電流IHによるに比例する部分に分け
られ、次のように表すことができる。
IB=A×IH+IB0 ……(1) ここで、Aは回路から決定される定数であり、IB0はC
RTの輝度調整等によって変動しない定数部分である。
また、バイアス電源ES、抵抗R2を介しサイリスタSCR
のゲートに印加される電圧eHは、次のように表される。
−eH=IH×R2+ES ……(2) ここで、この電圧は、電源EBの+側を基準として表し
てある。
さらに、抵抗R1における電圧降下eBは次のように表す
ことができる。
−eB=IB×R1 ……(3) ここで、この電圧は、上述の場合と同様に電源EBの+
側を基準として表してある。
そして、(1)式を(3)式に代入することによって
抵抗R1における電圧降下eBは次のように表されることに
なる。
−eB=A×IH×R1+IB0×R1 ……(4) 一方、正常動作時においては、サイリスタSCRのゲー
トの電位は、カソードと同電位とし、遮断状態とするた
め、両者は等しくなるように設定することが望ましい。
従って、eB=eHとなるようにESを設定する必要がある。
そこで、(4)式と(2)式の右辺同士は等しくな
り、 IH×R2+ES=A×IH×R1+IB0×R1 となる。
そして、この式における変数部分同士、定数部分同士
は等しいため、 IH×R2=A×IH×R1 であり、 R2=IB0×R1 となる。
ここで、ESの値を先に決定するとR1、R2はそれぞれ次
のように決定される。
R1=ES/IB0 R2=A×ES/IB0 このようにして、求まった値に対し回路のバラツキ等
を考慮して、その分ES値を大きめに設定すれば、サイリ
スタSCRの正常時にゲート電位がカソード電位に比べ高
くなることはなく、常にオフされることになる。
そして、高圧トランス中でレアーショート等が発生す
ると、上述のようにそのショート部において大量のエネ
ルギーが消費され、そのエネルギー消費Pに対応した電
流ΔIBが一次側電流に加算される。
ΔIB=P/EB 通常の場合高圧トランスが発火に至るようなショート
であれば、この電流増加分ΔIBは第4図におけるΔIB
2倍以上となる。従って、抵抗R1における電圧降下は非
常に大きくなり、サイリスタSCRのカソードの電位がゲ
ート電位に比較して充分低くなり、サイリスタSCRがオ
ンされる。なお、このショートは高圧トランス内部の二
次側コイルNHにおけるものであり、この時の二次側電流
IHはほとんど変化しない。
このようにしてサイリスタSCRがオンとすると、サイ
リスタSCRは一次側コイルN1の中間タップT2に発生する
パルス電圧を非常に低いインピーダンスでショートする
ことになり、この電流によってヒューズF1は溶断され
る。
そして、ヒューズF1を溶断することによって、高圧ト
ランスの一次側コイルN1に対する電流供給を停止するこ
とができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明に係る高圧トランスに
よれば、層間短絡を発生する時期を大巾に遅らせること
ができる。このため、保護回路による異状検出が容易と
なり、高圧トランス発煙、発火を効果的に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る高圧トランスの一実施例の一部
断面図、 第2図は同実施例に好適な高圧電源保護回路を示す回路
図、 第3図は高圧トランスの構成を示す概略断面図、 第4図は高圧トランスの内部構成を示す断面図、 第5図は高圧トランスを使用した回路の構成例を示す回
路図、 第6図は従来の高圧トランス保護回路の一例を示す回路
図、 第7図は高圧トランスにおけるレアショートの状況を示
す説明図、 第8図は高圧トランスにおけるレアショート発生時にお
ける一次側電流IBの変化を示す特性図、 第9図はCRT32の輝度調整に対応する二次側電流IHと一
次側電流の関係を示す特性図である。 10……高圧トランス 20……導線 22……被覆絶縁材 24……含浸絶縁材 26、26a……層間絶縁材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次側コイルと二次側コイルを有し、二次
    側コイルより高電圧を出力する高圧トランスにおいて、 二次側コイルは被覆絶縁材が被覆された導線を多数巻回
    して一層に形成した単位コイルを複数積層して形成さ
    れ、 この単位コイルは線間絶縁材に含浸固定され、 各単位コイル間には両者を仕切る層間絶縁材が配置さ
    れ、 上記層間絶縁材はその形状を保持できる上限温度が上記
    被覆絶縁材および線間絶縁材のいずれよりも高い材料で
    形成されていると共に、 高圧トランスにおける異常電流を検出する異常電流検出
    手段と、 異常電流を検出したときに、高圧トランスへの電流供給
    を停止する保護回路とを有し、 層間絶縁材が形成保持している間に異常電流を検出する
    ことを特徴とする高圧トランス。
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