JPH08325197A - テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

テレフタル酸の製造方法

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JPH08325197A
JPH08325197A JP7131303A JP13130395A JPH08325197A JP H08325197 A JPH08325197 A JP H08325197A JP 7131303 A JP7131303 A JP 7131303A JP 13130395 A JP13130395 A JP 13130395A JP H08325197 A JPH08325197 A JP H08325197A
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tolualdehyde
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acid
ppm
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Fumio Ogoshi
二三夫 大越
Masahito Inari
雅人 稲荷
Fumiya Arima
文哉 在間
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Mizushima Aroma Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Toyobo Co Ltd
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Mizushima Aroma Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Toyobo Co Ltd
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒とするテレフ
タル酸の製造法において、その溶媒損失量をできるだけ
少なくし、且つ高品質のテレフタル酸を製造する方法を
提供する。 【構成】p−トルアルデヒドを3〜35重量%含むp−
キシレンを原料とし、溶媒に低級脂肪族モノカルボン酸
を用い、溶媒に対してマンガン原子として50〜100
0ppm、コバルト原子として50〜2000ppm、
臭素原子として100〜4000ppmの各化合物を含
む触媒の存在下、120〜240℃の温度で、分子状酸
素含有ガスにより液相酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はp−キシレンとp−トル
アルデヒドの混合物を原料とし、低級脂肪族モノカルボ
ン酸を溶媒として、重金属化合物及び臭素化合物の存在
下、分子状酸素含有ガスで酸化することによるテレフタ
ル酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも一個の脂肪族置換基を有する
芳香族化合物から、低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒と
して、マンガンを含む重金属化合物及び臭素化合物の存
在下に分子状酸素含有ガスにより液相酸化して対応する
芳香族カルボン酸を製造する方法としては、特公昭34
−2666号に臭素イオンの水素引抜き作用を応用して
脂肪族置換基を有する芳香族化合物から対応するカルボ
ン酸を一段の反応工程で製造する方法があり、この方法
はp−キシレンからのテレフタル酸製造法として工業化
され、多くの商業的規模のプラントで長年の実績を有し
ている。
【0003】一方、脂肪族置換基を有するp−キシレン
以外の芳香族化合物を原料とする方法としては、p−キ
シレンを酸化してテレフタル酸に転換する反応の中間体
であるp−トルアルデヒド、p−トルイル酸、4−カル
ボキシベンツアルデヒド(4CBA)が考えられるが、
p−トルアルデヒドはトルエンと一酸化炭素からHF・
BF3 を触媒に用いて製造する方法(特公昭39−29
760号)が工業化されており、公知のコバルト化合
物、マンガン化合物、臭素化合物および低級脂肪族モノ
カルボン酸からなる反応系に適用してp−トルアルデヒ
ドを酸化してテレフタル酸を半連続的ないし連続的な反
応方式で合成する方法が特公昭57ー44653号など
に記載されている。
【0004】p−トルアルデヒドはp−キシレンを原料
として酸化によりテレフタル酸を合成する場合の中間体
であるにもかかわらず、上記の特公昭57−44653
号の方法における連続的ないし連続的な反応方式では、
黒色化したテレフタル酸が得られることがあった。この
ような現象はp−キシレンの酸化によりテレフタル酸を
合成する場合には未だ観察されなかったことである。こ
の方法により得られた黒色のテレフタル酸をそのままで
グリコール類と反応させても商品としての価値を有する
ような白度、透明度を保持したポリエステルを得ること
ができない。また酢酸洗浄、酢酸または水からの再結
晶、特公昭41−16860号に開示された水素添加を
伴った熱水による再結晶等の公知の精製法によっても、
この黒色化したテレフタル酸は脱色されない。従ってp
−トルアルデヒドを原料とした場合、従来技術の方法で
は、p−キシレンから得られるテレフタル酸と同等の品
質を有するテレフタル酸を半連続的あるいは連続的な反
応方式では困難であった。
【0005】この黒色化の原因はマンガン酸化物がテレ
フタル酸結晶中に析出してくるためであり、テレフタル
酸中のマンガン化合物の混入の程度は反応媒体中の水分
濃度あるいはマンガン濃度に大きく依存する。この知見
に基づいてp−トルアルデヒドの酸化にあたっては、該
反応母液中の水分濃度を10%以下に抑えること(特公
昭57ー44653号)、該反応母液中のマンガン塩濃
度を40ppm以下に抑えること(特公昭57ー577
7号)などの方法によって白色度の高いテレフタル酸を
得る方法が提案されている。
【0006】また関連する特許としては、p−トルアル
デヒドを低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒として(I)
マンガン化合物、(II)コバルト化合物、(III)臭素化
合物および(IV)ランタニド系列に属する金属、の何れ
をも含有する触媒の存在下に分子状酸素含有ガスで液相
酸化する方法(特公昭56−28900号)、p−トル
アルデヒドを低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒として
(I)マンガン化合物、(II)コバルト化合物、(III)
臭素化合物及び(IV)鉄化合物、ニッケル化合物、クロ
ム化合物からなる群れから選ばれた少なくとも一種以上
の化合物を含有する触媒の存在下に分子状酸素含有ガス
で液相酸化する方法(特公昭56ー28899号)が提
案されている。
【0007】さらには特公昭56−28897号には、
p−トルアルデヒドを低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒
としてマンガン塩を含む重金属塩及び臭素化合物を触媒
として、分子状酸素含有ガスで液相にて酸化してテレフ
タル酸を得る方法において、反応母液中のマンガン原子
濃度をM(重量ppm)としてp−トルアルデヒドに対
するアルキルベンゼン(主としてp−キシレン)添加量
をA(重量%)としたとき、Aが0より大で50までの
範囲において、 M≦−0.15A2 +15A+40 の式を満足するに足る量のアルキルベンゼン(主として
p−キシレン)を原料のp−トルアルデヒドに添加して
酸化する方法が提案されている。
【0008】このようにしてp−トルアルデヒドを原料
として低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒として重金属化
合物及び臭素化合物の存在下、分子状酸素含有ガスで酸
化することによってテレフタル酸を製造する方法での反
応条件面での障害は克服されている。更に実際の製造操
作にあたっては、酸化反応器に導入されるまでの原料p
−トルアルデヒドと酸素との接触を遮断する必要性(特
公昭56−16133号)などの技術的なフォローも確
立され、p−トルアルデヒドを原料としたテレフタル酸
の製造法の工業的規模での実施が可能になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の如きp−トルア
ルデヒドを原料としてテレフタル酸を製造する方法は、
現在主流となっているp−キシレンを原料とする方法と
比較すると、混合キシレンからp−キシレンを分離する
という複雑な工程操作を経ることなくテレフタル酸を製
造できるのでその経済的な効果が大きい。またp−トル
アルデヒドがp−キシレンからテレフタル酸へ至る中間
体であることから、酸化段階での所要酸素量が少なくて
済むこと等も有利な点に数えることができる。低級脂肪
族モノカルボン酸を溶媒としてテレフタル酸を製造する
方法では、液相酸化において溶媒の一部も酸化されてし
まうことから、その損失量をできるだけ少なくすること
が要請されている。また最近テレフタル酸は更に高品質
のものが要求されるようになっており、p−キシレンお
よびp−トルアルデヒドを原料とするテレフタル酸の製
造法においてその対応が迫られている。本発明の目的
は、低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒とするテレフタル
酸の製造法において、その溶媒損失量をできるだけ少な
くし、且つ高品質のテレフタル酸を製造する方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を有するテレフタル酸の製造法について鋭意検討した結
果、原料のp−キシレンに特定量のp−トルアルデヒド
を混合して液相酸化反応を行うことにより、溶媒に使用
した低級脂肪族モノカルボン酸の酸化損失が低減するこ
とに加えて、得られたテレフタル酸の品質が向上するこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0011】即ち本発明は、p−トルアルデヒドを3〜
35重量%含むp−キシレンを原料とし、溶媒に低級脂
肪族モノカルボン酸を用い、溶媒に対しマンガン原子と
して50〜1000重量ppm、コバルト原子として5
0〜2000重量ppm、臭素原子として100〜40
00重量ppmの各化合物を含む触媒の存在下、120
〜240℃の温度で、分子状酸素含有ガスにより液相酸
化することを特徴とするテレフタル酸の製造方法であ
る。
【0012】本発明における触媒としてはマンガン、コ
バルトおよび臭素化合物が用いられる。マンガンおよび
コバルト金属塩としては無機酸塩、有機酸塩のいずれも
使用可能であり、反応溶媒に可溶な化合物として使用す
ることが望ましい。マンガン塩の量については充分な触
媒効果を得るためにはマンガン金属塩として計算して5
0重量ppm以上のマンガン濃度とするのが良いが、マ
ンガン濃度を1000重量ppmを越えてさらに高めて
ゆくと、黒化したテレフタル酸が生成する危険性が生じ
てくる。コバルト塩はコバルト原子として50〜200
0重量ppmの範囲が望ましい。臭素化合物としてはア
ンモニウム、ナトリウム、カリウム等の無機塩あるいは
臭化水素等が使用される。またテトラブロムエタン、テ
トラブロムpーキシレンなどの有機臭素化合物も使用も
できる。臭素化合物の使用量は臭素原子として溶媒に対
して100〜4000重量ppmの範囲で使用すること
が望ましい。
【0013】溶媒の低級脂肪族モノカルボン酸としては
酢酸、プロピオン酸、酪酸などが使用できるが、特に酢
酸が好ましい。溶媒の使用量は原料に対して重量比で2
倍以上あれば充分である。液相酸化の反応温度の範囲は
120〜240℃である。反応が液相において行われる
ために、原料および溶媒を液相に保つよう通常加圧する
必要があり、反応圧力としては1〜50気圧の範囲が用
いられる。酸化剤としては分子状酸素あるいは分子状酸
素含有ガスが使用されるが、空気を使用するのが経済的
に有利である。なお本発明における液相酸化反応は半連
続あるいは連続で行われるが、原料の供給速度、空気供
給速度、連続法の場合にはさらに反応液の反応槽中での
滞留時間等の反応条件はp−キシレンからテレフタル酸
を合成する場合の公知の技術範囲内とほぼ同様である。
【0014】本発明の目的である溶媒の酸化損失低減と
テレフタル酸の品質向上を得るために、原料のp−キシ
レンに対するp−トルアルデヒドの混合割合は3〜35
重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。後
の実施例および比較例で示すようにp−トルアルデヒド
の混合割合が上記範囲では溶媒の酸化損失が最も少なく
なる。また原料のp−キシレンに対してp−トルアルデ
ヒドを上記の如く添加することにより生成するテレフタ
ル酸の品質が改良される。なお本発明方法によって使用
するp−トルアルデヒドはHF・BF3 触媒によってト
ルエンと一酸化炭素とのガッターマンコッホ反応で合成
したものが好適に用いられるが、それ以外の製法による
ものであっても何等制約は受けない。HF・BF3 触媒
によって製造したp−トルアルデヒドはその反応の特性
からo−トルアルデヒドが約5%含まれるので、その異
性体混合物を蒸留または晶析によってo−異性体を除去
したp−トルアルデヒドが通常原料として使用される
が、場合によってはo−異性体を含むp−トルアルデヒ
ドをそのまま原料として使用することもできる。
【0015】テレフタル酸は通常、さらに水添精製工程
を経て高純度テレフタル酸とし、高純度テレフタル酸の
大部分は重縮合工程を経てポリエステルとして使用され
る。本発明の方法に従って製造されたテレフタル酸はポ
リエステルにした場合の白度が優れている点に特徴があ
る。後述する実施例と比較例からわかるように、原料の
p−キシレンにp−トルアルデヒドを混じてゆくと、精
製して得られる高純度テレフタル酸のOD340 は特に変
化が見られないが、高純度テレフタル酸とエチレングリ
コールを重縮合させたポリエステルの白度が向上する。
【0016】OD340 はテレフタル酸をアルカリに溶解
した溶液の340ナノメーターでの吸光度で表し、原料
テレフタル酸段階においてポリマー白度を推定する簡便
な指標として多用されているが、必ずしもポマー白度と
明確な関係があるとは言い難い。OD340 とポリマー白
度に関し、蓄積された多くの研究成果を概観してみる
と、特定された生産プラントと大枠で特定された操作条
件の範囲内ではOD340からポリマー白度を推定できる
が、特定されないプラントと特定されない操作条件のも
とでは必ずしも信頼できる指標ではない。これらの知見
を総合して判断すると、p−キシレンにp−トルアルデ
ヒドを混じてゆくと、明らかに質的に変化した反応が生
じていることがわかるが詳細な機構はわかっていない。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。但し本発明はこれらの実施例により制限される
ものではない。なお以下の実施例および比較例におい
て、p−トルアルデヒドはHF・BF3触媒によってト
ルエンと一酸化炭素とのガッターマンコッホ反応で合成
し、蒸留によってo−トルアルデヒドを除いたものを使
用した。p−トルアルデヒドの保存およびp−キシレン
との混合物の保存には酸素との接触を避けるために窒素
ガスでシールしながら使用した。また実施例および比較
例において酸化反応の進行程度をほぼ同じ水準に設定し
て比較することが必要であるので、p−キシレンのみを
原料とした比較例1で得られたテレフタル酸中の4CB
A濃度(820ppm)を酸化反応の進行程度の基準と
して、各実施例および比較例が同じ水準の4CBA濃度
を与えるよう主として反応温度で調整した。
【0018】更に以下の実施例および比較例において、
酢酸残存率は濾液(酸化母液)中の酢酸分をガスクロマ
トグラフィーで定量し、仕込み酢酸に対する残存酢酸の
百分率で示した。OD340 は3.2gの高純度テレフタ
ル酸を40mlの2規定水酸化カリウム水溶液に溶解
し、340ナノメーターでの吸光度で表した。対照は水
でセル長さは50mmである。またポリマーの黄色味を
表すCo-b 値は、東京電色(株)製オートマチックカラ
ーコンピューターTC−1500を用いて、チップ状の
ポリマーの色調を測定して求めた。
【0019】テレフタル酸の品質評価は次のようにして
行った。酸化反応で得られたテレフタル酸300gと純
水900gを2リットルのステンレス製耐圧容器に仕込
んだ。ステンレス製耐圧容器には攪拌装置と加熱装置お
よびガス導入口が付属されており、外部から上げ下ろし
を操作できる電磁式の触媒ケージが付けられている。触
媒ケージにはパラジウム/カーボン触媒を湿潤ベースで
16g充填した。充填した触媒は商業的規模の水添精製
装置で約1年間連続的に使用したものであり、薄いアン
モニア水で汚染物質を除去した後、よく水洗を行った。
触媒ケージをステンレス製耐圧容器の上部に吊り下げた
まま、ガス導入管から水素ガスを導入し、数回パージし
て系内をよく置換し10 kg/cm2 G の圧力まで水素ガス
を充填した。攪拌しながら昇温を開始し、温度が282
℃で安定したのを確認してから触媒ケージを下げて液中
に沈下させた。20分経過後に再び触媒ケージを上げて
から、降温した。ほぼ室温まで冷却した生成物スラリー
をガラスフィルターで濾過し、得られたケーキを約90
℃の純水で洗浄した後、110℃で乾燥して高純度テレ
フタル酸を取得した。得られた高純度テレフタル酸中の
OD340 を測定した。得られた高純度テレフタル酸10
0gとエチレングリコール82gを攪拌機、蒸留機、圧
力調整器を備えたステンレス製オートクレーブに仕込
み、さらに三酸化アンチモン0.05g、トリエチルア
ミン0.2gを加えた。窒素によりゲージ圧2.5 kg/
cm2 G に加圧し、230℃に加熱攪拌してエステル化反
応を行った。反応により生成する水は逐次除去しながら
2時間反応を継続した。続いて1時間で系の温度を27
5℃まで昇温し、この間に系の圧力を徐々に減じて0.
1mmHgとした。この条件下で、反応により生成する
エチレングリコールを逐次除去しながら、2時間重縮合
反応を行った。生成したポリマーを水中にストランド状
に取り出して冷却し、カッターでチップ状にカットし
た。このポリマーについて、黄色味を表すCo-b 値を測
定した。
【0020】実施例1 還流冷却器、撹拌装置および加熱装置を付属し、かつ原
料送入口、ガス導入口を有する内容積2リットルのチタ
ン製耐圧反応器に予め酢酸コバルト4水塩3.16g、
酢酸マンガン4水塩0.636g、臭化水素酸1.29
6gおよび酢酸840gを仕込んだ。これらは原子換算
でそれぞれ、コバルト890ppm、マンガン170p
pm、および臭素1200ppmに相当する。このよう
に触媒と酢酸を仕込んだ反応器に窒素を20 kg/cm2 G
に圧入したのち、加熱装置で200℃まで昇温した。次
いで温度200℃圧力20 kg/cm2 Gの条件下で空気を
吹き込みながらp−トルアルデヒド20重量%含有のp
−キシレン320gを連続的に一定速度で1時間供給し
て反応させた。原料の供給停止後も5分間空気を吹き込
んだ後、反応器を冷却して内容物を取り出した。1時間
の供給原料内訳はp−トルアルデヒド64g(0.53
2モル)、p−キシレン256g(2.411モル)で
あった。室温まで冷却した生成物スラリーをガラスフィ
ルターで濾過し、得られたケーキを酢酸および水で洗浄
した後、110℃で乾燥してテレフタル酸472.8g
(2.846モル)を取得した。得られたテレフタル酸
の原料に対するモル収率は96.7%、酢酸残存率は9
3.6%、得られたテレフタル酸中の4CBA濃度は7
80ppmであった。またテレフタル酸を精製した高純
度テレフタル酸のOD340 は0.098であり、ポリエ
ステルのCo-b 値は0.81であった。
【0021】実施例2 原料中のp−トルアルデヒドを10重量%とした他は実
施例1と同様の実験を行った。得られたテレフタル酸の
原料に対するモル収率は97.3%、酢酸残存率は9
1.8%、得られたテレフタル酸中の4CBA濃度は8
40ppmであった。またテレフタル酸を精製した高純
度テレフタル酸のOD340 は0.103であり、ポリエ
ステルのCo-b 値は0.83であった。
【0022】実施例3 原料中のp−トルアルデヒドを5重量%とし、反応温度
を205℃とした他は実施例1と同様とした。得られた
テレフタル酸の原料に対するモル収率は96.6%、酢
酸残存率は90.5%であった。またテレフタル酸を精
製した高純度テレフタル酸のOD340は0.096であ
り、ポリエステルのCo-b 値は0.91であった。
【0023】比較例1 p−トルアルデヒドの入っていないp−キシレンを原料
として、実施例1と同様の実験を行った。但し反応温度
は205℃とした。得られたテレフタル酸の原料に対す
るモル収率は96.1%、酢酸残存率は87.3%、得
られたテレフタル酸中の4CBA濃度は820ppmで
あった。またテレフタル酸を精製した高純度テレフタル
酸のOD340 は0.097であり、ポリエステルのCo-
b 値は1.08であった。
【0024】比較例2 原料中のp−トルアルデヒドを40重量%とし、反応温
度が195℃とした他は実施例1と同様とした。得られ
たテレフタル酸の原料に対するモル収率は97.6%、
酢酸残存率は88.8%、得られたテレフタル酸中の4
CBA濃度は790ppmであった。またテレフタル酸
を精製した高純度テレフタル酸のOD340 は0.100
であり、ポリエステルのCo-b 値は0.80であった。
【0025】比較例3 原料中のp−トルアルデヒドを60重量%とし、反応温
度を190℃とした他は実施例1と同様とした。得られ
たテレフタル酸の原料に対するモル収率は96.5%、
酢酸残存率は88.1%、得られたテレフタル酸中の4
CBA濃度は770ppmであった。またテレフタル酸
を精製した高純度テレフタル酸のOD340 は0.096
であり、ポリエステルのCo-b 値は0.82であった。
【0026】以上の各実施例と比較例の結果を表1に示
す。表中、pTALはp−トルアルデヒド、TAはテレ
フタル酸、4CBAは4−カルボキシベンツアルデヒ
ド、PTAは高純度テレフタル酸、PEはポリエステル
の略である。
【表1】 pTAL 反応 TA TA中の 酢酸 PTA中の PE中の 混合割合 温度 収率 4CBA 残存率 OD340 Co-b値 実施例1 20% 200℃ 96.7% 780ppm 93.6% 0.098 0.81 実施例2 10% 200℃ 97.3% 840ppm 91.8% 0.103 0.83 実施例3 5% 205℃ 96.6% 720ppm 90.5% 0.096 0.91 比較例1 0% 205℃ 96.1% 820ppm 87.3% 0.097 1.08 比較例2 40% 195℃ 97.6% 790ppm 88.8% 0.100 0.80 比較例3 60% 195℃ 96.5% 770ppm 88.1% 0.096 0.82
【0027】表1の結果から明確に分かる通り、p−キ
シレンにp−トルアルデヒドを混合した原料を使用する
と、酸化反応温度が低下する傾向が観察され、テレフタ
ル酸収率や得られたテレフタル酸中の4CBA濃度はお
おむね同水準であるのに対して、酢酸残存率が改善され
る。但し、p−トルアルデヒドの混合率が40%では酢
酸残存率の優位性が小さくなる(比較例2)。つまり酢
酸残存率の改善に対するp−トルアルデヒドの混合率に
極大点のあることが分かる。p−トルアルデヒドの混合
率が60%の実験結果(比較例3)ではp−キシレン単
独の原料(比較例1)と酢酸残存率の差が小さくなる。
一方、テレフタル酸を水添精製した高純度テレフタル酸
のOD340 の値は酸化原料にp−トルアルデヒドを混合
しても特に変化は見られなかった。しかしながら高純度
テレフタル酸をエチレングリコールと重縮合したポリエ
ステル色では、酸化原料にp−トルアルデヒドを混合す
るとCo-b 値が低下する傾向がはっきりと観察された。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法では、実施例は高い酢酸残
存率が得られていることから、溶媒の低級脂肪族モノカ
ルボン酸の損失量が少なく、高品質のテレフタル酸を工
業的に有利に製造できる。すなわち本発明の方法で得た
テレフタル酸を水添精製した高純度テレフタル酸からは
白色度の高い高品質のポリエステルを製造することがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 稲荷 雅人 岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三 菱瓦斯化学株式会社水島工場内 (72)発明者 在間 文哉 岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三 菱瓦斯化学株式会社水島工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p−トルアルデヒドを3〜35重量%含
    むp−キシレンを原料とし、溶媒に低級脂肪族モノカル
    ボン酸を用い、溶媒に対しマンガン原子として50〜1
    000重量ppm、コバルト原子として50〜2000
    重量ppm、臭素原子として100〜4000重量pp
    mの各化合物を含む触媒の存在下、120〜240℃の
    温度で、分子状酸素含有ガスにより液相酸化することを
    特徴とするテレフタル酸の製造方法。
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