JPH08339720A - 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法 - Google Patents
架橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法Info
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- JPH08339720A JPH08339720A JP7144969A JP14496995A JPH08339720A JP H08339720 A JPH08339720 A JP H08339720A JP 7144969 A JP7144969 A JP 7144969A JP 14496995 A JP14496995 A JP 14496995A JP H08339720 A JPH08339720 A JP H08339720A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Insulated Conductors (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルにおいて、絶
縁体3中の架橋剤分解残渣に起因する加熱時の水の発生
を抑制し、ケーブルの特性劣化を防止する。 【構成】 絶縁体3中の酸素濃度を0.5容量%以下と
し、この絶縁体3を酸素バリアー性合成樹脂膜5で被覆
する。
縁体3中の架橋剤分解残渣に起因する加熱時の水の発生
を抑制し、ケーブルの特性劣化を防止する。 【構成】 絶縁体3中の酸素濃度を0.5容量%以下と
し、この絶縁体3を酸素バリアー性合成樹脂膜5で被覆
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリエチレン絶縁ケ
ーブルとその製法に関するものであり、特に架橋ポリエ
チレン絶縁ケーブルの絶縁体中の架橋剤分解残渣に起因
する加熱時の水の発生が抑制され、架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルの特性劣化が長期にわたって防止された架橋
ポリエチレン絶縁ケーブルおよびその製法に関する。
ーブルとその製法に関するものであり、特に架橋ポリエ
チレン絶縁ケーブルの絶縁体中の架橋剤分解残渣に起因
する加熱時の水の発生が抑制され、架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルの特性劣化が長期にわたって防止された架橋
ポリエチレン絶縁ケーブルおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では電線またはケーブルとして、架
橋ポリエチレンの絶縁層を有するものが多用されてい
る。この架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(以下、単に
「ケーブル」という)は普通、絶縁体であるポリエチレ
ンがジクミルパーオキサイド(以下、「DCP」とい
う)を架橋剤として架橋され、耐熱性が与えられてなる
ものであり、従来の絶縁油充填ケーブルなどと比べ、メ
ンテナンスフリー性に優れていることが利点の一つとさ
れている。しかしこのケーブルは、布設に先立つ作業中
などで例えば100℃以上程度に加熱されると絶縁体の
内部に水が発生し、水トリーを誘発するなどの不都合な
現象が起こる。
橋ポリエチレンの絶縁層を有するものが多用されてい
る。この架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(以下、単に
「ケーブル」という)は普通、絶縁体であるポリエチレ
ンがジクミルパーオキサイド(以下、「DCP」とい
う)を架橋剤として架橋され、耐熱性が与えられてなる
ものであり、従来の絶縁油充填ケーブルなどと比べ、メ
ンテナンスフリー性に優れていることが利点の一つとさ
れている。しかしこのケーブルは、布設に先立つ作業中
などで例えば100℃以上程度に加熱されると絶縁体の
内部に水が発生し、水トリーを誘発するなどの不都合な
現象が起こる。
【0003】例えば、布設に先立ってケーブルの巻き癖
を除去する際、癖取りと称してケーブルを機械的に直線
化した後、ヒータなどで加熱してアニーリングを行う。
この作業中に絶縁体中に水が発生する場合がある。ま
た、ケーブルを接続する際、インジェクションモールド
ジョイント(EMJ)と称する方法が行われている。こ
れは、架橋性ポリエチレンコンパウンドを露出した導体
接続部の周囲に押出し、金型内で加熱して架橋絶縁体被
覆を形成する方法であるが、この場合、接続部近傍の絶
縁体に熱が加えられるので水が発生する。これらの場合
に、水の発生を防止するため、従来はできるだけ低温度
で長時間かけてアニーリングや加熱を行うなどの注意が
必要で、これが作業能率を著しく低下させていた。
を除去する際、癖取りと称してケーブルを機械的に直線
化した後、ヒータなどで加熱してアニーリングを行う。
この作業中に絶縁体中に水が発生する場合がある。ま
た、ケーブルを接続する際、インジェクションモールド
ジョイント(EMJ)と称する方法が行われている。こ
れは、架橋性ポリエチレンコンパウンドを露出した導体
接続部の周囲に押出し、金型内で加熱して架橋絶縁体被
覆を形成する方法であるが、この場合、接続部近傍の絶
縁体に熱が加えられるので水が発生する。これらの場合
に、水の発生を防止するため、従来はできるだけ低温度
で長時間かけてアニーリングや加熱を行うなどの注意が
必要で、これが作業能率を著しく低下させていた。
【0004】そこで、この水の発生原因が探求された。
その結果、架橋ポリエチレン中に発生する水は、DCP
が分解して生成するものであることがわかった。すなわ
ち、架橋に際してDCPは下式(I)に従って分解し、
アセトフェノン、メタン、クミルアルコールなどを副生
する。
その結果、架橋ポリエチレン中に発生する水は、DCP
が分解して生成するものであることがわかった。すなわ
ち、架橋に際してDCPは下式(I)に従って分解し、
アセトフェノン、メタン、クミルアルコールなどを副生
する。
【0005】
【化1】
【0006】副生したクミルアルコールは、加熱される
と下式(II)に示すような分解反応(以下、「二次分
解反応」という)を起こし、α−メチルスチレンと水と
を生成する。
と下式(II)に示すような分解反応(以下、「二次分
解反応」という)を起こし、α−メチルスチレンと水と
を生成する。
【0007】
【化2】
【0008】この水を除去するために、例えば、特開平
4−342731号公報は、クミルアルコールの二次分
解反応(II)が抑制される75℃以下の温度に加熱し
て、予め絶縁体中の水分含有量を低減しておき、あらた
めて85〜95℃に加熱して二次分解反応を徐々に起こ
させて発生した水を絶縁体を通して蒸発させる方法を提
案している。この方法は、水が一時に多量に発生してボ
イドや水トリーができることを抑える効果はあるもの
の、徐々に水を発散させるために長時間の乾燥時間を要
し、生産効率が悪い。また、特開平4−355013
は、架橋した絶縁体を加熱乾燥することによって、水生
成の原因物質であるクミルアルコールを揮散除去する方
法を提案している。しかしこの方法も、クミルアルコー
ルや生成した水を除去するため長時間の付加的な加熱乾
燥工程が必要になるので、同様に生産効率が悪い。
4−342731号公報は、クミルアルコールの二次分
解反応(II)が抑制される75℃以下の温度に加熱し
て、予め絶縁体中の水分含有量を低減しておき、あらた
めて85〜95℃に加熱して二次分解反応を徐々に起こ
させて発生した水を絶縁体を通して蒸発させる方法を提
案している。この方法は、水が一時に多量に発生してボ
イドや水トリーができることを抑える効果はあるもの
の、徐々に水を発散させるために長時間の乾燥時間を要
し、生産効率が悪い。また、特開平4−355013
は、架橋した絶縁体を加熱乾燥することによって、水生
成の原因物質であるクミルアルコールを揮散除去する方
法を提案している。しかしこの方法も、クミルアルコー
ルや生成した水を除去するため長時間の付加的な加熱乾
燥工程が必要になるので、同様に生産効率が悪い。
【0009】クミルアルコールや生成水を加熱によって
除去する方法以外に、例えば老化防止剤として絶縁体中
に脂肪族アミン、またはイソシアン酸エステルを添加し
て上記の二次分解反応(II)を抑制する方法も提案さ
れている(それぞれ特開平1−243306号公報、特
開昭63−289715号公報参照)。しかし、これら
の老化防止剤は、ブルーミングにより層間剥離や汚染な
どを起こす可能性があり、またマイグレーションなどに
よって比較的速やかに失効する場合もある。いずれにせ
よ、これらを多量に混入することは、ケーブルの絶縁特
性上好ましくない。
除去する方法以外に、例えば老化防止剤として絶縁体中
に脂肪族アミン、またはイソシアン酸エステルを添加し
て上記の二次分解反応(II)を抑制する方法も提案さ
れている(それぞれ特開平1−243306号公報、特
開昭63−289715号公報参照)。しかし、これら
の老化防止剤は、ブルーミングにより層間剥離や汚染な
どを起こす可能性があり、またマイグレーションなどに
よって比較的速やかに失効する場合もある。いずれにせ
よ、これらを多量に混入することは、ケーブルの絶縁特
性上好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題について研
究の結果、本発明者らは先に、クミルアルコールの熱分
解に絶縁体中の酸素濃度が関与していることを見いだ
し、絶縁体中の酸素濃度を0.5容量%以下とした架橋
ポリエチレン絶縁ケーブルを提案した(特願平5−29
1048号)。このケーブルは、加熱による水の発生が
良好に抑制されるものではあるが、元来ポリエチレンは
酸素透過性が高いので、架橋直後から布設するまでの
間、ケーブルの保管または加工作業の一部もしくは全部
を酸素分圧80mmHg以下の貧酸素雰囲気中に保持す
る必要があった。これは実際上、定期的な雰囲気ガスの
成分検査やガスの交換などが必要となるため煩雑であ
り、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルのメンテナンスフリ
ー性が、この観点では損なわれていた。従って、本発明
は、製造後に貧酸素雰囲気中に保管する必要なしに、絶
縁体中の酸素濃度を常に0.5容量%以下に保ち、これ
によって加熱時の水の発生を長期にわたって抑制する架
橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法の提供を目的と
する。
究の結果、本発明者らは先に、クミルアルコールの熱分
解に絶縁体中の酸素濃度が関与していることを見いだ
し、絶縁体中の酸素濃度を0.5容量%以下とした架橋
ポリエチレン絶縁ケーブルを提案した(特願平5−29
1048号)。このケーブルは、加熱による水の発生が
良好に抑制されるものではあるが、元来ポリエチレンは
酸素透過性が高いので、架橋直後から布設するまでの
間、ケーブルの保管または加工作業の一部もしくは全部
を酸素分圧80mmHg以下の貧酸素雰囲気中に保持す
る必要があった。これは実際上、定期的な雰囲気ガスの
成分検査やガスの交換などが必要となるため煩雑であ
り、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルのメンテナンスフリ
ー性が、この観点では損なわれていた。従って、本発明
は、製造後に貧酸素雰囲気中に保管する必要なしに、絶
縁体中の酸素濃度を常に0.5容量%以下に保ち、これ
によって加熱時の水の発生を長期にわたって抑制する架
橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法の提供を目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、絶縁体中
の酸素濃度が0.5容量%以下であり、かつこの絶縁体
が酸素バリアー性合成樹脂膜で被覆されたケーブルを提
供することによって解決できる。この酸素バリアー性合
成樹脂膜(以下、「バリアー膜」という)は、基本的に
は架橋ポリエチレンより酸素透過率が小さいものであれ
ばよいが、特に、塩化ビニリデンまたは(メタ)アクリ
ロニトリルを主成分とする単独重合体または共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテ
レフタレート、およびナイロン−6からなる群から選ば
れた合成樹脂の組成物からなることが好ましい。また、
このバリアー膜の厚みは0.03mm以上1mm以下で
あることが好ましい。
の酸素濃度が0.5容量%以下であり、かつこの絶縁体
が酸素バリアー性合成樹脂膜で被覆されたケーブルを提
供することによって解決できる。この酸素バリアー性合
成樹脂膜(以下、「バリアー膜」という)は、基本的に
は架橋ポリエチレンより酸素透過率が小さいものであれ
ばよいが、特に、塩化ビニリデンまたは(メタ)アクリ
ロニトリルを主成分とする単独重合体または共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテ
レフタレート、およびナイロン−6からなる群から選ば
れた合成樹脂の組成物からなることが好ましい。また、
このバリアー膜の厚みは0.03mm以上1mm以下で
あることが好ましい。
【0012】本発明はまた、上記のケーブルを製造する
に際して、架橋後の絶縁体を酸素分圧80mmHg以下
の貧酸素雰囲気中に保持してその酸素濃度を0.5容量
%以下とし、次いでこの絶縁体を酸素バリアー膜で被覆
する製法を提供する。特に、ケーブルの製造過程におい
て、式(I)に従うDCPの分解によって生じるメタン
を加熱によって乾燥除去するメタン乾燥工程を、酸素分
圧80mmHg以下の貧酸素雰囲気にもたらし、メタン
の除去と脱酸素とを同時に行うことが好ましい。
に際して、架橋後の絶縁体を酸素分圧80mmHg以下
の貧酸素雰囲気中に保持してその酸素濃度を0.5容量
%以下とし、次いでこの絶縁体を酸素バリアー膜で被覆
する製法を提供する。特に、ケーブルの製造過程におい
て、式(I)に従うDCPの分解によって生じるメタン
を加熱によって乾燥除去するメタン乾燥工程を、酸素分
圧80mmHg以下の貧酸素雰囲気にもたらし、メタン
の除去と脱酸素とを同時に行うことが好ましい。
【0013】
【作用】絶縁体中の酸素濃度が0.5容量%以下に抑制
され、しかもバリアー膜によって外部からの酸素の侵入
が阻止されているので、この架橋ポリエチレン絶縁ケー
ブルは、製造後に加熱されても絶縁体中に水が発生しな
い。
され、しかもバリアー膜によって外部からの酸素の侵入
が阻止されているので、この架橋ポリエチレン絶縁ケー
ブルは、製造後に加熱されても絶縁体中に水が発生しな
い。
【0014】以下、本発明を実施例によって更に詳しく
説明する。図1は、本発明の一実施例であるケーブルを
示している。このケーブルは、導体1の上に順次、内部
半導電層2、絶縁体3、外部半導電層4、バリアー膜5
が形成されてなっている。この絶縁体3はDCPで架橋
されたポリエチレンからなり、酸素濃度が0.5容量%
以下とされている。バリアー膜5は、厚みが0.5mm
の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体から形成されて
いる。
説明する。図1は、本発明の一実施例であるケーブルを
示している。このケーブルは、導体1の上に順次、内部
半導電層2、絶縁体3、外部半導電層4、バリアー膜5
が形成されてなっている。この絶縁体3はDCPで架橋
されたポリエチレンからなり、酸素濃度が0.5容量%
以下とされている。バリアー膜5は、厚みが0.5mm
の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体から形成されて
いる。
【0015】この実施例のケーブルは、絶縁体3の酸素
濃度が0.5容量%以下とされ、しかもこれがバリアー
膜5で被覆されて、外部からの酸素の侵入が阻止されて
いるので、長期間保存後に、例えば布設時の巻き癖取り
などで加熱されることがあっても、絶縁体3中に水が発
生することがない。
濃度が0.5容量%以下とされ、しかもこれがバリアー
膜5で被覆されて、外部からの酸素の侵入が阻止されて
いるので、長期間保存後に、例えば布設時の巻き癖取り
などで加熱されることがあっても、絶縁体3中に水が発
生することがない。
【0016】このケーブルは、以下の方法で製造するこ
とができる。導体1上に内部半導電層2、絶縁体3、外
部半導電層4を三層同時押出しにより形成し、次いで酸
素分圧を80mmHg以下の貧酸素雰囲気としたメタン
乾燥炉中で加熱して、発生したメタンを放散させると共
に絶縁体中の酸素を0.5容量%以下となるまで排除
し、次にこの上にバリアー膜5として、塩化ビニリデン
・塩化ビニル共重合体を厚みが0.5mmとなるように
押出して実施例のケーブルを得た。このケーブルはバリ
アー膜5上に、更に常法により遮閉層、ゴム引きテープ
層、シースなどを形成することができる。
とができる。導体1上に内部半導電層2、絶縁体3、外
部半導電層4を三層同時押出しにより形成し、次いで酸
素分圧を80mmHg以下の貧酸素雰囲気としたメタン
乾燥炉中で加熱して、発生したメタンを放散させると共
に絶縁体中の酸素を0.5容量%以下となるまで排除
し、次にこの上にバリアー膜5として、塩化ビニリデン
・塩化ビニル共重合体を厚みが0.5mmとなるように
押出して実施例のケーブルを得た。このケーブルはバリ
アー膜5上に、更に常法により遮閉層、ゴム引きテープ
層、シースなどを形成することができる。
【0017】一般に、架橋ポリエチレン絶縁ケーブル
は、DCP含有ポリエチレンを押出した後、水蒸気、窒
素ガス、シリコーンオイルなどの雰囲気中で架橋される
ので、この状態では絶縁体中に酸素はほとんど存在しな
い。しかし、この絶縁体は架橋後に空気中の酸素を吸収
して酸素濃度が次第に高くなる。例えば、上記のメタン
除去工程では、架橋後のケーブルが40〜90℃に1日
〜1月程度加熱される。これを大気中で行えば、この間
に絶縁体中の酸素濃度は0.5容量%を越える。これ
は、例えば25℃の大気圧下における酸素濃度の平衡値
が絶縁体の容積当り約1容量%であることからも明かで
ある。そこで、このメタン除去工程が、酸素分圧80m
mHg以下の貧酸素雰囲気下で行われる。
は、DCP含有ポリエチレンを押出した後、水蒸気、窒
素ガス、シリコーンオイルなどの雰囲気中で架橋される
ので、この状態では絶縁体中に酸素はほとんど存在しな
い。しかし、この絶縁体は架橋後に空気中の酸素を吸収
して酸素濃度が次第に高くなる。例えば、上記のメタン
除去工程では、架橋後のケーブルが40〜90℃に1日
〜1月程度加熱される。これを大気中で行えば、この間
に絶縁体中の酸素濃度は0.5容量%を越える。これ
は、例えば25℃の大気圧下における酸素濃度の平衡値
が絶縁体の容積当り約1容量%であることからも明かで
ある。そこで、このメタン除去工程が、酸素分圧80m
mHg以下の貧酸素雰囲気下で行われる。
【0018】酸素の分圧を80mmHg以下にするに
は、雰囲気を減圧にする方法と、不活性ガスで希釈する
方法とがある。このいずれも採用できるし、またこれら
の方法を組合せることもできる。いずれの場合において
も、大気圧下の酸素分圧は約160mmHgであるか
ら、この酸素分圧を約半分以下にすれば目的は達成され
る。特にメタン乾燥工程では、雰囲気を減圧に保ちなが
ら、不活性ガスを流通させれば、メタンと酸素の除去が
共に促進されるので、工程が大幅に効率化される。
は、雰囲気を減圧にする方法と、不活性ガスで希釈する
方法とがある。このいずれも採用できるし、またこれら
の方法を組合せることもできる。いずれの場合において
も、大気圧下の酸素分圧は約160mmHgであるか
ら、この酸素分圧を約半分以下にすれば目的は達成され
る。特にメタン乾燥工程では、雰囲気を減圧に保ちなが
ら、不活性ガスを流通させれば、メタンと酸素の除去が
共に促進されるので、工程が大幅に効率化される。
【0019】この不活性ガスは、酸素以外の非腐食性ガ
スであれば特に限定されるものではなく、例えばN2、
SF6、He、CO2などを用いることができる。この
内、不活性ガスとして例えばSF6を用いれば、酸素の
除去ばかりでなく、絶縁体の耐圧性を向上させるなどの
効果もある。一般には入手の容易さからN2ガスを用い
ることが好ましい。
スであれば特に限定されるものではなく、例えばN2、
SF6、He、CO2などを用いることができる。この
内、不活性ガスとして例えばSF6を用いれば、酸素の
除去ばかりでなく、絶縁体の耐圧性を向上させるなどの
効果もある。一般には入手の容易さからN2ガスを用い
ることが好ましい。
【0020】上記により酸素濃度が0.5容量%以下と
なった時点で外部半導電層4の上にバリアー膜5を被覆
する。実施例のバリアー膜5は外部半導電層4の上に直
接施されているが、これに限定されるものではなく、外
部半導電層4とバリアー膜5との間に他の層が介在して
いてもよい。このバリアー膜5は、外部半導電層4より
酸素透過率が小さいものであればいずれの合成樹脂から
なっていていてもよい。しかし、膜厚を過度に厚くせず
に酸素バリアー効果を高めようとすれば、酸素透過率
(30℃)が0.1×10-10cm3(STP)・cm・
cm-2・s-1・kPa-1以下である合成樹脂組成物を用
いて形成することが好ましい。
なった時点で外部半導電層4の上にバリアー膜5を被覆
する。実施例のバリアー膜5は外部半導電層4の上に直
接施されているが、これに限定されるものではなく、外
部半導電層4とバリアー膜5との間に他の層が介在して
いてもよい。このバリアー膜5は、外部半導電層4より
酸素透過率が小さいものであればいずれの合成樹脂から
なっていていてもよい。しかし、膜厚を過度に厚くせず
に酸素バリアー効果を高めようとすれば、酸素透過率
(30℃)が0.1×10-10cm3(STP)・cm・
cm-2・s-1・kPa-1以下である合成樹脂組成物を用
いて形成することが好ましい。
【0021】この合成樹脂組成物の例としては、例えば
塩化ビニリデンまたは(メタ)アクリロニトリルを主成
分とする単独重合体または共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、お
よびナイロン−6などの組成物を挙げることができる。
この合成樹脂組成物は酸素バリアー性その他の特性を著
しく損なわない範囲で上記以外の合成樹脂、可塑剤、充
填材などを含んでいてもよい。
塩化ビニリデンまたは(メタ)アクリロニトリルを主成
分とする単独重合体または共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、お
よびナイロン−6などの組成物を挙げることができる。
この合成樹脂組成物は酸素バリアー性その他の特性を著
しく損なわない範囲で上記以外の合成樹脂、可塑剤、充
填材などを含んでいてもよい。
【0022】バリアー膜の厚みは、要は絶縁体中の酸素
濃度がケーブルの保存期間中0.5容量%以下に維持さ
れればよいので、その材質(酸素透過率)、使用環境条
件、製膜の難易などと係わって、特に限定されるもので
はないが、一般には0.03mm以上1mm以下である
ことが好ましい。厚みが0.03mm未満では押出しに
よる均一な製膜が困難であり、また膜強度も不十分とな
る。1mmを越えるとケーブル径が増大し、また過剰品
質となる。
濃度がケーブルの保存期間中0.5容量%以下に維持さ
れればよいので、その材質(酸素透過率)、使用環境条
件、製膜の難易などと係わって、特に限定されるもので
はないが、一般には0.03mm以上1mm以下である
ことが好ましい。厚みが0.03mm未満では押出しに
よる均一な製膜が困難であり、また膜強度も不十分とな
る。1mmを越えるとケーブル径が増大し、また過剰品
質となる。
【0023】
(実施例1)直径60mmの導体上に、DCPを2PH
R含有するポリエチレンを押出し、乾式架橋して厚み2
5mmの架橋ポリエチレン絶縁体を形成し、ケーブル本
体とした。次いで、これを1気圧の窒素雰囲気(酸素分
圧80mmHg以下)に保ったメタン乾燥炉中でメタン
乾燥した。メタン乾燥は80℃で10日間行った。メタ
ン乾燥後、ケーブル本体上に塩化ビニリデン・塩化ビニ
ル共重合樹脂を0.5mm厚に押出してバリアー膜を形
成し、実施例1のケーブルとした。用いた塩化ビニリデ
ン・塩化ビニル共重合樹脂は塩化ビニリデン:塩化ビニ
ルのモル比が70:30のもので、その酸素透過率(3
0℃)は0.008×10-10cm3(STP)・cm・
cm-2・s-1・kPa-1であった。
R含有するポリエチレンを押出し、乾式架橋して厚み2
5mmの架橋ポリエチレン絶縁体を形成し、ケーブル本
体とした。次いで、これを1気圧の窒素雰囲気(酸素分
圧80mmHg以下)に保ったメタン乾燥炉中でメタン
乾燥した。メタン乾燥は80℃で10日間行った。メタ
ン乾燥後、ケーブル本体上に塩化ビニリデン・塩化ビニ
ル共重合樹脂を0.5mm厚に押出してバリアー膜を形
成し、実施例1のケーブルとした。用いた塩化ビニリデ
ン・塩化ビニル共重合樹脂は塩化ビニリデン:塩化ビニ
ルのモル比が70:30のもので、その酸素透過率(3
0℃)は0.008×10-10cm3(STP)・cm・
cm-2・s-1・kPa-1であった。
【0024】(比較例)実施例1と同様にしてケーブル
本体を作製し、ただし窒素雰囲気下のメタン乾燥後にバ
リアー膜を施さないで比較例のケーブルとした。
本体を作製し、ただし窒素雰囲気下のメタン乾燥後にバ
リアー膜を施さないで比較例のケーブルとした。
【0025】上記実施例1および比較例のケーブルにつ
いて、架橋剤の二次分解による水の発生試験を行った。
実施例1のケーブルは、大気中で70℃に3日間保持
し、次いでこのケーブルにアルミニウムテープを巻いて
水の蒸散を防いだ上で、エアオーブン中120℃に10
時間加熱した。この絶縁体中の発生水分量をカールフィ
ッシャー法により測定した。比較例は試料を2分し、一
方(比較試料1)は大気中で70℃に3日間保持し、他
方(比較試料2)は窒素中で70℃に3日間保持し、次
いでそれぞれ実施例と同様にアルミニウムテープを巻い
て加熱し、この絶縁体中の発生水分量を測定した。上記
の結果を表1に示す。
いて、架橋剤の二次分解による水の発生試験を行った。
実施例1のケーブルは、大気中で70℃に3日間保持
し、次いでこのケーブルにアルミニウムテープを巻いて
水の蒸散を防いだ上で、エアオーブン中120℃に10
時間加熱した。この絶縁体中の発生水分量をカールフィ
ッシャー法により測定した。比較例は試料を2分し、一
方(比較試料1)は大気中で70℃に3日間保持し、他
方(比較試料2)は窒素中で70℃に3日間保持し、次
いでそれぞれ実施例と同様にアルミニウムテープを巻い
て加熱し、この絶縁体中の発生水分量を測定した。上記
の結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1において、比較試料1は、絶縁体中の
初期の酸素濃度は低かったものの、バリアー膜がないた
めに、大気中で70℃に保持される間に酸素が侵入し、
加熱によってクミルアルコールが分解して水が発生し
た。比較試料2は窒素中に保持されて酸素が侵入しなか
ったので、加熱しても水の発生量は比較的少なかった。
これに対して実施例1のケーブルは、比較試料1と同様
に大気中で70℃に3日間保持されたにも係わらず、絶
縁体中の初期酸素濃度が低く、かつバリアー膜により外
部からの酸素の侵入が阻止されたために、加熱しても水
の発生がきわめて少なかった。
初期の酸素濃度は低かったものの、バリアー膜がないた
めに、大気中で70℃に保持される間に酸素が侵入し、
加熱によってクミルアルコールが分解して水が発生し
た。比較試料2は窒素中に保持されて酸素が侵入しなか
ったので、加熱しても水の発生量は比較的少なかった。
これに対して実施例1のケーブルは、比較試料1と同様
に大気中で70℃に3日間保持されたにも係わらず、絶
縁体中の初期酸素濃度が低く、かつバリアー膜により外
部からの酸素の侵入が阻止されたために、加熱しても水
の発生がきわめて少なかった。
【0028】(実施例2〜実施例5)実施例1と同様に
ケーブル本体を作製し、1気圧の窒素雰囲気(酸素分圧
80mmHg以下)中でメタン乾燥した後に、下記の各
合成樹脂組成物を押出してバリアー膜を形成し、それぞ
れの実施例とした。各合成樹脂組成物の酸素透過率(3
0℃)(cm3(STP)・cm・cm-2・s-1・kP
a-1)と厚み(mm)を以下に示す。
ケーブル本体を作製し、1気圧の窒素雰囲気(酸素分圧
80mmHg以下)中でメタン乾燥した後に、下記の各
合成樹脂組成物を押出してバリアー膜を形成し、それぞ
れの実施例とした。各合成樹脂組成物の酸素透過率(3
0℃)(cm3(STP)・cm・cm-2・s-1・kP
a-1)と厚み(mm)を以下に示す。
【0029】 合成樹脂組成物 酸素透過率×10-10 厚みmm 実施例2 ポリエチレンテレフタレート 0.045 0.5 実施例3 エチレン44/ヒ゛ニルアルコール56共重合体 0.0003 0.1 実施例4 ナイロン−6 0.051 0.5 実施例5 ロパック(a) 0.0047 0.2(a) 米国モンサント社製アクリロニトリル共重合体
【0030】各実施例のケーブルを、実施例1の場合と
同様に大気中で70℃に3日間保持し、次いでこのケー
ブルにアルミニウムテープを巻いて水の蒸散を防いだ上
で、エアオーブン中120℃に10時間加熱した。この
絶縁体中の発生水分量をカ−ルフィッシャー法により測
定した。結果を表2に示す。
同様に大気中で70℃に3日間保持し、次いでこのケー
ブルにアルミニウムテープを巻いて水の蒸散を防いだ上
で、エアオーブン中120℃に10時間加熱した。この
絶縁体中の発生水分量をカ−ルフィッシャー法により測
定した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から、実施例2〜実施例5の各
バリアー膜がそれぞれ酸素の侵入を阻止し、加熱時の水
の発生を防いだことは明かである。
バリアー膜がそれぞれ酸素の侵入を阻止し、加熱時の水
の発生を防いだことは明かである。
【0033】
【発明の効果】本発明の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル
は、絶縁体中の酸素濃度が0.5容量%以下とされ、か
つこの絶縁体がバリアー膜で被覆されたものであるの
で、大気中で加熱されても絶縁体中に水が発生すること
がなく、メンテナンスフリー性と耐久性とに優れたケー
ブルが得られる。
は、絶縁体中の酸素濃度が0.5容量%以下とされ、か
つこの絶縁体がバリアー膜で被覆されたものであるの
で、大気中で加熱されても絶縁体中に水が発生すること
がなく、メンテナンスフリー性と耐久性とに優れたケー
ブルが得られる。
【図1】 本発明の一実施例を示す断面図。
3…架橋ポリエチレン絶縁体、5…酸素バリアー性合成
樹脂膜。
樹脂膜。
Claims (3)
- 【請求項1】 架橋ポリエチレン絶縁体中の酸素濃度を
0.5容量%以下とし、かつこの架橋ポリエチレン絶縁
体を酸素バリアー性合成樹脂膜で被覆した架橋ポリエチ
レン絶縁ケーブル。 - 【請求項2】 酸素バリアー性合成樹脂膜が、塩化ビニ
リデンまたは(メタ)アクリロニトリルを主成分とする
単独重合体または共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、およびナイ
ロン−6からなる群から選ばれた合成樹脂の組成物から
なる請求項1記載の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル。 - 【請求項3】 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを製造す
るに際して、架橋後のポリエチレン絶縁体を、酸素分圧
80mmHg以下の貧酸素雰囲気中に保持してその酸素
濃度を0.5容量%以下とし、次いでこの架橋ポリエチ
レン絶縁体を酸素バリアー性合成樹脂膜で被覆する架橋
ポリエチレン絶縁ケーブルの製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7144969A JPH08339720A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7144969A JPH08339720A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08339720A true JPH08339720A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15374414
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7144969A Pending JPH08339720A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルとその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08339720A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110085359A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-08-02 | 浙江中大元通特种电缆有限公司 | 隔氧层电缆 |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP7144969A patent/JPH08339720A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110085359A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-08-02 | 浙江中大元通特种电缆有限公司 | 隔氧层电缆 |
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