JPH0841230A - 耐擦傷性と耐久性に優れた反射防止フィルム - Google Patents

耐擦傷性と耐久性に優れた反射防止フィルム

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JPH0841230A
JPH0841230A JP6200205A JP20020594A JPH0841230A JP H0841230 A JPH0841230 A JP H0841230A JP 6200205 A JP6200205 A JP 6200205A JP 20020594 A JP20020594 A JP 20020594A JP H0841230 A JPH0841230 A JP H0841230A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射防止機能、耐久性、耐擦傷性、生産性に
優れた、低コスト反射防止フィルムを提供する。 【構成】 プラスチックフィルムの少なくとも片面に硬
化型樹脂膜を形成させた後に、プラズマ処理により表面
水接触角が30度以下の表面張力を付与させ、次いで屈
折率が1.36〜1.40のMgF2 膜を形成したた。 【効果】 反射防止機能の役目を充分にはたし、かつ耐
久性、耐擦傷性に優れているため画面への使用も可能で
ある。さらには、MgF2 蒸着膜が1層であるために生
産性、コスト面に優れ、その産業上の効果は極めて大き
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に耐擦傷性と耐久性
が改良されたMgF2 系の反射防止フィルムであって、
液晶表示装置、眼鏡用、レンズ用、カメラ用レンズ、C
RT用フィルター等の用途に用いられる反射防止フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に液晶材料の発展はめざましい
ものがあり、種々様々な所に使用されるようになってき
た。例えば、今まで屋内用に用いられていた液晶表示装
置だけではなく、屋外にも使用されるようになってくる
と、該プラスチック表面と空気層との界面で生じる反射
光が非常に問題となり画面を見難いものとしていた。
【0003】このような問題を解決するために反射防止
膜を形成すれば、これらの要求を満足させられる。その
方法として単層反射防止膜があり、基材より低屈折率の
物質を、光学的厚みが光波長の1/4波長またはその奇
数倍になるように選択すれば最小の反射率が得られる。
低屈折率物質の選択方法に付いては、 n0 =n1 1/2 ここで n1 は、無反射物質の屈折率 n0 は、基材の屈折率 上記の式を満足するような材質であれば、光線の反射は
最小となることが知られている。
【0004】この他に、多層反射防止膜があり、例えば
プラスチッフィルム/SiO2 膜/TiO2 膜/SiO
2 膜の構成の様に、高屈折率と低屈折率の物質を交互に
積層する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層反
射防止膜では、製造工程が複雑であり、実用上連続で生
産することは非常に困難であり、またコストも非常に高
いものとなる。また単層反射防止膜としてはSiO2
やMgF2 膜を被覆することが一般的であるが、SiO
2 膜では反射防止効果としては不十分であり、MgF2
膜では反射防止効果としては充分であるが、耐久性、耐
擦傷性において不十分である。なお、MgF2 膜をガラ
スに被覆する場合は基盤温度を300℃以上にすれば、
耐久性、耐擦傷性に優れた膜ができることは良く知られ
ている。しかし、プラスチックフィルムの場合は基盤温
度を300℃以上にすることは事実上不可能である。す
なわち、従来の技術にはこれら多くの課題を有してい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の種々の
課題について改良すべく研究を行った結果、耐久性、耐
擦傷性に優れ、かつ連続で簡単にMgF2 膜を被覆する
方法を開発した。すなわち、この発明は、まずプラスチ
ックフィルムに硬化型樹脂膜を形成し、次いでグロー放
電プラズマ処理により硬化型樹脂膜の表面張力を水接触
角にて30度以下にした後、屈折率が1.36〜1.4
0のMgF2 膜を被覆するようにしたことにより、耐久
性、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムが得られた。
【0007】
【作用】本発明において用いる上記プラスチックフィル
ムとしては、特に制限はないが、用途的に考えれば高い
透明性を有するフィルムを使用することが好ましく、例
えば三酢酸セルロース、アセテート等のセルロース系樹
脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等のポリエステル系樹脂や、ポリメチルメタア
クリレート等のアクリル系樹脂や、ポリカーボネート樹
脂類、ポリエーテルサルフォン系樹脂類、ポリノルボル
ネン系樹脂類、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニ
ル等のフッ素系樹脂類等の人造樹脂フィルムや合成樹脂
フィルムを使用することが好ましい。また、これらのプ
ラスチックフィルムに公知の添加剤、例えば潤滑剤、可
塑剤、紫外線吸収剤等が添加されていても良い。
【0008】本発明において上記プラスチックフィルム
に硬化型樹脂膜を塗布形成する硬化型樹脂膜としては、
特に制限はなく、通常の紫外線硬化型樹脂膜、熱硬化型
樹脂膜、電子線硬化型樹脂膜等が用いられ、この厚みと
しては1μm〜20μm、好ましくは3μm〜10μm
の厚みに設定される。但し硬化型樹脂膜としての性能と
しては下記ポイントに注意する必要がある。 1.硬化型樹脂膜としての硬さ ・鉛筆硬度 H以上 2.プラスチックフィルムとの密着性 ・碁盤目剥離(セロテープ剥離)にて 90/100以
【0009】これらのポイントの重要性は、次ぎに蒸着
されるMgF2 膜の硬さ、反射率、耐久性に影響を及ぼ
し、例えば鉛筆硬度H以下では、MgF2 膜の硬さもそ
れほど向上しない。また、プラスチックフィルムとの密
着性が悪ければ、最終製品としての価値が劣るので好ま
しくない。
【0010】また公知の添加剤、例えば潤滑剤、紫外線
吸収剤、透明性をあまり失わない程度のマット剤等が添
加されていても良い。
【0011】本発明は上記のようにプラスチックフィル
ムの面上に硬化型樹脂を塗布形成して得られた硬化型樹
脂膜の面上に、まずプラズマ処理を行ない表面水接触角
を30度以下、好ましくは20度以下の表面張力を付与
する。このプラズマ処理の方法としては、酸素またはア
ルゴンまたはその混合ガスを真空中に導入して得た低圧
下のガス雰囲気で、1.0×10-3W/cm2 〜100
W/cm2 のパワーを与え、この放電中の電子、イオ
ン、励起電子、励起分子、ラジカル等の活性粒子で上記
硬化型樹脂膜の表面を連続的にプラズマ処理する。プラ
ズマ処理のガス圧力は、10-6Torr〜100Tor
r、好ましくは10-3Torr〜1Torrに保持す
る。
【0012】前記プラスチックフィルムの硬化型樹脂膜
表面の水接触角が30度以下の値を得るには、通常のコ
ロナ処理放電、紫外線処理、電子線処理では達成が困難
であり、前記のプラズマ処理でも、電極電圧、処理時
間、電極形状、電極配置等は十分な選択を必要とする。
印加電圧としては、特に限定はないが、直流、低周波、
高周波、マイクロ波等が使用でき、特には高電圧が得ら
れる直流を用いることが好ましい。
【0013】プラズマ処理を行なう装置としては、特に
限定するものではないが長尺でフィルムを連続で処理で
きるものが好ましい。プラズマ処理に使用するガスとし
ては、酸素およびアルゴンまたはその混合ガスが好適に
用いられる。なお、酸素を含んだガス、例えばCO、C
2 、NO、N2 O、SO2 、O3 等のガスも使用でき
る。
【0014】本発明では、プラズマ処理により表面水接
触角を30度以下、好適には20度以下の表面張力を有
する前記の硬化型樹脂膜を形成したプラスチックフィル
ムが用いられ、30度以上ではMgF2 膜の密着性が悪
く、摩耗性、耐久性に劣る。特に高温多湿の条件に耐え
うる為には、表面水接触角が10度以下であることが、
耐久性の点から好ましい。
【0015】次いでMgF2 膜の蒸着に際しては、真空
蒸着法等の方法によって行ない、膜の厚さとしては特に
制限はなく、反射率の最低値が、λ=400nm〜60
0nmとなる72nmから101nmの膜厚とするのが
好ましい。
【0016】MgF2 膜を硬化型樹脂膜上に形成する方
法としては、通常抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法を
はじめ、イオンプレーティング法や、スパッタリング法
等の公知の真空蒸着技術がいずれも適用できる。なかで
も、高真空が得られ生産能力の高い抵抗加熱蒸着法、電
子線加熱蒸着法を用いることが好ましい。
【0017】MgF2 膜の蒸着条件としては、MgF2
膜を高密度に蒸着して屈折率を1.36〜1.40にす
る必要性から高真空、かつ低成膜速度にて蒸着すること
が好ましく、真空度としては1.0×10-3Torr以
上、好ましくは1.0×10-4Torr以上が好まし
い。次ぎに成膜速度は0.1〜100nm/秒、好まし
くは0.1〜50nm/秒とするのが好ましい。
【0018】上記MgF2 膜の屈折率については、1.
36以下の場合、耐久性や耐擦傷性に弱い膜となり易
い。
【0019】このようにして得られた反射防止フィルム
は、耐久性、耐擦傷性に優れ、かつ反射防止効果として
も優れている。
【0020】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定す
るものではない。なお、上記反射防止フィルムの物性等
の評価もあわせて以下に述べる。
【0021】
【実施例】
実施例1 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(帝人株式会社製、GSタイプ)に大日本インキ化学工
業株式会社製、紫外線硬化樹脂(WB−S1)を塗布
し、乾燥硬化後の塗膜の厚みを5μmとした。ついで、
硬化塗膜上にプラズマ処理を施した。処理は高電圧を印
加した棒状の電極に対して3cmの距離でフィルムを送
膜するプラズマ装置を使用し、Arガス圧O.O2To
rr、処理パワー10W/cm2 、シート速度3m/m
inとした。
【0022】その後、MgF2 膜をエレクトロンビーム
加熱蒸着法にて、蒸着中の真空度5.0×10-5Tor
r、成膜速度30nm/秒にて厚み85nmになるよう
に蒸着形成して反射防止フィルムを得た。
【0023】実施例2 実施例1の中でプラズマ処理の際使用するガスをArの
代わりにO2 を使用した。その他は実施例1と同様に行
ない反射防止フィルムを得た。
【0024】比較例1 実施例1でのプラズマ処理を行わずにMgF2 膜を蒸着
形成した。その他は実施例1と同様に行ない反射防止フ
ィルムを得た。
【0025】比較例2 実施例1でのMgF2 膜を蒸着形成する際の成膜速度を
500nm/秒にて蒸着した。その他は実施例1と同様
に行ない反射防止フィルムを得た。
【0026】実施例3 厚さ80μmの三酢酸セルロース(TAC)フィルム
(富士写真フィルム株式会社製)に大日精化工業株式会
社製、紫外線硬化樹脂(セイカビーム、EXF−37
T)を塗布し、乾燥硬化後の塗膜の厚みを5μmにし
た。その他は実施例1と同様に行ない反射防止フィルム
を得た。
【0027】実施例4 実施例3でのプラズマ処理の際に使用するガスをArの
代わりにO2 を使用し、MgF2 膜の成膜速度を50n
m/秒にて行なった。その他は実施例1と同様に行ない
反射防止フィルムを得た。
【0028】実施例5 実施例3でのプラズマ処理の際に使用するガスをArと
2 の混合ガス(Ar:O2 =50:50)を使用し
た。その他は実施例1と同様に行ない反射防止フィルム
を得た。
【0029】比較例3 実施例4でのMgF2 膜を蒸着する際の真空度を5.0
×10-4Torrにて蒸着した。その他は実施例1と同
様に行ない反射防止フィルムを得た。
【0030】比較例4 実施例1で硬化型樹脂塗膜を形成しなかった。その他は
実施例1と同様に行ない反射防止フィルムを得た。
【0031】比較例5 実施例3で硬化型樹脂塗膜を形成しなかった。その他は
実施例3と同様に行ない反射防止フィルムを得た。
【0032】実施例1〜5および比較例1〜5で得られ
た反射防止フィルムの耐擦傷性、密着性、屈折率及び反
射率について評価した。その結果を表1に示した。
【0033】<耐擦傷性評価方法> ・鉛筆硬度 JIS K 5400にてMgF2 膜蒸着前の硬化型樹脂表面の硬
さを調べた。 ・スチールウール性 スチールウール#0000にてMgF2 膜蒸着面を擦り傷つ
き具合を判定する。判定基準は、 A:強く摩擦しても傷がつかない。 B:かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 C:弱い摩擦でも傷がつく。
【0034】<密着性評価方法>MgF2 膜蒸着面に1
mm間隔の碁盤目を綱ナイフで100個入れて、セロテ
ープ(ニチバン株式会社製)を強く張り付け、90度方
向に急速に剥離し、剥離の有無を確認した。
【0035】<屈折率評価方法>自動エリプソメーター
(株式会社島津製作所製、AEP-100 )にて測定した。
【0036】<反射率評価方法>分光光度計(島津製作
所製、UV3100-PC )にて反射率を測定した。なお、裏面
の反射を消去する為に、裏面をマジックインク(登録商
標)で黒く塗りつぶした。
【0037】<耐久性評価方法>60℃×90%Rhの
高温高湿下の雰囲気に500時間放置した後の反射率の
変化を調べた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明により作製された反射防止フィル
ムは、反射防止機能の役目を充分にはたし、かつ耐久
性、耐擦傷性に優れているため画面への使用も可能であ
る。さらには、MgF2 膜の蒸着膜が1層であるために
生産性、コスト面に優れ、その産業上の効果は極めて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの基本構成を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム 2 硬化型樹脂膜 3 MgF2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に硬化型樹脂膜を形成させた後に、プラズマ処理により
    表面水接触角が30度以下の表面張力を付与させ、次い
    で屈折率が1.36〜1.40のMgF2 膜を形成した
    ことを特徴とする耐擦傷性と耐久性に優れた反射防止フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 プラズマ処理の際使用するガスが酸素ガ
    ス、アルゴンガスまたはその混合ガスであることを特徴
    とする請求項第1項記載の反射防止フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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