JPH0841321A - 有機重合体組成物、これを用いた導電性薄膜および薄膜の製造方法 - Google Patents

有機重合体組成物、これを用いた導電性薄膜および薄膜の製造方法

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JPH0841321A
JPH0841321A JP18001694A JP18001694A JPH0841321A JP H0841321 A JPH0841321 A JP H0841321A JP 18001694 A JP18001694 A JP 18001694A JP 18001694 A JP18001694 A JP 18001694A JP H0841321 A JPH0841321 A JP H0841321A
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文都 谷
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雄司 由谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアニリンおよび/またはその誘導体、お
よび一般式(I): 【化1】 で表される化合物および一般式(II): 【化2】 で表される化合物の少なくともひとつをドーパントとし
て含む有機重合体組成物。 【効果】 本発明の有機重合体組成物は、ドープ状態で
汎用有機溶剤に可溶であるので、これを溶液として、該
溶液を直接基材上に塗布し、溶剤を除去して、フィルム
化、薄膜化することができる。このように本発明の組成
物を使用すると、容易に導電性の有機重合体のフィルム
が得られ、たとえば、帯電防止材料、透明導電性フィル
ムに好適に用いられる。さらに溶液中で他の高分子材料
と混合した後にフィルム化、薄膜化することも可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドープ状態(ドーパン
トが共存する状態)で有機溶剤に可溶なポリアニリンお
よび/またはその誘導体を含む有機重合体組成物、該組
成物から導電性薄膜を製造する方法、および得られた導
電性薄膜に関する。本発明の有機重合体組成物はドープ
状態で溶剤に可溶なため、該組成物の溶液を基材に塗布
し、乾燥するといった簡便な方法でフィルム、シートな
どの成形物を製造することができる。さらに得られた薄
膜は、帯電防止性フィルム、透明導電性フィルムとして
有用なものである。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】アニリ
ン、ピロール、チオフェンなどの芳香族化合物を化学酸
化剤を使用して化学酸化重合することによって、電解質
イオンをドーパントとして含む導電性有機重合体が得ら
れる。しかしながら、一般に有機重合体は、不融かつ水
性溶剤および有機溶剤に不溶であるため、成形加工が困
難で、応用展開の大きな障害になっていた。
【0003】ポリアニリンに関しては、脱ドープポリア
ニリン(ドーパントが存在しないポリアニリン)がある
種の極性有機溶剤に可溶なことを利用して、成形物に加
工する方法(特開平3−28229号公報)が提案され
ている。しかしこの方法によれば、脱ドープポリアニリ
ンから成形体を得る工程と、得られた成形体にドーパン
トを添加する工程の2つの工程が必要であり、煩雑であ
った。
【0004】ドープポリアニリン(ドーパントが共存す
るポリアニリン)を可溶化する方法(WO92−229
11号公報)が提案されている。しかしこの方法は、有
害で腐食性の強い溶剤を使用すること、過剰の腐食性プ
ロトン酸をドーパントとして使用することなどの問題が
あった。
【0005】また、アンモニアもしくは揮発性のアミン
を加えた極性有機溶剤にドープポリアニリンを溶解させ
る方法(特開平3−285983号公報)も提案されて
いる。しかしこの方法も、成形後の溶媒除去の時に有害
なアンモニアもしくはアミンガスが発生するという問題
点があった。
【0006】さらにドーパントとなるスルホン酸基を重
合体骨格に直接結合させた自己ドーピング型の水溶性ポ
リアニリン(特開平5−178989号公報)も提案さ
れている。しかしこのポリアニリンは製造工程が煩雑で
コスト面に問題があった。
【0007】一方、ポリアニリンの薄膜を形成させる方
法として、基材の存在下でアニリンまたはその誘導体を
化学酸化重合させる方法(特開平2−69525号公
報)が提案されている。しかしこの方法は工業的な大規
模生産には不適であった。このように、ポリアニリンを
工業的に利用するには多くの問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ドープ状
態で汎用溶剤に可溶で安価な有機重合体組成物とそれか
ら形成される導電性薄膜を開発すべく鋭意研究した結
果、特定のドーパントがポリアニリンおよび/またはそ
の誘導体をドープ状態で溶剤可溶性とすることができる
ことを見出して、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、ポリアニリンおよび/
またはその誘導体、および一般式(I):
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 は同一あるいは異なっていて
もよく、それぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、ポリオキシアルキレンカルボニ
ル基、アルケニル基、アルキルチオアルキル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アル
コキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルチオ基、
アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カル
ボキシル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、ニトロ基ま
たはハロゲンを、およびmは2から5の整数を示す)で
表される化合物および一般式(II):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R2 、R3 およびR4 は同一ある
いは異なっていてもよく、それぞれアルキレン基または
フェニレン基を、およびn1 およびn2 は同一あるいは
異なっていてもよく、それぞれ1から50の整数を示
す)で表される化合物の少なくともひとつをドーパント
として含む有機重合体組成物、該組成物を含む導電性薄
膜および該導電性薄膜の製造方法に関する。
【0014】一般式(I)の好ましいR1 として、炭素
数1〜15のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アルコキシアルキル基およびポリオキシア
ルキレンカルボニル基等が挙げられる。なかでも炭素数
1〜15のアルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ア
ルコキシアルキル基およびポリオキシアルキレンカルボ
ニル基が特に好ましい。なかでも、一般式(III):
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R5 およびR5'は同一あるいは異
なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10、好ましく
は2〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオア
ルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリール
アルキル基またはアルコキシアルキル基を示す)で表さ
れるスルホン酸は、これを添加したドープポリアニリン
が、テトラヒドロフラン、2−ブトキシエタノールなど
の汎用溶剤に特に高い溶解性を示すので特に好ましい。
このほかに好ましい化合物として、一般式(I)におい
て、mが2、R1 が炭素数1〜15のエステル基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキ
ル基および/またはポリオキシアルキレンカルボニル
基、特にアルコキシカルボニル基またはポリオキシアル
キレンカルボニル基を有するスルホン酸が挙げられる。
【0017】一般式(II)の好ましいR2 、R3 およ
びR4 として、それぞれ炭素数1〜10のアルキレン基
およびフェニレン基が挙げられる。なかでも、R2 とし
て炭素数2〜10のアルキレン基が、R3 としてフェニ
レン基が、R4 として炭素数2〜10のアルキレン基が
特に好ましい。R2 、R3 およびR4 は、それぞれ炭素
数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アル
キルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキル
スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基およ
びハロゲンからなる群から選ばれる1以上の置換基によ
って置換されていてもよい。R2 、R3 およびR4 の好
ましい置換基として、それぞれ炭素数1〜20のアルキ
ル基およびアルコキシ基が挙げられる。
【0018】特に好ましい化合物(II)の具体例とし
て、一般式(II)において、R2およびR4 がともに
炭素数5〜10のアルキレン基、R3 がm−フェニレン
基であり、n2 が10〜40の整数で、n1 /n2 の比
が0.1〜1であるポリマー酸が挙げられる。一般式
(I)あるいは(II)で表される化合物は、1種また
は2種以上使用してもよい。
【0019】本発明の有機重合体のもう一つの成分であ
るポリアニリンおよび/またはその誘導体は、下記の一
般式(IV):
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R6 は同一あるいは異なっていて
もよく、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、ア
ルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルスル
フィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールチオ基、アリー
ルスルフィニル基、アリールスルホニル基、カルボキシ
ル基、ハロゲン、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロア
ルキル基あるいはシアノアルキル基を、およびpは0〜
5の整数示す)で表されるアニリンまたはその誘導体を
酸化重合させて得られる。
【0022】好ましいR6 として、水素、炭素数1〜5
のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、
ハロゲンおよびアリールオキシ基などが挙げられる。
【0023】具体例としては、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチル
アニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリ
ン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、
2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリ
ン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリ
ン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、
5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシア
ニリンなどが挙げられる。これらのアニリンまたはその
誘導体は、1種または2種以上使用できる。
【0024】本発明で用いるポリアニリンおよび/また
はその誘導体は、上記した式(IV)で表されるアニリ
ンおよびその誘導体の1種または2種以上の酸化重合に
よって得ることができる。たとえば、アニリンおよび/
またはその誘導体(IV)とプロトン酸の溶液または懸
濁液に、酸化剤およびプロトン酸の溶液または酸化剤の
溶液を添加することによって得ることができる。重合は
通常の重合方法が採用でき、重合条件も通常の条件で行
われる。たとえば反応温度は−10℃から40℃の間
で、反応時間30分から48時間の範囲内で、常圧下、
混合物を攪拌させて行う。
【0025】酸化重合の際に用いられる酸化剤として、
たとえば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水
素、第二塩化鉄などが挙げられる。しかしこれらに限定
されるものではない。好ましく用いられるものとして、
ペルオキソ二硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0026】酸化重合時に添加されるプロトン酸は、酸
解離定数pKa値が4.0以下であれば特定の制限なく
使用できる。たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸な
どの無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸などの有機
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、
ポリビニル硫酸などのポリマー酸を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0027】本発明の有機重合体組成物は、ドーパント
をアニリンおよび/またはその誘導体の酸化重合時に添
加することによって得ることができる。あるいはプロト
ン酸を使用して得られたドープポリアニリンを、アンモ
ニア水などの塩基で処理することにより脱ドープし、該
脱ドープポリアニリンに再び所望のドーパントを加えて
本発明の有機重合体組成物とすることもできる。
【0028】ドーパントの量は、ポリアニリンおよび/
またはその誘導体に対して当量でもよいし、過剰に加え
てもさしつかえない。好ましくはポリアニリンおよび/
またはその誘導体に対して1〜3当量である。
【0029】本発明の有機重合体組成物が溶解しうる溶
剤とは、一般に汎用溶媒として使用されているものであ
れば、特に制限なく使用できる。たとえば、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類、メタノール、エタノールな
どのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、
メチルエチルケトンなどのケトン類、キシレン、トルエ
ンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶剤類など
の有機溶剤が挙げられる。なお、使用する溶剤は、腐食
性、毒性の低いものが好ましい。
【0030】本発明の有機重合体組成物からフィルム、
シートなどの成形物を製造するばあい、他のマトリック
ス高分子化合物と混合することができる。このようなマ
トリックス高分子化合物として、ポリエステル、ポリス
チレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリブタジエン、ポリシロキサン、ポリカ
ーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタク
リレート、ABS樹脂などが挙げられる。
【0031】たとえば、混合するマトリックス高分子化
合物がポリエステルのときは、ドーパントの側鎖にエス
テル結合を多く含有させることによって、またマトリッ
クス高分子化合物がポリアミドのときは、ドーパントの
側鎖にアミド結合を多く含有させることによって、ドー
プポリアニリンのマトリックス高分子化合物に対する相
溶性を高めることができる。また、ドープポリアニリン
および/またはその誘導体とマトリックス高分子化合物
との混合比は、後述するように薄膜化後の導電率が10
-9S/cm以上であれば特に限定されるものではない。
【0032】本発明の有機重合体組成物とマトリックス
高分子化合物と混合する方法に特別な限定はないが、溶
液状態で混合するのが好ましい。たとえば、ドープ状態
の本発明の組成物とマトリックス高分子化合物の溶液を
混合する方法、あるいは各々を一度に溶剤に加え溶解さ
せる方法などが挙げられる。
【0033】本発明の組成物を含む溶液を基材に塗布
し、乾燥させることによって導電性薄膜が得られる。使
用される基材に特別の限定はない。たとえば、ポリエス
テル、ポリエチレンなどの高分子化合物、金、白金など
の金属やガラスなどが使用される。基材の厚さも特に限
定はなく、使用目的によって適宜選択される。
【0034】このようにして得た薄膜の導電率は10-9
S/cm以上であるのが好ましい。さらに好ましい導電
率は10-6S/cm以上である。薄膜の膜厚も特に限定
はなく使用目的によって適宜選択される。一般には、1
0μm〜10-4μmが好ましい。
【0035】
【作用】本発明の有機重合体組成物の特徴は、ポリアニ
リンおよび/またはその誘導体のドーパントとして、ベ
ンゼンスルホン酸に溶媒と相溶性の高い構造の置換基が
結合した化合物を使用することにある。すなわち、該化
合物の側鎖が溶剤中で広がり、溶剤分子と混和すること
によって、ドープポリアニリンおよび/またはその誘導
体を可溶化することができる。この特殊なドーパントを
使用することによってはじめて、汎用溶剤に溶解しうる
導電性のポリアニリンおよび/またはその誘導体を含む
有機重合体組成物を提供することができ、良好な導電性
をもつ薄膜が容易に製造できるようになる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。
【0037】参考例1 攪拌器、冷却器、留去物抜き出し口および温度計を備え
た500ml3つ口フラスコに5−スルホナトリウムイ
ソフタル酸ジメチル20.9g、イソフタル酸ジメチル
41.0g、ネオペンチルグリコール399.4gおよ
び反応触媒として酢酸ナトリウム1.16gを加えて2
00℃で4時間反応させた。反応進行に連れて、白色懸
濁液から透明均一液体となり、計算量のメタノールが留
出した。さらに200℃、80mmHgで未反応のネオ
ペンチルグリコールを1.5時間で留去した。
【0038】攪拌機、窒素導入減圧管および温度計のつ
いたガラス製反応器に上記混合物33.4gおよび重縮
合触媒として、酸化アンチモン6.3mgを加えて、窒
素ガスで反応器内を充分置換した後加熱し、260℃か
ら減圧を開始し、30分かけて0.3mmHgまで減圧
した。最終温度は275℃であった。N−メチルピロリ
ドンを溶媒としてGPCを行うと、ポリスチレン換算で
数平均分子量が3100であった。
【0039】参考例2 攪拌機、留去物抜き出し管および温度計を備えた300
ml3つ口フラスコに5−スルホナトリウムイソフタル
酸ジメチル27.8g、ジエチレングリコール−モノ−
n−ブチルエーテル207.8g、およびエステル化触
媒として酢酸亜鉛0.067gを加えて、210℃で8
時間反応した。反応進行に連れて、白色懸濁液から透明
均一液体となり、計算量のメタノールが留出した。さら
に220℃,70mmHgで未反応のジエチレングリコ
ール−モノ−n−ブチルエーテルを2時間で留出した。
【0040】参考例3 参考例1で合成したオリゴマー状化合物6.5gをメチ
ルエチルケトン40mlに溶解させた後、攪拌しながら
12%塩酸400mlを加えた。1時間攪拌後、生成し
た白濁物をガラスフィルターで濾過し、さらに12%塩
酸35mlで3回洗浄した。洗浄後、室温で1日減圧乾
燥した。乾燥後一部を水溶液とし、0.02規定水酸化
ナトリウム水溶液で滴定し、定量的にスルホナトリウム
基がスルホン酸基に変換されていることを確かめた。
【0041】参考例4 参考例2で合成したジエステル化合物1gのTHF(テ
トラハイドロフラン)溶液15mlにイオン交換樹脂
(アンバーリスト15)20gを加えて、室温で15分
間攪拌した。ガラスフィルターで濾別後、イオン交換樹
脂を再びTHF16mlで洗浄し、濾液とあわせた。
0.02規定の水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、定量
的にスルホナトリウム基がスルホン酸基に変換されてい
ることを確かめた。
【0042】実施例1 攪拌機および温度計を備えた3つ口フラスコ300ml
に参考例3のスルホン酸残基含有オリゴマー状化合物
5.0gとアニリン0.5gとを蒸留水100ml中に
混合分散させ、0℃に冷却した。重合酸化剤であるペル
オキソ二硫酸アンモニウム0.6gの水溶液10mlを
あらかじめ0℃に冷却しておき、10分間で滴下した。
反応混合物を0℃に保ち10時間攪拌した後、生成した
ドープポリアニリンを濾別し、水洗した。室温で一日減
圧乾燥し、3.8gのドープポリアニリンを得た。得ら
れた目的物をペレットに圧縮成形し、四端子法で測定す
ると、導電率σが2.1S/cmであった。粉末状のポ
リアニリン0.5gをTHF10mlに加え、超音波照
射すると、均一な濃緑色の溶液が得られた。この溶液を
G4ガラスフィルターで濾過すると、フィルター上に残
存した不溶物は極めて少量であった。このポリアニリン
0.3gを3%アンモニア水30mlで室温で2時間処
理し、濾別、水洗、乾燥して脱ドープポリアニリンを得
た。脱ドープポリアニリンをNMP(N−メチルピロリ
ドン)に溶解させGPCで測定すると、ポリスチレン換
算で、数平均分子量は18000、重量平均分子量は9
0000であった。
【0043】実施例2 実施例1で得たドープポリアニリンのTHF溶液と、東
洋紡績社製のバイロン樹脂RV−280のTHF溶液を
種々の割合で混合し、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布、薄膜化(膜厚1μm)させ、導電率を測
定した。結果を図1に示す。薄膜を光学顕微鏡(400
倍)で観察すると、いずれのばあいにおいても相分離は
見られなかった。ドープポリアニリンの割合が15、2
0、30、50重量%のばあいに、薄膜の密着性は10
0%で、鉛筆硬度は2Hであった。これらの試験方法は
以下の方法で行った。
【0044】密着性:薄膜の表面にカッターナイフで碁
盤目を刻み、セロハンテープを貼った後、剥離して枡目
100個のうち残存した個数を数えた。
【0045】鉛筆硬度:JIS−K−5401法にした
がって、鉛筆引き掻き試験材を用い、荷重200gでの
傷の有無で試験した。
【0046】実施例3 参考例4で得られたスルホン酸残基含有ジエステル化合
物0.3gと、数平均分子量28000、重量平均分子
量131000の脱ドープポリアニリン0.1gとをT
HF8mlに添加し、超音波照射すると、3時間で均一
な濃緑色の溶液が得られた。この溶液をG4ガラスフィ
ルターで濾過すると、フィルター上に残存した不溶物は
極めて少量であった。このドープポリアニリンTHF溶
液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、
120℃で1時間乾燥させ、膜厚1μmの薄膜を得た。
得られた薄膜について二端子法で測定すると、導電率σ
は12S/cmであった。
【0047】実施例4 実施例3で得たドープポリアニリンのTHF溶液と、東
洋紡績社製のバイロン樹脂RV−280のTHF溶液を
種々の割合で混合し、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布、薄膜化(膜厚1μm)させ、導電率を測
定した。結果を図1に示す。薄膜を光学顕微鏡(400
倍)で観察すると、いずれのばあいにおいても相分離は
見られなかった。ドープポリアニリンの割合が10、1
5、20、30、50重量%のばあいに、薄膜の密着性
は100%で、鉛筆硬度は2Hであった。
【0048】
【発明の効果】本発明の有機重合体組成物は、ドープ状
態で汎用有機溶剤に可溶であるので、これを溶液とし、
該溶液を直接基材上に塗布し、溶剤を除去して、フィル
ム化、薄膜化することができる。このように本発明の組
成物を使用すると、容易に導電性の有機重合体のフィル
ムが得られ、たとえば、帯電防止材料、透明導電性フィ
ルムに好適に用いられる。さらに溶液中で他の高分子材
料と混合した後にフィルム化、薄膜化することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2および実施例4で得た、ドープ状態ポ
リアニリンの重量比率に対する導電率変化を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 G 5/14 Z // C08G 63/688 NNK

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアニリンおよび/またはその誘導
    体、および一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は同一あるいは異なっていてもよく、それ
    ぞれ水素またはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシ
    カルボニル基、ポリオキシアルキレンカルボニル基、ア
    ルケニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、ア
    ルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、
    アルキルスルホニル基、カルボキシル基、ニトリル基、
    ヒドロキシル基、ニトロ基またはハロゲンを、およびm
    は2から5の整数を示す)で表される化合物および一般
    式(II): 【化2】 (式中、R2 、R3 およびR4 は同一あるいは異なって
    いてもよく、それぞれアルキレン基またはフェニレン基
    を、n1 およびn2 は同一あるいは異なっていてもよ
    く、それぞれ1から50の整数を示す)で表される化合
    物の少なくともひとつをドーパントとして含む有機重合
    体組成物。
  2. 【請求項2】 R2 、R3 およびR4 の少なくともひと
    つが、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
    キルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、ア
    ルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルスル
    フィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニ
    ル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基およびハロゲ
    ンからなる群から選ばれる1以上の置換基を含む請求項
    1記載の有機重合体組成物。
  3. 【請求項3】 ドーパントが、一般式(III): 【化3】 (式中、R5 およびR5'は同一あるいは異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1から10のアルキル基、アルケ
    ニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキ
    ルアリール基、アリールアルキル基またはアルコキシア
    ルキル基を示す)で表される化合物である請求項1記載
    の有機重合体組成物。
  4. 【請求項4】 ドーパントが、一般式(II)において
    2 およびR4 がアルキレン基を、R3 がm−フェニレ
    ン基を示し、n2 が10〜40の整数で、n 1 /n2
    0.1〜1であるポリマー酸である請求項1記載の有機
    重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の有機重合体組成物を含む
    導電性薄膜。
  6. 【請求項6】 導電率が10-9S/cm以上である請求
    項5記載の導電性薄膜。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の有機重
    合体組成物を含む溶液を基材上に塗布し、乾燥させて得
    られることを特徴とする請求項5記載の導電性薄膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の有機重
    合体組成物を含む溶液を基材上に塗布し、乾燥させるこ
    とを特徴とする導電性薄膜の製造方法。
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