JPH0841695A - めっき液中の第二鉄イオンの還元方法 - Google Patents
めっき液中の第二鉄イオンの還元方法Info
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- JPH0841695A JPH0841695A JP18153394A JP18153394A JPH0841695A JP H0841695 A JPH0841695 A JP H0841695A JP 18153394 A JP18153394 A JP 18153394A JP 18153394 A JP18153394 A JP 18153394A JP H0841695 A JPH0841695 A JP H0841695A
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- plating
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Fe2+を含有するめっき浴で、酸化によって生
成するFe3+を電解還元するに際し、カソードとしてP
b,Pb合金、Sn、Taを用い、アノードに鉄または
めっきしようとする金属を用いて電解する。この電解還
元の際の電流密度(A/dm2 )を{めっき液中の3価
鉄イオン濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/
秒)}×2.5以下にする。 【効果】めっき液中の金属イオン濃度の増加を可能な限
り少なくして、めっき液を廃棄することなく、かつ低コ
ストでめっき液中のF3+を効率良くFe2+に還元する方
法が提供される。
成するFe3+を電解還元するに際し、カソードとしてP
b,Pb合金、Sn、Taを用い、アノードに鉄または
めっきしようとする金属を用いて電解する。この電解還
元の際の電流密度(A/dm2 )を{めっき液中の3価
鉄イオン濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/
秒)}×2.5以下にする。 【効果】めっき液中の金属イオン濃度の増加を可能な限
り少なくして、めっき液を廃棄することなく、かつ低コ
ストでめっき液中のF3+を効率良くFe2+に還元する方
法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄系めっきおよび鉄
を含有する合金めっき液中でアノード酸化および空気酸
化によって生じる第二鉄イオン(Fe3+)を効率良く第
一鉄イオン(Fe2+)に還元するめっき液中の第二鉄イ
オンの還元方法に関する。
を含有する合金めっき液中でアノード酸化および空気酸
化によって生じる第二鉄イオン(Fe3+)を効率良く第
一鉄イオン(Fe2+)に還元するめっき液中の第二鉄イ
オンの還元方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛−鉄、鉄−亜鉛めっきは、鋼板の防
錆めっきとして多用されているが、めっき液中のFe2+
がアノード酸化および空気酸化によってFe3+に酸化さ
れるという製造上の問題点がある。Fe3+はめっき品質
を劣化させ、めっき効率を低下させるため、一定濃度以
下に管理しなければならない。
錆めっきとして多用されているが、めっき液中のFe2+
がアノード酸化および空気酸化によってFe3+に酸化さ
れるという製造上の問題点がある。Fe3+はめっき品質
を劣化させ、めっき効率を低下させるため、一定濃度以
下に管理しなければならない。
【0003】このようにめっき液中のFe3+を一定濃度
以下に管理する方法としては、Fe3+をめっき液外に除
去する方法と、Fe2+に還元する方法がある。Fe3+を
めっき液から除去する方法としては、これをイオン交換
樹脂に吸着させる方法があるが、大規模な装置が必要な
うえにイオン交換樹脂が高価であるために、イニシャル
・ランニングコストが高く、工業生産上問題が多い。
以下に管理する方法としては、Fe3+をめっき液外に除
去する方法と、Fe2+に還元する方法がある。Fe3+を
めっき液から除去する方法としては、これをイオン交換
樹脂に吸着させる方法があるが、大規模な装置が必要な
うえにイオン交換樹脂が高価であるために、イニシャル
・ランニングコストが高く、工業生産上問題が多い。
【0004】一方、Fe3+をFe2+に還元する方法とし
ては、特開昭58−151489号公報に開示されたも
のがある。この方法は、Fe3+を鉄や亜鉛と接触させ
て、以下の(1)〜(3)に示す式で表わされる反応を
生じさせるものである。
ては、特開昭58−151489号公報に開示されたも
のがある。この方法は、Fe3+を鉄や亜鉛と接触させ
て、以下の(1)〜(3)に示す式で表わされる反応を
生じさせるものである。
【0005】 2Fe3+ + Fe → 3Fe2+ ……(1) 2Fe3+ + Zn → 2Fe2+ + Zn2+ ……(2) 2H+ + Fe(or Zn) → H2 + Fe2+(Zn2+) ……(3) この方法は、めっきによって減少するFe2+やZn2+の
補給も兼ねることになるため、上記(1),(2)式の
反応が効率的に起これば有効な還元方法になる。しか
し、実際には同時に起こる上記(3)式に示す水素イオ
ンの還元反応が優勢となるため、非効率的なものとなっ
てしまう。また、この公報によれば、Fe3+の還元効率
が30〜83%と記載されており、還元効率が低い場合
には、必要なFe3+の還元を起こさせるためには過剰な
量のFeやZnをめっき液中に溶解させなければなら
ず、めっき液中のFe2+やZn2+の濃度が過剰となり、
これらの濃度を一定に保つためにはめっき液の一部を廃
棄して水を加えなければならなくなる。
補給も兼ねることになるため、上記(1),(2)式の
反応が効率的に起これば有効な還元方法になる。しか
し、実際には同時に起こる上記(3)式に示す水素イオ
ンの還元反応が優勢となるため、非効率的なものとなっ
てしまう。また、この公報によれば、Fe3+の還元効率
が30〜83%と記載されており、還元効率が低い場合
には、必要なFe3+の還元を起こさせるためには過剰な
量のFeやZnをめっき液中に溶解させなければなら
ず、めっき液中のFe2+やZn2+の濃度が過剰となり、
これらの濃度を一定に保つためにはめっき液の一部を廃
棄して水を加えなければならなくなる。
【0006】Fe3+の還元効率に関しては、特公昭63
−11440号公報にポリオキシエチレン系誘導体化合
物、またはポリオキシプロピレン系誘導体化合物を0.
01〜10g/l添加することで還元効率が95%以上
となるとされているが、めっき皮膜特性に与える影響が
全く考慮されていない。これらの添加物は、めっき皮膜
特性に悪影響を与えることが十分に予測されるものであ
り、これらの添加剤をF3+還元促進のためにめっき液中
に混入させることは好ましくない。
−11440号公報にポリオキシエチレン系誘導体化合
物、またはポリオキシプロピレン系誘導体化合物を0.
01〜10g/l添加することで還元効率が95%以上
となるとされているが、めっき皮膜特性に与える影響が
全く考慮されていない。これらの添加物は、めっき皮膜
特性に悪影響を与えることが十分に予測されるものであ
り、これらの添加剤をF3+還元促進のためにめっき液中
に混入させることは好ましくない。
【0007】上記技術と類似した技術として、可溶性金
属と不溶性金属とを導体で接続して電池を形成させ、不
溶性電極上でF3+を還元する方法が特公平5−1044
0号公報に示されている。しかしながら、この公報に示
された技術は、その実施例に示されているように、銅め
っき、ニッケルめっき液に混入したF3+の除去を目的と
したものであり、F3+の還元効率は一切考慮されておら
ず、Fe2+を主要なめっき成分とするめっき液にはその
まま適用することはできない。
属と不溶性金属とを導体で接続して電池を形成させ、不
溶性電極上でF3+を還元する方法が特公平5−1044
0号公報に示されている。しかしながら、この公報に示
された技術は、その実施例に示されているように、銅め
っき、ニッケルめっき液に混入したF3+の除去を目的と
したものであり、F3+の還元効率は一切考慮されておら
ず、Fe2+を主要なめっき成分とするめっき液にはその
まま適用することはできない。
【0008】さらに、特開昭59−25991号公報に
は、イオン交換隔膜を用いて陰極室および陽極室を分離
し、陰極電位をFeの平衡電位である{−0.44+
0.031log[Fe2+]}V(標準水素電極基準)
より貴にして電解を行う方法が示されており、その陰極
としてはチタン上に白金めっきや白金〜イリジウム酸化
物等の水素発生過電圧の低い電極が好適であるとされて
いる。しかしながら、周知のように、イオン交換膜は高
価であるばかりでなく、その寿命も短く、頻繁な交換が
必要であり、さらには隔膜電解は電解電圧が高い等でコ
ストが高いという問題がある。
は、イオン交換隔膜を用いて陰極室および陽極室を分離
し、陰極電位をFeの平衡電位である{−0.44+
0.031log[Fe2+]}V(標準水素電極基準)
より貴にして電解を行う方法が示されており、その陰極
としてはチタン上に白金めっきや白金〜イリジウム酸化
物等の水素発生過電圧の低い電極が好適であるとされて
いる。しかしながら、周知のように、イオン交換膜は高
価であるばかりでなく、その寿命も短く、頻繁な交換が
必要であり、さらには隔膜電解は電解電圧が高い等でコ
ストが高いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上示したように、従
来技術ではFe2+を主要なめっき成分とするめっき液中
のF3+を効率的に還元することはできない。この発明は
かかる事情に鑑みてなされたものであって、めっき液中
の金属イオン濃度の増加を可能な限り少なくして、めっ
き液を廃棄することなく、かつ低コストでめっき液中の
F3+を効率良くFe2+に還元する方法を提供することを
目的とする。
来技術ではFe2+を主要なめっき成分とするめっき液中
のF3+を効率的に還元することはできない。この発明は
かかる事情に鑑みてなされたものであって、めっき液中
の金属イオン濃度の増加を可能な限り少なくして、めっ
き液を廃棄することなく、かつ低コストでめっき液中の
F3+を効率良くFe2+に還元する方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、第一鉄イオンを含有するめっき浴で、酸
化によって生成する第二鉄イオンを電解還元する方法で
あって、カソードにPb,Pb合金、Sn、Taを用
い、アノードに鉄またはめっきしようとする金属を用い
て電解することを特徴とするめっき液中の第二鉄イオン
の還元方法を提供するものである。
決するために、第一鉄イオンを含有するめっき浴で、酸
化によって生成する第二鉄イオンを電解還元する方法で
あって、カソードにPb,Pb合金、Sn、Taを用
い、アノードに鉄またはめっきしようとする金属を用い
て電解することを特徴とするめっき液中の第二鉄イオン
の還元方法を提供するものである。
【0011】また、上記方法において前記電解還元の際
の電流密度(A/dm2 )を{めっき液中の3価鉄イオ
ン濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/秒)}×
2.5以下にすることを特徴とするものである。
の電流密度(A/dm2 )を{めっき液中の3価鉄イオ
ン濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/秒)}×
2.5以下にすることを特徴とするものである。
【0012】以下、本発明について具体的に説明する。
経済性を考慮して最適なFe3+還元システムを考える
と、隔膜を用いずにめっき液中で直接にFe3+を電解還
元する方法が望ましい。従って、本発明では隔膜を用い
ずにFe3+を電解還元する。
経済性を考慮して最適なFe3+還元システムを考える
と、隔膜を用いずにめっき液中で直接にFe3+を電解還
元する方法が望ましい。従って、本発明では隔膜を用い
ずにFe3+を電解還元する。
【0013】ここでFe3+を効率的に還元するためには
H+ の還元反応を抑制することが必要である。そこで、
本願発明者らはH+ の還元反応の起こり易さが、還元反
応が起こる電極の水素過電圧に支配されることに着目し
た。従来検討されてきた電極の水素過電圧を表1(電気
学会 大学講座 「電気化学」135ページ)及び表2
(電気化学 Vol.38,No.1,17)に示す。
H+ の還元反応を抑制することが必要である。そこで、
本願発明者らはH+ の還元反応の起こり易さが、還元反
応が起こる電極の水素過電圧に支配されることに着目し
た。従来検討されてきた電極の水素過電圧を表1(電気
学会 大学講座 「電気化学」135ページ)及び表2
(電気化学 Vol.38,No.1,17)に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表1,2に示されている各電極の水素過電
圧の値自体は測定条件等が異なるため異なっているが、
その大小関係は各表ほぼ同じであり、Pt,Ni,Fe
等の水素過電圧は小さく、Sn,Pb,Zn,Taの水
素過電圧は大きい。従って、水素過電圧の大きなSn,
Pb,Zn,Ta等がFe3+を効率的に還元するために
はより適当であると考えられる。
圧の値自体は測定条件等が異なるため異なっているが、
その大小関係は各表ほぼ同じであり、Pt,Ni,Fe
等の水素過電圧は小さく、Sn,Pb,Zn,Taの水
素過電圧は大きい。従って、水素過電圧の大きなSn,
Pb,Zn,Ta等がFe3+を効率的に還元するために
はより適当であると考えられる。
【0017】また、Fe3+の還元電極としては表面でF
e2+の還元反応が起こりにくいことが必要である。Fe
2+の還元反応が生じるとは金属Feが析出することであ
るから、その部分の水素過電圧はFe電極と同じにな
り、水素発生が優勢となるからである。表1には標準電
極電位も示したが、その意味では標準電極電位がFeよ
りも卑な電極では陰極にするためには電極電位をFeの
析出電位よりも卑にしなければならず、Feが析出する
可能性が高くなり、Fe3+還元電極としては不適であ
る。ただし、Cr,Taは標準電極電位はFeよりも卑
であるが、表面に不働体皮膜を生じるためにめっき液で
はFeよりも貴な電位を示し、Feの析出電位よりも貴
な電位で陰極として使用することができる。ここで、F
eの析出は比較的大きな過電圧(数百mV)を伴う場合
が多いために、実際の析出電位はこの析出過電圧により
卑な電位に移行する。従って、標準電極電位がFeより
も卑な電極でも、大きなFe析出過電圧を有する場合に
はFe3+還元電極として使用することができることが予
想される。また、標準電極電位がFeよりも貴な電極で
もFe析出防止の意味から大きなFe析出過電圧を有す
ることが望ましい。
e2+の還元反応が起こりにくいことが必要である。Fe
2+の還元反応が生じるとは金属Feが析出することであ
るから、その部分の水素過電圧はFe電極と同じにな
り、水素発生が優勢となるからである。表1には標準電
極電位も示したが、その意味では標準電極電位がFeよ
りも卑な電極では陰極にするためには電極電位をFeの
析出電位よりも卑にしなければならず、Feが析出する
可能性が高くなり、Fe3+還元電極としては不適であ
る。ただし、Cr,Taは標準電極電位はFeよりも卑
であるが、表面に不働体皮膜を生じるためにめっき液で
はFeよりも貴な電位を示し、Feの析出電位よりも貴
な電位で陰極として使用することができる。ここで、F
eの析出は比較的大きな過電圧(数百mV)を伴う場合
が多いために、実際の析出電位はこの析出過電圧により
卑な電位に移行する。従って、標準電極電位がFeより
も卑な電極でも、大きなFe析出過電圧を有する場合に
はFe3+還元電極として使用することができることが予
想される。また、標準電極電位がFeよりも貴な電極で
もFe析出防止の意味から大きなFe析出過電圧を有す
ることが望ましい。
【0018】以上の理由から、Fe3+還元電極としては
水素過電圧、Fe析出過電圧共に大きな電極が適当であ
り、さらに、標準電極電位がFeよりも貴であることが
適当であると考えられる。
水素過電圧、Fe析出過電圧共に大きな電極が適当であ
り、さらに、標準電極電位がFeよりも貴であることが
適当であると考えられる。
【0019】ここで、各種金属・合金のFe析出過電圧
に関する従来からの知見はほとんど無く、水素過電圧お
よび標準電極電位から、上記の条件を満足する電極とし
てPb,Sn,Ta及びこれらの合金を選択してFe3+
還元電極としての適性を検討した。その結果、これらの
電極をカソードにし、Fe又はめっきしようとする金属
例えばZnをアノードにして通電することにより、水素
発生、Feの析出をほとんど伴わずにFe3+の還元が可
能であることを見出した。また、このような方法は、原
理的にめっき液中の金属イオン濃度の増加させず、めっ
き液を廃棄する必要もない。
に関する従来からの知見はほとんど無く、水素過電圧お
よび標準電極電位から、上記の条件を満足する電極とし
てPb,Sn,Ta及びこれらの合金を選択してFe3+
還元電極としての適性を検討した。その結果、これらの
電極をカソードにし、Fe又はめっきしようとする金属
例えばZnをアノードにして通電することにより、水素
発生、Feの析出をほとんど伴わずにFe3+の還元が可
能であることを見出した。また、このような方法は、原
理的にめっき液中の金属イオン濃度の増加させず、めっ
き液を廃棄する必要もない。
【0020】この際に、Fe3+の還元効率をできるだけ
大きくするためには、めっき液の流速が大きいことが望
ましい。これは以下のような理由による。工業的にFe
3+還元を行なうためには還元速度を大きくして反応装置
をできるだけ小規模なものにする必要があり、このため
には当然電流密度を高くしなければならない。一方、通
常Fe3+は低濃度に管理されるため、Fe3+の還元反応
はFe3+の拡散支配下にあり、拡散を促進させることが
Fe3+の還元反応促進に有効である。従って、めっき液
の流速を大きくしてFe3+の拡散を促進させ、もってF
e3+の還元効率を高めるのである。
大きくするためには、めっき液の流速が大きいことが望
ましい。これは以下のような理由による。工業的にFe
3+還元を行なうためには還元速度を大きくして反応装置
をできるだけ小規模なものにする必要があり、このため
には当然電流密度を高くしなければならない。一方、通
常Fe3+は低濃度に管理されるため、Fe3+の還元反応
はFe3+の拡散支配下にあり、拡散を促進させることが
Fe3+の還元反応促進に有効である。従って、めっき液
の流速を大きくしてFe3+の拡散を促進させ、もってF
e3+の還元効率を高めるのである。
【0021】本願発明者の検討によれば、充分に還元効
率が高く(90%以上を想定)、工業的に適用できる還
元電流密度の上限(許容還元電流密度)は、めっき液中
のFe3+濃度と還元時のめっき液流速との関係において
以下の式で表されることが明らかとなった。
率が高く(90%以上を想定)、工業的に適用できる還
元電流密度の上限(許容還元電流密度)は、めっき液中
のFe3+濃度と還元時のめっき液流速との関係において
以下の式で表されることが明らかとなった。
【0022】許容還元電流密度(A/dm2 )={Fe
3+濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/秒)}×
2.5 また、充分に還元効率が高い状態での陰極電位は水素電
極基準で−550〜−720mVであった。Feの平衡
電位(Fe2+/Fe、−440mV)から考えると、こ
の陰極電気はFeの還元が起こることが予想されるが、
実際にはFeの析出は認められず、長時間に亘って安定
した還元効率が得られた。これは陰極のFe析出過電圧
が大きいことに起因すると考えられる。
3+濃度(g/l)}×{めっき液流速(m/秒)}×
2.5 また、充分に還元効率が高い状態での陰極電位は水素電
極基準で−550〜−720mVであった。Feの平衡
電位(Fe2+/Fe、−440mV)から考えると、こ
の陰極電気はFeの還元が起こることが予想されるが、
実際にはFeの析出は認められず、長時間に亘って安定
した還元効率が得られた。これは陰極のFe析出過電圧
が大きいことに起因すると考えられる。
【0023】なお、この発明が適用されるめっき液のp
Hは0.5〜3.0が望ましい。pHが0.5未満では
もともとめっき時の電解効率が低いので、工業生産には
不適当である上に、水素濃度が高いのでカソードでの水
素の還元反応が優勢となり、Fe3+還元反応の反応効率
が低くなる。pHが3.0を超えるとFe3+が水酸化物
となって沈殿し易くなるため望ましくない。
Hは0.5〜3.0が望ましい。pHが0.5未満では
もともとめっき時の電解効率が低いので、工業生産には
不適当である上に、水素濃度が高いのでカソードでの水
素の還元反応が優勢となり、Fe3+還元反応の反応効率
が低くなる。pHが3.0を超えるとFe3+が水酸化物
となって沈殿し易くなるため望ましくない。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)Fe−Znめっき液中でPb、Pb合金、
Sn、Taをカソード、冷延鋼板をアノードにして定電
流電解を行った。電解は20mmの間隔で対向するアノ
ード及びカソード間をめっき液が均一に流れる構造の循
環電解セルを用いて行った。めっき液流速は0.5〜2
m/secとした。
Sn、Taをカソード、冷延鋼板をアノードにして定電
流電解を行った。電解は20mmの間隔で対向するアノ
ード及びカソード間をめっき液が均一に流れる構造の循
環電解セルを用いて行った。めっき液流速は0.5〜2
m/secとした。
【0025】なお、ここで用いためっき液の組成及び条
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 380g/l 硫酸亜鉛 : 20g/l 硫酸ナトリウム : 30g/l pH : 2.0 温度 : 50℃ ここで、Fe3+還元速度を正確に評価するために、電解
無しでめっき液を循環させ、空気酸化でFe2+がFe3+
に酸化される速度を求めた。実際の電解還元時にはこの
空気酸化が生じているものとして還元効率を計算した。
また、冷延鋼板表面でのFe3+の還元は無視できるもの
として還元効率を計算した。なお、通電量は3500ク
ーロン/lとしたが、この電気量においてほぼ100%
の還元効率の場合には、Fe3+濃度は約2g/l低下す
る。この際のカソード電極の種類、めっき液のFe3+濃
度、めっき液流速、許容電流密度、還元電流密度、Fe
3+還元効率を表3に示す。なお、許容還元電流密度は、
Fe3+濃度×めっき液流速×2.5の値である。
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 380g/l 硫酸亜鉛 : 20g/l 硫酸ナトリウム : 30g/l pH : 2.0 温度 : 50℃ ここで、Fe3+還元速度を正確に評価するために、電解
無しでめっき液を循環させ、空気酸化でFe2+がFe3+
に酸化される速度を求めた。実際の電解還元時にはこの
空気酸化が生じているものとして還元効率を計算した。
また、冷延鋼板表面でのFe3+の還元は無視できるもの
として還元効率を計算した。なお、通電量は3500ク
ーロン/lとしたが、この電気量においてほぼ100%
の還元効率の場合には、Fe3+濃度は約2g/l低下す
る。この際のカソード電極の種類、めっき液のFe3+濃
度、めっき液流速、許容電流密度、還元電流密度、Fe
3+還元効率を表3に示す。なお、許容還元電流密度は、
Fe3+濃度×めっき液流速×2.5の値である。
【0026】
【表3】
【0027】表3に示すように、カソードにPb、Pb
合金、Sn、Taを用いた実施例のNo.1〜20は5
6%以上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Feを
用いた比較例のNo.21〜28は高々14%の還元効
率しか示さなかった。また、実施例のうちNo.1〜1
6は還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×2.5
で表される許容電流密度以下であるため、90%以上の
高い還元効率が得られた。No.17〜20は還元電流
密度が許容電流密度以上であるため、還元効率が70%
以下に止まった。なお、アノードとカソードとを短絡さ
せて無通電での還元を試みたが、いずれの電極でも明確
なFe3+還元は測定されなかった。 (実施例2)Fe−Znめっき液中でPb、Pb合金、
Sn、Taをカソード、冷延鋼板をアノードにして定電
流電解を行った。電解は実施例1と同じ方法で行った。
合金、Sn、Taを用いた実施例のNo.1〜20は5
6%以上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Feを
用いた比較例のNo.21〜28は高々14%の還元効
率しか示さなかった。また、実施例のうちNo.1〜1
6は還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×2.5
で表される許容電流密度以下であるため、90%以上の
高い還元効率が得られた。No.17〜20は還元電流
密度が許容電流密度以上であるため、還元効率が70%
以下に止まった。なお、アノードとカソードとを短絡さ
せて無通電での還元を試みたが、いずれの電極でも明確
なFe3+還元は測定されなかった。 (実施例2)Fe−Znめっき液中でPb、Pb合金、
Sn、Taをカソード、冷延鋼板をアノードにして定電
流電解を行った。電解は実施例1と同じ方法で行った。
【0028】なお、ここで用いためっき液の組成及び条
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 300g/l 硫酸亜鉛 : 200g/l 硫酸ナトリウム : 30g/l pH : 1.5 温度 : 60℃ 通電量は7000クーロン/lとしたが、この電気量に
おいてほぼ100%の還元効率の場合には、Fe3+濃度
は約4g/l低下する。この際のカソード電極の種類、
めっき液のFe3+濃度、めっき液流速、許容電流密度、
還元電流密度、Fe3+還元効率を表4に示す。
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 300g/l 硫酸亜鉛 : 200g/l 硫酸ナトリウム : 30g/l pH : 1.5 温度 : 60℃ 通電量は7000クーロン/lとしたが、この電気量に
おいてほぼ100%の還元効率の場合には、Fe3+濃度
は約4g/l低下する。この際のカソード電極の種類、
めっき液のFe3+濃度、めっき液流速、許容電流密度、
還元電流密度、Fe3+還元効率を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4に示すように、カソードにPb、Pb
合金、Sn、Taを用いた実施例のNo.29〜45は
59%以上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Fe
を用いた比較例のNo.46〜51は高々18%の還元
効率しか示さなかった。また、実施例のうちNo.29
〜41は還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×
2.5で表される許容電流密度以下であるため、90%
以上の高い還元効率が得られた。No.42〜45は還
元電流密度が許容電流密度以上であるため、還元効率が
70%以下に止まった。 (実施例3)Fe−Crめっき液中でPb、Sn、Ta
をカソード、冷延鋼板をアノードにして定電流電解を行
った。電解は実施例1,2と同じ方法で行った。
合金、Sn、Taを用いた実施例のNo.29〜45は
59%以上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Fe
を用いた比較例のNo.46〜51は高々18%の還元
効率しか示さなかった。また、実施例のうちNo.29
〜41は還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×
2.5で表される許容電流密度以下であるため、90%
以上の高い還元効率が得られた。No.42〜45は還
元電流密度が許容電流密度以上であるため、還元効率が
70%以下に止まった。 (実施例3)Fe−Crめっき液中でPb、Sn、Ta
をカソード、冷延鋼板をアノードにして定電流電解を行
った。電解は実施例1,2と同じ方法で行った。
【0031】なお、ここで用いためっき液の組成及び条
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 200g/l 硫酸クロム : 300g/l 硫酸アンモニウム : 50g/l pH : 1.8 温度 50℃ 通電量は3500クーロン/lとしたが、この電気量に
おいてほぼ100%の還元効率の場合には、Fe3+濃度
は約2g/l低下する。この際のカソード電極の種類、
めっき液のFe3+濃度、めっき液流速、許容電流密度、
還元電流密度、Fe3+還元効率を表5に示す。
件は以下の通りである。 硫酸第一鉄 : 200g/l 硫酸クロム : 300g/l 硫酸アンモニウム : 50g/l pH : 1.8 温度 50℃ 通電量は3500クーロン/lとしたが、この電気量に
おいてほぼ100%の還元効率の場合には、Fe3+濃度
は約2g/l低下する。この際のカソード電極の種類、
めっき液のFe3+濃度、めっき液流速、許容電流密度、
還元電流密度、Fe3+還元効率を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5に示すように、カソードにPb、S
n、Taを用いた実施例のNo.52〜64は52%以
上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Feを用いた
比較例のNo.46〜51は高々12%の還元効率しか
示さなかった。また、実施例のうちNo.52〜60は
還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×2.5で表
される許容電流密度以下であるため、90%以上の高い
還元効率が得られた。No.61〜64は還元電流密度
が許容電流密度以上であるため、還元効率が65%以下
に止まった。
n、Taを用いた実施例のNo.52〜64は52%以
上の還元効率が得られたのに対し、Pt、Feを用いた
比較例のNo.46〜51は高々12%の還元効率しか
示さなかった。また、実施例のうちNo.52〜60は
還元電流密度がFe3+濃度×めっき液流速×2.5で表
される許容電流密度以下であるため、90%以上の高い
還元効率が得られた。No.61〜64は還元電流密度
が許容電流密度以上であるため、還元効率が65%以下
に止まった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
めっき液中の金属イオン濃度の増加を可能な限り少なく
して、めっき液を廃棄することなく、かつ低コストでめ
っき液中のF3+を効率良くFe2+に還元する方法が提供
される。また、還元電流密度を許容電流密度以下にコン
トロールすることにより、極めて高い還元効率を得るこ
とができる。
めっき液中の金属イオン濃度の増加を可能な限り少なく
して、めっき液を廃棄することなく、かつ低コストでめ
っき液中のF3+を効率良くFe2+に還元する方法が提供
される。また、還元電流密度を許容電流密度以下にコン
トロールすることにより、極めて高い還元効率を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 第一鉄イオンを含有するめっき浴で、酸
化によって生成する第二鉄イオンを電解還元する方法で
あって、カソードにPb,Pb合金、Sn、Taを用
い、アノードに鉄またはめっきしようとする金属を用い
て電解することを特徴とするめっき液中の第二鉄イオン
の還元方法。 - 【請求項2】 前記電解還元の際の電流密度(A/dm
2 )を{めっき液中の3価鉄イオン濃度(g/l)}×
{めっき液流速(m/秒)}×2.5以下にすることを
特徴とする請求項1に記載のめっき液中の第二鉄イオン
の還元方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18153394A JPH0841695A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | めっき液中の第二鉄イオンの還元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18153394A JPH0841695A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | めっき液中の第二鉄イオンの還元方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0841695A true JPH0841695A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16102444
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18153394A Pending JPH0841695A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | めっき液中の第二鉄イオンの還元方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0841695A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1300385C (zh) * | 2003-06-13 | 2007-02-14 | 三洋电机株式会社 | 电镀液的再利用方法 |
| KR101726092B1 (ko) * | 2015-12-24 | 2017-04-12 | 주식회사 포스코 | 철계 전해액 내의 제이철 이온 농도 제어 방법 및 장치 |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP18153394A patent/JPH0841695A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1300385C (zh) * | 2003-06-13 | 2007-02-14 | 三洋电机株式会社 | 电镀液的再利用方法 |
| KR101726092B1 (ko) * | 2015-12-24 | 2017-04-12 | 주식회사 포스코 | 철계 전해액 내의 제이철 이온 농도 제어 방법 및 장치 |
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