JPH084448B2 - 離型剤 - Google Patents

離型剤

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JPH084448B2
JPH084448B2 JP63006584A JP658488A JPH084448B2 JP H084448 B2 JPH084448 B2 JP H084448B2 JP 63006584 A JP63006584 A JP 63006584A JP 658488 A JP658488 A JP 658488A JP H084448 B2 JPH084448 B2 JP H084448B2
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三恵子 斉藤
琢馬 藤川
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日清製油株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、特定のレシチンを水に分散させてなる離型
剤に関する。このものは噴射ガスを用いなくても容易に
スプレーできるなどの利点がある。
(b)従来の技術 離型剤は、食品用として、鉄板焼き用,製菓用,製パ
ン用、天板用等に用いられる他、工業用として、ゴム製
品,プラスチック製品等に用いられている。そして、こ
れらの離型剤にはレシチンを用いることが知られてい
る。
例えば、鉄板焼き用油として、スパッタリング現象抑
制の目的で植物性液状油にレシチンとプロピレングリコ
ール不飽和脂肪酸エステルを添加、溶解することを特徴
とする方法(特開昭54−103405号公報)、食用油脂にレ
シチンとポリグリセリン脂肪酸エステル単独または、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルと他の乳化剤を組み合わせ
て配合することを特徴とする方法(特開昭62−181738号
公報)等がある。
一方、これらの離型剤をスプレーする方法としては、
ポンプスプレーによるもの(非エアゾル型)、噴射ガス
を用いるもの(エアゾル型)などがあるが、従来のレシ
チンを配合した離型剤はいずれもレシチンを油脂に溶解
したものであり、油脂の粘度が高いため、ポンプスプレ
ーではスプレー性が悪く、殆どの場合、噴射ガスを用い
る方法が採用されていた。即ちこれは離型剤を圧力容器
に入れ、フロンガス、液化石油ガス、亜酸化窒素ガス、
窒素ガス、炭酸ガス等のガスを封入する方法である。
(c)発明が解決しようとする課題 しかし、噴射ガス使用にあたっては、食品用途の場合
は、スプレー効果の他、食品衛生上,法規上,さらには
安全上の配慮が必要であり、これまで十分納得のゆくも
のは見出されていない。例えば、噴射ガスとして液化石
油ガスを用いた場合、この離型剤を火気のある場所で使
用すると火災の危険を伴う。
また、工業用途の場合、圧力容器充填タイプのスプレ
ー式離型剤は、コスト面で不利であるばかりでなく、安
価な工業用スプレー式離型剤は、トルエン等の溶剤を使
っている場合が多く、作業者にとって有害であった。
スプレー性を改善するために、従来の離型剤に水を添
加し乳液タイプにしたものも試みられているが、この製
品を熱フライパンや熱鉄板上に噴射すると、水の飛びは
ねが起こり、危険である等の欠点があった。
(d)課題を解決するための手段 本発明の目的は、噴射ガスを用いることなく容易にス
プレーでき、しかも十分良好な離型効果を示す、安全で
風味の良い離型剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究の結果、巣に分散可能なレシチ
ンを調製し、これを水に分散させれば、上記の目的が達
成されることを見い出し、これに基づいて本発明を完成
した。
即ち本発明は水に分散可能な動植物レシチンと水とか
らなる離型剤に係るものである。
上記の水に分散可能な動植物レシチンとは、例えば卵
黄,牛脳,大豆,菜種等のレシチンを原料とし、これに
アルコール分別,アセトン分別,膜分別,酵素処理,ヒ
ドロキシル化,アルカリ加水分解,および水素添加から
選ばれる一種または二種以上の工程、望ましくは酵素処
理を含む工程を経て製造される動植物レシチンである。
なお、上記の原料は、これに限定されるものではな
い。
また、アルコール分別,アセトン分別,膜分別,酵素
処理,ヒドロキシル化,アルカリ加水分解,水素添加の
各工程は、いずれも常法によって行うことができ、なん
ら特別の手段は必要としない。
酵素処理工程で用いる酵素は、リパーゼ,ホスホリパ
ーゼ等の加水分解酵素であり、この処理によって、動植
物レシチンの加分散能は著しく高まる。本発明において
は、従ってこの酵素処理工程の採用が望ましい。もっと
もその他の工程のうち少なくとも一種を経て得られるレ
シチンであれば、本発明の目的を達することができるの
で、酵素処理工程は必須ではない。
なお、レシチンの他、合成乳化剤を配合することも可
能であるが、本発明で用いる水分散性レシチンは十分な
離型効果を持っているので、単独で水に分散させて用い
ることの方が望ましい。また、若干の油分添加も可能だ
が、例えば食品用途としフライパン上の飛びはね、スプ
レー性,低カロリー性などを考慮した場合には、50%以
下、望ましくは10%以下が良い。
本発明の離型剤はプロペラ撹拌、ホモミキサー撹拌等
により、レシチンを水に0.1〜50%、望ましくは0.1〜35
%分散させることによって製造することができる。
このもののスプレーに当たっては、とくに噴射ガスを
必要としないので、ハンドスプレー等のポンプスプレー
式の非エアゾル型容器に充填して使用することができ
る。
なお、この離型剤を、噴射ガスを用いるエアゾル型容
器に充填することは何ら差し支えなく、本発明はそのよ
うな形態を排除するものではない。
(e)実施例 実施例1 表−1に示した組成を有し、ハンドスプレー容器に充
填した離型剤は、スプレーの広がり、粒子の細かさとも
良好でフライパン上のはねかえりもほとんどなかった。
また、火気に向かって噴射しても、安全で、全く問題が
なかった。
なお粉末状酵素処理大豆レシチンの製造法は以下のと
おりである。
ペースト状大豆レシチンから溶剤を用いてトリグリセ
リドを除去した粉末状大豆レシチン20gを温水180gに分
散させ、ホモミキサーで均一に懸濁する。1N水酸化カリ
ウム水溶液を適当量加えpHを8.0に調整し、1M塩化カル
シウム水溶液を0.2ml添加する。
50℃に加温後ホスホリパーゼAの酵素源として豚パン
クレアチン(和光純薬工業(株)製)を0.2g添加し、撹
拌しつつ反応を行う。反応中、適量の1N水酸化カリウム
水溶液を加えつつpHを8.0〜9.0に維持する。8時間後に
塩酸を加えpH7.0にし反応を終了する。
このものは酸価66、過酸化物価0、アセトン不溶分97
%である。
実施例2 表−2に示した組成を有し、ハンドスプレー容器に充填
した離型剤は、スプレーの広がり、粒子の細かさとも良
好で、フライパンのはねかえりもほとんどなかった。ま
た、火気に向かって噴出しても安全で、全く問題がなか
った。
なお、ペースト状酵素処理大豆レシチンの製造法は以
下のとおりである。
ペースト状レシチン40gを温水160gに分散させ、ホモ
ミキサーで乳化する。1N水酸化ナトリウム水溶液を適量
加え、pHを8.0に調整し、1M塩化カルシウム水溶液を0.2
ml添加する。50℃に加温後ホスホリパーゼA(ノボイン
ダストリー社製 レシターゼ10L)0.02mlを添加し、撹
拌しつつ反応を行う。反応中、適量の水酸化ナトリウム
水溶液を添加しつつ、pHを8.0〜9.0に維持する。6時間
後適当量の塩酸を加えpHを7.0に調整し、反応を停止す
る。濃縮・乾燥を行い18gの酵素処理レシチンを得る。
このものは酸価65、過酸化物価0、アセトン不溶分55
%である。
実施例3 表−3に示した組成を有し、ハンドスプレー容器に充
填した離型剤は、スプレーの広がり、粒子の細かさとも
良好で、フライパンのはねかえりもほとんどなかった。
また、火気に向かって噴射しても安全で、全く問題がな
かった。
なお、アセトン分別処理卵黄レシチンの製造法は以下
のとおりである。
卵黄500gをヘキサン:エタノール=70:30 2.5Kgに加
え、ホモミキサーで1時間分散させた後静置しヘキサン
層をとる。脱溶剤して、卵黄油123gをた。このものにア
セトン615gを加え、ホモミキサーで30工程を2回繰り返
した。その後5℃、24時間静置し不溶部を得る。これを
乾燥させてアセトン分別処理卵黄レシチン34gを得た。
このものは、酸価16、過酸化物価0、アセトン不溶分
99%である。
実施例4 表−4に示した組成を有し、ハンドスプレー容器に充
填した離型剤を、製パン用型に噴霧塗布したところ、ス
プレー性は均一で良好であった。
対照として市販の離型油(植物性液状油にレシチンと
プロパンとプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステル
を添加,溶解したもの。以下同様)をハンドスプレーに
充填してスプレーしようと試みたが、油の粒子は広がら
ず、線状に噴出され、均一に塗布できなかった。
なお、アルコール分別酵素処理菜種レシチンの製造法
は以下のとおりである。
エタノール分画処理により得た精製高純度菜種レシチ
ン20gを温水180gに分散させ、ホモキキサーで均一に懸
濁する。1N水酸化ナトリウム水溶液を適当量加えpHを8.
0に調整し、1M塩化カルシウム水溶液を0.2ml添加する。
50℃に加温後ホスホリパーゼA(シグマ社製 ホスホリ
パーゼA2)を50mg添加し、撹拌しつつ反応を行う。反応
中適量の1N水酸化ナトリウム水溶液を加えつつ、pHを8.
0〜9.0に維持する。4時間後に塩酸を加え、pHを7.0に
し反応を停止してアルコール分別酵素処理菜種レシチン
19gを得る。
このものは、酸価71、過酸価物価0、アセトン不溶分
98%である。
実施例5 表−5に示した組成を有し、ハンドスプレー容器に充
填した離型剤を、金型に噴霧塗布したところ、スプレー
性は均一で良好であった。
なお、ヒドロキシル化水添大豆レシチンの製造法は以
下のとおりである。
ペースト状大豆レシチン、3Kgを6のアセトンで3
回撹拌して、中性脂肪、脂肪酸等を除去して、主として
リン脂質からなる沈澱物を得、乾燥する。この高純度大
豆レシチン(ヨウ素価85)200gを2倍量のヘキサンに溶
解し、乳酸と過酸価水素を加え常法によりヒドロキシル
化反応を行い、ヒドロキシル化高純度大豆レシチン(ヨ
ウ素価33)を得た。
このもの300gを2倍量のベンゼン/エタノール=5/1
に溶解し、2オートクレーブ中で、触媒として10%パ
ラジウムカーボン2%、水素圧20Kg/cm2、温度50℃、反
応時間4時間の条件で水素添加し、触媒を濾別後、溶剤
を留去して、ヒドロキシル化水素添加高純度大豆レシチ
ン180g(ヨウ素価3)を得た。
実施例6 実施例1〜3の離型剤を用い、薄焼卵を焼き、フライ
パンからの剥離性を評価した。フライパンは150℃に加
熱し、本発明の離型剤を均一にスプレーした。数秒加熱
することによって水分を蒸散させ、レシチンの極薄い膜
を作った後、卵液を入れて焼いた。
対照として、フライパンに何も塗布しない場合および
大豆白絞油を塗布した場合についても同様の操作を行っ
た。
実施例1〜3の離型剤を用いた場合、および、大豆白
絞油を塗布した場合は、いずれも良好な剥離性を示した
が、何も塗布しない場合は、卵がフライパンにこびりつ
き、はがすことができなかった。また繰り返し薄焼卵を
焼く際の作業性は大豆白絞油の場合に比べ、実施例1〜
3の場合の方がはるかに良好で簡便であった。
実施例7 実施例1〜3の離型剤を用い、実施例6と同様にし
て、市販のタレ付焼肉を焼いた(但しフライパンは200
℃に加熱した)。実施例1〜3の離型剤を用いた場合
と、大豆白絞油を塗布した場合は、タレによる若干のこ
げつきはあるものの、良好な剥離性を示したが、何も塗
布しない場合は、肉全体がフライパンにこびりつき、は
がすことができなかった。また、タレによるこげつきが
できた後、さらに離型剤を加えて肉を焼くとき、大豆白
絞油の場合に比べて、実施例1〜3の離型剤は、すぐれ
離型作用を示した。
実施例8 実施例4の離型剤を用い、表−6の処方でパンを焼い
た。なお生地は直捏法によって作り、200℃,40分間で焼
き上げた。
対照として焼型に何も塗布しない場合および市販の離
型油をハケで塗布した場合についても同様の操作で、パ
ンを焼いた。
実施例4の離型剤を用いる場合と、市販の離型油をハ
ケで塗布した場合は型をさかさにし軽く衝撃を与えるの
みで、容易にパンを取り出すことができたが、何も塗布
しない場合は、パンを取り出すことができなかった。ま
た、実施例4の離型剤は、市販の離型油をハケで塗る場
合に比べ、作業性が著しく優れており、大量生産にも適
していた。
実施例9 実施例5の離型剤をアルミニウム製の金型に噴霧塗布
した後、数秒加熱して水を蒸散させ、レシチンのごく薄
い膜を作り、ここに樹脂を流し込む注形法により、スチ
レン系樹脂を成型した。硬化後、固化物を取り出した。
対照として、レシチンをトルエンに5%溶解させた離型
剤を用いてスチレン系樹脂を製造した。両者は、離型製
に差はなく、良好であった。しかし、対照品は激しいト
ルエンの蒸散があって、作業性の労働環境上問題がある
のに対し、実施例5の離型剤を用いた場合は、環境を全
く汚染せず、作業を快適に行うことができた。
(f)発明の効果 本発明の離型剤はレシチンと水とからなっており、従
来のもののように油脂を含んでいない。そのため製品の
粘度が低く、とくに噴射ガスを用いたり、乳液の状態に
しなくてもスプレー適性の優れたものとなる。また粘度
を下げるために用いられていたトルエン、酢酸エチルな
どの溶剤も不要になる。従って本発明の離型剤は噴射ガ
ス,乳液タイプおよび溶剤の使用に伴う種々の欠点が排
除され、レシチンの離型効果を最大限に発揮できるとい
う利点を持っている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に分散可能な動植物レシチンと水とから
    なる離型剤。
  2. 【請求項2】水に分散可能な動植物レシチンがアルコー
    ル分別,アセトン分別,膜分別,酵素処理,ヒドロキシ
    ル化,アルカリ加水分解および水素添加から選ばれる一
    種または二種以上の工程を経て得られるものである請求
    項1記載の離型剤。
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