JPH0849039A - 制振性に優れるFe−Cu−Al鋼及びその製造方法 - Google Patents

制振性に優れるFe−Cu−Al鋼及びその製造方法

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JPH0849039A
JPH0849039A JP18466694A JP18466694A JPH0849039A JP H0849039 A JPH0849039 A JP H0849039A JP 18466694 A JP18466694 A JP 18466694A JP 18466694 A JP18466694 A JP 18466694A JP H0849039 A JPH0849039 A JP H0849039A
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JP
Japan
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mass
less
steel
vibration damping
damping property
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JP18466694A
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English (en)
Inventor
Hiroki Ota
裕樹 太田
Tomoya Koseki
智也 小関
Yasushi Morikage
康 森影
Kenichi Amano
虔一 天野
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 C:0.02mass%以下、Si:0.02mass%以下、
Mn:0.08mass%以下、Cu:0.05〜1.50mass%、Al:1.0
〜7.0 mass%及びN:0.008 mass%以下を含有し、残部
はFe及び不可避的不純物よりなり、しかも粒径0.1 mm以
上のフェライト粒体積率が20%以上である制振性に優れ
るFe−Cu−Al鋼。この鋼は、700 〜1050℃の範囲に1h
以上加熱保持・冷却した後、さらに450 〜650 ℃の熱処
理を施すことにより得られる。 【効果】 優れた制振性と、構造用材料として十分な引
張強度が400MPa以上の強度を有し、しかも靱性も良好で
経済性も優れているという工業上有用な特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、構造物の部材等に用
いて好適な鋼に関し、特に振動や騒音を抑制し得る振動
減衰特性に優れる、引張強度が400MPa以上の鋼を提案し
ようとするものである。近年、鉄道橋梁や自動車用道路
橋など大重量の通過車両の移動に伴う激しい振動をはじ
めとして、特に居住地域に近接して立地した工場や作業
場などの施設ないしは構造物に生じる振動ないしはそれ
らに伴われる騒音が、社会問題とされる風潮が著しい。
このための対策としては、吸音材料や遮音材料あるいは
振動絶縁材料を使用したり、また構造物の剛性を増大さ
せて共鳴を回避したりする種々な手法が講ぜられている
けれども、実際にはその騒音源となる振動は複雑で、そ
の原因を排除することは一般には困難である。そこで構
造部材としての材料自体に振動減衰特性いわゆる制振性
を付与して、それによる構造物の振動、騒音の抜本的な
改善を図ろうとする方法が注目されている。
【0002】
【従来の技術】上記の制振性を付与した鋼材について、
既にいくつかの提案が行われている。例えば特公昭60−
26813 号公報には、低降伏点でかつ粗大粒とする防振鋼
材の製造方法が提案されている。また、特開昭52−1443
17号公報には、3〜40mass%(以下単に%で示す)Crで
さらにTi, Alを添加した防振鋼が、さらに、特開昭57−
181360号公報には、1.5 〜9%Alを含有する制振厚鋼板
が、そして特公昭57−22981 号公報には、4〜7%Cr、
3〜5%Alを含有する制振性を揺する鋼材がそれぞれ開
示されている。しかし、いずれの鋼材も低強度であり構
造部材としては使用できない。また制振性が十分でなか
ったり、合金成分が多量に添加されて高価であるという
問題を残していた。
【0003】これに対し発明者らは先に、Mn量を0.08%
以下に低減したほぼ純鉄組成になる鋼にCuを添加し、さ
らにAlを1.0 〜7.0 %以上添加することで、制振減衰機
能を維持しつつ、しかも構造用鋼材としての強度と靱性
とを兼ね備える鋼板を提案した(特開平4−13847 号公
報参照)。かかる鋼板の振動減衰機構は次のとおりと考
えられる。すなわち、強磁性体の鋼では、磁気スピンが
揃うのに対応して結晶格子には歪(磁歪)が生じてい
て、主にこの影響を受けて内部は磁区に分割されてい
る。かような鋼に外力(振動)が加わると、磁歪との相
互作用によって磁区壁が移動する。すると強磁性体内部
に生じるこの磁区壁の移動すなわち磁化の変化を打ち消
すように渦電流が生じ、この渦電流は、逆に磁歪を通じ
て歪を引き起こす。この歪は、外力に対して位相が遅れ
るので、いわゆる磁気−力学的ヒステリシス型の内部摩
擦により振動減衰特性が現れるのである。この鋼板は、
同様な制振機構になる純鉄の優れた制振性に、強度及び
靱性を付与して構造用部材として適用できるようにした
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−13847
号公報に開示された鋼板は、強度、じん性、制振性のい
ずれも優れているが、制振性に関してはさらなる向上が
望まれていた。そこで量産が可能であり、より高い制振
性を有し、しかも構造用鋼材として必要な強度を具備し
て靱性に優れ、比較的安価な、振動減衰特性に優れた引
張強度が400MPa以上の鋼をその有利な製造方法とともに
提案することがこの発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前述の鋼の
振動減衰特性向上を図るべく種々検討を重ねた結果、か
かる鋼のフェライト粒径を制御することで制振性が向上
し、特に粒径が概ね0.1 mm以上の再結晶フェライト粒の
体積率が20%以上の場合に制振性が著しく向上すること
を見出した。
【0006】上記の知見に基づき、上記の鋼に比べてさ
らに振動減衰能を向上させたこの発明は、C:0.02%以
下、Si:0.02%以下、Mn:0.08%以下、Cu:0.05〜1.50
%、Al:1.0 〜7.0 %及びN:0.008 %以下を含有し、
残部はFe及び不可避的不純物よりなり、しかも粒径0.1
mm以上のフェライト粒体積率が20%以上である制振性に
優れるFe−Cu−Al鋼(第1発明)である。
【0007】またこの発明は、C:0.02%以下、Si:0.
02%以下、Mn:0.08%以下、Ni:0.05〜1.5 %、Cu:0.
05〜1.50%、Al:1.0 〜7.0 %及びN:0.008 %以下を
含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなり、しかも
粒径0.1 mm以上のフェライト粒体積率が20%以上である
制振性に優れるFe−Cu−Al鋼(第2発明)である。
【0008】さらに、この発明は、C:0.02%以下、S
i:0.02%以下、Mn:0.08%以下、Cu:0.05〜1.50%、A
l:1.0 〜7.0 %及びN:0.008 %以下を含有し、残部
はFe及び不可避的不純物よりなる鋼を700 〜1050℃の範
囲に1h以上加熱保持・冷却した後、さらに450 〜650
℃の熱処理を施すことを特徴とする制振性に優れるFe−
Cu−Al鋼の製造方法(第3発明)である。
【0009】またさらにこの発明は、C:0.02%以下、
Si:0.02%以下、Mn:0.08%以下、Ni:0.05〜1.5 %、
Cu:0.05〜1.50%、Al:1.0 〜7.0 %及びN:0.008 %
以下を含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼
を700 〜1050℃の範囲に1h以上加熱保持・冷却した
後、さらに450 〜650 ℃の熱処理を施すことを特徴とす
る制振性に優れるFe−Cu−Al鋼の製造方法(第4発明)
である。
【0010】
【作用】この発明の振動減衰特性に優れた構造用鋼にお
いて、成分組成を上記の範囲に限定した理由について説
明する。 C:0.02%以下 Cは、通常の鋼では強化成分として含有させるが、この
発明の鋼では、Cuの析出による強化作用を利用するの
で、強化成分としての量は必要ない。むしろC含有量が
0.02%を超えると、制振性を劣化させるので、0.02%以
下に限定した。 Si:0.02%以下 Mn量を低減した鋼へのSi添加は制振性を劣化させるの
で、0.02%を上限とした。 Mn:0.08%以下 Mnは、Cu添加により強化する際に、靱性に悪い影響を与
えるので、その含有量は低いほど好ましく、その含有量
の上限は0.08%であるので0.08%以下に限定した。
【0011】Cu:0.05〜1.50% Cuは、時効処理により微細なε−Cuとして析出させて、
鋼を強化させる成分であり、Mn含有量を低下させた鋼に
Cuを含有させることにより、制振性を損なうことなしに
強度と靱性とを両立させることができる。したがってこ
の発明では必須の成分であるが、Cu含有量が0.05%に満
たないとその効果に乏しく、一方1.5 %を超えて含有さ
せると熱間割れを生じるおそれがあるので0.05〜1.50%
の範囲とした。
【0012】Al:1.0 〜7.0 % Alは、Mnを0.08%以下に低減した、ほぼ純鉄組成になる
鋼において振動減衰特性を向上させるが、その含有量が
1.0 %に満たないとその効果がなく、一方7.0%を超え
る含有では靱性が劣化するので含有量は1.0 〜7.0 %の
範囲とした。 N:0.008 %以下 Nは、その含有量が低い方が制振性及び靱性の面から好
ましく、許容できる上限は0.008 %以下である。
【0013】この発明の鋼は、第2発明において、以上
の成分に加えてさらにNiを0.05〜1.5 %含有させる。Ni
は、Cuの添加に由来する熱間割れの傾向を制振性を損な
うことなしに抑えることができる。Ni量が0.05%に満た
ないとその効果に乏しく、一方1.5 %を超えると経済的
でないという不都合が生じるのでNi量は、0.05〜1.5 %
の範囲とした。
【0014】上記成分の他、この発明では不純物成分と
してP,Sをそれぞれ0.01%、0.005 %まで許容でき
る。Pは、その含有量の増加とともに制振性を劣化させ
るが、0.01%までは許容できるので上限を0.01%とす
る。Sは、P同様、制振性に好ましくない成分であり、
その含有量が0.005 %を超えると制振性が特に劣化す
る。したがってS含有量は0.005 %を上限とする。
【0015】以上の成分組成範囲に加えてこの発明の鋼
では、組織に関して粒径0.1 mm以上のフェライト粒体積
率が20%以上であることを規定する。本鋼材での振動減
衰性能は、磁壁の移動・磁気スピンの回転によってもた
らされるため、磁壁移動の障害になる粒界が少ないほど
良好な性能になる。すなわち、粒径が大きいほど好まし
い。磁壁の移動や磁気スピンの回転を容易に生じさせる
ためにはフェライト粒径は0.1 mm以上になる必要がある
ことから、フェライト粒径が0.1 mm以上のものについて
限定した。しかし、かかる0.1 mm以上のフェライト粒が
体積率で20%未満では、鋼材全体としての良好な振動減
衰特性が発揮できないので、0.1 mm以上のフェライト粒
が体積率で20%以上で存在することが必要である。
【0016】この発明の材料は、通常の溶製、鋳造及び
圧延により厚鋼板とすることができ、また厚鋼板に限ら
ず薄鋼板、形鋼、棒鋼、線材などにも用いることができ
る。一般に圧延ままの鋼板は、フェライト粒が伸長し、
また、その粒径も小さいためにこの発明では、熱処理に
よって所望の0.1 mm以上のフェライト粒径とする。圧延
時の加工ひずみを解消し、粒成長させるには700 ℃以上
の温度にする必要があるが、1050℃を超える高温に加熱
すると鋼材表面に微細な割れが発生する場合もあること
から、加熱温度は700 〜1050℃の範囲とする。当該温度
での保持時間は、1h以上で所望するフェライト粒径及
びその体積率になるため、下限を1hとする。保持時間
が長くなるに従い粒径及び体積率は増加するため振動減
衰特性は良好になるが、保持時間の上限は鋼材の使用目
的、要求特性及び工業的経済性を勘案して個々に定める
のが好ましく、特に限定するものではない。さらにCuの
析出のために通常の焼きもどしを施すのが好ましい。こ
の焼きもどし温度は450 〜650 ℃の範囲とする。焼きも
どし温度が450 ℃を下回ると析出処理に長時間を要し、
一方650 ℃を上回ると析出による強度上昇が十分でなく
なるため450 〜650℃に限定した。この焼きもどし処理
時間は、対象物の大きさ等にも依存するため特に限定し
ないが、十分な析出強化と経済性の両立という観点から
600 〜3600Sの範囲が好ましい。ただし、高い強度を必
要としない場合には、この析出処理を省略することがで
きる。
【0017】
【実施例】表1に示す種々の成分組成になる鋼を常法に
従って溶製、鋳造し、さらに通常の熱間圧延にて25mmに
仕上げ、700 〜1050℃で3hの焼なまし処理を施した。
その後さらにCu析出時効処理として575 ℃で1h の熱処
理を行った。表1において、記号A〜Eはこの発明の鋼
の成分組成になる鋼板である。一方、記号F〜Jは比較
例であり、いずれも本発明に係る焼なまし処理を施さな
いために0.1 mm以上の粒径を有するフェライト粒体積率
が低いものである。また記号Kには従来鋼としてSS400
鋼を示した。さてこれらの鋼板について、母材の引張特
性及び内部摩擦Q-1を測定し、得られた結果を表1に併
せて示す。
【0018】
【表1】
【0019】同表から明らかなように、この発明の特許
請求範囲になる鋼A〜Eは、いずれも構造用鋼板として
要求される引張強度400MPa以上を満足している。また従
来例のSS400 鋼に比較して格段に優れた内部摩擦値を示
し、制振性が向上している。しかも0.1 mm以上の粒径を
有するフェライト粒の体積率が低い比較例に比べて内部
摩擦値が一層向上し、制振性が向上しているのがわか
る。
【0020】
【発明の効果】この発明の振動減衰特性に優れた鋼材
は、Mn量を0.08%以下に低減したほぼ純鉄の組成になる
鋼にCuを添加し、さらにAlを1.0 〜7.0 %添加して制振
性を高めた鋼において、粒径0.1mm 以上のフェライト粒
体積率を20%以上とすることにより、より優れた制振性
と、構造用材料として十分な引張強度が400MPa以上の強
度を有し、しかも靱性も良好で経済性も優れているとい
う工業上有用な特性を有する。
フロントページの続き (72)発明者 森影 康 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部鉄鋼研究所 内 (72)発明者 天野 虔一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部鉄鋼研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02mass%以下、 Si:0.02mass%以下、 Mn:0.08mass%以下、 Cu:0.05〜1.50mass%、 Al:1.0 〜7.0 mass%及びN:0.008 mass%以下を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物よりなり、しかも粒径
    0.1 mm以上のフェライト粒体積率が20%以上である制振
    性に優れるFe−Cu−Al鋼。
  2. 【請求項2】C:0.02mass%以下、 Si:0.02mass%以下、 Mn:0.08mass%以下、 Ni:0.05〜1.5 mass%、 Cu:0.05〜1.50mass%、 Al:1.0 〜7.0 mass%及びN:0.008 mass%以下を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物よりなり、しかも粒径
    0.1 mm以上のフェライト粒体積率が20%以上である制振
    性に優れるFe−Cu−Al鋼。
  3. 【請求項3】C:0.02mass%以下、 Si:0.02mass%以下、 Mn:0.08mass%以下、 Cu:0.05〜1.50mass%、 Al:1.0 〜7.0 mass%及びN:0.008 mass%以下を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼を700 〜10
    50℃の範囲に1h以上加熱保持・冷却した後、さらに45
    0 〜650 ℃の熱処理を施すことを特徴とする制振性に優
    れるFe−Cu−Al鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】C:0.02mass%以下、 Si:0.02mass%以下、 Mn:0.08mass%以下、 Ni:0.05〜1.5 mass%、 Cu:0.05〜1.50mass%、 Al:1.0 〜7.0 mass%及びN:0.008 mass%以下を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼を700 〜10
    50℃の範囲に1h以上加熱保持・冷却した後、さらに45
    0 〜650 ℃の熱処理を施すことを特徴とする制振性に優
    れるFe−Cu−Al鋼の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023045935A (ja) * 2021-09-22 2023-04-03 株式会社プロテリアル Fe-Al系合金、Fe-Al系合金部材、Fe-Al系合金粉末およびFe-Al系合金の製造方法
CN118441223A (zh) * 2024-04-26 2024-08-06 鞍钢股份有限公司 一种结构功能一体化轻质高强铁素体钢板及其制造方法
CN118726843A (zh) * 2024-06-28 2024-10-01 鞍钢股份有限公司 一种轻质高强冷轧铁素体钢板及其制造方法

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CN118441223B (zh) * 2024-04-26 2025-11-18 鞍钢股份有限公司 一种结构功能一体化轻质高强铁素体钢板及其制造方法
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