JPH07126808A - 振動減衰特性に優れる機械構造用鋼 - Google Patents

振動減衰特性に優れる機械構造用鋼

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JPH07126808A
JPH07126808A JP27658793A JP27658793A JPH07126808A JP H07126808 A JPH07126808 A JP H07126808A JP 27658793 A JP27658793 A JP 27658793A JP 27658793 A JP27658793 A JP 27658793A JP H07126808 A JPH07126808 A JP H07126808A
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JP
Japan
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mass
steel
vibration damping
less
damping characteristics
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JP27658793A
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Hiroki Ota
裕樹 太田
Tomoya Koseki
智也 小関
Yasushi Morikage
康 森影
Kenichi Amano
虔一 天野
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動減衰特性に優れ、引張強度が 400MPa以
上の機械構造用鋼材を得る。 【構成】C:0.02mass%以下、 Si:0.5 〜3.0 mass
%、Mn:0.02〜1.5 mass%、Cu:0.05〜1.50mass%、A
l:1.0 〜7.0 mass%、N:0.008 mass%以下を含み、
かつSiとMnとは下記の関係 2 (mass %Mn) ≦ mass %Si を満足して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なる。さらに、必要によりCr:0.5 〜3.0 mass%、さら
にまた、Mo:0.01〜1.00mass%、V:0.01〜1.00mass%
のうちのいずれか1種または2種を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、構造物に用いて好適
な機械構造用鋼に関し、特に振動や騒音を抑制し得る振
動減衰特性に優れる、引張強度が 400MPa以上の機械構
造用鋼を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道橋梁や自動車用道路橋など大
重量の通過車両の移動に伴う激しい振動をはじめとし
て、特に居住地域に近接して立地した工場や作業場など
の施設ないしは構造物に生じる振動ないしはそれらに伴
われる騒音が、社会問題とされる風潮がある。このため
の対策としては、吸音材料や遮音材料あるいは振動絶縁
材料を使用したり、また構造物の剛性を増大させて共鳴
を回避したりする種々の手法が講ぜられているが、実際
にはその騒音源となる振動は複雑で、その原因を完全に
排除することは極めて困難なことである。そこで、構造
部材としての材料自体に振動減衰特性いわゆる制振性を
付与して、それによる構造物の振動, 騒音の抜本的な改
善を図ろうとする技術が注目されている。上記の制振性
を付与した鋼材については、既に、注目すべきいくつか
の提案がある。例えば、特公昭60−26813 号公報には、
低降伏点かつ粗大粒とする防振鋼材の製造方法が提案さ
れている。また、特開昭52−144317号公報には、3〜40
mass%CrでさらにTi, Alを添加した防振鋼が、また特開
昭57−181360号公報には、 1.5〜9%Alを含有する制振
厚鋼板が、さらに特公昭57−22981 号公報には、4〜7
mass%のCr, 3〜5mass%のAlを含有する制振性を有す
る鋼材がそれぞれ開示されている。
【0003】しかし、上記の既知鋼材は、いずれも強度
が比較的低く、そのために構造部材としての適用に制限
をうけること、その上、制振性が十分でなかったり、合
金成分が多量に添加されているため高価でるなどの問題
を残していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】制振材料とくに制振鋼
材に関し、上述した従来技術が抱えている各種の問題
を、本発明の解決課題とする。この課題解決手段として
の本発明の目標とするところは、振動減衰特性に優れ、
引張強度が 400MPa以上で、かつ比較的安価でしかも工
業的規模で安定して量産ができる機械構造用鋼材を提案
しようとするところにある。このような課題認識の下に
発明者らは、その解決に向けて鋭意研究を続けた。その
結果として、次のような背景技術についての知見とその
解決手段に想到した。以下にその知見と解決手段につい
て説明する。
【0005】さて、強磁性体の鋼は、磁気スピンが揃う
のに対応して結晶格子には歪(磁歪)が生じていて、内
部は主にこの影響を受けて磁区に分割されている。この
ような強磁性体の鋼に外力(振動)が加わると、磁歪と
の相互作用によって磁区壁が移動する。すると、強磁性
体内部に生じるこの磁区壁の移動すなわち磁化の変化を
打ち消すように渦電流が生じ、この渦電流は、逆に磁歪
を通じて歪を引き起こす。この歪は、外力に対して位相
が遅れるので、いわゆる磁気−力学的ヒステリシス型の
内部摩擦により振動減衰特性が現れる。これについて
は、例えば純鉄が制振性に優れることについて知られて
いるとおりである。しかし、純鉄は強度が低く、また靱
性の面からも構造用部材としての適用には問題がある。
これに対し発明者らは先に、Mn量を0.08mass%以下に低
減した、ほぼ純鉄組成になる鋼にCuを添加し、さらにAl
を 1.0〜7.0 mass%添加することで、高い振動減衰能を
維持しつつ、しかも構造用鋼材としての強度と靱性とを
兼ね具える鋼板およびその製造方法を提案した( 特開平
4−13847 号公報) 。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは、さら
に上記の鋼の振動減衰特性をより一層向上させるべく種
々検討を重ねた。その結果、上記の鋼にSiとMnを適量複
合添加すると制振性向上と高強度化が同時に達成できる
ことを見出した。すなわち、本発明は、 (1) C:0.02mass%以下、 Si:0.5 〜3.0 mass%、M
n:0.02〜1.5 mass%、Cu:0.05〜1.50mass%、Al:1.0
〜7.0 mass%、N:0.008 mass%以下を含み、かつSi
とMnとは下記の関係 2 (mass %Mn) ≦ mass %Si を満足して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なる振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。 (2) C:0.02mass%以下、 Si:0.5 〜3.0 mass%、M
n:0.02〜1.5 mass%、Cr:0.5 〜3.0 mass%、Cu:0.0
5〜1.50mass%、Al:1.0 〜7.0 mass%、N:0.008 mas
s%以下を含み、かつSiとMnとは下記の関係 2 (mass %Mn) ≦ mass %Si を満足して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なる振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。 (3) 上記の各鋼に、さらに下記の成分;Mo:0.01〜1.00
mass%、V:0.01〜1.00mass% のうちのいずれか1種または2種を含有させたことを特
徴とする振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。
【0007】
【作用】この発明の振動減衰特性に優れた機械構造用鋼
において、成分組成を上記の範囲に限定した理由につい
て説明する。 C:0.02mass%以下;Cは、Cuの析出による強化作用を
利用する本発明鋼では、強化成分としての量は必要な
い。むしろ0.02mass%を超えると、制振性を劣化させる
ので、0.02mass%以下に限定する。
【0008】Si:0.5 〜3.0 mass%;Siは、フェライト
生成元素でありAlとの複合添加により制振性能を向上さ
せ、かつ強度を上昇させる。その量が0.5 mass%未満で
は制振性の向上が乏しく、また、3.0 mass%を超えて添
加すると製造工程で割れを生じる恐れがあるため、その
範囲を0.5 〜3.0mass %に限定する。
【0009】Mn:0.02〜1.5 mass%;Mnは、脱酸のため
に不可欠であり、また固溶強化により鋼材の強度を高め
るが、0.02 mass %未満では脱酸の効果がなく、1.5 ma
ss%を超えて添加すると制振性を損なうため、添加の範
囲を0.02〜1.5 mass%に限定する。
【0010】Cu:0.05〜1.50mass%;Cuは、時効処理に
より微細なε−Cuとして析出して、鋼を強化させる成分
であり、制振性を損なうことなしに強度と靱性を両立さ
せることができる。含有量が0.05mass%に満たないとそ
の効果に乏しく、一方、1.50mass%を超えて含有させる
と熱間割れを生じる恐れがあるので0.05〜1.50mass%の
範囲とする。
【0011】Al:1.0 〜7.0 mass%;Alは、鋼の振動減
衰特性を向上させるが、含有量が1.0 mass%に満たない
とその効果が乏しく、一方 7.0mass%を超える含有では
靱性が劣化するので含有量は1.0〜7.0 mass%の範囲と
する。
【0012】N:0.008 mass%以下;Nは、その含有量
が少ない方が母材および溶接部の靱性の面から好まし
く、許容できる上限は0.008 mass%以下である。
【0013】2(mass %Mn) ≦ mass %Si;2(mass %
Mn) が mass %Siを超えると、とくに制振性が劣化し、
発明の目的が達成できない。従って、MnとSiの添加割合
は2(mass %Mn) ≦ mass %Siとする必要がある。
【0014】この発明の鋼は、以上の成分に加えてさら
にCrを0.5 〜3.0 mass%、またさらにMo:0.01〜1.00ma
ss%、V:0.01〜1.00mass%のうちのいずれか1種また
は2種を制振性を損なうことなく添加することができ
る。以下に、成分組成を上記範囲に限定した理由につい
て説明する。 Cr:0.5 〜3.0 mass%;Crは、内部摩擦値を増加させる
とともに靱性を向上させる効果をもつが、0.5mass%未
満の添加ではその効果がなく、一方3.0 mass%を超えて
添加しても効果がさほど増えず経済性を損なうため、0.
5 〜3.0 mass%の範囲に限定する。
【0015】Mo:0.01〜1.00mass%、V:0.01〜1.00ma
ss%;MoおよびVは、いずれも鋼材の制振性、強度を損
なうことなく靱性を大きく改善する効果をもつが、0.01
mass%未満の添加ではその効果が得られず、一方1.00ma
ss%を超えて添加するとかえって靱性を劣化させるの
で、その含有量は0.01〜1.00mass%に限定する。なお、
この発明における不純物成分のうち、O、PおよびSは
制振性を保持するうえから、それぞれ0.01mass%, 0.01
mass%および0.005 mass%以下とするのが好ましい。
【0016】この発明鋼は、通常の溶製、鋳造および圧
延により厚鋼板とすることができる。また、厚鋼板に限
らず、薄鋼板、形鋼、棒鋼あるいは線材などにも用いる
ことができる。なお、Cuの析出処理のために、通常の焼
き戻し処理を施すのが望ましい。
【0017】
【実施例】表1に示す種々の成分組成になる鋼を常法に
従って溶製, 鋳造し、さらに通常の熱間圧延により厚さ
25mmの鋼板とした。その後、930℃の焼なまし処理
および575℃、1hrのCu析出時効処理を施した。
【0018】
【表1】
【0019】表1において、鋼A〜Kは、この発明を満
足する成分組成になる鋼である。また、鋼L〜Pは、こ
の発明の成分組成範囲を外れた比較鋼であり、鋼Qは従
来鋼のSS400である。比較鋼のうち、鋼Lは2(mas
s %Mn) ≦ mass %Siを満たさないもの、鋼MはCu含有
量が少ないもの、鋼NはMnが高いもの、鋼OはN量が高
いもの、また鋼PはC量が高いものである。これら供試
鋼板の中心から丸棒引張試験片とシャルピー衝撃試験片
を採取し機械的特性を測定した。また、減衰特性
(Q-1)は鋼板表面を約1mm研削後、表面部から1.5 mm
厚の短冊状試験片を採取し機械インピータンス法で測定
した。Q-1が大きな値ほど振動減衰特性が優れることを
意味する。得られた機械的特性, 減衰特性についての測
定結果を表1に併せて示す。
【0020】表1から明らかなように、この発明に適合
した組成範囲になる鋼A〜Kはいずれも、構造用鋼とし
て必要な400MPa以上の引張強度を有しているととも
に、内部摩擦値は従来鋼のSS400鋼に比較して格段
に優れた値を示し、制振性が向上していることが判る。
これに対し、この発明成分組成範囲を外れる比較例であ
る鋼L,N,OおよびPはいずれも内部摩擦値が劣り、
鋼Mは強度が不足し、ともにこの発明の目的を達成する
ことができなかった。
【0021】
【発明の効果】この発明による鋼材は、優れた制振性と
引張り強さ400MPa以上の強度を有するので、構造物
の振動, 騒音を確実に低減することができる、工業上極
めて有用な構造用鋼である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森影 康 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 天野 虔一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.02mass%以下、 Si:0.5 〜3.0 mass%、 Mn:0.02〜1.5 mass%、Cu:0.05〜1.50mass%、 Al:1.0 〜7.0 mass%、N:0.008 mass%以下 を含み、かつSiとMnとは下記の関係 2 ( mass%Mn) ≦ mass%Si を満足して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
    なる振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。
  2. 【請求項2】 C:0.02mass%以下、 Si:0.5 〜3.0 mass%、 Mn:0.02〜1.5 mass%、Cr:0.5 〜3.0 mass%、 Cu:0.05〜1.50mass%、Al:1.0 〜7.0 mass%、 N:0.008 mass%以下 を含み、かつSiとMnとは下記の関係 2 (mass %Mn) ≦ mass %Si を満足して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
    なる振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載された各鋼に、さ
    らに下記の成分;Mo:0.01〜1.00mass%、V:0.01〜1.
    00mass% のうちのいずれか1種または2種を含有させたことを特
    徴とする振動減衰特性に優れる機械構造用鋼。
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