JPH08502686A - 二層ラッカー塗膜の製法及びこの方法に好適な粉末ラッカー - Google Patents
二層ラッカー塗膜の製法及びこの方法に好適な粉末ラッカーInfo
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、二層ラッカー塗膜の製法に関して、その際、着色下塗ラッカーを前もって塗布し、そうして得られる下塗ラッカー層に粉末クリヤラッカーを上塗りし、かつ引続いて、下塗ラッカー層及びクリヤラッカー層を一緒に焼付ける。粉末クリヤラッカーとして、本発明により、バインダーとしてエポキシド基含有ポリアクリレート樹脂及び網状化剤として(A)ポリ酸無水物及び(B)カルボキシル基含有ポリエステル樹脂からなる混合物を含有する粉末ラッカーを使用する。ポリエステル樹脂はジオール(b1)、ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ−、カルボキシル−、及び酸アンヒドリド基から選択される1分子当り少なくとも3個の官能基を含有する化合物(b2)及びジカルボン酸(b3)を、(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9.0のモル比で反応させて、酸価40〜300を有するポリエステル樹脂にすることによって製造可能である。
Description
【発明の詳細な説明】
二層ラッカー塗膜の製法及びこの方法に
好適な粉末ラッカー
本発明は、支持体表面上の二層ラッカー塗膜の製法に関し、この際、
(1)着色下塗ラッカーを、支持体表面上に塗布し、
(2)段階(1)で塗布されたラッカーから、ポリマー薄膜を形成させ、
(3)そうして得られる下塗ラッカー層上に、バインダーとしてエポキシド基含
有のポリアクリレート樹脂を含有する粉末クリヤラッカーを塗布し、かつ引続い
て
(4)下塗ラッカー層を粉末クリヤラッカー層と一緒に焼付ける。
また本発明は、バインダーとしてエポキシド基含有のポリアクリレート樹脂を
含有する粉末ラッカーに関する。
二層ラッカー塗膜を製造するための前記の方法は公知である。この方法を用い
て、特に、光沢、塗覆力、装飾的効果、耐候性及び修復性に関して、一層ラッカ
ー塗膜に比べて、明らかな利点を有するラッカー塗膜(特に自動車用)を製造す
ることができる。しかしながら、この利点を達成するためには、前記のラッカー
塗布法に適合した、極めて特別な性質を有するラッカーを使用しなければならな
い。
階段(1)で塗布される下塗ラッカーは、色、塗覆力及び効果(特に金属効果
のための金属顔料の使用の際)に、関与する。
下塗ラッカーの塗布後に得られる着色下塗ラッカー層に、殊に、未焼付状態で
、クリヤラッカーを上塗りする。引続いて、下塗ラッカー層及びクリヤラッカー
層を一緒に焼付ける。この際、下塗ラッカー層中に含有された顔料が、その空間
的分配及び/又はその空間的配向において、クリヤラッカーでの上塗り中でも、
一緒の焼付け中でも、障害を受けないことが決定的に重要なことである。そのよ
うな障害は、ラッカー塗膜の視覚的な現象像の悪化に結びつく。下塗ラッカー層
上に塗布されたクリヤラッカーは、二層ラッカー塗膜に、特に光沢、豊かさ、気
候、化学薬品、水及び物理的負荷に対する塗覆性及び耐性を与えなければならな
い。クリヤラッカーは、下塗ラッカー層の上塗ラッカー塗布の間も、焼付工程中
も、下塗ラッカー層の障害を起こしてはならず、しかしまた、焼付後に下塗ラッ
カー層上に良好に接着しかつ前記の特性を有するクリヤラッカー塗膜をもたらせ
ねばならない。
経済的及び生態学的理由から、二層ラッカー塗膜の製造のための問題の方法の
場合には、クリヤラッカーとして、粉末クリヤラッカーを使用することが望まし
い。従って、バインダーとしてエポキシド基を有するポリアクリレート樹脂を含
有する粉末クリヤラッカーの使用下に、前記の種類の二層ラッカー塗膜を製造す
ることが試みられた(欧州特許(EP−A)第299420号明細書参照)。し
かしながら、そうして得られる二層ラッカー塗膜は、改善が必要である。
本発明の基礎にある課題は、前記の種類の二層ラッカー塗膜の製法を提供する
ことにあり、この方法では、バインダーとしてエポキシド基を有するポリアクリ
レート樹脂を含有し、かつそれと共に、公知技術水準の二層ラッカー塗膜に比べ
て改善された特性を有する二層ラッカー塗膜を製造可能である粉末クリヤラッカ
ーを、段階(3)で使用する。
この課題は、意外にも、前記種類の方法によって解決され、その方法では、段
階(3)で粉末クリヤラッカーを使用し、それは、網状化剤として、
(A) 統計的平均で、1分子当り、少なくとも2個のカルボキシル基及び少なく
とも1個、有利に少なくとも2個の酸アンヒドリド基を有する化合物又はそのよ
うな化合物からなる混合物5〜95、殊に5〜80、特に有利に10〜50重量
%及び
(B) (b1)ジオール又はジオールからなる混合物、
(b2)ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ、カルボキシル−及
び酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は2個のカルボキ
シル基と当量であると見なされる)から選択された、1分子当り少なくとも3個
の官能基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合物及び
(b3)ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及び/又は
ジカルボン酸無水物からなる混合物
を、(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9
.0、殊に0.0〜2.0:1.0:2.0〜8.0、特に有利に0.5〜2.
0:1.0:2.0〜6.0のモル比で反応させて、酸価40〜300、殊に8
0〜250を有するポリエステル樹脂にすることによって得られる、カルボキシ
ル基含有ポリエステル樹脂95〜5、殊に95〜20、特に有利に90〜50重
量%
からなる混合物を含有する(この際、重量%表示は、(A)+(B)=100重
量%に対応している)。
本発明による方法を用いて、公知技術水準の二層ラッカー塗膜に比べて、アル
カリ、樹脂、パンクレアチン、スーパーベンジン(Superbenzin)及びメチルエ
チルケトンに対する改善された安定性、より良好な引掻強度及びより良好な金属
効果を有し、かつ公知技術水準の二層ラッカー塗膜よりも硬い二層ラッカー塗膜
が得られる。
本発明による方法の段階(1)で、二層ラッカー塗
膜の製造に好適な全ての着色下塗ラッカーを使用することができる。この種の下
塗ラッカーは、当業者に公知である。水で希釈可能な下塗ラッカーも、有機溶剤
を基礎とする下塗ラッカーも使用することができる。好適な下塗ラッカーは、例
えば、米国特許(US−A)第3639147号、西ドイツ国特許(DE−A)
第3333072号、西ドイツ国特許(DE−A)第3814853号、英国特
許(GB−A)第2012191号、米国特許(US−A)第3953644号
、欧州特許(EP−A)第260447号、西ドイツ国特許(DE−A)第39
03804号、欧州特許(EP−A)第320552号、西ドイツ国特許(DE
−A)第3628124号、米国特許(US−A)第4719132号、欧州特
許(EP−A)第297576号、欧州特許(EP−A)第69936号、欧州
特許(EP−A)第89497号、欧州特許(EP−A)第195931号、欧
州特許(EP−A)第228003号、欧州特許(EP−A)第38127号及
び西ドイツ国特許(DE−A)第2818100号明細書に記載されている。
段階(1)で、金属顔料、殊にアルミニウム薄板顔料を含有する下塗ラッカー
を使用することが有利である。
本発明による方法の段階(2)で段階(1)で塗布された下塗ラッカーから、
気化相で、有機溶剤もしく
は水を除去する。段階(2)で、下塗ラッカー層を焼付けないことが有利である
。勿論、段階(2)で、下塗ラッカー層を少なくとも部分的に焼付けることも可
能である。しかし、その後の、二層ラッカー塗膜の製造のために、1回の焼付工
程の代りに2回必要とされるので、経済的理由からそれは不利である。
本発明による方法の段階(3)で、粉末のクリヤラッカーを塗布することは、
本発明にとって重要なことであり、これは、バインダーとして、エポキシド基含
有のポリアクリレート樹脂及び網状化剤として、
(A) 統計的平均で、1分子当り少なくとも2個のカルボキシル基及び少なくと
も1個、有利に少なくとも2個の酸アンヒドリド基を有する化合物又はそのよう
な化合物からなる混合物5〜95、殊に5〜80、特に有利に10〜50重量%
及び
(B) (b1)ジオール又はジオールからなる混合物、
(b2)ヒドロキシル−、一級アミノ− 、二級アミノ−、カルボキシル
−及び酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は2個のカルボキシ
ル基と当量であると見なされる)から選択される、1分子当り少なくとも3個の
官能基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合物及び
(b3)ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及び/又は
ジカルボン酸無水物から
なる混合物
を(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9.0
、殊に0.0〜2.0:1.0:2.0〜8.0、特に有利に0.5〜2.0:
1.0:2.0〜6.0のモル比で反応させて、酸価40〜300、殊に80〜
250を有するポリエステル樹脂にすることによって得られる、カルボキシル基
含有ポリエステル樹脂95〜5、殊に95〜20、特に有利に90〜50重量%
からなる混合物を含有する(この際、重量%表示は、(A)+(B)=100重
量%に対応している)。
粉末クリヤラッカーとは、透明である粉末ラッカーのことであり、すなわち、
それは顔料を含有していないか、又はそれは着色はされているが、なお透明であ
る。
エポキシド基含有のポリアクリレート樹脂とは、分子中に少なくとも1個のエ
ポキシド基を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーと、分子中に
エポキシド基を有しない少なくとも1種の他のエチレン系不飽和モノマーとの共
重合によって製造可能であるポリマーのことであり、この際、モノマーの少なく
とも1種は、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルである。
エポキシド基含有ポリアクリレート樹脂は公知である(例えば欧州特許(EP
−A)第299420号、
西ドイツ国特許(DE−B)第2214650号、米国特許(US−A)第40
91048号及び米国特許(US−A)第3781379号明細書参照)。
分子中に少なくとも1個のエポキシド基を有するエチレン系不飽和モノマーの
例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びアリルグリ
シジルエーテルが挙げられる。
分子中にエポキシド基を有しないエチレン系不飽和モノマーの例として、アル
キル基中に1〜20個の炭素原子を有するアクリル−及びメタクリル酸のアルキ
ルエステル、特にメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートが挙げら
れる。分子中にエポキシド基を有しないエチレン系不飽和モノマーの他の例は、
酸、例えばアクリル酸及びメタクリル酸、酸アミド、例えばアクリル酸−及びメ
タクリル酸アミド、ビニル芳香族化合物、例えばスチロール、メチルスチロール
及びビニルトルオール、ニトリル、例えばアクリルニトリル及びメタクリルニト
リル、ビニル−及びビニリデンハロゲニド、例えば塩化ビニル及び弗化ビニリデ
ン、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル及びヒドロキシル基含有のモノマー、例
えばヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートである
。
エポキシド基含有のポリアクリレート樹脂は、通例、エポキシド当量400〜
2500、殊に500〜1500、特に有利に600〜1200、数平均分子量
(ポリスチロール標準の使用下でゲル透過クロマトグラフィーによって測定)1
000〜15000、殊に1200〜7000、特に有利に1500〜5000
及びガラス転移温度(TG)30〜80、殊に40〜70、特に有利に40〜6
0℃を有する(differential scanning calometrie (DSC)に依って測定)。
エポキシド基含有のポリアクリレート樹脂は、一般に良好に知られた方法によ
り、ラジカル重合によって、製造され得る。
本発明により使用される粉末クリヤラッカーは、網状化剤として、
(A) 統計的平均で、1分子当り少なくとも2個のカルボキシル基及び少なくと
も1個、有利に少なくとも2個の酸アンヒドリド基を有する化合物又はそのよう
な化合物からなる混合物5〜95、殊に5〜80)特に有利に10〜50重量%
及び
(B)(bl) ジオール又はジオールからなる混合物、
(b2) ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ、カルボキシル−及び
酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は、2個のカルボキシル基
と当量であると見なされる)か
ら選択された、1分子当り少なくとも3個の官能基を含有する化合物又はそのよ
うな化合物からなる混合物及び
(b3) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及び/又はジ
カルボン酸無水物からなる混合物
を、(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.1:1.0:1.5〜9.
0、殊に0.0〜2.0:1.0:2.0〜8.0、特に有利に0.5〜2.0
、1.0:2.0〜6.0のモル比で反応させて、酸価40〜300、殊に80
〜250を有するポリエステル樹脂にすることによって得られるカルボキシ基含
有のポリエステル樹脂95〜5、殊に95〜20、特に有利に90〜50重量%
からなる混合物を含有する(この際、重量%表示は、(A)+(B)=100重
量%に対応している)。
成分(A)として、ポリカルボン酸又はポリカルボン酸からなる混合物のポリ
酸無水物、特にジカルボン酸又はジカルボン酸からなる混合物のポリ酸無水物を
使用することができる。
この種のポリ酸無水物は、ポリカルボン酸もしくはポリカルボン酸からなる混
合物から水を除去することによって製造可能であり、この際、各々2個のカルボ
キシル基が変換されて、アンヒドリド基になる。この種の製法は、周知であり、
従って詳しく説明する必要
はない。
また、成分(A)として、欧州特許(EP−A)第299420号明細書中に
記載されているような、ポリオールで変性されたポリ酸無水物を使用することが
できる。
成分(A)として、殊に、分子中に3〜20、殊に6〜12個の炭素原子を有
する脂肪族又は環状脂肪族ジカルボン酸の直鎖状のポリ酸無水物又はそのような
ジカルボン酸からなる混合物の直鎖状ポリ酸無水物を使用するのが有利である。
有利に使用されるポリ酸無水物の具体的な例は、ポリ(アジピン酸無水物)、ポ
リ(アゼライン酸無水物)、ポリ(セバシン酸無水物)、ポリ(ドデカンジ酸無
水物)及びポリ(シクロヘキサンシカルボン酸無水物)である。
成分(B)として使用されるカルボキシル基含有のポリエステル樹脂は、
(b1) ジオール又はジオールからなる混合物、
(b2) ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ−、カルボキシル−及び酸
アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は2個のカルボキシル基と当
量であると見なされる)から選択される、1分子当り少なくとも3個の官能基を
有する化合物又はそのような化合物からなる混合物及び
(b3) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカル
ボン酸及び/又はジカルボン酸無水物からなる混合物
を、(b1):(b2)、(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9.
0、殊に0.0〜2.0:1.0:2.0〜8.0、特に有利に0.5〜2.0
:1.0:2.0〜6.0のモル比で反応させて、酸価40〜300、殊に80
〜250を有するポリエステル樹脂にすることによって、得られる。
(b1)、(b2)及び(b3)の反応は、ポリエステル樹脂製造の周知の方
法により実施される。反応温度は、通例140〜240、殊に160〜200℃
である。
成分(b1)として、ジオール又はジオールからなる混合物を使用する。ジオ
ールとは、1分子当り2個のヒドロキシル基を有する有機化合物のことである。
使用可能なジオールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノール−A、ビスフェノール−A、
水素化ビスフェノール−Aのエチレンオキシド−又はプロピレンオキシド−付加
体及びジエチレングリコールである。成分(b1)としては、分子中に2〜16
、殊に2〜12個の炭素原子を有する脂肪族又は環状脂肪族ジオール又はそのよ
うなジオールからなる混合物を使用するのが有利であ
る。成分(b2)として、ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ−、カル
ボキシ−及び酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は、2個のカ
ルボキシル基と当量であると見なされる)から選択される、1分子当り少なくと
も3個の官能基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合物を使用する
。
成分(b2)として、例えば、1分子当り少なくとも3個のヒドロキシル基を
有する化合物を使用することができる。そのような化合物の例は、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリット、トリメチロールエタン及びグリセリンである
。
また、成分(b2)として、1分子当り、2個のヒドロキシル−及び1個のカ
ルボキシル基を有する化合物を使用することができる。そのような化合物の例は
、ジメチロールプロピオン酸である。
また、成分(b2)として、1分子当り、2個の一級アミノ−及び1個のヒド
ロキシル基を有する化合物を使用することができる。そのような化合物の例は、
ジアミノプロパノールである。
また、成分(b2)として、1分子当り、少なくとも3個のカルボキシル−も
しくは少なくとも1個の酸アンヒドリド−及び1個のカルボキシル基を有する化
合物を使用することができる。その種の化合物の例は、トリメリット酸、無水ト
リメリット酸、ピロメリッ
ト酸及び無水ピロメリット酸である。
成分(b3)として、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及
び/又はジカルボン酸無水物からなる混合物を使用する。使用可能なジカルボン
酸の例は、飽和及び不飽和の脂肪族又は環状脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジ酸、マレイン酸、フマル酸、コ
ハク酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテトラヒドロフタル酸である。使用可能なジ
カルボン酸無水物の例は、前記の酸の無水物である。
また、成分(b3)として、芳香族ジカルボン酸及び無水物、例えば、フタル
酸、イソフタル酸及びテレフタル酸を使用することができる。芳香族ジカルボン
酸及びその無水物の使用はあまり有利ではない。
(A)及び(B)からなる混合物は、通例、エポキシド基含有のポリアクリレ
ート樹脂のエポキシド基1当量当り、カルボキシル基0.5〜1.5、殊に0.
75〜1.25当量が存在するような量で使用され、この際、各々のアンヒドリ
ド基は、1個のカルボキシル基と当量であると見なされる。存在するカルボキシ
ル基の量は、アルコール性KOH−溶液での滴定によって、測定され得る。この
滴定の際に、各アンヒドリド基については、一官能性のカルボキシル基が測定さ
れる。
本発明により使用される粉末クリヤラッカーは、エ
ポキシド基含有のポリアクリレート樹脂及び(A)及び(B)からなる混合物の
ほかに、更に1種又は数種の網状化触媒、透明な顔料並びに粉末クリヤラッカー
に常用の他の添加剤、例えばUV−安定剤及び流展助剤を含有してよい。
本発明により使用される粉末クリヤラッカーは、エポキシド基含有ポリアクリ
レート樹脂、(A)及び(B)からなる混合物並びに場合により他の常用の添加
剤を混合し、混合物を押出しかつ得た押出物を粉砕することによって製造され得
る。
本発明による方法によって製造された二層ラッカー塗膜を、任意の支持体、例
えば、金属、木、ガラス又はプラスチック上に塗布することもできる。本発明に
よる方法に依り、殊に、自動車車体のための二層ラッカー塗膜が製造される。
本発明により使用される粉末クリヤラッカーから、白色又は有色の顔料を加入
混合することによって、有色粉末ラッカーを製造することができる。また、この
粉末ラッカーを、任意の支持体、例えば金属、木、ガラス又はプラスチックの一
層の被覆のために使用することができる。
本発明により使用される粉末ラッカーを、粉末ラッカーに常用の全ての塗布技
術に依り塗布することができる。粉末ラッカーを、静電的に塗布するのが有利で
ある。
本発明を、次の例で詳説する。全ての部及びパーセント率の表示は、他の記載
のない限り、重量表示である。
1. エポキシド基含有のポリアクリレート樹脂の製造
キシロール30.0重量部に、メチルメタクリレート37.06重量部、グリ
シジルメタクリレート14.40重量部、n−ブチルアクリレート9.00重量
部及びスチロール6.54重量部からなる混合物を、4時間以内で、120℃で
加える。モノマー混合物の添加を開始して、t−ブチルペル−2−エチルヘキサ
ノエート(TBPEH;製造者:Peroxid Chemie)3.0部を、4.5時間かかって添
加する。モノマー混合物及びペルオキシドの添加の間の反応温度は140℃であ
る。この温度を、ペルオキシドの添加終了後もなお、1時間保つ。その後に、キ
シロールを減圧で除去し、合成樹脂を180℃に加熱し、かつ反応容器から出す
。得られたポリアクリレート樹脂は、エポキシド当量686g/molを有する。
2. 成分(A)の製造
ドデカンジ酸67.2重量部を、無水酢酸29.8重量部と共に、還流冷却器
を有する反応容器中に量り入れる。混合物を徐々に加熱して還流させ、かつ3時
間還流下に放置する。その後に、生成した酢酸を留去する。引続いて、反応生成
物に、もう一度、無水酢酸3.00重量部を加え、かつ1時間還流温度に加熱す
る。最後に、生成した酢酸を留去し、かつ反応生成物を、90℃で、反応容器か
ら出す。
3. 成分(B)の製造
3.1. ヘキサンジオール−1,6(153.3g)、トリメチロールプロパン3
70.6g、ジエチレングリコール119.9g及び無水ヘキサヒドロフタル酸1
419.3gを、反応釜中に量り入れる。混合物を徐々に加熱し、かつ生成した
水を反応混合物から脱水器を用いて除去する。反応生成物が酸価160を達成し
たら直ちに冷却し、かつ100℃で反応容器から出す。そうして得られたカルボ
キシル基含有ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(TG)26℃を有する。
3.2. シクロヘキサンジメタノール−1,4(612.9g)、無水コハク酸5
13.9g、無水ヘキサヒドロフタル酸792.4g及びトリメチロールプロパ
ン328.8gを、反応釜に量り入れる。混合物を徐々に加熱し、かつ生成した
水を、反応混合物から、脱水器を用いて除去する。反応生成物が酸価135を達
成したら直ちに冷却し、かつ100℃で反応器から出す。そうして得られたカル
ボキシル基含有ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(TG)25℃を有する。
4. 本発明による粉末クリヤラッカーの製造
4.1. 1.により製造されたエポキシド基含有ポリアクリレート樹脂1372g
を、2.により製造された成分(A)124g、3.1.により製造された成分
造者:Ciba Geigy AG)48.8g、第2の光安定剤
、ベンゾイン813g及びポリアクリレート樹脂を基
KGaA)8.13gと一緒に、カッテイング・ミル(Vorschneidemuehle)中で粉砕
し、かつ予備混合する。そうして得られた混合物を、引続いて、Buss社のKo−
捏和機(Typ PLK 46)中で押出し、この際、押出室(Extrusionsraum)の中間に
おける温度は90〜110℃である。押出物を速かに室温に冷却し、仕切板付ミ
ル(Prall-Muehle)(Hosokams Mikropnl社のACM 2 L)中で、平均粒径
30〜40μmを有する粉末に粉砕し、かつ孔度125μmを有する篩に通す。
4.2. 1.により製造したエポキシド基含有ポリアクリレート樹脂1372gを
、2. により製造した成分(A)126.7g、3.1. により製造した成分(B)
5
Ciba Geigy AG)53.9、第2の光安定剤(Tinuvin
ン9.0g及びポリアクリレート樹脂を基礎とする流
0gと一緒に、カッテイング・ミル中で粉砕し、かつ混合する。そうして得られ
る混合物を、引続いて、Buss社のKo−捏和機(Typ PKL 46)中で押出し、こ
の際、押出室の中間における温度は、90〜110℃である。押出物を速かに室
温に冷却させ、仕切板付ミル(Hosokawa Mikropul社のACM 2 L)中で、
平均粒径30〜40μmを有する粉末に粉砕し、かつ孔度125μmを有する篩に
通す。
5. 公知技術水準の粉末クリヤラッカーの製造
5.1. 欧州特許(EP−A)第299420号明細書の説明により変性されたポ
リマー無水物の製造
2.により製造された成分(A)874重量部に、トリメチロールプロパン97
.8重量部を加え、かつ反応混合物を1.5時間130℃で保つ。引続いて、反
応生成物を90℃で反応容器から出す。
5.2. 欧州特許(EP−A)第299420号明細書の説明による粉末クリヤラ
ッカーの製造
1. により製造されたエポキシド基含有のポリアクリレート樹脂1372gを
、5.1. により変性された
900、製造者:Ciba Geigy AG)44.2g、第2の光安
5g、ベンゾイン7.4g及びポリアクリレートを基
7.4gと一緒に、カッテイング・ミル中で、粉砕し、かつ予備混合物する。そ
うして得られる混合物を、引続いて、Buss社のKo−捏和機(Typ PLK 46)中で
押出し、この際、押出室の中間における温度は90
〜110℃である。押出物を速かに室温に冷却し、仕切板付ミル(Hosokawa Mik
ropul社のACM 2 L)中で、平均粒径30〜40μmを有する粉末に粉砕し
、かつ孔度125μmの篩に通す。この粉末ラッカー中には、(4.1.及び4.2. に
より製造された本発明による粉末ラッカー中と同様に)ポリアクリレート樹脂の
エポキシド基1個当り、網状化剤の1個の遊離カルボキシル基もしくは1個のア
ンヒドリド基が存在しているような量の、5.1.に依り変性されたポリマー無
水物が含有されている。残りの成分のうち、(バインダープラス網状化剤の含量
100重量%に対して)、パーセントの割合が、4.1.及び4.2.により製
造された本発明による粉末クリヤラッカー中のそれに相応するような量が、その
つど使用された。
5.3. 成分(A)だけを網状化剤として含有する粉末クリヤラッカーの製造
1. により製造されたエポキシド基含有のポチアクリレート樹脂1372gを
、2.により製造された成分(A)380g、
4、製造者:Ciba Geigy AG)29.5g、ベンゾイン7.4g及びポリアクリレ
ート樹脂を基礎とする流展
と一緒に、カッテイング・ミル中で粉砕し、かつ予備
混合物した。そうして得られる混合物を、引続いて、Buss社のKo−捏和機(Ty
p PLK 46)中で押出し、この際、押出室の中間における温度は90〜110℃で
ある。押出物を速かに室温に冷却し、仕切板付ミル(Hosokawa Mikropul社のA
CM 2 L)中で、平均粒径30〜40μmを有する粉末に粉砕し、かつ孔度
125μmの篩に通す。この粉末ラッカー中には、(4.1.及び4.2.によ
り製造された本発明による粉末クリヤラッカー中と同様に)、ポリアクリレート
樹脂のエポキシド基1個当り、網状化剤の1個の遊離カルボキシル基もしくは1
個のアンヒドリド基が存在しているような量の、5.1.により変性されたポリマー
無水物が含有されている。残りの成分にのうち、(バインダープラス網状化剤の
含量100重量%に対して)、パーセントの割合が、4.1. 及び4.2. により製造
された本発明による粉末ラッカー中のそれに相応する量が、そのつど、使用され
た。
6. 二層ラッカー塗膜の製造
商慣習の電気浸漬ラッカー塗膜及び商慣習の充填剤で被覆された、ホスフェー
ト化の鋼製板上に、商慣習の、ポリウレタン、ポリエステル及びメラミン樹脂を
含有する、水で希釈可能な、アルミニウム小片で着色された下塗ラッカーを、乾
燥塗膜厚12〜15μmが得られるように、塗布する。塗布された下塗ラッカー
を、10分間室温で、かつ10分間80℃で乾燥させ
る。次いで、そのように被覆された鋼製板上に、4.1.、4.2.、5.2.及び5.3.によ
り製造された粉末クリヤラッカーを、クリヤラッカーの塗膜厚50〜60μmが
得られるように、静電的に上塗りする。最後に、下塗ラッカー及び粉末クリヤラ
ッカーを、20分間160℃(対物温度)で焼付ける。
4.1.及び4.2.により製造された本発明による粉末クリヤラッカーの使用下で製
造された二層ラッカー塗膜は、5.2. 及び5.3. により製造された、公知技術水準
の粉末クリヤラッカーの使用下で製造された二層ラッカー塗膜よりも、苛性アル
カリ液、樹脂、パンクアチン、スーパーベンジン及びメチルエチルケトンに対す
る良好な耐性、良好な引掻強度、良好な金属効果を示し、かつ硬質である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ヴォルテリング,ヨアヒム
ドイツ連邦共和国 D―4400 ミュンスタ
ー ルードルフシュトラーセ 24
(72)発明者 ヒルガー,クリストファー
ドイツ連邦共和国 D―4400 ミュンスタ
ー ゲーベンシュトラーセ 33
(72)発明者 ラーデマッハー,ヨーゼフ
ドイツ連邦共和国 D―4400 ミュンスタ
ー リンケンスシュトラーセ 33
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. (1)着色された下塗ラッカーを、支持体表面上に塗布し、 (2)段階(1)で塗布されたラッカーから、ポリマ塗膜を生成させ、 (3)そうして得られる下塗ラッカー層上に、バインダーとしてエポキシド基含 有ポリアクリレート樹脂を有する粉末クリヤラッカーを塗布し、かつ引続いて、 (4)下塗ラッカー層を、粉末クリヤラッカー層と一緒に焼付けて、支持体表面 上に二層ラッカー塗膜を製造するために、段階(3)で使用される粉末クリヤラ ッカーは、網状化剤として、 (A)統計的平均で、1分子当り、少なくとも2個のカルボキシル基及び少な くとも1個の酸アンヒドリド基を有する化合物又はそのような化合物からなる混 合物5〜95重量%及び (B)(b1)ジオール又はジオールからなる混合物、 (b2)ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ−、カルボキシル− 及び酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は、2個のカルボキシ ル基と当量であると見なされる)から選択される、1分子当り少なくと も3個の官能基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合物及び (b3)ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及び/又は ジカルボン酸無水物からなる混合物 を、(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9. 0のモル比で反応させて、酸価40〜300を有するポリエステル樹脂にするこ とによって得られる、カルボキシル基含有のポリエステル樹脂95〜5重量%( この際重量%表示は、(A)+(B)=100重量%に対応している) からなる混合物を含有することを特徴とする二層ラッカー塗膜の製法。 2. エポキシド基含有ポリアクリレート樹脂をバインダーとして含有する粉末ラ ッカーが、網状化剤として、 (A)統計的平均で、1分子当り少なくとも2個のカルボキシル基及び少なく とも1個の酸アンヒドリド基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合 物5〜95重量%及び (B)(1b)ジオール又はジオールからなる混合物、 (b2)ヒドロキシル−、一級アミノ−、二級アミノ−、カルボキシル− 及び酸アンヒドリド基(この際、1個の酸アンヒドリド基は、2 個のカルボキシル基と当量であると見なされる)から選択される、1分子当り少 なくとも3個の官能基を有する化合物又はそのような化合物からなる混合物及び (b3)ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸及び/又は ジカルボン酸無水物からなる混合物 を、(b1):(b2):(b3)=0.0〜3.0:1.0:1.5〜9. 0のモル比で反応させて、酸価40〜300を有するポリエステル樹脂にするこ とによって得られる、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂95〜5重量%(こ の際、重量%表示は、(A)+(B)=100重量%に対応している) からなる混合物を含有することを特徴とする二層ラッカー塗膜の製法に好適な粉 末ラッカー。 3. 段階(1)で塗布される下塗ラッカーは、金属顔料、殊にアルミニウム小片 顔料を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 4. 成分(A)は、脂肪族又は環状脂肪族のポリカルボン酸、殊に脂肪族又は環 状脂肪族のジカルボン酸のポリ酸無水物であることを特徴とする、請求項1又は 2に記載の方法又は粉末ラッカー。 5.(1)着色下塗ラッカーを、支持体表面上に塗布し (2)段階(1)で塗布されたラッーから、ポリマー塗膜を形成させ、 (3)そうして得られる下塗ラッー層上に、請求項2又は4に記載の粉末クリヤ ラッカーを塗布し、かつ引続いて、 (4)下塗ラッー層を、粉末クリヤラッカー層と一緒に焼付ける ことによって製造可能である二層ラッー塗膜の製造のための、粉末クリヤラッカ ーとしての、請求項2又は4に記載の粉末ラッーの使用。
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