JPH08504099A - 内容物充填後も強さを保つ薄片状のパイの皮 - Google Patents

内容物充填後も強さを保つ薄片状のパイの皮

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JPH08504099A JP6513498A JP51349894A JPH08504099A JP H08504099 A JPH08504099 A JP H08504099A JP 6513498 A JP6513498 A JP 6513498A JP 51349894 A JP51349894 A JP 51349894A JP H08504099 A JPH08504099 A JP H08504099A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はC2からC4の短鎖酸残基、及び長鎖の飽和されたC16からC22の脂肪酸残基を持つ脂肪を用いたパイ皮に関するものであり、このパイ皮は高水分の詰め物で充填された時でさえも構造的完璧製を保つ薄片性パイ皮である。好ましい実施態様の一つは、パイ皮の成分として酪酸残基を持つ脂肪、及び水素化された大豆油、又は水素化されたカノーラ油のような少なくとも75%のステアリン酸を含む完全に水素化された油脂から誘導された脂肪酸の残基を持つ脂肪の使用である。いま一つの態様は上記と同じ飽和された長鎖の残基を持つが短鎖の残基は酢酸及びプロピオン酸から誘導された残基を持つ脂肪の使用である。これらの脂肪はカロリーが低く、パルミチン酸の含量が少なく、トランス型不飽和酸残基が少ない脂肪である。このような脂肪を用いて作られたパイ皮は柔軟性があり、輸送、操作、又保存の間、優れた凝集性及び機械的な強さを示す。

Description

【発明の詳細な説明】 内容物充填後も強さを保つ薄片状のパイの皮 技術分野 本発明は同時出願中の米国特許出願番号第804,140号(1991年12 月6日出願)の一部継続出願であり、本明細書中にその全体が参照として挙げら れている。またその共同出願は米国特許出願番号第07/624,056号(1 990年12月7日出願)の継続出願であり、現在では放棄されている。その出 願は米国特許出願番号第07/410,161号(1989年9月20日出願) の一部継続出願であり、現在放棄されている。 本発明は内容物充填の後もその強さと構造的な完璧さを保つ薄片性パイ皮、及 びその組成および製造方法に関する。 背景技術 パイの生地の基本的な成分は水、小麦粉、及びショートニングである。生地組 成物は通常10%から25%の比較的低い水分を含んでをり、このことにより、 パンの生地のようにより高い水分を含んでいるものよりもパイの生地はより一層 デリケートな操いを必要とする性質のものとなっている。焼いた後もパイの皮は 脆く、商品として扱う間、極めて損傷を受けやすい。さらに、例えば果物、また は肉のような水分の多い内容物を充填したパイの底の皮は、保存中しばしばべた べたになってしまう。輸送中、操作中、及び保存中にパイの皮の構造的完璧さを 保つ為に数多くの生地添加物、及び操作工程が今日まで提案されてきた。グリセ ロールを生地に添加 することにより皮の強さが改良され、またグリセロールの濃度を増加させること によりその効果が増大した(クーイストラ(Kooistra)に付与された米 国特許第3,294,547号)。しかし、グリセロールの濃度を高くすればす る程パイを焼いたとき、褐色の着色が濃くなってしまう(D.J.デレンゾウ( DeRenzo),Doughs and Baked Goods,ノイエス データ(Noyes Data)社,パークリッジ市,ニュージャージー州,1 975年出版,149頁)。 適宜な還元剤、好ましくは二酸化イオウ或いはスルフヒドリル基を持つ物質を 、通常のパイ生地の成分に量を適宜に調節して加えると、生地が扱いやすくなり 、又その弾力性が増加することが示唆されている(ボーン(Bohn)及びワイ ズマン(Wiseman)に付与された米国特許第3,149,979号)。し かし、混合する条件は添加した化学物質の反応が行き過ぎないように調節する必 要があり、又イオウ化合物の添加は風味を悪くすることに寄与している(デレン ゾウ,上記に同じ,143〜144頁)。 操作中のパイ皮の崩れを少なくする為に、小麦グルテンフラクションを今まで パイ皮生地に加えられてきた(ノルスビ(Norsby),及びジョンソン(J ohnson)に付与された米国特許第3,692,535号)。別法として、 グルテンが実質的に発生するペストリー生地の製造方法が提唱されてきた(リュ ウドケ(Luedke)に付与された米国特許第3,116,149号)。これ らの操作は、焼かれた皮の性質の改良というよりはむしろ生地の性質の改良を目 指したものである。 脆弱な皮は、商品として扱っている間、特別な容器の意匠によってそれが損傷 を受けることを防いでいる。例えばカポラソ(Caporaso)の米国特許第 4,399,157号、及び第4,435,434号で示唆 されている包装方法を参照されたい。未だ焼かれていない皮の生地が、通常溶液 状の充填物と接触しても崩れず、安定な生成物であるようにする為に、ケッチ( Ketch)及びバートン(Barton)は、充填物と生地の水分を包装する 前に15%よりも少ない平衡レベルに減少させた(米国特許第3,492,12 7号)。更に、未だ焼かれていない皮の生地には、水分の代わりとしてグリセリ ン又は他の多ヒドロアルコールが含まれており、又この組成にはグルテンのジス ルヒド結合を減少させることが出来る化合物が使用されている。このタイプの生 成物の一つの欠点は、それらが食される時、風味が乾燥したものであるか、又は 食する前に再び水を含ませる必要があるかのいずれかであることである。 ムンター(Munter)及びアールグレン(Ahlgren)は、底部の皮 を保存と同様、詰め物をしたパイを製造するもう一つの製法を示唆した(米国特 許第4,265,919号)。凍結した、予め用意した皮が、これも凍結した状 態の液体成分を含む食物と一緒に包装することが開示されている。この皮は、通 常液状の物質の入った中央が窪んだ容器に、容器の周りに、外側に、また下方に 縁を伸ばすようにして置かれる。消費する製品を用意する為に、合わせたパッケ ージは充填する物質を液化させるために加熱し、そしてパッケージはそれから最 後の焼きあげをする為に、液状の内容物をペストリーの皮に充填されるように反 転させる。このタイプの製品はある程度の便利さを与えるが、それらは又パッケ ージされる特別な充填物の使用が必要であるという不便さがある。又、該特許は クッキングして保存する場合、充填されたパイの底の皮の構造的な完璧さを如何 に維持するかの問題を解決しようとするものではない。 パイの皮の脂肪成分は、典型的にはラード、又は、例えば大豆、或いは綿実油 より製造した可塑性の植物性ショートニングである。このことは皮 の熱量(カロリー)の増加に有意に貢献している。何故ならば、大抵のパイの皮 は、小麦粉全重量の35重量%から85重量%の量でショートニングを含んでい るからであり、又食事の脂肪は全ての栄養の最も濃縮されたエネルギー源であり 、9kcal/gを供給し、これは炭水化物の約倍のエネルギーに相当するから である。更に、ラードはかなり量のパルミチン酸を含み、植物性のショートニン グは通常部分的に水素化されたものであるのでかなりの量のトランス型の不飽和 酸を含んでいる。又パルミチン酸は、ミリスチン酸、ラウリン酸と同様プラズマ のコレステロール濃度を増加させることが示されている(A.ボナノメ(Bon anome),及びS.M.グルンディ(Grundy),New Eng.J our.Med.318巻:1244−1248頁(1988))。また成人が これらの酸を含んだ脂肪を食べたとき、トランス型不飽和脂肪酸は低密度リポタ ンパク血清コレステロール濃度を上昇させ、高密度リポタンパク血清濃度を低下 させることが近年示されている(R.P.メンシンク(Mensink),及び M.B.ケイタン(Katan),New Eng.Jour.Med.,32 3巻:439−445頁(1990))。このことから、食物化学工業に於ける 最近の研究の究極の目的は、食物製品中のパルミチン酸の含有量及び部分水素化 脂肪を最少にし、或いは全く除いてしまい、そして脂肪からのカロリーの摂取を 減少させることである。 トランス型の不飽和脂肪酸を殆ど又は全く含まない低カロリーのパイ皮、及び パルミチン酸の量を減少させたパイの皮を得ることは望ましいことである。例え 多汁性パイの底の皮として使用した場合でも、化学的な添加物、或いは特別な包 装を使用しないで、操作の際、或いは保存の際にその構造的な完璧性を保つこと が出来るような薄片状の、しかも凝集性のあるパイの皮を得ることは、又望まし いことである。 発明の開示 本発明の一つの目的はカロリーの低い、パルミチン酸の少ない、そしてトラン ス型不飽和の少ない、又は全くないパイ皮脂肪の新らしいグループを提供するこ とである。 本発明のもう一つの目的は、高い水分を持つ詰め物を充填した時、また特別な 強化剤の添加をしないで、又は特別な包装を使用しないで保存した場合に、薄片 状の、凝集性のある、機械的に強いそれらの性質を維持するパイ皮を提供するこ とである。 これら及びその他の目的は、本発明によって成就せられ、そして本発明は、C2 からC4の短い酸残基、また長いC16からC22の飽和脂肪酸残基を持つトリグリ セリド類、小麦粉、及び水より成る薄片性の、凝集性のあるパイ皮組成物を提供 する。好ましい態様としては、充填する脂肪類は、少なくとも約75%のステア リン酸残基を持つ水素化された油脂類より誘導された長鎖の、飽和の脂肪酸残基 を持つトリグリセリド類、及びプロピオン酸、酪酸、酢酸及びプロピオン酸の混 合物、酢酸及び酪酸の混合物、プロピオン酸及び酪酸の混合物、及び酢酸、プロ ピオン酸及び酪酸の混合物より成る群より選ばれた酸から誘導された短鎖の酸残 基を持つトリグリセリド類を含んでいる。三つの特に好ましい態様は、同じ長鎖 の残基、例えば水素化されたカノーラ(canola)油、或いは水素化された 大豆油より誘導された長鎖の残基である同じ補足基を持つ脂肪、及び酪酸から誘 導された、また酢酸とプロピオン酸の混合物から誘導された、或いは酢酸、プロ ピオン酸、及びブチル酸の混合物から誘導された短鎖の残基を持つ脂肪を包含し ている。 ペストリー生地、単層の皮、単層の皮で内容物のつまった、そして二層の皮で 内容物のつまった、皮が焼かれていてもよく、又焼かれていないく てもよい本発明の皮を持つパイが開示されている。これらの製品は、ラード又は 植物性のショートニングのような通常の脂肪で製造された典型的なパイの皮より も低カロリーであり、又低パルミチン酸、低トランス型不飽和である。そして、 好ましい態様として、パイ皮脂肪をつくる為に水素化された油脂が使用されてい るので、非常に酸化され難い。この皮は凝集性があり、その手触りをよく維持す るばかりではなく、また輸送、操作、保存などの間、構造的完璧性をよく維持す る。この皮を用いて製造されたパイは、容器から取り出す時、例え保存後であっ ても、また皮が水分の多い詰め物で充填されている場合でもベタベタしたり崩れ たりすることはない。それでいてしかもこの皮は柔らかく、パサパサしている。 パイ皮の構造的完璧性の維持の方法もまた開示されている。 発明の一般的な説明 本発明のパイの皮は、長い、飽和されたC16からC22の脂肪酸残基、及び短い C2からC4の脂肪酸残基(以後、“短/長トリグリセリド”と称する)の両者を 有するトリグリセリドを豊富に持つ脂肪成分を有している。最も好適には、長鎖 の残基は、少なくとも75%、ある態様の場合は約90%がC18鎖であることが 優勢であり、短鎖は、C4、C2とC3の混合物、或いはC2からC4の脂肪酸残基 の混合物のいずれかが優勢であろう。 長い脂肪酸置換基の脂肪属部分をL、短い部分をSで表すと、本発明のパイ皮 は次式で表されるSSL,SLS,LLS,LSL種の混合物より成る脂肪酸を 含む: 式中、それぞれのLは独立して、16から22の炭素原子を持つ脂肪酸から誘 導された15から21の炭素原子を持つ長鎖の飽和脂肪属基であり;そしてそれ ぞれのSは独立して、2から4の炭素原子を持つ酸から誘導された1から3の炭 素原子を持つ短鎖の基である。 製造工程によっては、トリグリセリド混合体は次式で示されるトリグリセリド 類を含有していてもよい: 式中、S及びLは上記の通りである。 しかし、好ましい混合体は基本的にはSSSを全く含まず、またLLLは2% 以下である。 短鎖の酸残基は2から4個の炭素原子を持っている。短鎖残基は、分子式SC OOHであるカルボン酸から誘導され、ここでSは、1個から3個の炭素原子を 持つ短鎖脂肪属基である。本明細書で示されているように、トリグリセリドが、 2個、3個、或いは4個の炭素原子を持つ酸から誘導された、ぶら下がった基を 持つものとして記載されているところでは、主に2個、3個、又は4個の炭素原 子を持つ酸から誘導された組成物が含まれる。酸SCOOHにより、グリセロー ルの水酸基をアシル化することは、グリセロール骨格に短鎖Sをエステル結合( −O−(CO)−)によって結合することになる。グリセリドに一個以上の短鎖 基が結合する場合、その基は同じであってもよいし、又、異なっていてもよい。 本明細書で用いられているように、“酸残基”なる語は、S、及びカルボニル基 である短鎖基より成るアシル基を意味する。 短鎖Sは、直鎖であってもよいし、又、分枝鎖であってもよい。短鎖Sは合成 によって誘導されてもよいし又、天然の有機酸から誘導されてもよく、それらと しては、これらに限定されるものではないが、酢酸(エタン酸)、プロピオン酸 (プロパン酸)、酪酸(ブタン酸)、などの様な酸が挙げられる。本明細書で使 用されている場合は、化学名は異性体をも含めるものである;例えば、「酪酸」 はノルマル−酪酸(ブタン酸)、及びイソ−酪酸(2−メチルプロパン酸)を包 含するものであり、以下同様である。好ましい酸は、酢酸、プロピオン酸、及び 酪酸、及びそれらの混合物である。 長鎖の飽和された、ぶら下がった基は、分子式LCOOHである脂肪酸から誘 導され、ここでLは、15個〜21個の炭素原子を持つ飽和の脂肪 属基である。L基は、合成されたもの、或いは天然物から誘導されたものであり 、直鎖、或いは分枝鎖であり、これらは、但しこれらに限定されるものではない が、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラ キドン酸(エイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)などの酸が包含される。 不飽和の長鎖基は混合体中に存在していてもよい。これらは、分子式UCOO Hである不飽和酸から誘導されるものであり、ここでUは、C15〜C19の不飽和 基であり、これに限定されるものではないが、パルミトレン酸(9−ヘキサデセ ノン酸)、オレイン酸(シス−9−オクタデセノン酸)、エライジン酸(トラン ス−9−オクタデセノン酸)、バセニン酸(トランス−11−オクタデセノン酸 )、リノレイン酸(シス,シス−9,12−オクタデセジエン酸)、リノレン酸 (9,12,15−オクタデカトリン酸、及び6,9,12−オクタデカトリエ ン酸)、エレオステアリン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、アラ キドン酸(5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)などのような酸を包含 する。L基は水素化されたU基から誘導されてもよい。 種々のL基及びU基は天然物油から得られた脂肪酸の混合物から誘導される。 天然物油としては、大豆油、ベニバナ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ピーナッツ油、 コーン油、オリーブ油、コメヌカ油、カラシ油、綿実油、ケシの実油、ナタネ油 、マリン(marine)油、メドウフォーム(meadowfoam)油など である。脂肪としては、ババスヤシ油、ヤシ油、ヤシ仁油、牛脂、ラード、シア バター、牛乳バターである。植物性ワックスとしては、ホホバなどである。脂肪 混合物及び/又は画分、結晶した脂肪、分子間エステル脂肪、及びこれらの混合 物も又用いてもよい。 L基の混合体は、好ましくは水素化された、最も好ましくは完全に水素 化された油脂から誘導される。少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75 %のステアリン酸残基を持つ水素化された脂肪、例えば水素化されたピーナッツ 油、水素化されたオリーブ油、水素化された大豆油、水素化されたゴマ油、及び 水素化されたコーン油は、態様として特に好ましいものである。L基を持つ他の 態様は、少なくとも90%のステアリン酸残基を持つ水素化された脂肪、例えば 水素化されたヒマワリ油、水素化されたベニバナ油、及び水素化されたカノーラ 油から誘導される。好ましい水素化された供給原料は、パルミチン酸の含有量は 少ない。 本発明のパイ皮脂肪を作り上げるトリグリセリド成分は、この分野の熟練者に よってよく知られた合成法を使用し製造出来るものである。例えば、グリセロー ル、或いはグリセロールエステルを脂肪酸、脂肪酸ハライド(特に塩化物)、或 いは脂肪酸無水物による直接エステル化、グリセロールの脂肪酸エステルによる エステル交換、或いは長鎖及び短鎖のトリグリセリドの長鎖及び短鎖残基を持つ トリグリセリドを形成するようなそのような時間、及び条件下での分子間エステ ル交換である。トリグリセリド合成の出発原料は、市販品又は天然物から分離さ れたものであってもよい。別法としては、トリグリセリド成分は天然の脂肪或い は合成脂肪、又はそれらの画分であってもよい。 所望のトリグリセリド混合体は、トリアセチン、トリプロピオニン、及び/又 はトリブチリンを、少なくとも約70%、場合によっては約75%、ある態様と しては少なくとも約90%のステアリン酸残基を有している十分に水素化された 脂肪で無作為分子間エステル交換反応を使用して製造される。例えば、本発明の パイ皮脂肪は、トリブチリンの、水素化されたカノーラ油、或いは水素化された 大豆油による無作為分子間エステル交換反応によって、或いはトリアセチン及び トリプロピオニンを、水素化された カノーラ油或いは水素化された大豆油による無作為分子間エステル交換反応によ って誘導することが出来る。異なった分子間エステル交換反応の生成物の混合に よって誘導されるトリグリセリドの混合体及び画分も使用することが出来る。製 造の実施例は後述する。 分離され、或いは合成されたトリグリセリド類は、当業者によく知られた技術 によって精製される。これらの技術としては、これに限定されるものではないが 、蒸気脱臭反応、分画結晶化法、蒸留、クロマトグラフ法などの方法がある。態 様としては、本発明のパイ皮脂肪は、例えば蒸気脱臭のような一つの方法で精製 したものを、他の方法、例えば分画結晶及び/又は蒸留のような方法を使用して 精製して得た画分と混合することによって製造される。精製の実施例は後述する 。 発明を実施するための最良の態様 本発明の実施に於いて、短鎖/長鎖のトリグリセリド、既述した短鎖のC2〜 C4の酸残基、及び長鎖の、飽和C16〜C22の脂肪酸残基を持つ脂肪が、パイ皮 、タルト皮などの脂肪成分の全部、または一部として使用されている。 本明細書に使用されている「パイ皮」は、食用に適した、脂肪成分を持つペス トリー皮を含み、又、パイの底部、側面部、及び上部或いは全体を包む皮を含み 、これらは焼かれていても、焼かれていなくてもよい。本発明のパイ皮の組成は 、通常その組成中の小麦粉の全重量に対して30%〜85%の脂肪成分よりなっ ている。皮の生地の組成は、通常さらに水、ミルク、果汁、又はその他の水性成 分を含んでをり、これらの水性成分は焼かれた時に幾分かは蒸発してしまう。低 水分及び中程度の水分を含むペストリーは、両者とも本発明に包含される。 短鎖/長鎖のトリグリセリド類は、単独、又はその他の脂肪、及び/又は脂肪 様物質との組み合わせのいずれかによってパイ皮に混合されてもよい。その他の 脂肪類は、バター、ラード、ショートニング、非常に望ましい、或いは必須の脂 肪酸、例えばオレイン酸、リノレン酸、リノレイン酸、又はエイコサペンタエン 酸のような酸の豊富な天然物のトリグリセリド、共役したリノレン酸異性体関連 化合物のような有益な特性を有する脂肪酸類を持つトリグリセリド、中程度鎖の トリグリセリドなどである。他の脂肪様化合物は、今までに示唆された食用に適 した、脂肪に代わるものを包含する。例えば、これに限定するものではないが、 糖エステル、ネオアルキルエステル、ポリグリセロールエステル、マロン酸エス テル、プロピルオキシ化されたグリセロール、レトロ脂肪、カルボン酸/カルボ ン酸塩、ポリビニールアルコールエステルなどである。 単独で、又他の脂肪と一緒したものとして使用された場合、短鎖/長鎖のトリ グリセリドの有効な量をパイ皮組成に加えると、パイ皮は凝集性と構造的完璧性 のあるものとなる。これらは有効な、望ましい量を加えることにより又脂肪によ るカロリーを有意に減少させることができる。少なくとも25%以上代用するこ とが、この目的に効果的であり、50〜100%の代用が、多くの場合望ましい 。パイ皮組成が、ただ短鎖/長鎖のトリグリセリド類より成る脂肪成分のみを持 つことが特に好ましい。 パイ皮は又、例えば多目的又は非漂白小麦粉のような通常ペストリー生地に使 用されている小麦粉より成るデンプン成分を有している。ポテト粉、コメ粉、又 は他の穀類の粉、例えばトウモロコシ粉、カラスムギ粉、ライムギ粉、及びそれ らの混合物は、もし伝統的なパイ皮に変化を加えたい場合に使用することが出来 る。パイ皮は通常塩を含んでいる。 パイ皮は任意に、当業者にはよく知られた他の成分、例えは褐色化剤、 可塑化剤、香辛料、香料、甘味料、及びカビ、バクテリア、酵母阻害剤を含んで いる。褐色化剤としては、固体ミルク、固体トウモロコシ糖、又はジヒドロオキ シアセトン、これは金褐色に色付けることを促進する、が含まれる:これらは、 焼かれる前の生地組成に対して重量で12%迄加えることができる。可塑化剤は 、これに限定するものではないが、プロピレングリコール、グリセリン、ソルピ ビトール、デキストロース、レブロース、マルトース及び固体コーンシロップな どである;これらは通常、少量(例えは処理されていない生地組成の0〜3重量 %)使用される。カビ及び酵母阻害剤は、例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸 、プロピオン酸カルシュウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン 酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ピロ炭酸ジエチル、モノヒドロキシ安息香 酸の塩及びエステルなとであり、少量使用する(例えば、未処理の生地に対して 0.15〜0.3重量%)。抗酸化剤は通常必要ではないが、例えばブチル化さ れたヒドロキシアニソール、ターシャリーブチルキノン、及びクエン酸がその例 である。 特別な仕上げを行う為に、本発明のパイ皮組成で処方したパイ及びその他のペ ストリーは、焼く前、焼いている間、及び/又は焼いた後、当業者によく知られ た方法によって水、ミルク、卵(全部、黄身、又は白身)、バターなど、又はそ れらの混合物で洗はれる。 一般的に説明すると、本発明のパイ皮は、フルーツパイ、カスタードパイ、シ フォンパイ、プリンパイ、肉パイ及び野菜パイ、いづれも単皮及び二重皮のもの を含む色々な種類のペストリー;タルト;キシュ;いろいろな種類のクッキー、 クラッカー、及びスナックに使用される。このパイ皮は、多汁の肉ポットパイ及 び/又は野菜ポットパイのみならず、特に水分の多い詰めものの一重皮パイ、及 び二重皮パイ及びタルト、例えばチェリ ーパイ、イチゴパイ、アップルパイ、ピーチパイ、ダイオウパイ及び他のフルー ツパイに使用される。 典型的なパイ皮を作る為に、脂肪を、デンプン成分、塩及び他の乾燥した組成 物中に、一様な混合物とするに十分な時間混ぜ込むことによってパイの生地が形 成される。通常のペストリー生地を、形を作ったり、整えたりするのに通常望ま しい一様性を与えるに効果的な条件下、例えば、伸ばすことができる様な生地に するに十分な条件下で、十分な量の水性組成物が加えられる。典型的には、完全 な生地混合物は、適宜なミキサー中で約3分間混合されるであろう。例としての 組成は、小麦粉53〜57重量%、脂肪25〜27重量%、水15〜21重量% 、及び塩約1重量%である。実施例は後述する。 生地の製造の完了として、その生地を伸ばすか、又は適宜な皮成形機に送り、 そこで適宜な大きさに分画し、必要な形に引き伸ばす。よく使用される機械は、 コルボーン(Colborne)皮成形機であり、この機械は生地を所望の重さ の正方形の溥片にし、続いてそれぞれの溥片を交差シート圧延機(cross− sheeting rolls)に送り、適宜な大きさを持つ生地シートにし、 連続した表面を持つようにする。このタイプの機械は、通常自動的に、連続した 生地シートを適宜な焼き上げ皿に送ることが出来る。焼き上げ皿は、アルミホイ ールのような金属ホイール製であるか、又は焼くことが出来るセラミック、ガラ ス、紙、或いはプラスチック製のものである。生地シートの先端は、所望の如く 縮らせ、皺付きにすることができる。 本発明のパイ皮、及びパイ、及びそれによって製造されたその他の食物製品は 、数多くの望ましい特徴を示す。パイ皮の生地、及び焼かれた皮の両者は、凝集 性があり、そして機械的に強く、伸ばしたり、薄片にしたり する時、焼いた後の取扱い、保存、及び/又は輸送時、及び詰め物をした後も、 構造的な完璧性を保つている。本発明のパイ皮で作り上げたパイは、水分の多い 詰め物をし、ある時間保存した後でさえも崩れることなく容易に皿から取り出す ことが出来る。この点に鑑み、本発明のパイ皮は、ラード或いは通常の植物性シ ョートニングで製造された非常に脆いパイ皮よりも有意に優れているものである 。 上部又は底部の皮として使用された時、本発明のパイ皮は又、柔軟性及び薄片 性を示す。パイ皮の薄片性、或いは壊れたときに層状に分離しやすいことは、通 常つぎの三つのクラス分けの一つとして表現される:「あら粉状」、これは焼か れた皮が、クッキーのような破砕面を示す全く直線状に壊れる、「長い薄片」、 これは壊れた焼かれた皮が、異なった平面で異なった線に沿って壊れ、表面に平 行に層状に分離する、そして「短い薄片」或いは「薄片あら粉状」、これはあら 粉状と長い薄片の状況の中間である。本発明の望ましい焼かれたパイ皮は、長い 薄片の薄片性を持っている。 本発明のもう一つの利点は、好ましい態様として、カロリーが低く、トランス 型不飽和が少なく、パルミチン酸が少ないことである。何故なら、好ましい態様 として殆ど、または全く不飽和性がないので、パイ皮の脂肪は酸化に抵抗し、そ してその為に、皮は通常の皮のように簡単に不快な味になるようなことはない。 本発明のいま一つの利点は、皮の脂肪成分として短鎖/長鎖トリグリセリドの 使用によって望ましい味覚感覚が刺激される特性が現れることである。本発明の 好ましい皮で作られたパイは、素敵な、食べ心地のよいものである。 実施例 以下の実施例は、本発明を更に説明する為に示したものであり、いかなる場合 に於いても限定するものと考えるべきではない。特に説明を加えない限り全ての 部、及びパーセントは重量比であり、記載されている工程の特定の状況での重量 を基本としている。固体脂肪インデックス(以後S.F.Iと略す)は、A.O .C.S.Method Cd 16−18(1989)に従って、ディラメト リーを用いて測定され、50°F(10°C),70°F(21.1°C),8 0°F(26.7°C),92°F(33.3°C),及び100°F(37. 8°C)での固体が報告されている。メトラードロッピングポイント(Mett ler droping points:M.D.P)はメトラーサーモシステ ム(Mettler Thermosystem)FP800を用い、A.O. C.S.Method Cc18−80(1989)に従って測定した。 報告されている核磁気共鳴(NMR)測定値は、プロトンNMR測定値である 。NMRのS/L比は、短鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸のそれぞれのメチル基(−C H3)の強度の比として計算した。これはS成分帰属の積分域をL成分帰属の積 分域で除して計算し、その測定誤差は5〜10%であった。300メガヘルツ或 いはそれ以上の通常のNMRスペクトルでは、長鎖の酸のメチルの共鳴は最も高 い磁場に現れ、〜0.9ppmに三重項として現れた。短鎖酸はその構造により まちまちであり、〜2.00ppm(アセチル基)、〜1.55ppm(プロピ オニル基)、及び〜0.95ppm(ブチリル基)に現れた。 混合成分を分離定量する超臨界液体クロマトグラフィー(S.C.C.)によ る脂肪生成物の分析は、通常、標準操作を採用した。0.45ミ クロンフィルターで濾過した後、30〜50mg/mlのサンプル0.45ul を、S.C.C.級の二酸化炭素移動相及び125゜Cの加熱装置を持つスプレ ックス(Suprex)200A S.C.C.型中のキイストンサイエンス( Keystone Scientific)社の1×100mmデルタボンドシ アノTM(Deltabond cyanoTM)カラムに注入した。20分の操作 中、100〜300気圧の直線勾配圧(例えば、10気圧/分)をかけ、続いて 300気圧で10分間保った。水素炎イオン化検出器により、400°Cでメチ レンクロリド中の内部標準試薬テトラデカン酸メチル(10〜12mg/mL) に対して得られた混合成分を検定した。同様の条件下で、外部標準試薬モノステ アリン、ジステアリン、及びトリステアリン(それぞれ〜10mg/mL)を検 定した。これらのピーク面積を用いてサンプルのピーク面積を補正し、一緒に加 え、全量で除して、短鎖/長鎖の混合物中のLSS及びSLS,LLS及びLS L,及びLLLの百分率を計算した。 ショートブレッド中の水分は、水分を熱重量分析法で測定するコンピュートラ ックTM(ComputracTM)MA−5ATM水分測定器で測定した。この測定 器は、75°C〜165゜Cの温度範囲内で、自動的に水分を測定し、百分率を 計算する。特に説明を加えない限り、本明細書中の測定値は150°Cで測定さ れたものである。 実施例 1 本実施例中のパイ皮に使用されている低カロリーの脂肪混合物は水素化された カノーラ油(精製品、4%のパルミチン酸を含む低エルカ酸ナタネ油を温度18 0°C、水素圧60lbで水素化、ヨード価(IV)3以下)をトリアセチン及 びトリプロピオニンで分子間エステル化法により製造した。 水素化されたカノーラ油1モル当量(899g)、トリアセチン1モル当量、 及びトリプロピオニン11モル当量を0.2〜0.3%のナトリウムメトキシド の存在下減圧にて攪拌しながら〜110゜Cに加熱することにより約30分発色 するまで分子間エステル化を行った。(M.D.P.を確認すること、そしてM .D.P.が十分に低下していなければ反応を続ける)。反応を中止させる為に リン酸(〜0.2から〜0.5%、少なくともナトリウムトキシドの量の2倍) を加え、反応混合物を中和し、続いて0.5%の活性化したブリーチングクレイ (トンジルオプチマム(Tonsil Optimum)FF)、0.5%ケイ ソウ土、1000ppmクエン酸(水溶液)を脱色しソープを除く為に加える。 この処理を、1/2時間から1時間、110°Cで続ける。生成物を80°Cに 冷却し、濾過し、漂白し、210°Cで2時間から3時間蒸気脱臭する。 この方法を使用することにより、M.D.P.が17.6゜C、及びNMR: S/Lが1.8のものが得られた。この生成物は以下のS.F.I.を示した: 55%(50°F),32.3%(70°F),7.4%(80°F),0%( 92°F)。S.C.C.分析は、SSL/SLS(82.3%),LLS/L SL(15.7%),LLL(2.0%)であった。生成物の脂肪(NMRによ る)は、酢酸残基(7%),プロピオン酸残基(57%),ステアリン酸残基( 36%)であった。 実施例 2 本実施例には本発明のもう一つのパイ皮トリグリセリド混合物の製造法が説明 されている。 水素化された大豆油は無作為に2.5モルのトリブチリンで分子間エステル化 を行い、実施例1と同様蒸気脱臭を行った。M.D.P.:33.2°C;S. F.I.:66.8%(50°F),36.9%(70゜ F),12.2%(80°F),7.7%(92°F),6.9%(100°F );S.C.C.:SSL/SLS(69.9%),LLS/LSL(28.0 %),LLL(2.1%).2度蒸留することによりS.C.C.:SSL/S LS(54.0%),LLS/LSL(45.8%),及びLLL(0.2%) である精製物が得られた。 実施例3 本実施例は以後の実施例に於けるパイ皮の脂肪成分として使用されたトリグリ セリド混合体の製造を説明している。水素化されたカノーラ油は、無作為的に6 モルのトリアセチン、及び6モルのトリプロピオニンで分子間エステル化を行い 、実施例1と同様精製した。 S.F.I.:78.0%(50°F),45.1%(80°F),1.2%( 92°F),0.5%(100°F) 実施例4 本実施例では本発明の脂肪を用いて製造したパイ皮と比較する為に、多目的植 物ショートニングを用いた標準パイ皮の製造について説明されている。 セントラルソヤTM(Central SoyaTM),多目的植物ショートニン グ(63.5g,1/3カップ+1匙)を72゜Fで小麦粉(135.5g,1 カップ)及び塩(2.5g,1/2匙)中に混ぜ込んだ。ショートニングは室温 では非常に柔らかく、容易に小麦粉中に混ぜ込むことができた。ショートニング はべとべとしており、小麦粉にしみ込み、小麦粉中で分散した脂肪の楕円形の粒 になった。氷水(36g,2匙)を混合物に振りかけ、フォークを用いて生地の ボールを作った。この生地は柔らかく、べとべとし、やや粘着性があった。生地 は伸ばされ、450°Fで14分間、又は400°Fで20分間焼いて、単層の 皮にするのに使用し た。この生地は又チェリーパイ内容物であるラッキーリーフTM(Lucky L eafTM)を詰め込んだ単層皮、及び二重皮のパイを作るのに用いた。 焼いた後、その皮は膨らみ、不統一な泡状表面となった。このものは端と底部 がより濃く色づいた明黄色となった。手触りは柔軟性があり、そしてややぱさぱ さしており、短薄片型であった。コンピュートラックTM(Compu−TracTM )測定(@150°C)は2.75%の水分(一日目)を示した。6日間室温 で貯蔵した後の外観は変わらず、ショートタイプのぱさぱさは保たれていた。皮 はややワックシーな舌触りであった。 内容物を詰めると、皮は冷蔵庫で一夜保存することにより、より柔らかくなり 、皮は容器から取り出す時、ばらばらに砕けた。上部の皮の端のコンピュートラ ックTM測定(@150°C)は、水分14.1%(6日目)を示した。 二重皮パイは柔らかく壊れやすい皮となり、薄片になり易いと言うよりは寧ろ 粉状になり易いものであった。その端は黄褐色であるが上部と低部の皮は生焼け の様子をしており、薄片状には見えなかった。パイは容器から取り出す時ばらば らに砕けた。冷蔵庫中で5日から6日貯蔵すると皮の端はより柔らかくなり、底 部はべたっとなった。上部の皮の端のコンピュートラックTM測定値(@150° C)は、水分14.0%及び13.4%を示した(6日目)。 多目的植物ショートニングを使用した皮の製造を繰り返した。但し今回は組成 物を40.5゜Fで一晩冷蔵庫中で冷却し、ショートニングを小麦粉中に刻み込 む時間間隔は、短い時間で45秒から100秒に、長い時間で120秒から60 0秒に変えた。短い時間間隔法ではより長い薄片状皮となり;より長い時間間隔 法ではより小さい、或いは半薄片/粉状になり やすい種類の皮であった。皮の手触りは柔軟性があり、柔らかいものであった。 詰め物を詰めた皮はべたつき、構造的な完璧さは殆ど保たれなかった。 実施例5 この実施例は実施例4で説明した単層皮の製造、及び詰め物を充填した単層及 び二重層皮のパイ、但し植物性ショートニングの代わりに実施例1で製造したト リグリセリド混合体を使用したパイの製造法を説明している。多目的植物性ショ ートニングを使用したパイ、及び実施例4で製造したパイを比較した。 先ず最初に、脂肪(63.5g,72.5゜F)を小麦粉(135.5g)中 に混ぜ込み、小麦粉中に分散した小さい豆粒状の脂肪粒とした。この脂肪は標準 品の様に小麦粉中で馴染んだり/浸透したりはしなかった。またこの生地は凝集 性のあるボール(36〜38g)を形成する為にさらに水が必要であった。生地 はよく伸びたがやや固く、伸ばすには標準品より力が必要であった。焼いた後は 単層皮の外観は標準品と同等であり、ふっくらと膨らみ、不統一な泡状表面とな った。手触りは優しく、標準品よりもより長い薄片であり、よりぱさぱさしてい た。コンピュートラックTM測定値(@150°C)は、水分2.53%(1日目 )であり、標準品と同等であった。 チェリーパイ詰め物を充填した単層皮のパイは、冷蔵庫中に1夜保存すると柔 らかくなったがパイは崩れることなく容易にパイ容器から取り出すことが出来た 。皮はしっかりしていたが、詰め物を充填した標準品と同じようにべたべたして いた。皮の端のコンピュートラックTM測定値(@150°C)は、水分14.2 %(6日目)であり標準品の水分の取り込みと同じであった。 詰め物を充填した二重皮殻のパイの上部と底部の皮はよく焼かれている様に見 え、二重皮の標準品よりもよりぱさぱさしていた。パイは皮が崩れることなくパ イ容器から取り出すことが出来た。この皮は標準品よりもよりしっかりとし、べ たべたしていなかった。皮の端のコンピュートラックTM測定値(@150°C) は、水分16.1%,15.6%であり(6日目)、標準品の水分よりも多かっ たが皮の完璧性は標準品よりも良好であった。 実施例1と同じ脂肪を用いた皮の製造を繰り返した。但し成分は40°Fで一 夜冷却し、ショートニングを小麦粉中に混ぜ込む間隔はより短い間隔の時は45 秒から100秒であり、より長い間隔の時は120秒から600秒であった。よ り長い間隔及びより短い間隔の両者はいずれも長い薄片の皮を与えた。冷却した 温度では脂肪を小麦粉中に混ぜ込む作業は困難であった;そうであるから本発明 の実施に於いては、脂肪は室温(冷却しない)で使用することが有利であった。 皮の手触りはぱさぱさとし、壊れ易く、柔軟性があったが、同じ方法で製造した 標準品よりもやや固いものであった。 実施例6 本実施例は実施例4で製造したと同じ、但し比較標準としてラードを用いた単 層皮、内容物を充填した単層皮、及び二重層皮である標準パイ皮の製造について 説明している。 三種類の皮は以下のような組成で製造した: ラードは1.5分で小麦粉に混ぜ込んだ。ラードは室温では非常に柔らかく、 この段階で混ぜ、練り込み、そして小麦粉に浸透させた。 生地Aは柔らかく、崩れやすく、伸ばしやすく、脂濃く、そして一度伸ばすと 摘み上げにくかった。それは容易に襞がつき素敵な皮となった。皮の縮み(〜1 /8インチ)が起こり、焼いた時にやや側面が凹んだ。皮の手触りは、柔軟性が あり、薄片状で柔らかくそして脆いものであった。詰め物をした底の皮は柔らか くなり、構造的な完璧さはいくらか保たれていた。 生地Bは側面が凹まなかったこと以外は生地Aと同じであった。皮の手触りは 、小さい薄片があり、柔らかく、柔軟性のあるものであり、そして生地Aよりも 崩れ易いものであった。皮は注意深く扱はないと崩れてしまうものであった。 生地Cは糊状であり、伸ばすのに困難であった。皮をブリキのパイ容器にはめ 込むと端が垂れ下がり、底は泡立った。皮の手触りは生地A及びBと同様薄片が あり、柔軟性のある柔らかいものであったが、口当たりは脂っぽいものであった 。 ラードを使用する皮の製法を繰り返した。但し組成物は、一夜40°Fで冷却 し、上記の実施例4、及び5で述べたより短い、及びより長いショートニングの 混ぜ込み時間を用いた。より短い混ぜ込み時間の場合は、よ り長い薄片が製造され;より長い混ぜ込み時間の場合は、より小さい、或いは半 薄片/短薄片型の皮が製造された。製造された皮の手触りは、柔軟性があり、柔 らかく、薄片があり、上記の実施例4の多目的ショートニングを用いて製造した コントロールの皮よりも脆いものであった。この皮は著しく肉様の味であった。 チェリーパイ内容物を詰めたラード皮は柔らかくなり、生焼けのようになった。 多目的のショートニングを使用した長い薄片の皮の場合と異なって、ラードを使 用した皮の底は、やや薄片性を維持していた。 実施例7 本実施例に於いては、実施例5(実施例1の脂肪を使用)に記載したと同じ皮 及びパイの製造について述べる。但し、水と脂肪の量は、いろいろに変化させた 。 以下のサンプル生地を製造した: 脂肪を小麦粉中に混ぜ込む短い時間(1.5分)の方法を採用した。脂肪は室 温ではやや柔らかく、そして小麦粉のウエルに混ぜ込んだ。脂肪は分離した粒子 状になって小麦粉中に分散した。これは実施例4の多目的のショートニングコン トロールの場合、或いは実施例6のラードコントロールの場合のように小麦粉に べとついたり、或いはしみ込んだりはしなかった。 サンプルDとEは同様であり、やや柔らかく、容易に伸ばすことが出来、手触 りは脂っぽく、型がとり易く、襞が出来易かった。生地はラード使用の生地ほど 柔らかくはなく、伸ばした時に取り出しやすかった。ラード生地の場合と同様、 生地が裂けないように注意が必要であった。この両者の生地は、ラードコントロ ールの場合(〜1/8インチ)と同様皺が出来た。皮の手触りは長い薄片の為に 柔軟性があり、そしてラード皮よりも堅かった。パイの詰まったサンプルDの底 の皮は柔らかくなったが、それでもまだ非常に強く、良好な構造的堅牢性を発揮 した。 サンプルF生地はより堅く、ボールにしたり伸ばしたりするのにより一層の力 が必要であった。伸ばすには小麦粉が必要であった。この生地は取り扱うと短く 裂けやすかった。焼いた皮はふっくらとしないで端に襞のある角張った平たいも のになった。皮の手触りはより柔らかく、そして薄片は、サンプルD及びEの様 には長くはなかった。 サンプルG生地及びパイ皮は、サンプルD及びEと同様であった。この皮はや や脂っこい舌触りであった。 サンプルH生地は、サンプルD,E,F,又はGよりもより柔らかく、容易に 伸ばすことが出来た。脂肪は最初に混ぜ込んだ時に小麦粉にしみ込んだ。これは 脂っこく、型がとりやすく、一度伸ばすと移動させ難く、襞の付きやすいもので あった。これは実施例6のサンプルA及びBのラード 生地と非常によく似ていた。焼いた時側面は崩れ落ち、底面は泡立った。皮の手 触りは小さい薄片により、より柔らかく、ラード生地であるサンプルAに似て、 サンプルD,E,F,又はGよりも柔軟性があったが舌触りはより脂っこいもの であった。 実施例8 本実施例では上記の実施例2(蒸気脱臭したフラクションと蒸留したフラクシ ョンとの比は75対25)で製造された脂肪を用いた本発明のパイ皮の製造につ いて記述する。 パイ皮生地は蒸気脱臭した実施例2の脂肪48g、蒸留した実施例2の脂肪1 6gを、小麦粉135.5g、塩2.5g中に混ぜ込み、それから水40.5g を加えることにより製造した。コントロールパイ皮生地は、ハイコTM(Hyco )多目的植物性ショートニング64gを上記と同量の小麦粉と塩の中に混ぜ込み 、それから水35gを加えた。この生地は通常の方法により伸ばした。コントロ ールの生地は手触りは粘性があり、湿ってをり、そして実施例2の脂肪生地より も伸ばし易かった。 一重皮のパイペストリーは425°Fで17分間(コントロールよりも2分短 い)焼かれた。この一重皮の皮にチェリーパイ詰め物を充填した。二重皮のパイ にチェリーパイ詰め物を充填し、それから425゜Fで45分間焼いた。 詰め物をして2日後、テストサンプルとコントロールサンプル両者の一重皮の パイ皮は充填から柔らかくなった。その端は、充填からより一層柔らかくなった 実施例4のコントロールパイのようには柔らかくはならなかった。柔らかくそし て弾力性があり、また小さい薄片により薄片性である端を持つハイコTM(Hyc o)とは異なり実施例2の脂肪で製造された皮の端は柔らかくなく、長い薄片よ りなるよりぱさぱさしたものであった。 テスト脂肪を使用して製造したパイの底部の皮は、崩れず柔らかくぱさぱさして おり、非常に柔らかく粥のようで、もはや薄片状の底ではないハイコTMコントロ ールとは異なっていた。 実施例9 本実施例では、脂肪成分として実施例3のトリグリセリド混合物を使用したパ イ皮が製造されている。 最初の段階として、室温で脂肪混合物(63.5g,@〜72°F)を小麦粉 135.5g,塩2.5g,中に苦労して混ぜ込んだ。脂肪は小さい不定の塊と なり、実施例4の多目的ショートニングのように小麦粉中に浸透することはなか った。この段階の後、凝集性のあるボール(70g)にする為に実施例4のコン トロールよりも多くの水が必要であった。この生地は非常に弾力性があり、伸ば すのが極端に困難であった。 明瞭な脂肪の粒子がまだ焼かれていない皮の中に見えた。焼き上げると皮中の 脂肪は溶解し、皮の中に穴若しくは窪みが残り、そしてその皮は縮んだ。手触り は堅かった。コンプトラックTM値(@150°C)は2.56%水分(一日目) であった。 上記の説明は本分野での通常の熟達した人に本発明の実施の方法を教示するの が目的であり、熟達者がこれらの記述を読むことにより明らかなこととなるであ ろう全ての明白な本方法の修飾及び変化を詳細に説明しようとするものではない 。しかし、これらの修飾及び変化は、そのような明白な修飾、及び変化の全てが 本発明の範囲内に包含させることを意とし、その範囲は次の請求の範囲で明らか にされている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.デンプン成分、水性成分、及び脂肪成分が酢酸、プロピオン酸、酪酸或いは それらの混合物から誘導されるC2からC4の短鎖酸残基、及びC16からC24の長 鎖の飽和の脂肪酸残基を有する低カロリーのトリグリセリドを包含する脂肪成分 が少なくとも25%である脂肪成分よりなるパイ皮組成物。 2.短鎖酸残基が酪酸、酢酸とプロピオン酸の混合物、酢酸と酪酸の混合物、酢 酸、プロピオン酸及び酪酸の混合物よりなる群より選ばれた短鎖酸より誘導され る短鎖酸残基である請求項1記載の組成物。 3.長鎖飽和脂肪酸残基が少なくとも75%のステアリン酸残基を持つ水素化さ れた油脂から誘導された長鎖飽和脂肪酸残基である請求項1又は請求項2記載の 組成物。 4.長鎖飽和脂肪酸残基が少なくとも90%のステアリン酸残基を持つ水素化さ れた油脂から誘導された長鎖飽和脂肪酸残基である請求項3記載の組成物。 5.(a)少なくとも25%の脂肪成分が16から22個の炭素原子を持つ脂肪 酸から誘導された長鎖の飽和の脂肪酸残基を持つトリグリセリドよりなっており 、又少なくとも75%の酸がステアリン酸残基及び酪酸、及び酢酸と酪酸の混合 物よりなる群より選ばれた酸より誘導された短鎖酸残基を持っている脂肪成分; 及び (b)小麦粉 よりなる生地から焼かれた薄片状の、凝集性のある、焼かれたパイ皮組成物。 6.長鎖の飽和の脂肪酸残基が、大豆油、カノーラ油、及びそれらの混合物より なる群より選ばれた水素化された油脂から誘導されたものである 請求項1又は5記載の組成物。 7.請求項1、2、又は5記載の詰め物、及び組成物よりなるパイ。 8.パイ皮の凝集性及び完全性を増加させる為に、少なくとも25%の脂肪成分 がC16からC22の脂肪酸から誘導された長鎖の、飽和した残基及び、酢酸、プロ ピオン酸、酪酸、及びそれらの混合物よりなる群より誘導された短鎖酸残基をも つ一つ又はそれ以上のトリグリセリドよりなることを特徴とする脂肪成分を持つ パイ皮。 9.少なくとも75%の長鎖の飽和した残基がステアリン酸残基であり、そして 短鎖酸残基が酪酸、又は酢酸と酪酸の混合物より誘導されたものである請求項8 記載の改良方法。 10.トリグリセリドが50%から100%の脂肪成分と置き換える請求項8及び 9記載の改良方法。
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