【発明の詳細な説明】
医薬組成物含有のミクロエマルジョン
発明の分野
本発明は油中水(w/o)自己乳化性ミクロエマルジョンの形態の医薬組成物
、その調製法およびその使用に関する。
発明の背景
ミクロエマルジョンは、一般に、界面活性分子の界面膜により安定化された2
つの不混和性液体の熱力学的に安定した、等方性透明分散系と定義できる。ミク
ロエマルジョンの形成は、通常、3〜5成分、即ち、油、水、界面活性剤、補助
界面活性剤および電解質の組み合わせからなる。油中水(w/o)または水中油
(o/w)ミクロエマルジョンのいずれを形成するかの傾向は油および界面活性
剤の性質により影響を受ける。界面活性剤は、親水親油バランス(HLB)とし
て知られる1〜45の経験的スケールで分類するのが都合よい。一般に、(w/
o)ミクロエマルジョンは約3〜6の範囲のHLB値を有する界面活性剤(また
は乳化剤)を用いて形成され、一方(o/w)ミクロエマルジョンは約8〜18
の範囲のHLB値を有する界面活性剤を用いて形成される。低い界面張力がミク
ロエマルジョンの熱力学的安定性に寄与することは以前から認識されている。こ
れを達成するためには、界面活性剤は、油相および水相の両方において低い溶解
度を示すのが好ましく、優先的に水/油界面で吸収され、それに伴い界面張力が
低下する。界面張力が2×10-2dyn/cm未満である場合、安定なミクロエ
マルジョンを形成できる。ミクロエマルジョンの総論は、バルガバ(Bhargava)
ら、ファーマシューティカル・テクノロジー(Pharm.Tech.),46−53,1
987年3月およびカールワイト(Kahlweit)、サイエンス(Science)240
,617−621,1988に記載されている。
ミクロエマルジョンは典型的には実質的に不透明でない、即ち光学的顕微鏡手
段で観察した場合に透明または乳白色である。均質状態において、偏光を当てて
調べると、光学的に等方性(非複屈折)である。分散相は、典型的には通常5お
よび200nm間の大きさの粒子または小滴からなり、これにより光学的に透明
になる。他の構造も可能であるが、これらの粒子は球形である。
通常短鎖アルコールである補助界面活性剤の役割は、界面膜を透過し、その結
果界面活性剤分子間の空隙による不規則な膜を形成することにより、界面流動度
を増加させることである。しかしミクロエマルジョンにおける補助界面活性剤の
使用は任意であり、アルコール不含自己乳化性エマルジョンおよびミクロエマル
ジョンが文献に記載されている[例えば、ポートン(Pouton)ら、インターナシ
ョナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int.Journal of Pharmac
eutics)27,335−348,1985およびオズボーン(Osborne)ら、ジ
ャーナル・オブ・ディスパージョン・サイエンティフィック・テクノロジー(J.
Dsp.Sci.Tech.)9,415−423,1988参照]。
ミクロエマルジョンの使用は、薬剤輸送(デリバリー)に関して通常のエマル
ジョン(またはマクロエマルジョン)よりも多くの利点がある。ミクロエマルジ
ョンは高いエネルギー入力をする必要がなく自発的に形成され、従って商業的適
用のための調製およびスケールアップが容易であり;その粒径が小さいため熱力
学的安定性を有し、したがって貯蔵寿命が長く;分光学的手段でモニターできる
ように、等方的に透明な外観を有し;比較的粘度が低いので輸送および混合が容
易であり;界面面積が大きいので、表面反応が促進され;界面張力が低いので、
柔軟で透過能が高く;最後に、薬剤可溶化の向上および酵素加水分解に対する保
護の可能性を付与する。加えて、ミクロエマルジョンは、過剰の分散層を添加す
ると、あるいは温度変化に応答して、転相が起こり、これはin vitroおよびin v
ivoの両方においてミクロエマルジョンからの薬剤の放出に影響を与え得るこれ
らの系の性質である。しかしこの薬剤デリバリーの向上に対する原因はあまりよ
く理解されていない。
ペプチドを含む異なる薬剤の生物学的利用能を向上させるために脂質を基材と
するミクロエマルジョンの使用がすでに提案されている。すなわち、GB222
2770−A(サンド社(Sandoz Ltd))は高疎水性シクロスポリンペプチドと
の使用に関するミクロエマルジョンおよび対応するミクロエマルジョン「予備濃
縮物」を記載している。したがって、適当な予備濃縮物は、親水性成分として1
,2−プロピレングリコールと、親油性成分としてカプリル−カプリン酸トリグ
リセリドと、界面活性剤−補助界面活性剤としてポリオキシエチレングリコール
化硬化ヒマシ油およびグリセリンモノオレアートの混合物(比率11:1)とか
らなる。このような処方をつぎに水で希釈して、油中水ではなく、水中油ミクロ
エマルジョンを得る。
GB2098865A(サンド社)は水不混和性有機溶媒、乳化剤、補助乳化
剤、水および(非ペプチド)治療剤からなるミクロエマルジョンの形態の局所組
成物を記載している。これらの処方は改良された皮膚透過性を有するとされてい
る。適当な有機溶媒は、(C6-22)カルボン酸とのグリセロールのモノ−または
ジエステル、例えば、グリセリルカプリレート(さらに補助乳化剤として作用す
る)を包含する。
US4712239(ミュラー(Muller)ら)は、油、HBL値が8より大き
い非イオン性界面活性剤およびポリヒドロキシルアルコールおよび(C6-22)脂
肪性アルコールまたは脂肪酸との部分エーテルまたはエステルである補助界面活
性剤からなる医薬用途としての多成分系を記載しており、該成分は、混合すると
「単一相」を形成する。該系の特性は、選択した界面活性剤および補助界面活性
剤の特定の混合物に帰因する。水性相は任意であり、治療剤は親油性または親水
性であってもよい。このような系は経皮デリバリー特性を向上させるとされてい
る。提示した実施例のうち、1例(実施例1、処方I)はPEG20−酸化エチ
レン(20EO)−オレイン酸グリセロール部分エステル(40%)、カプリル
−カプリン酸グリセロール部分エステル(42%)、モノグリセリド(24%)
、中鎖トリグリセリド(16%)および水(20%)を有する。
GB1171125(グラクソ・ラボラトリーズ社(Glaxo Laboratories Ltd
.))は疎水性油、低および高HLB界面活性剤の混合物および水性相からなる
、注射調製物として用いるミクロエマルジョンを記載している。特に、その
実施例15は、ココナツ油およびソルビタンモノオレアートの混合物を親油性相
中に含む。この特許は処方の改良に関するものであり、生物学的利用能について
は記載していない。
ーナル・オブ・ディスパージョン・サイエンティフィック・テクノロジー(J.Di
spersion Sci.Technol.)、11、479、1990)は「L2相」からなり、
不飽和(C16-22)脂肪性アシルモノグリセリドおよび不飽和(C16-22)脂肪性
アシルトリグリセリドを1:1から3:1の割合で含有し、水などの極性液体を
含有する生物学的に活性な物質についての徐放性組成物を開示している。このよ
うな不飽和(C16-22)脂肪性アシルモノグリセリドは、低HLB界面活性剤で
ある。しかし、さらに高HLB界面活性剤を配合することの記載はない。L2相
の存在は、水/モノカプリル/トリカプリル系に関して、フライベルグ(Freibe
rg)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・オイル・ケミカル・ソサイエティ(J.
Amer.oil.Chem.Soc.)47、149、1970に既に記載されている。またも、
さらに高HLB界面活性剤を含むことについて記載はない。
中鎖脂肪酸であるオクタン酸とそのナトリウム塩を組み合わせた、トリグリセ
リドトリオクタノインからなる系についての物理的研究が報告されている(フラ
イベルグ・エス(Friberg.S)ら、ケム・フィズ・リピッド(Chem.Phys.Lipids
),6,364−372,1971)。しかし、かかる系は水または低HLB界
面活性剤を含有しない。加えて、また、オクタン酸ナトリウムとオクタン酸中水
からなる、L−2相を濃縮する、処方についての物理的研究が報告されている(
エクウォール・ピー(Ekwall,P.)、コロイド・アンド・ポリマー・サイエンス
(Colloid and Polymer Sci),266,184−191、279−282、7
21−728、729−733、1150−1160、1161−1173およ
び267,607−621,1989)。
ハヤシ(Hayashi)らは中鎖脂肪酸塩、カプリル酸ナトリウムおよびカプリン
酸ナトリウムが結腸薬剤吸収についてそれ自体が向上した効果を有すると報告し
ている(ファーム・レス(Pharm.Res.)9,648−53、1992;8,13
65−71、1991;6,341−6、1988;および5,786−9、1
988)。
ドクサート・ナトリウム(Docusate sodium)またはエアロゾルOTとしてよ
り知られているジオクチルナトリウムスルホスクシナート(DSS)は、可溶化
剤、湿潤剤、乳化剤または分散剤として広範に用いられる。DSSの知られてい
る医薬的使用は:a)単独または便秘症の予防または治療におけるアジュバント
としての治療剤、b)錠剤コーティングを促進し、錠剤崩壊および溶解特性を改
良するための錠剤形成アジュバント、およびc)吸収エンハンサーとしての使用
を包含する。DSSはヘパリン(エンゲル・アール・エッチ(Engel,R.H.)ら、
ジェイ・ファーム・サイ(J.Pharm.Sci)58,706−710、1969)、
インスリン(デュポン・エイ(Dupont,A)ら、ウゲルクリフト・ラゲル(Ugeskr
ift Lager)119,1461−1463、1957)およびフェノールスルホ
ンフタレイン(Khalaffalah,Nら、ジェイ・ファーム・サイ,64,991−9
94,1975)。
水/オクタノール/ジオクチルスルホスクシナート系により形成される局所的
薬剤デリバリービヒクルとしてのミクロエマルジョンは、オズボーン・ディ・ダ
ブリュら(Drug Dev.Ind.Pharm.)14,1203−1219,1988;J.Pha
rm.Pharmacol.43,451−454,1991)により報告されている。
これらの研究は、親水性薬剤のin vitroにおける経皮的流出がミクロエマルジョ
ンの組成、特にオクタノール/DSS比に依存することを明らかにした。ミリス
チン酸イソプロピル(油)、1−ブタノール(補助界面活性剤)、ジオクチルナ
トリウムスルホスクシナートおよび水/緩衝剤からなる水中油ミクロエマルジョ
ンからの親油性薬剤のin vitro放出が、トロタ・エム(Trotta,M)らによって
記載されている(J.Control.Rel.)10,237−243,1989:Acta Pha
rm.Technol.36,226−231、1990)。
EP−387647(Matouschek,R.)は経鼻、経直腸または経皮デリバリー
用の酸性または塩基性薬剤およびイオン対形成化合物を含有する医薬ミクロエマ
ルジョン組成物を記載する。適当な油は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルお
よび/またはポリオキシエチレン脂肪性アルコールエーテルからなる界面活性剤
を含むミリスチン酸イソプロピル、2−オクチルドデカノールおよびパラフィン
油を包含する。用いる補助界面活性剤は水相であるポリオキシエチレングリセロ
ール脂肪酸エステル/水である。塩基性薬剤の場合、イオン対形成化合物はサル
ファートである。
治療剤、特にペプチドの経口デリバリーについての溶解性、安定性および/ま
たは粒径を改良した医薬ミクロエマルジョン組成物がなお必要とされている。今
回、意外にも、界面活性剤系を修飾することにより、(w/o)ミクロエマルジ
ョンでさらに改良された薬剤デリバリー特性が得られることが見いだされた。
発明の要約
従って、本発明は、
(a)油と;
(b)高および低HLB界面活性剤の混合物からなる界面活性剤系であって、低
HLB界面活性剤が、
i)中鎖または長鎖遊離脂肪酸;および
ii)中鎖または長鎖モノ/ジグリセリドまたはソルビタン中鎖または長鎖エ
ステルあるいはその混合物
の混合物であり、
高HLB界面活性剤が、
iii)サルファートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性サルファート、
アリールサルファート、脂肪性−アリールサルファートまたはその混合物);
iv)スルホナートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性スルホナート、ア
リールスルホナート、脂肪性−アリールスルホナートまたはその混合物);
v)スルホスクシナートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性スルホスク
シナート、アリールスルホスクシナート、脂肪性−アリールスルホスクシナート
またはその混合物);または
vi)前記iii)、および/またはiv)、および/またはv)のいずれかの混
合
物であり、
ここに、高HLB界面活性剤は、所望により、中鎖または長鎖脂肪酸の塩および
/または非イオン性高HLB界面活性剤と混合されていてもよい、界面活性剤系
と;
(c)水性親水性相と;
(d)水溶性の生物学的に活性な薬剤とからなる
医薬組成物であって、混合により、安定な自己乳化性油中水(w/o)ミクロエ
マルジョンを形成する医薬組成物を提供する。
図面の簡単な記載
第1図は(1)一定割合Xの油および第2の低HLB界面活性剤、(2)水相
および(3)一定割合Yの遊離脂肪酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシ
ナートからなる系の疑似三相図を示す。
第2図はCAPTEX 8000およびCAPMUL C8(3:1の割合)
、カプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(100%純粋,
USP)(3:1の割合)および脱イオン水からなる系の疑似三相図を示す。
第3図はCAPTEX 8000およびCAPMUL C8(2:1の割合)
、カプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(85%界面活性
剤、15%安息香酸ナトリウム)(3:1の割合)および脱イオン水からなる系
の疑似三相図を示す。
第4図はMIGLYOL808およびImwitor308(2:1の割合)
、カプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(100%純粋,
USP)(3:1の割合)および脱イオン水からなる系の疑似三相図を示す。
第5図はMIGLYOL808およびImwitor308(2:1の割合)
、カプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(3:1の割合)
およびセイラインからなる系の疑似三相図を示す。
発明の詳細な記載
生物学的に活性な薬剤を含まない本発明のミクロエマルジョンは、薬剤含有ミ
クロエマルジョンに対する先駆体として新規かつ有用である。したがって、本発
明は、
(a)油と;
(b)高および低HLB界面活性剤の混合物からなる界面活性剤系であって、低
HLB界面活性剤が、
i)中鎖または長鎖遊離脂肪酸;および
ii)中鎖または長鎖モノ/ジグリセリドまたはソルビタン中鎖または長鎖エ
ステルあるいはその混合物
の混合物であり、
高HLB界面活性剤が、
iii)サルファートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性サルファート、
アリールサルファート、脂肪性−アリールサルファートまたはその混合物);
iv)スルホナートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性スルホナート、ア
リールスルホナート、脂肪性−アリールスルホナートまたはその混合物);
v)スルホスクシナートまたはその医薬上許容される塩(脂肪性スルホスク
シナート、アリールスルホスクシナート、脂肪性−アリールスルホスクシナート
またはその混合物);または
vi)前記iii)、および/またはiv)、および/またはv)のいずれかの混
合物であり、
ここに、高HLB界面活性剤は、所望により、中鎖または長鎖脂肪酸の塩および
/または非イオン性高HLB界面活性剤と混合されていてもよい、界面活性剤系
と;
(c)水性親水性相とからなる医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、前記の各(a)、(b)および(c)の成
分と、(d)水溶性の生物学的に活性な薬剤とからなる医薬上許容される、安定
な、自己乳化性ミクロエマルジョンを提供するものであって、混合により安定し
た自己乳化性油中水(w/o)ミクロエマルジョンを形成する。
意外にも、脂肪性、好ましくは、アルキルもしくはジアルキルサルファートま
たはスルホナートまたはスルホスクシナートの中鎖塩をミクロエマルジョンに配
合することにより、本発明に係る処方にて投与した場合の生物学的に活性な薬剤
の吸収がさらに向上することが見いだされた。
油と低HLB界面活性剤が一緒になって持続親油相を形成することは当業者に
とって明らかであろう。
本発明の好ましい具体例において、医薬上許容される、安定な、自己乳化性ミ
クロエマルジョンは、
(a)油と;
(b)高および低HLB界面活性剤の混合物からなる界面活性剤系であって、低
HLB界面活性剤が、
i)中鎖または長鎖遊離脂肪酸;および
ii)中鎖または長鎖モノ/ジグリセリドまたはその混合物の混合物であり、
高HLB界面活性剤が、
iii)中鎖アルキルもしくはジアルキルサルファートまたはその医薬上許容
される塩;
iv)中鎖アルキルもしくはジアルキルスルホナートまたはその医薬上許容さ
れる塩;
v)中鎖アルキルもしくはジアルキルスルホスクシナートまたはその医薬上
許容される塩;または
vi)前記iii)、および/またはiv)、および/またはv)のいずれかの混
合物であり、
ここに、高HLB界面活性剤は、所望により、中鎖脂肪酸の塩および/または非
イオン性高HLB界面活性剤と混合されていてもよい、界面活性剤系と;
(c)水性親水性相と;
(d)水溶性の生物学的に活性な薬剤とからなり、
混合により、安定な自己乳化性油中水(w/o)ミクロエマルジョンを形成する
。
好ましい界面活性剤系は、高および低HLB界面活性剤の混合物からなり、こ
こに高HLB界面活性剤は中鎖脂肪性アルキルもしくはジアルキルサルファート
、スルホナートまたはスルホスクシナートまたはその医薬上許容される塩、好ま
しくは塩であって、高HLBは、所望により、中鎖脂肪酸と混合されていてもよ
く、および/または所望により、非イオン性を特徴とする高HLB界面活性剤と
混合されていてもよい。好ましくは、高HLB界面活性剤を中鎖脂肪酸の医薬上
許容される塩と混合する。好ましくは、第2の低HLB界面活性剤は、中鎖モノ
またはジグリセリドまたはその混合物である。
ミクロエマルジョンにおいて用いる高および低HLB界面活性剤の鎖長は同一
の長さである必要はない。例えば、中鎖脂肪酸は8個の炭素数であり、中鎖脂肪
酸塩は10個の炭素数であってもよい。
本明細書にて用いられる「中鎖脂肪酸」または「中鎖アルキルまたはジアルキ
ル」なる用語中の「中鎖」なる語は、飽和、モノ−不飽和またはポリ−不飽和の
6〜12個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有し、分枝または分枝していな
い、好ましくは分枝していない炭素鎖をいい、脂肪酸鎖は所望により置換されて
いてもよい。
本明細書にて用いられる「長鎖脂肪酸」または「長鎖アルキルまたはジアルキ
ル」なる用語中の「長鎖」なる語は、飽和、モノ−不飽和またはポリ−不飽和の
14〜22個、好ましくは14〜18個の炭素原子を有し、分枝または分枝して
いない、好ましくは分枝していない炭素鎖をいい、「中鎖」について前記したよ
うに所望により置換されていてもよい。
油相または親油性相に用いられる適当な油は医薬上許容されるものであり、脂
肪酸トリグリセリド(グリセロールの脂肪酸トリエステル)、プロピレングリコ
ールの脂肪酸ジエステル、および/またはポリオールエステルまたはその混合物
を包含する。脂肪酸基は中鎖または長鎖基またはその混合物であってもよい。
本明細書にて用いる場合、親油性相における「中鎖ポリオールエステル」なる
語中に用いる「ポリオール」なる語は、多価アルコールより誘導される1または
それ以上のエステル結合、すなわち2またはそれ以上のヒドロキシル基を含有す
る炭素骨格を有する化合物である。かかるエステルを形成するためのそのような
炭素骨格は、限定されるものではなく、エチレングリコール、プロピレングリコ
ールまたはポリエチレングリコール(PEG)を包含する。PEGはまた高分子
単位としてエチレングリコールを有するポリグリコールをいう。好ましくは、該
ポリオールはプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールである。
本発明にて用いる適当な脂肪酸トリグリセリドおよびプロピレングリコールの
脂肪酸ジエステルは、天然、半合成または合成のものであり、種々の脂肪酸トリ
グリセリドおよび/またはプロピレングリコールの脂肪酸ジエステルまたは他の
ポリオールエステルの混合物を包含する。かかる混合物は、中鎖および長鎖脂肪
酸トリグリセリドおよびジエステルの物理的混合物だけでなく、例えば、エステ
ル交換により、中鎖および長鎖脂肪酸基を含むように化学的に修飾されたトリグ
リセリドおよび/またはジエステルも包含する。
加えて、かかる適当な親油性相の中鎖エステルはまたポリエチレンをベースと
するものを包含する。プロピレングリコールおよびポリエチレンベースについて
の適当な例は、商品名 MYRITOL;CAPTEX(カールシャム・リピッ
ド・スペシャルティーズ(Karlsham Lipid Specialties)オハイオ州,コロンバ
ス)、例えば、CAPTEX 200;MIGLYOL(BASF)、例えば、
等級品MIGLYOL 840:SOFITIGEN(Huls America Inc.,ニ
ュージャージー州、ピスカタウェイ)、例えばSOFITIGEN 767;L
ABRAFACおよびLABRASOL(Gattefosse Corp.,ニュージャージー
州、ウェストウッド)、例えばLABRASOL CM−10で入手可能なもの
を包含する。プロピレングリコールは、例えば、CAPTEX200であり、M
iglyo1840はプロピレングリコールジカプリル酸/ジカプリン酸系であ
る。PEGベース系はSoftigenであって、PEG−6カプリル/カプリ
ン・グリセリド系であり;LABRAFACCM−10はグリセロールであって
、C8およびC10脂肪酸のPEGエステルであり、LABRASOLはPEG−
8カプリル酸/カプリン酸グリセリドエステル系である。
好ましい中鎖脂肪酸トリグリセリドの場合、脂肪酸組成物は、所望によりカプ
リン(C10)酸と混合していてもよいカプリル(C8)酸(例、50〜100%
(w/w)のカプリル酸および0〜50%(w/w)のカプリン酸)のトリグリ
セリドである。適当な例は、商品名 MYRITOL;CAPTEX(カールシ
ャム・リピッド・スペシャルティーズ、オハイオ州,コロンバス)、例えば、C
APTEX 300、CAPTEX 350、CAPTEX 355、CAPT
EX850およびCAPTEX 8000;MIGLYOL(BASF)、例え
ば、等級品MIGLYOL 808、MIGLYOL810、MIGLYOL8
12(リノール酸トリグリセリド配合)およびMAZOL 1400(マザー・
ケミカル、イリノイ州、ガーニー)を包含する。代表的製品の脂肪酸含量を以下
の表を示す(製造業者のデータ);C6およびC12はカプロイルおよびラウロイ
ル脂肪性アシル鎖を表す。
適当な長鎖脂肪酸トリグリセリドは、通常、中性植物、植物油および魚油、例
えば、鮫油、ココナツ油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、落下生油、ヒマシ油
、サフラワー油、サンフラワー油および大豆油より得られ、天然状態にて、また
は全てもしくは部分的に水素化していてもよい。大豆油はオレイン酸(25%)
、リノール酸(54%)、リノレン酸(6%)、パルミチン酸(11%)および
ステアリン酸(4%)トリグリセリドからなり、一方サンフラワー油はオレイン
酸(13%)、リノール酸(76%)、ステアリン酸(4%)およびパルミチン
酸(5%)トリグリセリドからなる。適当には、かかる長鎖脂肪酸トリグリセリ
ドにおいて、大部分の脂肪酸成分はC18−モノ不飽和またはポリ不飽和脂肪酸、
例
えば、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸である。
他の適当なトリグリセリドはエステル交換されたトリグリセリドを包含し、中
性および長鎖トリグリセリド、例えば、カプリル酸およびカプリン酸基を含有す
るトリグリセリドの混合物をオレイン酸またはリノール酸に富む植物油と化学的
に反応させることにより合成してもよい。適当なかかるエステル交換トリグリセ
リドの例は、カールシャム・リピッド・スペシャルティーズより、CAPTEX
810A−Dおよび910A−Dとして入手可能な製品を包含し、それは典型的
には、30−80%カプリン酸およびカプリル酸、10−50%リノール酸(8
10シリーズ)または10−60%オレイン酸+5%までのリノール酸(910
シリーズ)および25%までの他の酸からなる。
プロピレングリコールの適当な脂肪酸ジエステルは、中鎖および長鎖脂肪酸ジ
エステルを包含する。好ましくは、ジエステルは中鎖脂肪酸から形成され、より
好ましくはカプリル酸およびカプリン酸から、最も好ましくはカプリル酸から形
成される。好ましいジエステルは、約50ないし100%のカプリル酸および0
ないし50%のカプリン酸からなる。そのうち適当なものは、カプリル酸(68
%)、カプリン酸(27%)およびカプロン酸(4%)(製造業者のデータ)か
らなるCAPTEX200製品(カールシャム・リピッド・スペシャルティーズ
)である。
本発明にて用いる高HLB界面活性剤は、脂肪性、アリールまたは脂肪性−ア
リールサルファート、スルホナートまたはスルホスクシナートである。該脂肪性
基は中鎖または長鎖アルキルまたはジアルキル基である。中鎖部は、前記したよ
うに、C6〜C12、好ましくはC8〜C10を含有し、長鎖部はC14〜C24を、好ま
しくはC14〜C18を含有する。脂肪性鎖は分枝または分枝していなくてもよく、
所望により、置換されていてもよく、飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和であっ
てもよい。好ましくは、脂肪性基は中鎖長である。
サルファート、スルホナートおよびスルホスクシナート基と連結するのに2つ
の可能な形態がある。1つは脂肪性アシルエステル結合であり、他方はエステル
結合である。脂肪性またはアリール基がサルファート、スルホナートまたはスル
ホスクシナートと脂肪性アシルエステル結合を形成する場合、すなわち、付加的
なカルボニル[C(O)]基を含有する場合、脂肪性(またはアリール)基はエ
ステル結合の脂肪酸部として区別されるようになる。脂肪性アシルエステル結合
は、例えば、C6-12−C(O)−OS(O)3Na+である。これは、本明細書
にてエステル結合と称される、C6-12C−O−S(O)3Na+の一般に認識さ
れている結合と異なる。この用語は、C6-12OH基とスルホン酸のスルホンエス
テルを形成するO−S(O)2−Na+基と反応させることに由来する。好ましく
は、該結合はエステル結合であり、脂肪性アシルエステル結合ではない。より好
ましくは、結合基は中鎖アルキルまたはジアルキル基である。
本明細書にて用いる場合、「アリール」サルファート、スルホナートまたはス
ルホスクシナートなる語は、所望により置換されていてもよいフェニルまたはナ
フチル基を意味する。適当なアリールスルホナートは、例えば、ベンゼンサルフ
ァートまたはスルホナート、ナフチルサルファートまたはスルホナートを包含す
る。
サルファート、スルホナートおよびスルホスクシナートと連結するについて1
以上の部位が可能である場合、該化合物は脂肪性およびアリール結合の両方の混
合物、例えばドデシルまたはラウリルベンゼンサルファートまたはスルホナート
またはスルホスクシナートであってもよい。本明細書にて用いるこの組み合わせ
を「脂肪性−アリール」と称する。好ましくは、この例における該脂肪性基は中
鎖アルキルまたはジアルキル基である。
適当な長鎖アルキルまたはジアルキルサルファート、スルホナートおよびスル
ホスクシナートは、限定されるものではないが、ミリスチン(C14)、パルミ
チン(C16)、パルミトレイン酸(C16:1)ステアリン(C18)、オレ
イン酸(C18:1)、バセエン(vaceenic)酸(トランスオレイン酸)または
リノール酸(C18:2)を包含する。適当には、アルキルおよびジアルキル部
は、異なる中鎖および長鎖部の混合物、例えば、C12とC16基を有するジア
ルキルサルファートである。
好ましくは、サルファート、スルホナートおよびスルホスクシナートは中鎖ア
ルキルまたはジアルキル誘導体である。適当な中鎖基は、限定されるものではな
いが、オクチル(C8)、デシル(C10)、ドデシル(C12)、イソオクトアノ
イル、またはジオクチル、ジデシルもしくはジドデシルを包含する。好ましくは
、中鎖基はオクチル、デシル、ドデシルまたはジオクチルである。さらに好まし
くは、高HLBはオクチル、デシル、ドデシルまたはジオクチルスルホスクシナ
ートであるか、またはオクチル、デシルまたはドデシルサルファートである。
本発明のさらに別の態様は、本明細書にて用いる高HLB界面活性剤として、
種々の脂肪性、アリールまたは脂肪性−アリールサルファート、スルホナートお
よびスルホスクシナートの混合物を組み合わせることである。
適当には、サルファート、スルホナートまたはスルホスクシナートは、医薬上
許容される水溶性の塩、例えば、ナトリウムおよびカリウム塩のようなアルカリ
金属塩、またはアンモニウムもしくはN(R)4(Rはアルキルである)誘導体
と称される第四級アンモニウム塩であるか、またはエタノールアミンまたはトリ
エタノールアミンのような第一級および第二級(プロトン化)アミン塩である。
好ましくは、該塩はアルカリ金属塩である。適当には、該塩は中鎖アルキルまた
はジアルキルサルファート、例えばオクチル、デシルまたはドデシルサルファー
トであるか、またはジアルキルスルホスクシナートの塩であり、そのうちナトリ
ウムジオクチルスルホスクシナートおよびナトリウムドデシルサルファートが好
ましい。ナトリウムジオクチルスルホスクシナート(DSS)およびナトリウム
ドデシルサルファート(SDS)は、各々、41および40の推定HLB値を有
する。
本発明にて用いる適当な中鎖遊離脂肪酸は、カプリル(C8)、カプリン(C1 0
)およびラウリン(C12)酸ならびにその混合物を包含する。好ましい遊離脂
肪酸はカプリルおよびカプリン酸であり、最も好ましくはカプリル酸である。中
鎖脂肪酸の好ましい塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩
である。好ましい中鎖脂肪酸塩はカプリル酸ナトリウムおよびカプリン酸ナトリ
ウムであり、各々、23および21の推定HLB値を有する。最も好ましい中鎖
脂肪酸塩はカプリル酸ナトリウムである。
適当には、高HLB界面活性剤の総重量に対する遊離中鎖脂肪酸の割合は約1
0:1から1:1の範囲にあり、より適当には約4:1〜1:1である。
好ましくは、界面活性剤系は、第1の低HLB界面活性剤(遊離脂肪酸)に加
えて、別の(第2の)低HLB界面活性剤、例えば中鎖または長鎖脂肪酸モノグ
リセリド、中鎖または長鎖脂肪酸ジグリセリド、該モノおよびジグリセリドの混
合物、またはソルビタン中鎖エステルからなる。好ましくは、第2の低HLB界
面活性剤は中鎖モノまたはジグリセリドあるいはその混合物である。
適当には、第1の低HLBである遊離脂肪酸の第2の低HLB界面活性剤に対
する割合は10:1〜1:10である。好ましくは、該割合は5:1〜1:5で
あり、最も好ましくは3:1〜1:1である。
本発明に関して適当な非イオン性高HLB界面活性剤は、限定されるものでは
ないが、
(a)ポリオキシエチレン脂肪性アシルエステル、例えばMYRJ(ICI・
アメリカズ・インコーポレーション)の商品名で入手可能な型のポリオキシエチ
レンステアリン酸エステル、例えばMYRJ 52製品(ポリオキシエチレン4
0ステアラート);
(b)ポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、
例えばモノ−およびトリ−ラウリル、パルミチル、ステアリルおよびオレイルエ
ステル、例えば、TWEEN(ICI・アメリカズ・インコーポレーション)の
商品名で入手可能なポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、例えばTW
EEN20、21、40、60、61、65、80、81および85など、この
うちTWEEN80特に好ましい;
(c)ポリエチレングリコール長鎖アルキルエーテルのようなPEGグリセロ
ールエーテルであり、ポリエチル化グリコールラウリルエーテルおよびPEG脂
肪性アルコールエーテルを包含し;
(d)長鎖アルキルエステルのようなPEGグリセロールエステルであり、P
EG−モノステアラート含する。
本明細書中で用いる場合、非イオン性高HLB界面活性剤は、好ましくは、1
3〜20のHLB値を有する。
本発明のミクロエマルジョンにおいて、非イオン性高HLB界面活性剤は、通
常、多量の水相を可溶化し得るミクロエマルジョンを生成するための補助高HL
B界面活性剤として配合される。しかし、かかるミクロエマルジョンは、一般に
、非イオン性高HLB界面活性剤が不在のミクロエマルジョンよりも比較的粘性
である。
適当には、付加的な高HLB界面活性剤(例えば、脂肪酸塩および/または非
イオン性高HLB界面活性剤)に対する高HLB界面活性剤(脂肪性、アリール
または脂肪性−アリールサルファート、スルホナートまたはスルホスクシナート
)の量は、高HLB界面活性剤全重量の約10%ないし100%以下(w/w)
である。好ましくは、約50ないし100%(w/w)であり、最も好ましくは
、80%ないし100%(w/w)である。
第2の低HLB界面活性剤は、適当には、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグ
リセリド、モノおよびジグリセリドの混合物、またはソルビタン中鎖もしくは長
鎖脂肪酸エステル、ならびにこれら低HLB界面活性剤の混合物である。適当な
モノおよびジグリセリドは、各々、種々の脂肪酸モノおよびジグリセリドの混合
物を包含し、脂肪酸基は中鎖または長鎖長のものであるか、またはその混合物の
長さである。好ましくは、第2の低HLB界面活性剤は、前記のような、脂肪酸
モノグリセリドである。
界面活性剤系は、加えて、限定されるものではないが、以下に示すような他の
界面活性剤を含有してもよい:
i)アニオン性、カチオン性または両性イオンであるリン脂質、特にレシチン
、例えば大豆レシチン、卵レシチンまたは卵ホスファチド、コレステロールまた
は長鎖遊離脂肪酸(例、オレイン酸)のような他の脂質;
ii)限定されるものではないが、コール酸塩、デオキシコール酸塩など、タウ
ロコール酸ナトリウムおよびC6−C18脂肪性アシルカルニチンを包含する、胆
汁酸塩およびそのアルカリ金属塩;
iii)臭化セチルアンモニウムのようなカチオン性界面活性剤。
適当な中鎖脂肪酸モノおよびジグリセリドはカプリル酸およびカプリン酸から
形成される。適当な混合物は、約50〜100%のカプリル酸および約0〜50
%のカプリン酸からなる。モノおよびジグリセリドの混合物は、好ましくは少な
くとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%のモノグリセリドから
なる。適当なこれらの商業上の供給源は、CAPMUL(カールシャム・リピッ
ド・スペシャルティーズ(Karlsham Lipid Specialities))の商品名で入手可
能な製品、例えば、モノグリセリド(77%)、ジグリセリド(21%)および
遊離グリセロール(1.6%)からなり、脂肪酸組成が、カプロン酸(3%)、
カプリル酸(67%)およびカプリン酸(30%)であるCAPMUL MCM
ならびにモノグリセリド(70〜90%)、ジグリセリド(10〜30%)およ
び遊離グリセロール(2〜4%)を有し、脂肪酸組成が、少なくとも98%のカ
プリル酸からなるCAPMUL C8を包含する(オレアートとして表示される
製造業者のデータ;実際のC8/10モノおよびジグリセリド含量は、各々、約
45%)。
本発明の好ましい具体例において、低HLB界面活性剤は、少なくとも約80
重量%の、好ましくは少なくとも約90重量%の、さらに好ましくは少なくとも
約95重量%のカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸モノグリセリドまたはその
混合物を含むモノおよびジグリセリドの混合物、好ましくはカプロン酸、カプリ
ル酸、カプリン酸モノグリセリドまたはその混合物、さらに好ましくはカプリル
酸、カプリン酸モノグリセリドまたはその混合物を含有する。これら界面活性剤
の製品は、例えば、Imwitor 308(Huls America,Inc.)(約80
−90重量%のカプリル酸モノグリセリド含有);およびグリセロールモノカプ
リリン(シグマ・ケミカルズより1−モノオクタノイル−ラク−グリセロールと
して製造)(約99重量%のカプリル酸モノグリセリド含有);およびグリセロ
ールモノカプラート(シグマ・ケミカルズより1−モノデカノイル−ラク−グリ
セロールとして製造)(約99重量%のカプリン酸モノグリセリド含有)を包含
する。
適当な長鎖脂肪酸モノグリセリドは、グリセロールモノオレアート、グリセロ
ールモノパルミタートおよびグリセロールモノステアラートを包含する。適当な
市販品の例は、MYVEROLの商品名で入手可能な製品、例えば、MYVER
OL 18−92(サンフラワー油モノグリセリド)および18−99(ナタネ
油モノグリセリド)、MYVATEXおよびMYVAPLEX(各々、イースト
マン・コダック・ケミカルズ(Eastman Kodak Chemicals),ニューヨーク州、
ロチェスターから入手)を包含する。さらに有用な長鎖脂肪性アシルモノグリセ
リド含有製品は、ARLACEL 186(ICI・アメリカズ・インコーポレ
ーション(ICI Americas Inc.)より入手可能)であり、これはグリセロールモ
ノオレアートに加えて、プロピレングリコール(10%)を含む。MYVERO
L 18〜92の主な脂肪酸は、オレイン酸(19%)、リノール酸(68%)
およびパルミチン酸(7%)であり、一方、MYVEROL18−99の主な脂
肪酸はオレイン酸(61%)、リノール酸(21%)、リノレン酸(9%)およ
びパルミチン酸(4%)である。適当には、このような長鎖モノグリセリドにお
いて、主な脂肪酸成分は、C18の飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和脂肪酸、好
ましくはC18のモノ不飽和またはポリ不飽和脂肪酸である。加えて、Myvat
ex SMGの商品名で入手可能な製品であるモノグリセリドのジアセチル化お
よびジスクシニル化製品も有用である。
本発明において用いるのに適当なソルビタン長鎖エステルは、SPAN 80
およびARLACEL 80の商品名で市販されているソルビタンモノオレアー
トならびにSPAN 83およびARLACEL 83の商品名で市販されてい
るソルビタンセスキオレアートを包含する。本発明において用いるのに適当なソ
ルビタン中鎖エステルは、ソルビタンカプリラート、ソルビタンカプラート、ソ
ルビタンラウラートを包含する。
適当には、第1および第2の低HLB界面活性剤は、約2〜8のHLB平均値
を有する。CAMPUL MCM、MYVEROL 18〜99、ARLACE
L 80、ARLACEL 83およびARLACEL 186製品のHLB値
は、各々、約5.5〜6、3.7、4.3、3.7および2.8であり、一方、カプ
リル酸およびカプリン酸のHLBは、各々、5.8および4.8である。1−モノ
カプリリンの推定HLBは約8.0である。
本発明の好ましい具体例において、ミクロエマルジョンは、中鎖脂肪酸成分、
例えば、カプリル酸およびカプリン酸から誘導されるもの、特に、カプリル酸か
らの誘導体からなる。したがって、好ましいミクロエマルジョンは、CAPTE
X 355、810、CAPTEX 8000またはCAPTEX200、特に
CAPTEX 8000;CAPMUL MCMまたはCAPMUL C8、特
にCAPMUL C8;およびカプリル酸/カプリル酸ナトリウムおよび/また
はカプリン酸/カプリン酸ナトリウム、特にカプリル酸/カプリル酸ナトリウム
の混合物を含有する。
本明細書において用いる場合、「治療剤」または「生物学的に活性な物質」な
る語は、治療薬および/または予防薬(以下「薬剤」とも称する)としての用途
を有する化合物だけでなく、診断薬としても有用である化合物も意味するもので
ある。かかる物質は親水性相に溶解し、少なくとも処方中に用いた高HLB界面
活性剤のHLB値を有し、薬剤が親油性相よりも親水性相中に優先的に溶解する
ものである。かかる物質はペプチドおよび非ペプチドの両方を含む。適当なペプ
チドは、小ペプチドだけでなく大ペプチド/ポリペプチドおよび蛋白質も包含す
る。適当なこのようなペプチドは、好ましくは約100〜10000、より好ま
しくは約100〜約6000の分子量を有する。特に好ましいのは、2〜35ア
ミノ酸基を有するペプチドである。高分子量のペプチド、分子量が10000よ
り大きく、約50000までのペプチドも本発明のミクロエマルジョンに応用で
きる。
適当な小ペプチドは、約2〜約10、より好ましくは約2〜約6個のアミノ酸
基を有する。好ましい小ペプチドは、平均分子量が約600のテトラペプチドで
あるフィブリノゲン受容体拮抗物質(RGD含有ペプチド)を包含する。これら
のペプチド拮抗物質は、1ピコモル/mlの低い血漿中レベルで非常に有効な血
小板凝集抑制物質である。好ましいフィブリノゲン拮抗物質は、ペプチドシクロ
(S,S)−Na−アセチル−Cys−(Na−メチル)Arg−Gly−Asp
−Pen−NH2(アリ(Ali)ら、EP0341915、その全体を出典明示に
より本明細書の一部とする)およびペプチドシクロ(S,S)−(2−メルカプ
ト)ベンゾイル−(Na−メチル)Arg−Gly−Asp−(2−メルカプト
)
フェニルアミド(EP0423212、その全体を出典明示により本明細書の一
部とする)を包含する。本発明において有用な他のフィブリノゲン拮抗物質は、
ピエルシュバチャー(Pierschbacher)ら、WO89/05150(US/88
/04403);マルグリー(Marguerie)、EP0275748;アダムス(A
dams)ら、US4857508;ジマーマン(Zimmerman)ら、US46832
91;ナット(Nutt)ら、EP0410537、EP0410539、EP04
10540、EP0410541、EP0410767、EP0410833、
EP0422937およびEP0422938;アリら、EP0372486;
オーハ(Ohba)ら、WO90/02751(PCT/JP89/00926);
クライン(Klein)ら、US4952562;スカーボロー(Scarborough)ら、
WO90/15620(PCT/US90/03417);アリら、PCT/U
S90/06514およびPCT/US92/00999により開示されている
ペプチド;アリら、EP0381033およびEP0384362に開示されて
いるペプチド様化合物;およびRGDペプチドシクロ−Na−アセチル−Cys
−Asn−Dtc−Amf−Gly−Asp−Cys−OH(ここに、Dtcは
4,4’−ジメチルチアゾリジン−5−カルボン酸、Amfは4−アミノメチル
フェニルアラニンを意味する)である。
RGDペプチドは、通常、親水性相1g当たり約400mgまでの、または処
方1g当たり0.1〜40mgの量でミクロエマルジョン処方中に含まれていて
もよい。
本発明において有用な他のペプチドは、モマニー(Momany)、US44118
90およびUS4410513;ボウアーズ(Bowers)ら、US4880778
、US4880777、US4839344;およびWO89/10933(P
CT/US89/01829)に開示されている他のRGD含有ペプチド;ペプ
チドAla−His−D−Nal−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2
(ここに、Nalはβ−ナフチルアラニンを意味する)およびモマニー、US
4228158、US4228157、US4228156、US422815
5、US4226857、US4224316、US4223021、US42
23
020、US4223019およびUS4410512に開示されているペプチ
ドを包含するが、これに限定されるわけではない。
他の適当なペプチドは、成長ホルモン放出ペプチド(GHRP)His−D−
Trp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2(モマニー、US441
1890、その開示を出典明示により本明細書の一部とする)などのヘキサペプ
チドを包含する。これは、有用には、親水性相1g当たり約250mgまでの、
または処方1g当たり0.1〜25mgの量で含まれる。
本発明のミクロエマルジョンにおいて用いるのに適当な大ポリペプチドおよび
蛋白質は、インスリン、カルシトニン、エルカトニン、カルシトニン−遺伝子関
連ペプチドおよびブタソマトスタチンならびにその類似体および同族体を包含す
る。他の適当な大ポリペプチドは、ピエルシュバチャー(Pierschbacher)ら、
US4589881(>30残基);ビットル(Bittle)ら、US454450
0(20〜30残基);およびダイマーシ(Dimarchi)ら、EP0204480
(>34残基)により開示されているものを包含する。
本発明において有用な他の種類の化合物は、有効なLH放出活性を示すかまた
はLHRH活性を阻害するLHRHの類似体または同族体;造血活性を有するH
P5の類似体または同族体;血圧降下活性を有するエンドテリンの類似体または
同族体;抗侵害受容活性を有するエンケファリンの類似体または同族体;クロレ
シストキニンの類似体または同族体;免疫抑制活性を有するシクロスポリンAの
類似体または同族体;心房ナトリウム排泄増加因子の類似体または同族体;ペプ
チド作用性抗腫瘍薬;ガストリン放出ペプチドの類似体または同族体;ソマトス
タチンの類似体または同族体;ガストリン拮抗物質;ブラジキニン拮抗物質;ノ
イロテンシン拮抗物質;ボンベシン拮抗物質;オキシトシン作用物質および拮抗
物質;バソプレシン作用物質および拮抗物質;ヒルジン類似体または同族体;細
胞保護性ペプチド−シクロリノペプチドの類似体または同族体;アルファMSH
類似体;MSH放出因子(Pro−Leu−Gly−NH2)の類似体または同
族体;コラゲナーゼを阻害するペプチド;エラスターゼを阻害するペプチド;レ
ニンを阻害するペプチド;HIVプロテアーゼを阻害するペプチド;アンジオテ
ンシン転換酵素を阻害するペプチド;キマーゼおよびトリプターゼを阻害するペ
プチドおよび血液凝固酵素を阻害するペプチドを包含する。
他の適当な薬剤は、非ペプチド治療剤、例えば抗生物質、抗菌薬、抗腫瘍薬、
心血管および腎臓薬、抗炎症薬、免疫抑制剤および免疫剌激薬およびCNS剤を
包含する。
好ましくは、薬剤は、フィブリノゲン受容体拮抗ペプチド(RGDペプチド)
、GHRP(His−D−Trp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2
)、バソプレシン、カルシトニンまたはインスリンのようなペプチド、より好
ましくは、フィブリノゲン受容体拮抗ペプチドシクロ(S,S)−Na−アセチル
−Cys−(Na−メチル)Arg−Gly−Asp−Pen−NH2またはシク
ロ(S,S)−(2−メルカプト)ベンゾイル−(Na−メチル)Arg−Gly
−Asp−(2−メルカプト)フェニルアミドまたはGHRPである。
好ましい態様において、本発明は、経口投与され、生物学的活性を維持し、そ
れによりペプチドの生物学的利用能が満足できるものではない従来の処方の欠点
を克服する、ペプチドからなるミクロエマルジョンの形態の組成物を提供する。
特に、本発明は、経口投与に都合よいばかりでなくペプチドの生物学的利用能に
も適当な十分に高い濃度のペプチド調製および投与を可能にする組成物を提供す
る。
水溶性薬剤の場合、本発明の(w/o)組成物中への配合率は親水性相中のそ
の溶解度にのみ制限される。生理学的pH(3〜10の範囲)にある等張水相を
用いて、活性成分の一体性および組成物の安定性を失うことなく、高HLBの低
HLB(遊離脂肪酸)に対する比率を適当に修飾することにより薬剤の溶解を促
進してもよい。
水性親水性相は、水または等張セイライン溶液を含むのが適当であり、さらに
選択された親油性相と不混和性の医薬上許容される溶媒、例えば、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトールおよび他のモ
ノまたはジサッカリドを含んでもよい。
油、低および高HLB界面活性剤および親水性相のすべての混合物から本発明
の範囲に含まれる安定な自己乳化性ミクロエマルジョンが得られるわけではない
ことは当業者には容易に理解できる。しかし、適当な割合は、相図により当業者
には容易に決定できる。説明する目的で、中鎖アルキルまたはジアルキルサルフ
ァートまたはスルホナートまたはスルホスクシナート塩、遊離脂肪酸(第1の低
HLB界面活性剤)、油、第2の低HLB界面活性剤、および水溶液の好ましい
系を考える。この系は5成分からなるが、2つの対(遊離脂肪酸/サルファート
またはスルホナートまたはスルホスクシナート塩および油/第2の低HLB界面
活性剤)を、各々、一定割合に保つことによって変数の数を3つに減少させるこ
とにより、疑似三相図を作成することができる。これら3つの変数は、各々、三
角形の一辺で表わされる。このように、第1図において、(1)は一定割合Xの
油と第2の低HLB界面活性剤の混合物を表し、(2)は親水性(水性)相を表
し、(3)は一定割合Yの遊離脂肪酸とサルファートまたはスルホナートまたは
スルホスクシナート塩を表す。例えば、点「A」は40%油十第2の低HLB界
面活性剤、10%水性相および50%遊離脂肪酸+サルファートまたはスルホナ
ートまたはスルホスクシナート塩のミクロエマルジョンを表す。第2の低HLB
界面活性剤または遊離脂肪酸のいずれかが削除された場合、変数(1)または(
3)はもはや一定割合とする必要はなく、対応する相図が作成できることは当業
者に明らかであろう。
本発明のミクロエマルジョンが存在する相図の領域は、油および第2の低HL
B界面活性剤の混合物(一定割合)を遊離脂肪酸+サルファートまたはスルホナ
ートまたはスルホスクシナート塩(一定割合)および親水性相に対して滴定する
ことにより決定され、相分離点、曇点および透明点を明記する。清澄、透明な組
成は、安定したミクロエマルジョンの形成を示すものである。ついでこれら組成
を相図上にプロットし、第1図に示すように、ミクロエマルジョン領域、すなわ
ち、清澄、透明な組成物(ミクロエマルジョン)から混濁組成物への移行を表す
境界を生成する。
安定で透明な系が得られたら、色素可溶化、水中の分散性および導電率の測定
などの簡単な試験を行って、ミクロエマルジョンが(o/w)または(w/o)
型のいずれであるかを決定する。水溶性色素は(o/w)ミクロエマルジョン中
に分散し、一方(w/o)ミクロエマルジョン中では元の形態のままである。同
様に、(o/w)ミクロエマルジョンは一般に水中に分散するのに対して、(w
/o)ミクロエマルジョンは、一般に、分散しない。加えて、(o/w)ミクロ
エマルジョンは電気を通すのに対して、(w/o)は通さない。系の等方性は偏
光下での試験により確認できる。ミクロエマルジョンは等方性であり、したがっ
て、偏光下で試験した場合、非複屈折である。
本発明の範囲内にあるミクロエマルジョンは、疑似三相図のミクロエマルジョ
ン存在領域内にあるものである。
したがって、本発明は、種々の成分の相対的割合が第1図のような疑似三相図
のミクロエマルジョン存在領域内にある、前記の安定な自己乳化性(w/o)ミ
クロエマルジョンを形成する組成物を提供する。
異なる割合XおよびYについて、相図の代表的な範囲を作成するこのプロセス
により、本発明の範囲内にある安定した自己乳化性ミクロエマルジョンを得る種
々の成分の適当な量を決定できる。
適当には、該油はミクロエマルジョンの約5〜95%(w/w)、好ましくは
約10〜80%(w/w)からなる。
適当には、総合した低HLB界面活性剤は、ミクロエマルジョンの約15〜8
5%(w/w)、好ましくは約20〜70%(w/w)からなる。
適当には、総合した高HLB界面活性剤は、ミクロエマルジョンの約5〜約7
5%(w/w)、好ましくは約5〜約50%(w/w)、より好ましくは約7.
5〜約30%(w/w)からなる。
適当には、親水性相は、ミクロエマルジョンの0よりもほんの少し大きな値か
ら約40%(w/w)、好ましくは約0.1〜約20%(w/w)、より好まし
くは約0.1〜約10%(w/w)、最も好ましくは約1〜5%(w/w)から
なる。
一般に、多量の親水性相を供給することが望ましい場合、これは、親油性成分
を犠牲にし、高HLB界面活性剤の相対量を増加させることにより調和されうる
ことは当業者には容易に理解できる。
油および第2のHLB界面活性剤を合し、種々の割合で混合する。油の第2の
低HLB界面活性剤に対する割合が約5:1〜約1.5:1、好ましくは約4:
1〜約2:1の範囲にある場合に、ミクロエマルジョン全体を通して相対的に低
粘度である有用な(w/o)ミクロエマルジョンが得られる。油の第2の低HL
B界面活性剤に対する割合が5:1に向かって増加していくにつれて、ミクロエ
マルジョン領域は側辺(1)および(3)により形成される相図の頂点に向かっ
て小さくなる傾向にある。
好ましいミクロエマルジョンにおいて、遊離脂肪酸および脂肪性アルキルまた
はジアルキルサルファート、またはスルホナート、またはスルホスクシナート塩
は、好ましくは、ミクロエマルジョンの約5〜約75%(w/w)、さらに好ま
しくは約5〜約50%(w/w)、最も好ましくは約7.5〜約30%(w/w
)の範囲にて存在する。
本発明のミクロエマルジョンは実質的に不透明でない、即ち光学的顕微鏡手段
で見た場合、透明または乳白色である。均質状態において、これらは偏光下で試
験した場合、光学的に等方性(非複屈折)である。低温および外界温度で、長時
間にわたって、相分離、白濁または沈殿を生じることなく、優れた安定性を示す
。処方は、種々の温度、例えば4℃、室温、37℃および50℃、好ましくは4
℃または室温で安定な形態で貯蔵できる。過剰量の水性相で希釈すると、本発明
のミクロエマルジョンは逆に(o/w)エマルジョンに変わりやすい。
好ましくは、本発明のミクロエマルジョンの小滴または粒子の直径は、例えば
レーザー光散乱技法による数平均直径として測定した場合、150nm未満、よ
り好ましくは100nm未満、さらに好ましくは50nm未満、最も好ましくは
5〜35nmの範囲である。
種々の相は、所望により、さらに以下の成分をある少量にて、例えば3%(w
/w)未満、好ましくは1%(w/w)未満にて含んでもよいが、これに限定さ
れない:
i)酸化防止剤、例えば没食子酸n−プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール(BHA)およびその混合異性体、d−α−トコフェロールおよびその混合
異性体、アスコルビン酸、プロピルパラベン、メチルパラベンおよびクエン酸(
モノ水和物);
ii)安定化剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース;
iii)抗菌薬、例えば安息香酸(ナトリウム塩);
iv)プロテアーゼ阻害剤、例えばアプロチニン。
本発明は室温(23℃)で液体またはゲルであるミクロエマルジョンだけでな
く、治療する動物の体温で液体であるが、室温で固体であるミクロエマルジョン
もまた包含する。このような固体ミクロエマルジョンは、高融点油、所望により
、高融点低HLB界面活性剤を用いて容易に調製できる。このような適当な油ま
たは低HLB界面活性剤は室温以上、好ましくは30℃以上の融点を有し、それ
は当該分野において周知である。適当な高融点油は、硬化ココナツ油およびパー
ム油およびその混合物、例えばHydrokote油(カールチャム・リピッド・スペシ
ャリティズより入手)、硬化落花生油および種々の硬化植物油を包含する。また
、プロピレングリコールとラウリン酸のトリエステルおよびジエステルの混合物
、例えば、Witespol H−15製品(ドイツのHulsより入手可能)が適当である
。それはトリおよびジエステルの9:1混合物を含有する。適当な高融点低HL
B界面活性剤は、サフラワー油モノグリセリド、例えばMYVEROL18−9
2および18−99製品を包含する。
本発明は、水性流体を添加すると、O/Wエマルジョンおよびミクロエマルジ
ョンに変わるミクロエマルジョンを提供する。O/Wミクロエマルジョンに変わ
る系において、水性相は、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)、
マンニトール、プロピレングリコール、モノおよびジサッカリドおよびその混合
物のような化合物の、好ましくは、10−95重量%、好ましくは20−70重
量%、さらに好ましくは20−50重量%溶液である。
本発明のミクロエマルジョンは、その成分を接触させた場合、自発的または実
質的に自発的に、即ち実質的にエネルギーを供給することなく、例えば均質化お
よび/またはミクロ流動化または他の機械的撹拌により与えられるような高い剪
断エネルギーの非存在下で形成される。したがって、該ミクロエマルジョンは適
当な量を穏やかに手動で混合するかまたは必要ならば確実に混合するように撹拌
する簡単なプロセスにより室温で容易に調製できる。好ましくは、薬剤を親水性
相中に、直接またはそのストック溶液の希釈化により溶解させ、これを次にあら
かじめ混合した油および、用いるならば、第2の低HLB界面活性剤の組合せに
、続いて脂肪酸塩、遊離脂肪酸および非イオン性高HLB界面活性剤(またはそ
の逆)に混合しながら添加する。別法として、油および界面活性剤、および薬剤
不含親水性相を混合することにより、まず薬剤不含ミクロエマルジョンを調製し
、ついでこれにさらに薬剤を溶解した親水性相を添加する。室温で固体であるミ
クロエマルジョンは、混合を促進するために、種々の成分がすべて液体であるよ
うな高温、例えば40〜60℃を用いて調製してもよい。ついで、かかるミクロ
エマルジョンを室温にまで降温させ、その間に固化が起こる。
本発明のミクロエマルジョンは治療剤からなる医薬組成物であり、ヒトを含む
動物に投与してもよい。
従って、別の態様において、本発明は有効量の前記した医薬組成物を、これを
必要とする患者に投与することからなる治療法を提供する。
治療効果を得るのに必要な薬剤の量は選択した薬剤、症状の性質および程度、
および治療を受ける動物によって変わることは当業者には理解でき、最終的には
医師の裁量による。さらには、薬剤の最適量および各投与の間隔は治療する症状
の性質および程度、投与の形態、経路および部位、治療を受ける患者によって決
定され、このような最適値は常套手段により決定できる。また、治療の最適経路
、即ち投与する回数も通常の治療法決定試験を用いて容易に確認できることは明
らかである。
さらに別の態様において、本発明は、医薬の製造における、前記した油、高お
よび低HLB界面活性剤の混合物からなる界面活性剤系(ここに、高HLB界面
活性剤は、中鎖脂肪酸と混合した、所望により非イオン性高HLB界面活性剤と
混合してもよい、脂肪性、アリールまたは脂肪性−アリールサルファート、スル
ホナートまたはスルホスクシナート塩である)、治療薬および親水性相の使用を
提供する。
本発明の医薬組成物は、非経口、経腸または粘膜を介して、例えば、注射によ
り、あるいは経口、局所、直腸、結腸または膣内投与により投与してもよい。し
たがって、組成物はそれに適した形態にされる。例えば、経口投与用の医薬組成
物はソフトゼラチンカプセルにされ、ある種の医薬組成物の粘性は直接局所投与
するのに適当である。結腸および直腸投与するのに固体処方が好ましい。
薬剤を含まない本発明のミクロエマルジョン組成物は新規であり、薬剤含有ミ
クロエマルジョンに対する前駆体として有用である。したがって、別の態様にお
いて、本発明は、油と;高および低HLB界面活性剤の混合物からなる界面活性
剤系(ここに、高HLB界面活性剤は、中鎖脂肪酸と混合した、所望により非イ
オン性高HLB界面活性剤と混合してもよい、脂肪性、アリールまたは脂肪性−
アリールサルファート、スルホナートまたはスルホスクシナート塩である)と、
水性親水性相とからなる組成物であって、混合により安定な自己乳化性油中水(
w/o)ミクロエマルジョンを形成する組成物を提供する。
本発明を以下の記載例(薬剤不含組成物)および実施例(薬剤含有組成物)に
より説明するが、これに限定されない。
記載例
記載例1−代表的組成物の相図
記載例4でセイラインを用いる以外、すべて、水性相として脱イオン水を用い
、以下の代表系に関して疑似三相図を作成した:
CAPTEX8000およびCAPMULC8(割合2:1)、カプリル酸お
よびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(割合3:1)および水性相(セ
イラインまたは脱イオン水)からなる系について疑似三相図を作成した。ミクロ
エマルジョンが形成される相図の領域を、CAPTEX8000およびCAPM
UL C8の混合物をカプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナー
トならびにセイラインの溶液に対して滴定することにより決定し、相分離点、曇
点および透明点を明記する。
得られた相図を第2図に示す。広範囲に及ぶ清澄な、透明液体(w/o)ミク
ロエマルジョンが利用できる。これらは室温および37℃で安定である。過剰量
の水性相で希釈すると、混濁状態の(o/w)エマルジョンへの変移が観察され
た。
同様な方法にて、表に示す所定の他の系について相図を作成し、得られた相図
を第3図ないし第5図に示す。類似する範囲のミクロエマルジョン領域が得られ
た。ミクロエマルジョンは領域全体にわたって相対的に低粘度であることが判明
した。加えて、水性相を脱イオン水からセイライン(記載例4)に変えると、高
HLB界面活性剤のイオン特性より予想されるように、水性相を低レベルで供給
できることが明らかにされた。
実施例
実施例1〜2は、CAPTEX8000およびCAPMUL C8(割合2:
1);カプリル酸およびジオクチルナトリウムスルホスクシナート(割合3:1
)および水性相ならびにGHRP(His−D−Trp−Ala−Trp−D−
Phe−Lys−NH2)(分子量約850)またはRGDペプチド(シクロ(
s,s)−(2−メルカプト)ベンゾイル−(Na−メチル)−Arg−Gly−
Asp−(2−メルカプト)−フェニルアミド)(分子量約650)のいずれか
からなるw/oミクロエマルジョン記載する。その相対割合を、以下の表に示す
:
まず適量の薬剤を適量の水性相に、またはより好ましくはストック溶液を用い
て溶解させることにより薬剤含有親水性相を調製し、ついで該混合物をさらに必
要ならば渦巻き状に撹拌しながら希釈して、完全に溶解させることによりこのよ
うなミクロエマルジョンを処方した。ついで、薬剤を含有する親水性相を適量(
重量)の油および第2の低HLB界面活性剤の混合物に添加し、これにジオクチ
ルナトリウムスルホスクシナートの遊離脂肪酸中溶液を穏やかに撹拌しながら(
マグネティックホットプレートスターラー)添加した。別法として、薬剤を含有
する親水性相をジオクチルナトリウムスルホスクシナートの遊離脂肪酸中溶液に
添加した。この混合物を完全に混合し、ついで油+第2の低HLB界面活性剤の
混合物に加えた。必要ならば、ついで、薬剤含有のミクロエマルジョンを対応す
る薬剤不含ミクロエマルジョンで希釈して、薬剤濃度を調節した。
生物学的実施例カルセインの生物学的利用能
標準的無意識ラット実験(ウォーカー(Walker)ら、ライフ・サイエンス(Li
fe Science)47,29−36,1990)を用いて、試験化合物であるカルセ
イン[5(6)−カルボキシ−フルオロセイン、分子量=623]を前記の
いずれかの実施例におけるミクロエマルジョンとして投与した場合の十二指腸内
生物学的利用能を評価し、同一化合物を同一経路であるが、等張トリス緩衝液と
して投与した場合に得られる評価と比較した。血漿試料中の化合物の濃度を蛍光
分光学を用いて測定する。ミクロエマルジョン1kg当たり約1.25マイクロ
モルまたは1.0mlを十二指腸内(i.d.)投与した後、生物学的利用能を測
定し、等張トリス緩衝液として投与した場合の生物学的利用能と比較する。
前記した生物学的利用能測定は、当業者にとって十分に理解できるものである
が、便宜上、以下に繰り返し記載する:
吸収実験について用いる場合、雄ラットを一夜絶食させる。溶液またはミクロ
エマルジョンからの化合物(この場合、カルセイン)の静脈内(i.v.)または
十二指腸内(i.d.)投与を常法に従って行う。
i.v.投与の場合、絶食させたラットをロムパン(Rompun)(5mg/kg)
およびケトセット(ketset)(35mg/kg)の混合物を腹腔内注射して麻酔
し、静脈用カテーテルを装着する。一日、ラットを手術から回復させる。カテー
テルを装着したラットを化合物の投与前18時間絶食させた。各化合物を側尾−
静脈投与により投与する。0.5mlのアリコートの血液試料を0、1、3、5
、15、30、45、60、90、120、150および180分で採集した。
0分の試料は投与の15分前に採集する。1600xgで5分間遠心分離に付す
ことにより、血漿を全血から取り出し、ついで試料当たり250μlのアリコー
トを−20℃で貯蔵する。血液ペレットを12.5単位のヘパリン処理したセイ
ラインで復元し、静脈用カテーテルを介してラットに戻す。実験後、ラットをペ
ントバルビタールを静脈内投与して殺す。
i.d.投与の場合、静脈用カテーテルに加えて、十二指腸用カテーテルを外科
的に麻酔ラットに装着し、動物を4ないし5日間手術より回復させる。化合物を
溶液またはミクロエマルジョンより十二指腸用カテーテルを介して投与する。血
液試料(0.5mlアリコート)を静脈用カテーテルを介してヘパリン処理した
エッペンドルフ(eppendorf)管にて0、10、30、60、120、180、
240および1440分で採集する。0分試料は投与の15分前に採集する。
i.v.投与プロトコルにて前記したように、血漿を分析用に採集し、血液をラッ
トに戻す。各ラットの時間経後の大便を、軟便、軟便/水便または粘性のランク
で評価する。
吸収実験の終わりに(投与後、4〜6時間または24時間)、二酸化炭素を用
いて窒息させて殺し、採血する。ついで、腹部切開を行い、完全なGI管を摘出
し、50x倍率の顕微鏡で観察する。
カルセインの血漿中濃度を、パーキン・エルマー・LS・50発光分光計を用
い、490および515nmの励起および放射波長で蛍光により測定する。生物
学的利用能(%F)を、以下の式を用いて、i.d.またはi.v.投与後のAUC
(血漿中濃度−時間曲線下の面積)より算定する:
%F=(AUCid/AUCiv)x(用量iv/用量id)x100
本発明の処方を以下の方法により活性成分を有するまたは有しないGI剌激評
価について試験する。ラットにおける経口投与/GI刺激評価
この試験において使用するのに適当なラットは、雄スプレーグードーリ((Sp
rague-Dawley)、帝王切開出産、無ウイルス抗体;チャールス・リバー・ラボラ
トリース(Charles River Laboratories))である。ラットを実験の前日一夜絶
食させる。所望の投与量のミクロエマルジョンを10mg/kgを越えない量で
強制飼養により投与する。実験の終了時に動物を二酸化炭素を用いて窒息させる
ことにより殺し、採血する。腹部切開を行い、胃および十二指腸粘膜の全体的観
察を裸眼および顕微鏡(ニコンSMZー10型双眼顕微鏡)を用いて行う。
本発明の一態様は、経口投与によりGI管に沿って障害があったとしてもほと
んどないペプチドを含むかまたは含まないw/o自己乳化性ミクロエマルジョン
の処方である。例えば本発明の処方を、強制飼養により経口投与する(好ましく
は1処方につきラット3匹)。24時間後、動物を採血して、腹部切開により、
裸眼および顕微鏡の両方で観察する。動物の胃および十二指腸の両方の粘膜表面
を調べて、裸眼で病変がないかどうかを見る。ラットにおけるRGDペプチドの経口生物学的利用能
以下に記載する操作において、前記したようにして処方した、例えばミクロエ
マルジョン1g当たり3mgのペプチド(例えば、RGDフィブリノゲン受容体
拮抗物質含有ペプチド)を含有するミクロエマルジョンを以下の方法にて経口生
物学的利用能に関して試験する。
a)セイライン中ペプチドの静脈内(iv)投与
絶食したラットに腹腔内(ip)注射を行い、外科手術により大腿動脈カテー
テルを設置する。ラットを1日の間、手術から回復させた。カテーテルを挿入し
たラットを実験前18時間絶食させる。各ラットに側尾静脈投与により以下のよ
うにして調製した溶液から3mgのペプチドを投与する:
10.84mgのペプチドを0.9%セイライン溶液で8mlにする。0.5m
lアリコートの血液試料を0、1、3、5、10、15、30、45、60、9
0、120、150および180分に採集する。0分の試料を投与する15分前
に採取する。16000Xgで5分間遠心分離することにより血漿を全血から取
り出し、次に該血漿を−20℃で1試料当たり250μlのアリコートにて貯蔵
する。血液ペレットをヘパリン処理したセイライン溶液で復元し、カテーテルを
介して適切なラットに戻す。実験後、ラットにペントバルビタールを静脈内投与
して殺す。
b)ミクロエマルジョン中ペプチドの十二指腸内(id)投与
絶食したラットに麻酔カクテルを腹腔内注射し、外科手術により頚静脈および
十二指腸用カテーテルを挿入する。ラットを4〜5日間、手術から回復させる。
カテーテルを挿入したラットを実験前18〜20時間絶食させる。各ラットにミ
クロエマルジョン中またはセイライン溶液中のいずれかのペプチド10mgを投
与する。0、10、30、60、120、180、240および1440分にヘ
パリン処理したエッペンドルフ管中に頚静脈カテーテルを介して0.5mlアリ
コートの血液試料を集める。0分の試料を十二指腸用カテーテルにより投与の1
5分前に採取する。血漿を分析のために採集し、血液を前記静脈内投与(項a)
において記載したようにラットに戻す。1440分後、ラットをペントバルビタ
ールの静脈内投与により殺し、採血し、全体的観察のためにGI管を摘出する。
c)ペプチド血漿濃度の分析
HPLC分析用の試料の前後に標準体を置く。0〜200ngのペプチドにつ
いて50μlアリコート、1000〜2000ngのペプチドについて25μl
アリコート、10000ngのペプチドについて15μlアリコート、各サンプ
ルの50μlアリコートをポストカラム蛍光検出により分析する。蛍光クロマト
グラフィーデータを集め、ネルソン・クロマトグラフィー・データ・システム(
Nelson Chromatography Data System)を用いて積分する。ピーク面積(Y)お
よびペプチド標準濃度(X)を用いて、式:勾配=(X*Yの合計)/(X2の
合計)から原点を通した直線の勾配を決定する。勾配は、試料に関するピーク面
積比およびペプチド血漿濃度間の関係を表わす。
d)生物学的利用能の計算
まず、0〜240分での血漿濃度曲線下の面積(AUC)を各ラットについて
測定する。十二指腸内投与の場合、以下の式により、静脈内投与の平均AUCを
用いて各動物に関して生物学的利用能(%)を決定する:
[(AUCid/AUCiv)*(用量iv/用量id)]*[100]。
ついで、ペプチド用量のフィブリノゲン受容体拮抗物質を配合した前記処方を
含有するミクロエマルジョンを十二指腸内投与した後のラットにおけるRGDペ
プチドに関する経口生物学的利用能のデータを、前記方法により得ることができ
る。
適用可能ならば、本発明の処方をin vivo活性について試験する。活性成分の
1つとして、フィブリノゲン受容体拮抗物質を本明細書にて用い、血小板凝集試
験を利用し、ミクロエマルジョン由来のペプチドの薬理活性を測定する。これら
研究を以下に示すように行う。イヌにおける経口投与/血小板凝集試験
この試験において用いたイヌは、オス雑種(Mongrel)(即ち混合種)である
。イヌを実験の前日一夜絶食させる。留置カテーテル用に選択した頭部静脈を以
下
のようにして準備する:該当部分の毛をまず剃り、70%アルコール中に浸した
ガーゼで清浄にする。留置カテーテルを頭部静脈中に置き、3.8%クエン酸ナ
トリウムを満たしたルエル(luer)ロックアダプターにつなぐ。カテーテルをし
っかりテープで固定する。血液サンプルを採取する場合、0.3mlの血液を実
際の試料採取の前に個別の1ccシリンジ中に採取し、ルエルロックアダプター中
に含まれるクエン酸ナトリウムにより血液サンプルが希釈されるのを防ぐ。次に
2.7mlの血液を3ccシリンジ中に抜き取り、0.3mlの3.8%クエン酸ナ
トリウムを含み、適当な時点で標識したベノジェクト(Venoject)真空管中にい
れる。3.8%クエン酸ナトリウム中血液試料を含む管を静かに2、3回倒立さ
せて、成分を混合し、次に全血凝集試験のために1mlを採取する。残りの血液
試料をエッペンドルフ管に移し、遠心分離により上清血漿を取り出して新しい管
に移し、ついでその後のHPLC分析のために凍結させ、ペプチド含量を測定す
る。
0時点の直後に血液試料を採取し、ペプチドを含むかまたは含まない適量のミ
クロエマルジョンを、サイズ12のゼラチンカプセルを用いてイヌに経口投与す
る。
血液試料を次にクロモ−ログ(Chromo-Log)全血凝集検出計を用いて血小板凝
集阻害に関して試験する。試料を試験する前に装置を37℃に加温し、プローブ
を蒸留水および柔らかいブラシで清浄にする。プローブを凝集検出計に取付け、
セイライン溶液のキュベット中にいれ、凝集検出計中のサイドキュベットウェル
中にて加温する。実際の検定に関しては、ベノジェクト真空管中の0.3mlの
3.8%クエン酸ナトリウムと混合した2.7mlの血液試料の1mlをキュベッ
トに添加し、凝集検出計のウェル中に入れる。撹拌棒をキュベット中にいれ、9
00rpmにセットする。プローブを試験キュベット中にしっかりといれ、蓋を
閉める。ベースライン、ゼロおよび目盛りをセットする。目盛りは20を5オー
ムに等しく設定する。撹拌キュベットを5分間静置し、この時点で、5μlのコ
ラーゲンを撹拌した全血に添加し、キュベット中5μl/mlの最終溶液を得る
。
一旦、勾配の変化がコラーゲン添加のベースラインに達したら反応を2分間モ
ニターし、2分間の勾配を用いて変化をオーム/分で計算する。変化(オーム/
分)を対照の%で計算する。対照値を、−15および0時の平均により決定する
。各使用後、プローブを取り出し、蒸留水で清浄にし、柔らかい布およびブラシ
で拭う。考察および結論
イヌは、本発明にて関心のあるペプチドの一種、RGD含有フィブリノゲン受
容体拮抗物質の薬理効果を評価するための良好なモデルであると考えられる。実
験を、3mg/kgのペプチド用量または0.5ml/kgのミクロエマルジョ
ン用量を用いて、前記のようにして行う。ペプチドをセイライン溶液中経口投与
する対照実験を先に独立して行い、ミクロエマルジョン−処方ペプチドで見られ
る効果との有用な比較に供する。
本発明にて用いる活性成分の一つが成長ホルモン放出ペプチドであるため、in
vivo活性に関する適当な検定を以下のようにして行う。GHRP含有のミクロエマルジョンのin vivo試験
前記実施例に従って、組成物を含むミクロエマルジョン(w/w)を調製する
。調製後、これをin vivo評価の前に外界温度で安定な形態にて約48時間さら
に貯蔵する。GHRPペプチド、His−D−Trp−Ala−Trp−D−P
he−Lys−NH2のセイライン溶液中対照溶液(1.5mg/ml)もまた調
製する。
雄ラットに3mg/kgでGHRPのセイライン溶液(対照)および前記ミク
ロエマルジョン中溶液を十二指腸内に一回投与することで投与を行う(各ケース
において3匹のラットを用いる)。実際のサンプリングおよび投与の前に、各ラ
ットをペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内、最終容積1mlまでセイ
ライン溶液で希釈)で麻酔する。ラットを実験を通して麻酔にかけたままにする
。投与は以下のようにして行う:小さい切開(2〜3cmの長さ)を腹部中心線
上に行い、次に十二指腸筋肉上に巾着縫合を行う。巾着縫合の中心に小さな穴を
開け、その中にツベルクリンシリンジに取り付けたブラント23Gスタブ針を挿
入
して用量をデリバリーする。投与の終了後、巾着縫合を縛り、開口を閉じる。切
開部を創傷クリップで閉じる。頚静脈用カテーテルから以下の間隔で0.2ml
の血液試料を採取する:−15、0、5、10、15、30、45、60、90
および120分。血液試料を氷上で貯蔵し、続いてRIA法により、成長ホルモ
ンについて分析する。
前記実験から得られた試料の分析は、GHRPの薬理活性を測定するのに必要
である。正のデータは成長ホルモン放出ペプチドが本発明のミクロエマルジョン
処方に由来して経口的に活性であることを示している。しかし、血液濃度および
実際の生物学的利用能を観察された薬理活性と互いに関連させる必要がある。
治療的全身性投与に必要な活性成分の量は、もちろん選択した化合物の、症状
の性質および重篤度、治療を受けるヒトを含む哺乳動物により変わり、最終的に
は医師の裁量による。
最後に、本発明はまた、有効量の本明細書において定義した医薬組成物を、こ
れを必要とする患者に投与することからなる治療法を包含する。好ましくは、治
療薬は、フィブリノゲン受容体拮抗ペプチド、成長ホルモン放出ペプチドまたは
その類似体もしくは同族体、バソプレシンまたはその類似体もしくは同族体、エ
ルカトニン、カルシトニン、カルシトニン−遺伝子関連ペプチド、ブタソマトス
タチンまたはその類似体もしくは同族体、またはインスリンまたはその類似体も
しくは同族体から選択される。病状および前記した各治療薬ならびに他の治療薬
の使用は当業者には公知である。これら薬剤の多くについて、かかる使用が既に
各特許にて副分類されている。例えば、血小板凝集阻害剤、成長促進剤、骨粗鬆
症用および糖尿病用である。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 38/11
38/22
38/23
38/28
9455−4C A61K 37/26
9455−4C 37/30
9455−4C 37/34