JPH08512113A - エンジンのアイドリング作動及び停止に応じた排気弁のタイミングの制御 - Google Patents
エンジンのアイドリング作動及び停止に応じた排気弁のタイミングの制御Info
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Abstract
(57)【要約】
エンジンの各燃焼室と連通した少なくとも一つの排気ポート、及び前記排気ポートの開放のタイミング及び前記排気ポートを通る流れ面積を最大値と最小値との間で制御するため少なくとも一つの前記排気ポート作動的に関連した排気弁を持つ2ストローク内燃エンジンの作動方法において、前記排気ポートの開放のタイミングを、アイドリング状態での即ち低負荷状態での作動に応じて最大程度まで前進し、排気ポートを通る流れ面積を最大にする、方法。本願に開示し且つ特許請求した他のエンジン管理作業には、エンジンの作動の停止時に流れ面積を最小程度に減少するように排気弁を位置決めする方法、及び排気弁を弁の移動の最大値及び最小値を構成する限度に打ちつけてカーボン付着物の除去を促す方法が含まれる。
Description
【発明の詳細な説明】
エンジンのアイドリング作動及び停止に応じた排気弁のタイミングの制御
本発明は、内燃エンジン、特に排気弁がエンジンの燃焼室の排気ポートのうち
の少なくとも一つの排気ポートと関連した2ストローク内燃エンジンの作動の管
理に関する。
エンジンのシリンダからの燃焼ガスの排気の開始のタイミングを変化させる目
的で、2ストロークエンジンの各シリンダの排気ポートと関連して弁を設けるこ
とは周知である。このような排気弁は、エンジンの作動を速度及び負荷の通常の
範囲に亘って改善するように作動できる。例えば、用途によっては、エンジンの
作動の安定性を改善するため、低程度から中程度のエンジン負荷及び速度におい
て排気ポートの開放のタイミングを遅らせるように排気弁を作動することができ
、高程度の負荷及び速度において排気ポートの開放のタイミングを膨張行程で早
期に開放するように前進させることができ、これによって、適当に調節した排気
システムに連結した場合にエンジンが高トルクの出力を発生する。排気弁は、も
っぱらこうした目的に使用される場合には、一般に「パワーバルブ」と呼ばれ、
このようなパワーバルブは、従来、オートバイに取り付けられているような2ス
トロークエンジンで一般的に使用されてきた。
更に最近になって、多気筒2ストロークエンジンの各シリンダの排気ポートに
排気弁を設けることが本出願人の米国特許第4,920,932号で提案されて
おり、エンジンから放出された排気ガス中の汚染物の制御に寄与するため、エン
ジンの夫々のシリンダでの燃焼プロセスを制御する目的で電子式制御ユニット(
ECU)を使用して排気ポートに対する排気弁の関係を変化させる。前記提案に
おいて、エンジンの各シリンダの排気弁は、エンジンの作動状態から排気ポー
トに関する排気弁の適当な位置を決定するようにプログラムされたECUの管理
下で共通の制御機構に連結されている。このように排気弁の位置を制御できるた
め、2ストロークエンジンの作動を更に大きく改善でき、特定の作動状態で生じ
る問題点を管理することができる。
更に、2ストロークエンジンの作動に関し、エンジンがアイドリング状態又は
アイドリング状態に近い低負荷状態で作動している場合のように低燃料消費速度
で作動している場合には、エンジンのシリンダ内の燃焼ガスの温度が比較的低い
ということに着目した。従って、一般的に、シリンダの排気ポートに配置された
排気弁の表面を含む燃焼室の露呈表面上にカーボン付着物が堆積する。更に、こ
のような場合には排気ガスの温度が低いため、排気システムに設けられた触媒コ
ンバータの温度が触媒を賦活状態に維持するのに必要な温度よりも低い。この温
度は、一般に「ライトオフ(light-off)」温度と呼ばれる。
従って、本発明の目的は、エンジンの作動を高めるため及び/又はエンジンの
性能の劣化を制御するため、内燃エンジンの排気ポートに設けられた排気弁の使
用方法を提供することである。
従って、本発明によれば、排気ポート及びこれと協働する排気弁を持つ少なく
とも一つの燃焼室、及び排気ポートの開放の開始のタイミングを予め設定された
限度間で変化させるように作動できる手段を有する内燃エンジンの作動方法にお
いて、排気ポートの開放のタイミングを、エンジンのアイドリング状態での即ち
低負荷状態での作動に応じて、限度内の最も早いタイミングに前進させる工程を
有する、方法が提案される。
更に特定的には、エンジンの各燃焼室と連通した少なくとも一つの排気ポート
と、少なくとも一つの排気ポートと作動的に関連した排気弁と、排気ポートの開
放のタイミングを制御するように作動できる手段とを有し、排気弁及び排気ポー
トは、排気ポートの開放のタイミングを予め設定された限度内で前進させるのに
応じて排気ポートを通る流れ面積を増大する、2ストローク内燃エンジンの作動
方法において、エンジンがアイドリング状態で又はアイドリング状態に近い状態
で作動するのに応じて、排気ポートの開放のタイミングを限度内の最も早い開放
時期に前進させる方法が提供される。
当業者には周知であるように、排気ポートの開放のタイミングの制御は、前記
排気ポートを通る流れ面積に直接影響する。従って、排気ポートの開放のタイミ
ングを前進させて使用可能な最も早いタイミングにすると、排気ポートを通る流
れ面積が全開時に最大になる。
便利には、エンジンの速度がアイドリング状態、アイドリング状態に近い状態
、即ち低負荷作動状態に下がるのに応じて制御機構を作動し、排気ポートの開放
のタイミングを排気弁の移動範囲内の使用可能な最大の程度にまで前進させ、及
び従って排気ポートを通る流れ面積を最大にする所定位置まで排気弁を移動する
。変形例では、エンジンがアイドリング速度で又はアイドリング速度に近い速度
で又は低負荷状態で作動しているときに、排気ポートの開放のタイミングを最大
に進めた位置を越えて排気弁を移動できるように排気弁をつくるのがよい。
排気ポートの開放のタイミングを最大に進めるように排気弁を位置決めし、及
び従って排気ポートを通る流れ面積を最大にすると、燃焼の開始後に燃焼ガスが
燃焼室内に保持される期間が最っとも短くなり、排気の開始時の温度が通常より
も全体に高くなる。従って、燃焼ガスの温度は、付着物を形成し易い材料を燃焼
させるのに十分高温であり、このような材料に燃焼室及び排気弁が露呈される期
間が短いため、燃焼室及び排気弁の表面上にカーボン付着物が堆積する可能性が
かなり小さくなる。
更に、排気ポートの開放のタイミングを最大に前進し、及び従って排気ポート
を通る流れ通路を最大にする所定位置に排気弁があるとき、燃焼ガスに露呈され
る排気弁の表面積が最小であり、これによって、排気弁のくっつきといった作動
上の結果をもたらすカーボン付着物が排気弁に堆積する危険が小さくなる。更に
、シリンダサイクルの膨張行程が効果的な減少するため、燃焼室から出た排気ガ
スが高温である場合には、排気シリンダの触媒コンバータがその必要なライトオ
フ温度以下の所定温度に落ちる可能性が小さくなる。
排気弁が、開放のタイミングを最大に前進し、及び従って流路を最大にし、有
効膨張行程を減少する位置にあり、排気ガスが排気時に高温であり、エンジンの
熱効率が低下し、及び従って燃料消費速度が或る程度高くなることが、エンジン
の作動の安定性を維持する上で必要であるということは理解されよう。しかしな
がら、多くの燃料が消費されるため、触媒コンバータをライトオフ温度以上に維
持するのに更に多くの熱を排気システムで利用できるという利点が得られる。更
に、燃料消費速度を或る程度高めることによって、エンジンがアイドリング状態
で即ち低負荷状態で作動している場合の排気エミッション中の炭化水素のレベル
を減少できるということが2ストローク層状装入エンジンの特徴である。
こうしたことを考慮すると、エンジンを所定期間に亘ってアイドリング状態で
即ち低負荷状態で作動した後、開放のタイミングを前進し、及び従って流れ面積
を最大にするように排気弁を移動するのが好ましい。かくして、例えば、約20
秒間又は通常は30秒を越えない別の適当な時間に亘ってアイドリング作動した
後、開放のタイミングを最大に前進し及び従って流れ面積を最大にする位置に排
気弁だけを移動するように制御機構をプログラムすることができる。変形例では
、又はこれと関連して、エンジンのアイドリング作動に関して上文中に論じた方
法は、選択されたエンジンクーラント媒体の温度が例えば60℃以上で好ましく
は70℃の状態で、又は排気触媒コンバータ温度又はエンジンの作動のこれらの
及び/又は他の性質の任意の組み合わせの存在に応じて実施できる。
本明細書中に説明した2ストローク内燃エンジンの排気ポートと関連した排気
弁の制御を、プログラム式電子式制御ユニット(ECU)の制御下で行うことが
提案されている。エンジンの作動中、排気弁がその移動の夫々の限度に関してど
こにあるのかを決定できるECUが必要とされるということ理解されよう。これ
は、排気弁の位置が、エンジンの作動に所望の影響を及ぼすために排気弁に加え
られる移動の程度及び方向と関連しているためである。
かくして、エンジンの各燃焼室と連通した少なくとも一つの排気ポート及びこ
の少なくとも一つの排気ポートと作動的に関連した排気弁を有し、前記排気弁が
排気弁の最大前進位置及び最大遅延位置を示す夫々の物理的限度内で移動自在の
2ストローク内燃エンジンが提供され、排気弁の移動を制御する方法によれば、
排気弁の移動の程度は前記物理的限度間の距離よりも小さく、そのため通常の作
動では弁は夫々の物理的限度と係合しない。
排気弁の実際の移動を物理的限度間の全距離よりも小さい所定量に限定するこ
とは、排気弁の移動を行う駆動機構の過負荷が起こらないようにするための安全
策である。過負荷は、物理的ストップが排気弁の移動を夫々の方向で常に制限す
ることが必要とされている場合に、生じる可能性がある。
しかしながら、場合によっては、排気弁及び/又は物理的限度に堆積したカー
ボン又は他の付着物を除去する技術として、駆動機構を物理的ストップに選択的
にぶつけるのが適当である。
更に、排気弁のいずれかの方向での移動を最終的に拘束する物理的限度を定期
的に検査するように、排気弁の移動を管理する電子式制御装置をプログラムする
ことができる。物理的限度が予めプログラムされた設定と異なっていることがわ
かった場合には、排気弁の移動の「ソフト」な限度を、物理的限度よりも小さく
且つ物理的限度から間隔を隔てられているように、再び確立するようにECUの
設定の調整を行うことができる。即ち、ソフトな限度と物理的限度との間の許容
差をECUで再評価し、再び構成するのである。物理的限度とソフトな限度との
間の間隔が、規定の間隔からの逸脱は、排気弁の表面上及び/又はその移動の物
理的限度への付着物の堆積による。この方法は、便利には、ぶつけて排気弁に堆
積した付着物を除去する工程の後に行うことができる。駆動機構をぶつける工程
及び移動の物理的限度及びソフトな限度を再設定する工程の両方は、便利には、
エンジンの停止毎に又はエンジンの停止を所定回数行った後に行うことができる
。
更に、排気システムからシリンダ内への熱流を減少するように排気弁を位置決
めするのが望ましく、排気弁は、好ましくは、エンジンの作動の停止に応じて流
れ面積を減少させるように移動される。
便利には、エンジンの作動の停止に応じて、制御機構を作動させ、排気ポート
を通る流れ面積が、排気弁の移動範囲内で得ることのできる最小の面積になる所
定位置まで排気弁を移動する。排気弁は、エンジンの作動中に通常利用できる排
気ポートの最小流れ面積の位置まで移動するように構成でき、又は、変形例では
、エンジンの作動が停止したときにエンジンの通常の作動中に利用できる最小値
よりも小さい流れ面積を提供するように排気弁を配置する設備を設けるのがよい
。
エンジンの作動の停止時に排気ポートを通る流れ面積を減少することによって
、排気弁を対応するシリンダに対する熱シールドとして機能させることができ、
排気システムからシリンダ内への熱伝達量を減少し、これによって、シリンダ及
び燃焼室内にガム付着物及びカーボン付着物の形成を生じるのに利用できる熱エ
ネルギを減少する。このような付着物は、シリンダ及び燃焼室壁に残る油膜に、
排気システムからその中に伝達された熱からシリンダ及び燃焼室内で発生した高
温状態が加わることによって生じる。このような付着物は、エンジンを次に始動
させるときにエンジンの作動に悪影響を及ぼす。
詳細には、システム内への熱流のこの制限は、排気システムに触媒コンバータ
が設けられている場合に特に望ましい。これは、このような触媒コンバータが高
温で作動するためであり、一般的には排気ポートから下流に比較的短い距離のと
ころに配置されるためである。かくして、エンジンの作動の停止時には、このよ
うな触媒コンバータは、代表的には、極めて高温であり、熱が触媒コンバータか
ら排気ポートを通してエンジンのシリンダ内に輻射及び伝導で戻される。かくし
て、排気ポートを通る流れ面積を小さくすると、触媒コンバータからシリンダへ
の伝熱がかなり小さくなり、及び従って、望ましからぬ付着物がシリンダ及び対
応する燃焼室に堆積することが少なくなる。
更に、排気ポートを通る流れ面積が不当に制限されている所定位置で 排気弁
が動かなくなっている場合には、エンジンを再始動させるのが困難であるという
ことが分かっている。例えば、エンジンの作動の停止時に排気流が制限された所
定位置に排気弁が残り、これに続く所望の始動時に、自動車が苛酷な寒冷状態に
或る程度の時間に亘って放置された場合のように自動車のバッテリーに残ってい
る電圧が低い場合には、排気弁を作動させ、及び従って始動を可能にするのに必
要な位置まで排気弁を移動するための電圧が不足する。従って、排気弁はエンジ
ンの停止時のその閉鎖位置に残り、エンジンを再始動させるのが困難である。
従って、エンジンの作動の停止時に排気ポートの流れ面積を最小に減少するた
めの制御方法により、この最小流れ面積を、排気ポートを通る流れ面積がエンジ
ンの再始動を妨げないような排気弁位置に対応させることができるのが望ましい
。
更に、排気ポートの流れ面積をエンジンの停止から予め選択された時間間隔に
亘って最小値に制限した後、排気弁を好ましい始動位置に戻すように制御方法を
構成するのがよい。更に、エンジンの作動の停止後、排気弁をエンジンの再始動
を容易に行うことができる所定位置にあるように制御することを、排気弁の最初
の閉鎖と無関係の関数として行い、排気ポートを通る最小流れ面積を構成するこ
とができるということは理解されよう。最小流れ面積を構成する排気弁のこの閉
鎖期間は、排気システムの触媒コンバータが排気ポートから下流にかなりの距離
のところに配置されている場合には必要でない。この方法は、便利には、上文中
に説明したように、排気弁の限度を再構成する方法の後に行うことができる。
排気弁及びその作動機構を添付図面に例示する。
第1図は、排気弁が排気ポートに作動的に取り付けられた2ストロークエンジ
ンの断面図であり、
第2図は、三気筒2ストロークエンジンで使用するため、共通のシャフトに取
り付けられた三つの排気弁からなるアッセンブリの斜視図である。
次に、添付図面のうち第1図を参照すると、排気弁15が排気通路14内に配
置されており、排気ポート18に対して横方向に延びるシャフト16の軸線を中
心として角度移動し且つ一般に周知の方法で排気ポート18と協働するようにシ
ャフト16に取り付けられている。排気弁15は、代表的には、エンジンの作動
の任意の段階でポート18を完全には閉鎖しないが、一般的には、排気ポート1
8の上縁部の有効位置を変化させ、これによって、排気ポート18が開き始める
ピストン13のストロークでの位置を変化させるのに役立つ。排気弁15は、代
表的には、各燃焼サイクル中にその位置を周期的に変えることはないが、エンジ
ンの作動状態に応じてその位置を変えるように制御される。このような排気弁及
びその作動は、最新の2ストロークエンジンを設計する当業者に周知である。排
気弁15を第1図に排気ポートが最も早期に開放し、排気ポートの開放期間が最
大であり、従って排気ポートの流れ面積が最大の、最大に持ち上げられた位置で
示す。
多気筒エンジンでは、各シリンダの排気弁15は、全ての排気弁15が同時に
移動して各排気弁15の制御縁部19の位置を変化させるように、及び各排気弁
が同じ時期に夫々の排気ポート18で同じ位置をとるように、第2図に示すよう
に共通のシャフト16に取り付けられている。シャフト16は、各端がベアリン
グ21で支持されている。各ベアリングは、二つの隣接した排気弁15の各々の
間にある。ベアリング21は、エンジンブロックに適当に取り付けられているか
或いはエンジンブロックと一体に成形されており、この例は、本出願人の現在継
続中のオーストラリア特許出願第22417/92号に開示されている。
連結体25がシャフト16の端部に取り付けられており、適当なモータ27に
駆動連結されている。モータ27は、シャフト16をいずれかの方向に回転させ
て排気弁15の制御縁部19の位置を排気ポート18に関して調節するように作
動する。連結体25に設けられた物理的ストップ26は、固定ピン28と協働し
、排気弁15の移動範囲を排気ポート18に関して各方向において制限する。ピ
ン28は、排気弁15の移動を所望の通りに制限するために選択された所定位置
で、シリンダブロック又は排気システムに固定されており、又はシリンダブロッ
ク又は排気システムの一部として形成されている。
モータ27の作動は、代表的には、電子式制御装置(ECU)29によって制
御され、このECUは、所定範囲のエンジンの作動状態の現状を示す適当な入力
信号を受入れ、排気弁15が排気ポート18に関して配置されるべき位置をこれ
らの信号から決定し、排気弁15が前記位置をとるように排気弁15の移動を制
御するようにプログラムされている。ECU29への入力に含まれるエンジンの
基本的状態には、エンジンの速度、エンジンの負荷、及びエンジンの作動温度が
ある。他の入力には、触媒温度、エンジンの始動からの時間又は回転数、及び/
又はエンジンの停止を示す信号が含まれる。
ECU29には、本明細書中に言及し開示する排気弁15の機能及び作動の各
々及び/又は全てを実行する適当なプログラムを記憶させることができる。こう
したプログラムは、内燃エンジンの作動の管理に用いられるECUのプログラム
における当業者が容易に行うことができる。
特に、排気ポートの開放時期を最大に進め、及び従ってエンジンがほぼアイド
リング状態で又は低負荷で作動している場合の排気ポート18の流れ面積を最大
にするように排気弁15を作動させることに関し、ECU29は、先ず最初に、
エンジンがアイドリング状態で又はほぼアイドリング状態で作動しているかどう
かを決定する。これは、エンジンの速度及び負荷の両方が、同時に、低い即ち特
定の範囲内にあることから決定できる。しかしながら、エンジンがアイドリング
状態にあり且つエンジンのクーラント温度が低く、約70℃以下である場合には
、これは寒冷始動状態を示し、この場合には、排気ポート18は、好ましくは、
最大流れ位置に開放してはならない。エンジンの他の作動状態及び安定性の要求
は、代表的には、排気弁15の開放を行う前にエンジンのクーラントを約60℃
乃至70℃の温度にまで温めることを必要とする。従って、ECU29は、クー
ラント温度が示すようにエンジンが作動温度になっているか又は少なくとも作動
温度に近く、エンジンがアイドリング状態即ち低負荷作動状態にあるか又はこれ
に近い場合に、排気弁15を排気ポート18での流れ面積を最大にできる最大前
進位置まで開放する。アイドリング速度及び低い負荷は、代表的には、エンジン
の負荷についての入力及びエンジンの速度についての入力から決定できる。EC
U29は、エンジンの負荷が、エンジンがアイドリング状態又は低負荷状態にあ
ることを示す負荷であるかどうかを、燃焼消費量、スロットル位置即ちアクセル
ペダルの位置、又はその任意の組み合わせから決定できる。
ECU29は、エンジンがアイドリング状態即ち低負荷状態にあり且つ作動温
度に達していると決定したとき、モータ27を作動させてシャフト16を所定方
向に回転させ、排気ガスをエンジンのシリンダから対応する排気通路14に排出
するために各排気ポート18の最大流れ面積が得られる位置に排気弁15を置く
。通常は、ECU29は、エンジンがアイドリング状態即ち低負荷状態から脱す
るまで、排気弁15をこの位置に維持する。エンジンがひとたびアイドリング状
態即ち低負荷状態から脱すると、ECU29は通常のエンジン管理プログラムを
周知の方法で実行する。
上文中に言及したように、エンジンの作動の停止時には、熱が排気システムか
らエンジンの燃焼室に輻射及び伝導で戻ることを制限する位置に排気弁15を置
くのが望ましい。かくして、エンジンの作動停止時にモータ27を作動させてシ
ャフト16を回転させ、排気ポート18を閉鎖するか或いは排気ポート18を通
る流路を最小にする位置に排気弁15を置くようにECU29をプログラムする
。ECU29は、回転速度ゼロを示す及び/又は点火スイッチが「切り」位置に
移動されていることを示すエンジン速度センサの入力からエンジンの停止を検出
する。
これに続いてエンジンを始動させるとき、排気ポート18を通る流れ面積があ
る程度制限されるように排気弁15を位置決めするのが望ましい。これは、更に
、排気弁15が動かなくなったときにエンジンの再始動を可能にするのに十分で
ある。これに関し、最大流れ面積の約18%乃至25%の流れ面積が適当である
。従って、ECU29は、エンジンの停止後、排気システム内の温度が選択され
た値まで下がった場合にこのような制限された流れ面積を提供するような所定位
置に排気弁15を移動するようにモータ27を作動するようにプログラムされて
いる。変形例では、エンジンの作動停止直後に流れ面積を所望の割合に制限する
所定位置まで排気弁15を移動するのがよく、排気弁15のこの位置は、排気シ
ステムがシリンダに輻射で戻す熱の量を減少させる上で或る程度の利点を提供す
る。
連結体25の物理的ストップ26よりも拘束度の大きい排気弁15の移動範囲
の限度を上文中に言及した。これらの拘束度の大きいストップは、上文中に説明
したように、「ソフトストップ」と呼ぶことができる。これらのソフトストップ
は、シャフト16を所定のデータからいずれかの方向に特定の最大程度まで回転
させるようにしかモータ27を作動させないようにECU29をプログラムする
ことによって得られる。通常の作動では、排気弁15の移動範囲はソフトストッ
プによって制限され、ピン28に作用を及ぼすストップ26が構成する物理的ス
トップによって制限されるのでない。
ソフトストップのこの構成を排気弁の移動の制御で使用でき、そのため、モー
タ27、物理的ストップ26、及びピン28には、排気弁15を作動するシャフ
ト16の回転を制限するのに物理的ストップを使用した場合に生じる衝撃負荷が
加わらない。しかしながら、ECU29は、ソフトストップを越えてモータ27
を定期的に作動させ、そのため、物理的ストップ26の各々が固定ストップピン
28と個々に係合し、夫々のストップ26を物理的に叩き、「牝り(jarring)」
又は「動揺(jolting)」をシャフト16及び従って排気弁15に発生するように
プログラムできる。こうした作用により、排気弁15に堆積した付着物を除去す
る。更に、排気弁15が夫々の排気通路14の上面及び下面と物理的に接触する
ように排気弁15を制御下で駆動し即ち作動することができるようにピン28を
その固定された位置から外すことができる。これもまた、各排気弁15が物理的
衝撃による軋り又は動揺を直接受け取るときに付着物を排気弁15から除去する
のに役立つ。更に、プログラムされたソフトストップを越えて移動すると、排気
弁15が夫々の排気通路14の上面及び下面と対応する表面上を「擦るように移
動する(swept)」ため、各排気弁15の表面から付着物が「掻き取(scraping)」
られるように排気弁15を夫々の排気通路14内に配置することができる。これ
は、添付図面のうち、排気弁15の前面30を排気通路14の上面31と非常に
近接した状態で示す第1図から明らかである。
ECU29は、このようなクリーニングを定期的に或いはエンジンの停止毎又
はエンジンが所定の回数停止した後といったエンジンの作動の特定の場合に行う
ようにプログラムできる。更に、排気弁15に付着した付着物をクリーニング中
に除去できず、この付着物がソフトストップの正しい位置決めに影響を及ぼす程
度である場合には、ECU29は、排気弁15の移動が排気弁15に付着した付
着物について較正されるようにソフトストップを再設定するようにプログラムで
きる。
本発明の特徴を主に2ストロークエンジンに関して説明したが、本発明の特徴
は4ストロークエンジンにも適用できるということは理解されるべきである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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(72)発明者 アーチャー,マーク ダグラス
オーストラリア連邦ウェスターン オース
トラリア州、スビアコ、バゴット、ロー
ド、58
(72)発明者 フィッツジェラルド,ブライアン アンソ
ニー
オーストラリア連邦ウェスターン オース
トラリア州、ウェンバリー、ダグリッシ
ュ、ストリート、113
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 排気ポート及びこれと協働する排気弁を持つ少なくとも一つの燃焼室、 及び前記排気ポートの開放の開始のタイミングを予め設定された限度間で変化さ せるように作動できる手段を有する内燃エンジンの作動方法において、前記排気 ポートの開放のタイミングを、前記エンジンのアイドリング状態での即ち低負荷 状態での作動に応じて、前記限度内の最も早いタイミングに前進させる工程を有 する、方法。 2. 前記排気ポートの開放のタイミングの前記前進を、前記アイドリング状 態即ち低負荷状態が確立されてから所定の時間間隔だけ遅らせる、請求項1に記 載の方法。 3. 前記排気ポートの開放のタイミングの前記前進は、前記エンジンが約6 0℃以上の所定温度で作動している場合にのみ行われる、請求項1又は2に記載 の方法。 4. 前記エンジンの各燃焼室と連通した少なくとも一つの排気ポートと、少 なくとも一つの前記排気ポートと作動的に関連した排気弁と、前記排気ポートの 開放のタイミングを制御するように作動できる手段とを有し、前記排気弁及び前 記排気ポートは、前記排気ポートの開放のタイミングを予め設定された限度内で 前進させるのに応じて前記排気ポートを通る流れ面積を増大する、2ストローク 内燃エンジンの作動方法において、前記エンジンがアイドリング状態で又はアイ ドリング状態に近い状態で作動するのに応じて、前記排気ポートの開放のタイミ ングを前記限度内の最も早い開放時期に前進させる方法。 5. 前記排気ポート開放のタイミングの前記前進を、前記アイドリング状態 又はアイドリング状態に近い状態が最初に確立されてから所定の時間間隔遅らせ る、請求項4に記載の方法。 6. 前記排気ポートの開放のタイミングの前記前進は、前記エンジンが約6 0℃以上の所定温度で作動している場合にのみ行われる、請求項4又は5に記載 の方法。 7. 前記アイドリング状態又はアイドリング状態に近い状態は、前記エンジ ンの負荷が所定の値以下であることにより決定される、請求項4、5、又は6に 記載の方法。 8. 前記アイドリング状態又はアイドリング状態に近い状態は、前記エンジ ンの速度及び負荷が夫々の選択された値以下であることにより決定される、請求 項4、5、又は6に記載の方法。 9,. 前記エンジンの作動の停止に応じて、前記排気ポートを通る流れ面積 が最小になる所定位置に前記排気弁を配置する、請求項4乃至8のうちのいずれ か一項に記載の方法。 10. 前記排気弁が、予め選択された時間間隔に亘って前記最小位置に止ま った後、流れ面積を前記最小流れ面積よりも大きくする選択されたエンジン始動 位置まで前記排気弁を移動する、請求項9に記載の方法。 11. 前記排気弁を、前記エンジンの作動停止に応じ、前記排気ポートの開 放のタイミングを最も早い開放時期に前進させたときの流れ面積よりも小さい流 れ面積を提供する選択されたエンジン始動位置まで移動する、請求項4乃至8の うちのいずれか一項に記載の方法。 12. 前記排気弁の位置をプログラム可能な電子式制御装置によって制御し 、前記電子式制御装置は、前記排気ポートの開放の前進の最大及び最小程度の夫 々を設定するようにプログラムされている、請求項4乃至11のうちのいずれか 一項に記載の方法。 13. 前記排気弁の各方向での移動の最大程度を構成する夫々の物理的限度 を持つエンジンに適用したとき、通常の作動では前記排気弁が夫々の物理的限度 と係合しないように前進の最大程度及び最小程度を前記物理的限度内で設定し、 前記排気弁を前記電子式制御装置によって決定された時間間隔で夫々の物理的限 度の少なくとも一方に打ちつけ、付着物の除去を促す工程を有する、請求項12 に記載の方法。 14. 前記排気弁を各方向に移動させるアクチュエータ手段を有し、前記ア クチュエータ手段と相互作用して前記排気弁の各方向での移動の最大程度を構成 する夫々の物理的限度を持つエンジンに適用した場合、前進の最大程度及び最小 程度が、通常の作動では前記アクチュエータ手段が前記物理的限度と係合しない ように、前記物理的限度内に設定され、夫々の前記方法は、前記アクチュエータ 手段を、前記電子式制御装置によって決定された時間間隔で、前記物理的限度の 少なくとも一方に打ちつけ、付着物の除去を促す工程を有する、請求項12に記 載の方法。 15. エンジンの各燃焼室と連通した少なくとも一つの排気ポートと、前記 排気ポートを通る流れ面積を最大値と最小値との間で制御するため少なくとも一 つの前記排気ポートと作動的に関連した排気弁とを有する内燃エンジンの作動方 法において、前記排気弁を、前記エンジンの停止に応じて、前記排気ポートを通 る流れ面積を最小にする所定位置に置く工程を有する方法。 16. 前記エンジンがアイドリング状態で又はアイドリング状態に近い状態 で又は低負荷状態で作動しており、前記排気弁が最も早い開放位置まで前進され ているとき、前記エンジンへの燃料供給速度が増大する、請求項1乃至15のう ちのいずれか一項に記載の方法。
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| A313 | Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313 Effective date: 20040816 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040921 |