JPH0855941A - 電子部品の樹脂封止物及びそれに用いるエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

電子部品の樹脂封止物及びそれに用いるエポキシ樹脂組成物

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JPH0855941A
JPH0855941A JP21315994A JP21315994A JPH0855941A JP H0855941 A JPH0855941 A JP H0855941A JP 21315994 A JP21315994 A JP 21315994A JP 21315994 A JP21315994 A JP 21315994A JP H0855941 A JPH0855941 A JP H0855941A
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JP
Japan
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layer
epoxy resin
resin composition
silicone gel
cured product
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JP21315994A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Mizuike
克行 水池
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NAGASE CHIBA KK
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NAGASE CHIBA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化物層
の上にエポキシ樹脂組成物硬化物層を積層させた構造を
有する電子部品の樹脂封止物において、高電圧に対して
良好な電気絶縁性を有するものを提供する。 【構成】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化物層
Aを高められた温度に保持し、この高められた温度にあ
るシリコーンゲル硬化物層Aの上にシリコーンゲル硬化
物に対する引張接着強度が40g/cm2以下である液
状エポキシ樹脂組成物層B’を形成し、この液状エポキ
シ樹脂組成物層B’を加熱硬化させてエポキシ樹脂組成
物硬化物層Bを形成させた後冷却し、前記シリコーンゲ
ル硬化物層Aとエポキシ樹脂組成物硬化物層Bとの間を
実質的に非接着状態に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品の樹脂封止物
及びその製造方法とその電子部品の樹脂封止物の製造に
用いる液状エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、周壁がプラスチックケースから形
成されているケース内に半導体素子等の電子部品を収容
させるとともに、そのケース内に樹脂を充填し、電子部
品をケース内において樹脂封止させることは広く行われ
ている。このような電子部品の樹脂封止物において、原
料樹脂としては、柔軟性や弾力性に富む硬化物を与える
樹脂Aと、剛性に富む硬化物を与える樹脂Bの2種類の
樹脂が用いられている。この場合、樹脂Aは下層として
電子部品を封止するために用いられ、樹脂Bは上層とし
て透水を防止するとともに、外部端子を固定化させるた
めに用いられている。また、樹脂Aとしては、シリコー
ンゲルが一般的に用いられ、樹脂Bとしては、液状エポ
キシ樹脂組成物が一般的に用いられている。ところで、
前記のような構造の電子部品の樹脂封止物は高電圧に対
する電気絶縁性が悪く、高電圧を印加した場合には、絶
縁破壊等の不都合を生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子部品を
封止するシリコーンゲル硬化物層の上にエポキシ樹脂組
成物硬化物層を積層させた構造を有する電子部品の樹脂
封止物において、高電圧に対して良好な電気絶縁性を有
するものを提供することをその第1の課題とする。ま
た、本発明は、前記電子部品の樹脂封止物の製造方法を
提供することをその第2の課題とする。さらに、本発明
は、前記電子部品の樹脂封止物の製造に好ましく適用さ
れる液状エポキシ樹脂組成物を提供することをその第3
の課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の電子部品の樹
脂封止物は、下層を構成するシリコーンゲル硬化物層と
上層を形成するエポキシ樹脂組成物硬化物層とが強固に
接着しており、しかもシリコーンゲル硬化物層の冷却に
よる体積収縮率はエポキシ樹脂組成物硬化物層のそれよ
りも大きいために、電子部品の樹脂封止物製造時等にお
いて、その電子部品の樹脂封止物が冷却されたときに、
シリコーンゲル硬化物層に大きな引張応力が作用し、こ
のために機械的強度の弱いシリコーンゲルの硬化物層に
亀裂が生じ、その結果、シリコーンゲル硬化物層の電気
絶縁性が大幅に低下することを見出した。また、本発明
者は、前記電子部品の樹脂封止物の電気絶縁性の低下の
問題は、シリコーンゲル硬化物層とエポキシ樹脂組成物
硬化物層との間を実質的に非接着の状態に保持すること
により解決し得ることを見出した。本発明は、前記のよ
うな知見に基づき完成されたものである。
【0005】即ち、本発明によれば、電子部品を封止す
るシリコーンゲル硬化物層Aの上面にエポキシ樹脂組成
物硬化物層Bを形成させた構造を有し、前記層Aと層B
との間が実質的に非接着状態にあることを特徴とする電
子部品の樹脂封止物が提供される。
【0006】また、本発明によれば、電子部品を封止す
るシリコーンゲル硬化物層Aの上面に難接着性物質層C
を介してエポキシ樹脂組成物硬化物層Bを形成させた構
造を有し、前記層Aと層Cとの間が実質的に非接着状態
にあることを特徴とする電子部品の樹脂封止物が提供さ
れる。
【0007】さらにまた、本発明によれば、電子部品を
封止するシリコーンゲル硬化物層Aを高められた温度に
保持し、この高められた温度にあるシリコーンゲル硬化
物層Aの上にシリコーンゲル硬化物に対する引張接着強
度が40g/cm2以下である液状エポキシ樹脂組成物
層B’を形成し、この液状エポキシ樹脂組成物層B’を
加熱硬化させてエポキシ樹脂組成物硬化物層Bを形成さ
せた後冷却し、前記シリコーンゲル硬化物層Aとエポキ
シ樹脂組成物硬化物層Bとの間を実質的に非接着状態に
形成することを特徴とする電子部品の樹脂封止物の製造
方法が提供される。
【0008】さらにまた、本発明によれば、電子部品を
封止するシリコーンゲル硬化物層Aの上に、シリコーン
ゲル硬化物に対する引張接着強度が40g/cm2以下
である難接着性物質層Cを形成するとともに、このシリ
コーンゲル硬化物層A及び難接着性物質層Cを高められ
た温度に保持し、この高められた温度にある難接着性物
質層Cの上に液状エポキシ樹脂組成物層B’を形成し、
この液状エポキシ樹脂組成層B’を加熱硬化させてエポ
キシ樹脂組成物硬化物層Bを形成した後、冷却し、前記
シリコーンゲル硬化物層Aと難接着性物質層Cとの間を
実質的に非接着状態に形成することを特徴とする電子部
品の樹脂封止物の製造方法が提供される。
【0009】さらにまた、本発明によれば、シリコーン
ゲル硬化物に対する引張接着強度が、40g/cm2
下であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物が提
供される。
【0010】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、パワーモジュールとして用いられている電子部
品の樹脂封止物の1例についての構造説明図を示す。こ
の図において、1は放熱板、2はプラスチック周壁、3
はシリコーン系接着剤層、4は半田層、5は配線基板、
6は電子部品(半導体チップ)、7は導電性ワイヤー、
8〜12は外部端子、Aはシリコーンゲル硬化物層、B
はエポキシ樹脂組成物硬化物層を各示す。
【0011】図1に示した構造の本発明の電子部品の樹
脂封止物において、シリコーンゲル硬化物層Aとエポキ
シ樹脂組成物硬化物層Bとは、実質的に非接着状態に保
持されている。これによって、層Aが冷却により大きく
体積収縮しても、その層Aの体積収縮は層Bによっては
何ら制限されないことから、その層Aには大きな引張応
力は作用せず、亀裂を生じるようなことはない。もし層
Aと層Bとが、従来の電子部品の樹脂封止物のように強
固に接着保持されているときには、層Aの冷却による体
積収縮率は、層Bの体積収縮率よりも著しく大きいため
に、層Aには大きな引張応力が作用し、その結果、機械
的強度の弱い層Aには亀裂(炸裂)を生じ、層Aの電気
絶縁性は大きく低下してしまう。
【0012】層Aと層Bとの間を実質的に非接着の状態
に保持するためには、各種の方法があるが、その1つ
は、エポキシ樹脂組成物中にその接着力を低下させる接
着性低下剤を添加する方法であり、他の1つは、層Aと
層Bとの間に難接着性物質層Cを存在させる方法であ
る。以下、これらの方法について詳述する。
【0013】(エポキシ樹脂組成物に接着性低下剤を添
加する方法)一般に用いられている液状エポキシ樹脂組
成物は、良好な接着性を示し、シリコーンゲル硬化物に
対しても強く接着するが、そのエポキシ樹脂組成物に対
して、その接着力を低下させる物質(接着性低下剤)を
添加することによって、シリコーンゲル硬化物に対して
接着性の弱いエポキシ樹脂組成物とすることができる。
本発明者の研究によれば、シリコーンゲル硬化物に対す
るエポキシ樹脂組成物の引張接着強度を、40g/cm
2以下、好ましくは35g/cm2以下に低下させること
により、シリコーンゲル硬化物層Aとエポキシ樹脂組成
物層Bとの間が実質的に非接着の状態に保持され、層A
の体積収縮が層Bによって実質的に制限されず、層Aの
亀裂が効果的に防止されることが見出された。
【0014】前記接着性低下剤としては、エポキシ樹脂
組成物の接着力を、前記のように、シリコーンゲル硬化
物に対する引張接着強度で、40g/cm2以下、好ま
しくは35g/cm2以下に低下させ得るものであれば
どのようなものでも使用可能である。接着性低下剤は、
長鎖疎水基と極性基を有する物質であり、界面活性剤
や、流動性向上剤、レベリング剤等の中から適宜選ばれ
る。具体的な接着性低下剤は、この接着性低下剤を含む
エポキシ樹脂組成物のシリコーンゲル硬化物に対する引
張接着強度試験によって容易に選定することができる。
好ましい接着性低下剤の具体例を示すと、例えば、フッ
素系界面活性剤(住友スリーエム社製、Fluorad
FC−430,FC−431等)、アクリルポリマー
(ビックケミー・ジャパン社製、BYK 354)、ア
クリル共重合物(ビックケミー・ジャパン社製、BYK
361)、高分子量不飽和ポリカルボン酸(ビックケ
ミー・ジャパン社製、BYK−P104)、高分子量不
飽和ポリカルボン酸とシリコン樹脂との混合物(ビック
ケミー・ジャパン社製、BYK−P104S)、アミノ
樹脂変性アクリル共重合体(ヘキストジャパン社製、A
dditol XL480、XL490)、ポリジメチ
ルシクロキサン側鎖グリシジルポリオキシアルキレン
(日本ユニカー社製、FZ−3736)等が挙げられ
る。これらの物質は、従来の液状エポキシ樹脂組成物に
対し、0.15〜10重量%、好ましくは0.2〜10
重量%の割合で添加される。
【0015】(難接着性物質層を存在させる方法)難接
着性物質としては、シリコーンゲル硬化物層Aとエポキ
シ樹脂組成物硬化物層Bとの間の接着性を阻害し、両者
の引張接着強度を40g/cm2以下、好ましくは35
g/cm2以下に低下させるような物質、あるいはシリ
コーンゲル硬化物に対する引張接着強度が40g/cm
2以下、好ましくは35g/cm2以下である物質であれ
ばどのようなものでも用いることができる。このような
難接着性物質としては、前記したエポキシ樹脂組成物に
関して示した接着性低下剤;ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、含フ
ッ素樹脂、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリ
エステル樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。これらの
難接着性物質は、必要に応じ、無機系又は有機系の充填
剤を含有することもできる。これらの物質はシリコーン
ゲル硬化物層Aの上面に難接着性物質層Cとして形成さ
れるが、この場合の層Cの形成方法としては、その難接
着性物質の種類に応じて適当な方法が採用される。例え
ば、難接着性物質が塗布性のものであればハケ塗り法や
スプレー塗布法等が採用され、難接着性物質が熱溶融性
のものであれば、その熱溶融物を層Aの上面に流延させ
ればよい。また、難接着性物質が液状の硬化性樹脂組成
物の場合には、その組成物を層Aの上に流延し、硬化さ
せればよい。難接着性物質層Cの厚さは、特に制約され
ないが、一般的には、1μm〜2mm、好ましくは10
〜1000μmである。難接着性物質層Cは、エポキシ
樹脂組成物の硬化時には完全溶融しないものであること
が好ましい。
【0016】本発明の電子部品の樹脂封止物を製造する
1つの方法においては、先ず、図1に示した構造の電子
部品封止物において、樹脂の充填のない構造物を用意す
る。即ち、底面が放熱板1からなり、周壁がプラスチッ
ク周壁2からなるケースの放熱板1上に半田層4を介し
て、表面に電子部品(半導体チップ)6とワイヤー7と
外部端子8〜12を有する配線基板を載置した構造物を
用意する。この構造物において、放熱板1としては、銅
板やアルミニウム板等の金属板が用いられ、プラスチッ
ク周壁2としては、ポリフェニレンサルファイドやポリ
ブブチレンテレフタレート等のプラスチックが用いられ
る。ワイヤー7としては、アルミニウム線や銅線等の金
属線が用いられる。外部端子としては、銅やアルミニウ
ム等の金属の帯状物が用いられる。
【0017】次に、前記構造物の内部に、先ず、シリコ
ーンゲルを充填し、シリコーンゲル層A’を形成させた
後、これを硬化させて、シリコーンゲル硬化物層Aを形
成する。このシリコーンゲル硬化物層Aの上端面は、そ
の基板5の上面からの高さが、基板5の上面からの周壁
2の高さの40〜70%の範囲になるよう位置させる。
【0018】次に、前記のようにして形成されたシリコ
ーンゲル硬化物層Aの上に、接着性低下剤を含む液状エ
ポキシ樹脂組成物を充填(注加)し、液状エポキシ樹脂
組成物層B’を形成した後、これを硬化させて、エポキ
シ樹脂組成物硬化物層Bを形成する。この場合、液状エ
ポキシ樹脂組成物の硬化は、その組成物の種類に応じて
常温や加温が採用される。
【0019】前記のようにして電子部品の樹脂封止物を
製造する場合、接着性低下剤を含む液状エポキシ樹脂組
成物としては、その硬化温度が100〜180℃、好ま
しくは120〜160℃のものを用い、これをその硬化
温度より低い温度に予熱し、加熱されたシリコーンゲル
硬化物層A上に充填し、そのエポキシ樹脂組成物の硬化
温度範囲の温度条件で硬化させるのが好ましい。層Aの
加熱温度は、通常、110〜190℃、好ましくは13
0〜170℃である。また、層Aの加熱温度は、前記エ
ポキシ樹脂組成物の硬化に採用される温度より5〜20
℃、好ましくは10〜15℃程度高い温度であることが
好ましい。このようにして電子部品の樹脂封止物を製造
する場合には、その熱膨張した層Aと層Bが室温にまで
冷却されたときに、層Aが層Bよりも大きく体積収縮す
るために、層Aと層Bとの間には引張応力が生じ、層A
と層Bはこの引張応力により剥離し、層Aと層Bとの間
には空隙部が形成される。そしてこのような空隙部が形
成されたときには、層Aの体積収縮は、層Bによっては
制限されないため、層A内には大きな引張応力が生じ
ず、層Aの亀裂の発生が防止される。
【0020】本発明の電子部品封止物を製造する他の方
法においては、前記のようにして形成されたシリコーン
ゲル硬化物層Aの上に、難接着性物質層Cを形成した
後、その上に液状エポキシ樹脂組成物を充填し、液状エ
ポキシ樹脂組成物層B’を形成した後、これを硬化させ
る。前記のようにして電子部品の樹脂封止物を製造する
場合、液状エポキシ樹脂組成物としては、その硬化温度
が100〜180℃、好ましくは120〜160℃のも
のを用い、これをその硬化温度より低い温度に予熱し、
加熱されたシリコーンゲル硬化物層A上に充填し、その
エポキシ樹脂組成物の硬化温度範囲の温度条件下で硬化
させるのが好ましい。層A及び層Cの加熱温度は、11
0〜190℃、好ましくは130〜170℃である。ま
た、層A及び層Cの加熱温度は、前記エポキシ樹脂組成
物の硬化に採用される温度より5〜20℃、好ましくは
10〜15℃程度高い温度であることが好ましい。この
ようにして電子部品の樹脂封止物を製造する場合には、
その熱膨張した層A、B及びCが室温にまで冷却された
ときに、層Aが層B及びCよりも大きく体積収縮するた
めに、層Aと層Cとの間には引張応力が生じ、層Aと層
Cはこの引張応力により剥離し、層Aと層Cとの間には
空隙部が形成される。そして、このような空隙部が形成
されたときには、層Aの体積収縮は、層B及び層Cによ
っては制限されないため、層A内には大きな引張応力が
生じず、層Aの亀裂の発生が防止される。
【0021】本発明で用いるシリコーンゲルとしては、
電子部品の樹脂封止物の製造に用いられている従来公知
のものが任意に用いられる。シリコーンゲルは、硬化性
オルガノポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキ
サン等)の部分架橋化物で、一般的には、硬化前には低
粘度のオイル状を示し、硬化後には、ゼリー状を示す。
シリコーンゲルには、一液タイプと二液タイプがあり、
いずれのものも本発明に適用することができる。一液タ
イプのものは、通常100℃以上の温度で硬化し、二液
タイプのものは、混合後、室温放置又は70℃程度まで
の加熱によって硬化する。本発明では、一液タイプのも
のの使用が好ましい。シリコーンゲルの硬化の種類に
は、(1)縮合反応により硬化する縮合型の硬化、
(2)付加反応により硬化する付加反応型の硬化及び
(3)紫外線の照射により硬化する紫外線硬化等があ
り、本発明ではいずれの硬化型のものも使用することが
できるが、本発明では付加反応硬化型のものの使用が好
ましい。また、このシリコーンゲルには、シリカ、アル
ミナ、ケイ酸カルシウム、マイカ等の無機充填剤やナイ
ロンビーズ、硬化樹脂粉等の有機系充填剤を添加するこ
ともできる。
【0022】本発明で用いる液状エポキシ樹脂組成物と
しては、電子部品の樹脂封止物の製造に用いられている
従来公知のものが任意に用いられる。液状エポキシ樹脂
組成物には、一液タイプと二液タイプがあり、いずれの
ものも本発明に適用することができる。一液タイプのも
のは、通常100℃以上の温度で硬化し、二液タイプの
ものは、混合後、室温放置又は100℃程度までの加熱
によって硬化する。本発明では、一液タイプのものの使
用が好ましい。本発明で好ましく用いられるシリコーン
ゲルとしては、TSE 3051(東芝シリコーン社)
やKE−1255(信越化学工業社)等を挙げることが
できる。
【0023】本発明で用いる液状エポキシ樹脂組成物
は、液状エポキシ樹脂と硬化剤を含むものである。エポ
キシ樹脂としては、従来公知の各種のものが用いられ
る。このようなものとしては、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等
のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキ
シ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂;線状脂肪族型エポキシ樹脂;
複素環型エポキシ樹脂;ハロゲン化エポキシ樹脂等があ
げられる。本発明では、特に、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂20〜40重量%と脂環式エポキシ樹脂60〜
80重量%との混合物を用いるのが好ましい。また、そ
の硬化剤としては、カルボン酸又はその無水物、ポリア
ミン、ノボラック型フェノール樹脂等の従来公知のもの
が用いられる。エポキシ樹脂組成物には、必要に応じ、
さらに、硬化促進剤、充填剤、着色剤、難燃剤、離型
剤、耐湿剤等を配合することができる。硬化促進剤とし
ては、慣用のもの、例えば、イミダゾール化合物、ジア
ザビシクロウンデセン及びそのフェノール塩、トリフェ
ニルホスフィン、三級アミン、アミンアダクト潜在性硬
化促進剤、ジシアンジアミド等が用いられる。充填剤と
しては、アルミナ、シリカ、マグネシア、三酸化アンチ
モン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、マイカ、ク
レイなどが挙げられる。本発明においては、液状エポキ
シ樹脂組成物には、前記のように、そのシリコーンゲル
硬化物に対する接着性を低下させるために、接着性低下
剤を添加することができるが、その接着性は、組成物を
構成するエポキシ樹脂、硬化剤、充填剤等の成分の種類
と配合量等を適当に選ぶことによっても所望範囲に低下
させることも可能である。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0025】実施例1 図1に記した構造の電子部品の樹脂封止物を得るための
模擬実験として、外径195mm、内径193mm,高
さ20mmのガラスシャーレ内に、シリコーンゲルG
と、液状エポキシ樹脂組成物Eに表1に示す接着性低下
剤を0.25重量%添加したものとをそれぞれ充填硬化
させる実験を以下のようにして行った。シリコーンゲル
Gを60℃で1時間オーブン中で予熱した後、5トール
以下の真空槽内で30分間脱泡した。この脱泡シリコー
ンゲルを60℃の温度でガラスシャーレ内に厚さが12
mmになるように充填し、150℃で1時間オーブン中
で加熱し、硬化させた。次に、このようにして得たシリ
コーンゲル硬化物層を内部に形成したシャーレをオーブ
ン中で150℃で1時間放置してシリコーンゲル硬化物
を膨張させるとともに、このシリコーンゲル硬化物層の
上に、60℃に予熱し、5トール以下の真空層内で30
分間脱泡した液状エポキシ樹脂組成物Eを、約6mmの
厚さになるように充填し、オーブン中で140℃で1時
間加熱硬化させた後、シャーレをオーブンから取出し、
室温に30分以上放置して室温に冷却した。このように
して得られた内部にシリコーンゲル硬化物層Aとその上
面に形成されたエポキシ樹脂組成物硬化物層Bとからな
る樹脂層を有するシャーレの裏面から、シリコーンゲル
硬化物層Aに亀裂が生じているか否かを目視で判定し
た。その結果を表1に示す。また、そのシャーレの裏面
からシリコーンゲル硬化物層Aとエポキシ樹脂組成物硬
化物層Bとの間の界面に空隙が生じているか否かを目視
で判定した。その結果を表1に示す。空隙が生じている
場合には、層Bは層Aを通してやや不透明にしか目視で
きないのに対し、空隙が生じてなく、層Aと層Bとの間
が密着している場合には、層Bは層Aを通して透明性よ
く目視できる。
【0026】
【表1】
【0027】前記実験において用いたシリコーンゲルG
とエポキシ樹脂組成物E及び接着性低下剤Y−1〜Y−
8の具体的内容は以下の通りである。 (シリコーンゲルG)ジメチルポリシロキサン系の付加
反応硬化型(TSE3051、東芝シリコーン社製) (エポキシ樹脂組成物E) 〔成分〕 〔組成(重量部)〕 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10 (Araldite GY−260、日本チバガイギー社製) 脂環式エポキシ樹脂 20 (Aral dite CY−179、日本チバガイギー社製) 硬化剤 30 (メチルヘキサヒドロ無水フタル酸) 硬化促進剤 0.5 (トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール) 0.5 シランカップリンク剤 0.1 (β−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン) 難燃剤 16 (ヘキサブロモベンゼン) 難燃助剤 4 (三酸化アンチモン) 充填剤 120 (シリカ粉末)
【0028】(接着性低下剤) Y−1:フッ素系界面活性剤(Fluorad FC−
430、住友スリーエム社製) Y−2:フッ素系界面活性剤(Fluorad FC−
431、住友スリーエム社製) Y−3:アクリルポリマー(BYK 354、ビックケ
ミー・ジャパン社製) Y−4:アクリル共重合物(BYK 361、ビックケ
ミー・ジャパン社製) Y−5:高分子量不飽和ポリカルボン酸(BYK−P1
04、ビックケミー・ジャパン社製) Y−6:高分子量不飽和ポリカルボン酸とシリコン樹脂
との混合物(BYK−P104S、ビックケミー・ジャ
パン社製) Y−7:アミノ樹脂変性アクリル共重合体(Addif
ol XL490、ヘキストジャパン社製) Y−8:ポリジメチルシクロヘキサン側鎖グリシジルポ
リオキシアルキレン(FZ−3736、日本ユニカー社
製)
【0029】実施例2 実施例1と同様にしてガラスシャーレ内にシリコーンゲ
ル硬化物層を形成させ、このシリコーンゲルを170℃
に加熱するとともに、温度165℃の溶融ポリプロピレ
ンを約1.5mmの厚さになるように充填した後、温度
を150℃に保持し、液状エポキシ樹脂組成物Eを約6
mmの厚さになるように充填し、オーブン中で140℃
で1時間加熱硬化させた後、シャーレをオーブンから取
出し、室温に30分以上放置して室温に冷却した。この
ようにして得られた内部にシリコーンゲル硬化物層Aと
その上面に形成されたポリプロピレン層Cとその上面に
形成されたエポキシ樹脂組成物硬化物層Bとからなる樹
脂層を有するシャーレの裏面から、シリコーンゲル硬化
物層Aに亀裂が生じているか否かを目視で判定するとと
もに、シリコーンゲル硬化物層Aとポリプロピレン層C
との間に空隙があるか否かを目視で判定した。その結
果、シリコーンゲル硬化物層Aには亀裂の発生はなく、
また、シリコーンゲル硬化物層Aとポリプロピレン層C
との間には空隙が生じていることが確認された。
【0030】実施例3 シリコーンゲル硬化物に対するエポキシ樹脂組成物の引
張接着強度と、シリコーンゲル硬化物層の上面にエポキ
シ樹脂組成物硬化物層を形成したときのそのシリコーン
ゲル硬化物層での亀裂の発生状況との関係を調べるため
に、以下の実験を行った。
【0031】(シリコーンゲル硬化物に対するエポキシ
樹脂組成物の引張接着強度の測定)実施例1で示したシ
リコーンゲルGを、実施例1と同様にして、内径90m
m、高さ18mmのシャーレ内に充填し、硬化させて、
厚さ10mmのシリコーンゲル硬化物層を形成した。次
に、このシリコーンゲル硬化物層の上に、中央部に20
mm×20mmの正方形の透孔を有する厚さ2mmのシ
リコーン樹脂シートを密着積層した。次に、直径1.5
mmの針金の下端を直径(外径)10mmのループ形状
に屈曲させ、このループをその針金に対して直角に屈折
させるとともに、その針金の上端を逆U字形状に下方に
屈曲させて全長約5cmの引張り部材を作り、この引張
り部材を、前記で形成した透孔の中心部を通して、その
下端ループの裏面がシリコーンゲル硬化物層の表面に接
触しないように垂直に挿入し、この状態において、その
透孔から液状エポキシ樹脂組成物を充填し、実施例1と
同様にして、温度140℃で1時間の条件で硬化させ
た。その後、シリコーン樹脂シートを取除き、シャーレ
内に形成された厚さ10mmのシリコーンゲル硬化物層
Aの上面に、縦20mm、横20mm、厚さ2mmのエ
ポキシ樹脂組成物硬化物層Bを積層接着させた樹脂積層
品を得た。
【0032】次に、エポキシ樹脂組成物のシリコーンゲ
ル硬化物に対する引張接着強度を測定するために、前記
エポキシ樹脂組成物硬化物層Bにその下端ループを埋設
した引張り部材のワイヤーの上端に形成された逆U字形
状の屈曲部にバネばかりの測定端を連結させ、バネばか
りを引上げてエポキシ樹脂組成物硬化物層Bを剥離させ
た。エポキシ樹脂組成物硬化物層Bがシリコーンゲル硬
化物層Bから剥離するときのバネばかりの最大値を測定
し、この値を引張接着力とした 前記のようにして測定された引張接着力に基づいて、単
位面積当りの引張接着力(引張接着強度)を算出し、そ
の引張接着強度(g/cm2)をエポキシ樹脂組成物と
の関連で表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2に符号で示したエポキシ樹脂組成物の
具体的内容は次の通りである。 E :実施例1で示したエポキシ樹脂組
成物E E−Y−7−0.1:エポキシ樹脂組成物Eに対し、実
施例1で示した接着性低下剤Y−7を0.1重量%添加
したもの E−Y−7−0.2:エポキシ樹脂組成物Eに対し、実
施例1で示した接着性低下剤Y−7を0.2重量%添加
したもの E−Y−7−0.3:エポキシ樹脂組成物Eに対し、実
施例1で示した接着性低下剤Y−7を0.3重量%添加
したもの
【0035】(シリコーンゲル硬化物層とエポキシ樹脂
組成物層との積層実験)実施例1において、エポキシ樹
脂組成物として表2に示したものを用いた以外は同様に
して実験を行った。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示した結果からわかるように、シリ
コーンゲル硬化物に対するエポキシ樹脂組成物の引張接
着強度を低下させることによって、シリコーンゲル硬化
物層Aとエポキシ樹脂組成物硬化物層Bとの間に空隙を
生じさせて両層の間を実質的に非接着状態に保持するこ
とができ、その結果、シリコーンゲル硬化物層A中での
亀裂の発生を防止することができる。
【0038】実施例4 図1に示す構造の電子部品の樹脂封止物(パワーモジュ
ール)を作製した。この場合、シリコーンゲルとしては
実施例1で示したシリコーンゲルGを用い、液状エポキ
シ樹脂組成物としては、実施例3で示したE−Y−7−
0.3を用いた。また、それらのシリコーンゲル及び液
状エポキシ樹脂組成物の構造物内への充填は、実施例1
と同様にして行った。このようにして作製された電子部
品の樹脂封止物は、そのシリコーンゲル硬化物層での亀
裂の発生はなく、高電圧(9〜11hv/mm)に対し
てすぐれた電気絶縁性を示した。
【0039】
【発明の効果】本発明の電子部品の樹脂封止物は、その
シリコーンゲル硬化物層Aとエポキシ樹脂組成物硬化物
層Bとの間が非接着状態に形成され、シリコーンゲル硬
化物層Aでの亀裂の発生のないことから、すぐれた電気
絶縁性を有する。従来のシリコーンゲル硬化物層Aに亀
裂の生じた製品におけるシリコーンゲル硬化物層Aでの
破壊電圧は3〜8kg/mmと低いのに対し、本発明品
におけるシリコーンゲル硬化物層Aにおける破壊電圧は
9〜11kg/mmと高められたものである。本発明の
電子部品の樹脂封止物の製造方法によれば、電気絶縁性
の高い高品質の製品を安定的に製造することができる。
本発明によるシリコーンゲル硬化物に対する引張接着強
度が40g/cm2以下に低下された液状エポキシ樹脂
組成物は、本発明の電子部品の樹脂封止物製造用の液状
エポキシ樹脂組成物として好適のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品の樹脂封止物の一例につ
いての構造説明図を示す。
【符号の説明】
1 放射板 2 プラスチック周壁 3 シリコーン系接着剤層 4 半田層 5 配線基板 6 電子部品 7 導電性ワイヤー 8〜12 外部端子 A シリコーンゲル硬化物層 B エポキシ樹脂組成物硬化物層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化
    物層Aの上面にエポキシ樹脂組成物硬化物層Bを形成さ
    せた構造を有し、前記層Aと層Bとの間が実質的に非接
    着状態にあることを特徴とする電子部品の樹脂封止物。
  2. 【請求項2】 層Aと層Bとの間に空隙部が存在する請
    求項1の電子部品の樹脂封止物。
  3. 【請求項3】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化
    物層Aの上面に難接着性物質層Cを介してエポキシ樹脂
    組成物硬化物層Bを形成させた構造を有し、前記層Aと
    層Cとの間が実質的に非接着状態にあることを特徴とす
    る電子部品の樹脂封止物。
  4. 【請求項4】 層Aと層Cとの間に空隙部が存在する請
    求項3の電子部品の樹脂封止物。
  5. 【請求項5】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化
    物層Aを高められた温度に保持し、この高められた温度
    にあるシリコーンゲル硬化物層Aの上にシリコーンゲル
    硬化物に対する引張接着強度が40g/cm2以下であ
    る液状エポキシ樹脂組成物層B’を形成し、この液状エ
    ポキシ樹脂組成物層B’を加熱硬化させてエポキシ樹脂
    組成物硬化物層Bを形成させた後冷却し、前記シリコー
    ンゲル硬化物層Aとエポキシ樹脂組成物硬化物層Bとの
    間を実質的に非接着状態に形成することを特徴とする電
    子部品の樹脂封止物の製造方法。
  6. 【請求項6】 電子部品を封止するシリコーンゲル硬化
    物層Aの上に、シリコーンゲル硬化物に対する引張接着
    強度が40g/cm2以下である難接着性物質層Cを形
    成するとともに、このシリコーンゲル硬化物層A及び難
    接着性物質層Cを高められた温度に保持し、この高めら
    れた温度にある難接着性物質層Cの上に液状エポキシ樹
    脂組成物層B’を形成し、この液状エポキシ樹脂組成層
    B’を加熱硬化させてエポキシ樹脂組成物硬化物層Bを
    形成した後冷却し、前記シリコーンゲル硬化物層Aと難
    接着性物質層Cとの間を実質的に非接着状態に形成する
    ことを特徴とする電子部品の樹脂封止物の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコーンゲル硬化物に対する引張接着
    強度が、40g/cm2以下であることを特徴とする液
    状エポキシ樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005057875A (ja) * 2003-08-04 2005-03-03 Mitsubishi Electric Corp インバータ装置
JP2012238796A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Panasonic Corp 半導体装置及び半導体装置の製造方法
WO2015152373A1 (ja) * 2014-04-03 2015-10-08 三菱電機株式会社 半導体装置
CN111326481A (zh) * 2020-03-18 2020-06-23 珠海格力电器股份有限公司 一种封装结构
CN114242601A (zh) * 2021-11-30 2022-03-25 北京卫星制造厂有限公司 一种用于igbt模块的密封方法

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