JPH085942B2 - 放射線感応レジスト - Google Patents

放射線感応レジスト

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JPH085942B2
JPH085942B2 JP61288881A JP28888186A JPH085942B2 JP H085942 B2 JPH085942 B2 JP H085942B2 JP 61288881 A JP61288881 A JP 61288881A JP 28888186 A JP28888186 A JP 28888186A JP H085942 B2 JPH085942 B2 JP H085942B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は実質的に線状で高分子量の可溶性のノボラッ
ク樹脂に関するものである。
〈従来の技術および発明が解決しようとする問題点〉 可溶性のノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フ
ェノール樹脂を硬化成型して得られるフェノール樹脂
は、最も古くから利用されてきた樹脂の1つであり、他
の樹脂に置きかえることのできない耐熱性、不融性や耐
炎性などの優れた性質を持つため、現在でも多くの分野
で用いられている重要な樹脂である。
可溶性のフェノール樹脂、とくに酸触媒の存在下に得
られるノボラック型フェノール樹脂は(以下ノボラック
樹脂という)各種の反応性基の導入による修飾が容易で
あり、アルカリ可溶性であり、芳香環の割合が多いこと
もあって耐熱性とくに耐プラズマエッチング性に優れ、
また炭素含量が多く特徴のある炭素化物を与えるなどの
多くの優れた特性を持つことから、IC用フォトレジスト
や封止剤、複合材料用のマトリックス樹脂、炭素繊維や
活性炭繊維などの新しい原料として注目され重要な素材
となってきている。
しかしながら、従来のノボラック樹脂はこのように優
れた特性を持ちながら軟化温度が低く、かつ機械的強度
が低いという欠点があった。この原因について種々考え
られるが、もっとも大きな原因は、その分子量が低い点
にあると考えられる。後述するように、これまでノボラ
ック樹脂の分子量を大きくしようとする多くの試みがな
されてきたが、いまだ成功しておらず、強酸性触媒を用
いて得られるノボラックの数平均分子量は数百が普通
で、特別な場合でも2,000位が限界と言われている〔田
中、中塚、熱硬化性樹脂、1、(2)25(1980)〕。
一般に分子量が高くなれば軟化温度は高くなる。ノボ
ラック樹脂について分子量と軟化温度の関係を示すデー
タは無いが、野田はノボラック樹脂を分別して得られた
350から805まで分子量の異なる試料の融点を測定してお
り、この分子量の範囲では、ノボラック樹脂の軟化温度
は分子量に大きく依存していることがわかる〔野田、高
分子化学、8、51(1951)〕。このことは分子量1000以
下のノボラック樹脂の軟化温度以外の性質についても同
様と考えられ、再現性よく一定の性質を持ったノボラッ
ク樹脂を製造することの困難さを示している。数平均分
子量を1000以上と大きくすることによって軟化温度を始
めとするノボラック樹脂の諸性質の分子量依存性は小さ
くなることが期待される。再現性よく同一の性質を持っ
た高分子量のノボラック樹脂を製造することも本発明の
目的の1つである。
これまでフェノール類とアルデヒド類、とくにホルム
アルデヒドまたはその誘導体とから酸触媒存在下に数平
均分子量1000以上の高分子量ノボラック樹脂を製造しよ
うとする種々の試みがなされてきた。
井本らはフェノールの2−位、4−位および6−位に
結合している3つの水素原子の反応性が等しいと仮定
(すなわちフェノールの官能性を3とした)した場合、
等モルのフェノールとホルムアノデヒドとを反応させた
際に、ゲル化が始まるのはホルムアルデヒドの反応率が
0.75のときであり、そのときの分子量は730であること
を理論的に算出している〔井本、高分子展望、2、237
(1950)〕。
一方Drummらは、酸触媒の存在下、フェノールとホル
ムアルデヒド水溶液とを一般的な反応条件下で反応させ
て得られたノボラック樹脂をGPC(Gel Permeation Ch
romatography)で分析した結果から、フェノールの平均
官能性は3.0でなく2.31としている〔M.F.Drumm e t a
l.,Kinet.Mech.Polym.,1972,(3)157〕。J.Borrajo
らはこの価を用いて、ホルムアルデヒド(F)とフェノ
ール(P)をF/Pモル比0.881で反応させるとしたとき、
ホルムアルデヒドが完全に反応するとゲル化が起こるこ
とを理論的に誘導し、ゲル化すなわち不溶化を防止する
ためにはF/Pモル比を0.88以下とする必要があると述べ
ている〔J.Borrajo et al.,Polymer23,263(1982)〕。
特開昭58−32622には、実用的にはF/Pモル比を0.8前
後にしてゲル化が起こり難いような配合比を選んで反応
させるのが普通であり、従って得られるノボラック樹脂
の平均分子量は通常500〜800程度のものであり、ゲル化
させることなく数平均分子量1,000以上のものを得るこ
とは、極めて困難とされてきたと述べられている。また
前述のDrummらの論文にも同様の記載がある。
一方、ゲル化して三次元網目構造を有する巨大分子と
なり、不溶化する恐れのない二官能性のo−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−クロロフェノールやp−クロ
ロフェノールであっても高分子量のフェノール樹脂を得
ることはむづかしいといわれている。特開昭59−191710
には特別に工夫をこらすと始めて分子量数千のノボラッ
ク樹脂が得られると述べられている。しかしながら、こ
のような条件下にあっては二官能性フェノール類が少な
くとも70モル%以上含有されていなければゲル状重合体
が生成し、実質上洗状の高分子量のノボラック樹脂は得
られないという欠点がある。
一方、特開昭58−32622にフェノール類とカルボニル
化合物との混合物を酸触媒下に加熱重縮合させて平均分
子量が大きく、かつその分布が極めて広いノボラック樹
脂が提案されているが、この場合もゲル化を防止するた
め、例えばフェノールとホルムアルデヒドの場合におい
ては、F/Pモル比を0.833以下とする必要がある。
一般によく知られているように高分子量ポリマを得る
ためには、モル比は1.00とする必要がある。特開昭58−
32622のようにF/Pモル比0.833では高分子量は得られな
い。また特開昭58−32622で主張しているように、この
条件下に得られるノボラック樹脂の分子量分布が著しく
広いものとすれば、得られた樹脂は高度に分岐したもの
と考えられ、著しく不安定なものと考えられる。
特開昭54−116081には、フェノール類とアルデヒド類
のF/Pモル比を0.9程度とし、酸触媒の存在下に付加反応
させたのちルイス酸を添加し、脱フェノールすることに
よって高分子量フェノール樹脂を得る方法が提案されて
いるが、得られる樹脂は著しく着色しており、完全に可
溶性のものが得られにくいという欠点がある。
このように高分子量ノボラック樹脂を得ようとする試
みは種々なされてきたが、多官能性フェノール類を主成
分とする高分子量で可溶性のノボラック樹脂を工業的利
用を目的として、収率よくかつ経済的に製造できる実用
的技術は存在しなかったといえる。
本発明者は、ノボラック樹脂が持っている優れた特性
をそこなうことなく高分子量化を行なう方法について種
々検討を行なった結果、従来予想されなかったほど高分
子量で、かつ高軟化点で軟化温度の分子量依頼性の少な
いノボラック樹脂を見い出し、本発明をなすに至ったの
である。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち本発明は、多官能性フェノール類を主成分と
し、三官能性フェノール類を30モル%以上含むフェノー
ル類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下、均一溶液状で
反応させて得られる対数粘度が0.1以上で有機溶媒可溶
性の高分子量ノボラック樹脂を含有する放射線感応レジ
ストに関するものである。
本発明は対数粘度0.1以上、好ましくは0.15以上の実
質的に線状で有機溶媒可溶性の高分子量ノボラック樹脂
を含有する放射線感応レジストに関するものである。
本発明のノボラック樹脂は、従来のノボラック樹脂の
対数粘度が最大で0.08程度と0.1を越えることが無いの
に対し、対数粘度0.1以上と高い分子量を持っている。
しかもこのように高分子量でありながらアセトン、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシドのような極性有機溶媒、お
よび水酸化ナトリウムやテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシドのような無機または有機アルカリ水溶液に可溶
であることが特徴的であって、この高分子量ノボラック
樹脂が実質的に線状構造を持っていることを示してい
る。
本発明のノボラック樹脂の大きな特徴の1つとして、
可溶性でありながら従来のノボラック樹脂に比べて高い
軟化温度を持っている点があげられる。本発明によって
得られるノボラック樹脂の軟化温度は対数粘度が大きく
なる(すなわち分子量が大きくなる)に従って高くなる
が、対数粘度0.1以上で軟化温度の分子量依存性は小さ
くなり始め、0.15以上でさらに小さくなる。このこと
は、容易に一定の軟化温度を持つノボラック樹脂を製造
できることを意味している。
また本発明の対数粘度0.1以上のノボラック樹脂は、
荷重をかけない状態で加熱しても流れにくい性質を持っ
ており、とくに0.15以上ではほとんど流れることはな
い。この特異的な性質はノボラック樹脂をベースとする
微細パターンを加熱するような場合、パターン形状変化
を起さないために要求される重要な性質であり、従来の
ノボラック樹脂には見られなかった性質である。
一方、これら本発明の対数粘度0.1以上のノボラック
樹脂は、無荷重下の加熱では流動しなかったものでも加
圧下に加熱されると流動性を示し良好な成形物をえる。
本発類の高分子量で可溶性のノボラック樹脂は以下の
方法で製造される。
すなわち、三官能性フェノール類を30モル%以上含む
フェノール類およびアルデヒド類とを溶媒中酸触媒の存
在下に、好ましくは窒素等の不活性雰囲気中で所定の粘
度に達するまで、攪拌下に加熱反応させることによって
高分子量で可溶性のノボラック樹脂が得られる。
本発明において、フェノール類は多官能性フェノール
類を主成分とし、三官能性フェノール類を30モル%以上
含む。多官能性フェノール類とは、2個以上の活性水素
を有するフェノール類であり、たとえばフェノールまた
は式 (R1およびR2は各々C110のアルキル基、アリール基、
ハロゲンまたは水酸基であって、R1とR2とは同じでも異
なっていてもよい。Xは−CH2−、−C(CH3)2−または−
O−を示す。)等で表わされる化合物が好ましく用いら
れる。
本発明に用いられる好ましい多官能性フェノール類と
しては、3個の活性水素を有する三官能性フェノール類
を30モル%以上含むものであって、必要に応じ2個の活
性水素を有する二官能性フェノールを含有したものであ
ってもよい。
本発明において使用される三官能性フェノール類は、
ベンゼン核上に3個の活性水素を有するフェノール類で
あり、具体的にはフェノールまたはフェノールの3−置
換体またはフェノールの3,5−置換体である。これらの
三官能性フェノール類は通常一般式〔I〕 (式中、R3は水素原子、アルキル基、ハロゲンまたは水
酸基であり、同一または異なる基を示す。)で現される
フェノール類である。さらに具体的には、フェノール、
m−クレゾール、m−エチルフェノール、m−プロピル
フェノール、m−イソプロピルフェノール、m−ブチル
フェノール、m−アミルフェノール、m−ヘキシルフェ
ノール、m−ヘプチルフェノール、m−オクチルフェノ
ール、m−フロロフェノール、m−クロロフェノール、
m−ブロモフェノール、レゾルシンなどの3−置換フェ
ノール類、3,5−キシレノール、3,5−ジエチルフェノー
ル、3,5−ジイソプロピルフェノール、3,5−ジブチルフ
ェノール、3,5−ジアミルフェノール、3,5−ジヘキシル
フェノール、3,5−ジオクチルフェノール、3,5−ジフロ
ロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、3,5−ジブロ
モフェノールなどの3,5−ジ置換フェノール類などを例
示することができる。これら三官能性フェノールは反応
速度の点から特に好ましいものである。
また本発明において使用される二官能性フェノール類
は、ベンゼン核上に2個の活性水素を有するフェノール
類であり、通常一般式〔II〕 (式中、3個のR4のうちの2個は水素原子であり、か
つ残りの1個はアルキル基、アリール基またはハロゲン
原子、R5は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を
示し、R4およびR5はいずれもそれぞれ同一または異なる
基を示す。)で表されるフェノール類であり、さらに具
体的には次に示すフェノール類のオルト異性体またはパ
ラ異性体を例示することができる。
たとえば、クレゾール、エチルフェノール、n−プロ
ピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチル
フェノール、sec−ブチルフェノール、tert−ブチルフ
ェノール、sec−アミルフェノール、tert−アミルフェ
ノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノールなど
のアルキルフェノール:クロロフェノール、クロロフェ
ノール、ブロモフェノールなどのハロフェノール、フェ
ニルフェノール、トリルフェノールなどのアリールフェ
ノールなどを例示することができ、さらに2,3−キシレ
ノール、3,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3
−ジエチルフェノール、3,4−ジエチルフェノール、2,5
−ジエチルフェノール、2,3−ジイソプロピルフェノー
ル、3,4−ジイソプロピルフェノール、2,5−ジイソプロ
ピルフェノール、2,3−ジクロロフェノール、3,4−ジク
ロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール、2−メチ
ル−3−フェニルフェノール、3−メチル−4−フェニ
ルフェノール、2−メチル−5−フェニルフェノールな
どを例示することができる。
これらの二官能性フェノールは、生成ノボラックの耐
水性や軟化点および相溶性を適宜調節するために使用目
的に応じて組合せて用いられる。
このほか官能性フェノール類として4,4−ジオキシジ
フェニルメタン、4,4′−ジオキシジフェニルプロパ
ン、4,4′−ジオキシジフェニルエーテルやハイドロキ
ノン、レゾルシン、カテコール、α−ナフトールやβ−
ナフトールなども用いることができる。
本発明において使用されるアルデヒド類は通常一般式
(III) R6−CHO 〔III〕 (式中、R6は水素原子、メチル基またはハロゲン化メ
チル基を示す。)で表されるアルデヒドであり、さらに
具体的にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、モノ
クロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、
クリクロロアセトアルデヒドなどを例示することができ
る。
これらアルデヒドのなかでホルムアルデヒドがもっと
も好ましく、ホルムアルデヒドやトリオキサン、テトラ
オキサン、パラホルムアルデヒドの形で用いられる。こ
れらとアルコールが反応したヘミアセタールまたはアセ
タールの形に用いてもよい。生成するノボラックに対す
る溶媒系の溶解性を低下させないようにするため、これ
らアルデヒド類を水溶液の形で用いるのは好ましくな
い。これらにフルフラールのような活性のアルデヒド類
を組み合わせて用いてもよい。
多官能性フェノール類(P)に対するアルデヒド類
(F)とのF/Pモル比は、0.85〜1.20好ましくは0.90〜
1.15が本発明の高分子量で可溶性のノボラック樹脂を得
るために必要な条件である。F/Pモル比0.85以下では高
分子量ノボラック樹脂は得られず、1.20以上ではゲル化
が起こり可溶性ノボラック樹脂が得られなくなるからで
ある。とくに対数粘度0.15以上の高分子量ノボラック樹
脂を必要とする場合は、0.90以上1.15以下が好ましい。
最適のF/Pモル比は、目的とするノボラック樹脂の対数
粘度および用いる反応条件によって実験的に決めるのが
好ましい。用いる溶媒、酸触媒やその使用量、溶液濃
度、反応温度や多官能性フェノール類の種類などによっ
て反応速度やホルムアルデヒドまたはその誘導体の反応
率が異なるためである。たとえば、N−メチル−2−ピ
ロリドンを溶媒とする場合は、F/Pモル比1.15でもゲル
化が起こらない。反応の活性中間体であるメチロールカ
チオンの反応性は、N−メチル−2−ピロリドンのよう
な非水性極性溶媒中においては溶媒和によって安定化さ
れているため低下し、そのためホルムアルデヒドまたは
その誘導体の反応率が低下するためと考えられる。した
がって、このような溶媒中でのF/Pモル比は、溶媒和を
起こさない溶媒を用いる場合より高くする必要がある。
これに対し、同じく生成ノボラック樹脂に対し良好な
溶媒であるエチレングリコールモノメチルエーテル中で
は上記のような現象が起こらないためF/Pモル比1.15で
反応させるゲル化が起こり、反応中に全体がゼリー状に
固化してしまう恐れが大きい。
本発明においては反応初期の原料等の溶媒段階を除い
て均一の溶液状で反応を行なう必要がある。
一般にフェノール類とホルムアルデヒド水溶液とを酸
触媒の存在下に反応させてノボラック樹脂を製造する際
には、反応の途中で反応系が白濁し、樹脂層と水層が分
離してくる〔たとえば、大津、木下“高分子合成の実験
法”、340頁、(株)化学同人、第1版(1972年)およ
び神原編“重縮合と重付加”、451〜452頁、共立出版
(株)(昭和55年)など〕。これを乳化点といい、分子
量の増加に伴って生成したノボラック樹脂が反応系に不
溶となったことを示すと考えられ、反応進行の目安にな
るとされている。このような反応の途中でノボラック樹
脂の分離が起こるとノボラック樹脂の生長末端部分とホ
ルムアルデヒドまたはその誘導体のメチロール基または
その誘導体との反応が起こりにくくなり、高分子量ノボ
ラック樹脂が得られにくくなると共に分岐やゲル化が起
こりやすくなるので、均一溶液系で反応を行なう必要が
ある。
またF/Pモル比を低く設定して反応を行なっている従
来系では、乳化点付近でホルムアルデヒドまたはその誘
導体は大部分が反応してしまい、その濃度はかなり低く
なっていることや、乳化後まもなく反応を中断し冷却し
てノボラック層と水層とに分離(未反応のホルムアルデ
ヒドは水層に大部分移行している)したり、常圧または
減圧下に加熱して水と共に未反応のホルムアルデヒドや
その誘導体を除去する操作を行なう。したがって、この
ようにして得られるノボラック樹脂の分子量は低く最終
的に得られるノボラック樹脂のゲル化はほとんど起こっ
ていない。
これに対し、本発明のような高分子量で可溶液のノボ
ラック樹脂を得るためにF/Pモル比を0.85以上、好まし
くは0.90以上としている系において、反応の途中でノボ
ラック樹脂の分離析出が起こると部分的に枝分かれやゲ
ル化が進行し、再溶解不能難溶物を生ずるので好ましく
ない。
本発明に用いられる溶媒としては、重合反応時に生成
するノボラック樹脂を析出分離しない良溶媒を選ぶ必要
がある。後述するように酢酸は好ましい酸触媒である
が、ノボラック樹脂の良溶媒とはいいがたく、酢酸を溶
媒として用い、酢酸より酸性度の高い酸触媒を用いて反
応を行なうと高分子量で可溶性のノボラック樹脂は得ら
れない。
本発明に用いられる溶媒としては、ジオキサン、エチ
レングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、
エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコー
ル類やエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トのようなエステル類などの生成するノボラックを析出
させない溶媒が用いられる。より好ましい溶媒は、ノボ
ラック樹脂に対して良好な溶媒であるエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリ
コールベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルーエテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、グリセリンジメチルエーテルなどの多
価アルコールのモノアルキルまたはアリルエーテル類、
およびN,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジエチル
ホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、テトラエチル尿素、ヘキサメチルホスホアミドな
どの非プロトン性極性溶媒である。またハロゲン化炭化
水素、ニトロ化炭化水素、芳香族炭化水素を溶解性を阻
害しない程度に添加してもよい。
これらの溶媒は反応条件下で多官能性フェノール類、
ホルムアルデヒドまたはその誘導体や酸触媒または溶媒
同士で反応したり、高分子量で可溶性ノボラック樹脂の
生成を著しく阻害しないものを選ぶ必要がある。
たとえばジメチルスルホキシドと塩酸は反応するた
め、ジメチルスルホキシドと塩酸や、塩化水素を副生す
るような酸触媒とを組合せて使用することはできない
が、ジメチルスルホキシドと硫酸やリン酸とは反応しな
いため組合せて使用することができる。これら溶媒の安
定性、使用の可否については文献・ハンドブック等で調
査することもできるが、50〜100mlのフラスコを用いて
予備的に少量でテストして確認するのが最も好ましい。
本発明において用いられる酸性触媒としては、過塩素
酸、硫酸、塩酸、亜リン酸、リン酸、ピロリン酸、ポリ
リン酸などの無機プロトン酸、p−トルエンスルホン
酸、メタスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、トリメリット
酸、ギ酸、ヒドロキシ酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸
などの有機プロトン酸、三弗化ホウ素、三弗化ホウ素エ
ーテル錯体などの三弗化ホウ素の錯体、三塩化アルミニ
ウム、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化第二鉄、四塩化チタ
ンなどのルイス酸などをあげることができる。これらの
酸性触媒のなかではプロトン酸が好ましい。
用いる酸触媒はどのような軟化温度を持った可溶性高
分子量のノボラック樹脂を目的とするかよって選択す
る。対数粘度0.1以上の可溶性高分子量のノボラック樹
脂に対し軟化しないものを目的とする場合は、硫酸や渦
塩素酸酸のような強酸を触媒として用いるとよい。また
軟化温度110℃付近の可溶性高分子量のノボラック樹脂
を目的とする場合は、プロピオン酸のような弱酸を酸触
媒として選択するとよい。中間の軟化温度を持つ高分子
量ノボラック樹脂を得るためには、中間の酸性度を持つ
酸触媒を用いるとよい。たとえばピロリン酸を触媒に用
いると、160〜165℃の軟化温度を持ったノボラック樹脂
が得られる。
これらの酸触媒の使用量は用いる酸の強さ、溶媒の種
類および反応溶液濃度によって異なる。酸の強さが強い
ほど、また反応溶液濃度が高いほど用いる酸触媒の使用
量は少なくてもよい。カチオンと強く溶媒和するジメチ
ルスルホキシドやN−メチル−2−ピロリドンのような
非プロトン性極性溶媒を用いる場合は、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルのようにカチオンとそれほど強
く溶媒和しない溶媒を用いる場合よりも酸触媒量を多く
する必要がある。
エチレングリコールモノメチルエーテルのような一般
的な溶媒を用い、濃度60%、浴温120℃で10時間前後で
付加縮合反応を行なう際に使用する、フェノール1モル
に対するおおよその酸触媒量は、以下の実験式で推定す
ることができる。
(ここでKaは酸触媒の水溶液中、25℃における解離係
数。) この実験式から求めた触媒量を参考として、実験を行
なうことによって使用量は容易に決めることができる。
酸触媒の使用量は、フェノール類に対して20モル%よ
り多くなると生成フェノール樹脂がゲル化して不溶化す
るようになると言われている(特開昭59−191710)が、
本発明方法によれば20モル%より多い酸触媒を用いて付
加縮合反応を行なうことが可能である。むしろより分岐
度の小さい線状の可溶性ノボラック樹脂を得るために
は、できるだけ弱い酸を触媒として用いる必要があり、
そのため酸触媒の使用量は多くなる。たとえばKa値1.77
×10-5モル/lの酢酸を酸触媒として用いる場合には、多
官能性フェノール類に対して酢酸を50〜150モル%使用
する必要がある。
本発明のようにF/Pモル比が1.0に近い条件下に反応を
行なう際、とくにアルデヒド類としてホルムアルデヒド
を用いる場合、反応の初期に未反応のホルムアルデヒド
が冷却器に白色固体として付着する現象が見られる。こ
の白色物は強いホルムアルデヒド臭を持ち厚い反応溶液
を注ぐと直ちに溶解することから、ホルムアルデヒドが
縮合した低分子量のポリメチレングリコールと思われ
る。この白色物の付着量は昇温速度や反応物の量などに
よって大きく変化する。このような現象が起こると反応
開始前に仕込んだF/Pモル比設定値に大きな誤差を生じ
る結果となり、反応の再現性も失われ、生成する可溶性
高分子量ノボラック樹脂の対数粘度をコントロールでき
なくなる。
このような問題点は小量の酸触媒量を用いてゆっくり
反応を行ない、原料の大部分が反応したのち冷却し、さ
らに酸触媒を追加して反応を完結させる方法や十分に時
間をかけてゆっくり昇温する方法などを用いることによ
って解決することができる。しかしながら、これらの方
法は煩雑でありコスト的にも好ましくない。
もっとも好ましい方法は、反応系にアルコール類また
はチオアルコール類を添加する方法である。アルコール
類はアルデヒド類と反応してヘミアセタールまたはアセ
タールを生成する。これらのヘミアセタールやアセター
ルの多くは反応条件下において液状であり、反応系の冷
却部たとえば環流冷却器で凝縮したとしても反応系に戻
り、仕込み時のF/Pモル比を変化させることが無くな
る。このため反応の再現性は著しく向上する。
これらのヘミアセタールやアセタールは、もとのアル
デヒドに比べて多少反応性が劣るが、酸触媒存在下では
多官能性フェノール類と十分に反応させることができ
る。反応性が低下することを利用し反応開始時の溶液濃
度を高くすることも可能となり、生産性を向上できるよ
うになる。また、もとのアルデヒド類に比べて立体障害
が大きくなるため反応の選択性が向上し、生成する可溶
性高分子量ノボラック樹脂の枝分かれや、ゲル化を防止
する効果も期待できる。
この目的に用いられるアルコール類としては、メチル
アルコール(沸点64.7℃)のようにアルコール自体の沸
点の低いものは生成するアセタールの沸点(42℃)も低
くなるので、常圧で反応するような場合は、反応温度が
アルコールや生成するヘミアセタールやアセタールの沸
点で決定されるので好ましくない。このような場合は加
圧系で反応を行なえばよい。生成するフェノール樹脂に
対しできるだけ良溶媒となるようなアルコールを用いる
ことが好ましい。このようなアルコールとしては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、プチルアルコールなどの脂肪族モノアルコール類、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、グリセリンジメチル
エーテルなどの多価アルコールのアルキルまたはアリー
ルエーテル類、マンデル酸、リンゴ酸、グリコール酸な
どのオキシカルボン酸、ブチルメルカプタン、イソブチ
ルメルカプタン、n−アミルメルカプタン、n−ヘキシ
ルメルカプタンなどのチオアルコール類、メルカプト酢
酸、2−メルカプトプロピオン酸のようなメルカプトカ
ルボン酸類を単独または混合して用いることができる。
これらのアルコール類またはチオアルコール類の使用
量は反応条件にもよるが、反応系内に存在するアルデヒ
ド類の0.3モル以上、好ましくは0.5モル以上添加すれば
十分である。0.3モル以下の場合は、注意して反応を行
なわなければ冷却部に白色固体が析出することがある。
水酸基またはメルカプト基を持つ化合物を溶媒として用
いる場合には、これらアルコール類またはチオアルコー
ル類を特に加える必要はないが、溶媒と構造の異なるも
のを必要に応じ加えてもよい。
反応は、多官能性フェノール類とアルデヒド類の仕込
み合計重量基準で10〜80重量%の濃度範囲で行なわれ
る。さらに20〜60重量%で行なうことが好ましい。濃度
80%以上となると反応初期の発熱が著しく、また反応後
期の攪拌が困難となり、濃度10%以下では反応が著しく
遅くなるため多量の酸触媒を必要とするようになるな
ど、コスト的にも不利で実用性がないからである。
本発明の可溶性で高分子量のノボラック樹脂は、多官
能性フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に
溶媒中で加熱し反応させることによって得られる。アル
デヒド類としてパラホルムアルデヒドを用いた場合、パ
ラホルムアルデヒドは常温では粉末またはフレーク状で
溶媒にほとんど溶解しないが、攪拌しながら温度を上げ
て行くと酸触媒で分解されて溶解し、均一の透明溶液と
なる。透明溶液が得られる温度は一般に90℃以下であ
り、用いる酸触媒によって多少異なる。アルコール類の
存在下、均一溶液が得られる温度で30分位保ったのち、
反応温度まで昇温すると激しい反応やホルムアルデヒド
の冷却部への付着を防止できる。
反応温度は90℃から溶媒の沸点までの範囲で行なう。
必要なら加圧下に反応を行なうことによって180℃付近
まで上げることも可能であるが、一般には90℃から120
℃程度が副反応を防止する意味から好ましい。反応の際
の圧力は通常1ないし20kg/cm2−G、好ましくは1ない
し5kg/cm2−G程度である。
反応時の雰囲気は多官能性フェノール類の酸化による
着色を防止するため、窒素、ヘリウム等の不活性ガス置
換を行なったのち、これらの不活性ガス雰囲気中で加熱
攪拌することが好ましい。ただし、これら不活性ガスを
流しながら反応を行なうと、揮発性のアルデヒド類やフ
ェノール類が不活性ガスによって反応系外に持ち去られ
ることがあるので好ましくない。
このようにして得られた本発明の高分子量ノボラック
樹脂は放射線感応レジストの樹脂成分として使用され
る。たとえば、ナフトキノンジアジドやポリ(オレフィ
ンスルホン)のような溶解抑止剤と組み合せることによ
ってポジ型の放射線感応性のレジストが得られる。また
アジドのような架橋剤と組み合せることによってネガ型
の放射線感応性のレジストが得られる。本発明の高分子
量ノボラック樹脂を用いることによって得られるこれら
のレジストは、UV、Deep UV、電子線、X線やイオン線
のような放射線に対して高い感応性を持つと共に、すぐ
れた耐プラズマエッチング性や、特にプラズマエッチン
グの際に発生する熱によって変形することのない高い耐
熱性を持っている。
本発明の放射線感応性のレジストを製造するために用
いられる樹脂成分として好ましいものは対数粘度0.1以
上、より好ましくは0.15以上の高分子量ノボラックであ
るが、公知の方法によって製造されている対数粘度0.1
未満のノボラック樹脂やアルカリ可溶性の樹脂、たとえ
ばポリ(p−ヒドロキシスチレン)などを混合して用い
ることもできる。これらの樹脂を高分子ノボラック樹脂
に混合して得られた樹脂組成物の対数粘度は0.1以上、
好ましくは0.15以上であることが好ましい。
ポジ型の放射線感応性のレジストを製造するために用
いられる溶解抑止剤として好ましいものは、1,2−ナフ
トキノンジアジドスルホン酸エステル類であって、この
ようなエステル類は、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸クロライドまたは1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホン酸クロライドを、たとえばピロガロ
ールのようなポリヒドロキシベンゼン類、2,3,4−トリ
ヒドロキシベンゾフェノンのようなポリヒドロキシフェ
ニルアリールケトン類などと反応させて得られるもので
あって、たとえば米国特許第2797213、3106465、314898
3、3646118、3785825号などに示されている1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸エステル類をあげることがで
きる。このほかJ.Kosar“Ligt−Seusitive Systems",P.
339,John Wiley & Sons,New York(1965)やW.S.De Fr
ost,“Perot oresist",P.50,Mc Graw−Hill,New York
(1975)に記載されている1,2−ナフトキノンジアジド
をあげることもできる。
これら1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステ
ル類は、本発明の高分子量ノボラック樹脂100重量部に
対し5〜100重量部であり、好ましくは10〜50重量部の
範囲で用いられる。5重量部未満ではアルカリ可溶性で
ある高分子量ノボラック樹脂に対する溶解抑制後窩が不
十分であり、100重量部を越えると感度が低下するため
好ましくない。
ネガ型の放射線感応性レジストを製造するために用い
られる架橋剤としては、3,3′−ジアジドジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタンのようなジ
アジド化合物や、4−アジドベンザル−2′−メトキシ
アセトフェノン、4−アジドベンザル−2′−メトキシ
アセトフェノンのようなモノアジド化合物が用いられ
る。
これらアジド化合物は、本発明の高分子量ノボラック
樹脂100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは5〜3
0重量部の範囲で用いられる。
放射線感応性のレジストは本発明の高分子量ノボラッ
ク樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エスル
とを溶媒に溶解して製造されるが、これに用いられる溶
媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類や、これらの
グリコールエーテル類の酢酸エステル類、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル酸、シクロヘキサノンなどの
ケトン類があり、これらは単独または混合して用いられ
る。必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類を混合してもよい。
このようにして得られる放射線感応性のレジストの濃
度は塗布条件や目的とする膜厚によって決められ、一般
に5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%の溶液として
用いられる。
このようにして得られた放射線感応性のレジストに対し
基板からのハレーションによるトラブルを防止するため
の染料、たとえばメチルバイオレット、クリスタルバイ
オレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルーBや
ニュートラルレッドなどを固型分に対し、1ないし10%
程度添加してもよい。
またレジスト塗布時に発生する筋状の塗布ムラを防止
するためのストリエーション防止剤、接着促進剤、非イ
オン界面活性剤、増感剤や可塑剤のような添加剤を加え
てもよい。これらは固形分に対し5%以下の範囲で用い
られる。添加剤としては、たとえば特開昭61−7837等に
示されている通常の添加剤のなかから適宜選択して使用
することができる。
本発明の可溶性高分子量ノボラック樹脂を用いて得ら
れた放射線感応性のレジストは、プリント配線用銅張積
層板、トランジスター、集積回路などの高精度加工を要
するものを製造する際のエッチング保護膜(レジト)と
して有用であり、オフセット印刷版などにも同様に使用
される。
本発明の可溶性高分子量ノボラック樹脂の対数粘度
は、以下の方法で測定する。
溶媒として、ジメチルスルホキシド110gに対し、0.4g
の濃硫酸を加えたジメチルスルホキシドを用い、これに
ノボラック樹脂を濃度0.5g/100mlとなるよう溶解し、キ
ャノン−フェンスケ型粘度計を用い、温度30℃で測定し
た溶媒および溶液の流下時間から次式によって求める。
ここで C=濃度(g/ml) 溶媒として用いるジメチルスルホキシドに濃硫酸を加
えるのは以下の理由による。ノボラック樹脂中に残存す
る酸触媒を、たとえば炭素水素ナトリウム等で中和した
際、得られたノボラック樹脂をよく水洗したとしても乾
燥物中に微量のアルカリが残ることがある。このような
ノボラック樹脂の対数粘度を測定すると、含まれるアル
カリ量に比例して対数粘度の値が大きくなり、測定値バ
ラツキの原因となる。測定溶媒であるジメチルスルホキ
シド中に濃硫酸を加えると、このような測定値にバラツ
キを無くすことができる。
本発明の可溶性高分子量ノボラック樹脂の軟化温度
(℃)は、以下の方法で測定する。
高分子量ノボラック樹脂を粉末化し、約5mgを2枚の
顕微鏡用カバーグラス(18mm×18mm×0.2mm)の間には
さみ込み、スライダックを用いて昇温速度をコントロー
ルしている熱板上で加熱する。カバーグラスを小さなス
テンレス性のスパチュラで軽く押えながら昇温する。ノ
ボラック樹脂の一部が軟化し透明となり始めた温度と、
全体が軟化し透明となった温度との中間値をとって軟化
温度とする。軟化温度付近での昇温速度は、15℃/分程
度に設定すると再現性よく軟化温度の測定を行なうこと
ができる。
本発明で有機溶媒可溶性とは、本発明の高分子量ノボ
ラック樹脂の25℃でアセトンに対する溶解度が95%以上
で、好ましくは98%以上であることを意味している。
溶解度は以下の方法で測定する。
200mlの共栓付三角フラスコにノボラック樹脂約1gを
正確に秤量して入れ、アセトン100mlを加えてマグネチ
ックスターラーで30分間撹拌し溶解した後、1Gのガラス
フィルターを用いて自然過する。ガラスフィルターは
120℃で2時間熱乾燥したのち、デシケータ中で放冷し
秤量する。溶解度は以下の式に従って求める。
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
〈実施例I〉 純度93.0のパラホルムアルデヒド42.43g、蒸留精製し
たフェノール122.72g(F/P=1.008)、85%リン酸74.96
g、エチレングリコールモノメチルエーテル292.63gを撹
拌装置、温度計、環流冷却器、窒素導入および排出口を
備えた1の三ツ口フラスコに入れ、窒素置換し、撹拌
しながら浴温70℃で30分間加熱したのち120℃で反応を
行なった。反応開始後6時間で冷却して反応をとめた。
得られた無色透明で粘調なノボラックの溶液を15%に
希釈したのち、高速ミキサー中で激しく撹拌している水
中に注いでノボラック樹脂を分離し、過したのち炭素
水素ナトリウム水溶液および純水でよく洗浄し、50℃で
24時間、真空ポンプの減圧下に真空乾燥器中で乾燥し
た。
生成した高分子量ノボラックは25℃においてアセトン
に100%溶解した。得られた可溶性高分子量ノボラック
樹脂の対数粘度、軟化温度、ゲル浸透クロマトグラフ
(GPC)と低角度光散乱高度計(LALLS)を組合せたGPC
−LALLS法によって得られる平均分子量および分子量分
布を測定した。結果をまとめて表1に示す。なお測定条
件は以下の通りである。
(イ)GPCの測定条件 〔装置〕:201D型GPC(WATERS社)検出器;R−401型示
差屈折検出器(WATERS社)、分離カラム;TSK−GEL−GMH
(東洋曹達社)2本、溶離液;THF、流速:1ml/分、温度;
23℃ 〔試料〕:ノボラック樹脂の0.2%THF溶液(完全溶
解)、注入量;0.5ml (ロ)LALLSの測定条件 〔装置〕:GMX−100型訂角度レーザー光散乱光度計(C
HROMATIX社) 〔条件〕:波長;633nm(He−Ne)、第2ビリアル係数
(A);低濃度であるため無視、屈折率濃度変化(du/d
c);0.201ml/g 〔KMX−16型レーザー示差屈折率計(CHROMATIX社)を用
い、波長633nm(He−Ne)、溶解THF、温度23℃で濃度を
変えて測定した試料溶液と溶媒の屈折率の差ΔCから求
めた。〕 〈実施例2〜4〉 純度93.0%のパラホルムアルデヒド32.68g、蒸留精製
したフェノール95.18g(F/P=1.001)を酸触媒としての
酢酸60.34g、溶媒としてのエチレングリコールモノメチ
ルエーテル24.89g中に加え、窒素置換したのち、攪拌し
ながらわずかに窒素加圧の状態で70℃の油浴につけて加
熱を開始する。1時間30分で浴温を120℃まで上げ反応
を続けるとゆっくり粘度が上昇する。反応途中でサンプ
リングを行ない、11時間30分で冷却した。実施例1と同
様にして分類・乾燥したノボラックの性質をまとめて表
2に示す。
〈実施例5〜9〉 用いる酸触媒の種類を変えて反応を行なった。用いる
酸触媒の強さによって、可溶性で高分子量のノボラック
樹脂を得るための条件は異なってくる。妥当な時間内に
目的とするノボラック樹脂が得られる条件を表3に示
す。
実施例1と同様にしてノボラック樹脂を分離・乾燥し
た。すべてのノボラックが25℃でアセトンに100%溶解
した。このようにして得られたノボラック樹脂の軟化温
度と対数粘度の測定結果をまとめて第1図に示す。
〈実施例10〉 プロピレリングリコールモノメチルエーテル35.68gお
よびN−メチルピロリドン112.86gの冷却下に濃硫酸22.
99gを加えた溶液中にパラホルムアルデヒド14.69g、フ
ェノール42.48g(F/P=1.008)を加え、実施例1と同様
にして加熱反応させた。4時間30分で高粘度溶液が得ら
れた。実施例1と同様にして高分子量ノボラック樹脂を
分離し乾燥した。得られた白色粉末の対数粘度は0.566
であり、アセトンに25℃に99%溶解した。200℃以上に
加熱しても軟化流動せず、温度をさらに上げて行くとそ
のままの形状を保ったまま炭化した。
〈実施例11〉 パラフォルムアルデヒド14.69g、フェノール42.48g
(F/P=1.008)、濃硫酸22.99g、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル35.68gおよびN−メチルピロリドン11
2.86gを氷冷下に混合し、実施例1と同様にして反応さ
せた。反応開始とともに発熱反応が起こる。4時間で高
粘度溶液が得られる。実施例1と同様に処理して得られ
た白色粉末の対数粘度は0.520であり、300℃まで加熱し
ても軟化流動せず、そのままの形状を保ったまま変色し
た。アセトンに25℃で99%溶解した。
〈実施例12〉 トリオキサン19.15g、フェノール60.00g(F/P=1.00
0)を硫酸32.53g、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル48.50g、N−メチルピロリドン156.39g中で反応
させた。70℃からゆっくり昇温し浴温135℃で反応させ
ると、初期に激しい発熱反応が起こった。そのまま3時
間反応させ、25℃におけるアセトン溶解性100%、対数
粘度0.200、軟化温度124℃の可溶性高分子量ノボラック
樹脂を得た。
〈実施例13〉 パラホルムアルデヒド245.38g、フェノール714.62g
(F/P=1.001)、85%リン酸8.67g、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル57.83g、N−メチルピロリドン8
6.75gを冷却下、窒素雰囲気中で混合し、70℃からゆっ
くり昇温しながら攪拌する。内温95℃付近で反応液を均
一透明となる。5時間で120℃としそのまま3時間反応
させた。
上記の反応物233.77gをN−メチルピロリドン486.23g
に溶解しガラス性オートクレーブに入れ、常温から昇温
し始め170℃で6時間、180℃で1時間反応させ濃赤紫色
の高粘度溶液を得た。ガラス性オートクレーブ内の圧力
は2.6〜3.0kg/cm2であった。得られた可溶性ノボラック
の対数粘度は0.326であり、軟化温度は155℃であった。
またアセトンに25℃で100%溶解した。
〈実施例14〉 パラホルム39.17g、フェノール114.07g(F/P=1.00
1)、リン酸13.85g、イソプロピルアルコール27.88g、
ジメチルスルホキシド83.65gを実施例1と同様に反応さ
せた。9時間反応させて対数粘度0.433の可溶性ノボラ
ック樹脂を得た。軟化温度は145℃であった。25℃にお
けるアセトンに対する溶解性は99%であった。
〈実施例15〜18〉 用いるアルコールの種類、リン酸触媒量、濃度を変え
たほかは実施例14と同様にして反応を行ない表4に示す
可溶性高分子量ノボラック樹脂を得た。すべてのノボラ
ックが25℃でアセトンに100%溶解した。反応に用いた
溶媒中のアルコールとジメチルスルホキシドとの割合は
1/4である。
〈実施例19〜21〉 m−クレゾール50.00g、パラホルムアルデヒド15.09g
(F/P=1.011)、酢酸28.05gにエチレングリコールモノ
エチルエーテルを加えて60%溶液とし、70℃、90℃およ
び100℃で30分づつ撹拌したのち120℃で反応させた。溶
液粘度が著しく上昇し撹拌困難となったため、2.6時間
目に41.8%に、4時間目に35.8%に、5時間目に30.5%
に希釈し6時間目に冷却した。得られた高分子量ノボラ
ックの性質を表5に示す。
〈実施例22〉 実施例1〜21で得られた高分子量m−クレゾールノボ
ラック100gと2,3−ジヒドロキシ−4−(1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホニル)ベンゾフェノン25gを
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30
0gに塗解して、対数粘度の異なるノボラック樹脂を用い
た3種のポジ型フォトレジスト溶液を得た。
シリコーン基板上に前記フォトレジスト溶液をスピン
ナで塗布したのち、熱板上で105℃で90秒プリベークし
て厚さ1.2μmのフォトレジスト膜を得た。500Wの高圧
水銀燈を用い、テストパターンマスクを介して0.7秒間
照射したのち、水酸化テトラメチルアンモニウムヒドロ
キサイド水溶液を用いて現像したところ、いづれのレジ
ストからも正確な形状を保った0.9μmのくり返しポジ
型パターンが精度よく得られた。
得られたこれらのパターンを空気オーブンに入れ、18
0℃で20分ポストベークしたがパターンの変形は認めら
れなかった。
さらにポストベークしたパターンを平行平板型ドライ
エッチング装置に入れ、四フッ化炭素/酸素(95/5容量
比)を用いて、出力100W、ガス圧15paの条件でエッチン
グを行なった。SEM(Scanning Electron Microscopy)
で観察したパターンの変形は認められず、良好な耐熱性
を示した。
〈実施例23〉 実施例19〜21で得られた高分子量ノボラック樹脂88重
量部とポリ(2−メチルペンテン−1−スルホン)12重
量部を酢酸イソアミルに溶解したのち、孔径0.2μmの
メンブランフィルターで過し、電子線、X線あるいは
イオン線に対して高感度のレジスト溶液を得た。
このレジスト溶液をシリコン酸化膜を有するシリコン
基板上にスピンナーを用いて塗布し、厚さ1.3μmのレ
ジスト膜を得た。
加速電圧20KVの電子線露光装置を用いて露光したの
ち、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液を
用いて現像し、所望のパターンを持ったポジ型のレジス
ト膜を得た。
実施例30と同様にして耐熱性の評価を行なったが、レ
ジストパターンの変化は認められなかった。
〈実施例28〉 o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾールを
表6に示す分量と、パラホルムアルデヒド(純度95%)
13.88g(F/P=0.950)を撹拌装置、温度計、環流冷却器
を備えた500ml三ツ口フラスコに入れ、濃硫酸0.40gとエ
チルセロソルブ120gの混合物を加えた。フラスコを120
℃のオイルバスにいれ内温105〜110℃で反応させた。反
応時間を表1に示す。得られたノボラックの溶液を高速
ミキサー中で激しく撹拌している水中に注いでノボラッ
ク樹脂を分離し、濾過した後さらに純水でよく洗浄し、
50℃で2日間真空ポンプの減圧下に真空乾燥器中で乾燥
した。
得られたノボラックの対数粘度を表6に示す。
上記のノボラック10.0g、感光剤A3.33gをエチルセロ
ソルブアセテート40.0gに溶解し、レジスト組成物を調
製した。0.2μmメンブランフィルターにて濾過した
後、大日本スクリーン(株)製SCW−636を用い、100
℃、1分間ホットプレートでベークした。得られたレジ
スト膜厚を大日本スクリーン(株)製ラムダエースSTM
−602にて測定し、表6に示した。
グレースケールを用い、キヤノン(株)製PLA−501F
コンタクトアライナーでg線にて露光を行った。テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド2.38g水溶液を用い、2
3℃にてパドル現像を行い100℃、1分間ホットプレート
にてポストベークした。
露光部分及び未露光部分の膜厚をラムダエースにて測
定し、感度と未露光部分の膜減りを測定した。結果を表
6に示す。
ポジ型フォトレジストの感度は通常300mJ/cm2以下、
さらに好ましくは200mJ/cm2以下である。したがって、
m−クレゾールが30モル%以下のNo.1では感度が低くな
り好ましくない。
一方、未露光部分の膜減りは通常500Å以下、さらに
好ましくは400Å以下であり、No.2〜4のいずれもこの
範囲にはいることがわかる。
(注)感光剤A… 2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフ
トキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドと
の反応生成物で平均エステル化率が3.0のもの。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例5〜9で得られたノボラック樹脂の軟化
温度と対数粘度の関係を示すものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能性フェノール類を主成分とし、三官
    能性フェノール類を30モル%以上含むフェノール類とア
    ルデヒド類とを酸触媒の存在下、均一溶液状で反応させ
    て得られる対数粘度が0.1以上で有機溶媒可溶性の高分
    子量ノボラック樹脂を含有する放射線感応レジスト。
  2. 【請求項2】該高分子量ノボラック樹脂の25℃における
    アセトンに対する溶解性が95%以上である特許請求の範
    囲第(1)項記載の放射線感応レジスト。
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