JPH0859646A - エノピラノース誘導体又はその塩、それらを含有するα−グルコシダーゼ阻害剤 - Google Patents

エノピラノース誘導体又はその塩、それらを含有するα−グルコシダーゼ阻害剤

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JPH0859646A
JPH0859646A JP21178794A JP21178794A JPH0859646A JP H0859646 A JPH0859646 A JP H0859646A JP 21178794 A JP21178794 A JP 21178794A JP 21178794 A JP21178794 A JP 21178794A JP H0859646 A JPH0859646 A JP H0859646A
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文法 加藤
Masamitsu Tsukamoto
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I)で表わされるエノピラノース誘
導体又はその塩、および当該化合物又はその塩を有効成
分とするα−グルコシダーゼ阻害剤ならびに免疫機能抑
制剤。 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、−C
HO基、−COR5 基、又はC1-8 アルキル基であり、
3 は水素原子、−SO3 H基又はアシル基であり、R
4 は−OH基、−O−SO3 H基、C1-8 アルコキシ基
又はアシルオキシ基であり、R3 及びR4 は一緒になっ
て単結合を形成してもよく、Aは=O基又は−O−X基
であり、Xは水素原子、−SO3 H基又はアシル基であ
り、R5 はヒドロキシル基、C1-8 アルコキシ基、アミ
ノ基等である〕 【効果】 一般式(I)の化合物は生体内の糖鎖プロセ
ッシングに係るα−グルコシダーゼを阻害する。従っ
て、癌転移、ウィルス性疾患、糖尿病、高脂血症、炎症
性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患などの治療薬
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエノピラノース誘導体又
はその塩、それらを含有するα−グルコシダーゼ阻害剤
又は免疫機能抑制剤に関する。より詳しくは、本発明は
生体内の糖鎖プロセッシングに係わる酵素の阻害剤であ
って、糖蛋白質糖鎖プロセッシングの研究用試薬、更に
は癌転移、AIDSなどウイルス性疾患、糖尿病、高脂
血症、炎症性疾患、自己免疫疾患、臓器移植時の拒絶反
応およびアレルギー性疾患などの治療薬として有用であ
る、エノピラノース誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】α−グルコシダーゼ阻害剤としては、カ
スタノスペルミン、1−デオキシノジリマイシンなどが
知られている。しかしながら、本発明のα−グルコシダ
ーゼ阻害剤はそれらとは有効成分の化学構造が異なる。
糖鎖プロセッシングに係わる酵素の阻害剤は、α−グル
コシダーゼ阻害剤であるカスタノスペルミンに代表され
るように、癌転移抑制(Humphriesら、Can
cer Research 46,5251−522
2,1986)、自己免疫脳脊髄炎動物モデルに対する
発症抑制(Willenborgら、J.Neuro
l.Sci,90,77−85,1989)、関節炎動
物モデルに対する発症抑制(Willenborgら、
Immunol.Cell Biol.70,369−
377,1992)、免疫応答に重要な細胞膜上主要組
織適合抗原クラスI分子の発現抑制(Mooreら、
J.Biologic.Chem.268,3809−
3812,1993)などへ利用できることが明らかに
なっている。加えて、日本公表特許公報(A)平4−5
00959には、自己免疫脳脊髄炎動物モデル、アジュ
バント関節炎モデル、組織移植片拒絶モデル、遅延型過
敏症反応モデルに対して病態を改善する効果があること
から、カスタノスペルミンによる動物またはヒト患者の
抗炎症的および/または免疫抑制的治療方法が提示され
ている。さらに国際特許明細書WO 8703903に
は、AIDSウイルスなどレトロウイルス性病原に対す
る治療的薬剤としてカスタノスペルミンの使用が提示さ
れている。その作用は、糖鎖のプロセッシング阻害の結
果もたらされる感染細胞内におけるレトロウイルス複製
の妨害、感染細胞上におけるウイルス性エンベロップ糖
蛋白質の提示に伴う病原性効果の軽減として記述されて
いる。また、ヨーロッパ特許明細書第202661号で
は、カスタノスペルミンによる高脂血症および過剰な脂
質蓄積の防止ならびに糖尿病治療への利用が提示されて
いる。これは、消化酵素阻害の結果、脂質生合成阻害、
複合糖の加水分解によるグルコース形成阻害がもたらさ
れることによっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、癌転
移、AIDSなどウイルス性疾患、糖尿病、高脂血症、
炎症性疾患、自己免疫疾患、臓器移植時の拒絶およびア
レルギー性疾患などの治療において、糖鎖プロセッシン
グに係わる酵素を阻害することが重要であると考えられ
る。そして、このような考えのもとに、α−グルコシダ
ーゼ阻害作用を有する医薬品の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−グル
コシダーゼ阻害活性を指標として鋭意研究した結果、下
記一般式(I)で表わされる化合物が優れた阻害作用を
有していることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、一般式(I)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、ホルミル基、カルボキシル基、C1-8 アルコキ
シカルボニル基、アミノカルボニル基、モノ若しくはジ
1-8アルキルアミノカルボニル基又はホルミル、ヒド
ロキシル、アシルオキシ、カルボキシル、C1-8 アルコ
キシカルボニル、アミノカルボニル又はモノ若しくはジ
1-8 アルキルアミノカルボニルにより置換されたC
1-8 アルキル基であり、R3 は水素原子、−SO3 H基
又はアシル基であり、R4 はヒドロキシル基、−O−S
3 H基、C1-8 アルコキシ基又はアシルオキシ基であ
り、R3 及びR4 は一緒になって単結合を形成してもよ
く、Aは=O基又は−O−X基であり、Xは水素原子、
−SO3 H基又はアシル基であり、但しR1 及びR2
同時に水素原子でない)で表わされるエノピラノース誘
導体又はその塩、それらを有効成分として含有するα−
グルコシダーゼ阻害剤又は免疫機能抑制剤に関する。一
般式(I)には以下の立体構造が含まれる。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びXは
前述の通りである) ここで、R4 がヒドロキシル基の場合には、(I−1)
と(I−2)とは互変異性体である。また、同様に(I
−3)と(I−4)、(I−5)と(I−6)とは互変
異性体である。R1 又はR2 のC1-8 アルキル基及びC
1-8 アルキル部分、またR4 のC1-8アルコキシ基のア
ルキル部分は、炭素数1〜8のアルキル基又はアルキル
部分を意味する。それらは直鎖又は枝分れ鎖であってよ
く、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられ
る。R3 又はXのアシル基、R2 のアシルオキシにより
置換されたC1-8 アルキル基のアシル部分又はR4 のア
シルオキシ基のアシル部分は、カルボン酸に含まれる、
RCO−で表わされる基を意味する。ここでRは、置換
されてもよい鎖式炭化水素基、置換されてもよい単環式
炭化水素基、置換されてもよい多環式炭化水素基、置換
されてもよい単環式複素環基又は置換されてもよい多環
式複素環基である。
【0009】Rに含まれる前記鎖式炭化水素基としては
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げら
れ、前記単環式炭化水素基としてはシクロアルキル基、
シクロアルケニル基、フェニル基などが挙げられ、前記
多環式炭化水素基としては、ナフチル基、テトラヒドロ
ナフチル基、インダニル基のような縮合型多環式炭化水
素基又はアダマンチル基、ノルアダマンチル基、ノルボ
ルナニル基、ノルボルナノニル基のような架橋型多環式
炭化水素基が挙げられ、前記単環式複素環基としてはピ
ロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イ
ミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、
チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、
ピロリニル基、ピロリジニル基、ジヒドロフラニル基、
テトラヒドロフラニル基、ジヒドロチエニル基、テトラ
ヒドロチエニル基、ピラドリニル基、ヒダントイニル
基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリニル基、イソオ
キサゾリジニル基、チアゾリニル基、チアゾリジニル
基、ジオキソラニル基、ジチアラニル基、ピリジル基、
ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ジヒ
ドロピリジル基、テトラヒドロピリジル基、ピペリジニ
ル基、ジヒドロオキソピリダジニル基、テトラヒドロオ
キソピリダジニル基、ジヒドロオキソピリミジニル基、
テトラヒドロオキソピリミジニル基、ピペラジニル基、
ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキ
サニル基、ジヒドロジチイニル基、ジチアニル基、モル
ホリニル基などが挙げられ、前記多環式複素環基として
は、チエノチエニル基、ジヒドロシクロペンタチエニル
基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル
基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル
基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、テト
ラヒドロベンゾチエニル基、ジヒドロベンゾフラニル
基、テトラヒドロベンズイソオキサゾリル基、ベンゾジ
オキソリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベン
ゾジオキサニル基、キノキサリニル基のような縮合型多
環式複素環基又はキヌクリジニル基のような架橋型多環
式複素環基が挙げられる。
【0010】Rに含まれる置換されてもよい鎖式炭化水
素基の置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、ハ
ロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキル基、
シクロアルコキシ基、シクロアルケニル基、シクロアル
ケニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキ
シ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ
基、アミノ基、アルキル基で置換されたアミノ基などが
挙げられ、それらの置換基又はそれらの置換基に付随す
る置換基の数は1ヶであっても2ヶ以上であってもよ
く、2ヶ以上の場合それらの置換基は同一であっても異
なってもよい。また、Rに含まれる置換されてもよい単
環式炭化水素基、置換されてもよい多環式炭化水素基、
置換されてもよい単環式複素環基及び置換されてもよい
多環式複素環基の置換基としてはハロゲン原子、アルキ
ル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ
基、アルキルチオ基、シクロアルキル基、シクロアルコ
キシ基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、
アルキルカルボニルオキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキル基で置換
されたアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基
などが挙げられ、それら置換基又はそれらの置換基に付
随する置換基の数は1ヶであっても2ヶ以上であっても
よく、2ヶ以上の場合それらの置換基は同一であっても
異なってもよい。
【0011】Rに含まれるアルキル基並びにアルキル部
分としては、炭素数1〜20のもの、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ノナデシル
基などが挙げられ、それらは直鎖又は枝分れ脂肪鎖の構
造異性のものも含む。Rに含まれるアルケニル基として
は、炭素数が2〜20のもの、例えばビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、デ
セニル基、ノナデセニル基などが挙げられ、またそれら
は直鎖又は枝分れ脂肪鎖の構造異性のものも含む。Rに
含まれるアルキニル基としては、炭素数が2〜20のも
の、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペ
ンチニル基、ヘキシニル基、デシニル基、ノナデシニル
基などが挙げられ、またそれらは直鎖又は枝分れ脂肪鎖
の構造異性のものも含む。Rに含まれるシクロアルキル
基並びにシクロアルキル部分としては、炭素数3〜8の
もの、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基
などが挙げられる。Rに含まれるシクロアルケニル基並
びにシクロアルケニル部分としては、炭素数5〜8のも
の、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル
基、シクロオクテニル基などが挙げられる。更にRに含
まれるハロゲン原子としては弗素原子、塩素原子、臭素
原子、沃素原子が挙げられる。Rに含まれるアリール基
並びにアリール部分としては、フェニル基、チエニル
基、フラニル基、ピリジル基、ナフチル基、ベンゾチエ
ニル基、ベンゾフラニル基、キノリニル基などが挙げら
れる。
【0012】一般式(I)で表わされるエノピラノース
誘導体の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属塩、カルシウムのようなアルカリ土類金属塩、
アミン塩などがあげられる。本発明の有効成分であるエ
ノピラノース誘導体又はその塩は、以下の化合物群であ
ることが望ましい。 (1)一般式(I−1)又は(I−2)において、R1
が水素原子であり、R2がホルミル基、カルボキシル
基、C1-8 アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル
基、モノ若しくはジC1-8 アルキルアミノカルボニル基
又はホルミル、ヒドロキシル、アシルオキシ、カルボキ
シル、C1-8 アルコキシカルボニル、アミノカルボニル
又はモノ若しくはジC1-8 アルキルアミノカルボニルに
より置換されたC1-8 アルキル基であり、R3 は水素原
子、−SO3 H基又はアシル基であり、R4 はヒドロキ
シル基、−O−SO3 H基、C1-8 アルコキシ基又はア
シルオキシ基であり、R3 及びR4 は一緒になって単結
合を形成してもよいエノピラノース誘導体又はその塩。 (2)一般式(I−1)又は(I−2)において、R1
が水素原子であり、R2がホルミル基、カルボキシル基
又はヒドロキシメチル基であり、R3 が水素原子であ
り、R4 がヒドロキシル基であるか、又はR3 及びR4
が一緒になって単結合を形成しているエノピラノース誘
導体又はその塩。 (3)一般式(I−3)、(I−4)、(I−5)又は
(I−6)において、R1 が水素原子であり、R2 がホ
ルミル基、カルボキシル基、C1-8 アルコキシカルボニ
ル基、アミノカルボニル基、モノ若しくはジC1-8 アル
キルアミノカルボニル基又はホルミル、ヒドロキシル、
アシルオキシ、カルボキシル、C1-8 アルコキシカルボ
ニル、アミノカルボニル又はモノ若しくはジC1-8 アル
キルアミノカルボニルにより置換されたC1-8 アルキル
基であり、R3 は水素原子、−SO3 H基又はアシル基
であり、R4 はヒドロキシル基、−O−SO3 H基、C
1-8アルコキシ基又はアシルオキシ基であり、R3 及び
4 は一緒になって単結合を形成してもよく、Xは水素
原子、−SO3 H基又はアシル基であるエノピラノース
誘導体又はその塩。 (4)一般式(I−3)、(I−4)、(I−5)又は
(I−6)において、R1 が水素原子であり、R2 がホ
ルミル基、カルボキシル基又はヒドロキシメチル基であ
り、R3 が水素原子であり、R4 がヒドロキシル基であ
るか、又はR3 及びR4 が一緒になって単結合を形成
し、Xが水素原子であるエノピラノース誘導体又はその
塩。
【0013】一般式(I)で表わされるエノピラノース
誘導体又はその塩は、例えば以下に示す反応により取得
することができる。
【0014】
【化6】
【0015】メチル基のヒドロキメチル基への酸化に
は、酸化剤として二酸化セレン、一重項酸素酸化、クロ
ム酸などが使用される。メチル基又はヒドロキシメチル
基のホルミル基への酸化には酸化剤として二酸化セレ
ン、酸化クロム、二酸化マンガンなどが使用される。ま
た、メチル基、ヒドロキシメチル基又はホルミル基のカ
ルボキシル基への酸化には、酸化剤として次亜塩素酸、
塩化ルテニウム、酸化クロムなどが使用される。これら
の酸化反応は原料化合物と酸化剤とを1モル:1〜10
モルの割合で混合することにより達成される。反応温度
は0〜150℃、望ましくは25〜100℃であり、反
応時間は0.5〜24時間である。また、これらの酸化
反応は酵素を使用して行われてもよい。酸化反応によっ
て得られるそれぞれの化合物は、水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤によりピ
ラノース環2位を還元することができる。これら還元反
応は原料化合物と還元剤とを1モル:0.3〜1モルの
割合で混合することにより達成される。反応温度は−7
8〜+50℃、望ましくは−20〜+15℃であり、反
応時間は5〜60分である。これら還元反応のうち、ホ
ルミル基の化合物は反応条件によりヒドロキシルメチル
基の化合物に還元されることもある。酸化又は還元され
た化合物は、更にピラノース環1位及び6位を加水分解
することができる。加水分解反応は酸の存在下に原料化
合物と水とを混合することにより達成される。反応温度
は0〜150℃、望ましくは25〜110℃であり、反
応時間は1〜12時間である。
【0016】出発物質である1,6−アンヒドロ−3,
4−ジデオキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキ
ソ−3−エノピラノース−2−ウロースに代えて次の化
合物を使用することができる。
【0017】
【化7】
【0018】(R1'及びR2'はそれぞれ独立に水素原子
又はアルキル基であり、但しR1'及びR2'が同時に水素
原子ではない) それらの化合物はヨーロッパ特許出願公開公報EP05
60055Aに記載された方法によって取得することが
できる。また、出発物質の一つ、1,6−アンヒドロ−
3,4−ジデオキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−
ヘキソ−3−エノピラノース−2−ウロースは公知の化
合物であるが、次の方法によって取得することができ
る。
【0019】
【化8】
【0020】参考例1 1,6−アンヒドロ−3,4−
ジデオキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−
3−エノピラノース−2−ウロースの合成 (1)1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−4−
S−フェニルチオ−β−D−エリスロ−ヘキソエノピラ
ノース−2−ウロースの合成 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−β−D−グ
リセロ−ヘキソ−3−エノピラノース−2−ウロース3
0gとチオフェノール29.4mlの乾燥クロロホルム
溶液に、0℃でトリエチルアミン2.5mlを加えた。
反応溶液を室温で30分攪拌した後、減圧下で溶媒を留
去した。得られたシロップ状の粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
4)で精製し、目的物を53g得た。
【0021】(2)1,6−アンヒドロ−3,4−ジデ
オキシ−4−フェニルチオ−β−D−グリセロ−ヘキソ
−3−エノピラノース−2−ウロースの合成 上記(1)で得た1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオ
キシ−4−S−フェニルチオ−β−D−ヘキソエノピラ
ノース−2−ウロース53gの乾燥四塩化炭素溶液50
0mlに0℃で、N−クロロスクシイミド33gを加
え、室温で5時間攪拌した。得られた反応溶液をセライ
トで濾過し、濾液を5%炭酸水素ナトリウム500ml
で1回洗浄した。更に飽和食塩水500mlで2回洗浄
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下
で溶媒を留去した。得られたシロップ状の粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:9)で精製し、目的物42gを得た。
【0022】(3)1,6−アンヒドロ−3,4−ジデ
オキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−
エノピラノース−2−ウロースの合成 窒素ガスの不活性雰囲気下、0℃で第一ヨウ化銅32.
9gに乾燥テトラヒドロフラン800ml中で、メチル
リチウム(ジエチルエーテル溶液、1.5M)230m
lを徐々に加え、15分攪拌した。反応混合物を−78
℃に冷却し、上記(2)で得た1,6−アンヒドロ−
3,4−ジデオキシ−4−フェニルチオ−β−D−グリ
セロ−ヘキソ−3−エノピラノース−2−ウロース40
gの乾燥テトラヒドロフラン溶液100mlを徐々に加
えた。更に15分攪拌した後、少量の塩化アンモニウム
水溶液を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物をセ
ライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗
生成物に酢酸エチル800mlを加え、飽和食塩水50
0mlで2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られたシロップ状
の粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、目的物12g
を得た。さらに、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオ
キシ−3,4−ジメチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−
3−エノピラノース−2−ウロースは次の方法によって
取得することができる。
【0023】
【化9】
【0024】参考例2 1,6−アンヒドロ−3,4−
ジデオキシ−3,4−ジメチル−β−D−グリセロ−ヘ
キソ−3−エノピラノース−2−ウロースの合成 (4)1,6−アンヒドロ−3−ブロモ−3,4−ジデ
オキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−
エノピラノース−2−ウロースの合成 上記(3)で得た1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオ
キシ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エ
ノピラノース−2−ウロース1gの乾燥四塩化炭素溶液
40mlに、−20℃で臭素0.74mlの四塩化炭素
溶液5mlを加えた。0℃で15分攪拌し、トリエチル
アミン3mlを滴下して加えた。室温で10分攪拌した
後、少量の水を加え塩化メチレン200mlで抽出し
た。飽和食塩水200mlで2回洗浄し、有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得
られたシロップ状の粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製
し、目的物を1.2g得た。このもののNMRの分析値
は次のとおり。
【0025】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z):2.22(3H,s);3.76(1H,d,J
=7.2Hz);3.91(1H,dd,J=7.2,
4.4Hz);4.96(1H,d,J=4.4H
z);5.51(1H,s)
【0026】(5)1,6−アンヒドロ−3−ブロモ−
3,4−ジデオキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−
ヘキソ−3−エノピラノース−2−ウロース エチレン
アセタールの合成 上記(4)で得た1,6−アンヒドロ−3−ブロモ−
3,4−ジデオキシ−4−メチル−β−D−グリセロ−
ヘキソ−3−エノピラノース−2−ウロース1.17g
とエチレングリコール3ml、バラトルエンスルホン酸
0.1gの乾燥トルエン溶液70mlを1時間加熱還流
した。反応溶液を室温にまで冷却し、70mlの酢酸エ
チルを加えた。この溶液を飽和食塩水200mlで2回
洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下
で溶媒を留去した。得られたシロップ状の粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:2)で精製し、1.25gの目的物を得た。
このもののNMRの分析値は次のとおり。
【0027】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z):1.90(3H,s);3.72(1H,dd,
J=6.4,3,6Hz);3.75(1H,d,J=
6.4Hz);4.02(1H,m);4.15(1
H,m);4.28(2H,m);4.66(1H,
d,J=3.6Hz);5.24(1H,s)
【0028】(6)1,6−アンヒドロ−3,4−ジデ
オキシ−3,4−ジメチル−β−D−グリセロ−ヘキソ
−3−エノピラノース−2−ウロース エチレン アセ
タールの合成 窒素ガスの不活性雰囲気下−78℃で、上記(5)でえ
た1,6−アンヒドロ−3−ブロモ−3,4−ジデオキ
シ−4−メチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エノ
ピラノース−2−ウロース エチレン アセタール1.
25gの乾燥テトラヒドロフラン溶液60mlにn−ブ
チルリチウム(ヘキサン溶液、1.6M)3.6mlを
徐々に加え、10分間攪拌した。この反応溶液にヨウ化
メチル1.48ml、HMPA1.65mlの乾燥テト
ラヒドロフラン溶液5mlを徐々に加えた。10分間攪
拌した後、ドライアイス浴を外し更に15分攪拌した。
この反応混合物に少量の飽和塩化アンモニウム水溶液を
加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル20
0mlで抽出し、飽和食塩水200mlで2回洗浄した
後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で
溶媒を留去し、得られたシロップ状の粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン
=1:2)で精製し、目的物を0.76g得た。このも
ののNMRの分析値は次のとおり。
【0029】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z):1.60(3H,s);1.73(3H,s);
3.67(1H,d,J=6.0Hz);3.70(1
H,dd,J=6.0,3.6Hz);3.98〜4.
18(4H,m);4.48(1H,d,J=3.6H
z);5.18(1H,s) mp.131〜134℃
【0030】(7)1,6−アンヒドロ−3,4−ジデ
オキシ−3,4−ジメチル−β−D−グリセロ−ヘキソ
−3−エノピラノース−2−ウロースの合成 上記(6)で得た1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオ
キシ−3,4−ジメチル−β−D−グリセロ−ヘキソ−
3−エノピラノース−2−ウロース エチレンアセター
ル1.05gのクロロホルム溶液5mlに、水5mlと
トリフルオロ酢酸10mlを加え、室温で5分間攪拌し
た。この反応混合物を1規定の水酸化ナトリウムで中和
し、クロロホルム200mlで抽出した。飽和食塩水2
00mlで2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られたシロッ
プ状の粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、目的物を
0.8g得た。このもののNMRの分析値は次の通り。
【0031】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z):1.76(3H,s);2.01(3H,s);
3.66(1H,d,J=6.8Hz);3.87(1
H,dd,J=6.8,4.4Hz);4.78(1
H,d,J=4.4Hz);5.35(1H,s)
【0032】また、前記参考例1(3)において、メチ
ルリチウムの代りにエチルリチウム、プロピルリチウム
などのアルキルリチウムを用いれば、R2 がメチル以外
のアルキル基を有する化合物を取得することができる。
またアルキルリチウムの代りにグリニヤール試薬を用い
ることもできる。R1 がメチル以外のアルキル基を有す
る化合物を取得するには、前記参考例2(6)において
ヨウ化メチルの代りにヨウ化エチル、ヨウ化プロピルな
どのアルキルヨウ化物を用いればよい。R1 及び/又は
2 のカルボキシル基はエステル化又はアミド化するこ
とができる。エステル化の反応は、カルボキシル基を有
する一般式(I)の化合物と炭素数1〜8のアルコール
とを脱水剤の存在下又は非存在下に混合することにより
達成される。この時の反応温度は−20℃〜+60℃で
あり、反応時間は1〜24時間である。アミド化の反応
は、カルボキシル基を有する一般式(I)の化合物とア
ンモニア、炭素数1〜8のアルキルアミン又は同ジ(ア
ルキル)アミンとを混合することにより達成される。こ
の時の反応温度は0℃〜150℃であり、反応時間は1
〜24時間である。また、R1 及び/又はR2 のヒドロ
キシル基はアシル化することができる。アシル化の反応
は、ヒドロキシル基を有する一般式(I)の化合物とカ
ルボン酸又はその反応性誘導体とを混合することにより
達成される。カルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハ
ロゲン化物、酸無水物又はエステルが挙げられ、反応に
酸ハロゲン化物を使用する場合には塩基が使用される。
この時の反応温度は−20℃〜+50℃であり、反応時
間は1〜24時間である。R3 が水素原子の場合、すな
わちエノピラノース環の6位がヒドロキシル基である場
合、R4 がヒドロキシル基である場合、又はXが水素原
子の場合、すなわちエノピラノース環2位がヒドロキシ
ル基である場合には、それらヒドロキシル基をアシル化
することができる。アシル化の反応は前記R1 及び/又
はR2 のヒドロキシル基のアシル化と同様の方法で達成
される。また、それらヒドロキシル基は硫酸化すること
ができる。硫酸化の反応は、ヒドロキシル基を有する一
般式(I)の化合物とSO3 −ピリジン コンプレック
スとを混合することにより達成される。このときの反応
温度は−30℃〜+25℃、望ましくは−10〜0℃で
あり、反応時間は1〜24時間である。反応にはピリジ
ンなどの溶媒を用いることができる。
【0033】前記一般式(I)で表わされるエノピラノ
ース誘導体又はその塩は、α−グルコシダーゼ阻害活性
を有し、また、免疫機能抑制活性も有する。α−グルコ
シダーゼ阻害剤としては、癌転移抑制剤、ウイルス性疾
患、糖尿病、高脂肪血症、炎症性疾患、自己免疫疾患、
拒絶反応およびアレルギー性疾患治療剤として使用する
ことができる。前記一般式(I)で表されるエノピラノ
ース誘導体又はその塩を医薬の有効成分として用いる場
合、患者の年齢、体重、病気の性質と程度、投与経路な
どの投与条件の違いにより一概に規定できないが、その
投与量は通常、成人1日当たり約50mg〜5000m
gであり、経口的ないし非経口的に投与される。薬剤投
与は、経口、静脈内、筋肉内、関節腔内、組織内、皮膚
経路、粘膜経路などの方法でおこなうことができる。投
与剤形としては、末剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、
糖衣剤、カプセル剤、注射剤、点鼻剤、懸濁剤、滴剤、
軟膏剤、シロップ、舌下錠、座剤、持続性放出製剤など
があげられる。これらは、通常の医薬の場合と同様に、
通常の医薬上許容される製剤担体を用い、常法により製
造することができる。
【0034】
【実施例】以下に本発明に係る化合物の合成例を記載す
る。 合成例1 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−
4−ホルミル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エノピ
ラノース−2−ウロース(化合物No.5)の合成 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−4−メチル
−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エノピラノース−2
−ウロース1.5gの乾燥1,4−ジオキサン溶液70
mlに二酸化セレン1.5gを加えた。この反応混合物
を窒素ガスの不活性雰囲気下、20時間加熱還流した。
薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで原料の消失
を確認した後、反応溶液を室温にまで冷却し、生じた沈
殿をセライトで濾過することにより除いた。濾液を減圧
下で濃縮し、得られたシロップ状の粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:2)で精製し、目的物を300mg得た。このもの
のNMRの分析値は次の通り。
【0035】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z):3.71(1H,d,J=6.8Hz);3.9
8(1H,dd,J=6.8,4.4Hz);5.43
(1H,d,J=4.4Hz);5.44(1H,d,
J=12Hz);6.64(1H,d,J=1.2H
z);9.82(1H,s) 合成例2 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−
4−カルボキシル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エ
ノピラノース−2−ウロース(化合物No.6)の合成 上記合成例1で得られた1,6−アンヒドロ−3,4−
ジデオキシ−4−ホルミル−β−D−グリセロ−ヘキソ
−3−エノピラノース−2−ウロース300mgのアセ
トニトリル3mlの溶液に、7.5%のリン酸水素ナト
リウム水溶液1.2mlと35%過酸化水素水溶液0.
13mlを加えた。得られた混合溶液に10℃以下で亜
塩素酸ナトリウム270mgを3mlの水に溶かして徐
々に加えた。一時間攪拌し、酸素ガスの発生が止んだと
ころで亜硫酸ナトリウム100mgを加え過剰の過酸化
水素を分解した。この反応混合物を1N塩酸で酸性に
し、酢酸エチル50mlを加え、室温で30分攪拌し
た。有機層を分離し、さらに同様の抽出操作を2回繰り
返した。得られた有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られたシロップ状
の生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(塩化メ
チレン:メタノール=4:1)で精製し、180mgの
目的物を得た。このもののNMRの分析値は次の通り。
【0036】1H NMR(CD3 OD,400MH
z):3.75(1H,d,J=7.1Hz);3.9
1(1H,dd,J=7.1,4.9Hz);5.24
(1H,d,J=1.6Hz);5.38(1H,d,
J=4.9Hz);6.41(d,J=1.6Hz) 合成例3 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−
4−ヒドロキシメチル−β−D−スレオ−ヘキソ−3−
エノピラノース(化合物No.29)の合成 1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−4−ホルミ
ル−β−D−グリセロ−ヘキソ−3−エノピラノース−
2−ウロース307mgのメタノール溶液15mlに、
0℃で水素化ホウ素ナトリウム151mgを徐々に加え
30分攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:メタノール=20:1)で精製し、188mgの目
的物を得た。このもののNMRの分析値は次の通り。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz):3.81
(1H,dd,J=6.4,3.6Hz);3.85
(1H,d,J=6.4Hz);4.13(1H,d
t,J=13.6,1.6Hz);4.17(1H,d
t,J=13.6,1.6Hz);4.35(1H,
m);4.73(1H,d,J=3.6Hz);5.5
2(1H,m);5.58(1H,m) 上記合成例3の場合に準じて下記の化合物が合成された
が、それらの物性値を記載する。
【0037】1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ
−4−カルボキシル−β−D−スレオ−ヘキソ−3−エ
ノピラノース(化合物No.31)1 H NMR(CD3 OD,400MHz):3.76
(1H,dd,J=6.4,4.4Hz);3.86
(1H,d,J=6.4Hz);4.36(1H,b
r,s);5.03(1H,d,J=4.4Hz);
5.37(1H,t,J=2.2Hz);6.32(1
H,t,J=2.2Hz) 本発明の有効成分であるエノピラノース又はその塩の代
表例を表1及び表2に記載する。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】試験例1〔α−グルコシダーゼ阻害活性〕 4−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシドを基質
としてα−グルコシダーゼを作用させ、加水分解させて
遊離する4−ニトロフェノールを比色法で定量すること
により測定した。即ち、40mU/mlのα−グルコシ
ダーゼ溶液(10mMリン酸緩衝液、pH7.2に溶
解)0.01mlと検体を含む溶液(10mMリン酸緩
衝液、pH7.2に溶解)0.01mlを混合した後、
1.5mg/mlの基質溶液(10mMリン酸緩衝液、
pH7.2に溶解)0.08mlを加えて反応を開始し
た。37℃、60分間反応後、1M炭酸ナトリウム0.
1mlを加えて反応を停止させ、405nmにおける吸
光度を測定した。検体を含む反応液の吸光度(A)と含
まない反応液の吸光度(B)を測定し、阻害率を(B−
A)/B×100により算出し、α−グルコシダーゼ活
性を50%阻害する濃度(IC50)を求めた。その試験
結果を表3に示す。なお、α−グルコシダーゼはサッカ
ロミセス属(Sacharomyces sp.)由来
のものを用いた。表3の結果は、本発明における有効成
分化合物がα−グルコシダーゼ阻害活性を有することを
示している。
【0041】
【表3】
【0042】試験例2〔免疫抑制活性〕 (a)マウス胸腺細胞を用いた幼若化反応に及ぼす作用 BALB/cマウス胸腺細胞を用いて、コンカナバリン
A(以下ConAと略す。ベクターラボラトリーズ社
製、製品No.L−1000)刺激によるリンパ球幼若
化反応に及ぼす一般式(I)の化合物の作用を検討し
た。即ち、胸腺細胞4×105 個をConA(5μg/
ml)及び一般式(I)の化合物と共に10%牛胎児血
清を含むRPMI1640溶液(以下10%FCS−R
PMI液と略す)にて96穴マイクロプレート内に48
時間培養した(インキュベーター中、5%CO2 、37
℃)。その後、0.5μCiの 3H−チミジン(以下 3
H−TdRと略す)を添加し、さらに4時間培養後、セ
ルハーベスターにて細胞を採取し、細胞内に取り込まれ
3H−TdRの放射活性(dpm)を測定した。これ
らの測定された 3H−TdRの細胞内への取込み量を胸
腺細胞の幼若化反応の指標とし、一般式(I)の化合物
の各濃度(0.001〜1000μg/ml)での放射
活性値をConA単独処理の対照値と比較して、IC50
値を算定し、この結果を表4に示した。この表4におい
て、胸腺細胞の結果を(a)として示す。これらの基本
操作については、細胞免疫実験操作法、144〜146
頁(今井勝行他訳、理工学社出版、1982年)を参考
とした。
【0043】(b)マウスリンパ球混合培養反応に及ぼ
す作用 BALB/c及びC57BL/6マウスの脾臓細胞を用
いて、2方向性のリンパ球混合培養反応に及ぼす一般式
(I)の化合物の作用を検討した。即ち、両系のマウス
の脾臓細胞各々5×105 個を混合し、一般式(I)の
化合物と共に10%FCS−RPMI液にて96穴マイ
クロプレート内に48時間培養した(インキュベーター
中、5%CO2 、37℃)。その後、0.5μCiの 3
H−TdRを添加し、更に16〜18時間培養後、セル
ハーベスターにて細胞を採取し、細胞内に取り込まれた
3H−TdRの放射活性(dpm)を測定した。これら
の測定された 3H−TdRの細胞内への取込み量をリン
パ球混合培養反応の指標とし、一般式(I)の化合物の
各濃度(0.001〜1000μg/ml)での放射活
性値を無処理の対照値と比較して、IC50値を算定
し、この結果を表4に示した。この表4において、リン
パ球混合培養反応の結果を(b)として示す。これらの
基本操作については、細胞免疫実験操作法、147〜1
49頁(今井勝行他訳、理工学社出版、1982年)を
参考とした。
【0044】
【表4】
【0045】〔毒性〕DBA/1jマウス、6周齢、雄
に本発明における有効成分化合物(10mg/kg)を
投与して死亡を調べた。その結果、投与したすべての化
合物において24時間後の死亡例はなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、公知のα−グルコシダ
ーゼ阻害剤とは化学構造が異なる新しいタイプのα−グ
ルコシダーゼ阻害剤が提供され、また免疫機能抑制剤も
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/35 ADP ADU ADY AED C07D 309/32 407/12 307 493/08 B 493/20 //(C07D 493/08 309:32 317:72) (C07D 493/08 309:30 317:72)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、ホル
    ミル基、カルボキシル基、C1-8 アルコキシカルボニル
    基、アミノカルボニル基、モノ若しくはジC1-8アルキ
    ルアミノカルボニル基又はホルミル、ヒドロキシル、ア
    シルオキシ、カルボキシル、C1-8 アルコキシカルボニ
    ル、アミノカルボニル又はモノ若しくはジC1-8 アルキ
    ルアミノカルボニルにより置換されたC1-8 アルキル基
    であり、R3 は水素原子、−SO3 H基又はアシル基で
    あり、R4 はヒドロキシル基、−O−SO3 H基、C
    1-8 アルコキシ基又はアシルオキシ基であり、R3 及び
    4 は一緒になって単結合を形成してもよく、Aは=O
    基又は−O−X基であり、Xは水素原子、−SO3 H基
    又はアシル基であり、但しR1 及びR2 が同時に水素原
    子でない)で表わされるエノピラノース誘導体又はその
    塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I−1)又は(I−2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は請求項1と同じ定
    義である)で表わされる請求項1のエノピラノース誘導
    体又はその塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I−1)又は(I−2)におい
    て、R1 が水素原子であり、R2 がホルミル基、カルボ
    キシル基、C1-8 アルコキシカルボニル基、アミノカル
    ボニル基、モノ若しくはジC1-8 アルキルアミノカルボ
    ニル基又はホルミル、ヒドロキシル、アシルオキシ、カ
    ルボキシル、C1-8 アルコキシカルボニル、アミノカル
    ボニル又はモノ若しくはジC1-8 アルキルアミノカルボ
    ニルにより置換されたC1-8 アルキル基であり、R3
    水素原子、−SO3 H基又はアシル基であり、R4 はヒ
    ドロキシル基、−O−SO3 H基、C1-8 アルコキシ基
    又はアシルオキシ基であり、R3 及びR4 は一緒になっ
    て単結合を形成してもよい、請求項2のエノピラノース
    誘導体又はその塩。
  4. 【請求項4】 一般式(I−1)又は(I−2)におい
    て、R1 が水素原子であり、R2 がホルミル基、カルボ
    キシル基又はヒドロキシメチル基であり、R3 が水素原
    子であり、R4 がヒドロキシル基であるか、又はR3
    びR4 が一緒になって単結合を形成している、請求項2
    のエノピラノース誘導体又はその塩。
  5. 【請求項5】 一般式(I−3)、(I−4)、(I−
    5)又は(I−6) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びXは請求項1と同
    じ定義である)で表わされる請求項1のエノピラノース
    誘導体又はその塩。
  6. 【請求項6】 一般式(I−3)、(I−4)、(I−
    5)又は(I−6)において、R1 が水素原子であり、
    2 がホルミル基、カルボキシル基、C1-8アルコキシ
    カルボニル基、アミノカルボニル基、モノ若しくはジC
    1-8 アルキルアミノカルボニル基又はホルミル、ヒドロ
    キシル、アシルオキシ、カルボキシル、C1-8 アルコキ
    シカルボニル、アミノカルボニル又はモノ若しくはジC
    1-8 アルキルアミノカルボニルにより置換されたC1-8
    アルキル基であり、R3 は水素原子、−SO3 H基又は
    アシル基であり、R4 はヒドロキシル基、−O−SO3
    H基、C1-8 アルコキシ基又はアシルオキシ基であり、
    3 及びR4 は一緒になって単結合を形成してもよく、
    Xは水素原子、−SO3 H基又はアシル基である、請求
    項5のエノピラノース誘導体又はその塩。
  7. 【請求項7】 一般式(I−3)、(I−4)、(I−
    5)又は(I−6)において、R1 が水素原子であり、
    2 がホルミル基、カルボキシル基又はヒドロキシメチ
    ル基であり、R3 が水素原子であり、R4 がヒドロキシ
    ル基であるか、又はR3 及びR4 が一緒になって単結合
    を形成し、Xが水素原子である、請求項5のエノピラノ
    ース誘導体又はその塩。
  8. 【請求項8】 一般式(I)のエノピラノース誘導体又
    はその塩を有効成分として含有するα−グルコシダーゼ
    阻害剤。
  9. 【請求項9】 一般式(I)のエノピラノース誘導体又
    はその塩を有効成分として含有する免疫機能抑制剤。
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