JPH086054B2 - 剥離性樹脂組成物 - Google Patents

剥離性樹脂組成物

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JPH086054B2
JPH086054B2 JP29868193A JP29868193A JPH086054B2 JP H086054 B2 JPH086054 B2 JP H086054B2 JP 29868193 A JP29868193 A JP 29868193A JP 29868193 A JP29868193 A JP 29868193A JP H086054 B2 JPH086054 B2 JP H086054B2
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一宏 村尾
正明 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物品等の表面に塗布乾
燥後剥離性の皮膜を形成する剥離性樹脂組成物に関する
もので、広範な用途に効果的に利用され得る剥離性樹脂
組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】物品表
面上に、主として該物品表面の保護を目的として、皮膜
を形成させて置き、該物品を使用する際に該皮膜を剥離
し物品自体の表面を露出させる所謂“ストリッパブルペ
イント”は、剥離性塗料組成物として、従来より種々の
ものが提案されている。
【0003】しかし、従来のこの種の“ストリッパブル
ペイント”は、例えば特公昭44─28792号公報、
特公昭49─8690号公報にて、提案されているもの
の、種々の重大な物性的欠陥を有している。
【0004】例えば、換気扇の油汚染防止用として使用
する場合を考えると、耐熱剥離性の点で著しく劣る。換
気扇は通常材質はAS樹脂である。これらの換気扇に前
述の公報に記載のストリッパブルペイントを塗工すると
換気排気時の蒸気などによる加熱により、半年後には剥
離不能になる。また被膜乾燥時に加熱した場合も同様で
ある。従来技術では、かくの如く、プラスチックスに対
しては耐熱剥離性の点で使用に耐えない物が多い。また
被膜の透明性においては、不透明な物が多く美観を損な
うケースがほとんどである。特に台所まわりのステンレ
ス保護板に塗布する場合には顕著に問題化する。更に
は、このような保護板などの垂直面に塗工するとタレや
すく、塗布不要な部分を汚損したり、剥離性を維持する
為に必要な被膜が得られなかったりするなどの重大な欠
陥をも有している。
【0005】従って、本発明の目的は、上述の欠陥を解
消した、更に改良された剥離性樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
請に応え得る“ストリッパブルペイント”を提供するこ
とを目的として種々検討した結果、特定の水分散樹脂
に、複数の特定の成分を併用することにより、広範な用
途に好適する剥離性樹脂組成物が得られることを知見し
た。
【0007】本発明は、水分散樹脂80〜99重量%、
アミド化合物0.1〜8重量%、アニオン系界面活性剤
0.01〜10重量%及び多価アルコール0.01〜5
重量%を含有してなり、剥離可能な皮膜を形成する、剥
離性樹脂組成物であって、上記水分散樹脂が、重合性不
飽和結合を有する単量体を、界面活性剤、及び該単量体
に対して1〜10重量%のアニオン化ポリビニルアルコ
ールの存在下に乳化重合して得られた水分散樹脂である
剥離性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】また、本発明の剥離性樹脂組成物は、上記
水分散樹脂に、上記三成分を併用することにより、特に
プラスチックス基材に対する耐熱剥離性、被膜透明性、
塗工性に優れた良好な皮膜が形成され、水分散樹脂とし
て、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族系ビ
ニル単量体、ビニルエステル系単量体及びアクリルニト
リル系単量体からなる群から選ばれた一種若しくは二種
以上の単量体から得られるものを用いた場合に一層効果
である
【0009】以下、本発明の剥離性樹脂組成物について
詳述する。本発明の剥離性樹脂組成物に用いる水分散樹
脂は、重合性不飽和結合を有する単量体を、界面活性
剤、及び該単量体に対して1〜10重量%のアニオン化
ポリビニルアルコールの存在下に乳化重合して得られた
水分散樹脂からなり、この水分散樹脂を得るために用い
る上記の重合性不飽和結合を有する単量体は、通常ラジ
カル重合性を有する二重結合を一つ以上含有する化学物
質であり、その好ましい具体例としては、例えば(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単
量体、芳香族系ビルニ単量体、アクリルニトリル系単量
体等を挙げることができる。
【0010】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2
エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル
酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブ
チル、メタアクリル酸2エチルヘキシル等を挙げること
ができ、これらの中で好ましいものは、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、
メタアクリル酸メチル等である。ビニルエステル系単量
体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ヴァーサチック酸ビニル等を挙げるこ
とができ、これらの中で好ましいものは酢酸ビニル、ヴ
ァーサチック酸ビニル等である。
【0011】芳香族系ビニル単量体としては、例えばス
チレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルス
チレン、ブチルスチレン、ベンジルスチレン、クロルス
チレン等を挙げることができ、これらの中で好ましいも
のはスチレン、メチルスチレン等である。
【0012】アクリルニトリル系単量体としては、例え
ば、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル等を挙げ
ることができ、アクリルニトリルが好ましい。 本発明
における前記水分散樹脂を得るに際しては、上述の各単
量体を、一種のみ使用しても或いは二種以上組合せて使
用しても良い。
【0013】また、上述の単量体に他の単量体を併用し
て使用することもできる。使用できる他の単量体として
は、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体、架橋性単量体、(メタ)アクリル酸アミド系単
量体、ハロゲン化ビニル系単量体、オレフィン系単量体
等が挙げられる。
【0014】カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、無水
マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル
酸、イタコン酸等が挙げられるが、好ましくは、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、イタコン酸等が使用される。
【0015】架橋性単量体としては、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコール
ジメタアクリレート、ヘキシレングリコールジメタアク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ヘキシ
レングリコールジアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタアクリレート等が挙げられる。
【0016】その他の単量体としては、アクリルアマイ
ド、メタアクリルアマイド、N−メチロールアクリルア
マイド、N−メチロールメタアクリルアマイド、N,
N’ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、タ
ーシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、アミ
ノエチルアクリレート、アミノエチルメタアクリレー
ト、ビニルピリジン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙
げられる。
【0017】上記水分散樹脂を得る上で、上記単量体の
一種又は二種以上を如何なる組合せで選択使用しても良
いが、上記水分散樹脂としては、アクリル酸ブチル単量
体100重量部と、アクリルニトリル単量体、メタアク
リル酸メチル単量体、又はスチレン単量体15〜200
重量部、好ましくは20〜150重量部、更に好ましく
は20〜120とを組合せ使用して得られた水分散樹脂
からなるが好ましく、特にアクリル酸ブチル単量体と
アクリルニトリル単量体とを上記重量比で組合せて使用
して得られた水分散樹脂からなるものが好ましい。
【0018】また、上記水分散樹脂は、その粘度、固形
分、pH、ガラス転位温度(Tg)、分子量、及び平均粒
子径等により、必ずしも制限されるわけではなく、ま
た、本発明の剥離性樹脂組成物の用途に応じ変化させる
ことができるが、一般に、固形分(JIS−K682
3)濃度が10〜70重量%、好ましくは20〜70重
量%、特に好ましくは30〜65重量%、粘度(BH型
回転粘度計20rpm 25℃)が、10〜10000cps
、好ましくは500〜8000cps 、特に好ましくは
500〜5000cps 、pHが、2〜10、好ましくは3
〜9、特に好ましくは4〜9、平均粒子径が0.01〜
0.6μ、好ましくは0.02〜0.5μ、特に好まし
くは0.05〜0.5μのものが用いられ、特に、固形
分濃度及び粘度が上記の好ましい範囲にあるものを用い
ることによって高品質の本発明の剥離性樹脂組成物を形
成することができる。尚、上記水分散樹脂の固形分中の
樹脂分濃度は、通常99〜90%であり、好ましくは9
7〜92%のものが使用される。
【0019】また、上記水分散樹脂を形成する、前記単
量体から得られる単独重合体又は共重合体は、ガラス転
位温度(以下、Tgと略す)が一般に229〜303
K、より好ましくは233〜283Kであるものが用い
られ、Tgが上記範囲の単独重合体又は重合体で形成さ
れた水分散樹脂を用いることにより、冬期、夏期を通じ
て、優れた剥離性及びタックを呈する本発明の剥離性樹
脂組成物を得ることができる。尚、前記Tgは、次式の
計算式によるものとする。 Tgの計算式;1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・・+Wn/Tgn 式中、Tg、Tgnは、絶対温度で表示。Wnは重合体
の各単量体成分の重量分率を示す。尚、各単量体の重合
体のTgは下記〔表1〕に示した。
【0020】
【表1】
【0021】また、前記単量体から、本発明における水
分散樹脂を得る際の重合手段である乳化重合法は、公知
の方法に準じて水性媒体中で触媒の存在下において、界
面活性剤及びアニオン化ポリビニルアルコールの共存条
件下で行う。
【0022】上記の乳化重合に用いられる界面活性剤と
しては、アニオン系界面活性剤として、例えば、オレイ
ン酸ソーダ、半硬化牛脂ソーダ、オレイン酸カリ等の脂
肪酸塩、ラウリル硫酸エステルソーダ、高級アルコール
硫酸エステルソーダ、ラウリルアルコール硫酸エステル
トリエタノールアミン塩、ラウリルアルコール硫酸エス
テルアンモニウム塩等の高級アルコール硫酸エステル
塩、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ等のアルキル
ベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォ
ン酸ソーダ等のアルキルナフタレンスルフォン酸塩、ナ
フタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ジオクチルス
ルフォ琥珀酸ソーダ等のジアルキルスルフォ琥珀塩、ア
ルキルリン酸塩、及び上記アニオン系界面活性剤に酸化
エチレンを付加したもの等があげられ、これらは、単独
で使用しても又二種以上を併用して使用しても良い。
【0023】また、上記アニオン系界面活性剤に、ノニ
オン系の界面活性剤、例えばポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキ
シエチレンアルキルエステル、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノステアレート等のソルビタンエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等の
ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリ
オキシエチレンポリプロピレンブロックポリマー、ポリ
エチレングリコール等を併用することもできる。
【0024】更に、両性界面活性剤、例えば、ジメチル
アルキルベタイン、ラウリルベタイン、ステアリルベタ
イン等のベタイン型両性界面活性剤、少量のカチオン界
面活性剤等を併用することもできる。
【0025】更に、上記の乳化重合に際して利用する触
媒としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、タ
ーシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等があ
げられ、好ましくは過硫酸塩、過酸化水素を例示するこ
とができる。
【0026】また、上記アニオン化ポリビニルアルコー
ルを、単量体合計に対して、1〜10重量%、好ましく
は0.5〜5重量%使用することにより、本発明の剥離
性樹脂組成物塗布使用時において良好なレベリング性
とタレ防止性を兼ね備え、且つ剥離時皮膜強度
、薄膜でも剥離し易く、更には耐水密着性に優れると
いう特性付与される。このアニオン化ポリビニルアル
コールとしては、例えば、アルコール溶媒の存在下でオ
レフィンスルホン酸アルカリ塩と酢酸ビニルとをオレフ
ィンスルホン酸アルカリ塩の含有量が0.5〜7モル%
になる如く共重合せしめた共重合体をケン化して得られ
る変性ポリビニルアルコールが挙げられ、市販品として
はゴーセランL−3266(ケン化度86〜89%、重
合度250〜300、日本合成化学工業(株)製)を挙
げることができる。
【0027】又、乳化重合に際して、所望により、還元
剤を併用することができる。その例としては、アスコル
ビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化
合物、チオ硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ、重亜硫酸ソー
ダ、メタ重亜硫酸ソーダ等を例示できる。
【0028】乳化重合における反応温度は適宜に選択で
きるが、例えば約40〜約90℃の如き温度を例示でき
る。反応に際して、所定の界面活性剤の全量を反応系に
添加することもできるが、一部を予め反応系に添加して
反応を開始し、残部を反応中に連続的に添加若しくは間
隔をおいて分割添加することもでき、後者の方が好まし
い。又、各々の単量体についても、そのまま一括添加、
或いは分割添加、或いは又連続添加することができる
が、反応制御の上から連続添加することが好ましい。
【0029】前述の界面活性剤、触媒以外に、乳化重合
中にpH調節剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加でき
る。
【0030】本発明の剥離性樹脂組成物において上記水
分散樹脂は、皮膜形成物質として用いるものであり、剥
離性樹脂組成物中の上記水分散樹脂の含有量は、80〜
99重量%、好ましくは85〜97重量%である。
【0031】また、本発明の剥離性樹脂組成物は、上
分散樹脂と共に、添加剤として、アミド化合物、アニ
オン系界面活性剤、及び多価アルコールを含有してなる
ものであり、次にこれらの添加剤について説明する。
【0032】上記アミド化合物は、本発明の剥離性樹脂
組成物に、主として剥離後の基板に曇りを残さず且つ良
好な剥離性を付与する機能を有するもので、該アミド化
合物としては、例えば、ステアリン酸アミド、リシノー
ル酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アマイド等
の有機カルボン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸
アミド等のエチレンビスアマイド、ステアリンサルファ
ナミドカルボン酸等のアルキルサルファナミドカルボン
酸及びその塩等があげられ、好ましくはステアリン酸ア
ミド、アルキルサルファナミドカルボン酸ソーダ等があ
げられ、その使用量は、本発明の剥離性樹脂組成物中、
0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜6重量%、更に
好ましくは0.5〜4重量%である。
【0033】また、上記アニオン系界面活性剤は、本発
明の剥離性樹脂組成物に、主として該組成物により形成
された皮膜の長期経過後の剥離性を付与する機能を発揮
するもので、該アニオン系界面活性剤としては、前記水
分散樹脂を得る際の乳化重合時に使用しうるアニオン系
界面活性剤が挙げられ、好ましくはソジウムウラリルサ
ルフェート、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ等が
あげられ、その使用量は本発明の剥離性樹脂組成物中、
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜7重量
%、更に好ましくは0.1〜3重量%である。
【0034】また、前記多価アルコールは、本発明の剥
離性樹脂組成物に、主として加熱(太陽熱或いは乾燥時
の加熱)された場合における良好な剥離性を付与する機
能を発揮するもので、該多価アルコールとしては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、カテコール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、エリスリトール、グリセリンモノアルキルエステ
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等が例示でき、好ましくはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等があげられ、その使用
量は、本発明の剥離性樹脂組成物中、0.01〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは
0.1〜2重量%である。 また、前記アミド化合物、
アニオン系界面活性剤、及び多価アルコールは100:
5〜50:1〜30の重量比で使用するのが剥離性、剥
離面のくもり等の点で好ましい。
【0035】また、本発明の剥離性樹脂組成物には、前
述の添加物以外にワックス、皮膜形成助剤、消泡剤、可
塑剤、増粘剤、pH調節剤、防腐剤、防黴剤、凍結防止剤
等を適宜加えることができる。
【0036】ワックスは、天然乃至合成の蝋、パラフィ
ン、ワックスを指し、例えば、天然の動植物系の鯨油、
カーナバ蝋、蜜蝋、羊脂、カンデリラ蝋、モンタン蝋、
シナ蝋、木蝋、石油系のパラフィン蝋、ペトロラタム、
流動パラフィン、合成系のポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のワックス、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げら
れる。好ましい例としては、流動パラフィン、合成ワッ
クスエマルジョンが挙げられる。ワックスは、本発明の
剥離性樹脂組成物の乾燥後の剥離性をより一層あげる効
果を有し、使用量は、水分散樹脂100重量部に対し
通常、約0〜6重量部、好ましくは0.5〜4重量部で
ある。
【0037】皮膜形成助剤としては例えばメチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、ジブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブア
セテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカル
ビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、
ベンジルアルコール、ベンジルアセテート、トルエン、
キシレン、石油系炭化水素、テキサノール等が挙げら
れ、好ましくはブチルカルビトール、ブチルセロソルブ
アセテート、ブチルカルビトールアセテート、テキサノ
ール等であり、本発明の剥離性樹脂組成物が皮膜を形成
する場合、皮膜形成温度を下げる効果があり、その使用
量は一般に水分散樹脂100重量部に対して約0.5〜
15重量部、好ましくは約1〜8重量部である。 消泡
剤は、例えば、シリカシリコーン系、シリコーン系、金
属石鹸系、脂肪酸アミド系、脂肪酸エステル系、ポリエ
ーテル系、ポリグリコール系、有機リン酸系、高級アル
コール系、スルフォン化脂肪酸系、油溶性ポリマー系等
があげられ、好ましくはシリコーン系、シリカシリコー
ン系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、或いはこれらの複
合系等であり、本発明の剥離性樹脂組成物を輸送する
時、小分けする時、及び塗布する時等の消泡効果を奏
し、その使用量は、一般に水分散樹脂100重量部に対
して0.001〜1重量部である。
【0038】また、本発明の剥離性樹脂組成物は、用途
に応じ、例えばウインドペイント、上水管口への塗布、
メッキ用マスキング等使用時に剥離する事を忘れてはな
らない用途に供する場合には、着色剤を剥離性樹脂組成
物中に、通常、1〜20重量%、好ましくは1〜15重
量%含有することができる。
【0039】本発明の剥離性樹脂組成物は、叙上の如き
組成からなるもので、本発明の剥離性樹脂組成物におけ
る各成分の好ましい使用量(組成)を纏めて示すと次の
通りである。 重量部 ・上記水分散樹脂 85 〜97 ・アミド化合物 0.5 〜 6 ・アニオン系界面活性剤 0.1 〜 3 ・多価アルコール 0.1 〜 2
【0040】また、本発明の剥離性樹脂組成物は、更に
好ましくは、上記組成に対し、次の各成分を次の使用量
で含有するものである。 重量部 ・皮膜形成助剤 0.8 〜 8 ・ワックス 0.4 〜 4 ・消泡剤 0.001〜 1 ・防腐剤 0.01 〜 2 ・増粘剤 0.01 〜 5 ・可塑剤 0 〜 2 ・着色剤 1 〜 20
【0041】尚、本発明の特許請求の範囲には、本発明
の剥離性樹脂組成物に着色剤として黒色顔料又は白色顔
料を添加し、これを、文字等を書く墨汁又は白汁用組成
物としての用途に供する場合は含まれない。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
【0043】実施例1 〔実施例1−1〕撹拌機付き容量2リットルのガラスフ
ラスコに、水400g、アニオン変性ポバール(ゴーセ
ランL−3266)5gを加え溶解する。一方、水13
0gにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキサイド付加モル数約30モル)20g、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ソーダ3gを溶解して得た界
面活性剤水溶液に、アクリル酸ブチル370g、アクリ
ルニトリル230gを加え撹拌混合し単量体混合物を得
る。次いで、上記フラスコ内を窒素置換した後、該フラ
スコ内の水溶液中に、反応温度70℃に維持しながら、
上記単量体混合物、4%過硫酸アンモニウム水溶液50
gおよび4%メタ重亜硫酸ナトリウム50gを5時間に
わたって添加して乳化、重合を行い、固形分約50%の
エマルジョン(水分散樹脂)を得た。
【0044】〔実施例1−2〕上記〔実施例1−1〕で
得られたエマルジョン100部にラウリルサルファナミ
ドカルボン酸Na3部、ラウリルサルフェートNa塩30%
水溶液1.8部、エチレングリコール0.5部、増粘
剤、調整水を加え、粘度約2700cps 、固形分約47
%、pH6.2の剥離性樹脂組成物を得た。上記剥離性樹
脂組成物を、表面の平滑な合成樹脂板上に、塗布厚約2
00μになるように塗布し、30℃で2時間加熱乾燥し
た後、剥離抵抗を測定したところ、剥離抵抗は195g
/cmであった。
【0045】実施例2 〔実施例2−1〕撹拌機付き容量2リットルのガラスフ
ラスコに、水400g、アニオン変性ポバール(ゴーセ
ランL−3266)5gを加え溶解する。一方、水13
0gにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エ
チレンオキサイド付加モル数約30モル)20g、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ソーダ3gを溶解して得た界
面活性剤水溶液に、アクリル酸ブチル370g、アクリ
ルニトリル230gを加え撹拌混合し単量体混合物を得
る。次いで、上記フラスコ内を窒素置換した後、該フラ
スコ内の水溶液中に、反応温度70℃に維持しながら、
上記単量体混合物、4%過硫酸アンモニウム水溶液50
gおよび4%メタ重亜硫酸ナトリウム50gを5時間に
わたって添加して乳化、重合を行い、固形分約50%の
エマルジョン(水分散樹脂)を得た。
【0046】〔実施例2−2〕上記〔実施例2−1〕で
得られたエマルジョン100部にラウリルサルファナミ
ドカルボン酸Na、流動パラフィンの当量混合物3部、ラ
ウリルサルフェートNa塩30%水溶液1.8部、エチレ
ングリコール0.5部、ブチルカルビトール3部、トリ
ブトキシフォスフェート1.0部、消泡剤0.1部、防
腐剤0.1部、増粘剤、調整水を加え、粘度約2700
cps 、固形分約47%、pH6.2の剥離性樹脂組成物を
得た。上記剥離性樹脂組成物について、〔実施例1−
2〕と同様にして、剥離抵抗を測定したところ、剥離抵
抗は100g/cmであった。
【0047】実施例3 〔実施例3−1〕撹拌機付き容量2リットルのガラスフ
ラスコに、水400g、アニオン変性ポバール(ゴーセ
ランL−3266)20g、ラウリルサルフェートNa塩
30%水溶液2gを加え溶解する。一方、水130gに
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレン
オキサイド付加モル数約30モル)5g、ラウリルサル
フェートNa塩30%水溶液20gを溶解して得た界面活
性剤水溶液に、アクリル酸ブチル390g、アクリルニ
トリル180g、メタクリル酸メチル30gの混合液を
加え撹拌混合し、単量体混合物を得る。次いで、上記フ
ラスコ内を窒素置換した後、該フラスコ内の水溶液中
に、反応温度70℃に維持しながら、上記単量体混合
物、4%過硫酸アンモニウム水溶液50gおよび4%メ
タ重亜硫酸ナトリウム50gを5時間にわたって添加し
て乳化、重合を行い、固形分約50%のエマルジョン
(水分散樹脂)を得た。
【0048】〔実施例3−2〕上記〔実施例3−1〕で
得られたエマルジョン100部にラウリルサルファナミ
ドカルボン酸Na、流動パラフィンの当量混合物2.5
部、ドデシルベンゼンスルフォン酸Na0.5部、エチレ
ングリコール0.3部、ブチルカルビトール2部、トリ
ブトキシフォスフェート0.3部、消泡剤0.1部、防
腐剤0.1部、増粘剤、調整水を加え、粘度約3100
cps 、固形分約45%、pH6.0の剥離性樹脂組成物を
得た。上記剥離性樹脂組成物について、実施例1と同様
にして、剥離抵抗を測定したところ、150g/cmであ
った。
【0049】実施例4〜7 エマルジョン製造時の界面活性剤を下記〔表2〕に示す
如く変えた以外は、〔実施例1−1〕と同様にして種々
のエマルジョン(水分散樹脂)を得、さらに、得られた
エマルジョンを用い、樹脂組成及び配合添加物を下記
〔表2〕に示す如く変えた以外は〔実施例1−2〕と同
様にして、種々の組成物を得、得られた組成物を、それ
ぞれ実施例1と同様なテストに供した。その結果を、下
記〔表3〕に実施例1〜3の結果と共に示す。尚、〔表
3〕中の剥離性は、10点法で評価し、容易に完全に剥
離した場合を10とし、剥離できないものを1として示
した。また、〔表3〕中には組成物の構成成分である樹
脂のTgも示した。また、上述した実施例1〜7で得ら
れた剥離性樹脂組成物について、下記測定法及び評価基
準に従って、水浸漬後の剥離抵抗と耐水性とを試験し
た。その結果も併せて〔表3〕に示す。
【0050】〔測定法〕 −水浸漬後の剥離抵抗− 剥離性樹脂組成物を、表面の平滑な合成樹脂板上に塗布
厚約200μになるように塗布し、30℃で2時間加熱
乾燥した試料片を、水中に1時間浸漬した後、剥離抵抗
を測定した。
【0051】〔耐水性の評価基準〕 ○:水浸漬後の上記試験片において塗膜が板上に密着し
ており、且つ容易に剥離する。 △:水浸漬後の上記試験片において塗膜が板上に密着し
ているが剥離しにくい。 ×:水浸漬後の上記試験片において塗膜が板上に密着せ
ずに自然に剥離する。
【0052】比較例1 アニオン変性バールを用いない以外は、実施例1と同
様にして、粘度約1500cps 、固形分約47%、pH
6.2の剥離性樹脂組成物を得た。上記剥離性樹脂組成
物を、表面の平滑な合成樹脂板上に、塗布厚約200μ
になるように塗布し、30℃で2時間加熱乾燥した後、
剥離抵抗を測定したところ、剥離抵抗は2300g/cm
であった。更に、上述の実施例1〜7と同様の試験を行
なった。その結果を〔表3〕示す。
【0053】比較例2 アニオン変性バールを未変性のポリビニルアルコール
であるバール〔(株)クラレ製「PVA−205」〕
5gに代えた以外は、実施例1と同様にして、粘度約2
000cps 、固形分約47%、pH6.2の剥離性樹脂組
成物を得た。上記剥離性樹脂組成物を、表面の平滑な合
成樹脂板上に、塗布厚約200μになるように塗布し、
30℃で2時間加熱乾燥した後、剥離抵抗を測定したと
ころ、剥離抵抗は115g/cmであった。更に、上述の
実施例1〜7と同様の試験を行なった。その結果を〔表
3〕に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】使用例1 実施例2で得た配合物をAS樹脂製換気扇にハケで塗布
し、25℃で1時間乾燥後使用を開始し、家庭において
6ケ月間使用した。6ケ月後換気扇は油などにより汚染
されていたが、被膜は容易に剥離でき、剥離後の換気扇
は清浄で使用前と変わらなかった。
【0057】使用例2 実施例3で得た配合物を家庭厨房廻りのステンレス保護
板にハケで塗布した。タレる事もほとんどなく塗工性は
良好で被膜も透明であった。室温で乾燥後使用を開始
し、6ケ月間使用した。ガスレンジからの熱気などかな
り熱履歴を受けたが、6ケ月後には、被膜は容易に剥離
でき、剥離後のステンレス板は清浄で使用前と変わらな
かった。
【0058】使用例3 実施例1で得た配合物で更に赤色の着色ペイント(エマ
ルジョンカラー)を添加し、ガラス窓にハケで「×」印
を書いた。被膜は光沢があり鮮明であった。日光、螢光
灯の照射を受けたが、自然剥離する事もなく、3ケ月後
には容易に剥離できた。
【0059】使用例4 実施例1で得た配合物を実験室内の塩ビタイル上にハケ
で塗工した。6ケ月間、歩行による影響、清掃時の水分
の影響などを受けたが、6ケ月後には、容易に剥離で
き、塩ビタイルは使用前と何等変わらず清浄であった。
【0060】
【発明の効果】本発明の剥離性樹脂組成物は、上述の欠
陥を解消した、更に改良されたものであり、上述の構成
からなる本発明の剥離性樹脂組成物の用途を、各用途に
おける効果と共に例示すると次の通りである。
【0061】〔用途〕換気扇及び厨房機器等の表面への
コーティング 〔効果〕・油汚れ防止。 ・清浄作業は、被膜を剥離する丈で良いから、清浄作業
時に被洗浄物を傷つけるような心配が無い。 ・取りはずして洗浄出来ない部分に有効。
【0062】〔用途〕ウインドペイント 〔効果〕・塗布乾燥後のペイントは、光沢が有り外観が
美しい。 ・ペイントの除去が容易。 ・雨にぬれても消えない。 ・ペイントを塗布乾燥後、別のペイントを塗り重ねても
すでに塗ったペイントがにじんだりしない。 ・ペイントを塗布乾燥後、被膜中に字等をくり抜き形成
することができる。 ・建設中における“窓ガラス注意”の喚起。
【0063】〔用途〕エポキシライニング上下水管(内
部)コーティング 〔効果〕・野積みされる上下水管のエポキシライニング
部に生じるチョーキングの防止(使用時に被膜を剥離す
る)。 ・内部に汚れがつかない。
【0064】〔用途〕メッキ用マスキング 〔効果〕・メッキ不要部分のマスキング。
【0065】〔用途〕工場の床、実験台の上へのコーテ
ィング 〔効果〕・油や薬品その他汚染物質の付着及び傷等から
の基材の保護。
【0066】〔用途〕塗装時のマスキング 〔効果〕・被塗装物の形状上、シートでマスキングしに
くいところにも容易にマスキング可能。 ・塗料に侵されにくい。 ・塗布乾燥後くり抜き塗装も可能。
【0067】〔用途〕石膏製品の表面へのコーティング 〔効果〕・肖像などの石膏製品の汚れ防止及び傷つき防
止。
【0068】〔用途〕ICを含む部品表面へのコーティ
ング 〔効果〕・ゴミ、腐蝕、汚れ等の付着防止。 ・導電性塗料のように塗料化して塗布しておき磁気から
保護する(ハウジング、アセンブリ時に皮膜を剥離す
る)。
【0069】〔用途〕冷間加工用 〔効果〕・金属の冷間加工時の傷つき防止。
【0070】〔用途〕文字塗装原版へのコーティング 〔効果〕・スプレー塗装する時の文字原版に塗布し、塗
料が多量に着いたら剥離する(作業環境の改善、従来塗
料を溶剤で洗って除去していた)。
【0071】〔用途〕ヘルメットへのコーティング 〔効果〕・汚れ防止。 ・傷つき防止。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分散樹脂80〜99重量%、アミド化
    合物0.1〜8重量%、アニオン系界面活性剤0.01
    〜10重量%及び多価アルコール0.01〜5重量%を
    含有してなり、剥離可能な皮膜を形成する、剥離性樹脂
    組成物であって、 上記水分散樹脂が、重合性不飽和結合を有する単量体
    を、界面活性剤、及び該単量体に対して1〜10重量%
    のアニオン化ポリビニルアルコールの存在下に乳化重合
    して得られた水分散樹脂である剥離性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記重合性不飽和結合を有する単量体
    が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族系ビ
    ニル単量体、ビニルエステル系単量体及びアクリルニト
    リル系単量体からなる群から選ばれた一種若しくは二種
    以上の単量体である、請求項1記載の剥離性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 上記水分散樹脂が、アクリル酸ブチル単
    量体100重量部と、アクリルニトリル単量体、メタア
    クリル酸メチル単量体、又はスチレン単量体15〜20
    0重量部、好ましくは20〜150重量部、更に好まし
    くは20〜120重量部とを組合せ使用して得られる、
    請求項1記載の剥離性樹脂組成物。
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