JPH086219B2 - 複合交絡糸の製造法 - Google Patents

複合交絡糸の製造法

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JPH086219B2
JPH086219B2 JP62054934A JP5493487A JPH086219B2 JP H086219 B2 JPH086219 B2 JP H086219B2 JP 62054934 A JP62054934 A JP 62054934A JP 5493487 A JP5493487 A JP 5493487A JP H086219 B2 JPH086219 B2 JP H086219B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,糸条表面にループやたるみが形成された芯
鞘構造糸であって,ウオーム感とボリウム感を有し,か
つ抗ピル性の良好な織編物に好適な複合交絡糸の製造法
に関するものである。
(従来の技術) 従来,合成繊維のマルチフイラメント糸からなるスパ
ンライク加工糸の製造法は種々知られている。例えば、
特開昭59−125930公報には,2本以上のマルチフイラメン
ト糸に糸長差を与えて混繊交絡して芯鞘構造糸とする際
に,鞘糸として結晶化が十分進み,配向度の低いフイラ
メント糸を用いることが提案されている。また,特公昭
59−21970号公報には,複屈折が0.02以上異なる2種以
上のポリエステルフイラメント未延伸糸を合糸して延伸
仮撚加工し,糸長差が8%以上の芯鞘二層構造糸とし,
引き続き空気噴射ノズルを通過させて糸条間に交絡を形
成させる方法等が提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら,前者の方法による加工糸は,鞘糸を構
成するフイラメントが低強度,低伸度であるので,混繊
交絡させる際にフイラメントが不均斉に切断されて,外
観が損われ易く,製編織工程でトラブルが多発するおそ
れがある。また,後者の方法は,2種以上の未延伸糸を合
糸して同一のフイード率で延伸仮撚加工するので,これ
らの糸条が強く集束された糸条となり,後続の空気噴射
ノズルによる処理によって十分撹乱処理ができず,十分
なボリウム感が付与できない等の欠点がある。
本発明は,上述のごとき従来の欠点を解消するもので
あり,その目的は優れたウール様のウオーム感とソフト
なボリウム感を有し,かつ製編織性に優れ,しかも抗ピ
ル性の良好な織編物を得ることができる複合交絡糸の製
造法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) すなわち,本発明は,複屈折が15×10-3〜80×10-3,
結晶化度が5〜25%のポリエステル高配向未延伸糸と複
屈折が90×10-3〜200×10-3のポリエステルマルチフイ
ラメント糸とを下記(1)〜(3)式を満足するフイー
ド率で同一の仮撚加撚域へ供給し,仮撚加撚数T(回/
m)を (ただし,Dは供給糸のデニール)として仮撚加工し,次
いでオーバーフイード率2〜15%として流体撹乱処理す
ることを特徴とする複合交絡糸の製造法を要旨とするも
である。
−5≦Fa≦0 ……(1) −3≦Fb≦2 ……(2) 0.5≦Fb−Fa≦5 ……(3) ただし,Faはポリエステル高配向未延伸糸のフイード
率(%) Fbはポリエステルマルチフイラメント糸のフイード率
(%) 以下,本発明を詳細に説明する。
まず,本発明方法においては,複屈折が15×10-3〜80
×10-3でかつ結晶化度が5〜25%のポリエステル高配向
未延伸糸(以下,単に高配向未延伸糸という)と,複屈
折が90×10-3〜200×10-3のポリエステルマルチフイラ
メント糸(以下,単にマルチフイラメント糸という)と
を同時に仮撚加工することが必要である。上記高配向未
延伸糸の複屈折が15×10-3未満あるいは結晶化度が5%
未満では,経時変化による染着斑等が発生することがあ
り,一方,複屈折が80×10-3を超えるかあるいは結晶化
度が25%を超えると,仮撚加工後のフイラメントの強度
の低下が少なく,優れた抗ピル性を有する糸条が得られ
ない。また,マルチフイラメント糸の複屈折が90×10-3
未満では,伸度が高すきるため,得られる複合交絡糸の
形態安定性が低下し,製編織時の張力やしごき等により
品位を損なうことがある。一方,複屈折が200×10-3
超えると,伸度が低すぎるため,仮撚加工時の後述のフ
イード率の設定が困難になる。
本発明においては,上記高配向未延伸糸の仮撚加撚域
へのフイード率を−5%〜0%,マルチフイラメント糸
の仮撚加撚域へのフイード率を−3%〜2%とすること
が必要である。上記高配向未延伸糸のフイード率が0%
を超えたり,あるいは上記マルチフイラメント糸のフイ
ード率が2%を超えると,仮撚加撚域における糸条の張
力が低下し,バルーニングが大きくなって,糸切れが生
じ易くなる。一方,上記高配向未延伸糸のフイード率が
−5%未満にあると,配向度が上昇してフイラメントの
強度が高くなるので,十分な抗ピル性を有する糸条が得
られない。また,マルチフイラメント糸のフイード率が
−3%未満であると,マルチフイラメント糸を構成する
フイラメントが切断して毛羽となる等糸条の強力が低下
するので,好ましくない。
次に,本発明においては,仮撚加撚数T(回/m)を (ただし,Dは供給糸のデニール)とする必要がある。こ
の場合, の値すなわち撚係数が10×103未満では,糸条のクリン
プが粗大すぎて仮撚捲縮から得られる柔軟な脹らみが失
われ,がさついた風合となる。一方,撚係数が24×103
を超えると,クリンプが微細になり,フイラメント間の
集束性が高くなる結果,後続の流体撹乱処理における流
体撹乱作用を十分に与えることができなくなる。
上記仮撚加工における仮撚温度は,通常の仮撚温度が
採用される。
次に,本発明方法においては,前記のようにして仮撚
加工された高配向未延伸糸とマルチフイラメント糸を流
体撹乱処理して,両糸条を交絡するとともに糸条表面に
ループやたるみを形成する。この際,糸条のオーバーフ
イード率を2〜15%として流体撹乱処理する。この場
合,糸条のオーバーフイード率が2%未満では,所望の
ループ,たるみが形成され難く,毛羽感やウオーム感に
優れた複合交絡糸が形成されない。一方,オーバーフイ
ード率が15%を超えると,流体撹乱域出での糸条のたる
みが大きくなりすぎるので,糸切れが発生し易くなり,
また,得られる糸条の表面に形成されるループやたるみ
が大きくなりすぎ,製編織時に解舒不良や張力変動等が
生じ易くなるので,好ましくない。
本発明において,流体撹乱処理に用いる流体噴射ノズ
ルとしては,例えば,特公昭34−8969号公報,特公昭35
−1673号公報等に記載されているようないわゆるタスラ
ンノズル等が使用される。
また,流体噴射ノズルから噴射させる圧縮流体の圧力
は,通常の4〜9kg/cm2程度が採用される。
かくして,捲縮を有するマルチフイラメント糸を芯糸
とし,捲縮を有する高配向未延伸糸を鞘糸とする芯鞘構
造糸であって,鞘糸にループやたるみが形成された複合
交絡糸が得られる。なお,ループ,たるみは鞘糸のみで
なく,芯糸にも形成させてもよい。
以下,本発明方法を図面に基づいて説明する。
第1図は上記本発明方法の製造工程の一例を示す工程
概略図であり,スプール1から引き出された高配向未延
伸糸Aはフイードローラ2を経て所定のフイード率で仮
撚加撚域に送り込まれ,これと同時にパーン3から引出
されたマルチフイラメント糸Bはフイードローラ4を経
て上記高配向未延伸糸Aよりも高いフイード率で仮撚加
撚域へ送り込まれる。仮撚加撚域においては,仮撚スピ
ンドル6により加撚されつつ,ヒータ5により熱固定さ
れ,第1デリベリローラ7を経て所定のオーバーフイー
ド率で流体撹乱域に送り込まれ,流体噴射ノズル8によ
り流体撹乱処理され,第2デリベリローラ9を経て捲取
ローラ10によりパツケージ11に捲取られる。
第2図は,本発明方法により得られた複合交絡糸の一
例を示す概略側面図であり,捲縮を有する高配向未延伸
糸と捲縮を有するマルチフイラメント糸が交絡し,たる
み量が比較的少なく,ループが殆ど形成されていないマ
ルチフイラメント糸を芯糸とし,その周りに多数のルー
プやたるみが形成された高配向未延伸糸が配されてい
る。
ここで,フイード率及びオーバーフイード率はそれぞ
れ糸条の供給速度と引取速度との差の引取速度に対する
割合を百分率で表したものである。
本発明方法におけるポリエステルとしては,ポリエチ
レンテレフタレートで代表される分子鎖中にエステル結
合を有するポリエステルを総称し,イソフタル酸,パラ
オキシ安息香酸等の第3成分を含有する共重合ポリエス
テルも包含する。
また,複屈折は偏光顕微鏡−コンペンセータによる干
渉縞測定法により測定する。
さらに,結晶化度は密度勾配管法により密度を測定
し,次式から算出する。
ただし, Xc:結晶化率〔結晶化度;100Xc〕 d:測定試料の密度(g/cm3) dc:完全結晶部の密度(g/cm3) da:完全非結晶部の密度(g/cm3) ここで,ポリエチレンテレフタレートの場合は,dc
1.455g/cm3,da=1.335g/cm3として算出する。
(作用) 本発明方法においては,前記のような鞘糸を構成する
糸条として複屈折が15×10-3〜80×10-3,結晶化度が5
〜25%の高配向未延伸糸が使用される。このような低複
屈折,低結晶化度の高配向未延伸糸は,通常,適正な延
伸倍率,すなわち自然延伸比以上で延伸仮撚加工するこ
とによって複屈折,結晶化度とも高くなり,その結果,
高強度,低伸度の糸条となる。しかしながら,上記のよ
うな高配向未延伸糸は特別の仮撚条件によって,その特
性が劣化する。
本発明方法は,かかる高配向未延伸糸を鞘糸用の供給
糸とし,これを前記延伸倍率よりもはるかに低い延伸倍
率となる特定のフイード率で仮撚加工するので,通常の
延伸仮撚加工によって得られる糸条に比し,複屈折,結
晶化度とも低いレベルに留めることができ,強度が高く
ならず,しかも仮撚加撚域中で高温熱処理を受けること
により,強度が低下し脆くなる。したがって,本発明方
法による複合交絡糸は,鞘糸を構成するフイラメント
が,低複屈折,低結晶化度で,さらに強度も低くなって
おり,これより得られる織編物は深みのある濃染性を有
するとともに,優れた抗ピル性を発揮する。
また,上記高配向未延伸糸とマルチフイラメント糸と
は複屈折の差による伸度差を有するので,仮撚加撚域に
おいて,伸度が高い高配向未延伸糸が伸度の低いマルチ
フイラメント糸よりも糸長が長くなって,鞘糸に配され
た芯鞘構造糸が形成されるが,上記のような特定のフイ
ード率を採用するので,上記両糸条の集束の程度が比較
的低い糸条となる。また,上記両糸条の仮撚加撚域への
フイード率を前記のように特定の範囲にすることによ
り,仮撚加工時の良好な操業性が確保される。
さらに,通常の仮撚加撚数よりも低い特定の仮撚加撚
数で仮撚加工するので,クリンプが粗く,強いトルクを
有し,スナールが発生し易い糸条が形成される。しか
も,上記スナールの発生し易さと上記特定のフイード率
とが相俟って開繊性が良好になる。
次に,上記のようにして得られた集束の程度が低く,
開繊性の良好な糸条を前記のようなオーバーフイード率
で流体撹乱処理するので,ループ形成効果が高まり,ボ
リウム感やウオーム感に優れ,毛羽感を有し,しかも,
製編織工程での取扱性の良好な糸条が形成され,操業性
もよいのである。
さらに,上記のようなスナールの発生し易い糸条を流
体撹乱処理するので,方向性がランダムでかつトルクを
有するループが形成される。したがって,ループの起立
性がよく毛羽感が向上した糸条が得られる。
さらにまた,配向度の高い特定のマルチフイラメント
糸を芯糸とするので,芯糸として上記鞘糸よりも低い伸
度,高い強度を有する糸条をことになり,張力等の外力
に対して形態堅牢性が高く,製編織性に優れ,しかも織
編物に張り,腰,寸法安定性を付与することができる。
(実施例) 次に,本発明方法を実施例により具体的に説明する。
なお,実施例におけるピリング評価はJIS−L−1076
に準拠して測定したものである。
実施例 複屈折が50×10-3,結晶化度が10%のポリエチレテレ
フタレート高配向未延伸糸110d/36f(糸条A)と,複屈
折140×10-3のポリエチレンテレフタレート延伸糸75d/3
6f(糸条B)を第1図に示す工程に従い第1表に示す条
件で仮撚加工し,次いで,流体撹乱処理して本発明方法
による複合交絡糸を製造した。
得られた複合交絡糸は,捲縮を有するポリエチレンテ
レフタレート高配向未延伸糸と捲縮を有するポリエチレ
ンテレフタレート延伸糸が交絡し,上記高配向未延伸糸
の捲縮フイラメントがループ,たるみを形成して鞘糸を
構成し,上記延伸糸が伸糸を構成していた。
得られた複合交絡糸を表側に,通常のポリエチレンテ
レフタレート仮撚加工糸150d/30fを裏側に配してダブル
ニツトリバーシブル組織に編成し,常法に従って染色仕
上加工したところ,編地の表面にはループが緻密に浮き
出ており,優れたウオーム感と柔軟なスパンライク風合
を有し,かつ張り,腰に優れたものであり,しかもピリ
ング評価は5級と抗ピル性の良好な編地が得られた。
(発明の効果) 本発明方法によると,優れたウール様のウオーム感と
ソフトなボリウム感を有し,かつ製編織性に優れ,しか
も抗ピル性の良好な織編物とすることができるスパン調
の複合交絡糸を操業性よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の製造工程の一例を示す工程概略
図,第2図は本発明方法によって得られる複合交絡糸の
一例を示す概略側面図である。 1;スプール 2;第1フイードローラ 3;パーン 4;第2フイードローラ 5;ヒータ 6;仮撚スピンドル 7;第1デリベリローラ 8;流体噴射ノズル 9;第2デリベリローラ 10;捲取ローラ 11;パツケージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複屈折が15×10-3〜80×10-3,結晶化度が
    5〜25%のポリエステル高配向未延伸糸と複屈折が90×
    10-3〜200×10-3のポリエステルマルチフイラメント糸
    とを下記(1)〜(3)式を満足するフイード率で同一
    の仮撚加撚域へ供給し,仮撚加撚数T(回/m)を (ただし,Dは供給糸のデニール)として仮撚加工し,次
    いでオーバーフイード率2〜15%として流体撹乱処理す
    ることを特徴とする複合交絡糸の製造法。 −5≦Fa≦0 ……(1) −3≦Fb≦2 ……(2) 0.5≦Fb−Fa≦5 ……(3) ただし,Faはポリエステル高配向未延伸糸のフイード率
    (%) Fbはポリエステルマルチフイラメント糸のフイード率
    (%)
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