JPH088381Y2 - 温水配管用の鋳鉄管継手部 - Google Patents

温水配管用の鋳鉄管継手部

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JPH088381Y2
JPH088381Y2 JP1992083059U JP8305992U JPH088381Y2 JP H088381 Y2 JPH088381 Y2 JP H088381Y2 JP 1992083059 U JP1992083059 U JP 1992083059U JP 8305992 U JP8305992 U JP 8305992U JP H088381 Y2 JPH088381 Y2 JP H088381Y2
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cast iron
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hot water
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芳樹 岡本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は鋳鉄管継手のうち、特に
管内に温水が通過して管や継手部の温度が上昇する管路
の継手に係る。
【0002】
【従来の技術】地下に埋設して水道用水などを送水する
管路を形成する管としては、ダクタイル鋳鉄製の遠心力
鋳造管が主体となって使用されているが、この管の特徴
の一つは拡径した受口とこの中へ嵌入する挿口を組み合
わせた簡便な継手構造である。この構造によって現地に
おける管の継合が比較的容易に進行し、管路形成の作業
能率が他の管種、たとえば鋼管における突き合わせ溶接
に比べて優れており、鋳鉄管が広く採用される理由の一
つとなっている。
【0003】鋳鉄管の継手の型式にはいくつかの種類が
規定され、それによって受口、挿口の形状もまた、多少
の変動が見られる。図に示すのはK形と呼ばれている
型式の継手構造であり、特徴とするところは外向きに拡
径する傾斜内面11aを端部に具えた受口1aと、該受
口1a内へ嵌入する挿口2aと、前記傾斜内面11aと
挿口外周面21a間で形成する円錐筒状空間内へ嵌合す
るゴム輪3aと、該ゴム輪3aの露出する底面31aを
押圧する押輪4aと、該押輪4aと受口1aの受口フラ
ンジ12aとを締結するT頭ボルト5aよりなる点であ
る。なお、このゴム輪3aはその丸部32aが断面円形
状で受口の傾斜内面11aの一番奥部に設けられた段差
13aおよび水平内面14aへ圧着して、管内からの漏
水を防止するシール作用を果し、丸部に続いてほぼ台形
状に繋がる角部34aは、挿口の外周面21aに接する
面と受口の傾斜内面11aに接する傾斜外面33aより
なり、丸部32aが管路内の水圧が外向きに押し出そう
とする押圧力に対抗して支えるバックアップ作用を果し
ているのである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ここに述べたK形の鋳
鉄管継手構造は、現在、各都市の水道用管路として正式
に採用され規格化されている。水道用または下水、農業
用水の管路として使用されている場合には、まったく問
題がなく信頼性も十分高い評価を受けている。ところが
近年、ダクタイル鋳鉄管の使用される分野が従来よりも
拡大し、従来の水道関係以外の装置や施設に適用される
ことも最早珍しくなくなり、この傾向はますます助長さ
れると予想されている。そのため、従来はあまり問題と
ならなかった種々の課題が新たに発生し始めたが、その
うち管路内へ常温以上の温水が通過する場合には継手部
分における熱膨張による悪影響が一つの課題として解決
を迫られるようになった。
【0005】図はこの課題を説明する縦断正面図であ
り、管路内を常温以上の流体が通過すると、当然良熱伝
導体である受口、挿口ともに昇温し流体とほぼ同温度に
までなる。両金属体に挟まれたゴム輪3aもこの熱伝達
を受けて温度が上昇して固定の熱膨張率に基いた膨張が
現われる。本来、ゴム輪の形状は図のようにその角部
の底面31aは受口フランジ12aの外端面とほぼ同じ
レベルに揃えられ、受口、挿口間の円錐筒状空間を完全
に充填した状態でセットされているから、ゴム輪の熱膨
張分は底面から外へ向かって膨出せざるを得ない。底面
は押輪4aの押圧面41aが圧接しているから、この部
分については変形が不可能であり、結局、図6のように
底面の押圧面41aから外れた自由面だけが膨出して膨
出部101が生じる。
【0006】ゴム輪3aが常温の状態であれば、角部の
底面に押輪4aの押圧面41aが全面に接触しゴム本来
の弾性を保ってシール作用を果しているから何の懸念も
ない。しかし、ゴム材が昇温すると周知のとおり本来の
性質が変化し、特に図のように膨出部が生じると、押
圧面41aとの境界線102へ応力が集中するからこの
部分から裂断が始まったり亀裂が走って角部のバックア
ップ機能が大幅に低下するという悪影響が出てくる。
【0007】前記のような課題を解決するために提示さ
れた従来技術として、実開平4−88587号がある。
この技術はゴム輪の台形状輪郭部後端面(図4の31a
に相当する)に短繊維入りのゴム層が積層一体化するこ
とを特徴とし、押輪による応力、熱水による熱に対する
強度が増し、割れなどを防止する他、短繊維による補強
であるから、この部分の径方向の伸縮性が確保され、装
着時の容易性が確保されると謳っている。確かにこの手
法によって亀裂の入り易い熱応力集中部の強度を向上し
て課題の解決に結び付くことは事実であるが、なお、熱
応力自体が消失するわけではないから、根本的な解決で
あるとは言い難い。本考案は以上に述べた課題を解決す
るために、温水などを送水する管路に使用してもその熱
膨張による悪影響を受けない鋳鉄管継手の提供を目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係る温水配管用
の鋳鉄管継手部は、外向きに拡径する傾斜内面11を端
部に具えた受口1と、該受口1内へ嵌入する挿口2と、
前記傾斜内面11と挿口外周面21間で形成する円錐筒
状空間内へ嵌合するゴム輪3と、該ゴム輪3の露出する
底面31を局部的に圧接する端面41から押圧する押輪
4と、該押輪4と受口1の受口フランジ12とを締結す
るT頭ボルト5よりなる鋳鉄管の、いわよるK形の継手
部であり、ゴム輪3の断面は円形状の丸部32に続き前
記傾斜内面11に適合する傾斜外面33と挿口外周面2
1に接する水平面38からなるほぼ台形の角部34で繋
がり、該台形の底面31の全面と前記傾斜内面33、お
よび水平面38の一部に跨がる外端付近を断面がほぼコ
の字状の金属薄板材36で置換したによって前記の課題
を解決した。
【0009】この構成において、金属薄板36と台形の
角部34の間にほぼ同形の高強度ゴム材、繊維強化ゴム
材、高強度樹脂、繊維強化樹脂、の何れかから選ばれた
補強材37を介装した態様であってもよい。
【0010】
【作用】ゴム輪の角部の底面を含む外端付近を金属薄板
で置換し、ゴム輪全体の形状としては従来と同様に受
口フランジの端面のレベルに揃えている。図1のように
組み立てて管路として使用に供し、管内を熱水、蒸気な
どが通過した状態を想定すれば、管の受口1、管の挿口
2、およびT頭ボルト5を介した押輪4の何れの金属部
材も熱良導体であるから流体と同温度にまで昇温し、こ
の3部材の表面に接する金属薄板材36もまた、熱良導
体であるから3面から熱せられて同一温度を維持する。
ところでゴム輪3の底面31(またはコの字状に金属薄
板材36とゴム輪の角部34間に介装した補強材37の
底面)は、押輪4の端面と接する31−1と、接しない
で露出する31−2とに分れるが、本考案では何れの表
面にも金属薄板材36が介在し、自らの保有熱を均等に
接触するゴム輪(または補強材)の全表面へ分配するか
ら、ゴム輪の底面31−1と31−2との間に温度差は
現われず、ほぼ等温状態を持続する。すなわち、ゴム輪
(または補強材)の底面は、押輪の端面に当る範囲と当
らない範囲との間に温度差がほとんど現われず、したが
って熱膨張の差に伴う熱応力の発生がなく、ましてや両
範囲の境界線に亀裂の生じる虞れも完全に解消する作用
が現われる。また、ゴム材が熱膨張したときに、その膨
張分は一体的に接する金属薄板材の接触面全面を押圧し
て外向けの外力となるが、金属薄板材自身は機械的な強
度も大きくかつ、コの字状の外面を具えているから、こ
の三面で外向きに膨出しようとする膨張力を受けても、
変形に対する抵抗力が従来より格段に高く、しかも可撓
性にも富むから柔軟に適応してその移動量も僅少に留ま
り、膨出が押輪の押圧面に遮られても底面に目立った凹
凸が生じるまでには至らず、当然応力が集中するような
現象も起こらない。すなわち補強材の底面と押輪の押圧
面との境界線上にいかなる亀裂も裂断も発生することな
く、長期に亘って完全に継手機能を満足する状態が続
く。
【0011】
【実施例】図1は本考案の実施例を示す縦断正面図であ
り、図2は同じ実施例のゴム輪3だけを取り出した詳細
図である。図において、ダクタイル鋳鉄製の鋳鉄管の受
口1は接合部に面して受口フランジ12を周設し、挿口
2を嵌入する内部には傾斜内面11を形成しその深奥部
に段差13および水平内面14を具え、さらに緩傾斜内
面16と最深部に第二の段差15を設けて終る。挿口2
は直管部と同径の外周面21からなり、その先端は受口
内へ挿通して第二の段差15の近くにまで達する。受口
の傾斜内面11と挿口の外周面とで形成する円錐筒状の
空間へゴム輪3を介装する。ゴム輪3の底面を押輪4の
押圧面41が押し、この押輪4はT頭ボルト5によって
受口フランジ12と螺合してゴム輪3を内側へ押し込む
構成を採る。
【0012】ゴム輪3の一例が図2に示されている。弾
性に富み水封機能に優れたゴム材は受口内の段差13お
よび水平内面14に嵌合する先端の断面円形の丸部32
と、これに続く断面ほぼ台形の角部34とで構成されて
いる。丸部がシール作用を、また、角部が丸部の受ける
管路からの水圧に対抗するバックアップ作用をそれぞれ
受持つ点は従来と変らない。角部34の底面31は管路
として組み立てれば押輪4の端面41に押圧される31
−1と、外部に露出する31−2とに分れるが、組み立
て前の状態では等しく金属薄板材36に被覆される。金
属薄板36は上下で屈折して受口の傾斜内面11に接す
る傾斜外面33、および挿口の外周面21に接する水平
面38の一部に跨がるコの字状の範囲まで置換して機械
的な強度の向上と熱伝達の媒体の役割を果たしている。
金属薄板材を含めた全体の形状自体は従来と同様に前記
の円錐筒状空間と適合する同一形状である。補強のポイ
ントは押輪の押圧面と圧接する底面を中心とする外端付
近であり、材質は可撓性に富む金属材料で、熱伝導率が
高く、また腐食に対しても耐性が高い材料が好ましい。
具体的には銅、または銅合金、ニッケル、チタン合金な
どから選択する。
【0013】図3は本考案の別の実施例である。この場
合は金属薄板材36とゴム輪3の角部34の間にほぼ同
形の補強材37を介装した複合補強材の例であり、この
図の例ではプラスチック材を採用している。しかし、プ
ラスチック材に替え高強度ゴム、織維強化ゴム、高強度
樹脂、繊維強化樹脂、ガラス繊維の織布、不織布など
れも継手が加温されて上昇する最高温度や管路内の水
圧、管径などの要素を勘案して形状や材質を適宜決定す
ることが望ましい。
【0014】
【考案の効果】本考案は以上に述べたとおり、管路内を
温水が常時通過して継手部の温度が上昇しても、従来の
ような熱膨張に基く悪影響が発生せず、冷水と同様にそ
の継合機能が長く持続するので信頼性が高い。同じ課題
を解決するために提示された従来技術もあるが、この従
来技術は亀裂の発生しやすい箇所を単に短繊維で補強し
ただけであるから、押輪端面と接する範囲と外部に露出
した範囲との間に熱伝達の差による温度差の生じること
は物理的に避け難く、したがって熱応力の発生を抑止す
る作用自体は期待できない。本考案は課題発生の原因そ
のもの(熱応力の発生)を取り除いて解決したのである
から、対症療法的な強化によって被害を軽減しようとす
る他の従来技術を凌駕するのは当然の理である。ここで
対象となる継手の型式はK形と呼ばれる押輪を使用する
ものであるが、従来のK形と全体としては同一形状であ
るから継合作業に変るところはなく能率的な施工が保証
される。また、金属薄板材の断面がコの字状の形状より
なるから、受口の内径と挿口の外径に若干許される公差
に伴う円錐筒体状の空間に現われる容量の変動にも十分
追随して完全に充填できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の縦断正面図である。
【図2】ゴム輪の別の実施例の縦断正面図である。
【図3】ゴム輪のさらに別の実施例の縦断正面図であ
る。
【図4】従来技術の縦断正面図である。
【図5】従来技術の課題を説明する縦断正面図である。
【符号の説明】
1 受口 2 挿口 3 ゴム輪 4 押輪 5 T頭ボルト 11 傾斜内面 12 受口フランジ 13 段差 14 水平内面 15 第二の段差 16 緩傾斜内面 21 外周面 31 底面 32 丸部 33 傾斜外面 34 角部 36 金属薄板材 37 補強材(プラスチック) 38 水平面 41 押圧面

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外向きに拡径する傾斜内面11を端部に
    具えた受口1と、該受口1内へ嵌入する挿口2と、前記
    傾斜内面11と挿口外周面21間で形成する円錐筒状空
    間内へ嵌合するゴム輪3と、該ゴム輪3の露出する底面
    31を局部的に接する端面41から押圧する押輪4と、
    該押輪4と受口1の受口フランジ12とを締結するT頭
    ボルト5よりなる鋳鉄管の継手部において、ゴム輪3の
    断面は円形状の丸部32に続き前記傾斜内面11に適合
    する傾斜外面33と挿口外周面21に接する水平面38
    からなるほぼ台形の角部34で繋がり、該台形の底面3
    の全面と前記傾斜内面33、および水平面38の一部
    に跨がる外端付近を断面がほぼコの字状の金属薄板材3
    で置換したことを特徴とする温水配管用の鋳鉄管継手
    部。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金属薄板36と台形
    の角部34の間にほぼ同形の高強度ゴム材、繊維強化ゴ
    ム材、高強度樹脂、繊維強化樹脂、の何れかから選ばれ
    補強材37を介装したことを特徴とする温水配管用の
    鋳鉄管継手部。
JP1992083059U 1992-11-06 1992-11-06 温水配管用の鋳鉄管継手部 Expired - Lifetime JPH088381Y2 (ja)

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