JPH0892735A - 真空蒸着法 - Google Patents
真空蒸着法Info
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- JPH0892735A JPH0892735A JP22664994A JP22664994A JPH0892735A JP H0892735 A JPH0892735 A JP H0892735A JP 22664994 A JP22664994 A JP 22664994A JP 22664994 A JP22664994 A JP 22664994A JP H0892735 A JPH0892735 A JP H0892735A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 真空容器内に、被蒸着基材と、陽極としての
金属体と、陰極としての長尺の金属棒とをそれぞれ配
し、陽極と陰極とに直流電圧を印加してアーク放電を行
なって、陰極から低融点金属を蒸発させることにより、
被蒸着基材の表面に、金属蒸着膜を形成する真空蒸着法
において、陰極先端部分の変形ないし溶融及び陰極自体
の変形を防止して、安定なアーク放電により長期にわた
り効率的な蒸着を行う。 【構成】 陰極40として、高融点金属製芯材41と、
この芯材41の先端部41A以外の側周面を覆う低融点
金属製被覆材42とからなる金属棒を用いて、アーク放
電を行う。 【効果】 高融点金属製芯材を備えるため、剛性、強度
が高く、変形しない。先端は高融点金属製芯材が表出し
ているため、変形ないし溶融しない。
金属体と、陰極としての長尺の金属棒とをそれぞれ配
し、陽極と陰極とに直流電圧を印加してアーク放電を行
なって、陰極から低融点金属を蒸発させることにより、
被蒸着基材の表面に、金属蒸着膜を形成する真空蒸着法
において、陰極先端部分の変形ないし溶融及び陰極自体
の変形を防止して、安定なアーク放電により長期にわた
り効率的な蒸着を行う。 【構成】 陰極40として、高融点金属製芯材41と、
この芯材41の先端部41A以外の側周面を覆う低融点
金属製被覆材42とからなる金属棒を用いて、アーク放
電を行う。 【効果】 高融点金属製芯材を備えるため、剛性、強度
が高く、変形しない。先端は高融点金属製芯材が表出し
ているため、変形ないし溶融しない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空蒸着法に係り、特
に、真空容器内に、被蒸着基材と、陽極としての金属体
と、陰極としての長尺の蒸発性金属体とをそれぞれ配
し、該陽極と陰極とに直流電圧を印加してアーク放電を
行なって、陰極から金属を蒸発させることにより、前記
被蒸着基材の表面に、金属蒸着膜を形成する方法であっ
て、陰極として低融点金属よりなる蒸発性金属体を用い
る真空蒸着法において、陰極先端部分の変形ないし溶融
を防止して、安定なアーク放電により長期にわたり効率
的な蒸着を行う方法に関する。
に、真空容器内に、被蒸着基材と、陽極としての金属体
と、陰極としての長尺の蒸発性金属体とをそれぞれ配
し、該陽極と陰極とに直流電圧を印加してアーク放電を
行なって、陰極から金属を蒸発させることにより、前記
被蒸着基材の表面に、金属蒸着膜を形成する方法であっ
て、陰極として低融点金属よりなる蒸発性金属体を用い
る真空蒸着法において、陰極先端部分の変形ないし溶融
を防止して、安定なアーク放電により長期にわたり効率
的な蒸着を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の織布又は不織布のよう
な合成繊維製シートに金属被膜を形成する方法として
は、一般に、化学メッキ(通称:無電解メッキ)法が採
用されている。この場合、合成繊維の織布又は不織布よ
りなる合成繊維製シートは、巻取状の連続シートとして
無電解メッキ工程に供給され、主としてシートの両面に
同時に金属被膜を形成している。また、この無電解メッ
キ工程の前には、通常、合成繊維製連続シートを予めア
ルカリ脱脂処理、中和処理、触媒化処理する工程が設け
られている。
な合成繊維製シートに金属被膜を形成する方法として
は、一般に、化学メッキ(通称:無電解メッキ)法が採
用されている。この場合、合成繊維の織布又は不織布よ
りなる合成繊維製シートは、巻取状の連続シートとして
無電解メッキ工程に供給され、主としてシートの両面に
同時に金属被膜を形成している。また、この無電解メッ
キ工程の前には、通常、合成繊維製連続シートを予めア
ルカリ脱脂処理、中和処理、触媒化処理する工程が設け
られている。
【0003】無電解メッキ浴は、メッキすべき金属イオ
ンと金属イオンの還元剤及びその他の助剤から構成され
ているが、メッキ作業中に金属イオン濃度が低下するの
でその補給が必要であり、且つ、浴組成コントロール、
浴温コントロールが重要である。しかし、建浴後、補給
を繰り返して使用していると、浴組成のバランスが崩れ
るため、メッキ浴をある時点で廃棄し、再度建浴する必
要がある。このため、廃液処理費が必要である、公害・
安全衛生の面からも好ましくないなどの欠点がある。
ンと金属イオンの還元剤及びその他の助剤から構成され
ているが、メッキ作業中に金属イオン濃度が低下するの
でその補給が必要であり、且つ、浴組成コントロール、
浴温コントロールが重要である。しかし、建浴後、補給
を繰り返して使用していると、浴組成のバランスが崩れ
るため、メッキ浴をある時点で廃棄し、再度建浴する必
要がある。このため、廃液処理費が必要である、公害・
安全衛生の面からも好ましくないなどの欠点がある。
【0004】しかも、無電解メッキによる金属被膜形成
方法では、高純度の金属膜を得ることは技術的に困難で
ある。
方法では、高純度の金属膜を得ることは技術的に困難で
ある。
【0005】本出願人は、上記従来の問題点を解決し、
合成繊維製シートの表面に、金属被膜等の被膜を、公害
や安全衛生面の問題を引き起こすことなく、密着性良
く、しかも均一かつ高純度の被膜として、容易かつ効率
的に形成することができる合成繊維製シートへの被膜形
成方法として、真空容器内に、陽極として金属体を、陰
極として蒸発性金属体をそれぞれ配し、該陽極と陰極と
に直流電圧を印加してアーク放電を行なうことにより、
前記合成繊維製シートの表面に、蒸発した金属の被膜を
形成する方法を提案し、先に特許出願した(特願平4−
195397号。以下「先願」という。)。
合成繊維製シートの表面に、金属被膜等の被膜を、公害
や安全衛生面の問題を引き起こすことなく、密着性良
く、しかも均一かつ高純度の被膜として、容易かつ効率
的に形成することができる合成繊維製シートへの被膜形
成方法として、真空容器内に、陽極として金属体を、陰
極として蒸発性金属体をそれぞれ配し、該陽極と陰極と
に直流電圧を印加してアーク放電を行なうことにより、
前記合成繊維製シートの表面に、蒸発した金属の被膜を
形成する方法を提案し、先に特許出願した(特願平4−
195397号。以下「先願」という。)。
【0006】図3はこの先願の方法で用いられる低温ア
ーク蒸着装置を示す系統図である。本装置においては、
真空容器1内の上部に例えばカーボンスチール棒からな
る陽極2が、下部には蒸発性金属体の丸棒からなる陰極
3が配置されている。陽極2は上下方向に機械的に動い
て、陰極3との接触、離反を繰り返すように構成されて
いる。
ーク蒸着装置を示す系統図である。本装置においては、
真空容器1内の上部に例えばカーボンスチール棒からな
る陽極2が、下部には蒸発性金属体の丸棒からなる陰極
3が配置されている。陽極2は上下方向に機械的に動い
て、陰極3との接触、離反を繰り返すように構成されて
いる。
【0007】この真空容器1内には陰極3と並行に、被
塗装物4が配置されている。前記陽極2及び陰極3はそ
れぞれ導線21、22を介して電源装置13と接続され
ており、該電源装置13は制御盤14からの指示に従い
所定の電圧を印加するように構成されている。
塗装物4が配置されている。前記陽極2及び陰極3はそ
れぞれ導線21、22を介して電源装置13と接続され
ており、該電源装置13は制御盤14からの指示に従い
所定の電圧を印加するように構成されている。
【0008】また、前記真空容器1は主弁10及びバッ
フル9を介して油拡散ポンプ8と配管23で接続されて
おり、この配管23の真空容器1と主弁9Aとの間は、
ベント弁7及び粗引弁6を備える配管24で油回転ポン
プ5と接続されている。この配管24の油回転ポンプ5
と粗引弁6との間は、油拡散ポンプ8の吸引口と、上流
弁11を備える配管25で接続されている。
フル9を介して油拡散ポンプ8と配管23で接続されて
おり、この配管23の真空容器1と主弁9Aとの間は、
ベント弁7及び粗引弁6を備える配管24で油回転ポン
プ5と接続されている。この配管24の油回転ポンプ5
と粗引弁6との間は、油拡散ポンプ8の吸引口と、上流
弁11を備える配管25で接続されている。
【0009】12は蒸発油を冷却し、回収して再循環を
行なうための冷凍機であり、バッフル9と配管26で接
続されている。15は酸素、窒素又は低級炭化水素ガス
のガスボンベであり、真空容器1にバルブ16、フロー
メーター17、減圧調節弁18を備える配管27で接続
されている。
行なうための冷凍機であり、バッフル9と配管26で接
続されている。15は酸素、窒素又は低級炭化水素ガス
のガスボンベであり、真空容器1にバルブ16、フロー
メーター17、減圧調節弁18を備える配管27で接続
されている。
【0010】このように構成された低温アーク蒸着装置
により、被塗装物4に金属蒸着膜を形成するには、ま
ず、油回転ポンプ5を作動させて真空容器1内を粗引き
した後、油拡散ポンプ8を作動させて真空容器1内を所
定の真空度(10-3〜10-5Torr)にする。次い
で、陽極2と陰極3との間に直流電圧を印加し、アーク
放電を行なって、金属の蒸着を行なう。図中、30は陽
極駆動部、31は陰極保持部である。
により、被塗装物4に金属蒸着膜を形成するには、ま
ず、油回転ポンプ5を作動させて真空容器1内を粗引き
した後、油拡散ポンプ8を作動させて真空容器1内を所
定の真空度(10-3〜10-5Torr)にする。次い
で、陽極2と陰極3との間に直流電圧を印加し、アーク
放電を行なって、金属の蒸着を行なう。図中、30は陽
極駆動部、31は陰極保持部である。
【0011】上記先願の方法においては、陰極に蒸発性
金属よりなる丸棒を用いており、この丸棒電極の全周か
ら放射状に金属蒸気が飛んで被塗装物への蒸着が行なわ
れるため、平板電極を用いる場合に比べ、高い生産性に
て、低温蒸着が可能であるという利点が得られる。
金属よりなる丸棒を用いており、この丸棒電極の全周か
ら放射状に金属蒸気が飛んで被塗装物への蒸着が行なわ
れるため、平板電極を用いる場合に比べ、高い生産性に
て、低温蒸着が可能であるという利点が得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先願の
方法において、陰極として、鉛(Pb:融点328℃)
等の低融点金属よりなる蒸発性金属体を用いた場合にお
いては、次のような問題が生起する。
方法において、陰極として、鉛(Pb:融点328℃)
等の低融点金属よりなる蒸発性金属体を用いた場合にお
いては、次のような問題が生起する。
【0013】即ち、陰極の先端部は、アークが容易に陽
極から移行するように、半球状又は円錐台形状に加工し
てあるが、この先端部が陽極と繰り返し接触することに
より、陰極材質が軟質で融点の低いものであることか
ら、陰極の先端が変形ないし溶融する。そして、著しい
場合には、約10cmも陰極の長さが短くなり、陽極と
の接触制御範囲を超え、アーク走行を持続し得なくな
る。
極から移行するように、半球状又は円錐台形状に加工し
てあるが、この先端部が陽極と繰り返し接触することに
より、陰極材質が軟質で融点の低いものであることか
ら、陰極の先端が変形ないし溶融する。そして、著しい
場合には、約10cmも陰極の長さが短くなり、陽極と
の接触制御範囲を超え、アーク走行を持続し得なくな
る。
【0014】また、陰極の長さを通常より長尺にした場
合、或いは、陰極の直径を通常より細くした場合、或い
は、取付位置を通常の竪型(鉛直方向立設)から、例え
ば横向き(水平方向配設)等にした場合、低融点金属で
は剛性及び強度が不足し、陰極が曲るなどして陽極に対
する対峙位置がずれ、アーク走行を持続できなくなると
いう問題もあった。
合、或いは、陰極の直径を通常より細くした場合、或い
は、取付位置を通常の竪型(鉛直方向立設)から、例え
ば横向き(水平方向配設)等にした場合、低融点金属で
は剛性及び強度が不足し、陰極が曲るなどして陽極に対
する対峙位置がずれ、アーク走行を持続できなくなると
いう問題もあった。
【0015】本発明は上記先願の問題点を解決し、真空
容器内に、被蒸着基材と、陽極としての金属体と、陰極
としての長尺の金属棒とをそれぞれ配し、該陽極と陰極
とに直流電圧を印加してアーク放電を行なって、陰極か
ら低融点金属を蒸発させることにより、前記被蒸着基材
の表面に、該低融点金属よりなる金属蒸着膜を形成する
真空蒸着法において、陰極先端部分の変形ないし溶融を
防止すると共に、陰極の剛性及び強度を高め、安定なア
ーク放電により長期にわたり効率的な蒸着を行う真空蒸
着法を提供することを目的とする。
容器内に、被蒸着基材と、陽極としての金属体と、陰極
としての長尺の金属棒とをそれぞれ配し、該陽極と陰極
とに直流電圧を印加してアーク放電を行なって、陰極か
ら低融点金属を蒸発させることにより、前記被蒸着基材
の表面に、該低融点金属よりなる金属蒸着膜を形成する
真空蒸着法において、陰極先端部分の変形ないし溶融を
防止すると共に、陰極の剛性及び強度を高め、安定なア
ーク放電により長期にわたり効率的な蒸着を行う真空蒸
着法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の真空蒸着法
は、真空容器内に被蒸着基材を配置すると共に、陽極と
しての金属体と、陰極としての長尺の金属棒とを各極の
先端を対峙させて配置し、該陽極と陰極とに直流電圧を
印加してアーク放電を行なって、陰極から低融点金属を
蒸発させることにより、前記被蒸着基材の表面に、該低
融点金属よりなる金属蒸着膜を形成する真空蒸着法にお
いて、前記陰極として、該低融点金属よりも融点が高い
金属で構成された芯材と、該芯材の先端部以外の側周面
を覆う低融点金属よりなる被覆材とを備える金属棒を用
いることを特徴とする。
は、真空容器内に被蒸着基材を配置すると共に、陽極と
しての金属体と、陰極としての長尺の金属棒とを各極の
先端を対峙させて配置し、該陽極と陰極とに直流電圧を
印加してアーク放電を行なって、陰極から低融点金属を
蒸発させることにより、前記被蒸着基材の表面に、該低
融点金属よりなる金属蒸着膜を形成する真空蒸着法にお
いて、前記陰極として、該低融点金属よりも融点が高い
金属で構成された芯材と、該芯材の先端部以外の側周面
を覆う低融点金属よりなる被覆材とを備える金属棒を用
いることを特徴とする。
【0017】請求項2の真空蒸着法は、請求項1の方法
において、金属棒の前記先端部の陰極周囲領域と、前記
被覆材を設けた陰極周囲領域とを仕切るように遮蔽板を
設けたことを特徴とする。
において、金属棒の前記先端部の陰極周囲領域と、前記
被覆材を設けた陰極周囲領域とを仕切るように遮蔽板を
設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】陰極の金属棒は、低融点金属よりも融点が高い
金属(以下「高融点金属」と称す。)で構成された芯材
を備えるため、十分な剛性及び強度を有し、相当に長尺
の或いは細径の金属棒であっても、また、水平方向に配
設した場合であっても変形することがない。また、金属
棒の先端部は、高融点金属製芯材の先端部が表出してい
るため、陽極との繰り返し接触によってもこの先端部が
変形ないし溶融することもない。このため、長期にわた
り、安定なアーク放電を行って、効率的な蒸着を行え
る。なお、金属蒸気は、芯材の先端部以外の側周面に設
けられた低融点金属製被覆材から円滑に蒸散するため、
低融点金属蒸着膜の形成効率に問題を生じることはな
い。
金属(以下「高融点金属」と称す。)で構成された芯材
を備えるため、十分な剛性及び強度を有し、相当に長尺
の或いは細径の金属棒であっても、また、水平方向に配
設した場合であっても変形することがない。また、金属
棒の先端部は、高融点金属製芯材の先端部が表出してい
るため、陽極との繰り返し接触によってもこの先端部が
変形ないし溶融することもない。このため、長期にわた
り、安定なアーク放電を行って、効率的な蒸着を行え
る。なお、金属蒸気は、芯材の先端部以外の側周面に設
けられた低融点金属製被覆材から円滑に蒸散するため、
低融点金属蒸着膜の形成効率に問題を生じることはな
い。
【0019】請求項2によれば、アーク放電中に、低融
点金属に被覆されることなく外部に表出している高融点
金属製芯材の先端部から金属蒸気が飛散した場合でも、
遮蔽板により、これが被蒸着基材の表面に付着すること
が防止され、不純物の混入のない純度の高い高品質金属
蒸着膜を形成することができる。
点金属に被覆されることなく外部に表出している高融点
金属製芯材の先端部から金属蒸気が飛散した場合でも、
遮蔽板により、これが被蒸着基材の表面に付着すること
が防止され、不純物の混入のない純度の高い高品質金属
蒸着膜を形成することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の真空蒸着法の
実施例について説明する。
実施例について説明する。
【0021】図1は本発明の真空蒸着法の実施に好適な
低温アーク蒸着装置の要部の概略構成を示す断面図であ
り、図1において、図3に示す部材と同一機能を奏する
部材には同一符号を付してある。図2は図1に示す陰極
の拡大図である。
低温アーク蒸着装置の要部の概略構成を示す断面図であ
り、図1において、図3に示す部材と同一機能を奏する
部材には同一符号を付してある。図2は図1に示す陰極
の拡大図である。
【0022】本実施例の方法においては、陰極40とし
て、高融点金属で構成された芯材41と、該芯材41の
先端部41A及び陰極保持部31で保持される基端部4
1B以外の側周面を覆う低融点金属製被覆材42とを備
える金属棒を用いる。この金属棒自体は、従来の陰極用
金属棒と同様の形状とされ、図示の如く、通常の場合、
先端が略半球状又は円錐台形状の丸棒が採用される。
て、高融点金属で構成された芯材41と、該芯材41の
先端部41A及び陰極保持部31で保持される基端部4
1B以外の側周面を覆う低融点金属製被覆材42とを備
える金属棒を用いる。この金属棒自体は、従来の陰極用
金属棒と同様の形状とされ、図示の如く、通常の場合、
先端が略半球状又は円錐台形状の丸棒が採用される。
【0023】本発明において、このような金属棒の芯材
を構成する高融点金属としては、融点が高く、剛性、強
度の高い高融点材料であれば良く、特に制限はないが、
鉄(融点約1530℃),ステンレス合金(融点約15
00℃)等が一般に用いられる。特に、加工が容易で安
価で、しかも高融点で高強度であることから、一般構造
用鋼材、例えばSS400(融点約1500℃)等が有
効である。
を構成する高融点金属としては、融点が高く、剛性、強
度の高い高融点材料であれば良く、特に制限はないが、
鉄(融点約1530℃),ステンレス合金(融点約15
00℃)等が一般に用いられる。特に、加工が容易で安
価で、しかも高融点で高強度であることから、一般構造
用鋼材、例えばSS400(融点約1500℃)等が有
効である。
【0024】本発明において、低融点金属製被覆材で被
覆することなく、表出させる芯材の先端部の長さ(図3
のH)は、陰極の大きさ、アーク放電条件、陰極の材質
によっても異なるが、通常の場合、30〜50mm程度
であることが好ましい。この高さが30mm未満では十
分な保護効果が得られず、50mmを超えると陰極の蒸
着有効面積が低減して好ましくない。
覆することなく、表出させる芯材の先端部の長さ(図3
のH)は、陰極の大きさ、アーク放電条件、陰極の材質
によっても異なるが、通常の場合、30〜50mm程度
であることが好ましい。この高さが30mm未満では十
分な保護効果が得られず、50mmを超えると陰極の蒸
着有効面積が低減して好ましくない。
【0025】また、金属棒の低融点金属製被覆材の厚さ
(図2のW1 )及びこの低融点金属製被覆材で被覆され
た部分の芯材の太さ(図2のW2 )はそれぞれW1 =1
0〜20mm,W2 =10〜20mm程度とするのが好
ましい。即ち、W1 が20mmを超えると相対的に芯材
の太さを細くせざるを得ず、陰極の剛性、強度が不足す
る。W1 が10mm未満では低融点金属の量が少な過ぎ
て、蒸着継続時間が短くなる。また、W2 が20mmを
超えると相対的に低融点金属製被覆材の厚さを薄くせざ
るを得ず、蒸着継続時間が短くなり、10mm未満で
は、陰極の剛性、強度が不足する。
(図2のW1 )及びこの低融点金属製被覆材で被覆され
た部分の芯材の太さ(図2のW2 )はそれぞれW1 =1
0〜20mm,W2 =10〜20mm程度とするのが好
ましい。即ち、W1 が20mmを超えると相対的に芯材
の太さを細くせざるを得ず、陰極の剛性、強度が不足す
る。W1 が10mm未満では低融点金属の量が少な過ぎ
て、蒸着継続時間が短くなる。また、W2 が20mmを
超えると相対的に低融点金属製被覆材の厚さを薄くせざ
るを得ず、蒸着継続時間が短くなり、10mm未満で
は、陰極の剛性、強度が不足する。
【0026】ところで、このような芯材を有する陰極4
0を用いてアーク放電を行うと、陰極40の先端部41
Aから高融点金属の蒸発粒子が飛散し、これが被塗装物
4に付着して、形成される蒸着膜の純度を低下させるお
それがある。
0を用いてアーク放電を行うと、陰極40の先端部41
Aから高融点金属の蒸発粒子が飛散し、これが被塗装物
4に付着して、形成される蒸着膜の純度を低下させるお
それがある。
【0027】本実施例においては、このような問題を解
消するために、陰極40の高融点金属製の先端部41A
の陰極周囲領域Aと、該先端部41Aより基端側の陰極
周囲領域Bとを仕切るように、中心に開孔43Aを有す
る円板形状の遮蔽板43を、先端部41Aの直下部に設
けてある。この遮蔽板43により、先端部41Aから高
融点金属の蒸発粒子が飛散しても、これが、被塗装物4
の被塗装面4Aに達することが防止され、陰極40の被
覆材42を構成する低融点金属よりなる高純度蒸着膜を
被塗装物4の被塗装面4Aに形成することができるよう
になる。
消するために、陰極40の高融点金属製の先端部41A
の陰極周囲領域Aと、該先端部41Aより基端側の陰極
周囲領域Bとを仕切るように、中心に開孔43Aを有す
る円板形状の遮蔽板43を、先端部41Aの直下部に設
けてある。この遮蔽板43により、先端部41Aから高
融点金属の蒸発粒子が飛散しても、これが、被塗装物4
の被塗装面4Aに達することが防止され、陰極40の被
覆材42を構成する低融点金属よりなる高純度蒸着膜を
被塗装物4の被塗装面4Aに形成することができるよう
になる。
【0028】この遮蔽板を構成する材質としては、軽量
で絶縁性のものが好ましく、例えば、FRP、アルミナ
等が好適である。この遮蔽板は、通常の場合、陰極の外
径よりも約10mm程度大きい直径の開孔が形成され
た、被塗装物の内径よりも約10mm程度小さい外径の
円板形状であることが好ましく、このような遮蔽板は、
陰極の先端部の基端側(図3の41a)から5〜10m
m程度被覆材よりの位置に設けるのが好ましい。
で絶縁性のものが好ましく、例えば、FRP、アルミナ
等が好適である。この遮蔽板は、通常の場合、陰極の外
径よりも約10mm程度大きい直径の開孔が形成され
た、被塗装物の内径よりも約10mm程度小さい外径の
円板形状であることが好ましく、このような遮蔽板は、
陰極の先端部の基端側(図3の41a)から5〜10m
m程度被覆材よりの位置に設けるのが好ましい。
【0029】このような本発明によれば、前述の先願の
方法と同様にして金属の蒸着膜を被塗装物4の被塗装面
4Aに形成することができるが、その際、陰極40の先
端の変形ないし溶融を防止すると共に、陰極自体を安定
に保持して、長期にわたり安定なアーク放電を行って、
効率的な蒸着を行える。
方法と同様にして金属の蒸着膜を被塗装物4の被塗装面
4Aに形成することができるが、その際、陰極40の先
端の変形ないし溶融を防止すると共に、陰極自体を安定
に保持して、長期にわたり安定なアーク放電を行って、
効率的な蒸着を行える。
【0030】なお、本発明を適用する低融点金属として
は、融点約500℃以下のもの、例えば、前述の鉛(融
点328℃)の他、スズ(融点231℃),インジウム
(融点156℃),亜鉛(融点419℃)等の金属或い
はこれらを含む低融点合金が挙げられる。前記高融点金
属製芯材と上記低融点金属製被覆材とで陰極を製造する
には、溶融成型法、その他、低融点金属製被覆材を高融
点金属製芯材に巻き付ける方法などを採用することがで
きる。
は、融点約500℃以下のもの、例えば、前述の鉛(融
点328℃)の他、スズ(融点231℃),インジウム
(融点156℃),亜鉛(融点419℃)等の金属或い
はこれらを含む低融点合金が挙げられる。前記高融点金
属製芯材と上記低融点金属製被覆材とで陰極を製造する
には、溶融成型法、その他、低融点金属製被覆材を高融
点金属製芯材に巻き付ける方法などを採用することがで
きる。
【0031】なお、陰極は水冷構造とすることにより、
より一層、アークの持続時間を延ばすことができる。
より一層、アークの持続時間を延ばすことができる。
【0032】一方、本発明において、陽極としては、炭
素鋼(カーボンスチール)の他、ステンレス鋼、モリブ
デン金属等を用いることができる。また、陰極を構成す
る蒸気低融点金属の金属酸化物、金属窒化物、又は、金
属炭化物の蒸着を行なう場合には、図3において、ガス
ボンベ15より酸素ガス、窒素ガス又はアセチレン、メ
タン等の低級炭化水素ガスを、減圧調節弁18及びフロ
ーメーター17を介して真空度を約10-4Torrに調
整して、真空容器1内へ導入すれば良い。この場合、導
入ガス量を調整することにより、金属化合物と金属との
混合物の蒸着膜を形成することができる。また、ガスを
導入せずに金属蒸着膜を形成した後、ガスを導入して金
属化合物の蒸着膜を形成することにより、2層の複合蒸
着膜を連続的に形成することができる。
素鋼(カーボンスチール)の他、ステンレス鋼、モリブ
デン金属等を用いることができる。また、陰極を構成す
る蒸気低融点金属の金属酸化物、金属窒化物、又は、金
属炭化物の蒸着を行なう場合には、図3において、ガス
ボンベ15より酸素ガス、窒素ガス又はアセチレン、メ
タン等の低級炭化水素ガスを、減圧調節弁18及びフロ
ーメーター17を介して真空度を約10-4Torrに調
整して、真空容器1内へ導入すれば良い。この場合、導
入ガス量を調整することにより、金属化合物と金属との
混合物の蒸着膜を形成することができる。また、ガスを
導入せずに金属蒸着膜を形成した後、ガスを導入して金
属化合物の蒸着膜を形成することにより、2層の複合蒸
着膜を連続的に形成することができる。
【0033】本発明は、特に、長尺の陰極、例えば長さ
500〜1000mm程度の長尺丸棒陰極を用いる場
合、或いは、細径の陰極、例えば、直径10〜20mm
の細径丸棒陰極を用いる場合、或いは、陰極を横向き、
斜め向き、又は吊り下げといったように、変形配置とす
る場合において、有効な強度向上効果を発揮する。ま
た、特に、陰極の基端部についても、図1,2の如く、
高融点金属製とすることにより、陰極を陰極保持部で強
く締付けて確実に保持することができ、陰極の保持安定
性の向上を図ることができる。
500〜1000mm程度の長尺丸棒陰極を用いる場
合、或いは、細径の陰極、例えば、直径10〜20mm
の細径丸棒陰極を用いる場合、或いは、陰極を横向き、
斜め向き、又は吊り下げといったように、変形配置とす
る場合において、有効な強度向上効果を発揮する。ま
た、特に、陰極の基端部についても、図1,2の如く、
高融点金属製とすることにより、陰極を陰極保持部で強
く締付けて確実に保持することができ、陰極の保持安定
性の向上を図ることができる。
【0034】このような本発明の真空蒸着法は、油井管
ねじ継手パイプ等の内面に耐焼付性、潤滑性、シール性
等の諸特性の向上を目的として、各種低融点金属又は合
金等の機能性コーティング膜を形成する場合等、様々な
応用分野に有効である。
ねじ継手パイプ等の内面に耐焼付性、潤滑性、シール性
等の諸特性の向上を目的として、各種低融点金属又は合
金等の機能性コーティング膜を形成する場合等、様々な
応用分野に有効である。
【0035】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。
より具体的に説明する。
【0036】実施例1 図1に示す装置により、真空蒸着を行った。各部材の仕
様及び使用電流は次の通りである。
様及び使用電流は次の通りである。
【0037】被塗装物:内径90mm,長さ200mm
のSUS304製パイプ 陰極:直径30mm,長さ300mmの丸棒 芯 材;SS400製 先端部の長さH=50mm 被覆材で被覆された部分の太さW2 =15mm 被覆材で被覆された部分の長さ(図2のL)=230m
m 基端部の長さ(図3のh)=20mm 被覆材;鉛(純度99.9%以上)製 厚さW1 =7.5mm 遮蔽板:開孔径40mm,外径300mm,厚さ5mm
のアルミナ製遮蔽板(芯材の先端部の基端側41aとの
距離は5mm) 電流:100A その結果、5分間にわたりアークを持続させて、蒸着膜
厚40ミクロンの高純度Pb蒸着膜を形成することがで
きた。
のSUS304製パイプ 陰極:直径30mm,長さ300mmの丸棒 芯 材;SS400製 先端部の長さH=50mm 被覆材で被覆された部分の太さW2 =15mm 被覆材で被覆された部分の長さ(図2のL)=230m
m 基端部の長さ(図3のh)=20mm 被覆材;鉛(純度99.9%以上)製 厚さW1 =7.5mm 遮蔽板:開孔径40mm,外径300mm,厚さ5mm
のアルミナ製遮蔽板(芯材の先端部の基端側41aとの
距離は5mm) 電流:100A その結果、5分間にわたりアークを持続させて、蒸着膜
厚40ミクロンの高純度Pb蒸着膜を形成することがで
きた。
【0038】比較例1 芯材のない、鉛製丸棒(形状は実施例1のものと同様)
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着膜の形
成を行ったところ、約1分間で陰極の変形ないし溶融に
よりアークを維持することが不可能となった。
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着膜の形
成を行ったところ、約1分間で陰極の変形ないし溶融に
よりアークを維持することが不可能となった。
【0039】以上の結果から明らかなように、本発明に
よれば、低融点金属製陰極を用いた真空蒸着法におい
て、従来の5倍もの長い時間、アーク走行を持続させ
て、短時間で十分な膜厚の蒸着膜を形成することができ
る。
よれば、低融点金属製陰極を用いた真空蒸着法におい
て、従来の5倍もの長い時間、アーク走行を持続させ
て、短時間で十分な膜厚の蒸着膜を形成することができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の真空蒸着法
によれば、低融点金属製陰極を用いた真空蒸着法におい
て、長期にわたり、安定なアーク放電を行って、効率的
な蒸着を行える。
によれば、低融点金属製陰極を用いた真空蒸着法におい
て、長期にわたり、安定なアーク放電を行って、効率的
な蒸着を行える。
【0041】特に、請求項2の方法によれば、不純物の
混入のない純度の高い高品質金属蒸着膜を形成すること
ができる。
混入のない純度の高い高品質金属蒸着膜を形成すること
ができる。
【図1】本発明の実施に好適な低温アーク蒸着装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
部の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1で使用される陰極の拡大図である。
【図3】先願で使用される低温アーク蒸着装置の概略を
示す系統図である。
示す系統図である。
1 真空容器 2 陽極 3 陰極 4 被塗装物 13 電源装置 14 制御盤 40 陰極 41 芯材 42 被覆材 43 遮蔽板
Claims (2)
- 【請求項1】 真空容器内に被蒸着基材を配置すると共
に、陽極としての金属体と、陰極としての長尺の金属棒
とを各極の先端を対峙させて配置し、該陽極と陰極とに
直流電圧を印加してアーク放電を行なって、陰極から低
融点金属を蒸発させることにより、前記被蒸着基材の表
面に、該低融点金属よりなる金属蒸着膜を形成する真空
蒸着法において、 前記陰極として、該低融点金属よりも融点が高い金属で
構成された芯材と、該芯材の先端部以外の側周面を覆う
低融点金属よりなる被覆材とを備える金属棒を用いるこ
とを特徴とする真空蒸着法。 - 【請求項2】 請求項1の方法において、金属棒の前記
先端部の陰極周囲領域と、前記被覆材を設けた陰極周囲
領域とを仕切るように遮蔽板を設けたことを特徴とする
真空蒸着法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22664994A JPH0892735A (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 真空蒸着法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22664994A JPH0892735A (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 真空蒸着法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0892735A true JPH0892735A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16848496
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22664994A Withdrawn JPH0892735A (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 真空蒸着法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0892735A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012169436A (ja) * | 2011-02-14 | 2012-09-06 | Hitachi Metals Ltd | Rh拡散源およびそれを用いたr−t−b系焼結磁石の製造方法 |
-
1994
- 1994-09-21 JP JP22664994A patent/JPH0892735A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012169436A (ja) * | 2011-02-14 | 2012-09-06 | Hitachi Metals Ltd | Rh拡散源およびそれを用いたr−t−b系焼結磁石の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |