JPH09105057A - 繊維成形体およびその製造方法 - Google Patents

繊維成形体およびその製造方法

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JPH09105057A
JPH09105057A JP7258827A JP25882795A JPH09105057A JP H09105057 A JPH09105057 A JP H09105057A JP 7258827 A JP7258827 A JP 7258827A JP 25882795 A JP25882795 A JP 25882795A JP H09105057 A JPH09105057 A JP H09105057A
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JP
Japan
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fiber
polyester
weight
fibers
composite
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JP7258827A
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English (en)
Inventor
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Shogo Hiraiwa
省吾 平岩
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
あって、防虫加工を施したポリエステル繊維Aを40重
量%以上、およびポリエステルR2を芯成分とし、前記
ポリエステル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよ
りも低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分とする
複合繊維Cを20重量%以上60重量%未満含有する繊
維成形体であって、前記複合繊維Cの相互間および該複
合繊維Cと前記ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少
なくとも一部が接着して成形されてなることを特徴とす
る繊維成形体およびその製造方法。 【効果】ダニなどの害虫を忌避し、また害虫の増殖を抑
制し、かつその効果がドライクリーニングに対して耐久
性を有し、圧縮に対してへたり難く、ソフトで、透湿性
・透水性が高く快適な使用感を有し、しかも環境面での
問題を生じ難い繊維成形体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダニなどの害虫を
忌避し、または、害虫の増殖を抑制する防虫性があり、
かつこの防虫性がドライクリーニングに対して耐久性を
有する防虫繊維成形体およびそれの製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、寝装用ベッド中材、マッ
トレス、こたつ、家具用ソファー、クッション、電車や
自動車などで使用される車両用シート中材、パット材、
ドアトリム、サンバイザー、衣料用パッド、その他フィ
ルター、住宅用遮音、断熱などの遮蔽材などクッション
材や遮蔽材として好適に使用される防虫繊維成形体およ
びその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、クッション材としては、一般にポ
リウレタン等の樹脂発泡体が主に使用されてきた。しか
し、樹脂発泡体は発泡時にフロンガスまたはその代替ガ
スを使用するため、環境面で問題があった。また、通気
性や透湿性が低くむれやすい上に、雨や水飛沫のあたる
場所に設置されるシート等として用いる場合には、透水
性が低いために、シートにあたった雨や水飛沫が溜まる
ため、シートの腐食を招いたり、着座時に水が滲み出し
て使用者に不快感を与えるという問題があった。これら
の問題を解消したクッション材(繊維詰め物材)とし
て、例えば特公昭62−2155号公報、特公平1−1
8183号公報、特公平4−33478号公報、特開平
3−140185号公報などに、熱接着性の繊維として
低融点の繊維を使用したり、高融点の熱可塑性樹脂を芯
部とし、低融点の熱可塑性樹脂を鞘部とする、芯鞘構造
の複合繊維を使用するものが提案されている。これらの
ものはある程度の成果は得られたものの、クッション材
としての要求性能である屈曲性や耐へたり性などを十分
に満たすものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
防虫性があり、圧縮に対してへたり難く、ソフトで、透
湿性、透水性が高く快適な使用感を有し、しかも環境面
での問題を生じ難い繊維成形体およびその製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維成形体は、
前記の課題を解決するために、以下の構成を有する。す
なわち、2種以上の繊維で構成された繊維成形体であっ
て、防虫加工を施したポリエステル繊維Aを40重量%
以上、およびポリエステルR2を芯成分とし、前記ポリ
エステル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよりも
低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分とする複合
繊維Cを20重量%以上60重量%未満含有する繊維成
形体であって、前記複合繊維Cの相互間および該複合繊
維Cと前記ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少なく
とも一部が接着して成形されてなることを特徴とする繊
維成形体である。
【0006】あるいは、2種以上の繊維で構成された繊
維成形体であって、防虫加工を施したポリエステル繊維
Aを40重量%以上、防虫加工をしていないポリエステ
ル繊維Bを前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重
量%未満、およびポリエステルR2を芯成分とし、前記
ポリエステル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよ
りも低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分とする
複合繊維Cを20重量%以上含有する繊維成形体であっ
て、前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記
ポリエステル繊維A、Bとの間の接触点の少なくとも一
部が接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形
体である。
【0007】また、本発明の繊維成形体の製造方法は以
下の構成を有する。
【0008】すなわち、防虫加工を施したポリエステル
繊維Aを40重量%以上、およびポリエステルR2を芯
成分とし、前記ポリエステル繊維Aおよびポリエステル
R2のいずれよりも低い融点を有するポリエステルR1
を鞘成分とする複合繊維Cを20重量%以上60重量%
未満の混合割合にして混綿、開繊し、これを気体と共に
通気性型枠内に吹込み充填し、圧縮した状態で熱処理を
施すことを特徴とする繊維成形体の製造方法である。
【0009】あるいは、防虫加工を施したポリエステル
繊維Aを40重量%以上、防虫加工をしていないポリエ
ステル繊維Bを前記ポリエステル繊維Aとの合計量で8
0重量%未満、およびポリエステルR2を芯成分とし、
前記ポリエステル繊維AおよびポリエステルR2のいず
れよりも低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分と
する複合繊維Cを20重量%以上の混合割合にして混
綿、開繊し、これを気体と共に通気性型枠内に吹込み充
填し、圧縮した状態で熱処理を施すことを特徴とする繊
維成形体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の繊維成形体について実施態様例を挙げながら詳細に説
明する。
【0011】本発明の繊維成形体は防虫加工を施したポ
リエステル繊維Aと複合繊維C、または防虫加工を施し
たポリエステル繊維Aと防虫加工していないポリエステ
ル繊維Bと複合繊維Cとから構成され、複合繊維C相互
間および複合繊維Cとポリエステル繊維A、Bとの間の
接触点の少なくとも一部が接着して構成されている。本
発明で用いる防虫ポリエステル繊維Aはポリエステル繊
維にピレスロイド系化合物を含む処理液で処理したもの
を用いることができる。そのピレスロイド系化合物とし
て、フェノトリン(d−シス菊酸の3−フェノキシベン
ジルエステルとの2:8混合物)、合成ピレトリン、ア
レクトリン、フラルトリン、バルトリン、ジメトリン、
および天然ピレトリンなどを用いることができる。これ
らのピレスロイド系化合物の中でも、150℃以上の高
温処理を施しても、揮発性が低く、また、後述するアミ
ノシリコンとの相溶性が良く、ダニ忌避効果、ダニ増殖
抑制効果の洗濯による低下が低く、安全性に優れるなど
の観点から、次の一般式(2)に示すフェノトリンが好
ましい。
【0012】
【化2】 なお、本発明において、ピレスロイド系化合物の共力剤
として、一般に知られているピペロニルブトキサイド、
ピペロニルサイクロネン、プロピルアイソーム、スルホ
キサイド(イソサフロールのオクチルスルホキシド)、
サフロキサン、トロピタル、セゾキサン、サイネピリン
類などを併用することにより、防ダニ効果をより高める
ことが可能となって好ましい。
【0013】本発明の防虫ポリエステル繊維A中のピレ
スロイド系化合物付着量は、0.01重量%以上1重量
%以下が好ましく、0.02重量%以上0.5重量%以
下とするのがより好ましい。繊維中の付着量が0.01
重量%未満の場合は、良好なダニ忌避効果やダニ増殖抑
制効果が得られない。一方、1重量%を越えると、一般
にピレスロイド系化合物は有機燐系の殺虫剤に比べて低
毒性ではあるが、繊維成形体の使用用途によっては人体
への毒性が問題になる可能性もあるので好ましくない。
【0014】次に、本発明に用いるアミノシリコンと
は、シリコンポリマーの分子中にアミノ基を有するもの
で、アミノ基以外にエポキシ基などの他の置換基を有し
ていてもかまわない。
【0015】なお、アミノシリコンのアミノ当量は4.
5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルとするも
のである。アミノ当量が4.5×102 グラム当量/モ
ル未満の場合には、ピレスロイド系化合物ならびに防錆
剤との相溶性が良く、洗濯耐久性は良好であるが、ダニ
忌避効果が低いという問題がある。これはシリコンポリ
マーによって強固にピレスロイド系化合物が被覆される
ためと考えられる。一方、アミノ当量が6.5×103
グラム当量/モルを越える場合は、初期のダニ忌避効果
は優れているが、ドライクリーニング等の洗濯により忌
避性能が低下する問題がある。
【0016】本発明の防虫ポリエステル繊維を使用して
繊維成形体を製造する場合、混綿機や開繊機、梳綿機、
成形機等の機械を錆させることがあり、防錆剤を繊維に
付与することが好ましい。本発明において防錆剤として
は、前記一般式で示されるアミノ系の化合物を用いるこ
とができる。かかる構造のアミノ系化合物以外の防錆剤
では、本発明において用いるピレスロイド系化合物のダ
ニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果が阻害されるという問題
がある。かかるアミノ系化合物の具体例としては、次の
一般式(3)、(4)に示す化合物を用いることができ
る。
【0017】
【化3】 (XはNaまたはKなどのアルカリ金属を示す。)
【化4】 (R1 はC4〜18のアルキル基、R2 はC2〜4 のアルキ
レン基、XはNaまたはKなどのアルカリ金属を示
す。) なお、かかる一般式で示される防錆剤に、さらにオクチ
ルホスフェートカリ塩などのアルキルホスフェート系化
合物や、亜硫酸ナトリウム等を併用すると、該一般式で
示される化合物の防錆効果はさらに向上するので好まし
い。
【0018】本発明において、防ダニ性の洗濯耐久性や
防虫効果の観点から、ピレスロイド系化合物に対するア
ミノシリコンの重量比は1:1〜1:20であるのが好
ましい。これは、ピレスロイド系化合物がアミノシリコ
ン被膜で覆われてしまい、ピレスロイド系化合物が表面
に現れにくくなるためと思われる。
【0019】本発明において、防錆効果や防虫効果およ
び防虫効果の洗濯耐久性の観点から、ピレスロイド系化
合物に対する防錆剤の重量比は1:0.5〜1:10で
あるのが好ましい。
【0020】これは、一般に防錆剤の無機性が強いた
め、アミノシリコンの造膜性に悪影響を及ぼしたり、ポ
リエステル繊維との親和性が低下することによるものと
考えられる。
【0021】本発明の防虫ポリエステル繊維の製造方法
としては、例えば、上記したピレスロイド系化合物、ア
ミノシリコンおよび防錆剤を非イオン系界面活性剤もし
くはアニオン系界面活性剤またはこれらの併用物で乳化
分散した水エマルジョン組成物とし、繊維に対し目標付
与量になるように混合したものをスプレー方式、浸漬・
遠心脱水方式で付与した後、必要に応じ80〜120℃
で予備乾燥後、150〜200℃で熱処理することによ
って製造することができる。
【0022】さらに、防虫ポリエステル繊維Aの断面形
状は丸形の中空以外に、多角、楕円などの異形断面中空
でもよい。
【0023】次に、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフ
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、
防虫ポリエステル繊維Aが機械捲縮を有するのが好まし
い。この捲縮数は繊維成形体の用途によって適宜選択す
ればよいが、捲縮数は少なくとも3山/25mmで捲縮
度が少なくとも5%となるのが好ましい。
【0024】一層の嵩高性を付与するため、この捲縮が
紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮であ
ることは好ましい。
【0025】繊維成形体を構成する防虫ポリエステル繊
維Aとしては、繊維成形体の形態固定性やソフト感付与
の観点から、繊度が0.5〜30デニール、繊維長が1
0〜100mmの短繊維が好ましく用いられる。
【0026】次に、本発明に用いる複合繊維Cについて
説明する。
【0027】複合繊維CはポリエステルR1およびR2
の2成分からなり、ポリエステルR1としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共
重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルある
いは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ば
れた少なくとも一種類のポリマーを用いることができ
る。R2は特に限定されないが、例えば、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらの
エステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリ
コールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−
ナフタレートなどのポリエステルを用いることができ
る。
【0028】R1の選択においては、前記の防虫ポリエ
ステル繊維A、ポリエステル繊維Bおよび複合繊維Cポ
リエステルR2のうちで、最も融点が低いものよりさら
に融点が低いものが使用され、熱接着性の観点からは融
点が20℃以上低いのが好ましく、25℃以上低いのが
より好ましい。
【0029】また、接着の効果や熱劣化を防止する観点
からR1の融点は80〜170℃の範囲に含まれるのが
好ましく、100〜170℃の範囲に含まれるのがより
好ましい。
【0030】熱接着性や得られる繊維成形体のソフト感
および圧縮残留歪の観点から、複合繊維Cにおける重量
比R1/R2は20/80〜60/40であるのが好ま
しく、20/80〜50/50であるのがより好まし
い。
【0031】複合繊維Cには、この他必要に応じてR
1,R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止材など
が添加されていても勿論よい。このような複合繊維Cは
通常の複合紡糸法によって製造することができる。
【0032】なお、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフ
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるために
は、複合繊維Cは機械捲縮等を有するのが好ましい。こ
の捲縮数は繊維成形体の用途によって適宜選択すればよ
いが、捲縮数は少なくとも3山/25mmで捲縮度が少
なくとも5%となるのが好ましい。
【0033】繊維混合物を構成する複合繊維Bとして
は、嵩高性、ソフト感付与の観点から繊度が0.5〜3
0デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ま
しく用いられる。
【0034】本発明の繊維成形体は、前記複合繊維Cの
含有量が20重量%以上とするものである。特に20〜
50重量%の範囲が好ましい。複合繊維Cが20重量%
に満たないと、複合繊維C同士の熱接着点が少なくなっ
て形態安定性が悪くなる問題がある。また、複合繊維C
が60重量%以上では、繊維成形体のソフト感が低下
し、触感が粗硬になると同時に防虫性が低くなる問題が
ある。
【0035】次に、本発明の繊維成形体の製造方法につ
いて説明する。本発明の繊維成形体を製造するに際して
は、まず前述した重量比の防虫ポリエステル繊維Aと複
合繊維C、または防虫ポリエステル繊維A、ポリエステ
ル繊維Bおよび複合繊維Cとを、通常の紡績工程で使用
する給綿機、混綿機、開繊機によって、十分に混綿、開
繊し、目的に応じた形状の通気性型枠に送綿ファンによ
る空気流などの気体と共に吹き込んで充填する。
【0036】上記のように繊維成形体を吹き込んで充填
するためには、型枠が適度の通気性を有する必要があ
る。すなわち、JIS L 1079−1966フラジ
ール型通気性試験機により測定した通気性が5〜200
cc/cm2 ・secの範囲にあることが好ましい。
【0037】このような型枠としては、例えば、図1に
示すパンチング金属板を用いた下金型1および上金型2
を用いることができる。通気性型枠内に吹き込まれた繊
維4は、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配列した状
態となる。
【0038】次いで、充填した繊維混合物を圧縮して、
得ようとする繊維成形体の用途に応じた適当な密度にす
る。この密度としては、0.01〜0.1g/cm3
範囲であることが好ましく、密度が0.01g/cm3
未満では、繊維成形体がソフトすぎて形態安定性が悪く
なり、希望の形状に裁断、成形しにくくなり、逆に密度
が0.1g/cm3 を越えると、繊維成形体のソフト感
が低下する。
【0039】次いで、圧縮充填した繊維混合物を熱処理
して、複合繊維C相互間および複合繊維Cと防虫ポリエ
ステル繊維Aやポリエステル繊維Bとの接触点の一部を
接着して形態を固定する。熱処理の温度の温度は複合繊
維CのポリエステルR1が溶融接着する温度であればよ
く、一般的には80〜200℃が好ましい。熱処理時間
は繊維混合物の密度等によって適宜選択するのが好まし
い。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0041】[ダニ忌避率]直径200mm、高さ30
mmのシャーレにダニ繁殖中の粉末飼料<日本クレア株
式会社製 CF−2>1gを出来るだけ均一に拡げ、こ
の上に1gの繊維成形体を開繊して8×8cmのほぼ正
方形に拡げ、これとは別に防虫加工されていない通常の
ポリエステルの綿1gを前記と同様に8×8cmのほぼ
正方形に拡げ、それぞれ左右対称に1枚ずつ置いた。こ
の綿上の中央の高さ1.4cmのところに、ダニの全く
入っていない粉末飼料(水分15%)1gを入れた直径
2.8cmの容器を置き、室温25±2℃、湿度70〜
80%RHの範囲に調節したふ卵器に入れ40時間放置
した後、容器の中の飼料中に侵入したダニ数を食塩水浮
遊法で数え、次式でダニ忌避率を求めた。
【0042】 ダニ忌避率(%)={(A−B)/A}×100 ここで、Aは通常のポリエステルの綿のダニ数、Bは繊
維成形体の開繊綿のダニ数である。
【0043】なお、ドライ洗濯していない場合をL−
0、パークレン液で40℃、10分間洗浄し、脱溶媒す
る工程を3回繰り返す場合をL−3として表1に示して
いる。 [繊度]JIS L 1015−7−51Aの方法に準
じて測定した。
【0044】[平均繊維長<カット長>]JIS L
1015A法(ステープルダイヤグラム法)に準じて測
定した。 [圧縮残留歪]一辺が100mmの正方形、厚さ100
mmの試験片を、厚み方向に50%圧縮した状態で、温
度70±1℃の恒温漕中で22時間処理した後、圧縮を
解き室温で30分間放置した。その後、厚さ(t1
m)を測定し、次式により圧縮残留歪を求めた。。
【0045】圧縮残留歪(%)={(100−t1 )/
100}×100 [充填密度]試験片(タテ:20cm、ヨコ:20c
m、厚さ:20cm)を20℃×65%RHの雰囲気中
に24時間放置した後の重量(w)を測定し、次式で求
めた。 密度(g/cm3 )=w/8000 [形態固定性・ソフト感]触感によって、優(◎)から
不可(×)まで7段階に分類した。
【0046】[多方向裁断性]試験片を任意の方向に裁
断した際の、裁断の容易さによって優(◎)から不可
(×)まで7段階に分類した。
【0047】[実施例1〜3および比較例1〜2]融点
が255℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペレッ
ト状態とし、紡糸温度280℃、紡糸口金孔数24孔、
引取り速度1350m/分、中空率29%の中空断面構
造とし、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡
糸した。
【0048】次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニ
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与した。さらにピレスロイド系化合物としてフェノト
リンをノニルフェノールのエチレンオキサイド9モル添
加物で乳化し、ピレスロイド系化合物が0.1重量%に
なるように、また、バインダーとして、アミノ当量が
3.5×103 グラム当量/モルであるアミノシリコー
ン(TKシリコーンAS65、高松油脂株式会社製)を
固形分換算で0.5重量%になるように、さらに防錆剤
としてエチレンジアミン4酢酸の2ナトリウム塩を固形
分換算で0.15重量%になるように調整した水エマル
ジョン組成物をスプレーで付与し、カット長38mmに
切断して175℃の熱処理をして繊度5.9デニール、
捲縮数7.7山/25mm、捲縮度26.7%の防虫ポ
リエステル繊維Aを得た。この繊維Aのフェノトリン付
着量は0.15重量%、アミノシリコーン付着量は0.
5重量%、防錆剤付着量は0.15重量%であった。こ
の綿100%の防錆性は、塩酸でメッキ、油分を落とし
た鉄の針金を、前記綿の中にくるみ25℃、75%RH
の恒温恒湿槽で72時間放置後でもほとんど錆が発生せ
ず良好で、ダニ忌避率は洗濯前99.6%、パークレン
液で40℃、10分間洗浄する工程を3回繰り返した後
94.1%であった。
【0049】これとは別に、R2として融点が255℃
の通常ポリエチレンテレフタレート、R1としてイソフ
タル酸40モル%共重合した融点が110℃のポリエチ
レンテレフタレート系ポリエステルを用いて、紡糸温度
285℃、紡糸口金孔数24孔、引取り速度1350m
/分、吐出量18.11g/分、R1/R2で表される
重量比が50/50のR2を芯部とし、R1を鞘部とし
た同心円状の複合繊維Cの未延伸糸を紡糸した。
【0050】次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニ
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率
3.0倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械
捲縮を付与した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥し
た後、仕上げ油剤を付与して、カット長64mmに切断
して、繊度約4.2デニール、表面層の融点が約110
℃の複合繊維Cを得た。
【0051】前記繊維Aおよび繊維Cを混綿し、ローラ
カードでさらに混綿・開繊し、図1のような金型の吹込
口3から、各面にパンチングが施された、内面が500
×500×500mmの下金型1に、空気流と共に吹き
込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物4を各面にパ
ンチングが施された上金型2で圧縮し、充填密度0.0
4g/cm3 、厚さ100mmで固定した。金型に充填
圧縮した繊維混合物4を、紡績糸のセットに使用するヒ
ートセッターを用いて、蒸熱130℃×30分間熱セッ
トし、繊維成形体を得た。
【0052】表1に、得られた繊維成形体の性質を示
す。実施例1、2および3は防虫ポリエステル繊維Aを
40〜80重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合し
た繊維Cを20〜60重量%混綿したもので、ダニ忌避
率は洗濯前41.7〜81.4%、パークレン液で40
℃、10分間洗浄する工程を3回繰り返した後において
も40.5〜79%となって良好であった。また、圧縮
残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多方向裁断性の良
好なものであった。これに対し、比較例1は防虫ポリエ
ステル繊維を82重量%含み、ダニ忌避率、ソフト性は
良好であるが、繊維Cの混綿が18重量%と低く、形態
固定性や多方向裁断性の劣るものであった。
【0053】また、比較例2は防虫加工を施されたポリ
エステル繊維Aが38重量%と少なく、繊維Cが62重
量%と多いため、形態固定性や他方向裁性は良好である
が、ダニ忌避率やソフト性が劣るものであった。
【0054】
【表1】 [実施例4および比較例3]実施例1と同じ方法によっ
て繊維Aおよび繊維Cを製造し、これとは別に融点が2
55℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペレット状
態とし、紡糸温度280℃、紡糸口金孔数24孔、引取
り速度1350m/分、中空率29%の中空断面構造と
し、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡糸し
た。
【0055】次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニ
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与したのち、仕上げ油剤をつけ乾燥して繊度5.9デ
ニール、捲縮数7.8山/25mm、捲縮度27.5%
の通常ポリエステル繊維Bを得た。
【0056】前記繊維A、Bおよび繊維Cを混綿し、ロ
ーラカードでさらに混綿・開繊し、図1のような金型の
吹込口3から、各面にパンチングが施された、内面が5
00×500×500mmの下金型1に、空気流と共に
吹き込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物4を各面
にパンチングが施された上金型2で圧縮し、充填密度
0.04g/cm3 、厚さ100mmで固定した。金型
に充填圧縮した繊維混合物4を、紡績糸のセットに使用
するヒートセッターを用いて、蒸熱130℃×30分間
熱セットし、繊維成形体を得た。
【0057】表1に、得られた繊維成形体の性質を示
す。実施例4は少なくとも防虫ポリエステル繊維を40
重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合した繊維Cを
40重量%混綿したもので、ダニ忌避率は洗濯前41.
74%、パークレン液で40℃、10分間洗浄する工程
を3回繰り返した後においても40.6%で良好であっ
た。また、圧縮残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多
方向裁断性の良好なものであった。これに対し、比較例
3は防虫ポリエステル繊維の混綿率がが38重量%と低
く、ソフト性、形態固定性や多方向裁断性は良好である
が、ダニ忌避率は洗濯前39.5%、パークレン液で4
0℃、10分間洗浄する工程を3回繰り返した後は3
8.6%とダニ忌避率40%に達しないものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明の繊維成形体は、特にダニなどの
害虫を忌避し、または害虫の増殖を抑制する効果があ
り、かつその効果がドライクリーニングに対して耐久性
を有し、圧縮に対してへたり難く、ソフトで、透湿性・
透水性が高く快適な使用感を有し、しかも環境面での問
題を生じ難い優れた特性を有しており、各種クッション
材や遮蔽材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維成形体を製造するために用いられ
る金型の一例をモデル的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:下金型 2:上金型 3:気体の吹き込み口 4:繊維混合物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
    あって、防虫加工を施したポリエステル繊維Aを40重
    量%以上、およびポリエステルR2を芯成分とし、前記
    ポリエステル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよ
    りも低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分とする
    複合繊維Cを20重量%以上60重量%未満含有する繊
    維成形体であって、前記複合繊維Cの相互間および該複
    合繊維Cと前記ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少
    なくとも一部が接着して成形されてなることを特徴とす
    る繊維成形体。
  2. 【請求項2】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
    あって、防虫加工を施したポリエステル繊維Aを40重
    量%以上、防虫加工をしていないポリエステル繊維Bを
    前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重量%未満、
    およびポリエステルR2を芯成分とし、前記ポリエステ
    ル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよりも低い融
    点を有するポリエステルR1を鞘成分とする複合繊維C
    を20重量%以上含有する繊維成形体であって、前記複
    合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリエステ
    ル繊維A、Bとの間の接触点の少なくとも一部が接着し
    て成形されてなることを特徴とする繊維成形体。
  3. 【請求項3】前記複合繊維CのR1/R2で表される重
    量比が、20/80〜60/40であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の繊維成形体。
  4. 【請求項4】前記ポリエステル繊維Aが、ピレスロイド
    系化合物、アミノ当量が4.5×102 〜6.5×10
    3 グラム当量/モルのアミノシリコンおよび防錆剤を含
    む処理液で処理されたものであり、その繊維表面の付着
    物中の前記ピレスロイド系化合物に対する前記アミノシ
    リコンの重量比が1:1〜1:20、前記ピレスロイド
    系化合物に対する防錆剤の重量比が1:0.5〜1:1
    0で、前記ピレスロイド系化合物の付着量が0.01〜
    1重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の繊維成形体。
  5. 【請求項5】防錆剤が下記一般式(I )で示される化合
    物であることを特徴とする請求項4に記載の繊維成形
    体。 【化1】 (式中、R:C2 〜C4 のアルキル基、Y1 :C8 〜C
    18のアルキル基または−(CH2 )n−COO基(n:
    1〜3)、Y2 ,Y3 ,Y4 :−(CH2 )n−COO
    基(n:1〜3)、X1 :無,H,NaまたはK、
    2 、2X3 ,X4 :H,NaまたはKを示す。)
  6. 【請求項6】前記ピレスロイド系化合物がフェノトリン
    であることを特徴とする請求項4または5に記載の繊維
    成形体。
  7. 【請求項7】本文に定義するダニ忌避率が40%以上で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の繊維成形体。
  8. 【請求項8】防虫加工を施したポリエステル繊維Aを4
    0重量%以上、およびポリエステルR2を芯成分とし、
    前記ポリエステル繊維AおよびポリエステルR2のいず
    れよりも低い融点を有するポリエステルR1を鞘成分と
    する複合繊維Cを20重量%以上60重量%未満の混合
    割合にして混綿、開繊し、これを気体と共に通気性型枠
    内に吹込み充填し、圧縮した状態で熱処理を施すことを
    特徴とする繊維成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】防虫加工を施したポリエステル繊維Aを4
    0重量%以上、防虫加工をしていないポリエステル繊維
    Bを前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重量%未
    満、およびポリエステルR2を芯成分とし、前記ポリエ
    ステル繊維AおよびポリエステルR2のいずれよりも低
    い融点を有するポリエステルR1を鞘成分とする複合繊
    維Cを20重量%以上の混合割合にして混綿、開繊し、
    これを気体と共に通気性型枠内に吹込み充填し、圧縮し
    た状態で熱処理を施すことを特徴とする繊維成形体の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106245229A (zh) * 2016-08-29 2016-12-21 山东胜伟园林科技有限公司 一种盐碱地用防蛀无纺布材料及其制备方法

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