JPH09110807A - 炭酸ジエステルの製法及び触媒成分の活性低下抑制方法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製法及び触媒成分の活性低下抑制方法

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JPH09110807A
JPH09110807A JP8182808A JP18280896A JPH09110807A JP H09110807 A JPH09110807 A JP H09110807A JP 8182808 A JP8182808 A JP 8182808A JP 18280896 A JP18280896 A JP 18280896A JP H09110807 A JPH09110807 A JP H09110807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応生成物の分離回収が容易な気相法によ
り、温和な反応条件下に、炭酸ジエステルを高選択率、
かつ高収率で製造し得るとともに、一酸化炭素と亜硝酸
エステルとの気相接触反応系における触媒の寿命を延ば
すことにより、長期間安定な状態で炭酸ジエステルを製
造することを可能にする工業的に好適な炭酸ジエステル
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 亜硝酸エステルと一酸化炭素とを、白金
族金属の塩化物を含む触媒成分を担体に担持した固体触
媒の存在下、気相で接触させて反応させることからなる
炭酸ジエステルの製造方法において、その反応中に白金
族金属の塩化物から飛散する塩素分を補償するために必
要な量の塩化水素を、その反応系に供給することにより
触媒成分の活性低下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭酸ジエステル
の製造方法に関し、より詳しくは、一酸化炭素と亜硝酸
エステルとから炭酸ジエステルを選択的に製造する方法
に関する。また、本発明は、炭酸ジエステルの製造方法
に使用する触媒成分の反応中での活性低下を抑制する方
法にも関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸ジエステルは、医薬、農薬等の有機
合成原料として、また、ポリカーボネートやウレタン等
の製造のための中間体として非常に有用な化合物であ
る。
【0003】炭酸ジエステルの製造方法としては、ホス
ゲンとアルコールとを反応させる方法が非常に古くから
実施されているが、ホスゲンは毒性が極めて強く、ま
た、ホスゲンとアルコールとの反応で塩酸が多量に副生
するため、装置材質上に問題があることなど、ホスゲン
を使用しない製造法が望まれていた。このことからホス
ゲンを使用しない製造法として、アルコールと一酸化炭
素より炭酸ジエステルを合成する方法等が各方面で研究
され、提案されている(例えば、特開昭60−7544
7号公報、特開昭63−72650号公報、特公昭63
−38018号公報、WO−87/7601号明細書な
どの刊行物を参照)。これらの刊行物に記載の方法は、
ハロゲン化銅、ハロゲン化パラジウム等を触媒として用
い、アルコールと一酸化炭素との酸素による酸化反応を
利用して炭酸ジエステルを合成する方法であるが、二酸
化炭素が副生するために一酸化炭素基準の炭酸ジエステ
ルの選択率が低く、また水の生成により炭酸ジエステル
の精製にも手間がかかるという欠点がある。
【0004】この改良法としては、例えば、亜硝酸エス
テルと一酸化炭素とを、白金族金属もしくはその化合物
(例、塩化パラジウムなどの白金族金属の塩化物)を担
体に坦持した固体触媒を用いて気相接触反応させる炭酸
ジエステルの製造法が、特開昭60−181051号公
報に提案されている。この製造法では、反応系に、一酸
化炭素当たりO2 として10モル%以上の酸化剤を存在
させている。しかし、この方法は、シュウ酸ジエステル
の副生を抑えるために、一酸化炭素に対して上記のよう
な割合で酸素等の酸化剤を共存させているにもかかわら
ず、かなりの量のシュウ酸ジエステルが副生しており、
炭酸ジエステルの選択率が低く、また反応速度も十分で
はない。さらに、反応に供される亜硝酸エステル、一酸
化炭素、アルコール、酸素等からなる混合ガス中におけ
る亜硝酸エステルの使用範囲が爆発限界を越えており、
安全上からも問題があるなど、工業的には必ずしも満足
できる方法とはいえない。
【0005】そこで、本発明者は、上記の問題を克服す
る方法として、白金族金属またはその化合物(例、塩化
パラジウムなどの白金族金属の塩化物)と、鉄、銅、ビ
スマス、コバルト、ニッケルおよび錫からなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属の化合物とを担体に担持し
た新規固体触媒を用いて、一酸化炭素と亜硝酸エステル
とから炭酸ジエステルを製造する方法をすでに提案して
いる(特願平1−284816号出願明細書=特開平3
−141243号公報参照)。この方法は、一酸化炭素
と亜硝酸エステルの反応速度および一酸化炭素基準の炭
酸ジエステル選択率がともに高く、さらに気相反応であ
るため、工業プロセスとしても優れた方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の研究による
と、上記に述べたような公知の白金族金属またはその化
合物を含む触媒成分を担体に担持させた固体触媒の存在
下で亜硝酸エステルと一酸化炭素とを気相接触反応させ
て炭酸ジエステルを製造する方法を、その触媒成分とし
て白金族金属の塩化物を用いて実施した場合に、反応の
進行中に触媒成分の白金族金属の塩化物から微量の塩素
分が飛散し、触媒活性が徐々に低下してくる欠点がある
ことが判明した。
【0007】そこで、本発明の目的は、反応生成物の分
離回収が容易な気相法により、温和な反応条件下に、炭
酸ジエステルを高選択率、かつ、高収率で製造し得ると
ともに、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの気相接触反応
系における触媒の寿命を延ばすことにより、長期間安定
な状態で炭酸ジエステルを製造することを可能にする工
業的に好適な炭酸ジエステルの製造方法を提供するこ
と、そしてその触媒成分の活性低下を抑制する方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜硝酸エステ
ルと一酸化炭素とを、白金族金属の塩化物を含む触媒成
分を担体に担持した固体触媒の存在下、気相で接触させ
て反応させることからなる炭酸ジエステルの製造方法に
おいて、その反応中に白金族金属の塩化物から飛散する
塩素分を補償するために必要な量の塩化水素を、その反
応系に供給することを特徴とする炭酸ジエステルの製造
方法にある。
【0009】本発明はまた、亜硝酸エステルと一酸化炭
素とを、白金族金属の塩化物を含む触媒成分を担体に担
持した固体触媒の存在下、気相で接触させて反応させる
ことからなる炭酸ジエステルの製造方法を実施するに際
して、その反応中に白金族金属の塩化物から飛散する塩
素分を補償するために必要な量の塩化水素を、その反応
系に供給することを特徴とする白金族金属の塩化物を含
む触媒成分の活性低下を抑制する方法にもある。
【0010】
【発明の実施の態様】以下に、この発明を詳しく説明す
る。本発明で使用される亜硝酸エステルとしては、亜硝
酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(またはi−)プ
ロピル、亜硝酸n−(またはi−)ブチル、亜硝酸se
c−ブチル等の炭素数1〜4個の低級脂肪酸一価アルコ
ールの亜硝酸エステル、亜硝酸シクロヘキシル等の脂環
式アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸ベンジル、亜硝
酸フェニルエチル等のアルアルキルアルコールの亜硝酸
エステルなどが好適に挙げられるが、特に前記の炭素数
1〜4の低級脂肪族一価アルコールの亜硝酸エステルが
好ましく、中でも亜硝酸メチルおよび亜硝酸エチルが最
も好ましい。
【0011】また、この発明で用いられる固体触媒は、
パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム
等の白金族金属の塩化物を触媒成分とし、これを担体に
担持したものであるが、前記の特願平1−284816
号出願明細書(特開平3−141243号公報参照)に
記載されているように、触媒成分として、鉄、銅、ビス
マス、コバルト、ニッケルおよび錫からなる群から選ば
れる金属の化合物を併用することが好ましい。白金族金
属の塩化物としては、具体的には、塩化パラジウム、塩
化白金、塩化イリジウム、塩化ルテニウムおよび塩化ロ
ジウムなどが挙げられ、中でも、パラジウム、ルテニウ
ムまたはロジウムの塩化物が特に好ましく、塩化パラジ
ウムが最も好ましい。
【0012】本発明における白金族金属の塩化物は、上
記のような塩化物として導入されたものに限定されるも
のではなく、塩化水素の存在下おいて、上記の塩化物か
或は塩素が反応に関与するような複合体を形成し得る白
金族金属または該金属の化合物であってもよい。このよ
うな白金族金属の化合物としては、白金族金属の臭素酸
塩、沃素酸塩、弗素酸塩等のハロゲン化合物、硝酸塩、
燐酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩などが挙げら
れ、さらに具体的には、臭化パラジウム、沃化パラジウ
ム、弗化パラジウム、酢酸パラジウム、燐酸パラジウ
ム、酢酸パラジウム、シュウ酸パラジウム、安息香酸パ
ラジウム、沃化ルテニウム、臭化ロジウム、沃化ロジウ
ム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウムなどが
挙げられる。
【0013】前記の鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッ
ケル、錫等の金属の化合物の例としては、これら金属の
塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化合物、
硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩などが挙げられるが、
中でも前記のハロゲン化合物が特に好適に挙げられる。
【0014】触媒成分を担持する担体としては、珪藻
土、活性炭、シリコンカーバイド、チタニア、アルミナ
などが好適に挙げられるが、活性炭が最も好ましい。担
体への触媒成分の担持方法は、特別なものである必要は
なく、通常実施される方法、すなわち、含浸法(浸漬吸
着法)、混練法、沈着法、共沈法などでよいが、含浸法
または混練法により調製されることが望ましい。担体に
担持する触媒成分中の白金族金属の塩化物の担持量は、
白金族金属の金属換算で、担体に対し、通常0.1〜1
0重量%、特には0.5〜2重量%が好ましい。鉄、
銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、錫等の金属の化合
物の担持量は、これら金属の量に換算して白金族金属に
対して1〜50グラム原子当量、好ましくは、1〜10
グラム原子当量であることが好ましい。
【0015】この発明では、上記の触媒は、粉末もしく
は粒状のものが使用されるが、その粒径については、特
に限定されるものではなく、粉末の場合は、通常用いら
れる20〜100μmのもの、そして粒状の場合は、4
〜200メッシュ程度の通常用いられるものが好適であ
る。
【0016】なお、前記の鉄、銅、ビスマス、コバル
ト、ニッケルおよび錫からなる群から選ばれる少なくと
も1種類の化合物を第二成分として併用すると、その第
二成分は、助触媒的な役割を果たし、これら金属化合物
を上記の量で担体に担持することによって、白金族金属
の塩化物単独担持の場合に比較して、一酸化炭素と亜硝
酸エステルとの反応速度が更に大幅に向上し、また、触
媒の失活速度も遅くなるという利点がある。
【0017】この発明で使用する塩化水素は、無水のも
のであることが好ましい。そして、この発明において、
前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応系に塩化水素
を共存させる方法としては、特に制限は設けないが、例
えば以下に詳述するように、微量の塩化水素を連続添加
する方法、移動床形式の反応器を用い、触媒の一部をそ
の充填層から連続的に抜き出して塩化水素に接触させた
後、反応器に戻す方法などが好ましく、具体的には、後
述するような、この発明で実施可能な各種の反応形式の
内から採用される、前記一酸化炭素と亜硝酸エステルと
の反応の形式に基づいて、適当な方法を選定することが
好ましい。
【0018】そこでまず、微量の塩化水素を連続添加す
る方法について説明する。塩化水素の添加量は、触媒成
分中の白金族金属に対し単位時間当たり通常は、1〜5
0モル%、好ましくは5〜20モル%である。この添加
量は、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応中に触媒か
ら飛散する塩素分に相当する量を補償するために適当な
量であり、過剰に添加すると、逆に、触媒への塩化水素
の過剰吸着により、前記反応が阻害されるので好ましく
ない。実際の反応例で具体的に示すと、例えば、固定床
反応器においてガス空間速度(GHSV)3000hr
-1で反応させる場合、フィードガス(原料供給ガス)中
に通常は、10〜500容量ppm、好ましくは20〜
100容量ppmの塩化水素を添加し、連続的に触媒層
へ供給して触媒から飛散する塩素分を補給する。
【0019】次に、移動床形式での反応の場合の方法で
あるが、これは、反応器中の触媒充填層から抜き出した
触媒に塩化水素ガスを接触・吸着させることにより、塩
素飛散分を補給した後、反応器に戻す方法である。抜き
出した触媒に塩化水素を吸着させる方法は、通常考えら
れる方法でよく、例えば、抜き出した触媒を適当な容器
に充填した後、温和な条件下に窒素で希釈した塩化水素
ガスを通じるだけで良い。この場合、塩化水素の濃度と
しては、0.1〜10容量%が操作上では適当である
が、これに限定されるべきものではなく、例えば、10
0容量%でも差し支えない。また、塩化水素は速やかに
触媒に吸着されるので、塩化水素を前記の抜き出し触媒
に接触させる時間は、この接触操作の際の空間速度(S
V)にもよるが、1〜30分で十分である。この接触操
作は、好ましくは常温、常圧下に実施されるが、勿論そ
の範囲は限定されるものではなく、例えば、温度につい
ては0〜200℃、圧力については−0.5〜5kg/
cm2 Gの範囲でも十分実施できるのである。
【0020】本発明の方法によれば、一酸化炭素と亜硝
酸エステルの接触反応は、非常に温和な条件下で行われ
得るが、これも本発明の一つの特徴となるものである。
例えば、反応は、0〜200℃、好ましくは50〜12
0℃の温度で、常圧で行われ得る。勿論、加圧系でも問
題なく行うことができ、1〜20kg/cm2 Gの圧力
および50〜150℃の温度の範囲で実施することがで
きる。
【0021】本発明において、前述したような原料の亜
硝酸エステルは、例えば、亜硝酸ソーダ水溶液の硝酸も
しくは硫酸分解により、一酸化窒素(NO)および二酸
化窒素(NO2 )の混合ガスを発生させ、次いで、この
混合ガス中のNOの一部を分子状酸素で酸化して二酸化
窒素(NO2 )に変えて、NO/NO2 =1/1(容量
比)のNOX ガスを得、これにアルコールを接触させる
ことにより、容易に合成されるのもであるが、この亜硝
酸エステルの合成までを含めて考えると、前記一酸化炭
素と亜硝酸エステルとの接触反応は、2〜3kg/cm
2 G程度の若干の加圧系の方が特に望ましい。
【0022】前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応
の形式としては、気相であれば、バッチ式あるいは連続
式の何れでも行うことができるが、連続式の方が工業的
には有利である。また、触媒の反応系への存在形態とし
ては、固定床、移動床または流動床の何れの反応器を用
いても実施することができる。
【0023】本発明では、原料ガスの一酸化炭素および
亜硝酸エステルは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈して
前記の反応器にフィードされることが望ましいが、その
組成としては、反応上からは特に限定されるものではな
い。しかし、安全上の観点からすれば、前記亜硝酸エス
テルの濃度は、通常は20容量%以下、好ましくは5〜
20容量%である。それに伴い、一酸化炭素の濃度は、
5〜20容量%の範囲にするのが、経済的に好ましい。
すなわち、工業的な製造プロセスを考えれば、反応に供
する一酸化炭素、亜硝酸エステル等のガスを循環使用
し、該循環ガスの一部を系外にパージすることが好まし
く、また、一酸化炭素のワンパスの転化率が20〜30
%程度であることからして、一酸化炭素の濃度を20容
量%より高くしてもロスが増えるだけであり、また、5
容量%より低くすると生産性が落ちるなどの問題がある
のである。しかし、この経済性を無視すれば、一酸化炭
素の濃度は、実際には80容量%までは可能である。つ
まり、亜硝酸エステルを、前記不活性ガスの代わりに一
酸化炭素で希釈した形でフィードすることも可能なので
ある。従って、一酸化炭素と亜硝酸エステルの使用割合
は、亜硝酸エステル1モルに対して、一酸化炭素が通
常、0.1〜10モル、好ましくは0.25〜1モルの
範囲である。
【0024】また、本発明では、前記反応器にフィード
される、一酸化炭素および亜硝酸エステルを含有するガ
スの空間速度は、500〜20000hr-1の範囲、好
ましくは2000〜5000hr-1の範囲で行うことが
望ましい。この方法の製法では、前記の亜硝酸エステル
は、反応に関与した後、分解して一酸化窒素(NO)を
発生するが、前記反応器から導出される反応ガスから、
このNOを回収し、酸素および前記亜硝酸エステルに対
応するアルコールと反応させて、再度亜硝酸エステルに
変換せしめ、循環使用することが好ましい。
【0025】このようにして、反応器から、目的生成物
の炭酸ジエステルの他に、シュウ酸ジエステル等の副生
物、未反応の一酸化炭素及び亜硝酸エステル、一酸化窒
素、二酸化炭素、不活性ガスなどを含む反応ガスが導出
されるが、例えば、この反応ガスを冷却後、一酸化炭
素、亜硝酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素、不活性
ガス等の未凝縮ガスは、前述した如く、その一部をパー
ジしながら、再度反応器に循環さしめる一方、凝縮液か
ら、例えば蒸留等の常法により炭酸ジエステルを分離精
製するのである。
【0026】なお、原料の亜硝酸エステルは、前述した
ように、通常、アルコールと窒素酸化物を必要に応じて
分子状酸素の存在下に反応させて調製され、そのガス中
には亜硝酸エステルの他に、未反応のアルコール、窒素
酸化物(特に一酸化窒素)、場合によっては微量の水や
酸素が含まれている。この発明では、このような亜硝酸
エステル含有ガスを、亜硝酸エステル源として使用する
場合にも好結果が得られるのである。
【0027】この発明においては、以上述べたような処
理を行うことによって、従来法における触媒の活性低下
を防ぐことができ、高収率かつ高選択性で長期間安定な
状態で一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応による炭酸
ジエステルの製造を継続できる。
【0028】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、この発
明の方法を具体的に説明するが、これらは、この発明の
方法を何ら限定するものではない。なお、各実施例およ
び比較例における空時収量(STY)Y(g/L・h
r)は、一酸化炭素と亜硝酸エステルの接触反応時間を
θ(hr)、その間に生成した炭酸ジエステルの量をa
(g)、そして反応管への触媒の充填量をb(単位:リ
ットル(L))として、次式により求めた。 Y=a/(b×θ)
【0029】また、各実施例および比較例における選択
率X(%)は、何れも供給された一酸化炭素基準であ
り、上記のθ(hr)に生成した炭酸ジエステル、シュ
ウ酸ジエステルおよび二酸化炭素の量を、それぞれ、a
(モル)、c(モル)およびd(モル)として、次式に
より求めた。 X={a/(a+2×c+d)}×100
【0030】[実施例1]内径20mmの気相反応管
(外部ジャケット付)に粒状活性炭にPdCl2 および
BiCl3 を担持した触媒(PdCl2 −BiCl3
C)7mLを充填した後、この反応管を垂直に固定し、
反応管ジャケットに熱媒を循環させ、触媒層内温度が1
00℃になるように加熱制御した。この反応管の上部か
ら、一酸化窒素、酸素およびメタノールより合成した亜
硝酸メチルを含むガスと一酸化炭素との混合ガス、すな
わち、亜硝酸メチル:15容量%、一酸化炭素:10容
量%、一酸化窒素:3容量%、メタノール:6容量%、
塩化水素:100容量ppmおよび窒素:66容量%の
組成からなる混合ガスを、3000hr-1の空間速度
(GHSV)で供給し、常圧下に反応させた。次いで、
この反応管を通過した反応生成物を、氷冷されたメタノ
ール中を通して捕集した。得られた捕集液はガスクロマ
トグラフィーによって分析した。この条件下で反応を1
00時間継続して行ない、5時間毎に、上述のようにし
て、反応生成物のサンプリングおよびガスクロマトグラ
フィーによる分析を行った。
【0031】その結果、炭酸ジメチルのSTYは、初期
において500g/L・hrであったものが、10時間
目で350g/L・hrまで低下した。しかし、その
後、反応開始後100時間目の反応終了時まで350g
/L・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一
酸化炭素基準の選択率は、初期において97%であった
ものが、副生物であるシュウ酸ジメチルの増加により、
反応開始後10時間目で92%に低下したが、その後、
反応終了時(反応開始後100時間目)までほぼ一定で
あった。
【0032】[比較例1]反応管へのフィードガス中に
塩化水素を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様
にして、炭酸ジメチルを製造した。その結果、炭酸ジメ
チルのSTYは、初期において500g/L・hrであ
ったものが、反応開始後10時間目までに300g/L
・hrにまで低下し、さらに20時間目で200g/L
・hr、30時間目で120g/L・hr、そして50
時間目では60g/L・hrと低下していった。また、
炭酸ジメチルの選択率も、シュウ酸ジメチルの生成量の
増加により徐々に低下し、50時間目で60%になっ
た。
【0033】[実施例2]内径40mmの気相反応管
(触媒層下部抜き出し管付)に実施例1と同様の触媒2
00mLを充填した。これとは別に同じ形式の触媒再生
管を用意し、同じ触媒200mLを充填した。そこで、
この気相反応管および触媒再生管を垂直に固定し、気相
反応管には、その上部から、一酸化窒素、酸素およびメ
タノールより合成した亜硝酸メチルを含むガスと一酸化
炭素との混合ガス、すなわち、亜硝酸メチル:15容量
%、一酸化炭素:10容量%、一酸化窒素:3容量%、
メタノール:6容量%および窒素:66容量%の組成か
らなる混合ガスを、3000hr-1の空間速度(GHS
V)で供給し、常圧下に反応させた。反応開始後1時間
目より、反応管の触媒層下部から、触媒層下部抜き出し
管を介して、1時間に10mLの割合で触媒を抜き出
し、それを触媒再生管の上部へ供給し。同時に、触媒再
生管の下部から、該再生管の触媒層下部抜き出し管を会
して、1時間に10mLの割合で触媒を抜き出し、それ
を反応管の上部へ供給した。そして、触媒再生管には、
反応開始後1時間目から塩化水素100容量ppmを含
む窒素ガスを500hr-1の空間速度で流した。
【0034】以上のようにして、亜硝酸メチルと一酸化
炭素との反応を行なった後、反応管から出たガスを、氷
冷されたメタノール中を通して捕集し、ガスクロマトグ
ラフィーによる定量分析にかけた。この条件下で反応を
100時間継続して行ない、5時間毎に、上述のように
して、反応生成物のサンプリングおよびガスクロマトグ
ラフィーによる分析を行った。その結果、炭酸ジメチル
のSTYは、反応初期において500g/L・hrであ
ったものが、反応開始後10時間目で370g/L・h
rまで低下した。しかし、その後、反応開始後100時
間目の反応終了時まで350〜370g/L・hrでほ
ぼ一定であった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準
の選択率も、反応初期において97%であったものが、
副生物であるシュウ酸ジメチルの増加により、反応開始
後10時間目で93%に低下したが、その後、反応終了
時(反応開始後100時間目)まで90〜93%で一定
となった。
【0035】
【発明の効果】亜硝酸エステルと一酸化炭素とを、白金
族金属の塩化物を含む触媒成分を担体に担持した固体触
媒の存在下、気相で接触させて反応させて炭酸ジエステ
ルを製造方法を実施するに際して、本発明に従って、反
応中に白金族金属の塩化物から飛散する塩素分を補償す
るために必要な量の塩化水素を、その反応系に供給する
ことにより、反応の進行とともに発生する触媒活性の低
下が顕著に抑制されるため、炭酸ジエステルを工業的に
有利に得ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硝酸エステルと一酸化炭素とを、白金
    族金属の塩化物を含む触媒成分を担体に担持した固体触
    媒の存在下、気相で接触させて反応させることからなる
    炭酸ジエステルの製造方法において、その反応中に白金
    族金属の塩化物から飛散する塩素分を補償するために必
    要な量の塩化水素を、その反応系に供給することを特徴
    とする炭酸ジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 白金族金属の塩化物が塩化パラジウムで
    ある請求項1に記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 白金族金属の塩化物の担体に対する担持
    量が、白金族金属の金属換算で担体に対して0.1〜1
    0重量%である請求項1に記載の炭酸ジエステルの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 塩化水素を、白金族金属の塩化物に対し
    て単位時間当り1〜50モル%供給する請求項1に記載
    の炭酸ジエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 塩化水素を、亜硝酸エステルと一酸化炭
    素とを含む原料ガス中に10〜500容量ppm添加し
    て反応系に供給する請求項1に記載の炭酸ジエステルの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 亜硝酸エステルと一酸化炭素とを、白金
    族金属の塩化物を含む触媒成分を担体に担持した固体触
    媒の存在下、気相で接触させて反応させることからなる
    炭酸ジエステルの製造方法を実施するに際して、その反
    応中に白金族金属の塩化物から飛散する塩素分を補償す
    るために必要な量の塩化水素を、その反応系に供給する
    ことを特徴とする白金族金属の塩化物を含む触媒成分の
    活性低下を抑制する方法。
  7. 【請求項7】 白金族金属の塩化物が塩化パラジウムで
    ある請求項6に記載の触媒成分の活性抑制方法。
  8. 【請求項8】 白金族金属の塩化物の担体に対する担持
    量が、白金族金属の金属換算で担体に対して0.1〜1
    0重量%である請求項6に記載の触媒成分の活性抑制方
    法。
  9. 【請求項9】 塩化水素を、白金族金属の塩化物に対し
    て単位時間当り1〜50モル%供給する請求項6に記載
    の触媒成分の活性抑制方法。
  10. 【請求項10】 塩化水素を、亜硝酸エステルと一酸化
    炭素とを含む原料ガス中に10〜500容量ppm添加
    して反応系に供給する請求項6に記載の炭酸ジエステル
    の製造方法。
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