JPH09111231A - トリフルオロイオドメタンを含む混合作動流体およびそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

トリフルオロイオドメタンを含む混合作動流体およびそれを用いた冷凍サイクル装置

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JPH09111231A
JPH09111231A JP7292165A JP29216595A JPH09111231A JP H09111231 A JPH09111231 A JP H09111231A JP 7292165 A JP7292165 A JP 7292165A JP 29216595 A JP29216595 A JP 29216595A JP H09111231 A JPH09111231 A JP H09111231A
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trifluoroiodomethane
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pressure
mixture
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JP7292165A
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Yuji Yoshida
雄二 吉田
Shozo Funakura
正三 船倉
Kazuo Nakatani
和生 中谷
Minoru Tagashira
實 田頭
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成層圏のオゾン層を破壊するという課題を有
するフロンにおいて、また加水分解しやすいエステル油
の使用を前提とし、地球温暖化という環境問題において
課題を有するフッ化炭化水素類の冷媒において、そのよ
うな影響がほとんどなく、従来の冷凍サイクル装置にそ
のまま用いることができる、難燃性の混合作動流体を提
供することを目的とする。 【解決手段】 エステル油以外の潤滑油と混合物とを含
み、その混合物は、20〜95重量%のトリフルオロイ
オドメタンと5〜80重量%のシクロプロパンとを含む
混合作動流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステル油以外の
潤滑油とトリフルオロイオドメタンとハイドロカーボン
類とラジカル連鎖禁止剤とを含む混合作動流体、および
それを用いた冷蔵庫、冷凍機等の冷凍サイクル装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷蔵庫や冷凍機等の冷凍サイク
ル装置は、圧縮機、凝縮器、膨張機構(キャピラリーチ
ューブ又は膨張弁等の絞り装置)、蒸発器、アキューム
レータ等が配管により接続された構成であり、その装置
による冷却効果は、その内部を冷媒が循環することによ
り得られる。また、そのサイクル装置に四方弁を取り付
ければ、冷却効果だけでなく加熱効果をも得ることがで
きる。これらの冷凍サイクル装置においては、フロン類
(以下R○○またはR○○○と記す)と呼ばれるメタン
またはエタンから誘導されたハロゲン化炭化水素が、冷
媒として用いられている。
【0003】冷凍冷蔵庫や冷凍機等においては、利用温
度としては凝縮温度は略40℃、蒸発温度は略−30〜
−40℃の範囲で通常使用される。中でもジクロロジフ
ルオロメタン(CCl2F2、R12、沸点−29.7℃)
が、冷媒として幅広く用いられていた。
【0004】一方近年、フロンによる成層圏オゾン層破
壊が、地球規模の環境問題となっている。そして、フロ
ンは、成層圏オゾン破壊能力が大きいため、すでにモン
トリオール国際条約によってその使用・生産を廃止する
ことが決定されている。このため、そのような影響が成
層圏オゾン層に及ばないようにするため、R12と沸点
が近いこともあり、分子構造中に塩素を含まないフッ化
炭化水素類である1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(CF3-CH2F、R134a、沸点−27℃)がR12の
代替冷媒として利用されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフッ化炭化水素類の冷媒は、地球温暖化というもう
一つの環境問題において課題を有している。地球温暖化
に対する影響を示す目安として地球温暖化係数(以下G
WPと記す)があり、R134aのGWPは比較的大き
いとされている。すなわち、1994年のIPCC(Intergover
mental Panel onClimate Change,気候変動政府間パネ
ル)報告によれば、炭酸ガス(CO2)のGWPを1と
したときの積算時水平軸100年の比較値で見ると、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3-CH2F、R
134a、沸点−27℃)のGWPは、1300である
とされている。
【0006】また、フッ化炭化水素類の冷媒は、従来の
圧縮機用潤滑油として用いられてきた鉱油や一部の合成
油と相溶性が悪いために、圧縮機から冷媒と一緒に吐出
された潤滑油が低温の蒸発器から圧縮機に帰還しなくな
る恐れを有している。このため、フッ化炭化水素類を冷
媒として用いる場合には、圧縮機用潤滑油として相溶性
の良いエステル油を用いることが前提として考えられて
いる。しかし、エステル油は、加水分解しやすいため
に、化学材料的な信頼性について細心の注意を払う必要
がある。
【0007】そこで、本発明は、上述の問題に鑑みて試
されたもので、従来の圧縮機用潤滑油と一緒に使用する
ことができ、成層圏オゾン層に及ぼす影響がほとんどな
く、地球温暖化に対する影響も小さいR134aの代替
となる冷媒を含む、混合作動流体を提供することを目的
とする。
【0008】また、本発明は、塩素を含まないトリフル
オロイオドメタンとハイドロカーボン類とエステル油以
外の潤滑油とラジカル連鎖禁止剤を含む混合作動流体を
提供することを目的とする。
【0009】更に、本発明は、エステル油以外の潤滑油
とトリフルオロイオドメタンとハイドロカーボン類とを
混合作動流体とする、冷凍サイクル装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】ハイドロカーボン類は、
成層圏オゾン層に及ぼす影響がほとんどなく、地球温暖
化に対する影響もほとんどないため、そのまま利用する
ことができる、R134a等のフッ化炭化水素類の代替
冷媒として提案されている。
【0011】例えば、イソブタン(i-C4H8、R600
a、沸点−11.7℃)は、R134aより沸点が高い
ために冷凍能力は劣るものの、成績係数がR134a等
のフッ化炭化水素類と同等であるため、その代替冷媒と
して提案されている。また、プロパン(C3H8、R29
0、沸点−42.1℃)は、空調用に用いられるR22
と沸点が近いこともあって、その代替冷媒として提案さ
れている。さらに、イソブタン(R600a)の冷凍能
力を改善するために、イソブタン(R600a)にプロ
パン(R290)を混合した混合冷媒も提案されてい
る。
【0012】また、ハイドロカーボン類は、鉱油や一部
の合成油と化学構造が似ているためにそれらと相溶性が
良い。このため、エステル油以外の従来の圧縮機用潤滑
油と一緒に、ハイドロカーボン類を用いることが可能と
なる。
【0013】しかしながら、ハイドロカーボン類は、最
大の欠点として爆発的可燃性を有している。このため、
これらを冷蔵庫、冷凍機等の冷凍サイクル装置の冷媒と
して使用する場合には、厳格な防爆対策が必要となり、
機器コストが過大となり、そして使い勝手も悪いものと
なる。
【0014】ところで、トリフルオロイオドメタン(CF
3I、沸点−22.7℃)は、別名イオドトリフルオロメ
タン又はトリフルオロメチルイオダイドとも呼ばれ、1
の炭素原子と3の弗素原子と1の沃素原子のみから成
り、分子構造中に塩素を含まないために、成層圏オゾン
破壊に対する影響がほとんどない。またトリフルオロイ
オドメタンのGWPは、フッ化炭化水素類のGWPより
もかなり小さく、ほとんど炭酸ガス(CO2)と同程度
になるものである。かつトリフルオロイオドメタンは、
負触媒効果のある不燃性物質として注目されており、ハ
イドロカーボン類の可燃性を低減し、混合量によっては
不燃化できるものである。さらにハイドロカーボン類の
鉱油や一部の合成油との相溶性を阻害することなく、エ
ステル油以外の圧縮機用潤滑油と一緒に用いることが可
能である。
【0015】そこで、本発明の混合作動流体には、ハイ
ドロカーボン類としてシクロプロパン(RC270)が
用いられる。このシクロプロパン(C3H6、RC270、
沸点−33℃)は、R134aより低沸点な環状のハイ
ドロカーボン類である。
【0016】そして、本発明では、トリフルオロイオド
メタンを、シクロプロパン(RC270)と混合し、組
成範囲を特定することによって、R134aと同等の沸
点を有する混合物を構成して、かつ不燃化することによ
って、その混合作動流体をR134aの代替冷媒として
使用することができるものである。
【0017】また、本発明では、シクロプロパン(RC
270)とトリフルオロイオドメタンとの混合物に、さ
らにイソブタン(R600a)またはプロパン(R29
0)を添加し、組成範囲を特定することによって、R1
34aと同等の沸点を有する混合物を構成して、かつ不
燃化することによって、その混合作動流体をR134a
の代替冷媒として使用することができるものである。
【0018】さらに、これらの冷媒にラジカル連鎖禁止
剤を含ませることによって、トリフルオロイオドメタン
の安定化に貢献することができる。
【0019】従って、本発明は、エステル油以外の潤滑
油と、塩素を含まないトリフルオロイオドメタンとハイ
ドロカーボン類を含む混合作動流体であり、そのハイド
ロカーボン類は、主たる成分としてシクロプロパン(R
C270)を含み、さらにイソブタン(R600a)ま
たはプロパン(R290)のいづれかを含むものであ
る。
【0020】また本発明は、トリフルオロイオドメタン
の組成範囲を、混合物として難燃化できるように特定す
るものである。
【0021】また本発明は、トリフルオロイオドメタン
とハイドロカーボン類の混合物の組成範囲を、混合物の
蒸気圧がほぼR134aと同等となるように特定するも
のである。
【0022】また本発明は、ラジカル連鎖禁止剤を含む
ことによってトリフルオロイオドメタンを安定化させる
ものである。
【0023】さらに本発明は、これらの混合作動流体を
使用した冷凍サイクル装置である。
【0024】本発明は、上述の組合せによって、冷媒
を、塩素を含まないトリフルオロイオドメタンとハイド
ロカーボン類から成る混合物となすことにより、成層圏
オゾン層に及ぼす影響をほとんどなくすることを可能と
するものであり、特定された組成範囲におけるODPも
0と予想されるものである。
【0025】さらにかかる混合物は、R134aのGW
Pよりもかなり小さくほとんど炭酸ガス(CO2)と同
程度になる可能性のあるトリフルオロイオドメタンと、
GWPがほとんどないシクロプロパン(RC270)
や、同じくGWPがほとんどないイソブタン(R600
a)またはプロパン(R290)のいづれかのみから構
成されるため、これらを混合した冷媒も、地球温暖化に
対する影響はほとんどないものである。
【0026】さらにトリフルオロイオドメタンは負触媒
効果のある不燃性物質であるため、シクロプロパン(R
C270)や、イソブタン(R600a)又はプロパン
(R290)との混合物の組成範囲をさらに難燃性の範
囲に限定することにより、エステル油以外の圧縮機用潤
滑油と一緒に、通常の冷凍サイクル装置にそのまま使用
可能である。圧縮機用潤滑油としては、従来の鉱油、ア
ルキルベンゼン油ばかりでなく、エーテル系油、フッ素
系油等の加水分解のない潤滑油が使用可能である。
【0027】さらに本発明は、R134aより低沸点で
あるRC270と、R134aより高沸点であるトリフ
ルオロイオドメタンのみを混合する場合には、冷蔵庫等
の冷凍サイクル装置の利用温度である略−40〜略40
℃において、R134aと同等以上の蒸発圧力と同等以
下の凝縮圧力をもつため、圧縮比を低減して高効率な冷
凍サイクル装置を実現し、冷凍能力と成績係数が同等以
上のため、R134aを用いた現行機器でも使用可能な
冷媒を提供することを可能とするものである。
【0028】また本発明は、R134aより低沸点であ
るRC270と、R134aより高沸点であるトリフル
オロイオドメタンとR600aを混合する場合には、そ
の組成範囲を特定することによって、冷蔵庫等の冷凍サ
イクル装置の利用温度である略−40〜略40℃におい
て、R134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝縮
圧力を有し、R134aと同等以上の冷凍能力と成績係
数を期待できるため、R134aを用いた現行機器でも
使用可能な冷媒を提供することを可能とするものであ
る。
【0029】また本発明は、R134aより低沸点であ
るR290とRC270と、R134aより高沸点であ
るトリフルオロイオドメタンを混合する場合には、その
組成範囲を特定することによって、冷蔵庫等の冷凍サイ
クル装置の利用温度である略−40〜略40℃におい
て、R134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝縮
圧力を有し、R134aと同等以上の冷凍能力と成績係
数を期待できるため、R134aを用いた現行機器でも
使用可能な冷媒を提供することを可能とするものであ
る。
【0030】さらにかかる混合冷媒は、沸点差が約30
deg以内のプロパン(R290)、シクロプロパン
(RC270)、トリフルオロイオドメタン、イソブタ
ン(R600a)のいづれかからなる混合物であるた
め、ほとんど近共沸の非共沸混合物になり、凝縮過程お
よび蒸発過程において小さな温度勾配をもつため、空気
等の熱源流体との温度差を近接させたロレンツサイクル
を構成することにより、代替となるべきR134aより
も高い成績係数(COP)の冷凍サイクル装置を構成で
きるものである。
【0031】さらに本発明は、ラジカル連鎖禁止剤を加
えて安定化される。すなわち、トリフルオロイオドメタ
ンは、酸素などの活性分子の混入によって、ヨウ素が外
れて分解する可能性があるが、その際に生成するトリフ
ルオロメタンのラジカルとヨウ素ラジカルまたはイオン
による連鎖的な分解反応を停止することによって、安定
に長期間使用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、エステル油以外の潤滑油と混合物とを含み、その混
合物は、20〜95重量%のトリフルオロイオドメタン
と5〜80重量%のシクロプロパンとを含むことを特徴
とする混合作動流体である。
【0033】なお、前記混合物は、更に50重量%以下
のイソブタンか15重量%以下のプロパンのどちらか一
方を含むとしてもよい。
【0034】また、前記混合物は、更に50重量%以下
のイソブタンを含むとしてもよい。
【0035】また、本実施例の混合作動流体は、更にラ
ジカル連鎖禁止剤を含むとしてもよい。
【0036】請求項4に記載の発明は、エステル油以外
の潤滑油と混合物とを含み、その混合物は、50〜95
重量%のトリフルオロイオドメタンと5〜50重量%の
シクロプロパンと15重量%以下のプロパンとを含むこ
とを特徴とする混合作動流体である。
【0037】なお、本実施例の混合作動流体は、更にラ
ジカル連鎖禁止剤を含むとしてもよい。
【0038】請求項6に記載の発明は、圧縮機、凝縮
器、膨張機構および蒸発器とを備え、エステル油以外の
潤滑油と混合物とを混合作動流体とし、前記混合物は、
20〜95重量%のトリフルオロイオドメタンと5〜8
0重量%のシクロプロパンとを含むことを特徴とする冷
凍サイクル装置である。
【0039】なお、前記混合作動流体は、更にラジカル
連鎖禁止剤を含むとしてもよい。
【0040】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。
【0041】本発明のトリフルオロイオドメタンを含む
混合作動流体に係る一実施の形態について説明する。本
実施の形態における混合作動流体は、エステル油以外の
潤滑油と冷媒とを含み、そしてその冷媒は、イソブタン
(R600a)若しくはプロパン(R290)のどちら
か一方と、トリフルオロイオドメタンとシクロプロパン
(RC270)とを含む。
【0042】ここで、イソブタン(R600a)、プロ
パン(R290)及びシクロプロパン(RC270)は
可燃性物質であり、引用文献の日本冷凍協会編「冷媒フ
ロンの放出削減と代替技術」(1994年3月1日発行)第81
頁によれば、空気中のイソブタンの燃焼範囲は1.8〜
9.7vol%であり、プロパンの燃焼範囲は2.1〜
9.6vol%である。シクロプロパンの燃焼範囲につ
いては記載されていないが、イソブタンやプロパンとほ
ぼ同等であることが知られている。
【0043】これらの可燃性物質に普通の不活性ガスを
混合した場合の混合冷媒の燃焼範囲は、同一文献の第79
頁に記載の方法で計算され、逆に混合冷媒を不燃化する
ための不活性ガスの組成割合も計算される。すなわち、
通常の不活性ガスをハイドロカーボン類に混合する場合
には、不活性ガスの組成割合は略99重量%以上におい
て、混合冷媒をほとんど不燃化できることがわかる。し
かし、上述のように通常の不活性ガスと考えると約99
重量%以上必要なところ、トリフルオロイオドメタンを
用いた場合には、ヨウ素およびフッ素、特にヨウ素によ
る燃焼に対する負の触媒作用が強いために、略10重量
%〜20重量%以上から不燃化効果が得られる。
【0044】そこで、本実施の形態についての燃焼性の
試験を、以下の如く簡易の燃焼実験方法を用いて行っ
た。まず、第1の方法として、容積75.6mlの試験
管、または容積325mlのメスシリンダを用い、その
開口部を下に設置して、容器中に所定の濃度の混合ガス
を充填して充分に拡散した後に、開口部を開封直後にマ
ッチによって着火した。燃焼の判定は、火炎が下部の開
口部から容器全体に、すなわち容器上部にまで到達した
時を燃焼濃度とした。この方法によって燃焼濃度がない
混合ガス組成を不燃性とした。なお、この方法の検証と
して、単独の可燃性ガスの燃焼範囲を測定すると、下限
界で±0.1vol%、上限界で±0.4vol%の範
囲で一致することを確認してから実験を行った。
【0045】また、第2の方法として、同じ容器を開口
部を上に設置して、容器中に所定の濃度の混合ガスを充
填して充分に拡散した後に、開口部を開封直後にマッチ
によって着火した。燃焼の判定は、火炎が上部の開口部
から容器全体に、すなわち容器下部にまで到達した時を
燃焼濃度とした。この方法によって燃焼濃度がない混合
ガス組成を難燃性とした。
【0046】不燃性のトリフルオロイオドメタンと、可
燃性のプロパン(R290)、イソブタン(R600
a)、シクロプロパン(RC270)とを混合した場合
には、どの可燃性ガスにおいてもトリフルオドイオドメ
タンの混合量を増やして行くとトリフルオロイオドメタ
ンの濃度が略2.5vol%、すなわち略10重量%か
ら難燃性となり、略5vol%、すなわち略20重量%
から不燃性となることがわかった。トリフルオロイオド
メタンによって、このような低い混合濃度から不燃化効
果が得られるのは、上述のように分子中のヨウ素やフッ
素の燃焼に対する負の触媒効果が働くためである。
【0047】次に、イソブタン(R600a)若しくは
プロパン(R290)のどちらか一方と、トリフルオロ
イオドメタンと、シクロプロパン(RC270)とを含
む混合冷媒の蒸気圧が、ほぼR134aと同等となるよ
うに特定された組成範囲の実施の形態について、蒸気圧
の図を用いて説明する。
【0048】図1(a)と(b)は、シクロプロパン
(C3H6、RC270、沸点−33℃)とトリフルオロイ
オドメタン(CF3I、沸点−22.7℃)の二種の混合物
によって構成される混合冷媒の、一定温度の−40℃と
40℃における平衡状態を直角座標を用いて示した図で
ある。本直角座標においては、左端にトリフルオロイオ
ドメタン、右端にRC270を配置しており、座標平面
上のある点における各成分の組成比(重量比)は、RC
270の組成として表される。
【0049】図1(b)において、1L、1Vは、温度
−40℃における混合物の気液平衡線であり、破線は圧
力0.0512MPaの線であり、この温度・圧力はR
134aの温度−40℃における飽和状態に相当する。
上側の気液平衡線(−40℃相当)1Lは飽和液相線、
下側の気液平衡線(−40℃相当)1Vは飽和気相線を
表わし、この両線で挟まれた範囲においては気液平衡状
態となる。
【0050】また、図1(a)において、2は、温度4
0℃における混合物の飽和液相線2Lと飽和気相線2V
からなる気液平衡線であり、破線は圧力1.017MP
aの線であり、この温度・圧力もR134aの温度40
℃における飽和状態に相当する。
【0051】図1における点は、(表1)に示す混合冷
媒の組成ペアA〜Eにおける気相組成(添字V)と液相
組成(添字L)に対応する。
【0052】
【表1】
【0053】点AL〜点BLは気液平衡線(−40℃相
当)1の飽和液相線1L上、点AV〜点BVは気液平衡線
(−40℃相当)1の飽和気相線1V上にあり、点AL
と点AVは温度が−40℃で、圧力がR134aと同一
である。従って、点ALの液相組成または点AVの気相組
成で示された組成物は、−40℃におけるR134aの
飽和蒸気圧の条件下で飽和状態を実現する。点CL〜点
ELは気液平衡線(40℃相当)1の飽和液相線1L
上、点CV〜点EVは気液平衡線(40℃相当)1の飽和
気相線1V上にあり、点CLと点CVは温度が40℃で、
圧力がR134aと同一である。従って、点CLの液相
組成または点CVの気相組成で示された組成物は、40
℃におけるR134aの飽和蒸気圧の条件下で飽和状態
を実現する。
【0054】RC270及びトリフルオロイオドメタン
がそれぞれ5.9重量%、94.1重量である圧力がR
134aと同一となる飽和液相線1L上の点ALの組成
物は、R134aと同じ温度−40℃では、R134a
と同じ圧力で気化し、R134aより低い圧力で液化す
る。RC270及びトリフルオロイオドメタンがそれぞ
れ9.2重量%、90.8重量である圧力がR134a
と同一となる飽和気相線1V上の点AVの組成物は、R
134aと同じ温度−40℃では、R134aより高い
圧力で気化し、R134aと同じ圧力で液化する。これ
ら2つの組成の間のエリアにある組成物は、R134a
と同じ温度−40℃では、R134aより高い圧力で気
化し、R134aより低い圧力で液化する。すなわち−
40℃の気液平衡線1が圧力0.0512MPaと交わ
る間の組成物範囲のエリアにある組成物は、−40℃に
おいてはR134aより高い圧力で液相から気相に変化
し、R134aと同じ圧力では−40℃より低い液相が
蒸発して、−40℃より高い気相に変化する。
【0055】同様に、RC270とトリフルオロイオド
メタンがそれぞれ44.1重量%、55.9重量%であ
る圧力がR134aと同一となる飽和液相線2L上の点
CLの組成物は、R134aと同じ温度40℃の場合、
R134aと同じ圧力で気化し、R134aより低い圧
力で液化する。RC270及びトリフルオロイオドメタ
ンがそれぞれ49.4重量%、50.6重量%である圧
力がR134aと同一となる飽和気相線2V上の点CV
の組成物は、R134aと同じ温度40℃ではR134
aより高い圧力で気化し、R134aと同じ圧力で液化
する。これら2つの組成の間のエリアにある組成物は、
R134aと同じ温度40℃では、R134aより高い
圧力で気化し、R134aより低い圧力で液化する。す
なわち40℃の気液平衡線2が圧力1.017MPaと
交わる間の組成物範囲のエリアにある組成物は、40℃
においてはR134aより低い圧力で気相から液相に変
化し、R134aと同じ圧力では40℃より高い気相が
凝縮して、40℃より低い液相に変化する。
【0056】ここで、−40℃の気液平衡線1が圧力
0.0512MPaと交わる間のエリアと、40℃の気
液平衡線2が圧力1.017MPaと交わる間のエリア
は、重複していないが、逆に気液平行線1の飽和気相線
1Vが圧力0.0512MPaと交わる組成物と気液平
衡線2の飽和液相線2Lが圧力1.017MPaと交わ
る組成物の間にある組成物は、温度−40℃〜40℃に
おいて、R134aより高い蒸発圧力と低い凝縮圧力を
もつため、圧縮比を低減して高効率な冷凍サイクル装置
を実現できることがわかる。従って、気液平行線1の飽
和液相線1Lが圧力0.0512MPaと交わる組成物
と、気液平衡線2の飽和気相線2Vが圧力1.017M
Paと交わる組成物との間にある組成物は、温度−40
℃〜40℃において、R134aと同等以上の蒸発圧力
と同等以下の凝縮圧力をもつため、冷凍冷蔵庫、冷凍機
等の冷凍サイクル装置に好適である。
【0057】図からわかるように、RC270及びトリ
フルオロイオドメタンがそれぞれ略5〜50重量%、略
50〜略95重量%となるような組成範囲は、略−40
〜略40℃の利用温度において、R134aとほぼ同等
の蒸気圧を有するため望ましい。またR134aに比べ
て蒸気圧の上昇を許容すれば、RC270及びトリフル
オロイオドメタンがそれぞれ略5〜略80重量%、略2
0〜略95重量%となるような組成範囲が望ましい。
【0058】さらに、RC270及びトリフルオロイオ
ドメタンがそれぞれ略80重量%、略20重量%の2成
分からなる混合冷媒は、低沸点のRC270がたとえ装
置から漏洩したとしても、そのときのRC270の組成
は略85重量%程度に抑えられ難燃性であることが、
(表1)からわかる。従って、RC270及びトリフル
オロイオドメタンがそれぞれ略5〜略80重量%、略2
0〜略95重量%となるような組成範囲は、RC270
の可燃性をトリフルオロメタンの不燃性で解消するため
望ましい。
【0059】(表2)は、シクロプロパン(RC27
0)とトリフルオロイオドメタンからなる2成分系の理
想的な冷凍性能である。条件は、凝縮平均温度が40
℃、蒸発平均温度が−40℃、凝縮器出口過冷却度が0
deg、蒸発器出口過熱度が70degの場合であり、
冷凍能力には蒸発器出口過熱域の潜熱は含めていない。
【0060】
【表2】
【0061】(表2)からわかるように、トリフルオロ
イオドメタンとシクロプロパン(RC270)のみから
なる2成分系は、シクロプロパンを増やすにつれて冷凍
能力は増大し、RC270及びトリフルオロイオドメタ
ンがそれぞれ略5〜略80重量%、略20〜略95重量
%となるような組成範囲は、冷凍能力と成績係数の両方
がR134aと同等以上の特性を示す。特に、RC27
0及びトリフルオロイオドメタンがそれぞれ略5〜略5
0重量%、略50〜略95重量%となるような組成範囲
は、R134aとほとんど同一の蒸気圧であり、RC2
70及びトリフルオロイオドメタンがそれぞれ略50〜
略80重量%、略20〜略50重量%となるような組成
範囲は、蒸気圧が上昇するものの、更に成績係数が改善
される。低沸点のRC270がたとえ装置から漏洩した
としても、そのときのRC270の組成は燃焼範囲に入
ることはなく、RC270の可燃性をトリフルオロメタ
ンの不燃性で解消することができる。また凝縮過程と蒸
発過程における温度勾配は約1deg以下であり、近共
沸混合物としてほとんど単一冷媒と同様な取扱いができ
る。
【0062】次に、図2は、シクロプロパン(C3H6、R
C270、沸点−33℃)、トリフルオロイオドメタン
(CF3I、沸点−22.7℃)、イソブタン(i-C4H8、R
600a、沸点−11.7℃)の三種の混合物によって
構成される混合冷媒の、一定温度・一定圧力における平
衡状態を三角座標を用いて示したものである。本三角座
標においては、三角形の各頂点に、上側頂点を基点とし
て反時計回りに沸点の低い順に単一物質を配置してお
り、座標平面上のある点における各成分の組成比(重量
比)は、点と三角形の各辺との距離の比で表される。ま
たこのとき、点と三角形の辺との距離は、辺に相対する
側にある三角座標の頂点に記された物質の組成比に対応
する。
【0063】図2において、1L、1Vは、温度−40
℃・圧力0.0512MPaにおける混合冷媒の気液平
衡線であり、この温度・圧力はR134aの温度−40
℃における飽和状態に相当する。上側の気液平衡線(R
134a −40℃相当)1Vは飽和気相線、下側の気
液平衡線(R134a −40℃相当)1Lは飽和液相
線を表わし、この両線で挟まれた範囲においては気液平
衡状態となる。また2は、温度40℃・圧力1.017
MPaにおける混合物の飽和液相線2Lと飽和気相線2
Vからなる気液平衡線であり、この温度・圧力もR13
4aの温度40℃における飽和状態に相当する。
【0064】図2中の各点は、(表3)に示す混合冷媒
の組成ペアA〜Eにおける気相組成(添字V)と液相組
成(添字L)に対応する。
【0065】
【表3】
【0066】点AL〜点CLは気液平衡線(R134a
−40℃相当)1の飽和液相線1L上、点AV〜点CVは
気液平衡線(R134a −40℃相当)1の飽和気相
線1V上、点DL〜点ELは気液平衡線(R134a 4
0℃相当)2の飽和液相線2L上、点DV〜点EVは気液
平衡線(R134a 40℃相当)2の飽和気相線2V
上にある。従って、(表3)の液相組成または気相組成
で示された組成物は、−40℃または40℃におけるR
134aの飽和蒸気圧の条件下で飽和状態を実現する。
【0067】飽和気相線V上の組成物は、R134aと
同じ温度では、R134aより高い圧力で気化し、R1
34aと同じ圧力で液化する。飽和液相線L上の組成物
は、R134aと同じ温度では、R134aと同じ圧力
で気化し、R134aより低い圧力で液化する。これら
2つの線の間のエリアにある組成物は、R134aと同
じ温度では、R134aより高い圧力で気化し、R13
4aより低い圧力で液化する。すなわち40℃の気液平
衡線2の間のエリアにある組成物は、40℃においては
R134aより低い圧力で気相から液相に変化し、R1
34aと同じ圧力では40℃より高い気相が凝縮して、
40℃より低い液相に変化する。また−40℃の気液平
衡線1の間のエリアにある組成物は、−40℃において
はR134aより高い圧力で液相から気相に変化し、R
134aと同じ圧力では−40℃より低い液相が蒸発し
て、−40℃より高い気相に変化する。
【0068】ここで、−40℃の気液平衡線1の間のエ
リアと、40℃の気液平衡線2の間のエリアは、重複し
ていないが、逆に気液平行線1の飽和気相線1Vと気液
平衡線2の飽和液相線2Lの間にある組成物は、温度−
40℃〜40℃において、R134aより高い蒸発圧力
と低い凝縮圧力をもつため、圧縮比を低減して高効率な
冷凍サイクル装置を実現できることがわかる。従って、
気液平行線1の飽和液相線1Lと気液平衡線2の飽和気
相線2Vの間にある組成物は、温度−40℃〜40℃に
おいて、R134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の
凝縮圧力をもつため、冷凍冷蔵庫、冷凍機等の冷凍サイ
クル装置に好適である。
【0069】図からわかるように、RC270、トリフ
ルオロイオドメタン及びR600aがそれぞれ略5〜略
90重量%、0〜略95重量%、0〜略60重量%とな
るような組成範囲は、略−40〜略40℃の利用温度に
おいてR134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝
縮圧力を有するため望ましい。
【0070】さらに、RC270、トリフルオロイオド
メタン、R600aの3成分からなる混合冷媒は、冷媒
がたとえ装置から漏洩したとしても、可燃性のあるRC
270とR600aの合計組成に大きな変化のないこと
が(表3)からわかる。これはトリフルオロイオドメタ
ンが、低沸点のRC270と高沸点のR600aの中間
の沸点をもつためである。20重量%以上のトリフルオ
ロイオドメタンを含む混合物は、可燃成分の組成が80
重量%以下に抑えられ不燃性である。従って、RC27
0、トリフルオロイオドメタン及びR600aがそれぞ
れ略5〜略80重量%、略20〜略95重量%、0〜略
50重量%となるような組成範囲は、RC270やR6
00aの可燃性をトリフルオロメタンの不燃性で解消す
るため望ましい。
【0071】(表4)は、気液平行線1の飽和液相線1
Lと気液平衡線2の飽和気相線2Vの間にある3成分系
からなる組成物の理想的な冷凍性能である。条件は、凝
縮平均温度が40℃、蒸発平均温度が−40℃、凝縮器
出口過冷却度が0deg、蒸発器出口過熱度が70de
gの場合であり、冷凍能力には蒸発器出口過熱域の潜熱
は含めていない。
【0072】
【表4】
【0073】(表4)からわかるように、R134aと
同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝縮圧力とするための
組成範囲である気液平行線1の飽和液相線1Lと気液平
衡線2の飽和気相線2Vの間にある3成分系は、冷凍能
力と成績係数の両方がR134aと同等以上の特性を示
し、吐出温度もトリフルオロイオドメタンの単一冷媒に
比べ低く抑えられる。低沸点のRC270や高沸点のR
600aがたとえ装置から漏洩したとしても、そのとき
の可燃成分の合計組成は、充填組成から大きな変化がな
いため、10重量%以上のトリフルオロイオドメタンを
含む混合物は、可燃成分の組成が90重量%以下に抑え
られ難燃性である。また凝縮過程と蒸発過程における温
度勾配は約3deg以下であり、近共沸混合物となる。
【0074】次に、図3は、プロパン(C3H8、R29
0、沸点−42.1℃)、シクロプロパン(C3H6、RC
270、沸点−33℃)、トリフルオロイオドメタン
(CF3I、沸点−22.7℃)の三種の混合物によって構
成される混合冷媒の、一定温度・一定圧力における平衡
状態を三角座標を用いて示したものである。本三角座標
においては、三角形の各頂点に、上側頂点を基点として
反時計回りに沸点の低い順に単一物質を配置しており、
座標平面上のある点における各成分の組成比(重量比)
は、点と三角形の各辺との距離の比で表される。またこ
のとき、点と三角形の辺との距離は、辺に相対する側に
ある三角座標の頂点に記された物質の組成比に対応す
る。
【0075】図3において、1L、1Vは、温度−40
℃・圧力0.0512MPaにおける混合冷媒の気液平
衡線であり、この温度・圧力はR134aの温度−40
℃における飽和状態に相当する。上側の気液平衡線(R
134a −40℃相当)1Vは飽和気相線、下側の気
液平衡線(R134a −40℃相当)1Lは飽和液相
線を表わし、この両線で挟まれた範囲においては気液平
衡状態となる。また2は、温度40℃・圧力1.017
MPaにおける混合物の飽和液相線2Lと飽和気相線2
Vからなる気液平衡線であり、この温度・圧力もR13
4aの温度40℃における飽和状態に相当する。
【0076】図3中の各点は、(表5)に示す混合冷媒
の組成ペアA〜Eにおける気相組成(添字V)と液相組
成(添字L)に対応する。
【0077】
【表5】
【0078】点ALは気液平衡線(R134a −40
℃相当)1の飽和液相線1L上、点AVは気液平衡線
(R134a −40℃相当)1の飽和気相線1V上、
点BL〜点ELは気液平衡線(R134a 40℃相当)
2の飽和液相線2L上、点BV〜点EVは気液平衡線(R
134a 40℃相当)2の飽和気相線2V上にある。
従って、(表5)の液相組成または気相組成で示された
組成物は、−40℃または40℃におけるR134aの
飽和蒸気圧の条件下で飽和状態を実現する。
【0079】飽和気相線V上の組成物は、R134aと
同じ温度では、R134aより高い圧力で気化し、R1
34aと同じ圧力で液化する。飽和液相線L上の組成物
は、R134aと同じ温度では、R134aと同じ圧力
で気化し、R134aより低い圧力で液化する。これら
2つの線の間のエリアにある組成物は、R134aと同
じ温度では、R134aより高い圧力で気化し、R13
4aより低い圧力で液化する。すなわち40℃の気液平
衡線2の間のエリアにある組成物は、40℃においては
R134aより低い圧力で気相から液相に変化し、R1
34aと同じ圧力では40℃より高い気相が凝縮して、
40℃より低い液相に変化する。また−40℃の気液平
衡線1の間のエリアにある組成物は、−40℃において
はR134aより高い圧力で液相から気相に変化し、R
134aと同じ圧力では−40℃より低い液相が蒸発し
て、−40℃より高い気相に変化する。
【0080】ここで、−40℃の気液平衡線1の間のエ
リアと、40℃の気液平衡線2の間のエリアは、重複し
ていないが、逆に気液平行線1の飽和気相線1Vと気液
平衡線2の飽和液相線2Lの間にある組成物は、温度−
40℃〜40℃において、R134aより高い蒸発圧力
と低い凝縮圧力をもつため、圧縮比を低減して高効率な
冷凍サイクル装置を実現できることがわかる。従って、
気液平行線1の飽和液相線1Lと気液平衡線2の飽和気
相線2Vの間にある組成物は、温度−40℃〜40℃に
おいて、R134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の
凝縮圧力をもつため、冷凍冷蔵庫、冷凍機等の冷凍サイ
クル装置に好適である。
【0081】図からわかるように、R290、RC27
0及びトリフルオロイオドメタンがそれぞれ0〜略15
重量%、0〜略50重量%、略50〜略95重量%とな
るような組成範囲は、略−40〜略40℃の利用温度に
おいてR134aと同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝
縮圧力を有するため望ましい。
【0082】さらに、R290、RC270、トリフル
オロイオドメタンの3成分からなる混合冷媒は、冷媒が
たとえ装置から漏洩したとしても、可燃性のあるR29
0とRC270の合計組成は5重量%程度上昇するだけ
であることが、(表5)からわかる。50重量%以上の
トリフルオロイオドメタンを含む混合物は、可燃成分の
組成が50重量%よりも上昇しても難燃性である。従っ
て、R290、RC270及びトリフルオロイオドメタ
ンがそれぞれ0〜略15重量%、0〜略50重量%、略
50〜略95重量%となるような組成範囲は、R290
やRC270の可燃性をトリフルオロメタンの不燃性で
解消するため望ましい。
【0083】(表6)は、気液平行線1の飽和液相線1
Lと気液平衡線2の飽和気相線2Vの間にある3成分系
からなる組成物のほぼ理想的な冷凍性能である。条件
は、凝縮平均温度が40℃、蒸発平均温度が−40℃、
凝縮器出口過冷却度が0deg、蒸発器出口過熱度が7
0degの場合であり、冷凍能力には蒸発器出口過熱域
の潜熱は含めていない。
【0084】
【表6】
【0085】(表6)からわかるように、R134aと
同等以上の蒸発圧力と同等以下の凝縮圧力とするための
組成範囲である気液平行線1の飽和液相線1Lと気液平
衡線2の飽和気相線2Vの間にある3成分系は、冷凍能
力と成績係数の両方がR134aと同等以上の特性を示
し、吐出温度もトリフルオロイオドメタンの単一冷媒に
比べ低く抑えられる。低沸点のR290やRC270が
たとえ装置から漏洩したとしても、そのときの可燃成分
の合計組成は、充填組成に比べ5重量%程度上昇するだ
けであるため、50重量%以上のトリフルオロイオドメ
タンを含む混合物は、可燃成分の組成が50重量%より
も上昇しても難燃性である。また凝縮過程と蒸発過程に
おける温度勾配は約2deg以下であり、近共沸混合物
となる。
【0086】さらに上述の混合冷媒は、ラジカル連鎖禁
止剤を加えて安定化されている。すなわち、トリフルオ
ロイオドメタンは、酸素などの活性分子の混入によっ
て、ヨウ素が外れて分解する可能性があるが、その際に
生成するトリフルオロメタンのラジカルとヨウ素ラジカ
ルまたはイオンによる連鎖的な分解反応を停止すること
によって、安定に長期間使用することができる。具体的
には、ヒンダードフェノール構造、アリールアミン構
造、ヒンダードピペリジン構造、チオエーテル構造、ホ
スファイト構造の化合物が単独、あるいは組み合わせて
使用できる。例えば、ヒンダードフェノール構造のもの
としては、2、6−ジーターシャルブチル−4−メチル
フェノール、2、4、6−トリターシャルブチルフェノ
ール、スチレン化フェノールやその構造を有する誘導体
などのアルキルフェノール、2、2’−メチレンビス
(4−メチル−6−ターシャルブチルフェノール)、
4、4’−イソプロピリデン−ビスフェノール、4、
4’−ブチリデン−ビス(6−ターシャルブチル−3メ
チル)フェノール、1、1−ビス−(4−オキシフェニ
ル)シクロヘキサンやその構造を有する誘導体などのモ
ノアルキレンジアルキルフェノール、2、6−ビス
(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャルブチル−5’−
メチルベンジル)−4−メチルフェノールやその誘導体
などのジアルキレントリアルキルフェノール、2、2’
−チオビス−(4−メチル−6−ターシャルブチルフェ
ノール)、4、4’−チオビス−(3−メチル−6−タ
イシャルブチルフェノール)やその構造を有する誘導体
などのビスフェノールモノサルファイドなどが代表的な
ものとしてあげられる。アリールアミン構造としては、
フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、N、N’−ジフェニル−p−フェニレンジア
ミン、N、N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジ
アミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フ
ェニレンジアミン、p−ヒドロキシ−ジフェニルアミ
ン、p−ヒドロキシフェニル−β−ナフチルアミン、
2、2、4−トリメチル−1、2−ジヒドロキノリンや
誘導体などがある。さらに、チオエーテルとしては、チ
オビス(β−ナフトール)、メルカプトベンゾチアゾー
ル、メルカプトベンゾイミダゾール、ドデシルメルカプ
タンなどや誘導体、ホスファイトとしては、トリフェニ
ルホスファイト、トリ2−エチルヘキシルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイトなどの有機亜燐酸
化合物などが用いられる。
【0087】これらの化合物以外にもラジカル連鎖禁止
剤の目的で用いられる化合物を利用できる。これらは、
単独あるいは複数を混ぜて使用することができ、分量と
しては用いる潤滑油に対して数重量%程度でよく、化合
物の選択によっては1重量%以下でも充分な効果が得ら
れる。選択の基準としてはエステル油以外の潤滑油に対
する相溶性、または溶解性の良いものであり、2、6−
ジ−ターシャルブチル−4−メチルフェノールなどのヒ
ンダードフェノール構造の化合物、またはこれら化合物
とトリフェニルホスファイトなどの有機亜燐酸化合物と
の組合せが適していた。
【0088】図4は、本発明の冷凍サイクル装置に関す
る一実施の形態の断面図である。本実施の形態における
冷凍サイクル装置は、冷凍冷蔵庫で使用されるものであ
る。この冷凍冷蔵庫の筐体3は、冷凍室3−1、冷蔵室
3−2、パーシャル室3−3そして野菜室3−4等で構
成される。この冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル装置は、圧縮
機4を、凝縮器5、キャピラリーチューブ等の絞り装置
6、蒸発器7、吸入管8等が配管接続されたものであ
る。キャピラリーチューブ等の絞り装置6は、吸入管8
と熱交換部9を構成している。この冷凍サイクル装置に
は、エステル油以外の潤滑油と、トリフルオロイオドメ
タンと、シクロプロパンと、ラジカル連鎖禁止剤を含む
混合作動流体が封入されている。
【0089】次に、この冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル装置
で使用される混合作動流体とその作用について説明す
る。20〜95重量%のトリフルオロイオドメタンと5
〜80重量%のシクロプロパンには、50重量%以下の
イソブタン又は15重量%以下のプロパンのいづれかを
添加することができ、トリフルオロイオドメタンの不燃
性により、シクロプロパン、イソブタンまたはプロパン
の可燃性が抑えられる。
【0090】トリフルオロイオドメタンとシクロプロパ
ンが冷媒として冷凍サイクル中を循環する際には、蒸発
器7において冷却作用を行い、筐体3の内部に設置され
たダンパ10により、冷凍室3−1、冷蔵室3−2、パ
ーシャル室3−3、野菜室3−4等が各設定温度に維持
されるように、冷気が循環される。
【0091】また主に圧縮機4中に滞留するエステル油
以外の潤滑油は、圧縮機4が高温になり、冷媒中に微少
の水分が含まれていも、エステル油のように加水分解す
ることがない。
【0092】さらにラジカル連鎖禁止剤は、冷媒として
循環するトリフルオロイオドメタンとシクロプロパンの
内、トリフルオロメタンの分解反応を停止することによ
り、安定に長期間使用することができる。
【0093】20〜95重量%のトリフルオロイオドメ
タンと、5〜80重量%のシクロプロパンや、50重量
%以下のイソブタンまたは15重量%以下のプロパンの
いづれかを添加した冷媒の冷凍能力が大きすぎる場合に
は、圧縮機4の気筒容積を小さくしておくことによって
冷凍能力を同等とし、成績係数も同等またはそれ以上の
ため、R134aを用いた現行機器でも、凝縮器5や蒸
発器7を変更することなく使用可能である。
【0094】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の混合作動流体によれば、広い選択の幅から、成層圏オ
ゾン層に及ぼす影響のほとんどない混合物を選択するこ
とができる。
【0095】また、本発明の混合作動流体は、地球温暖
化に対する影響がほとんどない。これは、地球温暖化係
数をほとんど無視できるトリフルオロイオドメタンと、
地球温暖化係数のほとんどないシクロプロパン(RC2
70)と、イソブタン(R600a)又はプロパン(R
290)とを混合した混合物により構成されることによ
る。
【0096】更に、本発明の混合作動流体によれば、負
触媒効果のある不燃性物質であるトリフルオロイオドメ
タンにより、シクロプロパン(RC270)と、イソブ
タン(R600a)又はプロパン(R290)との混合
物の組成範囲をさらに難燃性の範囲に限定することがで
きる。これにより、この混合作動流体を、エステル油以
外の従来の圧縮機用の潤滑油と供に、通常の冷凍サイク
ル装置にそのまま使用することができる。
【0097】本発明によれば、トリフルオロイオドメタ
ンとシクロプロパン(RC270)を含む混合物の組成
範囲を特定することにより、冷蔵庫等の冷凍サイクル装
置の利用温度である略−40〜略40℃において、圧縮
比を低減して高効率な冷凍サイクル装置を実現すること
ができる。また、冷凍能力と成績係数が同等以上のた
め、R134aを用いた現行機器でも使用可能である。
【0098】また、本発明によれば、トリフルオロイオ
ドメタンとシクロプロパン(RC270)とイソブタン
(R600a)を含む混合物の組成範囲を特定すること
によって、冷蔵庫等の冷凍サイクル装置の利用温度であ
る略−40〜略40℃において、R134aと同等以上
の冷凍能力と成績係数を期待でき、R134aを用いた
現行機器でも使用可能となる。
【0099】更に、本発明によれば、トリフルオロイオ
ドメタンとシクロプロパン(RC270)とプロパン
(R290)を含む混合物の組成範囲を特定することに
より、冷蔵庫等の冷凍サイクル装置の利用温度である略
−40〜略40℃において、R134aと同等以上の冷
凍能力と成績係数を期待でき、R134aを用いた現行
機器でも使用可能となる。
【0100】本発明の混合物は、ほとんど近共沸の非共
沸混合物になると予想され、ロレンツサイクルを構成す
ることにより、R134aよりも高い成績係数を期待す
ることができる。
【0101】また、本発明の混合作動流体にラジカル連
鎖禁止剤を含ませることによって、トリフルオロイオド
メタンを安定化させ、安定に長期間使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】RC270とトリフルオロイオドメタンの二種
の混合物によって構成される冷媒の、一定温度における
平衡状態の直角座標図
【図2】RC270、トリフルオロイオドメタン、R6
00aの三種の混合物によって構成される冷媒の、一定
温度・一定圧力における平衡状態の三角座標図
【図3】R290、RC270、トリフルオロイオドメ
タンの三種の混合物によって構成される冷媒の、一定温
度・一定圧力における平衡状態の三角座標図
【図4】本発明の冷凍サイクル装置に関する一実施の形
態の断面図
【符号の説明】
1 気液平衡線(−40℃、R134a相当圧力) 2 気液平衡線( 40℃、R134a相当圧力) V 飽和気相線 L 飽和気相線 3 筐体 4 圧縮機 5 凝縮器 6 絞り装置 7 蒸発器 8 吸入管 9 熱交換部 10 ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田頭 實 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル油以外の潤滑油と混合物とを含
    み、 その混合物は、20〜95重量%のトリフルオロイオド
    メタンと5〜80重量%のシクロプロパンとを含むこと
    を特徴とする混合作動流体。
  2. 【請求項2】 前記混合物は、更に50重量%以下のイ
    ソブタンか15重量%以下のプロパンのどちらか一方を
    含むことを特徴とする請求項1記載の混合作動流体。
  3. 【請求項3】 前記混合物は、更に50重量%以下のイ
    ソブタンを含むことを特徴とする請求項1記載の混合作
    動流体。
  4. 【請求項4】 エステル油以外の潤滑油と混合物とを含
    み、 その混合物は、50〜95重量%のトリフルオロイオド
    メタンと5〜50重量%のシクロプロパンと15重量%
    以下のプロパンとを含むことを特徴とする混合作動流
    体。
  5. 【請求項5】 更にラジカル連鎖禁止剤を含むことを特
    徴とする請求項1から4の何れかに記載の混合作動流
    体。
  6. 【請求項6】 圧縮機、凝縮器、膨張機構および蒸発器
    とを備え、 エステル油以外の潤滑油と混合物とを混合作動流体と
    し、 前記混合物は、20〜95重量%のトリフルオロイオド
    メタンと5〜80重量%のシクロプロパンとを含むこと
    を特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 前記混合作動流体は、更にラジカル連鎖
    禁止剤を含むことを特徴とする請求項6記載の冷凍サイ
    クル装置。
JP7292165A 1995-10-13 1995-10-13 トリフルオロイオドメタンを含む混合作動流体およびそれを用いた冷凍サイクル装置 Pending JPH09111231A (ja)

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