JPH0912467A - 経粘膜投与用α2マクログロブリン族包接複合体 - Google Patents

経粘膜投与用α2マクログロブリン族包接複合体

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JPH0912467A
JPH0912467A JP8107390A JP10739096A JPH0912467A JP H0912467 A JPH0912467 A JP H0912467A JP 8107390 A JP8107390 A JP 8107390A JP 10739096 A JP10739096 A JP 10739096A JP H0912467 A JPH0912467 A JP H0912467A
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macroglobulin
transmucosal administration
vaccine
drug
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JP8107390A
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Yoshihisa Nishibe
義久 西部
Masahiko Doi
雅彦 土肥
Yuji Makino
悠治 牧野
Takao Fujii
隆雄 藤井
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経粘膜投与可能なペプチド製剤を提供する。 【解決手段】 α2 マクログロブリン族蛋白質と1種以
上の薬物との包接複合体からなる経粘膜投与用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α2 マクログロブ
リン族蛋白質と薬物の包接複合体からなる経粘膜投与用
組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、注射型製剤
にかわる高分子量の薬物を簡便に投与することができる
ヒトα2 マクログロブリン族蛋白質と薬物との包接複合
体からなる経粘膜投与用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、ペプチドをはじめとする分子量1,000程度以上
の高分子の薬物を有効成分として含有する医薬品のほと
んどは、注射型製剤で投与されている。しかし、この投
与法は、患者の通院を必要とし、苦痛を伴いまた容易に
実施できる形態ではない。この問題を解決すべく、非注
射の投与法が研究され、鼻腔、肺、胃腸管、口腔、腟な
どの粘膜を介して薬物を吸収させる試みがなされてい
る。
【0003】これまで、特許、論文、学会発表等で、分
子量1,000程度以上の薬物について、良好な吸収率
を示す経粘膜製剤がいくつか示されているが、臨床での
安全性や吸収率の低さのため殆どは実用化に至っておら
ず、実用化されているわずかな経粘膜製剤のなかでも、
ある程度満足できる吸収率が得られているものは極僅か
である。特に、分子量が5,000を越える薬物につい
ては満足な吸収率を示す経粘膜製剤は皆無である。ま
た、経粘膜製剤の中でも投与の簡便性から腸管粘膜を介
する経口製剤の開発が特に望まれているが、市販されて
いるペプチド性薬物の経口製剤は満足な吸収率を得てい
るとは言い難い。
【0004】α2 マクログロブリン族蛋白質とは、動物
界に広く分布する血清蛋白質で、ヒト、ラット、カブト
ガニなどのものがよく知られている。分子内にチオエス
テル結合と餌領域を有し、トラッピングによるプロテア
ーゼあるいはペプチド等の包接能を持つことを特徴とす
る。α2 マクログロブリン族蛋白質の機能としては、不
要なプロテアーゼあるいはペプチド等の活性阻害とスカ
ベンジなどが考えられている。
【0005】α2 マクログロブリン族蛋白質のこれらの
機能はα2 マクログロブリン族蛋白質の立体構造上の大
きな変化により発揮されると考えられている。以下ヒト
の場合で詳細を説明するが他のα2 マクログロブリン族
蛋白質でもほぼ同様である。血清中のヒトα2 マクログ
ロブリンの99%以上はSLOW型と通常呼ばれる立体
構造を持つ。このα2 マクログロブリンは餌領域と呼ば
れる殆んどあらゆるプロテアーゼで認識・分解され易い
一連の配列が集中した部位をその分子内部に持ってお
り、プロテアーゼが存在するとこの餌領域が認識・分解
される。するとこの反応が引き金となって、それまで分
子内部の疎水性領域に埋もれていたチオエステル結合部
位が分子表面に露出する。結果、チオエステル結合は水
分子に求核的に攻撃され解裂する。このチオエステル結
合の解裂は、プロチアーゼが存在しなくても、メチルア
ミン等の求核性が高い低分子化合物が分子内部のチオエ
ステル結合部位を直接攻撃することによっても起こる。
このチオエステル結合の解離が引き金となって、α2
クログロブリンは、餌領域を攻撃してきたプロテアーゼ
あるいは近傍に存在していたペプチド等の分子を立体的
に包接するようにその立体構造を大きく変化させる。こ
のような、プロテアーゼあるいはメチルアミンなどを作
用させた後の構造はFAST型と通常呼ばれている。F
AST型のα2 マクログロブリンは、SLOW型では分
子内部に埋もれていたレセプター認識部位を分子表面に
露出し、特異的レセプターを発現している細胞によって
認識され、一般的にはエンドサイトーシスで細胞に取り
込まれると考えられている。以上のような機構でα2
クログロブリン族蛋白質はプロテアーゼあるいはペプチ
ド等の化合物を包接して活性を阻害したり(プロテアー
ゼあるいはペプチド等の活性阻害)、特異的なレセプタ
ーを発現している細胞によって認識され取り込まれる
(スカペンジ)。レセプターは、肝細胞、繊維芽細胞、
マクロファージ、アストロサイト、平滑筋細胞などで特
に多く発現していることが知られている。
【0006】これまで、ヒトα2マクログロブリン族蛋
白質のこれらの機能に着目した応用研究が幾つかなされ
特許も出されている。
【0007】キドロンらは、インスリンと特定の胆汁酸
類及びプロテアーゼ抑制剤からなる経腸管粘膜製剤にお
いて、プロテアーゼインヒビターの併用によりインスリ
ンの吸収率が向上することを示しているが、そのプロテ
アーゼインヒビターのひとつとしてα2マクログロブリ
ンを挙げている(特開昭60―69028号公報)。ま
たエステイスらは、インターフェロンの腸管粘膜投与用
ビヒクルとして、ヒトα2マクログロブリンをベシクル
中に含有させることでインターフェロンの有効性が向上
することを示している(特開昭60―188328号公
報)。しかしながら、これらの技術ではα2 マクログロ
ブリンをプロテアーゼインヒビターとして使用してお
り、キャリアーとしての利用することの記述はなく、し
かもα2 マクログロブリンを単独で他の成分と混合する
ように添加する方法で用いており、包接複合体とするこ
とについての記述もない。
【0008】また、友田らは、プロテアーゼと他の消炎
酵素との結合物をヒトα2 マクログロブリンプロテアー
ゼに包接されてなる複合体が、消炎系酵素の活性を保持
したままその抗原性を減少させることを見いだしている
(特開昭59―175885号公報)。しかしながら、
この包接複合体の構成成分の1つとしてはプロテアーゼ
が必須であって、消炎酵素とヒトα2 マクログロブリン
の包接複合体についての記載はない。しかも、この包接
複合体は消炎系酵素の抗原性が特に問題となる注射投与
を可能ならしめるものとしてあげられており、経粘膜投
与については全く触れられていない。
【0009】また猪飼ら(Biochem. Biophys. Res. Com
mun,194(3)1155−1160(1993))、
Pizzo ら(J. Immun, 152:1538−1545(1
994))は、抗原エピトープペプチドをヒトα2 マク
ログロブリンで包接あるいは単純に結合させることによ
り、効率的な抗体産生を促すことを見いだし、α2 マク
ログロブリンがワクチンのキャリヤーとして有用である
という知見を得ている。しかしながら、これらはいずれ
も注射投与で実施されており、これらの複合体が粘膜を
透過するキャリアーとなるという本発明とは本質的に異
なる。
【0010】さらに松田らは、ライソゾーム酵素である
αガラクトシダーゼAを包接させたα2 マクログロブリ
ンが、この酵素遺伝子を欠損した患者の繊維芽細胞への
投与によりライソゾーム中にこの酵素が運ばれ活性が発
現されることを示している(J. Clin. Invest. 87:
39−44(1991))。これらは、α2 マクログロ
ブリン―酵素の包接複合体でありキャリアーとして利用
しているが、レセプター発現細胞へのキャリアーであ
り、粘膜細胞を透過させるキャリアーとしての利用法で
はない。
【0011】すなわち、これまでα2 マクログロブリン
族蛋白質が、薬物が全身血流にのるための粘膜を透過さ
せる運び手となるという知見は全くなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、特にペプチドをはじめとする高分子量の薬物
の吸収性に優れた経粘膜投与用組成物を開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、例えばインスリン、インターフェロ
ン等の薬物をα2 マクログロブリン族蛋白質に包接させ
た経粘膜投与用組成物が管腔側から血管側への移行とい
う高分子薬物類の経粘膜吸収性を顕著に向上させること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、α2 マクログロブリン族
蛋白質と1種以上の薬物との包接複合体からなる経粘膜
投与用組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、α2 マクログロ
ブリン族蛋白質としては、α2 マクログロブリン族蛋白
質、その複合体、又はその変異体を挙げることができ、
具体的には次のようなものが挙げられる。ヒトα2 マク
ログロブリン、ヒトPZP、ラットα1 マクログロブリ
ン、ラットα2 マクログロブリン、カブトガニαマクロ
グロブリン、オボマクログロブリン。このなかで、抗原
性の低さと包接能の高さよりヒトα2 マクログロブリン
が最も好ましいものとして挙げられる。変異体とは、遺
伝子工学的手法などにより、これらのα2 マクログロブ
リン族蛋白質の一部のアミノ酸配列を変更あるいは削
除、追加したものをいい、修飾体とは、その一部に糖鎖
などを付加したものをいう。
【0015】本発明において、薬物としては、好ましく
は効率的に包接できるということで分子量が1,000
以上10万(100,000)以下の例えばペプチド蛋
白質性薬物及び/又はワクチンを挙げることができる。
さらに好ましくは、効率的に包接できるということでペ
プチドがよい。
【0016】本発明において、ペプチド蛋白質性薬物と
しては、具体的には次のようなものが挙げられるが、本
発明はこれらにより何ら限定されるものではない。イン
ターフェロン類、SOD、カタラーゼ、APC、HG
F、EPO、G―CSF、GM―CSF、インターロイ
キン、ANP、ソマトスタチン、tPA、アンチトロン
ビン、血液凝固第IV因子、ヒルジン、エンドルフィン、
ACTH、ニューロテンシン、アンギオテンシン、トラ
ンスフェリン、エンドセリン、バソプレシン、デスモプ
レシン、PTH、LH、LHRH、プロラクチン、グル
カゴン、ガストリン、セクレチン、オキシトシン、ウロ
キナーゼ、VIP、TGF―β、PDGF、TNF―
α、カルシトニン、インスリン、プロインスリン、EG
F、GH、GHRH、ソマトメジンCよりなる群から選
ばれる1種以上のペプチドおよびその誘導体。
【0017】本発明において、上記ペプチド蛋白質薬物
のなかで特に好ましいものとして、α2 マクログロブリ
ン族蛋白質のレセプターを強く発現している肝臓を標的
にする薬物ということで、インターフェロン類、HG
F、EGF、TGF―β、インスリン、プロインスリ
ン、PDGFからなる群から選ばれる1種以上のペプチ
ドおよびその誘導体が挙げられる。
【0018】本発明においてワクチンとしては、具体的
には次のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに
より何ら限定されるものではない。肝炎ウイルスワクチ
ン、百日咳ウイルスワクチン、ジフテリアウイルスワク
チン、破傷風ウイルスワクチン、エイズウイルスワクチ
ン、インフルエンザウイルスワクチン、ポリオウイルス
ワクチン、ライノウイルスワクチンよりなる群から選ば
れる1種以上のワクチン。本発明において、上記ワクチ
ンのなかで特に好ましいものとしてインフルエンザウイ
ルスワクチンを挙げることができる。このようなペプチ
ド蛋白質性薬物、ワクチンの使用量としては目的とする
治療に有効な量であれば良く、特に限定されない。
【0019】本発明のα2 マクログロブリン族蛋白質と
薬物との包接複合体の調製法としては、例えば、ヒトα
2 マクログロブリンを含有する溶液(例えば0.1Mリ
ン酸緩衝液、pH7.0など)に2〜4倍モル量のプロ
テアーゼあるいは2〜40倍モル量のメチルアミンなど
の求核性試薬と、10倍モル量以上の薬物を混合するこ
とにより行われる。該混合は、温度約4〜40℃、pH
約6〜8で混ぜ合わせることにより行い得る。この場
合、薬物として1種類のもののみを包接させることもで
きるし、必要に応じて2種以上の薬物を包接させること
もできる。なお、本発明において、薬物がα2 マクログ
ロブリン族蛋白質に包接されたとは、α2マクログロブ
リン族蛋白質分子内に薬物の全てが封入されることの
他、薬物の一部のみが被覆され、それ以外の部分がはみ
出している状態をもいう。調製に使用するプロテアーゼ
は、α2 マクログロブリン族蛋白質と複合体を形成する
ものであればいずれでもよい。例えば、トリプシン、キ
モトリプシン、トロンビン、プラスミン、エラスター
ゼ、ズブチリシン、サーモライシン、パパイン、ブロモ
ラインなどが挙げられ、求核性試薬としてはメチルアミ
ン、エチルアミン等が挙げられる。
【0020】このように、α2 マクロブロブリン族誘導
体に薬物を包接せしめた後、例えば猪飼らの従来技術に
記載されているような反応液をゲル濾過工程に付するこ
と等によって目的とするα2 マクログロブリン族蛋白質
と1種以上の薬物との粉末状、または凍結乾燥された粉
末状、あるいは液状の包接複合体を得ることができ、か
くして本発明の経粘膜投与用組成物が得られる。
【0021】本発明の粘膜としては、鼻腔、口腔、肺、
胃、腸管、腟等を挙げることができるが、これらの中で
も胃、腸管、なかでも腸管を好ましいものとして挙げる
ことができる。上記の本発明の経粘膜投与用組成物は、
これらの粘膜に対して単独の組成物として、あるいは製
薬字的に許容し得る賦形剤、例えばデンプン、乳糖、ブ
ドウ等、結晶セルロース、水、生理食塩水、緩衝液等;
その他必要な結合剤、抗酸化剤等と共に、固型状又は液
状の組成物として投与される医薬組成物とすることがで
きる。具体的にこのような医薬組成物を含有する経粘膜
投与用製剤としては、錠剤、粉末剤、顆粒剤、カプセル
剤、液剤等の粘膜に適用可能な製剤として従来公知のも
のを用いることができる。
【0022】本発明において、投与法としては、それぞ
れの粘膜に薬物を投与する場合の一般的な方法が適用で
きる。なかでも、腸粘膜に投与する場合の経口的に投与
する方法が、その投与の簡便性から最も好ましい。固型
状の経粘膜投与製剤とする場合、有効成分は胃表面の強
酸性下での失活を防ぐため例えば腸溶カプセル製剤とす
る等、腸溶コーティングされた製剤として投与されるこ
とが望ましい。
【0023】液状の経粘膜投与製剤として用いる場合に
は、調製した包接複合体の溶液をスプレー容器やシリン
ジにいれ、例えば鼻腔等の粘膜部位に噴霧もしくは滴下
する方法がある。さらには、凍結乾燥粉体をそのままカ
プセルに充填し、専用のスプレー器具にセットし、針を
貫通させ、それによりカプセル上下に微小な孔をあけ、
次いで空気をゴム球等で送り込んで例えば鼻腔等の粘膜
部位に噴出させる方法などがある。
【0024】本発明により、薬物、特に高分子量のペプ
チド蛋白質性薬物あるいはワクチンを効率よく経粘膜投
与できる製剤を提供できることは、医療上その価値は大
である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の経粘膜投与用
組成物の効果について説明する。 [参考例1]FITCでラベル化したヒトα2 マクログ
ロブリン(生化学工業社製)を2倍モル量のウシ膵臓ト
リプシン(和光純薬社製)と0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.0)中で37℃でインキュベーションし、反応液
をゲル濾過し、FAST型のヒトα2 マクログロブリン
を得た。これをpH6.95の等張リン酸緩衝液に濃度
1mg/mlとなるように溶解し、これを試料溶液とし
た。この試料溶液を還流液として、ラットでin si
tu全小腸管還流実験を行った。還流速度は5ml/m
in.で行い、経時的に還流後溶液をサンプリングし、
蛍光強度を測定しSerosul側溶液中のヒトα2
クログロブリン(α2 M)濃度(μg/ml)に換算し
た。結果を表1に示す。
【0026】[参考例2]参考例1で、FAST型のヒ
トα2 マクログロブリンの代わりにプロテアーゼと反応
させていないSLOW型のFITCでラベル化したヒト
α2マクログロブリンの試料溶液(濃度1mg/ml)
を調製し、参考例1と同様の実験を行った。結果を表1
に示す。
【0027】
【表1】
【0028】プロテアーゼと反応させたFAST型のヒ
トα2 マクログロブリン(参考例1)はラット腸管をap
ical→basolateral に透過する。一方、SLOW型のヒ
トα2 マクログロブリン(参考例2)は全く透過しない
ことが示された。
【0029】[実施例1―1]ヒトα2 マクログロブリ
ン(生化学工業社製)を2倍モル量のウシ膵臓トリプシ
ン(和光純薬社製)存在下20倍モル量のインスリンと
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)(以下、PBSと
略す)中で37℃でインキュベーションし、反応液をゲ
ル濾過し、ヒトα2 マクログロブリン―インスリン包接
複合体を得た。これをPBSに溶解し、インスリン量2
0IU/kgとなるように16時間絶食させた雄性ラッ
ト(Wistar系、体重:180〜200g)にゾンデによ
り強制的に経口投与した。一定時間後に頸静脈より採血
し、血清中のグルコース濃度をグルコースB―test
キット(和光純薬工業(株))を用いて、グルコースオ
キシダーゼ法にて測定し、血糖値(%;対初期値)を求
めた。結果を図1に示す。 [実施例1―2]ヒトα2 マクログロブリン(生化学工
業社製)を20倍モル量のメチルアミン塩酸塩(和光純
薬社製)存在下20倍モル量のインスリンとPBS中で
37℃でインキュベーションし、反応液をゲル濾過し、
ヒトα2 マクログロブリン―インスリン包接複合体を得
た。これをPBSに溶解してインスリン量20IU/k
gとなるように、16時間絶食させた雄性ラット(Wist
ar系、体重:180〜200g)にゾンデにより強制的
に経口投与した。一定時間後に頸静脈より採血し、血清
中のグルコース濃度をグルコースB―testキット
(和光純薬工業(株))を用いて、グルコースオキシダ
ーゼ法にて測定した。結果を図1に示す。
【0030】[比較例1―1]ヒトα2 マクログロブリ
ン(生化学工業社製)を2倍モル量のウシ膵臓トリプシ
ン(和光純薬社製)とPBS中で37℃でインキュベー
ションし、反応液をゲル濾過し、FAST型のヒトα2
マクログロブリンを得た。これに20倍モル量のインス
リンを混合してFAST型のヒトα2 マクログロブリン
―インスリン混合物を得た。この混合物をPBSに溶解
して、インスリン量20IU/kgとなるように16時
間絶食させた雄性ラット(Wistar系、体重:180〜2
00g)にゾンデにより強制的に経口投与した。一定時
間後に頸静脈より採血し、血清中のグルコース濃度をグ
ルコースB―testキット(和光純薬工業(株))を
用いて、グルコースオキシダーゼ法にて測定した。結果
を図1に示す。
【0031】[比較例1―2]ヒトα2マクログロブリ
ン(生化学工業社製)を20倍モル量のインスリンと混
合してヒトα2 マクログロブリン―インスリン混合物を
得た。この混合物をPBSに溶解しインスリン量20I
U/kgとなるように、16時間絶食させた雄性ラット
(Wistar系、体重:180〜200g)にゾンデにより
強制的に経口投与した。一定時間後に頸静脈より採血
し、血清中のグルコース濃度をグルコースB―test
キット(和光純薬工業(株))を用いて、グルコースオ
キシダーゼ法にて測定した。結果を図1に示す。
【0032】図1から、FAST型のヒトα2 マクログ
ロブリン(α2 M)とインスリンの混合物(比較例1―
1)では全く血糖降下作用は見られなかったことが分
る。一方、SLOW型のヒトα2 マクログロブリンとイ
ンスリンの混合物(比較例1―2)では数%程度のわず
かな血糖降下作用が認められたに過ぎなかった。
【0033】これに対して、ヒトα2 マクログロブリン
とインスリン包接複合体(実施例1―1:プロテアーゼ
処理、実施例1―2:メチルアミン処理)の投与では、
最大50%程度の血糖降下作用は見られ、本発明の組成
物の有用性が示されている。 [実施例2]ヒトα2 マクログロブリン(生化学工業社
製)を2倍モル量のウシ膵臓トリプシン(和光純薬社
製)存在下20倍モル量の 125IインターフェロンとP
BS中で37℃でインキュベーションし、反応液をゲル
濾過し、ヒトα2 マクログロブリン―インターフェロン
包接複合体を得た。この包接複合体をインターフェロン
換算で100万IU、200万IU、500万IU(複
合体投与量:1、2、5mg)となるように腸溶カプセ
ル製剤とし、ラットに経口投与した(n=5)。投与直
前と投与後0.5、1、2、3、10、30分後に、門
脈より500μlの採血を行い、採血した血液の 125
放射活性をγカウンターを用いて測定した。各投与群の
門脈血中 125I放射活性(DPM)を図2に示す。(n
=5の平均値で示す。) [比較例2―1]ヒトα2 マクログロブリン(生化学工
業社製)を2倍モル量のウシ膵臓トリプシン(和光純薬
社製)とPBS中で37℃でインキュベーションし、反
応液をゲル濾過し、FAST型のヒトα2 マクログロブ
リンを得た。このFAST型のヒトα2 マクログロブリ
ンと20倍モル量の 125Iインターフェロンを混合して
FAST型ヒトα2 マクログロブリン―インターフェロ
ン混合物を得た。この混合物を、インターフェロン換算
で100万IU、200万IU、500万IU(複合体
投与量:1、2、5mg)となるように腸溶カプセル製
剤とし、ラットに経口投与した(n=5)。投与直前と
投与後0.5、1、2、3、10、30分後に、門脈よ
り500μlの採血を行い、採血した血液の 125I放射
活性をγカウンターを用いて測定した。各投与群の門脈
血中 125I放射活性(DPM)を図2に示す。(n=5
の平均値で示す。) [比較例2―2]ヒトα2 マクログロブリン(生化学工
業社製)を2倍モル量の 125Iインターフェロンと混合
してヒトα2 マクログロブリン―インターフェロン混合
物を得た。この混合物を、インターフェロン換算で10
0万IU、200万IU、500万IU(複合体投与
量:1、2、5mg)となるように腸溶カプセル製剤と
し、ラットに経口投与した(n=5)。投与直前と投与
後0.5、1、2、3、10、30分後に、門脈より5
00μlの採血を行い、採血した血液の 125I放射活性
をγカウンターを用いて測定した。各投与群の門脈血中
125I放射活性(DPM)を図2に示す。(n=5の平
均値で示す。) 図2から、インターフェロンとの単純な混合物として投
与した場合(比較例2―1:FAST型、2―2:SL
OW型)は殆ど門脈血中に放射活性が現われないのに比
べて、本発明の包接複合体として投与した場合(実施例
2)は、高率で透過した門脈血中に放射活性が現れるこ
とが示されている。
【0034】[実施例3]ヒトα2 マクログロブリン1
mgを2倍モル量のウシ膵臓トリプシン存在下、インフ
ルエンザ不活化ワクチン(A/PR/8(H1N1))
1mgとPBS中で37℃でインキュベーションし、反
応液をゲル濾過しヒトα2 マクログロブリン―インフル
エンザ不活化ワクチン包接複合体を得た。これを腸溶カ
プセル製剤とし(0.1μgワクチン/カプセル)、ラ
ットに経口投与した。この免疫後4週間後にインフルエ
ンザウイルス(A/PR/8(H1N1))溶液2μl
を経鼻投与してチャレンジ感染し、3日後の鼻洗浄液中
のウイルス価(EID50:10n )を測定した。結果を
表2に示す。(n=5の平均値で示す。) [比較例3]ヒトα2 マクログロブリン1mgを2倍モ
ル量のウシ膵臓トリプシンとPBS中で37℃でインキ
ュベーションし、反応液をゲル濾過しFAST型のヒト
α2マクログロブリンを得た。このFAST型のヒトα
2 マクログロブリン1mgとインフルエンザ不活化ワク
チン(A/PR/8(H1N1))1mgを混合し、得
られたヒトα2 マクログロブリン―インフルエンザ不活
化ワクチン混合物を腸溶カプセル製剤として(0.1μ
gワクチン/カプセル)、ラットに経口投与した。この
免疫後4週間後にインフルエンザウイルス(A/PR/
8(H1N1))溶液2μlを経鼻投与してチャレンジ
感染し、3日後の鼻洗浄液中のウイルス価(EID50
10n )を測定した。結果を表2に示す。(n=5の平
均値で示す。)
【0035】
【表2】
【0036】表2から、鼻洗浄液中のウイルス価は、α
2 マクログロブリンとインフルエンザワクチンとの単純
な混合物として投与した場合(比較例3)に比べて本発
明の包接複合体として投与した場合(実施例3)の方が
100倍程度低くなっていることが分る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトα2 マクログロブリン(α2 M)―インス
リン経口投与時の血糖降下率(血糖値(%;対初期
値))を示し、図1中、各符号はそれぞれ○:実施例1
―1、×:実施例1―2、□:比較例1―1、◇:比較
例1―2を表わす。
【図2】ヒトα2 マクログロブリン(α2 M)― 125
インターフェロン経口投与時の門脈血中 125I放射活性
(DPM)を示し、図2中、各符号はそれぞれ○:実施
例2、□:比較例2―1、◇:比較例2―2を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/23 A61K 37/26 38/11 37/28 38/27 37/30 38/04 37/32 38/43 37/34 38/44 37/36 38/46 37/43 38/55 37/465 38/21 37/50 39/00 37/54 47/42 37/64 37/66 H (72)発明者 藤井 隆雄 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α2 マクログロブリン族蛋白質と1種以
    上の薬物との包接複合体からなる経粘膜投与用組成物。
  2. 【請求項2】 粘膜が、腸である請求項1記載の経粘膜
    投与組成物。
  3. 【請求項3】 薬物が、分子量1,000から100,
    000のものである請求項1又は2記載の経粘膜投与用
    組成物。
  4. 【請求項4】 薬物が、ペプチド・蛋白質性薬物である
    請求項1〜3のいずれか1項記載の経粘膜投与用組成
    物。
  5. 【請求項5】 薬物が、ワクチンである請求項1〜3の
    いずれか1項記載の経粘膜投与用組成物。
  6. 【請求項6】 ペプチド蛋白質性薬物が、インターフェ
    ロン類、SOD、カタラーゼ、APC、HGF、EP
    O、G―CSF、GM―CSF、インターロイキン、A
    NP、ソマトスタチン、tPA、アンチトロンビン、血
    液凝固第IV因子、ヒルジン、エンドルフィン、ACT
    H、ニューロテンシン、アンギオテンシン、トランスフ
    ェリン、エンドセリン、バソプレシン、デスモプレシ
    ン、PTH、LH、LHRH、プロラクチン、グルカゴ
    ン、ガストリン、セクレチン、オキシトシン、ウロキナ
    ーゼ、VIP、TGF―β、PDGF、TNF―α、カ
    ルシトニン、インスリン、プロインスリン、EGF、G
    H、GHRH、ソマトメジンCよりなる群から選ばれる
    1種以上のペプチドおよびその誘導体である請求項4記
    載の経粘膜投与用組成物。
  7. 【請求項7】 ペプチド蛋白質性薬物が、インターフェ
    ロン類、HGF、EGF、TGF―β、インスリン、プ
    ロインスリン、PDGFよりなる群から選ばれる1種以
    上のペプチトおよびその誘導体である請求項4記載の経
    粘膜投与用組成物。
  8. 【請求項8】 ワクチンが、肝炎ウイルスワクチン、百
    日咳ウイルスワクチン、ジフテリアウイルスワクチン、
    破傷風ウイルスワクチン、エイズウイルスワクチン、イ
    ンフルエンザウイルスワクチン、ポリオウイルスワクチ
    ン、ライノウイルスワクチンよりなる群から選ばれる1
    種以上のワクチンである請求項5記載の経粘膜投与用組
    成物。
  9. 【請求項9】 α2 マクログロブリン族蛋白質が、ヒト
    α2 マクログロブリンである請求項1〜8のいずれか1
    項記載の経粘膜投与用組成物。
  10. 【請求項10】 経口剤の形態である請求項1〜9のい
    ずれか1項記載の経粘膜投与用組成物。
  11. 【請求項11】 包接複合体が、α2 マクログロブリン
    族蛋白質と1種以上の薬物を、適当な蛋白分解酵素また
    は求核試薬の共存下反応させて得られるものである請求
    項1〜10のいずれか1項記載の経粘膜投与用組成物。
JP8107390A 1995-04-28 1996-04-26 経粘膜投与用α2マクログロブリン族包接複合体 Pending JPH0912467A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032923A3 (en) * 2000-09-15 2002-08-01 Univ Connecticut Health Ct Improved formulations using heat shock/stress protein-peptide complexes
EP1539220A4 (en) * 2002-06-28 2008-04-02 Nastech Pharm Co COMPOSITIONS AND METHODS FOR THE REINFORCED MUCOSAL DELIVERY OF INTERFERON BETA

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