JPH0915843A - 感光性樹脂原版およびその製造方法 - Google Patents

感光性樹脂原版およびその製造方法

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JPH0915843A
JPH0915843A JP16386295A JP16386295A JPH0915843A JP H0915843 A JPH0915843 A JP H0915843A JP 16386295 A JP16386295 A JP 16386295A JP 16386295 A JP16386295 A JP 16386295A JP H0915843 A JPH0915843 A JP H0915843A
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photosensitive resin
resin composition
original plate
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particles
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JP16386295A
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Akira Tomita
晃 富田
Toru Wada
通 和田
Toshiaki Fujimura
敏明 藤村
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】未露光の感光性樹脂原版による製版工程操作や
移動作業において原版の凹みや変形が少なく、また感光
性樹脂層のコールドフローが改善されて固体状の形態安
定性が良好で、長期保存が容易な感光性樹脂原版を得る
こと。 【構成】感光性樹脂組成物を感光層として支持体上に積
層してなる感光性樹脂原版において、感光性樹脂組成物
が、主として高分子化合物、光重合性不飽和化合物およ
び光重合開始剤を含有し、海島構造を形成する感光性樹
脂組成物であって、島部分が、平均粒子直径が1μm以
上の分散粒子であって、感光性樹脂組成物中に40容量
%以上存在し、かつその分散粒子同士が相互に接触して
いることを特徴とする感光性樹脂原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光硬化した感光性樹脂組
成物がゴム弾性に優れた物性を望まれるような分野で、
特に凸版印刷用レリーフ版やサンドブラスト用レリーフ
マスク、ネームプレート等の分野で利用される感光性樹
脂原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記分野においては、従来より合成高分
子化合物(以下充填ポリマーと呼ぶ)、光重合性不飽和
化合物、光重合開始剤を基本とする感光性樹脂組成物
(以下組成物と略す)が広く用いられてきた。上記成分
の中では特に充填ポリマーと光重合性不飽和化合物との
選択が重要であり、光照射(露光)される前(以下、原
版と呼ぶ)と露光して光硬化した感光性樹脂組成物それ
ぞれの物性に重大な影響を与えることが知られている。
そのために感光性樹脂組成物として種々の成分を組み合
わせた組成物として提案がなされてきた。その中で特に
光硬化した感光性樹脂組成物がゴム弾性に優れた物性を
望まれるような分野では充填ポリマーはガラス転移温度
が低く、かつ非晶性の高分子化合物が必須とされている
が、このような感光性樹脂組成物の場合にはエチレン性
不飽和化合物によって充填ポリマーが可塑化されて、よ
りクリープが発生しやすくなると同時に、原版が僅かな
応力で変形してしまうという問題を有している。
【0003】これらの原版の形態安定性の問題は、例え
ば原版を積み重ねて放置すると原版の切り口から感光性
樹脂層がはみ出したり、原版と原版の間に粒子異物が入
り込むと原版表面に凹みが出やすくなる。また原版を運
搬、移動させる時に板状の形態を保つためには原版全体
を支持するようにしないと容易に変形するので、例えば
大きな支持板が必要となり、一人での作業が困難とな
る。原版を手で支えたりすると表面が凹んでしまうとい
う重大な欠陥が出る。この様な原版の形態安定性の問題
は原版が軟らかすぎることが大きな原因である。
【0004】前記の欠点を改善するため、充填ポリマー
の含有量やその分子量を高くしたり、光重合性不飽和化
合物の粘度を高くして、感光性樹脂組成物の粘度を上げ
ることが考えられるが、一方では感光性樹脂組成物を調
製し成形加工する場合により高温、高圧など製造条件を
過酷にしなければならない。また、そのために原料が限
定されたり、感光性樹脂としての感度や現像性などの性
能に支障が出やすい。このために、例えば特公昭51−
43374では熱可塑性エラストマーの使用、特公平6
−46301では架橋したミクロゲルを使用している。
これらはいずれも原版のクリープや柔らかさの欠点を充
填ポリマー自体を改善することで解決する方法であるた
め特定の感光性樹脂組成物に限定される。
【0005】一方、感光性樹脂組成物を熱処理して露
光、製版後の硬化物の物性改善などを目的とする例が見
られるが、原版の欠点の改良とはならない。なお感光性
樹脂組成物を熱処理して本質的に感光性樹脂組成物の化
学反応を伴わないでその特性を変化させる例が特公平3
−58505号公報、特開昭63−66558号公報に
開示されているが、いずれも感光層は海島構造になって
いないため、前者は充填ポリマーとして結晶性ポリマー
に限定され、また後者は残存溶剤をなくす物質収支と結
晶性の変化があるとされている。また特開平6−186
745号公報には、コア−シェル構造の粒子を含む放射
線感応性物質を加熱することが記載されているが、加熱
処理は現像後に施され、コア部のポリマーを溶融して互
いに融着する技術であるので、原版の改善にはならな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光性樹脂
原版の製版工程操作や移動作業において原版の凹みや変
形が少なく、また感光性樹脂層のコールドフローが改善
されて固体状の形態安定性が良好で、長期保存が容易な
感光性樹脂原版を得ることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため、鋭意検討した結果、感光性樹脂組成物中
に存在する分散する粒子の分散状態を制御することによ
って、可能であることを見いだし本発明を完成するに到
った。すなわち本発明は、感光性樹脂組成物を感光層と
して支持体上に積層してなる感光性樹脂原版において、
感光性樹脂組成物が、主として高分子化合物、光重合性
不飽和化合物および光重合開始剤を含有し、海島構造を
形成する感光性樹脂組成物であって、島部分が、平均粒
子直径が1μm以上の分散粒子であり、感光性樹脂組成
物中に40容量%以上存在し、かつその分散粒子同士が
相互に接触していることを特徴とする感光性樹脂原版お
よび該原版の製造方法である。
【0008】本発明において用いられる高分子化合物と
は汎用エラストマーとして用いられているものが挙げら
れる。例えば共役ジエン系炭化水素から得られる重合体
またはその共重合体、その水素添加重合体、エチレン・
プロピレン共重合体のようなオレフイン系ゴム、ノルボ
ルネン共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、エピクロロヒドリンゴム、アクリル酸エステル共重
合体、イソブチレン共重合体、ポリアミド共重合体、ポ
リエステル共重合体、ポリウレタン共重合体など。これ
らは線状であっても架橋していても良く、いずれもその
ガラス転移温度が5℃以下であって、ゴム弾性が発現す
るようなポリマーであれば使用することができる。前記
高分子化合物の感光性樹脂組成物中の含有率は原版の形
状保持性や硬化物の物性を考慮して20重量%以上、特
に30重量%以上が好ましく、また光硬化性の点から見
て、90重量%以下、特に80重量%以下が好ましい。
【0009】なお本発明の充填ポリマーは他の可溶性合
成高分子化合物と併用できる。その例として従来公知の
ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどのビニルポリ
マー等が挙げられる。これらはホモポリマーのみなら
ず、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーおよびこ
れらのポリマーの混合物であってもよい。また、これら
のポリマーを水性溶媒、すなわち水や、アルカリ水溶
液、酸水溶液中で溶解あるいは少なくとも膨潤するよう
な性質を与える親水性基がこれらのポリマー中に含んで
もよい。水性溶媒に少なくとも膨潤するようなポリマー
を併用して感光性樹脂を調製した場合は画像形成のため
の現像液を水性溶媒で行う、いわゆる水系現像性の感光
性樹脂組成物を得ることができる。これらの併用する可
溶性高分子化合物の使用量は50重量%以下であること
が好ましい。
【0010】本発明で用いる光重合性不飽和化合物と
は、分子内に光重合可能な不飽和基を1個以上含有する
化合物であり、公知のものが使用出来る。このような化
合物としてはエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリ
セロールジアクリレート、プロパンジ(メタ)アクリレ
ート、ブタンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、フマル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、N−アルキルマレイン酸イミド、オリゴブタジエン
ジ(メタ)アクリレート、オリゴブタジエンウレタンジ
(メタ)アクリレート、オリゴアクリロニトリル・ブタ
ジエンジ(メタ)アクリレート、オリゴアクリロニトリ
ル・ブタジエンウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙
げられ、これらは単独でも組み合わせて用いてもよい。
これらの光重合性不飽和化合物の感光性樹脂組成物中の
含有率は5〜50重量%が好ましく、5重量%以下では
光硬化性が悪く、現像後に画像が残りにくくなる。逆に
50重量%より多くなると生版の形態保持性に支障が出
るので好ましくない。
【0011】本発明における光重合開始剤とは例えばベ
ンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類ベン
ジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアル
キルケタール類、アンスラキノン類、チオキサントン類
等が使用できる。具体的には、ベンゾフェノン、ベンゾ
イン、アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、
アンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、チオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン等がある。これらは
感光性樹脂組成物中に0.05〜5重量%含有されるの
が好ましい。0.05重量%より少ないと光重合開始能
力に支障が出たり、5重量%より多いと厚み方向の光硬
化が悪くなって画像が欠けやすくなるので好ましくな
い。
【0012】本発明において感光性樹脂組成物には、安
定剤としてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテルや2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等
を0.001〜5重量%含有させてもよい。また可塑剤
としてエステルやアミド等の低分子可塑剤、ポリエステ
ルやポリエーテル、液状ゴム類等のオリゴマーを含有さ
せて光硬化物の物性を変化させることができる。
【0013】本発明の組成物は例えば熱プレス、注型、
或は溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方法に
より所望の厚さのシート状物とすることができる。また
このシート状物を公知の接着剤を介して、或は介さずに
支持体に積層する。支持体としてはスチール、アルミニ
ウム、ガラス、ポリエステルフィルムなどのプラスチッ
クフィルム、金属蒸着したフィルムなど任意のものが使
用できる。
【0014】感光層と支持体とからなる感光性樹脂版は
原版として供給される場合には感光層に接して保護層が
積層される。保護層はフイルム状のプラスチック、例え
ばポリエステルの125μm厚みのフイルムに粘着性の
ない透明で現像液に分散又は溶解する高分子を1〜3μ
m厚みで塗布した保護材が用いられる。この薄い皮膜を
感光層に接することによって、感光層の表面粘着性が強
い場合であっても保護層を次の露光操作時に行う保護層
のフイルム状のプラスチックを剥離する操作を容易に行
うことができる。
【0015】このような組成物からなる層単独、もしく
はこの層と支持体とからなる感光性樹脂原版は、感光層
に透明画像部を有するネガフィルムまたはポジフィルム
を密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して
露光をおこなうと、露光部のみが不溶化ならびに硬化す
る。次いで適当な溶剤により非露光部分を溶解除去する
ことによって、鮮明な画像部を有する凸版が得られる。
【0016】本発明は前記の充填ポリマー及び併用ポリ
マーがその全部か一部が1μm以上の分散粒子で存在す
ることが必須である。感光性樹脂層が不均一相であっ
て、充填ポリマー及び併用ポリマー成分が異相構造中で
島成分(分散粒子)に、光重合性不飽和化合物及びそれ
に相溶する充填ポリマー及び併用ポリマーが海成分とし
て存在する、いわゆる海島構造を形成していることが必
要である。
【0017】海島構造を形成するような感光性樹脂層は
例えば、充填ポリマーを予め微粒子状態に調製してから
光重合性不飽和化合物及び光重合開始剤と混合する方法
や充填ポリマーと光重合性不飽和化合物及び光重合開始
剤を混合してから混練りなどの機械的な手段による相分
離を利用して分散状態にすることが出来る。充填ポリマ
ーと光重合性不飽和化合物が完全に相溶しないように、
あるいは充填ポリマーが不連続化するように充填ポリマ
ーと非相溶性の液状成分を添加したり、混合温度条件な
どを選ぶことによって得ることができる。
【0018】分散粒子の平均粒子径は分散ポリマーのみ
が溶解しないような溶剤に感光性樹脂組成物を溶解、分
散させて、その分散粒子の粒度分布を測定する方法や、
感光性樹脂組成物を粒子径に近い厚みまで薄膜にして、
光学顕微鏡で観測する方法、感光性樹脂組成物を硬化さ
せてから薄膜に切断して光学又は電子顕微鏡で観察する
方法などから粒子画像を得て、その画像解析から平均粒
子径を測定できる。なお本発明においては、位相差顕微
鏡で1000倍に拡大した画像から分散粒子の平均粒子
径を測定し、また分散粒子の含有量は、全画像面積に対
する分散粒子のしめる面積でもって容量%とする。
【0019】本発明において、分散粒子同士が相互に接
触しているとは、粒子間でのその粒子表面を点接触して
いることを意味しており、その点で粒子間の緩凝集又は
擬凝集と表現できるものであり、加熱により熱膨張して
相互に接触するものと思われるが、常温における分散粒
子直径の変化は実質的には見られない。なお接触してい
るか否かの確認方法としては、前記位相差顕微鏡や光学
顕微鏡等により目視で確認できるが、その他、海成分だ
けを溶解する溶剤中での感光性樹脂層の分散状態の観察
において、強い攪拌条件下では分散粒子を相互に接触さ
せた感光性樹脂層でも粒子の分散が観察されるし、感光
性樹脂層を流動させると分散粒子の相互の接触が破壊さ
れることによっても確認することができる。一方、粒子
間が融着するとは、分散粒子同士での連続化が生じて、
細分散しないことを意味するものであり、本発明は分散
粒子同士が融着するものではない。
【0020】次に本発明感光性樹脂原版を製造する方法
としては、例えば原版を成形するときに温度を上げて熱
処理する方法や、成形した原版を加熱する方法等を採用
することができる。原版を成形するときに温度を上げて
熱処理する方法としては、感光性樹脂層をシート状に押
し出して支持層と保護層でラミネートする場合には感光
性樹脂温度を高く保つことやラミネート装置自体を高温
に設定することで対処できる。成形した原版を加熱する
方法は熱源としてホットプレート、熱風、遠赤外線や高
周波照射など公知の加熱装置で原版を一定時間処理する
ことで容易におこなえる。原版を一定温度に保つことが
できればどの様な方法でも良いが、原版の要求特性とし
ての現像性や物性、更には最終用途などのための厚みや
平滑性などの形状が損なわれてはならない。例えば感光
性樹脂組成中の光重合性不飽和化合物は一般に熱的に不
安定であり加熱によってゲル化が発生する。カバーフイ
ルムは一般にはポリエステルフイルムが使用されるが熱
変形を受け易い。これらのことを避けるためには加熱温
度は140℃以下が、好ましくは130℃以下が好まし
い。
【0021】前記方法により得られた本発明感光性樹脂
原版を光硬化し、その感光性樹脂組成物層を薄膜に切断
して光学顕微鏡で観察すると分散粒子の一部で粒子が加
熱処理を行わないものに比較して擬凝集しているのが観
察できる。又、感光性樹脂の原版をその海成分だけを溶
解するような溶剤、例えばジエチルエーテル中に浸漬す
ると加熱処理を行わないものは粒子がバラバラになって
容易に分散するのに対して、加熱処理を行いその生版の
固さを増した試料では海成分は溶出しても粒子は凝集し
て分散しない。分散粒子の擬凝集は感光性樹脂組成物層
において三次元方向に形成されているので薄膜に切断し
て光学顕微鏡で観察するよりも溶剤中での分散状態を観
察する方法がより顕著に観察できる。
【0022】本発明において用いられる高分子化合物は
汎用エラストマーとして用いられるポリマーであるか
ら、そのガラス転移温度は少なくとも5℃以下であり、
上記の加熱処理で分散粒子は隣接する粒子同士で接触す
るが、分散粒子の粒子径と粒子濃度(粒子含有量)によ
っては、粒子同士が溶融して互いに融着する場合があ
る。この変化は分散粒子の粒子径と粒子濃度に大きく依
存し、分散粒子の平均粒子径が1μ未満の場合には溶融
して互いに融着する傾向や速度が大きくて、室温でも容
易に進行するために実用的ではない。そのために平均粒
子径が1μm以上、好ましくは2μm以上の系が好まし
い。
【0023】粒子濃度は感光性樹脂組成物中の充填ポリ
マーと併用ポリマーの含有率での分散する割合で大きく
変化するが、一般に充填ポリマーの殆どが分散粒子とし
て存在させるような系でないと安定して分散粒子を含む
感光性樹脂を調製できない。しかしながら、充填ポリマ
ーと併用ポリマーが光重合性不飽和化合物と一部が相溶
して海成分に存在したり、極微粒子のために分散粒子と
して検出できない場合がある。少なくとも島成分である
分散粒子が組成物中に40容量%以上存在することが必
要であり、好ましくは50容量%以上、さらに60容量
%以上が望ましい。なお分散粒子が40容量%未満で
は、熱処理等をして粒子の凝集を行っても原版としての
形態安定性が非常に悪く、本発明効果が期待できない。
【0024】本発明において、分散粒子が水不溶性であ
るコア成分、水性媒体に可溶性または膨潤、分散性であ
ってシェル成分として存在するようなコア−シェル粒子
構造系では現像方式が水系現像性である原版が得られ
る。この系の場合、水系現像性を発現、維持するために
はコア−シェル粒子構造の形態保持が必要であるため
に、原版の加熱において分散粒子は隣接する粒子同士で
接触させるところで処理を停止しなければならない。具
体的には原版の加熱を停止して速やかに常温に戻すこと
によって粒子同士の接触の進行を中断できる。粒子同士
が溶融して互いに融着させてしまう迄処理をするとコア
−シェル粒子構造が破壊されて水系現像性が損なわれて
しまうので好ましくない。分散粒子が隣接する粒子同士
で接触することによって、原版の耐クリープ性や軟らか
さは充分に改善される。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお実施例中単に部とあるのは重量部を示す。また
本発明の原版の軟らかさ、現像速度および感光層におけ
る分散粒子状態の確認方法は下記の方法で測定した。
【0026】原版の軟らかさ:保護フイルムを剥離した
2.8mm厚みの生版のスリップコート膜(非粘着性皮
膜)上にφ10mmの測定子を装着したディジタルゲー
ジ(小野測器(株)製 GS−112型リニアゲージセ
ンサとDG−482型ディジタルゲージ)を設置した。
測定子が生版中へ60秒間後に押し込まれた変移量を測
定した。測定温度は25℃でおこなった。生版が軟らか
いほど押し込まれる変移量は大きい。 現像速度:各種の現像液を入れたブラシ式ウォッシャー
(ブラシ:120 μφナイロンブラシ)で現像し、未露光
部を除去するのに必要な時間を測定した。ブラシ式ウォ
ッシャーは日本電子精機(株)のA2 サイズ用ウォッシ
ャー(JW-A2- PD) を使用した。 感光層における分散粒子状態の確認:感光性樹脂組成物
を厚さ15μmの薄膜状にして位相差顕微鏡で1000
倍に拡大した画像から分散粒子の平均粒子径を測定し、
また全画像面積に対する分散粒子の占める面積でもって
容量%とした。
【0027】実施例1 感光性樹脂組成物の調製 ヘキサメチレンジイソシアネート21.8部、ジメチロ
ールプロピオン酸15.4部、ポリテトラメチレングリ
コール(PC−100 日本ポリウレタン工業(株)
製)7.6部、およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ
1.0部を、テトラヒドロフラン300部に溶解した溶
液を、攪拌機のついた1L容フラスコに入れ、攪拌を続
けながら反応系を65℃に保って、3時間反応させた。
別の容器で、末端アミノ基含有アクリロニトリル・ブタ
ジエンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300
×16 宇部興産(株)製)55.3部をテトラヒドロ
フラン100部に溶解して、この溶液を上記の1L容フ
ラスコに室温下で攪拌しながら添加し、ポリマー溶液を
得た。次に別の容器で水酸化リチウム4.8部を水50
部に溶解した溶液を上記の1L容フラスコに室温下で攪
拌しながら添加した。添加後に、さらに30分間攪拌す
ることによって親水性ポリマー溶液(1)を得た。
【0028】一方、卓上ニーダー(PBV−0.3型
入江商会(株)製)を用いて塩素化ポリエチレン(ダイ
ソラックH135 ダイソー(株)製)46.0部とス
チレン・ブタジエンゴム(JSR1507 日本合成ゴ
ム(株)製)14.0部とトルエン60部を70℃で3
0分間混合、溶解した。次にオリゴブタジエンアクリレ
ート(ABU 共栄社化学(株)製)27.0部を15
分間かけて添加した後に、上記の親水性ポリマー溶液
(1)39.5部(ポリマー分11.5部)、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル0.1部、ベンジルジメチル
ケタール1.0部と水20部を更に添加して混合、分散
を1時間続けた。次にニーダー内部を徐々に減圧にして
濃縮を行い、1torrで30分間混合を続け、揮発成分が
0.5%以下になった感光性樹脂組成物を得た。得られ
た感光性樹脂組成物を厚さ15μmの薄膜状にして位相
差顕微鏡で1000倍に拡大した画像から分散粒子の平
均粒子径を測定した結果、平均粒子径2.6μの粒子が
57容量%含まれていた。
【0029】感光性樹脂原版の作成 厚み2μmのポリビニルアルコール(AH−24日本合
成化学(株)製)の被膜をコートした厚み125μmの
ポリエステルフイルムをカバーフイルムとして、共重合
ポリエステル(バイロンRV−30SS東洋紡(株)
製)と多官能イソシアネート(コロネートL日本ポリウ
レタン(株)製)の反応物を厚み15μmの被膜でコー
トした厚み125μmのポリエステルフイルムをベース
フイルムとして、両フイルムの被膜に接して上記の感光
性樹脂組成物を配置して、ヒートプレス機で98℃、1
00kg/cm2 の圧力で1分間ヒートプレスをして厚さ
2.8mmの感光性樹脂原版を作成した。
【0030】原版の加熱処理 上記の実施例で得られた感光性樹脂の原版を5cm×5
cmに裁断した。この原版を表1に示す各温度に設定し
たホットプレートにカバーフイルム側を接するようにし
て各30分間乗せた後にホットプレートから取り除いて
加熱温度の変えた原版を作成した。
【0031】原版の測定 原版の加熱温度と軟らかさ及び現像速度の測定結果は下
記のようになった。現像速度の測定は現像液として界面
活性剤を含む(ペレックスNBL 花王(株)製4重量
%)水溶液を40℃で用いて、15分間現像した時の非
露光部が除去された厚みを測定した。その結果を表1に
示す。
【0032】
【表1】 表1より明らかなように原版の加熱を行うと押し込み変
移で見た原版の軟らかさは明確に改善され、加熱温度が
130℃では熱重合またはゲル化がおこり、現像性の低
下と波状の変形が現れ、原版としての機能を失っている
ことが判る。
【0033】原版の加熱処理と測定 上記の原版の加熱処理と同様な方法でホットプレートの
温度を110℃に設定した。この温度で加熱時間の変え
た原版を作成して軟らかさ及び現像速度を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0034】
【表2】 表2より110℃で加熱をした場合には15分間以上加
熱をすると原版の軟らかさは加熱時間に関係なく一定の
固さになることが判る。
【0035】感光性樹脂層の粒子状態の観察 粒度分布の測定:生版の保護層フイルムを剥離したのち
に3kw高圧水銀灯で5分間照射して光硬化した感光性
樹脂層を版厚み方向に幅約1mm、長さ約5mmに細断
した試料を作成した。この試料を1重量%染料水溶液
(BRILL.BASIC CYA-NINE 6GH 保土谷化学(株)製)に
室温で30分間浸漬してから水洗、乾燥した。光学顕微
鏡で染色した試料(感光性樹脂層の厚み方向の切断面)
の400倍像についての粒度分布を画像解析によって測
定した。真円相当に換算された平均粒子直径は110℃
30分間の加熱処理の前後で変動が認められなかった。
【0036】粒子分散の測定:生版の保護層フイルムと
スリップ皮膜を剥離した幅1cm、長さ3cmの試料を
試験管中に吊るしてジエチルエーテルを加え、試料の感
光性樹脂層がジエチルエーテルに分散していく様子を観
察した。加熱処理前の試料は室温下で感光性樹脂層がす
べて約10分間でジエチルエーテル中に溶出分散した。
110℃30分間の加熱処理した試料は溶出が認められ
るが感光性樹脂層の形状が保たれて分散しなかった。一
夜間浸漬を続けたこの試料を液中から取り出して室温で
乾燥したところ、スポンジ状の層が得られた。熱処理温
度や時間を変えて処理条件をゆるくしていくと、このジ
エチルエーテル中への分散性が熱処理をしない試料の挙
動に近くなっていく。
【0037】この現象は感光性樹脂層の各成分の中でジ
エチルエーテルに溶解する海成分は熱処理の有無に関係
なく溶出するが、ジエチルエーテルに不溶な分散粒子は
粒子同士が接触しないで存在すると海成分の溶出と同時
にジエチルエーテル中に分散し、粒子同士が接触してい
ると連結してジエチルエーテル中に分散しなくなること
を示している。感光性樹脂層を攪拌、流動したジエチル
エーテル中に置いた場合は熱処理した場合も粒子はジエ
チルエーテル中に逐次分散してしまうので粒子同士が強
く融着しているのではなくて相互に接触していると考え
られる。
【0038】実施例2 感光性樹脂組成物の調製 卓上ニーダー(PBV−0.3型 入江商会(株)製)
を用いて塩素化ポリエチレン(ダイソラックH135
ダイソー(株)製)57.5部とスチレン・ブタジエン
ゴム(JSR1507 日本合成ゴム(株)製)14.
0部とトルエン80部を70℃で30分間混合、溶解し
た。次にオリゴブタジエンアクリレート(ABU 共栄
社化学(株)製)27.0部を15分間かけて添加した
後に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、ベ
ンジルジメチルケタール1.0部を更に添加して混合、
分散を1時間続けた。次にニーダー内部を徐々に減圧に
して濃縮を行い、1torrで10分間混合を続け、揮発成
分が0.5%以下になった感光性樹脂組成物を得た。得
られた組成物には平均粒子径2.1μの粒子が56容量
%含まれていた。
【0039】感光性樹脂原版の作成 実施例1と同様なカバーフイルムとベースフイルムおよ
びヒートプレス機を用い、前記方法で得られた感光性樹
脂組成物をラミネートして感光性樹脂版を作成する際
に、ヒートプレス機の設定温度を変えてそれぞれ100
kg/cm2 の圧力で2分間ヒートプレスをして厚さ2.8
mmの感光性樹脂原版を作成した。原版の加熱温度と軟
らかさ及び現像速度の測定結果は下記のようになった。
現像速度の測定は現像液としてトリクロロエタンとイソ
プロピルアルコールを容量比率8対2の混合液を用い
て、25℃で5分間現像した時の非露光部が除去された
厚みを測定した。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】 表3より明らかなように、ラミネート温度(樹脂温度に
近い)を上げることで成形された生版の固さが改善さ
れ、現像速度には影響しないことが判る。
【0041】比較例1 感光性樹脂組成物の調製 卓上ニーダー(PBV−0.3型 入江商会(株)製)を
用いてブタジエンゴム((BR02L日本合成ゴム
(株)製)80.0部とトルエン50部を50℃で30
分間混合した。次に1,6ヘキサメチレンジメタクリレ
ート(HX 共栄社化学(株)製)19.0部、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル0.1部とベンジルジメチ
ルケタール1.0部を15分間かけて添加した。次にニ
ーダー内部を徐々に減圧にして濃縮を行い、1torrで1
0分間混合を続け揮発成分が0.5%以下になった感光
性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物には分散粒
子が観察されず、均一な感光性樹脂組成物であった。
【0042】感光性樹脂原版の作成と熱処理効果の測定 実施例1と同様にカバーフイルムとベースフイルムに上
記の感光性樹脂組成物を70℃設定のヒートプレス機を
用いてラミネートし、生版を作成した。この生版につい
て実施例1の加熱処理と同操作で加熱温度の変えた試料
を作成してその軟らかさを測定した。その結果を表4に
示す。
【0043】
【表4】 表4より明らかなように、分散粒子が含まれない感光性
樹脂組成物では加熱処理の効果がないことが判る。
【0044】比較例2 感光性樹脂組成物の調製 実施例1と同様な原料と卓上ニーダーを用いて感光性樹
脂組成物を調製する時にトルエンを実施例1の時よりも
半減させて、30部を使用した以外は実施例1と同様な
操作で感光性樹脂組成物を調製したところ、平均粒子直
径が0.7μmの粒子が57容量%含まれた感光性樹脂
組成物を得た。
【0045】感光性樹脂原版の作成と原版測定 実施例1と同様にカバーフイルムとベースフイルムに上
記の感光性樹脂組成物を70℃設定のヒートプレス機を
用いてラミネートし、生版を作成した。この原版につい
て実施例1の加熱処理と同操作で加熱温度の変えた試料
を作成してその軟らかさと現像速度を実施例1と同操作
で測定した。その結果を表5に示す。
【0046】
【表5】 表5より明らかなように、分散粒子が1μm以下の場
合、原版の軟らかさは粒子径が大きい時よりも既に硬く
なっているので、その加熱処理を行っても変化は少ない
が現像速度が著しく低下してしまうことが判る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、調製された感光性樹脂
の原版はレリーフを作成する製版工程操作や移動作業に
おいて原版の凹みや変形に対する留意を著しく減少させ
ることができる。また感光性樹脂層のコールドフローが
改善されて固体状の形態安定性が良好になるので、原版
の長期保存が容易になる等、産業界に寄与すること大で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性樹脂組成物を感光層として支持体上
    に積層してなる感光性樹脂原版において、感光性樹脂組
    成物が、主として高分子化合物、光重合性不飽和化合物
    および光重合開始剤を含有し、海島構造を形成する感光
    性樹脂組成物であり、島部分が、平均粒子直径が1μm
    以上の分散粒子であって、感光性樹脂組成物中に40容
    量%以上存在し、かつその分散粒子同士が相互に接触し
    ていることを特徴とする感光性樹脂原版。
  2. 【請求項2】分散粒子部分が水不溶性であるコア成分
    と、水性媒体に可溶性または膨潤性であるシェル成分か
    らなるコア−シェル粒子構造を有する請求項1記載の感
    光性樹脂原版。
  3. 【請求項3】感光性樹脂組成物を感光層として支持体上
    に積層してなる感光性樹脂原版の製造方法において、感
    光性樹脂組成物が、海島構造を形成する感光性樹脂組成
    物であり、島部分が、平均粒子直径が1μm以上の分散
    粒子であって、感光性樹脂組成物中に40容量%以上存
    在し、かつその分散粒子同士が相互に接触するように加
    熱処理することを特徴とする感光性樹脂原版の製造方
    法。
JP16386295A 1995-06-29 1995-06-29 感光性樹脂原版およびその製造方法 Pending JPH0915843A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10254127A (ja) * 1997-03-13 1998-09-25 Jsr Corp 水現像性感光性樹脂組成物
JP2004501397A (ja) * 2000-05-22 2004-01-15 クレイトン・ポリマーズ・リサーチ・ベー・ベー フレキソ印刷板の製造方法

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