JPH09176257A - アセタールコポリマーの製造方法 - Google Patents

アセタールコポリマーの製造方法

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JPH09176257A
JPH09176257A JP34044095A JP34044095A JPH09176257A JP H09176257 A JPH09176257 A JP H09176257A JP 34044095 A JP34044095 A JP 34044095A JP 34044095 A JP34044095 A JP 34044095A JP H09176257 A JPH09176257 A JP H09176257A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トリオキサンと1,3−ジオキソランをカチ
オン重合触媒を用い、セルフクリーニング型2軸混合機
を用いて重合し、アセタールコポリマーを製造するに際
し、トリオキサンと1,3−ジオキソランとカチオン重
合触媒の初期混合物を85℃〜105℃に保つことによ
って、重合誘導期間を遅延化することを特徴とするアセ
タールコポリマーの製造方法。 【効果】 アセタールコポリマーの重合を長時間にわた
って連続的に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリオキサンを主
原料とするアセタールコポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アセタールコポリマーは、優れた耐摩耗
性や摩擦特性を有し、電気部品、自動車部品、機械部品
等に広く利用されている工業的に有用なエンジニアリン
グプラスチックである。実質的に無水のトリオキサンを
重合触媒の存在下で単独重合、あるいはエチレンオキシ
ド等の化合物と共重合せしめて、高分子のアセタールコ
ポリマーを得る事は従来より良く知られている。
【0003】またトリオキサンの単独重合、共重合を、
反応温度を制御するためのジャッケトを有する2軸セル
フクリーニング型撹拌混合機を用いて塊状状態にて連続
的に行う事も良く知られている。そのような重合方法
は、たとえば特公昭57−44690、62−1397
2〜74号や特開昭58−32619〜21号あるい
は、特公平4−59329号、特開平2−29427、
2−147616、6−41261号公報に開示されて
いる。
【0004】トリオキサンの塊状(共)重合は反応速度
が極めて速く、且つ生成したポリマーが原料モノマーに
不溶のため、重合反応の進行に伴って液体状態からスラ
リー状態へ、更に固体状態への急激な変化が起こる。重
合反応器へ供給するトリオキサンと触媒の混合が不十分
な場合は、重合触媒の局在化のためにトリオキサンの局
部的な重合が起こり、局部的に非常に高温度となるた
め、重合体の分解・劣化が激しい。このような問題を解
決するために前記特公平4−59329号の如くトリオ
キサン、環状エーテルと触媒をあらかじめ均一に混合し
た後、液相状態を保ちつつ反応混合物を重合反応機に供
給するという提案がなされている。この方法は、トリオ
キサンと重合触媒を極めて均一に混合して、重合触媒の
局在化をなくし局部的重合をなくすと共に初期重合熱を
効率良く除去できる重合方法である。
【0005】又、該技術においては、トリオキサン、環
状エーテルと触媒をあらかじめ均一に混合し、液相状態
を保つときの条件として、64〜140℃の温度範囲、
10〜300秒間の混合時間が良いとしている。混合物
がどの程度の時間、液相状態を保ち得るかは、触媒の種
類や量、さらには混合機の形状や攪拌の方法によってか
なり異なるので、上記の条件範囲は至当であるといえ
る。
【0006】しかしながら、本発明者らの詳細な検討に
よれば、特定の環状エーテル及び特定の混合機を使用す
る場合においては、重合を安定して連続的に行うために
は更に緻密な条件設定を必要とすることが明らかになっ
た。例えば、特公平4−59329号の実施例3の方法
において、エチレンオキシドのかわりに1,3−ジオキ
ソランを用い、トリオキサンと1,3−ジオキソランを
カチオン重合触媒を用いて、セルフクリーニング型2軸
混合機を用いて重合を行うと、重合反応が急激に進み、
液相状態での充分な混合ができず、又、急激な反応の進
行で、液相状態から短時間のスラリー状態を経て個体状
態への急激な変化が起こり、2軸混合機の攪拌部を構成
するパドルに異常なトルクがかかって攪拌軸が偏心した
り、きしみ音が発生したり、ひいては該パドルと2軸混
合機のシリンダー内面との断続的な接触が発生してパド
ル表面が削られ、ポリマーに混入するなど、長時間の安
定した重合は極めて困難であった。これは、2軸混合機
入口の液温が70℃であり、更に2軸混合機のジャケッ
トを用いて冷却していることに起因するものであること
を突きとめるに至った。また特公平4−59329号実
施例2、4〜8には共重合物としてエチレングリコール
ホルマール(1,3−ジオキソラン)による静的混合機
を用いた例が示されているがセルフクリーニング機能が
なく長時間運転すると混合機が閉塞することがあり実用
的でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トリ
オキサンと1,3−ジオキソランをカチオン重合触媒を
用いセルフクリーニング型2軸混合機を用いて重合する
に際し、初期混合物を液状に保ち、充分混合した後重合
する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンと1,3−
ジオキソランをカチオン重合触媒を用い、セルフクリー
ニング型2軸混合機を用いて重合し、アセタールコポリ
マーを製造するに際し、トリオキサンと1,3−ジオキ
ソランとカチオン重合触媒の初期混合物を85℃〜10
5℃に保ち、重合誘導期間を遅延化することによりトリ
オキサンと1,3−ジオキソランとカチオン重合触媒を
充分に混合し触媒を均一に分散させ、急激な重合を抑制
することにより混合機の負荷を低減し長期間にわたって
安定した運転ができることを見出し、本発明に到達し
た。
【0009】即ち、本発明は、トリオキサンと1,3−
ジオキソランをカチオン重合触媒を用い、セルフクリー
ニング型2軸混合機を用いて重合し、アセタールコポリ
マーを製造する方法であって、トリオキサンと1,3−
ジオキソランとカチオン重合触媒の初期混合物を85℃
〜105℃に保つことによって、重合誘導期間を遅延化
することを特徴とするアセタールコポリマーの製造方法
である。
【0010】ここで、重合誘導期間とは、トリオキサン
と1,3−ジオキソランとカチオン重合触媒の初期混合
物が液相状態を保ち得る期間を表している。トリオキサ
ンと1,3−ジオキソランのカチオン重合触媒を用いた
重合はトリオキサンとエチレンオキシドのカチオン重合
触媒を用いた重合に比べて重合誘導期間が短く、同じ条
件で重合させるとトリオキサンと1,3−ジオキソラン
のカチオン重合触媒を用いた重合は重合反応が早く進み
充分な混合を行う前に急激な相変化を伴う反応が起こ
る。ジオキソランとトリオキサンのカチオン共重合にお
ける重合温度の影響について、「工業化学雑誌74巻1
号(1971)」の「ジオキソランとトリオキサンのカ
チオン共重合における重合温度,溶媒,触媒の影響:伊
藤・新井・山下」の中で温度が高くなるとみかけの重合
速度が減少するとの報告がなされているが、本発明者ら
は、前記課題の解決のため、重合誘導期間に着目し、溶
媒がほとんど存在しない反応系でトリオキサンと1,3
−ジオキソランのカチオン重合触媒による重合を解析し
た結果、この重合反応の重合誘導期間が、反応温度の上
昇と共に長くなることを見いだし本発明に到達した。こ
れはトリオキサンとエチレンオキシドのカチオン重合触
媒を用いた重合の場合とは全く逆の現象である。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。本発明に用
いられる反応器は、反応機の断面が2個の重なり合った
異心同径円の形状を有し、撹拌混合機の両端部にそれぞ
れ原料供給口と生成物の吐出口を備え、その内部に一対
の平行撹拌軸と該軸上に取り付けられた複数の板状パド
ルを有し、該パドルは撹拌軸の長手方向に垂直の断面が
凸レンズ型、楕円型、または、各頂角で仮想円に内接す
る擬多角形であって、一方の撹拌軸に固定されたパドル
はその先端で胴の内面及び相対するパドルと僅少なクリ
アランスを保って回転するようなセルフクリーニング2
軸混合機であり、反応器は、胴の外周に複数に分かれた
温度調整用のジャケットを有したものである。
【0012】本発明においては、このセルフクリーニン
グ2軸混合機1台を反応機として用いる場合もあるが、
セルフクリーニング2軸混合機2台を直列につないで反
応器として用いても良い。本発明の特徴は、重合初期の
反応温度の制御にある。すなわち重合の初期段階におい
て、トリオキサンと1,3−ジオキソランとカチオン重
合触媒の初期混合物を重合反応器のジャケットより加熱
して85℃〜105℃に保つことを特徴とし、これによ
り重合誘導期間が長くなり、トリオキサンと1,3−ジ
オキソランとカチオン重合触媒を充分に混合し触媒を均
一に分散させ、急激な重合反応が抑制されることにより
混合機の負荷を低減し長期間にわたって安定した運転が
できる。
【0013】本発明に用いられる反応器の前段ジャケッ
トに流す流体は、液体でも気体でもかまわないが、経済
的に温水が好ましい。温水の温度は、80〜100℃、
好ましくは85〜95℃である。目的は初期混合物の温
度制御にあり、温水の温度・流量により重合の初期混合
物の温度を85℃〜105℃に調整する。
【0014】重合の初期混合物の温度が85℃より低い
と重合反応速度が早く、充分な混合が行われる前に重合
が急激に進み、パドルに負荷がかかる。重合の初期混合
物の温度が105℃より高いと、重合誘導反応が進ま
ず、重合収率が低くなる。ここで言う前段ジャケットと
は、反応器の全ジャケットの原料供給口側から10〜4
0%の部分をさす。10%より少ないと、充分な混合が
行われず、急激な重合の抑制ができない。40%より多
いと反応器が大きくなり経済的ではない。
【0015】反応器の前段ジャケットを除く残りのジャ
ケットには、冷却水が流され、その温度は通常、0〜3
0℃、好ましくは5〜20℃である。2台の反応器を直
列につなぎ、前段反応器のジャケットに温水を流し、初
期混合物の加熱を行い、後段反応器のジャケットには冷
却水を流す形としても良い。反応器の胴の長さ(L)と
胴の内径(D)の比は、軸のたわみによるパドルとパド
ル及びパドルと胴の内面の接触が起こらないように考慮
して、通常、20以下であり、好ましくは5〜15であ
る。
【0016】反応器のパドルは、フラットパドル、送り
効果のあるヘリカルパドル、逆送り効果のある逆ヘリカ
ルパドルがあり、反応系の相変化に対応してそれらのパ
ドルを任意に選択し、組み合わせて使用される。パドル
は一方のパドルと他方のパドルが僅少なクリアランスを
保って回転しセルフクリーニング機能を有するが、この
クリアランス及びパドルの先端と胴の内面とのクリアラ
ンスは、パドルの長径の2%以下であり、好ましくは1
%以下である。
【0017】本発明では重合触媒として様々なカチオン
重合触媒を用いることができる。カチオン重合触媒の第
1グループとしては、四塩化錫、四臭化錫、四塩化チタ
ン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウ
ム、五沸化リン、三塩化アンチモン、三沸化ホウ素、三
塩化ホウ素等のフリーデル・クラフト型化合物がある。
また三沸化ホウ素ジエチルエーテレート、三沸化ホウ素
ジブチルエーテレート、三沸化ホウ素ジオキサネート等
の三沸化ホウ素配位化合物もこのグループに含まれる。
【0018】カチオン重合触媒の第2グループとして
は、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパ
ークロレート等の無機酸・有機酸がある。カチオン重合
触媒の第3グループとしては、トリフェニルメチルヘキ
サフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフ
ロロホスフエート、トリエチルオキソニウムテトラフロ
ロボレート等の複合塩化合物がある。
【0019】またこれ等の3つのグループの他に、モリ
ブデンオキシドアセチルアセトネート等もカチオン重合
触媒として用いる事が可能である。これらのカチオン重
合触媒の中でもフリーデル・クラフト型化合物及び複合
塩化化合物が好ましく、更に好ましくは三沸化ホウ素、
三沸化ホウ素配位化合物が用いられる。三沸化ホウ素や
三沸化ホウ素配位化合物を使用する場合の添加量は、ト
リオキサン1モル当たり、好ましくは5×10-6〜5×
10-5モル、より好ましくは8×10-6〜3×10-5
ルである。
【0020】また、トリオキサンと共重合させる1,3
−ジオキソランの量は、トリオキサン1モル当たり、好
ましくは2×10-3〜1×10-1モル、より好ましくは
2×10-3〜3×10-2である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をより
具体的に示すが、本発明は以下の実施例により制限され
るものではない。
【0022】
【実施例1】セルフクリーニング型2軸混合機2台を直
列につないで反応器として用いた。前段のセルフクリー
ニング型2軸混合機は、L/D=8.8、同方向回転型
のものであり、二本の駆動軸に凸レンズ型、径50mmの
パドルが90度の位相差を持って組み込まれ、パドルは
ケーシングとの間に1.0mmのクリアランスを以て回転
するもので、KRCニーダー#2型(栗本鉄工所)の商
品名で市販されているものである。、後段のセルフクリ
ーニング型2軸混合機は、前段と同じく同方向回転型の
KRCニーダー#5型(栗本鉄工所)の商品名で市販さ
れているものである。
【0023】この反応器にトリオキサン、1,3−ジオ
キソラン、ベンゼン、三沸化ホウ素ジブチルエーテレー
トを以下の割合で150rpmで回転している前段セル
フクリーニング型2軸混合機に供給した。1,3−ジオ
キソラン、ベンゼンで希釈された三沸化ホウ素ジブチル
エーテレートは2軸混合機の直前でトリオキサンの流れ
の中に供給した。
【0024】 トリオキサン 15kg/hr 1,3−ジオキソラン 540g/hr ベンゼン 350CC/hr 三沸化ホウ素ジブチルエーテレート 0.5g/hr トリオキサンの供給温度は、90℃に調整した。前段の
セルフクリーニング型2軸混合機のジャケットには95
℃の温水を通し、重合誘導期間を遅延化させ初期混合物
を均一に混合せしめた。前段のセルフクリーニング型2
軸混合機の内液の温度は、入口が90℃、中間が91
℃、出口が92℃であった。
【0025】前段のセルフクリーニング型2軸混合機で
均一に混合された液状状態の反応混合物を、配管を通し
て後段のセルフクリーニング型2軸混合機に導いた。後
段のセルフクリーニング型2軸混合機のジャケットには
15℃の冷却水を通し、重合熱の除去を行った。この条
件による運転を、連続340時間を行ったが安定した運
転が出来た。
【0026】
【発明の効果】本発明により、トリオキサンと1,3−
ジオキソランをカチオン重合触媒を用い、セルフクリー
ニング型2軸混合機での重合を長時間にわたって連続的
に行うことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンと1,3−ジオキソランを
    カチオン重合触媒を用い、セルフクリーニング型2軸混
    合機を用いて重合し、アセタールコポリマーを製造する
    方法であって、トリオキサンと1,3−ジオキソランと
    カチオン重合触媒の初期混合物を85℃〜105℃に保
    つことによって、重合誘導期間を遅延化することを特徴
    とするアセタールコポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 セルフクリーニング型2軸混合機が1台
    の2軸セルフクリーニング型混合機である請求項1記載
    のアセタールコポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 セルフクリーニング型2軸混合機が2台
    の2軸セルフクリーニング型混合機を直列につないだも
    のである請求項1記載のアセタールコポリマーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 カチオン重合触媒が、三沸化ホウ素もし
    くは三沸化ホウ素配位化合物である請求項1記載のアセ
    タールコポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 三沸化ホウ素もしくは三沸化ホウ素配位
    化合物が、トリオキサン1モル当たり、5×10-6〜5
    ×10-5モルである請求項4記載のアセタールコポリマ
    ーの製造方法。
  6. 【請求項6】 1,3−ジオキソランが、トリオキサン
    1モル当たり、2×10-3〜1×10-1モルである請求
    項1記載のアセタールコポリマーの製造方法。
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