JPH09176911A - ポリエステル糸の製造方法 - Google Patents
ポリエステル糸の製造方法Info
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- JPH09176911A JPH09176911A JP34084195A JP34084195A JPH09176911A JP H09176911 A JPH09176911 A JP H09176911A JP 34084195 A JP34084195 A JP 34084195A JP 34084195 A JP34084195 A JP 34084195A JP H09176911 A JPH09176911 A JP H09176911A
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- spinning hole
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 糸の断面形状や太さを均一に維持させると共
に、紡糸孔周辺の推積物の発生を抑制し、それによって
口金の清掃周期を延長可能にする。 【解決手段】 カルシウムのグリコール可溶性塩を添加
したポリエステルを溶融吐出するに際し、少なくとも紡
糸孔周辺部がセラミックスで形成され、紡糸孔の内壁面
の粗度が0.1S以下である紡糸口金を用いることを特徴と
するポリエステル糸の製造方法。
に、紡糸孔周辺の推積物の発生を抑制し、それによって
口金の清掃周期を延長可能にする。 【解決手段】 カルシウムのグリコール可溶性塩を添加
したポリエステルを溶融吐出するに際し、少なくとも紡
糸孔周辺部がセラミックスで形成され、紡糸孔の内壁面
の粗度が0.1S以下である紡糸口金を用いることを特徴と
するポリエステル糸の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル糸の
製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリエステル糸を長
時間にわたり安定に紡糸可能とする製造方法に関する。
製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリエステル糸を長
時間にわたり安定に紡糸可能とする製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルの溶融紡糸において長時間
の連続運転を行っていると、溶融ポリマ中に含まれてい
る重合触媒や、モノマ、オリゴマ、または熱分解生成物
等が紡糸口金の紡糸孔周辺に付着し、それらが次第に堆
積されることにより吐出障害を発生し、糸の曲がり、糸
揺れ、糸切れ等を発生するようになる。紡糸口金のポリ
マ紡糸孔周辺の汚れの堆積量が多くなった場合には、紡
糸を中断し、紡糸口金のポリマ紡糸孔周辺部を清掃する
か、もしくは紡糸口金を交換しなければならない。紡糸
口金の清掃時や交換時には当然のことながら生産は中断
され、また多大の労力を必要とし製造コストに大きな影
響を与える。
の連続運転を行っていると、溶融ポリマ中に含まれてい
る重合触媒や、モノマ、オリゴマ、または熱分解生成物
等が紡糸口金の紡糸孔周辺に付着し、それらが次第に堆
積されることにより吐出障害を発生し、糸の曲がり、糸
揺れ、糸切れ等を発生するようになる。紡糸口金のポリ
マ紡糸孔周辺の汚れの堆積量が多くなった場合には、紡
糸を中断し、紡糸口金のポリマ紡糸孔周辺部を清掃する
か、もしくは紡糸口金を交換しなければならない。紡糸
口金の清掃時や交換時には当然のことながら生産は中断
され、また多大の労力を必要とし製造コストに大きな影
響を与える。
【0003】従来、このような紡糸孔周辺部の汚れの堆
積を抑制するため、紡糸口金の紡糸孔側表面にポリオル
ガノシロキサンを塗布することが行われている。しか
し、ポリオルガノシロキサンも時間経過と共に熱変性し
て汚れを抑制する効果はなくなるので、定期的に口金表
面を清掃してポリオルガノシロキサンを再塗布する必要
がある。上記紡糸孔周辺部の汚れは、特に複数のスリッ
トから形成される異形断面糸用紡糸口金の場合に発生し
易く、そのため円形断面糸紡糸口金に比べて口金の清掃
周期も短くならざるを得なかった。
積を抑制するため、紡糸口金の紡糸孔側表面にポリオル
ガノシロキサンを塗布することが行われている。しか
し、ポリオルガノシロキサンも時間経過と共に熱変性し
て汚れを抑制する効果はなくなるので、定期的に口金表
面を清掃してポリオルガノシロキサンを再塗布する必要
がある。上記紡糸孔周辺部の汚れは、特に複数のスリッ
トから形成される異形断面糸用紡糸口金の場合に発生し
易く、そのため円形断面糸紡糸口金に比べて口金の清掃
周期も短くならざるを得なかった。
【0004】前記のような紡糸孔周辺の堆積物の発生
は、次のようにして起こるものと推定される。すなわ
ち、溶融ポリマが紡糸口金の紡糸孔を通過するときに
は、その溶融ポリマは紡糸孔壁面とのずり発熱により孔
壁面付近のポリマ粘度を大幅に低下させる。他方、溶融
ポリマに含まれる触媒や触媒が反応して生じる化合物
は、紡糸孔の中においてポリマ流速が遅く粘度の低い孔
壁面部に移動するので、この移動した異物の濃縮物が紡
糸口金吐出孔のエッジから微小な汚れになって滲みだ
し、この微小な汚れに吐出中のポリマからの昇華物が付
着して汚れが成長する。さらに、孔周辺の堆積物がある
程度の大きさに成長すると、吐出ポリマの流れが不安定
となり、吐出ポリマが直接堆積物に接触し、汚れは急激
に成長する。更に、ポリエステルが酸化チタンを含有し
ていないポリエチレンテレフタレートであった場合に
は、酸化チタンによる吐出ポリマの増粘効果がないた
め、吐出ポリマが孔周辺の堆積物の影響を非常に受け易
い。
は、次のようにして起こるものと推定される。すなわ
ち、溶融ポリマが紡糸口金の紡糸孔を通過するときに
は、その溶融ポリマは紡糸孔壁面とのずり発熱により孔
壁面付近のポリマ粘度を大幅に低下させる。他方、溶融
ポリマに含まれる触媒や触媒が反応して生じる化合物
は、紡糸孔の中においてポリマ流速が遅く粘度の低い孔
壁面部に移動するので、この移動した異物の濃縮物が紡
糸口金吐出孔のエッジから微小な汚れになって滲みだ
し、この微小な汚れに吐出中のポリマからの昇華物が付
着して汚れが成長する。さらに、孔周辺の堆積物がある
程度の大きさに成長すると、吐出ポリマの流れが不安定
となり、吐出ポリマが直接堆積物に接触し、汚れは急激
に成長する。更に、ポリエステルが酸化チタンを含有し
ていないポリエチレンテレフタレートであった場合に
は、酸化チタンによる吐出ポリマの増粘効果がないた
め、吐出ポリマが孔周辺の堆積物の影響を非常に受け易
い。
【0005】更に、従来の異形断面口金では図2に示す
ように、紡糸孔(1) がポリマ導入部(2) と絞り部(3) お
よび吐出孔部(4) から形成されており、絞り部(3) と吐
出孔部(4) の間にはポリマ吐出面と水平なポリマ導入孔
底面(5) が存在する。このような従来紡糸口金では紡糸
孔の内面に溶融ポリマの流れが悪い部分(デッドスペー
ス)ができるために、汚れの発生以前からポリマの流動
性が不安定であり、吐出孔周りに付着した異物の成長が
生じ易い。吐出孔周辺の汚れの発生を抑える方法とし
て、特開昭61-124619 号広報ではポリマ導入孔の底面を
紡糸孔内の任意の1点を頂点とする円錐状の傾斜面とし
た口金が記されている。しかしながら、該口金ではスリ
ットの中心部と分枝部とでは紡糸孔の長さが異なり、吐
出ポリマの溶融粘度の傾斜によって吐出が極めて不安定
となる。
ように、紡糸孔(1) がポリマ導入部(2) と絞り部(3) お
よび吐出孔部(4) から形成されており、絞り部(3) と吐
出孔部(4) の間にはポリマ吐出面と水平なポリマ導入孔
底面(5) が存在する。このような従来紡糸口金では紡糸
孔の内面に溶融ポリマの流れが悪い部分(デッドスペー
ス)ができるために、汚れの発生以前からポリマの流動
性が不安定であり、吐出孔周りに付着した異物の成長が
生じ易い。吐出孔周辺の汚れの発生を抑える方法とし
て、特開昭61-124619 号広報ではポリマ導入孔の底面を
紡糸孔内の任意の1点を頂点とする円錐状の傾斜面とし
た口金が記されている。しかしながら、該口金ではスリ
ットの中心部と分枝部とでは紡糸孔の長さが異なり、吐
出ポリマの溶融粘度の傾斜によって吐出が極めて不安定
となる。
【0006】また、紡糸口金の紡糸孔内壁部の粗度も吐
出孔周りの堆積物の発生に影響を与える。すなわち、カ
ルシウムのグリコール可溶性塩に起因する化合物を含有
するポリエステルを溶融吐出する際に、内壁部、特にポ
リマ導入孔底面(5) や吐出孔部(4) の内壁部の加工仕上
げの状態が粗いほど異物の発生量が多い。これは紡糸孔
内部でポリマ中の化合物の微小な滞留が生じるためと推
定している。しかしながら、繊維分野において工業的に
見合う範囲内では、スチール鋼からなる紡糸口金の内壁
面全体を異物が発生し難くなるほど滑らかな面にするこ
とは困難である。
出孔周りの堆積物の発生に影響を与える。すなわち、カ
ルシウムのグリコール可溶性塩に起因する化合物を含有
するポリエステルを溶融吐出する際に、内壁部、特にポ
リマ導入孔底面(5) や吐出孔部(4) の内壁部の加工仕上
げの状態が粗いほど異物の発生量が多い。これは紡糸孔
内部でポリマ中の化合物の微小な滞留が生じるためと推
定している。しかしながら、繊維分野において工業的に
見合う範囲内では、スチール鋼からなる紡糸口金の内壁
面全体を異物が発生し難くなるほど滑らかな面にするこ
とは困難である。
【0007】更に、従来合成繊維の溶融紡糸に使用され
る紡糸口金は、耐食性に優れ、加工性も比較的良好なス
チール鋼から構成されるのが一般的である。しかしなが
ら、スチール鋼はポリマとの親和性が高いためか汚れが
付着し易く、また材質表面が酸素被膜で覆われているた
めに付着した異物が熱変性し易い欠点がある。更には、
カルシウムのグリコール可溶性塩を添加し、重合された
ポリエステルを紡糸する際には、該グリコール可溶性塩
とカルボキシル基との反応によって生じた化合物とスチ
ール鋼との親和性が高く、非常に汚れが堆積し易い。
る紡糸口金は、耐食性に優れ、加工性も比較的良好なス
チール鋼から構成されるのが一般的である。しかしなが
ら、スチール鋼はポリマとの親和性が高いためか汚れが
付着し易く、また材質表面が酸素被膜で覆われているた
めに付着した異物が熱変性し易い欠点がある。更には、
カルシウムのグリコール可溶性塩を添加し、重合された
ポリエステルを紡糸する際には、該グリコール可溶性塩
とカルボキシル基との反応によって生じた化合物とスチ
ール鋼との親和性が高く、非常に汚れが堆積し易い。
【0008】汚れの付着し難い、または付着したとして
も清掃し易い紡糸口金としてスチール鋼の表面処理技術
がいろいろと提案されている。例えば、特開昭53-52713
号公報、特開昭57-193509 号公報、特開昭63-105105 号
公報、特開昭63-270807 号公報等には紡糸口金のポリマ
吐出面を各種の金属やセラミックスでコーティングする
ことが提案されている。しかしながらこれら従来技術で
は、確かに処理の効果が多少は認められるものの、紡糸
口金の紡糸孔内壁部の粗度の影響が大きく、長期間の紡
糸を保証する性能や汚れの発生抑制に対する効果の点で
いまだ満足すべき効果が得られないのが現状である。
も清掃し易い紡糸口金としてスチール鋼の表面処理技術
がいろいろと提案されている。例えば、特開昭53-52713
号公報、特開昭57-193509 号公報、特開昭63-105105 号
公報、特開昭63-270807 号公報等には紡糸口金のポリマ
吐出面を各種の金属やセラミックスでコーティングする
ことが提案されている。しかしながらこれら従来技術で
は、確かに処理の効果が多少は認められるものの、紡糸
口金の紡糸孔内壁部の粗度の影響が大きく、長期間の紡
糸を保証する性能や汚れの発生抑制に対する効果の点で
いまだ満足すべき効果が得られないのが現状である。
【0009】異形断面糸を溶融紡糸する際の吐出孔周り
の堆積物による吐出障害を緩和する方法として、例えば
特開昭62-97917号広報や特開平5-78904 号広報のよう
に、スリットの先端部が半円状であり、かつ隣接するス
リット孔がその先端部まで円弧状の曲線で結ばれる横断
面を有する紡糸口金を使う方法が提案されている。この
口金を用いて紡糸すると、吐出孔周辺の堆積物が局部的
に集中することがなく、堆積物による吐出異常は生じに
くいが、該口金では得られる糸の異形度が小さくならざ
るを得ず、幅広いユーザーの要求に答えることは難し
い。
の堆積物による吐出障害を緩和する方法として、例えば
特開昭62-97917号広報や特開平5-78904 号広報のよう
に、スリットの先端部が半円状であり、かつ隣接するス
リット孔がその先端部まで円弧状の曲線で結ばれる横断
面を有する紡糸口金を使う方法が提案されている。この
口金を用いて紡糸すると、吐出孔周辺の堆積物が局部的
に集中することがなく、堆積物による吐出異常は生じに
くいが、該口金では得られる糸の異形度が小さくならざ
るを得ず、幅広いユーザーの要求に答えることは難し
い。
【0010】従って、工業的に見合う安価な技術で、ポ
リマ中の添加物に起因する異物の吐出孔部周辺への付着
を防ぎ、かつ紡糸孔内部でのポリマの異常滞留を極力抑
えることにより、長時間連続紡糸することが課題であ
る。
リマ中の添加物に起因する異物の吐出孔部周辺への付着
を防ぎ、かつ紡糸孔内部でのポリマの異常滞留を極力抑
えることにより、長時間連続紡糸することが課題であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、糸の
断面形状や太さを均一に維持させると共に、紡糸孔周辺
の堆積物の発生を抑制し、それによって口金の清掃周期
を延長可能にするポリエステル糸の製造方法を提供する
ことにある。
断面形状や太さを均一に維持させると共に、紡糸孔周辺
の堆積物の発生を抑制し、それによって口金の清掃周期
を延長可能にするポリエステル糸の製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、カルシウム
のグリコール可溶性塩を添加したポリエステルを溶融吐
出するに際し、少なくとも紡糸孔周辺部がセラミックス
で形成され、紡糸孔の内壁面の粗度が0.1S以下である紡
糸口金を用いることを特徴とするポリエステル糸の製造
方法によって達成される。
のグリコール可溶性塩を添加したポリエステルを溶融吐
出するに際し、少なくとも紡糸孔周辺部がセラミックス
で形成され、紡糸孔の内壁面の粗度が0.1S以下である紡
糸口金を用いることを特徴とするポリエステル糸の製造
方法によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエステル
は、飽和線状ポリエステルであればどのようなものでも
良いが、代表的な例をあげるならばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンカルボキ
シレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンP,P’−ジフェノキシエタンジカルボレート、
ポリエチレン−P−オキシベンゾエートなどがあげられ
る。これらのポリエステルはその構成成分の15 モル%以下
まで他のジカルボン酸成分、グリコール成分、オキシカ
ルボン酸成分等が共重合されていても良い。
は、飽和線状ポリエステルであればどのようなものでも
良いが、代表的な例をあげるならばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンカルボキ
シレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンP,P’−ジフェノキシエタンジカルボレート、
ポリエチレン−P−オキシベンゾエートなどがあげられ
る。これらのポリエステルはその構成成分の15 モル%以下
まで他のジカルボン酸成分、グリコール成分、オキシカ
ルボン酸成分等が共重合されていても良い。
【0014】また、該ポリエステルはアルキレングルコ
ールの沸点における溶解度が0.5 wt.%以上のカルシウム
塩を添加し、重合されたポリエステルである。具体的に
は、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、アジピ
ン酸カルシウム等をポリエステルの重合反応が終了する
以前に添加したポリエステルである。特に、テレフタル
酸とエチレングリコールを出発原料として、エステル化
反応生成物に酢酸カルシウムを添加して重合したポリエ
ステルであると本発明の効果は大きい。カルシウム塩の
添加量が、得られるポリエステルに対して、0.015 〜0.
20 wt.% であるポリエステルを用いることが好ましい。
ールの沸点における溶解度が0.5 wt.%以上のカルシウム
塩を添加し、重合されたポリエステルである。具体的に
は、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、アジピ
ン酸カルシウム等をポリエステルの重合反応が終了する
以前に添加したポリエステルである。特に、テレフタル
酸とエチレングリコールを出発原料として、エステル化
反応生成物に酢酸カルシウムを添加して重合したポリエ
ステルであると本発明の効果は大きい。カルシウム塩の
添加量が、得られるポリエステルに対して、0.015 〜0.
20 wt.% であるポリエステルを用いることが好ましい。
【0015】本発明で使用される紡糸口金は、少なくと
も紡糸孔周辺部がセラミックスで形成されていることが
必要である。本発明で言う、少なくとも紡糸孔周辺部が
セラミックスで形成されている紡糸口金とは、紡糸孔部
をセラミックスで製作し、例えばスチール鋼の母材に組
み込んだ紡糸口金やセラミックスの素材に直接、紡糸孔
を穿設した紡糸口金である。
も紡糸孔周辺部がセラミックスで形成されていることが
必要である。本発明で言う、少なくとも紡糸孔周辺部が
セラミックスで形成されている紡糸口金とは、紡糸孔部
をセラミックスで製作し、例えばスチール鋼の母材に組
み込んだ紡糸口金やセラミックスの素材に直接、紡糸孔
を穿設した紡糸口金である。
【0016】前記したカルシウムのグリコール可溶性塩
とカルボキシル基との反応によって生じた化合物は微小
な異粒子としてポリマ中に分散している。セラミックス
は該粒子との親和性が低く、長期溶融紡糸しても吐出孔
の周りに析出することは無い。またセラミックスではポ
リマの熱変成がし難く、異物の成長速度が遅くなる効果
がみられる。セラミックスの材質としては特に限定され
ないが、アルミナ、ジルコニアを含むセラミックス素材
が好適である。中でも、特にジルコニア系セラミックス
がその硬度の高さより、紡糸孔の摩耗を抑えるという付
帯効果が期待でき、最も好ましい。
とカルボキシル基との反応によって生じた化合物は微小
な異粒子としてポリマ中に分散している。セラミックス
は該粒子との親和性が低く、長期溶融紡糸しても吐出孔
の周りに析出することは無い。またセラミックスではポ
リマの熱変成がし難く、異物の成長速度が遅くなる効果
がみられる。セラミックスの材質としては特に限定され
ないが、アルミナ、ジルコニアを含むセラミックス素材
が好適である。中でも、特にジルコニア系セラミックス
がその硬度の高さより、紡糸孔の摩耗を抑えるという付
帯効果が期待でき、最も好ましい。
【0017】本発明で使用される紡糸口金は、紡糸孔の
内壁面の粗度が0.1S以下であることが必要である。なお
紡糸孔(1) のポリマ導入部(2) 、絞り部(3) 、吐出孔部
(4)の全てにおいて内壁面の粗度が0.1S以下であること
が好ましい。内壁面の粗度が0.1Sを越える場合には、汚
れ発生抑制に対する効果は小さくなる。理由は明確では
ないが、微小な吐出ポリマの滞留によるためと推定して
いる。
内壁面の粗度が0.1S以下であることが必要である。なお
紡糸孔(1) のポリマ導入部(2) 、絞り部(3) 、吐出孔部
(4)の全てにおいて内壁面の粗度が0.1S以下であること
が好ましい。内壁面の粗度が0.1Sを越える場合には、汚
れ発生抑制に対する効果は小さくなる。理由は明確では
ないが、微小な吐出ポリマの滞留によるためと推定して
いる。
【0018】本発明において、紡糸口金の紡糸孔(1) が
ポリマ導入部(2) 、絞り部(3) 、および任意の位置の横
断面形状が紡糸孔の出口形状と相似形である吐出孔部
(4)から形成され、導入部から吐出孔部に至るまでの間
が滑らかな曲面で連結されていることが好ましい。
ポリマ導入部(2) 、絞り部(3) 、および任意の位置の横
断面形状が紡糸孔の出口形状と相似形である吐出孔部
(4)から形成され、導入部から吐出孔部に至るまでの間
が滑らかな曲面で連結されていることが好ましい。
【0019】本発明で使用される紡糸口金の実施例の一
形態を図1に示す。紡糸孔(1) はほぼストレートに開け
られたポリマ導入孔部(2) 、絞り部(3) 、3つのスリッ
トから構成された吐出孔部(4) からなり、従来の紡糸口
金のように紡糸孔の内壁面が絞り部の部分で鋭角に角度
を変えることや、ポリマ導底面(5) を形成することが無
く、導入部から吐出部に至るまでの間が、ポリマ導入孔
部と絞り部の連結面(6A)、絞り部の中間面(6B)、絞り部
と吐出孔部の連結面(6C)に3つの屈曲面を有する滑らか
な曲面で連結されている。このため、吐出される溶融ポ
リマが紡糸孔内部で滞留したり、流れが乱流となること
が非常に少なくなり、紡糸の継続による紡糸孔周辺の異
物の発生量が少なくなる。
形態を図1に示す。紡糸孔(1) はほぼストレートに開け
られたポリマ導入孔部(2) 、絞り部(3) 、3つのスリッ
トから構成された吐出孔部(4) からなり、従来の紡糸口
金のように紡糸孔の内壁面が絞り部の部分で鋭角に角度
を変えることや、ポリマ導底面(5) を形成することが無
く、導入部から吐出部に至るまでの間が、ポリマ導入孔
部と絞り部の連結面(6A)、絞り部の中間面(6B)、絞り部
と吐出孔部の連結面(6C)に3つの屈曲面を有する滑らか
な曲面で連結されている。このため、吐出される溶融ポ
リマが紡糸孔内部で滞留したり、流れが乱流となること
が非常に少なくなり、紡糸の継続による紡糸孔周辺の異
物の発生量が少なくなる。
【0020】本発明において、紡糸口金の吐出孔部出口
形状が3本以上のスリットが放射状に穿設された多葉状
の形状であるときに最も効果を発揮する。該吐出孔部の
深度が0.3 〜1.0 mmであることが好ましい。本発明で言
う吐出孔部深度とは、紡糸孔の横断面形状が出口部の形
状と相似である部分の長さを表す。吐出孔部(4) の深度
が0.3 mm以下であれば、紡糸孔の中央部を通るポリマと
スリットの先端部の孔壁を通るポリマとで流速の差が大
きくなり、吐出状態が不安定となる。一方、深度が1.0
mm以上であると紡糸孔での圧力損失が大きく、口金やパ
ックの異常につながる。
形状が3本以上のスリットが放射状に穿設された多葉状
の形状であるときに最も効果を発揮する。該吐出孔部の
深度が0.3 〜1.0 mmであることが好ましい。本発明で言
う吐出孔部深度とは、紡糸孔の横断面形状が出口部の形
状と相似である部分の長さを表す。吐出孔部(4) の深度
が0.3 mm以下であれば、紡糸孔の中央部を通るポリマと
スリットの先端部の孔壁を通るポリマとで流速の差が大
きくなり、吐出状態が不安定となる。一方、深度が1.0
mm以上であると紡糸孔での圧力損失が大きく、口金やパ
ックの異常につながる。
【0021】本発明に用いられる紡糸口金において、吐
出部(4) の任意の位置の横断面形状が直線部を含まない
ように成形することもことも可能であり、その場合紡糸
孔周辺への汚れの堆積を更に小さくすることができる。
出部(4) の任意の位置の横断面形状が直線部を含まない
ように成形することもことも可能であり、その場合紡糸
孔周辺への汚れの堆積を更に小さくすることができる。
【0022】本発明で用いられる紡糸口金は、例えば、
特開平7-157910号公報に示されているように、紡糸孔の
部分を射出成形によって成形し、焼結したものを公知の
手法によりスチール鋼製の母材に組み込むことによって
製作される。また、セラミックス素材を所望の円筒状に
焼結したのち、研削や打ち抜き等の機械的処理により穿
孔し、紡糸孔内部の壁面を0.1S以下の粗度にすることに
よっても製作することができる。
特開平7-157910号公報に示されているように、紡糸孔の
部分を射出成形によって成形し、焼結したものを公知の
手法によりスチール鋼製の母材に組み込むことによって
製作される。また、セラミックス素材を所望の円筒状に
焼結したのち、研削や打ち抜き等の機械的処理により穿
孔し、紡糸孔内部の壁面を0.1S以下の粗度にすることに
よっても製作することができる。
【0023】例えば、テレフタル酸とエチレングリコー
ルを出発原料として、連続的にポリエチレンテレフタレ
ートを製造する過程において、エステル化反応生成物に
カルシウムのグリコール可溶性塩を添加して重合したポ
リエステルを、上記セラミックス製の紡糸口金を通じて
溶融吐出し、公知の手法によって巻き取ることによって
本発明の目的は達せられる。
ルを出発原料として、連続的にポリエチレンテレフタレ
ートを製造する過程において、エステル化反応生成物に
カルシウムのグリコール可溶性塩を添加して重合したポ
リエステルを、上記セラミックス製の紡糸口金を通じて
溶融吐出し、公知の手法によって巻き取ることによって
本発明の目的は達せられる。
【0024】
実施例 25゜Cのo−クロルフェノール中で測定した極限粘度が0.
65のポリエチレンテレフタレートで、最終的に得られる
ポリエチレンテレフタレートに対し酢酸カルシウム0.08
wt.% 、触媒として三酸化アンチモン0.03 wt.% 、燐酸
0.01 wt.% を重合したポリエチレンテレフタレートを下
記の紡糸孔を有する溶融紡糸口金からなる8組の口金パ
ックを使用し、それぞれの口金表面にジメチルシロキサ
ンを主体とする離型剤を塗布して、紡糸温度295 ゜C、吐
出量37.5 g/minで吐出した。吐出ポリマは22 ゜C 、25 m
/minの冷却風により60 ゜C まで冷却されたのち、内径φ
15mm で長さ1.2 m の雰囲気温度が200 ゜Cの加熱筒内導
入した。冷却風で一旦冷却された吐出糸は加熱筒内で熱
延伸および熱処理され、引き取り速度5,000 m/minで引
き取った。なお、使用した紡糸口金のうち任意の1枚を
紡糸孔に沿って切断し、紡糸孔の内壁面の粗度を調べた
ところ、ポリマ導入部から吐出孔部に至るいずれの位置
においても0.1Sであった。
65のポリエチレンテレフタレートで、最終的に得られる
ポリエチレンテレフタレートに対し酢酸カルシウム0.08
wt.% 、触媒として三酸化アンチモン0.03 wt.% 、燐酸
0.01 wt.% を重合したポリエチレンテレフタレートを下
記の紡糸孔を有する溶融紡糸口金からなる8組の口金パ
ックを使用し、それぞれの口金表面にジメチルシロキサ
ンを主体とする離型剤を塗布して、紡糸温度295 ゜C、吐
出量37.5 g/minで吐出した。吐出ポリマは22 ゜C 、25 m
/minの冷却風により60 ゜C まで冷却されたのち、内径φ
15mm で長さ1.2 m の雰囲気温度が200 ゜Cの加熱筒内導
入した。冷却風で一旦冷却された吐出糸は加熱筒内で熱
延伸および熱処理され、引き取り速度5,000 m/minで引
き取った。なお、使用した紡糸口金のうち任意の1枚を
紡糸孔に沿って切断し、紡糸孔の内壁面の粗度を調べた
ところ、ポリマ導入部から吐出孔部に至るいずれの位置
においても0.1Sであった。
【0025】紡糸孔構造: 図1 紡糸孔数 : 36 紡糸孔部材質:Y 2 O 3 3 mol%含有ZrO 2 吐出孔部横断面形状:図3 吐出孔部横断面のスリット幅:0.1 mm 吐出孔部横断面のスリット長さ:0.32 mm 吐出孔部の深度:0.5 mm 上記溶融紡糸を7日間口金面を清掃することなく連続的
に実施したが、8組の口金パックとも断糸等の紡糸工程
の中断は全くなかった。
に実施したが、8組の口金パックとも断糸等の紡糸工程
の中断は全くなかった。
【0026】また、紡糸口金を取り外した後、吐出孔周
辺に堆積している汚れを顕微鏡で観察し、顕微鏡の焦点
位置から口金面に堆積した異物の高さを読み取り、口金
汚れの評価を行ったところ、口金面に堆積した異物のう
ち最も高いものでも15±10μm 程度であった。
辺に堆積している汚れを顕微鏡で観察し、顕微鏡の焦点
位置から口金面に堆積した異物の高さを読み取り、口金
汚れの評価を行ったところ、口金面に堆積した異物のう
ち最も高いものでも15±10μm 程度であった。
【0027】比較例 図2に示すような紡糸孔構造を有したスチール鋼(SUS63
0)口金を用いる以外は実施例1と同様に8組の口金パッ
クによる溶融紡糸を、3日間口金面を清掃することなく
連続実施した。使用した紡糸口金のうち任意の1枚を紡
糸孔にそって切断し、紡糸孔の内壁面の粗度を調べたと
ころ、吐出孔部(4) の粗度は0.1Sであったものの、絞り
部(3) の内壁面粗度は6S以上であった。その結果、3回
の糸切れによる紡糸中断を発生した。また、口金面に堆
積した異物には、約150 ±10 μm の高さに成長したも
のがあった。
0)口金を用いる以外は実施例1と同様に8組の口金パッ
クによる溶融紡糸を、3日間口金面を清掃することなく
連続実施した。使用した紡糸口金のうち任意の1枚を紡
糸孔にそって切断し、紡糸孔の内壁面の粗度を調べたと
ころ、吐出孔部(4) の粗度は0.1Sであったものの、絞り
部(3) の内壁面粗度は6S以上であった。その結果、3回
の糸切れによる紡糸中断を発生した。また、口金面に堆
積した異物には、約150 ±10 μm の高さに成長したも
のがあった。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリエステル糸の製造方法で
は、紡糸孔部分がセラミックス構成され、紡糸孔の内壁
面粗度が0.1S以下の紡糸口金を用いることにより、紡出
糸の断面形状や太さを均一に維持しながら吐出孔周辺部
の汚れの堆積を低減し、長期間の安定紡糸が可能とな
る。
は、紡糸孔部分がセラミックス構成され、紡糸孔の内壁
面粗度が0.1S以下の紡糸口金を用いることにより、紡出
糸の断面形状や太さを均一に維持しながら吐出孔周辺部
の汚れの堆積を低減し、長期間の安定紡糸が可能とな
る。
【図1】本発明で使用される紡糸口金の紡糸孔の図3の
A-A'部分切断面図である。
A-A'部分切断面図である。
【図2】従来使用されている紡糸口金の紡糸孔の切断面
図である。
図である。
【図3】本発明で使用される紡糸口金に設けた吐出孔の
横断面図である。
横断面図である。
1 紡糸孔 2 ポリマ導入部 3 絞り部 4 吐出孔部 5 ポリマ導入孔底面 6 屈曲面 7 スリット幅 8 スリット長さ
Claims (3)
- 【請求項1】 カルシウムのグリコール可溶性塩を添加
したポリエステルを溶融吐出するに際し、少なくとも紡
糸孔周辺部がセラミックスで形成され、紡糸孔の内壁面
の粗度が0.1S以下である紡糸口金を用いることを特徴と
するポリエステル糸の製造方法。 - 【請求項2】 紡糸口金の紡糸孔がポリマ導入部、絞り
部、および任意の位置の横断面形状が紡糸孔の出口形状
と相似形である吐出孔部から形成され、導入部から吐出
孔部に至るまでの間が滑らかな曲面で連結されているこ
とを特徴とする請求事項1に記載のポリエステル糸の製
造方法。 - 【請求項3】 紡糸孔の出口形状が3本以上のスリット
が放射状に穿設された多葉形の口金であることを特徴と
する請求事項1または2に記載のポリエステル糸の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34084195A JPH09176911A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | ポリエステル糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34084195A JPH09176911A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | ポリエステル糸の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09176911A true JPH09176911A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18340803
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34084195A Pending JPH09176911A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | ポリエステル糸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09176911A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008291389A (ja) * | 2007-05-24 | 2008-12-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | セルロースアセテート繊維の紡糸方法 |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34084195A patent/JPH09176911A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008291389A (ja) * | 2007-05-24 | 2008-12-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | セルロースアセテート繊維の紡糸方法 |
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